JP2622018B2 - 施釉セメント製品の製造方法 - Google Patents

施釉セメント製品の製造方法

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JP2622018B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は施釉セメント製品の製造方法に関し、詳し
くは、建築物の壁面仕上げ用のコンクリートパネル等に
利用され、表面に釉薬によるガラス質の表面層が形成さ
れた施釉セメント製品を製造する方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕 施釉セメント製品は、表面が陶磁器やタイルのような
質感を有するので、建築物の室内壁面の仕上げ施工に用
いると、極めて美麗で意匠性に富んた仕上げ面が得られ
る。また、釉薬を焼成して得られるガラス質の釉面は、
汚れや傷が付き難く、耐候性の耐薬品性等にも優れてい
る等、機能性の点でも多くの利点を備えている。
施釉セメント製品を製造するには、セメントに骨材や
水等を加えたセメント材料を所定の形状に成形してセメ
ント成形物を製造し、このセメント成形物を充分に乾燥
させた後、セメント成形物の表面に釉薬をかけて釉薬層
を形成する。釉薬層が形成されたセメント成形物を適当
な焼成温度で焼成すれば、釉薬層が焼成されて出来るガ
ラス質の表面いわゆる釉面を備えた施釉セメント製品が
得られる。
〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、従来における施釉セメント製品の製造方法
では、釉薬層を形成する前に、セメント成形物を強制乾
燥させておく必要があった。
セメント成形物を強制乾燥させるのは、セメント成形
物が乾燥していないと、焼成した段階で釉はげが生じる
ためである。釉はげが発生する原因は、セメント成形物
の表面に水分が多いと、施釉時にセメント形成物への釉
薬の浸透が少なくなり、この状態で焼成を行うと、セメ
ント成形物と釉薬層との熱膨張率の違いで、焼成された
釉面に亀裂が発生したり、さらに、焼成温度である750
〜800℃の領域でセメント成形物中の炭酸カルシウムが
熱分解して二酸化炭素が発生することによって、釉面の
一部が剥がれたりするためである。そのため、従来は、
セメント成形物を充分に乾燥させておいて、セメント成
形物の表面と釉薬層との付着力を高めておくのである。
乾燥工程は、300℃程度の加熱温度で強制的に乾燥させ
る必要がある。
そこで、この発明の課題は、前記のような施釉セメン
ト製品の製造方法において、釉はげを起こさず、いか
も、作業工程が簡単な施釉セメント製品の製造方法を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するこの発明にかかる施釉セメント製
品の製造方法は、セメント成形物の表面に釉薬層を形成
した後、焼成して施釉セメント製品を製造する方法にお
いて、セメント成形物の表面に、釉薬層よりも屈伏温度
が100℃以内の差で低いプライマ層を介して釉薬層を形
成しておく。
セメント成形物の材料や配合は、従来の各種セメント
製品と同様に、セメント製品の使用目的や要求性能に応
じて自由に選択できる。通常、セメント成形物は、セメ
ントに砂等の骨材と水を混合したものからなるが、その
他にも各種の混和材や添加剤を配合しておくことができ
る。セメント成形物の形状や成形方法も、セメント製品
の用途や目的に応じて、通常の製造および手段が適用で
きる。
セメント成形物の表面に形成する釉薬層は、従来の施
釉セメント製品と同様の釉薬が用いられる。プライマ層
は、釉薬層とセメント成形物との一体性を高めるための
ものであり、従来、陶磁器やタイル等を製造する際に、
基材と釉薬層の間に設けられていたものと同様のものが
使用できる。但し、この発明では、プライマ層の屈伏温
度を、その上に形成する釉薬層の屈伏温度よりも低く、
かつ、釉薬層とプライマ層の屈伏温度の差が100℃以内
になるように設定しておく。なお、好ましくは、プライ
マ層の屈伏温度が釉薬層の屈伏温度よりも10℃以上低く
設定する。プライマ層の屈伏温度が釉薬層の屈伏温度と
同じか高くなると、後述する焼成工程で釉薬層に適した
焼成温度で焼成したときに、プライマ層が充分に溶け
ず、セメント成形物と釉薬層の付着性を高めるというプ
ライマ層の機能が発揮できず、釉トピ等の欠陥が生じ
る。またプライマ層の屈伏温度が低すぎると、焼成工程
でプライマ層の流動性が高くなり過ぎるので、釉薬層に
亀裂が入ったときに釉薬層に引きずられてプライマ層が
移動してしまい、セメント生成物の表面が露出してしま
った釉はげが発生する等の問題が生じる。
プライマ層の塗布量、すなわちプライマ層の厚みは、
釉薬層とセメント成形物との接合力を充分に確保できる
程度の厚みがあれば良く、通常、プライマ層の塗布量
を、50g/m2程度にしておけば好ましいが、プライマ層の
種類その他の条件によっては、それよりも多くしたり少
なくしたりすることもできる。なお、プライマ層の塗布
量が多過ぎると却って釉面の仕上がりが悪くなり、200g
/m2以下程度にしておく必要がある。
セメント成形物は、成形後に従来のような乾燥工程を
経ずに、直ちにプライマ層および釉薬層を順次積層形成
すればよい。その後、通常の施釉セメント製品と同様
