JP3100651B2 - プロピレン重合体フィルムの製造法およびそれによって得られるラミネートおよび製品 - Google Patents
プロピレン重合体フィルムの製造法およびそれによって得られるラミネートおよび製品Info
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Description
【０００１】プロピレン単独重合体および共重合体は、
容易にフィルム成形およびカレンダー加工でき、それに
よって優れた機械的特性、特に良好な剛性および著しい
化学的な安定性を有するフィルムおよびラミネートが得
られることが分かっている。しかし、それらの製品に
は、耐衝撃性が、特に低温において乏しいという欠点が
ある。この欠点を克服するために、ポリエチレンとプロ
ピレン重合体を混合する方法が提案されており、例えば
英国特許第１，１３９，８８９号は、耐衝撃性を改良し
たフィルムを得るために、ポリプロピレン／ＬＤＰＥ
（低密度ポリエチレン）混合物の使用を開示している。
容易にフィルム成形およびカレンダー加工でき、それに
よって優れた機械的特性、特に良好な剛性および著しい
化学的な安定性を有するフィルムおよびラミネートが得
られることが分かっている。しかし、それらの製品に
は、耐衝撃性が、特に低温において乏しいという欠点が
ある。この欠点を克服するために、ポリエチレンとプロ
ピレン重合体を混合する方法が提案されており、例えば
英国特許第１，１３９，８８９号は、耐衝撃性を改良し
たフィルムを得るために、ポリプロピレン／ＬＤＰＥ
（低密度ポリエチレン）混合物の使用を開示している。
【０００２】また、良好な耐衝撃性に加えて、良好な弾
性および柔軟性をも有するポリプロピレンのフィルムお
よびラミネートも必要とされている。現在では、連続的
な立体特異性重合により得られる、プロピレン結晶性重
合体とエラストマー性オレフィン共重合体との異相混合
物からなる製品がポリプロピレン工業において確立され
ている。これらの製品は、弾性と機械的な耐性を十分に
合せ持っており、熱可塑性材料に通常使用される装置お
よび方法を使用することにより、容易に加工製品に転換
することができる。しかし、その様な異相組成物をフィ
ルムまたはカレンダー加工すると、主として加工中にフ
ィッシュアイの形成、フィルムやラミネートの引き裂
き、または粗雑な表面の形成などの多くの困難が生じ
る。これらの欠点のすべてが製造工程における障害を引
き起こし、実用的な製品が得られなくなることが多い。
性および柔軟性をも有するポリプロピレンのフィルムお
よびラミネートも必要とされている。現在では、連続的
な立体特異性重合により得られる、プロピレン結晶性重
合体とエラストマー性オレフィン共重合体との異相混合
物からなる製品がポリプロピレン工業において確立され
ている。これらの製品は、弾性と機械的な耐性を十分に
合せ持っており、熱可塑性材料に通常使用される装置お
よび方法を使用することにより、容易に加工製品に転換
することができる。しかし、その様な異相組成物をフィ
ルムまたはカレンダー加工すると、主として加工中にフ
ィッシュアイの形成、フィルムやラミネートの引き裂
き、または粗雑な表面の形成などの多くの困難が生じ
る。これらの欠点のすべてが製造工程における障害を引
き起こし、実用的な製品が得られなくなることが多い。
【０００３】本発明者は、ここに、弾性および良好な柔
軟性を有するポリプロピレンのフィルムおよびラミネー
トが、 Ａ）１０〜６０重量部の、好ましくは２０〜５０重量部
の、ｉ）アイソタクチック指数が９０を超える、好まし
くは９５〜９８のポリプロピレンの単独重合体、または
ii)アイソタクチック指数が８５を超え、８５重量％を
超えるプロピレンを含む、プロピレンとエチレンおよび
／または他の、ブテンまたは４−メチル−１−ペンテン
の様なアルファオレフィンとの結晶性共重合体、 Ｂ）１０〜４０重量部の、室温でキシレンに不溶な、主
としてエチレンを含む共重合体、および Ｃ）３０〜６０重量部の、好ましくは３０〜５０重量部
の、室温でキシレンに可溶で、４０〜７０重量％のエチ
レンを含み、所望により少量の、好ましくは１〜１０重
量％のジエンを含む、無定形のエチレン−プロピレン共
重合体、からなる異相プロピレン重合体組成物であっ
て、室温でキシレンに可溶な部分およびキシレンに不溶
な部分の、１３５℃におけるテトラヒドロナフタレン中
の固有粘度間の比率が０．８〜１．２であるものをフィ
ルム加工およびカレンダー加工することにより容易に調
製できることを発見した。
軟性を有するポリプロピレンのフィルムおよびラミネー
トが、 Ａ）１０〜６０重量部の、好ましくは２０〜５０重量部
の、ｉ）アイソタクチック指数が９０を超える、好まし
くは９５〜９８のポリプロピレンの単独重合体、または
