JP2633065B2 - 施釉方法 - Google Patents
施釉方法Info
- Publication number
- JP2633065B2 JP2633065B2 JP16348690A JP16348690A JP2633065B2 JP 2633065 B2 JP2633065 B2 JP 2633065B2 JP 16348690 A JP16348690 A JP 16348690A JP 16348690 A JP16348690 A JP 16348690A JP 2633065 B2 JP2633065 B2 JP 2633065B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glaze
- raster
- concrete
- firing
- concrete substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は施釉方法に関する。さらに詳しくは、表面が
平滑で美麗なラスター調のコンクリートパネルをうるこ
とのできる施釉方法に関する。
平滑で美麗なラスター調のコンクリートパネルをうるこ
とのできる施釉方法に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] 従来よりコンクリートパネルは、あらかじめ工場で製
造されるため現場で型枠を組んでコンクリートを打設す
る必要がなく品質に優れるとともに、工期の大巾な短縮
が図れるためプレハブ住宅や、ビル、工場、倉庫などの
一般建築物のカーテンウォール、床などに多用されてい
る。
造されるため現場で型枠を組んでコンクリートを打設す
る必要がなく品質に優れるとともに、工期の大巾な短縮
が図れるためプレハブ住宅や、ビル、工場、倉庫などの
一般建築物のカーテンウォール、床などに多用されてい
る。
かかるコンクリートパネルは、美観を向上させたり耐
久性を向上させるためにパネル表面に施釉が行われるば
あいがある。
久性を向上させるためにパネル表面に施釉が行われるば
あいがある。
またパネルの表情を豊かにするために釉面にラスター
処理をして光彩や真珠光沢を与えることが考えられる。
このばあいに、釉面にラスターを塗布したのちに、釉面
が溶融する温度域でコンクリート基材を焼成すると、ラ
スター表面に亀甲状の模様が発生していた。この亀甲状
の模様は、釉面が溶融するときに基材の熱膨脹が釉より
大きいため釉面が引張られ、釉面にクラックが発生する
ためにできたものであり、えられたコンクリートパネル
の平滑性が害されるだけでなく意匠上も問題であった。
処理をして光彩や真珠光沢を与えることが考えられる。
このばあいに、釉面にラスターを塗布したのちに、釉面
が溶融する温度域でコンクリート基材を焼成すると、ラ
スター表面に亀甲状の模様が発生していた。この亀甲状
の模様は、釉面が溶融するときに基材の熱膨脹が釉より
大きいため釉面が引張られ、釉面にクラックが発生する
ためにできたものであり、えられたコンクリートパネル
の平滑性が害されるだけでなく意匠上も問題であった。
本発明は、叙上の事情に鑑み、ラスター表面に亀甲状
の模様ができるのを防止して、平滑で美麗なラスター調
の表情をコンクリートパネルに付与することのできる施
釉方法を提供することを目的とする。
の模様ができるのを防止して、平滑で美麗なラスター調
の表情をコンクリートパネルに付与することのできる施
釉方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の施釉方法は、セメント混練物を成形、養生
し、ついで乾燥してえられたコンクリート基材の表面に
釉薬を塗布したのちに該コンクリート基材を焼成し、再
水和させることなく前記コンクリート基材の釉面にラス
ターを塗布し、その後予め処理した釉面の融点+10℃以
上または−10℃以下でコンクリート基材を焼成し、さら
にえられた焼成体を再水和させることを特徴としてい
る。
し、ついで乾燥してえられたコンクリート基材の表面に
釉薬を塗布したのちに該コンクリート基材を焼成し、再
