JPS63123882A - 大型施釉コンクリ−ト板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は大型施釉コンクリート板およびその製法に関す
る。詳しくは、美麗に施油されしかも熱劣化することな
く本来の強度を有する大型コンクリート板および簡単で
且つ低コストのその製法に関する。

［従来の技術およびその問題点コ 従来の大型コンクリート製品にはプレストレスコンクリ
ート板、スパンクリート板等があるか、いずれも表面は
コンクリート面であり、表面の装飾性に問題がある。こ
のコンクリート面を装飾するために、塗料の塗布、吹き
付は剤による仕上げ等が行われているが、これらの表面
仕上には耐候性等に問題があり、−年程度で汚れ、色あ
せ、部分的な剥離等が発生する。

コンクリート面に陶磁器質タイルを貼着して表面仕上げ
を行うこともある。しかしタイルの貼着は、手作業であ
るため高度の熟練および多大な手数を要し、更に部分的
に剥落の怖れもある。

小型のコンクリート部材に施油し、焼成して施釉コンク
リート製品を得ることも行われている。

しかし、２ｍＸ３ｍ程度の大型のコンクリート板を作ろ
うとすれば、この大きさの板全体を焼成できる窯が必要
であり、多大な設備費用と多量のエネルギーが必要とな
る。また、製品が大きくなるほど、収縮のコントロール
、亀裂の発生防止、均−焼成等のためにより精確なコン
トロールが必要となるなど、工業的な製造が困難となる
。

コンクリート製品全体を焼成することなく施釉する方法
として、■高温の火炎又はプラズマ炎を用いて釉薬フリ
ット等を溶融し、直接コンクリート表面上に溶融釉薬を
溶射して付着させる方法、或いは■コンクリート表面上
に釉薬スラリーを塗布した後、高温の火炎又はプラズマ
炎を用いて釉薬粒子を溶融して釉薬をコンクリート面上
に付着させる方法が提案されている。上記■および■の
いずれの方法においても、コンクリート表面付近の火炎
等による熱劣化や、高熱による水蒸気、分解ガス等の発
生に伴って気泡、ピンホール等が発生する。これらの問
題を解消するために、施釉前に５００℃以上に仮焼して
分解成分および水分等を除去し、モして施釉後に再水和
する工程が提案されている。コンクリート製品が大型の
場合、仮焼に大きな窯が必要であり、多大のエネルギー
が消費され、その上に再水和工程も加わって、工程が複
雑となり製造コストも増大する。

なお、あらかじめ施釉焼成した大型セラミック薄板と大
型コンクリート板とをセメント結合によって接合する方
法が、理論的には考えられるが、工業的には実施困難で
ある。すなわち施釉焼成した大型セラミック薄板は、移
動等の取扱いに際して、大寸法の薄板がたわむため油層
に亀裂が生じ易くそして釉面に擦り傷がつく怖れもある
。従って、本発明者の知る限りでは、このような製品は
製造されていない。

従って本発明の目的は、美麗な施油表面を有し且つ基材
が施釉工程により熱劣化されていない大型の施釉コンク
リート製品を提供することにある。

本発明の他の目的は、上記の大型施釉コンクリート製品
の簡便且つ低コストな製法を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明者は、大型コンクリート基板上にセメント接合し
た大型のセラミック製薄板上に、高温度の炎を用いて釉
薬成分を融着させることによって釉層を適用し、該炎に
よる局部的な加熱を該セラミック板によって遮断しそし
て該コンクリート基板の加熱を可及的に防止することに
よって、上記の問題点を解消した。

本発明によって、大型コンクリート基板２、該基板の表
面上にセメント接合された、大型薄板状（例えば厚さ約
２ｍｍ以上）の耐熱性のセラミック板３、および該セラ
ミック板表面上に融着した施釉層４から本質的に成る、
該コンクリート基板が熱劣化することなく本来の強度を
保持する大型施釉コンクリート板ｌが提供される。

上記の大型施釉コンクリート板は、大型コンクリート基
板上に大型薄板状（例えば厚さ約２ｍｍ以上）の耐熱性
セラミック板をセメント接合し、次いで高温の炎を局部
的にそして連続移動式に適用して釉薬成分を融着して該
セラミック板の表面上に施釉層を形成することにより製
造される。

なお、上記の釉薬成分としては、通常の釉薬、釉薬フリ
ットおよび通常のガラスの粉末等が使用できる。

［発明の詳しい記述コ 上記の大型コンクリート基板とは、水硬性の無機セメン
ト材料を必須成分として含み、そして骨材、補強材、添
加剤等を任意に含み得る成形物から成る大型の板状体を
意味する。上記の無機セメント材料としては代表的に、
ポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉セメン
ト、ジェットセメント、スラグセメント、石膏セメント
、およびこれらの混合物等が例示される。通常は、普通
ポルトランドセメントが使用される。