ii)アイソタクチック指数が８５を超え、８５重量％を
超えるプロピレンを含む、プロピレンとエチレンおよび
／または他の、ブテンまたは４−メチル−１−ペンテン
の様なアルファオレフィンとの結晶性共重合体、 Ｂ）１０〜４０重量部の、室温でキシレンに不溶な、主
としてエチレンを含む共重合体、および Ｃ）３０〜６０重量部の、好ましくは３０〜５０重量部
の、室温でキシレンに可溶で、４０〜７０重量％のエチ
レンを含み、所望により少量の、好ましくは１〜１０重
量％のジエンを含む、無定形のエチレン−プロピレン共
重合体、からなる異相プロピレン重合体組成物であっ
て、室温でキシレンに可溶な部分およびキシレンに不溶
な部分の、１３５℃におけるテトラヒドロナフタレン中
の固有粘度間の比率が０．８〜１．２であるものをフィ
ルム加工およびカレンダー加工することにより容易に調
製できることを発見した。
【０００４】フィルム加工およびカレンダー加工するた
めに効果的に使用できる方法は、この業界では公知であ
る。
めに効果的に使用できる方法は、この業界では公知であ
る。
【０００５】カレンダー加工は、シートやホイル（すな
わち、少なくとも１００μm の厚さを有するラミネー
ト）の製造に使用するのが好ましく、フィルム（すなわ
ち１００μm 未満の厚さを有するラミネート）の製造に
は、押出し−吹き込み、押出し−注型あるいは押出し−
二軸延伸を使用するのが好ましい。
わち、少なくとも１００μm の厚さを有するラミネー
ト）の製造に使用するのが好ましく、フィルム（すなわ
ち１００μm 未満の厚さを有するラミネート）の製造に
は、押出し−吹き込み、押出し−注型あるいは押出し−
二軸延伸を使用するのが好ましい。
【０００６】本発明の方法に使用する異相重合体組成物
は、立体特異性の高いツィーグラー−ナッタ触媒を使用
して、２段階以上の連続重合により調製する。第一の重
合工程で、好ましくは液体モノマー中で、成分（Ａ）が
生じ、それに続く重合工程で成分（Ｂ）および（Ｃ）
が、第一の工程で生じた成分（Ａ）の存在下で生じる。
一般的には、成分（Ｂ）は、半結晶性の、本質的に線状
の共重合体である。
は、立体特異性の高いツィーグラー−ナッタ触媒を使用
して、２段階以上の連続重合により調製する。第一の重
合工程で、好ましくは液体モノマー中で、成分（Ａ）が
生じ、それに続く重合工程で成分（Ｂ）および（Ｃ）
が、第一の工程で生じた成分（Ａ）の存在下で生じる。
一般的には、成分（Ｂ）は、半結晶性の、本質的に線状
の共重合体である。
【０００７】特に、Ｔｉに結合した少なくとも一つのハ
ロゲン原子を有するチタン化合物および塩化マグネシウ
ム上に支持された電子供与体化合物（内部供与体）を含
む固体成分と、Ａｌ−トリアルキル化合物および電子供
与体（外部供与体）との反応の生成物からなる触媒を使
用することができる。使用するチタン化合物はＴｉＣｌ
4 が好ましい。内部供与体は、好ましくは、フタル酸ア
ルキル、フタル酸シクロアルキルおよびフタル酸アリー
ル、例えばフタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−ｎ−ブ
チル、およびフタル酸ジ−ｎ−オクチルからなるグルー
プから選択される。
ロゲン原子を有するチタン化合物および塩化マグネシウ
ム上に支持された電子供与体化合物（内部供与体）を含
む固体成分と、Ａｌ−トリアルキル化合物および電子供
与体（外部供与体）との反応の生成物からなる触媒を使
用することができる。使用するチタン化合物はＴｉＣｌ
4 が好ましい。内部供与体は、好ましくは、フタル酸ア
ルキル、フタル酸シクロアルキルおよびフタル酸アリー
ル、例えばフタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−ｎ−ブ
チル、およびフタル酸ジ−ｎ−オクチルからなるグルー
プから選択される。
【０００８】外部供与体は、１つ以上の−ＯＲ基を含
み、Ｒが炭化水素基であるケイ素化合物から選択するの
が好ましい。その例としては、ジフェニルジメトキシシ
ラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、メチル−ｔ
−ブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシ
シランおよびフェニルトリエトキシシランがある。上記
の異相ポリプロピレン組成物の調製に適した触媒および
重合方法の例は、ヨーロッパ特許出願ＥＰ−Ａ−０４０
０３３３に記載されている。
み、Ｒが炭化水素基であるケイ素化合物から選択するの
が好ましい。その例としては、ジフェニルジメトキシシ
ラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、メチル−ｔ
−ブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシ
シランおよびフェニルトリエトキシシランがある。上記
の異相ポリプロピレン組成物の調製に適した触媒および
重合方法の例は、ヨーロッパ特許出願ＥＰ−Ａ−０４０
０３３３に記載されている。
【０００９】フィッシュアイが無く、十分な弾性および
機械的特性を有するフィルムやラミネートを得るには、
上記の様に、使用する異相組成物において、室温でキシ
レンに可溶な部分と、キシレンに不溶な部分との間の、
１３５℃におけるテトラヒドロナフタレン中の固有粘度
の比率（以下、「粘度比」という）を、０．８〜１．
２、特に０．８〜１の狭い範囲内に、好ましくは約１に
維持すべきである。
機械的特性を有するフィルムやラミネートを得るには、
上記の様に、使用する異相組成物において、室温でキシ
レンに可溶な部分と、キシレンに不溶な部分との間の、
１３５℃におけるテトラヒドロナフタレン中の固有粘度
の比率（以下、「粘度比」という）を、０．８〜１．
２、特に０．８〜１の狭い範囲内に、好ましくは約１に
維持すべきである。
【００１０】その様な範囲内の場合、高いフィルム加工
およびカレンダー加工速度で生産し、シートとローラー
の密着などの障害を防ぐことも可能である。その上、成
分（Ｂ）が少なくとも１０重量部の量で存在することに
より、曲げた時に白色化しないフィルムおよびラミネー
トを得ることができる。注型または吹き込み共押出しの
場合、その共押出し製法から得られる複合フィルムの非
担体層に相当する限り、粘度比が１．２より高い異相組
成物を使用することもできよう。
およびカレンダー加工速度で生産し、シートとローラー
の密着などの障害を防ぐことも可能である。その上、成
分（Ｂ）が少なくとも１０重量部の量で存在することに
より、曲げた時に白色化しないフィルムおよびラミネー
トを得ることができる。注型または吹き込み共押出しの
場合、その共押出し製法から得られる複合フィルムの非
担体層に相当する限り、粘度比が１．２より高い異相組
成物を使用することもできよう。
【００１１】本発明の方法は、最終製品の物理的および
化学的特性を改良するために、使用する異相組成物の配
合を広い範囲内で変えられるのが特徴である。特に、 − 無機および有機充填材を、極めて大量に加えるこ
と、 − 鉱油や天然油の様な可塑剤およびエクステンダーを
加えること、 − 製品に自己消火性を持たせる化合物を加えることが
可能である。
化学的特性を改良するために、使用する異相組成物の配
合を広い範囲内で変えられるのが特徴である。特に、 − 無機および有機充填材を、極めて大量に加えるこ
と、 − 鉱油や天然油の様な可塑剤およびエクステンダーを
加えること、 − 製品に自己消火性を持たせる化合物を加えることが
可能である。
【００１２】本発明の方法により製造し、本発明の他の
目的を構成するフィルムおよびラミネートは、今日まで
オレフィン重合体が除外されてきた用途、あるいは今日
まで十分に満足できる性能が与えられていない用途への
使用を適当なものとする、貴重な特性を備えている。
目的を構成するフィルムおよびラミネートは、今日まで
オレフィン重合体が除外されてきた用途、あるいは今日
まで十分に満足できる性能が与えられていない用途への
使用を適当なものとする、貴重な特性を備えている。
【００１３】特に、本発明のフィルムおよびラミネート
は、下記の特性を備えている。 １）曲げモジュラスが比較的低く、そのため柔軟性およ
び弾性が与えられる。その上、モジュラスの値は、例え
ばＰＶＣ系の組成物と比較して、温度に対してあまり敏
感ではない。したがって、−６０〜１２０℃の非常に広
い温度範囲で効果的に使用できる。 ２）手触りが絹の様で、非常に快適である。 ３）酸素および蒸気の透過性が高い。 ４）０℃よりはるかに低い温度でも、耐衝撃性が高い。 ５）１２０℃で殺菌できる。 ６）互い同士で、ポリエチレンと、あるいはポリプロピ
レンと、１３５〜１５０℃の温度で熱溶接できる。ま
た、上記の異相組成物をＬＤＰＥまたはＬＬＤＰＥと広
い範囲で、典型的には２０〜４０％で混合することによ
り、良好な機械的特性を維持しながら、熱溶接温度を約
１００℃に下げることができる。
は、下記の特性を備えている。 １）曲げモジュラスが比較的低く、そのため柔軟性およ
び弾性が与えられる。その上、モジュラスの値は、例え
ばＰＶＣ系の組成物と比較して、温度に対してあまり敏
感ではない。したがって、−６０〜１２０℃の非常に広
い温度範囲で効果的に使用できる。 ２）手触りが絹の様で、非常に快適である。 ３）酸素および蒸気の透過性が高い。 ４）０℃よりはるかに低い温度でも、耐衝撃性が高い。 ５）１２０℃で殺菌できる。 ６）互い同士で、ポリエチレンと、あるいはポリプロピ