に、加熱炉等の加熱手段で焼成する。焼成温度は、釉薬
層の焼成に適した温度で行えばよい。一般的な焼成温度
としては、約700〜800℃程度で行われる。
焼成工程で完了すれば、釉薬層が焼成された釉面を備
えた施釉セメント製品が得られる。
なお、施釉セメント製品として、セメント成形物の内
部に中空部を設けて軽量化した孔あき板や、セメント成
形物の内部に補強鉄筋を挿入したもの、あるいは、予め
引張力を加えて状態の鉄筋を挿入しておき、セメント成
形物の焼成後に鉄筋に与えた引張力を解除する、いわゆ
るPCコンクリート等と呼ばれるセメント製品を製造する
こともできる。
〔作用〕
セメント成形物の表面と釉薬層の間にプライマ層を介
在させておき、このプライマ層の屈伏温度を釉薬層の屈
伏温度よりも低く、かつ、その差が100℃以内になるよ
うに設定しておけば、プライマ層の介在によって釉薬層
のセメント成形物に対する付着性を向上させることがで
きる。特に、焼成工程において、700〜800℃の温度領域
で、セメント成形物中の炭酸カルシウムが熱分解されて
二酸化炭素ガスが発生しても、ある程度溶けた状態にな
っているプライマ層が、釉薬層とセメント成形物を強固
に接合しておくことができる。また、釉薬層に熱変形に
よる亀裂が入ったりしても、釉薬層はプライマ層を介し
てセメント成形物に接合されているので、セメント成形
物の表面が外部に露出することがなく、セメント成形物
を良好に保護しておくことができる。
〔実 施 例〕
ついで、この発明にかかる製造方法で施釉セメント製
品を製造した具体的実施例について説明する。
(a) 製造工程 まず、下記配合のセメント混練物を調製した。
普通ポルトランド …35.8 重量部 パーライト骨材 …45.8 〃 パーライト粉末 …18.2 〃 減水剤 …0.2 〃 水セメント比 …0.51 〃 上記で得られたセメント混練物を型枠に流し込んでセ
メント成形物を得た。
セメント成形物を成形した後、乾燥工程を経ることな
く、第1図に示すように、セメント成形物10の表面にプ
ライマ層30および釉薬層20を順次形成した。プライマ層
30の形成は層がけ法で行い、塗布量は50g/m2であった。
プライマ層30および釉薬層20が形成されたセメント成形
物10を、焼成温度800〜900℃で焼成して、施釉セメント
製品を製造した。
(b) 性能評価 前記製造工程で得られた施釉セメント製品の釉面を観
察して、外観状態を評価した。屈伏温度の異なるプライ
マ層30を用いた複数の施釉セメント製品について比較し
た。その結果を第1表に示している。何れの実施例およ
び比較例も、釉薬層20の材料としては、ホウ酸系フリッ
ト釉(屈伏温度632℃)を使用し、釉薬層20の施釉量は
1.0kg/m2であった。プライマ層30としては、有鉛系フリ
ットおよびホウ酸系フリットを用いた。
プライマ層30および釉薬層20の屈伏温度は、釉薬また
はプライマーを一旦溶かして棒状体を形成し、熱機械分
析装置にて測定した。
第1表のうち、温度差は下式で求めた値である。
温度差Δ℃=T1−T2 …(1) T1:釉薬層の屈伏温度 T2:プライマ層の屈伏温度 釉面の状態は、下記評価基準で判定した。
○:良好、釉はげ無し △:やや不良、釉はげ有り ×:不良、釉はげ多い 第1表の結果をみれば、プライマ層30として、屈伏温
度が釉薬層20よりも低く、かつ、その差が100℃以内で
あるものを用いることによって、釉はげ等の欠陥がない
優れた釉面を備えた施釉セメント製品を製造できること
が実証された。
〔発明の効果〕
以上に述べたこの発明にかかる施釉セメント製品の製
造方法によれば、前記したようなプライマ層をセメント
成形物と釉薬層の間に介在させておくことによって、セ
メント成形物に対する釉薬層の付着性を高めることがで
きる。そして、セメント成形物の成形後、充分に乾燥さ
せることなく、直ちにプライマ層および釉薬層を形成
し、焼成工程を行っても、釉はげ等の欠陥が生じず、良
好な釉面を備えた施釉セメント製品を提供することが可
能になる。その結果、従来、施釉セメント製品の生産能
率を阻害する大きな要因となっていたセメント成形物の
乾燥工程を省くことができて、施釉セメント製品の生産
性向上に大きく貢献することができる。また、乾燥装置
等の設備も不要になるので、施釉セメント製品の製造コ
ストを下げることにもなる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明にかかる施釉セメント製品の焼成前の
断面構造図である。 10……セメント成形物、20……釉薬層、30……プライマ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント成形物の表面上に釉薬層を形成し
    た後、焼成して施釉セメント製品を製造する方法におい
    て、セメント成形物の表面に、釉薬層よりも屈伏温度が
    100℃以内の差で低いプライマ層を介して釉薬層を形成
    しておくことを特徴とする施釉セメント製品の製造方
    法。
JP20352390A 1990-07-30 1990-07-30 施釉セメント製品の製造方法 Expired - Lifetime JP2622018B2 (ja)

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