水和させることなく前記コンクリート基材の釉面にラス
ターを塗布し、その後予め処理した釉面の融点+10℃以
上または−10℃以下でコンクリート基材を焼成し、さら
にえられた焼成体を再水和させることを特徴としてい
る。
[実施例] 本発明の施釉方法は、コンクリート基材の表面に釉薬
を塗布し、焼成したのち、該コンクリート基材を再水和
させることなくその釉面にラスターを塗布し、予め処理
した釉面の溶融する温度域よりも高温で、もしくは低温
でコンクリート基材を焼成した後に再水和させるもので
ある。
を塗布し、焼成したのち、該コンクリート基材を再水和
させることなくその釉面にラスターを塗布し、予め処理
した釉面の溶融する温度域よりも高温で、もしくは低温
でコンクリート基材を焼成した後に再水和させるもので
ある。
施釉されるコンクリート基材は、セメント混練物を成
形、乾燥することによりえられる。
形、乾燥することによりえられる。
セメント混練物は、セメント、骨材、水および必要に
応じ適宜添加される混和材または混和剤を練り混ぜたも
のである。セメントとしてはポルトランドセメントや混
合セメントなどを、また骨材としては磁器質シャモッ
ト、抗火石などそれぞれ通常用いられているものを使用
すればよく本発明においてとくに限定されるものではな
い。また、パネルに要求される強度や耐水性などの特性
に応じて適宜の混和材または混和剤を使用すればよい。
応じ適宜添加される混和材または混和剤を練り混ぜたも
のである。セメントとしてはポルトランドセメントや混
合セメントなどを、また骨材としては磁器質シャモッ
ト、抗火石などそれぞれ通常用いられているものを使用
すればよく本発明においてとくに限定されるものではな
い。また、パネルに要求される強度や耐水性などの特性
に応じて適宜の混和材または混和剤を使用すればよい。
前記セメント混練物は、必要に応じて溶接鉄筋などの
補強筋が配設された適宜の形状の型枠内に流し込み、自
然養生または促進養生が行われる。養生後、コンクリー
ト基材は250〜350℃の温度で3〜5時間程度乾燥され
る。
補強筋が配設された適宜の形状の型枠内に流し込み、自
然養生または促進養生が行われる。養生後、コンクリー
ト基材は250〜350℃の温度で3〜5時間程度乾燥され
る。
乾燥後に、コンクリート基材の表面に生釉、フリット
釉などの釉薬が塗布される。釉薬の塗布量はとくに限定
されないが、概ね0.5〜2kg/m2であり、ハケ塗り、スプ
レー塗り、流し塗りなどにより施釉される。
釉などの釉薬が塗布される。釉薬の塗布量はとくに限定
されないが、概ね0.5〜2kg/m2であり、ハケ塗り、スプ
レー塗り、流し塗りなどにより施釉される。
施釉後、コンクリート基材はローラーハースキルンな
どの焼成炉にて焼成される。焼成条件は、釉薬の種類な
どにより異なるが800〜900℃の温度で1時間程度焼成が
行われる。
どの焼成炉にて焼成される。焼成条件は、釉薬の種類な
どにより異なるが800〜900℃の温度で1時間程度焼成が
行われる。
ついで、コンクリート基材を再水和させることなく施
釉コンクリート基材の表面にラスターを塗布する。こう
して、施釉・焼成後の再水和工程を省き、ラスター処理
後に再水和を行うことにより、再水和時にコンクリート
中に入り込んだ水分が再乾燥によっても放出されずにラ
スター塗布後の焼成時に表面に浮上し、釉面が発泡した
ようになるのを防止することができる。
釉コンクリート基材の表面にラスターを塗布する。こう
して、施釉・焼成後の再水和工程を省き、ラスター処理
後に再水和を行うことにより、再水和時にコンクリート
中に入り込んだ水分が再乾燥によっても放出されずにラ
スター塗布後の焼成時に表面に浮上し、釉面が発泡した
ようになるのを防止することができる。
なお、本明細書において、「ラスター」とは、貴金
属樹脂酸塩を釉の上にかける、着色酸化物を含む鉛釉
を3回焼成して還元する、ある種の組成の釉薬を用い
て特殊な焼成方法をとる、未だ熱い本焼成品の上に金
属塩溶液をスプレー掛けする、および錫釉にオーカー
と金属をかけるなどの方法によって釉面に形成された光