レンと、１３５〜１５０℃の温度で熱溶接できる。ま
た、上記の異相組成物をＬＤＰＥまたはＬＬＤＰＥと広
い範囲で、典型的には２０〜４０％で混合することによ
り、良好な機械的特性を維持しながら、熱溶接温度を約
１００℃に下げることができる。
【００１４】最後に、本発明のフィルムおよびラミネー
トは、引き続き下記のような、一連の処理を行うことが
できる。 − 表面エンボス加工を、表面を約１５０℃に加熱し、
エンボス加工ローラーに押し付けて行う、 − 印刷を、酸化（例えば火炎）またはイオン化処理
（例えばコロナ放電）により表面をインクに対して敏感
にしてから行う、 − 繊維またはフィルム、特にポリプロピレンとの結合
を、表面を１５０〜１６０℃に加熱し、圧縮することに
より行なう、 − 他の重合体または金属材料（例えばアルミニウムフ
ィルム）と共押出し、 − 鍍金処理（例えば、真空下で蒸発させることによ
る、アルミニウム層の堆積）− フィルムの片面に接着
層を施すことによる、接着フィルムの製造、 − 熱成形およびブリスターの製造、 − 金属−重合体複合材料ラミネートの延伸。 これらの一連の後処理は、フィルムまたはラミネート製
造の直後にオンラインで、または時間を置いて行うこと
ができる。
トは、引き続き下記のような、一連の処理を行うことが
できる。 − 表面エンボス加工を、表面を約１５０℃に加熱し、
エンボス加工ローラーに押し付けて行う、 − 印刷を、酸化（例えば火炎）またはイオン化処理
（例えばコロナ放電）により表面をインクに対して敏感
にしてから行う、 − 繊維またはフィルム、特にポリプロピレンとの結合
を、表面を１５０〜１６０℃に加熱し、圧縮することに
より行なう、 − 他の重合体または金属材料（例えばアルミニウムフ
ィルム）と共押出し、 − 鍍金処理（例えば、真空下で蒸発させることによ
る、アルミニウム層の堆積）− フィルムの片面に接着
層を施すことによる、接着フィルムの製造、 − 熱成形およびブリスターの製造、 − 金属−重合体複合材料ラミネートの延伸。 これらの一連の後処理は、フィルムまたはラミネート製
造の直後にオンラインで、または時間を置いて行うこと
ができる。
【００１５】以下に示す実施例で本発明を説明するが、
これらの実施例に限定するものではない。
これらの実施例に限定するものではない。
【００１６】実施例１ 異相プロピレン組成物からなり、下記の特性を有する２
種類の材料から出発し、注型技法によるフィルムの工業
製造用装置で、フィルムの製造を行った。 組成物Ａ 組成物Ｂ＊ − 全組成物のＭ．Ｉ． ｇ／１０分間（２３０℃、２．１６kg) ０．８ ０．５ − 全Ｃ2 ％ ４１ ４６ − ２３℃でキシレンに可溶な重合体の％ ４１．９ ４６．３ − キシレンに可溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g ２．７８ ３．５６ − ２３℃でキシレンに不溶な重合体の％ ５８．１ ５３．８ − キシレンに不溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g ２．６４ ２．７９ − 粘度比 １．０５ １．２８ ＊ 比較 Ｍ．Ｉ．＝メルトインデックス Ｉ．Ｖ．＝１３５℃におけるテトラヒドロナフタレン中
の固有粘度 装置は、直径６０mm、長さ／直径比（Ｌ／Ｄ）＝３５、
長さ１１５０mmでエッジ間隔０．８mmの平ダイスを備え
た押出し機を使用した。押出し機の温度プロファイルは
１８０〜２９０℃で、フランジ、フィルター、ネックお
よびダイスは３００℃に維持する。組成物Ａを使用し
て、下記の運転条件「１」に達し、その条件を、条件
「２」が達成されるまで改良することができたが、組成
物Ｂを使用した場合は、「３」より良い条件に到達する
ことは不可能であった。 条 件 １ ２ ３ − 重合体 Ａ Ａ Ｂ − ダイス圧（バール） １６０ ２２０ ２２０ − エネルギー吸収＊、Ａ ４５ ５７ ５０ − 線速度（ｍ／分） ２１ ５０ ８ − 得られたフィルムの最小厚（μm) ≦１２ ≦１２ ４５ − フィルムの外観 均質 均質 フィッシュ アイ有り （＊）押出し機のスクリューに供給したエネルギー。
種類の材料から出発し、注型技法によるフィルムの工業
製造用装置で、フィルムの製造を行った。 組成物Ａ 組成物Ｂ＊ − 全組成物のＭ．Ｉ． ｇ／１０分間（２３０℃、２．１６kg) ０．８ ０．５ − 全Ｃ2 ％ ４１ ４６ − ２３℃でキシレンに可溶な重合体の％ ４１．９ ４６．３ − キシレンに可溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g ２．７８ ３．５６ − ２３℃でキシレンに不溶な重合体の％ ５８．１ ５３．８ − キシレンに不溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g ２．６４ ２．７９ − 粘度比 １．０５ １．２８ ＊ 比較 Ｍ．Ｉ．＝メルトインデックス Ｉ．Ｖ．＝１３５℃におけるテトラヒドロナフタレン中
