JP2617619B2 - 施釉セメント製品の製造方法 - Google Patents

施釉セメント製品の製造方法

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昌良 鳥居
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、施釉セメント製品の製造方法に関し、建
築用コンクリート外装パネルなどのセメント製品におい
て、その表面に、陶器やタイル表面のようなガラス質の
釉仕上げが施された施釉セメント製品を製造する方法に
関するものである。
〔従来の技術〕
コンクリートなどのセメント製品の表面に釉仕上げを
施しておくと、セメントすなわちコンクリート素材の表
面が露出したものに比べて、はるかに美麗で装飾性に富
んだものとなり、建築用の外装パネルあるいは室内壁面
に好ましいものとなる。このような施釉セメント製品
は、汚れが付き難く、また、汚れが付いても洗浄が容易
であったり、セメントに悪影響を及ぼす外部環境からコ
ンクリートを保護できるという利点も備えている。
施釉セメント製品を製造する場合、成形硬化を終えた
コンクリートなどのセメント製品に釉薬を塗り、この釉
薬をセメント製品とともに焼成する方法では、焼成処理
における高温加熱でセメント製品に悪影響が生じ、出来
上がったセメント製品の品質性能が低下するという問題
がある。
そのため、セメントに水や骨材を加えたセメント材料
を成形した後、養生硬化させる前の段階で、セメント成
形品の表面に釉薬を塗っておき、ついで釉薬の焼成処理
を行い、その後にセメント成形品を最終段階まで養生硬
化させる方法が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記のような、従来における施釉セメント
製品の製造方法では、コンクリートなどのセメント硬化
層と釉仕上げ層の付着力があまり高くなく、長期間使用
したり、表面に外力などが加わると、釉仕上げ層が剥が
れ易いという欠点があった。
これは、釉仕上げに用いられている釉薬は、陶器やタ
イルに対しては良好な付着力を発揮できるが、陶器やタ
イルとは全く性状の異なるセメント材料の場合には、充
分な付着力が発揮できないのである。したがって、セメ
ントに適した釉薬を新たに開発すれば上記問題は解決で
きるのであるが、微妙な配合や処理条件の違いで仕上が
りが全く変わってしまう釉仕上げ技術において、セメン
ト用に全く新たな釉薬を開発するのは非常に難しく、適
当な釉薬がない現状であった。
そこで、この発明の課題は、通常の釉薬を用いても、
セメント硬化層と釉仕上げ層との付着力を向上させるこ
とのできる施釉セメント製品の製造方法を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決する、この発明にかかる施釉セメント
製品の製造方法は、セメント材料を成形した後、硬化さ
せる前に、セメント成形品の表面に釉薬層を形成し、こ
の釉薬層を焼成して釉仕上げ層を形成した後、セメント
成形品を養生硬化させる施釉セメント製品の製造方法に
おいて、セメント材料の水/セメント比を80%以下に調
整するとともに、水/セメント比の調整量に見合う量の
減水剤をセメント材料に加えておく。
セメント材料とは、ポルトランドセメントその他のセ
メントに、水と各種骨材、さらには各種混和剤を加えた
ものである。なお、一般に、砂利等の粗骨材を含むもの
をコンクリート、砂等の細骨材を含むものをモルタルと
分けることもあるが、この発明においては、細骨材およ
び粗骨材の何れか一方あるいは両方を含んでいてもよ
く、セメント材料とは、上記のようなモルタルおよびコ
ンクリートの材料も含まれる広い意味でのセメントを主
成分とする硬化材料を意味している。
上記のようなセメント材料の水/セメント比を80%以
下に調整しておく。より好ましくは、水/セメント比を
70%以下に設定する。従来の施釉セメント製品における
セメント材料の水/セメント比は、85%前後に設定され
ている。この発明では、水/セメント比を、上記従来の
値よりも低い範囲に設定する。水/セメント比が80%を
超えると、製造された施釉セメント製品において、セメ
ント硬化層と釉仕上げ層との付着力が低下する。水/セ
メント比の下限範囲は、セメント製品の製造条件および
セメント製品に要求される性能に合わせて適当な範囲に
設定すればよい。
セメント材料に加える混和剤には、減水剤、AE剤、発
