JP3491991B2 - セメント系焼成建材の製造方法 - Google Patents
セメント系焼成建材の製造方法Info
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Description
いはエクステリアなどの外観が重視されるセメント系焼
成建材の製造方法に関するものである。
等よりなる配合物を混練・成形し、必要に応じて施釉し
た後、焼成することにより製造されている。
素地の強度が小さく、製造工程における取扱いに不便で
ある。さらに、乾燥や焼成による変形が大きく、大型長
尺板や異形断面形状品では寸法精度に劣る。また、粘土
成分による焼結過多によって焼成後の切断加工が容易で
なく、現場での加工作業を伴う内外装仕上げ材としては
不適であった。
が使用されているが、未焼成でしかも樹脂塗装が主流で
あり、耐久性に劣る。
て、セメント系焼成建材が提案されている。例えば特公
昭61−44829号公報では、セメントなどの水硬性
物質を混合し、水和硬化させた後、焼成して製造され
る。特公昭62−9556号公報は、セメントなどの水
硬性物質を成形して得た素地に施釉し、770℃以上で
焼成する方法である。特開平1−172263号公報は
含水珪酸アルミニウム鉱物、セメント、フラックス成分
および他の骨材よりなる配合物を混練・成形し、一旦焼
成した後、セメントが水和反応しなくなる温度で再焼成
する方法である。
性を付与することにより、成形・養生後の素地強度が増
加し、大型長尺板の製造が容易となる。しかし、特開平
1−172263号公報の方法では焼成体に十分な強度
をもたせるために、再水和硬化させる工程が必要であ
り、生産効率に劣るという問題があった。
ト結合の劣化を防止するために低温釉を用いて900℃
以下の低温で焼成するか、あるいは成形素地にフラック
ス成分を添加して高温焼成することが必要となる。
限定され、陶磁器特有の変化に富んだ釉調の化粧ができ
ない。また、低温釉は一般にガラスフリットが多くなる
ために高価であり、これの使用は建材製品のコスト高を
招く。しかも、セメント系成形素地は900℃以下で低
温焼成すると強度不足や白華現象などの問題がある。一
方、成形素地にフラックス成分を添加し高温で焼成した
場合は、耐衝撃性が低下し機械加工性にも劣る。
方法における上記従来の問題を解決することを目的とす
る。
ろは特許請求範囲に記載した通りである。
ントとしては、ポルトランドセメント、アルミナセメン
ト、マグネシアセメントなどが知られている。骨材につ
いても、焼成において急激な膨張・収縮のない材質とし
て、陶磁器質シャモット、川砂、海砂、珪砂、安山岩、
玄武岩、硬質砂岩などの使用が知られている。
セメントに限定し、骨材に陶器質軽量シャモットを使用
し、かつ、この組合せにおいて主としてマトリックスに
ワラストナイトおよびアノーサイトを生成させることを
特徴とする。
し、基材に対して耐衝撃強度の付与と焼成収縮を抑制す
る効果をもつと考えられる。また、アノーサイトは組織
強度の発現と白華現象防止の効果があると考えられる。
ナイトおよびアノーサイトを共存させるためには、焼成
温度が1000〜1200℃であることが好ましい。本
発明の配合物においては、1000℃以下ではアノーサ
イトの生成が難しくなり、1200℃以上ではワラスト
ナイトが消失してしまう傾向にあるからである。
法では、セメントの水和もしくは強度発現のみポイント
にされ、焼成温度は単に1000℃以上とされてきた。
て、ろう石、陶器質軽量シャモットを使用する。ろう石
の使用により、セメントマトリックス部の焼成時におけ
る収縮の抑制と、ろう石の易加工性による焼成後の基材
の機械加工性に効果がある。同じアルミナ−シリカ原料
であっても、カオリンなどは焼成収縮率が大きく、基材
の寸法精度や機械加工性に劣り、本発明の効果が得られ
ない。
に加え、基材の軽量化および切削・切断の機械加工性を
向上させる。また、粗粒感による質感によって意匠性が
優れたものとなる。
性で焼成収縮率が小さいとされてきた。また、セメント
水和物を焼成することによる劣化をフラックス成分の添
加で防止できると考えられてきた。しかしながら、本発
明では上述に示す内容により、先行技術とは異なり、か
つ、先行技術の課題点を解決している。
なるC3S鉱物が焼成時の加熱変化によりワラストナイ
ト(CaO・SiO2)を生成し、本発明の効果を発揮
する。C3Sを主体としないこれ以外のセメントを用い
た場合は、ワラストナイトが生成されない。
のとして、ポルトランドセメントがある。このポルトラ
ンドセメントには早強セメント、超早強セメント、普通
ポルトランドなどがあるが、硬化速度による製造作業性
の面から普通ポルトランドの使用が好ましい。
に好ましくは0.5mm以下である。微粉過多の配合物
になると成形時に亀裂が発生し易いなどの理由により、
44μm以下が20重量%以上含まないことが望まし
い。
粘土質の塊状物を焼成後、粉砕して粒度調整したもので
ある。軽量であることの特性を付与するためには、PR
E(欧州連合規格)R30−77に準じた測定方法にお
いて、かさ比重が2.3以下であることが好ましい。さ
らに好ましくは、2.0以下である。
えば焼成温度を調整する。例えば1200℃以下の低温
で焼成する。しかし、1000℃未満の焼成品の使用
は、セメント系成形素地の焼成収縮が大きくなり、好ま
しくない。1200℃を超える高温では磁器質となり、
かさ比重が高く、セメント系焼成基材の機械加工性の低
下や軽量化が不十分となる。さらに、磁器質化したシャ
モットは表面活性に劣るために、成形素地中の他の原料
との反応性に乏しく、本発明の効果の発揮に必要なアノ
ーサイトの生成も不十分となる。
下が好ましく、さらに好ましくは0.5mm以下であ
る。粒度が大きすぎると、セメント系素地の成形時に亀
裂などの欠陥を発生する。
体例としては、上記の要件を備えた粘土シャモット、ボ
タシャモット、陶器瓦屑などを使用することができる。
により得られた焼成大型建材を粉砕し、粒度調節し、こ
れを陶器質軽量シャモットとして使用することもでき
る。この本発明により得られた焼成大型建材はワラスト
ナイトおよびアノーサイトを多く含んでおり、この骨材