の固有粘度 装置は、直径６０mm、長さ／直径比（Ｌ／Ｄ）＝３５、
長さ１１５０mmでエッジ間隔０．８mmの平ダイスを備え
た押出し機を使用した。押出し機の温度プロファイルは
１８０〜２９０℃で、フランジ、フィルター、ネックお
よびダイスは３００℃に維持する。組成物Ａを使用し
て、下記の運転条件「１」に達し、その条件を、条件
「２」が達成されるまで改良することができたが、組成
物Ｂを使用した場合は、「３」より良い条件に到達する
ことは不可能であった。 条 件 １ ２ ３ − 重合体 Ａ Ａ Ｂ − ダイス圧（バール） １６０ ２２０ ２２０ − エネルギー吸収＊、Ａ ４５ ５７ ５０ − 線速度（ｍ／分） ２１ ５０ ８ − 得られたフィルムの最小厚（μm) ≦１２ ≦１２ ４５ − フィルムの外観 均質 均質 フィッシュ アイ有り （＊）押出し機のスクリューに供給したエネルギー。
【００１７】実施例２（比較例） 比較のために、実施例１の組成物ＡおよびＢよりもメル
トフローが高い異相ポリプロピレン組成物Ｃを、３基の
押出し機を備え、最大フィルム幅１７００mm、最大フィ
ルム巻取能力３００m/分の、工業用注型共押出し操置に
供給した。組成物Ｃの主特性は、 − 全組成物のＭ．Ｉ． ｇ／１０分間（２３０℃、２．１６kg) ７．１ − 全Ｃ2 ％ ４１．８ − ２３℃でキシレンに可溶な重合体の％ ４１．７ − キシレンに可溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g ２．１ − ２３℃でキシレンに不溶な重合体の％ ５８．３ − キシレンに不溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g １．５５ − 粘度比 １．３５
トフローが高い異相ポリプロピレン組成物Ｃを、３基の
押出し機を備え、最大フィルム幅１７００mm、最大フィ
ルム巻取能力３００m/分の、工業用注型共押出し操置に
供給した。組成物Ｃの主特性は、 − 全組成物のＭ．Ｉ． ｇ／１０分間（２３０℃、２．１６kg) ７．１ − 全Ｃ2 ％ ４１．８ − ２３℃でキシレンに可溶な重合体の％ ４１．７ − キシレンに可溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g ２．１ − ２３℃でキシレンに不溶な重合体の％ ５８．３ − キシレンに不溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g １．５５ − 粘度比 １．３５
【００１８】ダイスにおける押出し温度は２４０℃であ
った。安定して製造できるフィルムの最小厚は４０μm
で、フィッシュアイを含んでいた。この厚さより下で
は、フィルムが不均質になり、ついにはフィルムが引き
裂かれる。この装置の共押出し能力を利用して、総厚２
５μm の３層フィルムを製造したが、その際、各４μm
厚の２つの外側層は組成物Ｃからなり、１７μm の内側
層はＭ．Ｉ．（１９０℃、２．１６kg) が２g/１０分間
の低密度ポリエチレンであった。この様にして得られた
３層フィルムは最良の均質性を有し、その上、２００m/
分の巻取速度にすぐに到達した。
った。安定して製造できるフィルムの最小厚は４０μm
で、フィッシュアイを含んでいた。この厚さより下で
は、フィルムが不均質になり、ついにはフィルムが引き
裂かれる。この装置の共押出し能力を利用して、総厚２
５μm の３層フィルムを製造したが、その際、各４μm
厚の２つの外側層は組成物Ｃからなり、１７μm の内側
層はＭ．Ｉ．（１９０℃、２．１６kg) が２g/１０分間
の低密度ポリエチレンであった。この様にして得られた
３層フィルムは最良の均質性を有し、その上、２００m/
分の巻取速度にすぐに到達した。
【００１９】実施例３ 下記の特性を備えた試作規模のＤＯＬＣＩ吹き込み−押
出し装置を使用した。 − 押出し機直径＝４５mm、 − Ｌ／Ｄ＝２２、 − 直径５０mmで、エッジ間隔０．５mmのリングダイ
ス。
出し装置を使用した。 − 押出し機直径＝４５mm、 − Ｌ／Ｄ＝２２、 − 直径５０mmで、エッジ間隔０．５mmのリングダイ
ス。
【００２０】下記の、Ｄ、ＥおよびＦで示す、異相ポリ
プロピレン組成物をペレットの形で順次供給した。
プロピレン組成物をペレットの形で順次供給した。