泡剤、膨張剤、硬化促進剤、耐凍害剤その他、通常のセ
メント製品と同様の各種混和剤が自由に使用できるが、
この発明では、少なくとも減水剤を加えておく必要があ
る。
減水剤は、セメント材料に必要な水の量を少なくする
ために用いるものであり、通常のセメント製品と同様の
減水剤が使用できる。減水剤の使用量は、セメント材料
の特性や製造されるセメント製品の性能を低下させるこ
となく、前記した水/セメント比を所望の範囲に調整で
きるだけの量であればよい。すなわち、水/セメント比
を小さくするほど、減水剤の添加量を増やすことにな
る。具体的には、セメントや骨材等の他の配合成分およ
び減水剤の種類などによっても異なるが、通常、セメン
トの重量に対して0.5重量%以上の減水剤を用いる。減
水剤の使用量の上限は、セメント材料の成形性や製造さ
れたセメント製品の品質性能の低下がない程度であれば
よい。具体的には、通常、1.5重量%程度まで使用でき
る。
セメント材料の配合から成形、釉薬層の形成、焼成、
その後のセメント材料の養生硬化工程などは、通常の施
釉セメント製品の場合と同様に行われる。釉薬は、従来
の施釉セメント製品に用いられていたものと同様のもの
が使用できる。
セメント製品としては、1層のセメント材料のみから
構成されたもののほか、配合成分の異なる複数種類のセ
メント材料を、複数層に重ねて、その表面に釉薬層を形
成するものがある。この発明は、釉仕上げ層の付着力を
高めるのが目的であるから、上記のような複数層のセメ
ント材料を積層する場合には、少なくとも釉薬層に隣接
する層のセメント材料に、前記のような条件を満たすも
のを用いることになる。
施釉セメント製品には、釉仕上げ層とセメント硬化層
のみからなるもののほか、セメント硬化層の内部に鉄筋
を配筋しておくものや、この鉄筋に予め張力を加えてお
く、いわゆるプレストレスコンクリートなど、従来の各
種セメント製品と同様の各種構造が採用できる。
この発明の製造方法は、前記したような建築用のコン
クリート外装パネルや室内壁パネルなどのほか、複雑な
異形断面状をなすものや建築以外の用途に用いるものな
ど、任意の用途に用いる任意の形状を備えた施釉セメン
ト製品の製造に適用することができる。
〔作用〕
施釉セメント製品をつくるセメント材料の水/セメン
ト比を80%以下にしておくと、以下に述べる理由でセメ
ント硬化層と釉仕上げ層の付着力が向上するものと考え
られる。
セメントが硬化する際には、セメントの硬化に必要な
成分以外は全て蒸発してしまい、その跡は空隙となる。
セメント材料に加える水は、セメントとの水和反応のた
めだけでなく、セメント材料を打設する際の取り扱いを
容易にしたり、セメント材料を一定の形に成形し易くし
たりするのに、セメント材料に適度な流動性を与える作
用をも果たしている。通常は、セメントとの水和反応に
必要な水の量よりも、セメント材料の流動性などを調整
するために必要な水の量のほうが多い。
したがって、従来のセメント製品では、セメントの硬
化過程で、セメント材料に加えられた水の多くは蒸発し
てしまって空隙となる。このような空隙がセメント硬化
層の表面部分に存在すると、当然、その部分の強度が低
下する。すなわち、セメント硬化層の素材自体の強度よ
りも、空隙の存在する分だけ低い表層強度しか発揮でき
なくなるのである。
釉仕上げ層は、ガラス質もしくはセラミック質の緻密
で硬い性質を備えているので、このような釉仕上げ層と
セメント硬化層の接合部分に、外力が加わったり、両者
の熱膨張量に違いが生じたりすると、表層強度の低いセ
メント硬化層の表層部分が釉仕上げ層とともに剥がれて
しまうことになる。このような理由で、従来の施釉セメ
ント製品では、釉仕上げ層とセメント硬化層の付着力が
弱くなっていたものと考えられる。
そこで、この発明では、セメント材料の水/セメント
比を小さくして、水の含有量を少なくしておくことによ
って、セメント材料が硬化する際に生じる空隙の量もし
くは密度を少なくする。空隙の少ないセメント硬化層
は、当然、表層強度が増し、釉仕上げ層の付着力が向上
する。
但し、セメント材料の水/セメント比を小さくする
と、セメント材料の流動性などが変わり、セメント製品
の製造取り扱いおよび性能に悪影響が出る。そこで、こ
の発明では、セメント材料に水/セメント比の削減量に
見合う量の減水剤を加えておく。これによって、他の性
能に全く影響を与えることなく、セメント硬化層と釉仕