本発明の方法が適用し得る代表的なコンクリート基板の
例としては、鉄筋コンクリート板、大型プレストレスコ
ンクリート板、発泡コンクリート（ＡＬＣ等）板、ケミ
カルストレスコンクリート板、ケイカル板、スレート板
、および金属繊維補強コンクリート板、ガラス繊維補強
コンクリート板（ＧＲＣ）　、炭素繊維補強コンクリー
ト板（ＣＦＲＣ）アスベスト補強コンクリート板等の繊
維補強コンクリート板等が挙げられる。該コンクリート
基板は約１平方メートル以上の面積、通常は約２平方メ
ートル以上の面積を有する正方形、長方形、およびその
他の多角形、又は円又は楕円等任意の平面であり得る。

その厚さは用途に応じて任意であるが、通常約３ｃｍ以
上である。すなわち、本発明によれば、建材等に要求さ
れる任意の表面積および厚さを有する大型施釉コンクリ
ート板が提供される。

上記のセラミック板は、釉薬溶融温度以上の温度にて劣
化しない耐火性無機質板であり、代表的には陶磁器質タ
イル板等である。特に大型のせり器質板が一般的に有用
である。該セラミック板の平面形状はコンクリート基板
の施釉しようヒする表面と同じである。該セラミック板
の厚さは約２ｍｍ以上であり、そして特に大寸法の場合
でも強度的に約２０ｍｍ以下で充分である。厚さが約２
ｍｍ未満であると、施油によりコンクリート基板が劣化
する怖れがある。薄板状の大型セラミック板は、例えば
公知の電気泳動式ドラム成形法により成形し、次いで乾
燥および焼成することにより容易に製造し得る。該セラ
ミック板は比較的薄く軽量であるため、ローラーハース
キルン等によって迅速に焼成できる。

コンクリート基板とセラミック板との積層体は、例えば
焼成セラミック板を型枠内に敷きそしてコンクリート配
合物を流し込み成形する方法；焼成セラミック板上にコ
ンクリート配合物をプレス成形する方法；或いは押出し
成形、プレス成形又は注型法等により大型コンクリート
基板を成形し、必要に応じてコンクリートモルタルを適
用し、別に製造した焼成セラミック板と重ねた後、該コ
ンクリート成形体を硬化させる方法等によって、コンク
リート基板とセラミック板とをコンクリートのセメント
成分により強固に接合された積層体が得られる。該積層
体は施油前に乾燥処理してもよい。

施油層は、ガラスコーティング層又は釉薬層から成り厚
さは任意であるが、代表的には約０．　１〜０．５ｍｍ
である。

施釉は、火炎又はプラズマ炎等の高温の炎を用いる施油
方法によって行うことができる。例えば、■コンクリー
ト基板上のセラミック板の表面に釉薬スラリーを好まし
くはスプレー掛けして塗布した後、火炎又はプラズマ炎
により該セラミック板上の釉薬粒子のみを溶゛融して１
！ｔｈＦＪを形成する方法、■ガス（アセチレン・酸素
等）バーナー等の火炎又はプラズマ炎中で釉薬粒子又は
好ましくはガラス質粉（釉薬を溶融してガラス化しそし
て粉砕したフリット、又は普通ガラスの粉末等）を溶融
したものを基板上に直接溶射して付着させる方法、等が
挙げられる。本発明においては広範囲の釉薬およびガラ
ス質粉を用いることができ、例えば高溶融温度の釉薬も
使用できるので、多様な施油が可能である。

［実施例コ 本発明を、図面を参照して以下の実施例により更に具体
的に説明する。

例１： 長石３６％、陶石１９％および粘土４５％（夫々重量単
位）から成る固形分５０％の泥漿を用いて電気泳動成形
法により板状のセラミック成形体を得、該成形体を８０
℃にて１６時間乾燥した後、１２５０℃で１時間焼成し
て、２ｍＸ３ｍＸ５ｍｍ（厚さ）の大型セラミック板を
得た。

次に該セラミック板３の寸法に対応する型枠に該板３を
水平に敷き、この上にアスベスト繊維を含むコンクリー
ト調合物（セメント１００ｆｆｉｆｆｉ部、骨材１００
重量部、アスベスト繊維５ｉｆｆ量部、水４０重量部）
を流し、全体を加湿養生してセラミック板３（厚さ５　
ｍ　ｍ　）とコンクリート基板２（厚さ５ｃｍ）とから
成る大型積層板（２ｍ　Ｘ　３　ｍ　Ｘ５５ｍｍ）を得
た。