【００２１】 組 成 物 Ｄ Ｅ＊ Ｆ＊ − Ｍ．Ｉ．（230 ℃、2.16kg) ｇ／10分間 0.8 6.5 15 − エチレンの総％ 44 45 43 − 23℃でキシレンに可溶な部分の％ 46.2 40.6 41.8 − キシレンに可溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g 2.55 2.51 1.87 − 23℃でキシレンに不溶な部分の％ 53.8 59.0 57.2 − キシレンに不溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g 2.33 1.78 1.36 − 粘度比 1.09 1.41 1.38 ＊ 比較 吹き込み−押出し工程の条件は次のとおりであった。 − スクリュー温度 １９０〜２２０℃ − ダイス温度 ２００〜１９０℃ − スクリュー速度 ２０ rpm − 能力(kg/h) ５．０（組成物Ｄ）、６．２（組成物Ｅ）、 ５．６（組成物Ｆ）
【００２２】次の様な特性が観察された。 − 組成物Ｆを吹き込み成形できる最小厚は１５０μm
である。これより小さい厚さでは、孔、均質性の欠如が
生じ、次いで吹き込み成形物が壊れる。厚さの大きい所
でも均質性の欠如が明らかで、フィルムの表面に「みか
ん膚」の外観を呈する。このフィルムは紙の様な感触で
ある。 − 組成物Ｅを吹き込み成形できる最小厚は２０μm で
ある。運転は、組成物Ｆの場合よりも規則正しく、一定
している。フィルムの「手触り」は、組成物Ｆよりは良
好であるが、それでもやや紙の様であり、表面に不規則
性が認められる。 − 組成物Ｄを吹き込み成形できる最小厚は１０μm で
ある。これは、使用した装置で製造できる最小厚であ
る。この材料は、１０μm 未満の厚さでも均質である
（これは１０μm フィルムを手で２００〜３００％伸長
することにより立証される）。
である。これより小さい厚さでは、孔、均質性の欠如が
生じ、次いで吹き込み成形物が壊れる。厚さの大きい所
でも均質性の欠如が明らかで、フィルムの表面に「みか
ん膚」の外観を呈する。このフィルムは紙の様な感触で
ある。 − 組成物Ｅを吹き込み成形できる最小厚は２０μm で
ある。運転は、組成物Ｆの場合よりも規則正しく、一定
している。フィルムの「手触り」は、組成物Ｆよりは良
好であるが、それでもやや紙の様であり、表面に不規則
性が認められる。 − 組成物Ｄを吹き込み成形できる最小厚は１０μm で
ある。これは、使用した装置で製造できる最小厚であ
る。この材料は、１０μm 未満の厚さでも均質である
（これは１０μm フィルムを手で２００〜３００％伸長
することにより立証される）。
【００２３】運転は、非常に規則正しく、一定であり、
フィルムの感触は絹の様で、好ましい。
フィルムの感触は絹の様で、好ましい。
【００２４】実施例４ 幾つかのフィルムの延伸性を、実験室用ＴＭ ＬＯＮＧ
フィルム延伸装置を使用し、寸法５ｘ５cmで厚さ５７
０μm のフィルム試験片を適温に加熱し、同時に直角に
２方向に、最終厚２０μm になるまで延伸して評価し
た。これらの条件下で、延伸比は、１：６：６である。
使用した異相プロピレン重合体組成物を以下に、Ｇ、Ｈ
およびＩで示す。
フィルム延伸装置を使用し、寸法５ｘ５cmで厚さ５７
０μm のフィルム試験片を適温に加熱し、同時に直角に
２方向に、最終厚２０μm になるまで延伸して評価し
た。これらの条件下で、延伸比は、１：６：６である。
使用した異相プロピレン重合体組成物を以下に、Ｇ、Ｈ
およびＩで示す。
【００２５】 組 成 物 Ｇ Ｈ＊ Ｉ＊ − Ｍ．Ｉ．（230 ℃、2.16kg) ｇ／10分間 0.95 6.3 10 − エチレンの総％ 42.3 41.8 42.2 − 23℃でキシレンに可溶な部分の％ 45.3 43.9 44.1 − キシレンに可溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g 2.9 2.36 2.24 − 23℃でキシレンに不溶な部分の％ 54.7 56.0 55.9 − キシレンに不溶な部分のＩ．Ｖ． dl/g 2.4 1.88 1.59 − 粘度比 1.2 1.26 1.40 ＊ 比較
【００２６】延伸条件は次のとおりであった。
【００２７】 組 成 物 Ｇ Ｈ Ｉ − 延伸温度（℃） 150 135 150 130 150 130 − 予熱時間（秒） 30 30 15 15 15 30 − 延伸圧（バール） 30 30 20 20 20 20 − 最高延伸速度（インチ／秒） 3 3 2 0.8 0.6 0.6 最高延伸速度は、フィルムの引き裂きおよび破断が起こ
る点である。３インチ／秒の速度は、９０００％／分に
相当し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム製造の工業的
条件を代表する。組成物Ｇだけがこれらの条件に達し、