は焼成建材と同質に近いために本発明の効果を損なうこ
とはない。例えば焼成建材の破損品などを粉砕し、粒度
調節したものを本発明における陶器質軽量シャモットと
して使用した場合、基材マトリックス部におけるワラス
トナイトおよびアノーサイトの生成量を増加させ、かつ
不良品の再利用によるコストダウンを図ることが可能で
ある。
融液のフラックスを生じさせ、焼成基材の結合剤として
の役割をもつ。具体的には各種のガラス粉、市販のフリ
ット、長石、シラス、抗火石などが使用できる。
モット、フラックス成分およびC3Sを主体とするセメ
ントの各配合物の割合は特に限定されるものではない。
本発明の効果を十分に発揮させるためには、ろう石は1
0〜70重量部、陶器質軽量シャモットは5〜70重量
部、フラックス成分は5〜50重量部、ポルトランドセ
メントは10〜50重量部程度が好ましい。さらに好ま
しくは、ろう石20〜50重量部、陶器質軽量シャモッ
トは10〜50重量部、フラックス成分10〜40重量
部およびポルトランドセメント20〜40重量部であ
る。
〜20重量部添加し、混練後、成形する。ついで、養生
・乾燥後、必要に応じて加工・施釉を行ったあと、焼成
する。混練時の水分量が10重量部未満であると成形時
あるいは養生、乾燥時にクラック等の欠陥を生じやすく
なり、20重量部を超えると成形時の保型性が損なわれ
たり、乾燥収縮、焼成収縮、強度等に影響を及ぼす場合
がある。
剤、可塑剤、流動化剤、分散剤等を適宜に選択添加する
ことができる。成形方法としても、通常の陶磁器製造に
用いられる鋳込み成形法、プレス成形法、押出し成形
法、抄造法等が用いられる。
る。表1は、各例で使用した原料の品質値である。表2
は、各例で使用した配合組成物とそれによって得られら
基材の試験結果である。
に水分を15重量部添加し、ニーダールーダーにて混練
後、真空押出し成形機にて450×230×20mmの
板を成形した。次いで、自然養生を2日間と110℃×
12時間の加熱乾燥を行った後、ローラーハースキルン
にて表に示した各温度で3時間の迅速焼成を行った。本
発明実施例により得られた焼成基材は、いずれも焼成収
縮率がきわめて小さく、曲げ強度および衝撃強度に優れ
た焼成基材が得られた。また、機械加工性に優れ、白華
現象も認められなかった。
軽量であり、施工時の持ち運びが容易である。焼成基材
についてX線回折を行った結果、いずれもワラストナイ
トおよびアノーサイトを生成していた。
モットを使用した比較例1は、成形素地、焼成基材のい
ずれにおいても機械加工性が低下した。また、焼成基材
のかさ比重は2.4と重くなった。さらに、この基材の
X線回折ではアノーサイトの生成が不十分であり、焼成
基材の曲げ強度および衝撃強度に著しく劣る。
アノーサイトが生成されず、焼成基材の曲げ強度および
衝撃強度に劣り、しかも、白華現象が見られた。比較例
3は、逆に焼成温度が高過ぎるためか、ワラストナイト
の生成が認められず、焼成基材の軟化変形が見られた。
締まりが大きく、寸法精度および機械加工性に劣る。
た比較例5では、ワラストナイトの生成が認められず、
衝撃強度が著しく低下した。
以上に述べた通り大型陶磁器建材に要求される寸法精
度、基材強度、耐衝撃性、軽量化および機械加工性を兼
ね備えている。
本発明による建材は焼成温度範囲が広いために、施釉で
表面化粧した場合、釉薬の適用種類が多くなり、陶磁器
特有の変化に富んだ釉調の意匠性に優れた大型陶磁器建
材を製造することができる。さらに、塗装のように色あ
せや剥離することなく、また白華現象がないために耐久
性や耐候性についても優れた効果をもつ。
Claims (2)
- 【請求項1】 ろう石、PRE(欧州連合規格)R30
−77に準じた測定方法でかさ比重が2.3以下の陶器
質軽量シャモット、フラックス成分およびC3Sを主体
とするセメントを主材とした配合物を混練・成形し、養
生・乾燥後、焼成し、主としてマトリックス部にワラス
トナイトおよびアノーサイトを生成させることを特徴と
するセメント系大型焼成建材の製造方法。 - 【請求項2】 前記焼成時の焼成温度が1000〜12
00℃である請求項1記載のセメント系焼成大型建材の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27762694A JP3491991B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | セメント系焼成建材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27762694A JP3491991B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | セメント系焼成建材の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08133825A JPH08133825A (ja) | 1996-05-28 |
JP3491991B2 true JP3491991B2 (ja) | 2004-02-03 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP27762694A Expired - Lifetime JP3491991B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | セメント系焼成建材の製造方法 |
Country Status (1)
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JP5441006B2 (ja) * | 2010-02-08 | 2014-03-12 | Toto株式会社 | 軽量陶器 |
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-
1994
- 1994-11-11 JP JP27762694A patent/JP3491991B2/ja not_active Expired - Lifetime
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