次に該積層体のセラミック板３の表面に、釉薬粒子の懸
濁液（青色エナメル粉末１００重量部、エチルアルコー
ル５０重量部、水１５０重量部）をエアースプレーガン
を用いて塗布した。アセチレン−酸素のガスバーナーを
用いて火炎を、バーナー／釉面の距離を約１２ｃｍに保
持し、釉薬表面上を横方向に３０ｍｍ／秒の速度にて走
査間隔１ｃｍで走査して該釉薬を溶融し、光沢のある施
釉表面を得た。施釉層４の厚さは約２００ミクロンであ
った。得られた大型施釉コンクリート板のコンクリート
基板２に強度劣化は生じなかった。

例２： 例１と同じコンクリート基板とセラミック板から成る大
型積層板上に、例１と同様に釉薬を塗布した後、プラズ
マガンを用いてプラズマ炎を釉薬塗布面上横方向に１２
ｍｍ／秒の速度、走査間隔０．３ｃｍにて走査して該釉
薬を溶融し、光沢のある施釉表面を得た。なお、プラズ
マ発生条件は４４０Ａｘ７５Ｖであり、プラズマガンと
積層体表面との距離は１２ｃｍであった。得られた施釉
層４の厚さは約２００ミクロンであり、コンクリート基
板２に強度劣化は認められなかった。

例３： 例１と同様なコンクリート基板２とセラミック板３から
成る大型積層板上に、下記表−１の組成のガラス粉末を
プラズマテクニック社製ＰＴＡ−２０００型プラズマ溶
射ガンのプラズマ炎中に送り込み、下記表−２の操作条
件で該プラズマガンを支持移動して該大型積層板上に溶
射した。その結果、光沢のある均質なガラスコーテイン
グ面（厚さ約１００ミクロン）４を有する施釉大型積層
板ｌが得られた。得られた施釉大型積層板ｌには損傷が
認められず、該積層板の強度劣化にも生じなかった。

表−１ Ｓｔｏｗ　　　　　６９ Ａ１＊Ｏｓ　　　　　１４ Ｌｉｘｏ　　　　　　　９ ＮａｔＯＩ Ｋ、ＯＩ ８．０３　　　　　　６ 表−２ 出力　６５０Ａｘ６６Ｖ（４２，９ｋｗ）ガンとの距離
　　１００ｍｍ プラズマガンの走査速度　１１ｃｍ／ｓｅｃ走査問隔　
　０．３ｃｍ ［作用および効果］ コンクリート基板と施釉層との間にセラミック板の中間
層が存在するため、施釉時の高温の火炎又はプラズマ炎
、或いは溶融釉薬粒による高熱ｈ（コンクリート基板表
面に伝達されない。従って本発明は下記の代表的な効果
を奏する：■セラミック板の表面は平滑でありそして多
様な釉薬成分ｈ（使用できるため、コンクリート表面に
直接施釉したｍ製品と較べて美的効果が向上する。■本
発明によると、施釉によるコンクリート基材の強度劣化
、該基材の部分的溶化による剥離、該基材からの水蒸気
および分解ガス等の発生の問題がない。■従来の施釉コ
ンクリート板の製造に必要とされていた施釉面の仮焼ま
たは施釉後の焼成の工程を要しないので、実用的に任意
の表面積および厚さを有する大型施油コンクリート板の
製造が可能となる。■上記の仮焼または施釉後の焼成お
上び再水和処理の工程が不要であるので、設備コストお
よびエネルギー費用が大巾に低減される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による大型施釉コンクリート板の縦断
面図である。 １・・・大型施釉コンクリート板、 ２・・・コンクリート基板、３・・・セラミック板、４
・・・施油層。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）大型コンクリート基板、該基板上にセメント接合
   された大型薄板状の耐熱性セラミック板および該セラミ
   ック板の表面上にガラス質の融着をした釉層から本質的
   になり、そして三者が接合一体化していることを特徴と
   する、該コンクリート基板が熱劣化することなく本来の
   強度を有する大型施釉コンクリート板。
2. （２）大型コンクリート基板上に大型薄板状の耐熱性セ
   ラミック板をセメント接合し、次いで該セラミック板の
   表面上に高温度の炎を局部的にそして連続移動式に適用
   して、該コンクリート基板の強度および該セラミック板
   とのセメント結合を熱劣化することなく釉薬成分を融着
   させることを特徴とする、大型施釉コンクリート板の製
   法。