彩や真珠光沢を与える貴金属層を意味し、「ラスターの
塗布」とは、貴金属樹脂酸塩の薄い層をスプレー塗布な
どによりコンクリート基材の表面に形成することを意味
している。
属樹脂酸塩を釉の上にかける、着色酸化物を含む鉛釉
を3回焼成して還元する、ある種の組成の釉薬を用い
て特殊な焼成方法をとる、未だ熱い本焼成品の上に金
属塩溶液をスプレー掛けする、および錫釉にオーカー
と金属をかけるなどの方法によって釉面に形成された光
彩や真珠光沢を与える貴金属層を意味し、「ラスターの
塗布」とは、貴金属樹脂酸塩の薄い層をスプレー塗布な
どによりコンクリート基材の表面に形成することを意味
している。
ラスターが塗布されたコンクリート基材は、焼成炉に
てコンクリート基材に予め処理した釉面の融点+10℃以
上か、もしくは予め処理した釉面の融点−10℃以下の温
度で1時間程度焼成される。コンクリート基材を釉面の
融点−10℃以下の温度で焼成すると、釉薬はガラス化し
ないためラスターに亀甲模様は発生しない。一方、釉面
の融点+10℃以上で焼成すると、昇温過程において一旦
釉面に生じたクラックもさらに加熱されて釉薬が溶ける
ことで表面が平滑になるためラスターに亀甲模様が発生
することはない。
てコンクリート基材に予め処理した釉面の融点+10℃以
上か、もしくは予め処理した釉面の融点−10℃以下の温
度で1時間程度焼成される。コンクリート基材を釉面の
融点−10℃以下の温度で焼成すると、釉薬はガラス化し
ないためラスターに亀甲模様は発生しない。一方、釉面
の融点+10℃以上で焼成すると、昇温過程において一旦
釉面に生じたクラックもさらに加熱されて釉薬が溶ける
ことで表面が平滑になるためラスターに亀甲模様が発生
することはない。
ついで、焼成されたコンクリート基材は、再水和させ
るべく、水中に30〜60分程度浸漬されたのちに、50〜60
℃、90〜98%RH下で3日間程度養生される。
るべく、水中に30〜60分程度浸漬されたのちに、50〜60
℃、90〜98%RH下で3日間程度養生される。
つぎに本発明の施釉方法を実施例に基づいて説明する
が、本発明はもとよりかかる実施例にのみ限定されるも
のではない。
が、本発明はもとよりかかる実施例にのみ限定されるも
のではない。
実施例1 以下に示される配合のセメント混練物を調製し、木製
の型枠(内のり寸法:たて×横×高さ=60cm×30cm×8c
m)内に打設した。
の型枠(内のり寸法:たて×横×高さ=60cm×30cm×8c
m)内に打設した。
ポルトランドセメント 30.5重量% 頁岩系骨材 0〜2.5mm* 36.7重量% 2.5〜5.0mm* 32.8重量% 高性能減水剤 0.5重量% (β−ナフタリンスルホン酸ナトリウム系)(セメント
重量基準) 水セメント比 50% *使用する骨剤の粒度範囲を示す 打設してから24時間自然養生(20℃)したのちに脱型
し、えられたコンクリート基材を1週間気中に放置し
た。
重量基準) 水セメント比 50% *使用する骨剤の粒度範囲を示す 打設してから24時間自然養生(20℃)したのちに脱型
し、えられたコンクリート基材を1週間気中に放置し
た。
ついでコンクリート基材を300℃で5時間乾燥させた
のちに、基材表面に釉薬(ホウ酸系フリット、蛙目粘
度、CMCおよび水の配合比(重量比)が100:4:0.3:60の
釉薬。ガラス化温度:623℃)を1kg/m2の厚さで塗布し
た。そして、電気炉にて1時間(焼成温度:850℃)で焼
成した。その後、コンクリート基材の表面にスプレーに
よりチタニウム樹脂酸塩を塗布した。そして、電気炉に
て1時間(焼成温度:613℃)焼成した。
のちに、基材表面に釉薬(ホウ酸系フリット、蛙目粘
度、CMCおよび水の配合比(重量比)が100:4:0.3:60の
釉薬。ガラス化温度:623℃)を1kg/m2の厚さで塗布し
た。そして、電気炉にて1時間(焼成温度:850℃)で焼
成した。その後、コンクリート基材の表面にスプレーに
よりチタニウム樹脂酸塩を塗布した。そして、電気炉に
て1時間(焼成温度:613℃)焼成した。
焼成したのちに、水中に30分間浸漬し、最後に60℃、