他はそれよりも低いことが分かる。
る点である。３インチ／秒の速度は、９０００％／分に
相当し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム製造の工業的
条件を代表する。組成物Ｇだけがこれらの条件に達し、
他はそれよりも低いことが分かる。
【００２８】実施例５ 幾つかの重合体材料のカレンダー加工能力を、２本の対
向回転ローラーを備えた実験室用開放ミキサーで評価す
る。実施例１の組成物Ａ（Ｍ．Ｉ．＝０．８、粘度比＝
１．０５）および実施例２の組成物Ｃ（Ｍ．Ｉ．＝７．
１、粘度比＝１．３５）を評価した。組成物Ａの性能
は、１７５〜１８５℃の温度で完璧である。この温度で
得られたシートは均質で、３０分間まで安定しており、
劣化も粘着もせず、非常に薄く、１０μm までも延伸で
きる。
向回転ローラーを備えた実験室用開放ミキサーで評価す
る。実施例１の組成物Ａ（Ｍ．Ｉ．＝０．８、粘度比＝
１．０５）および実施例２の組成物Ｃ（Ｍ．Ｉ．＝７．
１、粘度比＝１．３５）を評価した。組成物Ａの性能
は、１７５〜１８５℃の温度で完璧である。この温度で
得られたシートは均質で、３０分間まで安定しており、
劣化も粘着もせず、非常に薄く、１０μm までも延伸で
きる。
【００２９】組成物Ｃは、１７５〜１８５℃の温度で、
すぐにローラーに粘着する。温度を１６５℃に下げる
と、ローラーには粘着しないが、結晶性部分が融解しな
いので、材料が明らかに不均質になる。この重合体をロ
ーラー上で処理しながら加熱すると、シートが不透明か
ら透明になる（結晶性部分の融解）が、すぐにローラー
に粘着する。
すぐにローラーに粘着する。温度を１６５℃に下げる
と、ローラーには粘着しないが、結晶性部分が融解しな
いので、材料が明らかに不均質になる。この重合体をロ
ーラー上で処理しながら加熱すると、シートが不透明か
ら透明になる（結晶性部分の融解）が、すぐにローラー
に粘着する。
【００３０】また、組成物Ａを、工業用のカレンダーに
通して加工し、厚さを０．１５〜１．５mmで調整できる
シートを形成し、カレンダーの出口で、天然皮革を模し
たデザインでエンボス加工した。この様にして得た合成
皮革は、最適な「手触り」および可撓性、それに−６０
〜１２０℃の広い温度範囲で良好な機械的特性を示し
た。
通して加工し、厚さを０．１５〜１．５mmで調整できる
シートを形成し、カレンダーの出口で、天然皮革を模し
たデザインでエンボス加工した。この様にして得た合成
皮革は、最適な「手触り」および可撓性、それに−６０
〜１２０℃の広い温度範囲で良好な機械的特性を示し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 セラフィノ、オンガリ イタリー国ミラノ、ロー、コルソ、エウ ロパ、209 (72)発明者 アンニバレ、ベツォリ イタリー国コモ、カルゴ、ビア、ピア ベ、１／アー (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C08J 5/18 ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ)
Claims (14)
- 【請求項１】プロピレン重合体のフィルムまたはラミネ
ートの製造方法であって、 Ａ）１０〜６０重量部の、アイソタクチック指数が９０
を超えるポリプロピレンの単独重合体、 Ｂ）１０〜４０重量部の、室温でキシレンに不溶な、主
としてエチレンを含む共重合体、および Ｃ）３０〜６０重量部の、室温でキシレンに可溶で、４
０〜７０重量％のエチレンを含む、無定形のエチレン−
プロピレン共重合体、 からなる異相プロピレン重合体組成物であって、室温で
キシレンに可溶な部分および室温でキシレンに不溶な部
分の、１３５℃におけるテトラヒドロナフタレン中の固
有粘度間の比率が０．８〜１．２であるものをフィルム
加工およびカレンダー加工することを特徴とする方法。 - 【請求項２】プロピレン重合体のフィルムまたはラミネ
ートの製造方法であって、 Ａ）１０〜６０重量部の、アイソタクチック指数が８５
を超え、８５重量％を超えるプロピレンを含む、プロピ
レンとエチレンおよび／または他のアルファオレフィン
との結晶性共重合体、 Ｂ）１０〜４０重量部の、室温でキシレンに不溶な、主
としてエチレンを含む共重合体、および Ｃ）３０〜６０重量部の、室温でキシレンに可溶で、４
０〜７０重量％のエチレンを含む、無定形のエチレン−
プロピレン共重合体、 からなる異相プロピレン重合体組成物であって、室温で
キシレンに可溶な部分および室温でキシレンに不溶な部
分の、１３５℃におけるテトラヒドロナフタレン中の固
有粘度間の比率が０．８〜１．２であるものをフィルム