上げ層の付着力を向上させることが可能になる。
〔実施例〕
ついで、この発明の実施例を図面を参照しながら以下
に説明する。
第1図は、施釉セメント製品Cの断面構造を示し、ボ
トム・ミドル層14およびトップ層12の2層からなるモル
タル層10すなわちセメント硬化層の表面に、釉仕上げ層
20が積層されている。
上記のような構造の施釉セメント製品Cを製造し、そ
の性能を評価した。
モルタル層10を形成するセメント材料は、ポルトラン
ドセメント、水および骨材からなり、ボトム・ミドル層
14は、従来の通常の施釉セメント製品Cにおけるボトム
・ミドル層と同様の配合を採用した。トップ層12は、従
来の通常の施釉セメント製品Cにおけるトップ層12の水
/セメント比が85%程度であるのに対して、種々の割合
で水/セメント比を少なくしたものを作製した。また、
水/セメント比の削減量に見合う量の減水剤を加えて、
水を少なくしたことの影響を抑えた。第1表に、トップ
層12の配合を示している。骨材としては、頁岩系発泡軽
量骨材メサライト(商品名:メサライト工業(株)製)
を用いた。
上記のようなセメント材料を用い、通常の工程でセメ
ント成形品を製造した。セメント成形品の表面に釉薬を
塗布した。釉薬としては、通常の施釉セメント製品と同
様のものを用いた。釉薬の焼成は、850℃まで8時間か
けて昇温し、1時間保持した後、15時間かけて50℃まで
冷却した。その後、セメント材料を最終段階まで養生硬
化させて、施釉セメント製品Cを得た。
得られた施釉セメント製品Cは、縦300mm×横300mm×
高さ80mmの直方体状をなすものであった。
つぎに、施釉セメント製品Cについて、釉仕上げ層20
とモルタル層10の付着性能を試験した。
第2図に示すように、試験品Cの釉仕上げ層20側の表
面中央に、95mm×45mmの矩形に沿って、グラインダーで
2mm深さの切込み溝94を形成し、切込み溝94の内側の釉
仕上げ層20表面に、エポキシ接着剤92を用いて治具90を
接着した。この治具90と施釉セメント製品Cを、互いに
逆方向に10kg/秒で引っ張り、破壊するときの強度すな
わち付着力を測定した。また、破壊モードとして、深層
破壊率の値を評価した。深層破壊率とは、破壊の発生個
所が、釉仕上げ層20とモルタル層10の境界面でなく、モ
ルタル層10内である場合を深層破壊であると判定して、
この深層破壊の割合を深層破壊率として算出した。深層
破壊率が高いほど、釉仕上げ層20とモルタル層10の付着
が良好であることを示している。
試験結果を第1表に示している。
上記試験の結果、この発明の実施例では、比較例に比
べて、付着力が大きく深層破壊率も高くなっており、釉
仕上げ層20とモルタル層10との接合が極めて良好になっ
ていることが実証された。
〔発明の効果〕
以上に述べた、この発明にかかる施釉セメント製品の
製造方法によれば、表面に釉薬層を形成するセメント成
形品のセメント材料として、水/セメント比が80%以下
に調整されたものを用いることによって、釉仕上げ層と
セメント硬化層の付着力を高め、施釉セメント製品の強
度や耐久性を大幅に向上させることが可能になる。
しかも、セメント材料の水/セメント比を削減すると
同時に、それに見合う量の減水剤を加えているので、施
釉セメント製品の製造処理工程における取り扱い性や、
施釉セメント製品の品質性能については、通常の施釉セ
メント製品と変わりなく良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例にかかる製造方法で製造され
た施釉セメント製品の断面図、第2図は付着性能の測定
方法を示す説明図である。 10……モルタル層(セメント硬化層)、20……釉仕上げ
層、C……施釉セメント製品

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント材料を成形した後、硬化させる前
    に、セメント成形品の表面に釉薬層を形成し、この釉薬
    層を焼成して釉仕上げ層を形成した後、セメント成形品
    を養生硬化させる施釉セメント製品の製造方法におい
    て、セメント材料の水/セメント比を80%以下に調整す
    るとともに、水/セメント比の調整量に見合う量の減水
    剤をセメント材料に加えておくことを特徴とする施釉セ
    メント製品の製造方法。
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