98%RH下で3日間養生を行って再水和させた。
98%RH下で3日間養生を行って再水和させた。
えられた施釉コンクリートパネルについて釉面の状況
を目視にて観察したところ、表面は平滑でラスターに亀
甲模様の発生はまったくみられず、ラスター処理による
真珠光沢を有する美麗な表面であった。
を目視にて観察したところ、表面は平滑でラスターに亀
甲模様の発生はまったくみられず、ラスター処理による
真珠光沢を有する美麗な表面であった。
実施例2 ラスターを塗布したのちの焼成温度を633℃とした以
外は実施例1と同様にしてコンクリートパネルを製造し
た。
外は実施例1と同様にしてコンクリートパネルを製造し
た。
えられた施釉コンクリートパネルについて釉面の状況
を目視にて観察したところ、表面は平滑でラスターに亀
甲模様の発生はまったくみられず、ラスター処理による
真珠光沢を有する美麗な表面であった。
を目視にて観察したところ、表面は平滑でラスターに亀
甲模様の発生はまったくみられず、ラスター処理による
真珠光沢を有する美麗な表面であった。
比較例 ラスターを塗布したのちの焼成温度を623℃に変えた
以外は実施例と同様にして施釉を行った。
以外は実施例と同様にして施釉を行った。
えられた施釉コンクリートパネルについて釉面の状況
を目視にて観察したところ、ラスター全体にわたり亀甲
模様(1〜2cm角の亀甲模様)がみられた。
を目視にて観察したところ、ラスター全体にわたり亀甲
模様(1〜2cm角の亀甲模様)がみられた。
[発明の効果] 以上説明したとおり、本発明の施釉方法によれば、表
面が平滑でラスターに亀甲模様の発生がなく、光彩や真
珠光沢を有するラスター調の美麗なコンクリートパネル
をうることができる。
面が平滑でラスターに亀甲模様の発生がなく、光彩や真
珠光沢を有するラスター調の美麗なコンクリートパネル
をうることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】セメント混練物を成形、養生し、ついで乾
燥してえられたコンクリート基材の表面に釉薬を塗布し
たのちに該コンクリート基材を焼成し、再水和させるこ
となく前記コンクリート基材の釉面にラスターを塗布
し、その後予め処理した釉面の融点+10℃以上または−
10℃以下でコンクリート基材を焼成し、さらにえられた
焼成体を再水和させることを特徴とする施釉方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16348690A JP2633065B2 (ja) | 1990-06-20 | 1990-06-20 | 施釉方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16348690A JP2633065B2 (ja) | 1990-06-20 | 1990-06-20 | 施釉方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0455384A JPH0455384A (ja) | 1992-02-24 |
JP2633065B2 true JP2633065B2 (ja) | 1997-07-23 |
Family
ID=15774783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16348690A Expired - Lifetime JP2633065B2 (ja) | 1990-06-20 | 1990-06-20 | 施釉方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2633065B2 (ja) |
-
1990
- 1990-06-20 JP JP16348690A patent/JP2633065B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0455384A (ja) | 1992-02-24 |
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