加工およびカレンダー加工することを特徴とする方法。 - 【請求項３】成分（Ａ）が、プロピレンとブテンまたは
４−メチル−１−ペンテンとの結晶性共重合体であるこ
とを特徴とする、請求項２に記載する方法。 - 【請求項４】成分（Ｃ）がさらに少量のジエンを含むこ
とを特徴とする、請求項１または２に記載する方法。 - 【請求項５】高エラストマー性を有する、熱溶接可能な
フィルムであって、 Ａ）１０〜６０重量部の、アイソタクチック指数が９０
を超えるポリプロピレンの単独重合体、 Ｂ）１０〜４０重量部の、室温でキシレンに不溶な、主
としてエチレンを含む共重合体、および Ｃ）３０〜６０重量部の、室温でキシレンに可溶で、４
０〜７０重量％のエチレンを含む、無定形のエチレン−
プロピレン共重合体、 からなる組成物を含んで成ることを特徴とするフィル
ム。 - 【請求項６】高エラストマー性を有する、熱溶接可能な
フィルムであって、 Ａ）１０〜６０重量部の、アイソタクチック指数が８５
を超え、８５重量％を超えるプロピレンを含む、プロピ
レンとエチレンおよび／または他のアルファオレフィン
との結晶性共重合体、 Ｂ）１０〜４０重量部の、室温でキシレンに不溶な、主
としてエチレンを含む共重合体、および Ｃ）３０〜６０重量部の、室温でキシレンに可溶で、４
０〜７０重量％のエチレンを含む、無定形のエチレン−
プロピレン共重合体、 からなる組成物を含んで成ることを特徴とするフィル
ム。 - 【請求項７】成分（Ａ）が、プロピレンとブテンまたは
４−メチル−１−ペンテンとの結晶性共重合体であるこ
とを特徴とする、請求項６に記載するフィルム。 - 【請求項８】成分（Ｃ）がさらに少量のジエンを含むこ
とを特徴とする、請求項５または６に記載するフィル
ム。 - 【請求項９】厚さが１００μm 未満であることを特徴と
する、請求項５または６に記載するフィルム。 - 【請求項１０】高エラストマー性を有する、熱溶接可能
なラミネートであって、 Ａ）１０〜６０重量部の、アイソタクチック指数が９０
を超えるポリプロピレンの単独重合体、 Ｂ）１０〜４０重量部の、室温でキシレンに不溶な、主
としてエチレンを含む共重合体、および Ｃ）３０〜６０重量部の、室温でキシレンに可溶で、４
０〜７０重量％のエチレンを含む、無定形のエチレン−
プロピレン共重合体、 からなる組成物を含んで成ることを特徴とするラミネー
ト。 - 【請求項１１】高エラストマー性を有する、熱溶接可能
なラミネートであって、 Ａ）１０〜６０重量部の、アイソタクチック指数が８５
を超え、８５重量％を超えるプロピレンを含む、プロピ
レンとエチレンおよび／または他のアルファオレフィン
との結晶性共重合体、 Ｂ）１０〜４０重量部の、室温でキシレンに不溶な、主
としてエチレンを含む共重合体、および Ｃ）３０〜６０重量部の、室温でキシレンに可溶で、４
０〜７０重量％のエチレンを含む、無定形のエチレン−
プロピレン共重合体、 からなる組成物を含んで成ることを特徴とするラミネー
ト。 - 【請求項１２】成分（Ａ）が、プロピレンとブテンまた
は４−メチル−１−ペンテンとの結晶性共重合体である
ことを特徴とする、請求項１１に記載するラミネート。 - 【請求項１３】成分（Ｃ）がさらに少量のジエンを含む
ことを特徴とする、請求項１０または１１に記載するラ
ミネート。 - 【請求項１４】厚さが少なくとも１００μm であること
を特徴とする、請求項１０または１１に記載するラミネ
ート。
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|---|---|---|---|
| IT19511A IT1240417B (it) | 1990-02-28 | 1990-02-28 | Procedimento per la produzione di film e corpi laminari polipropilenici e prodotti cosi' ottenuti |
| IT19511A/90 | 1990-02-28 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0625439A JPH0625439A (ja) | 1994-02-01 |
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|---|---|---|---|
| JP03057853A Expired - Fee Related JP3100651B2 (ja) | 1990-02-28 | 1991-02-28 | プロピレン重合体フィルムの製造法およびそれによって得られるラミネートおよび製品 |
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