JP3097667B2 - 磁気検出素子 - Google Patents

磁気検出素子

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JP3097667B2 JP10185033A JP18503398A JP3097667B2 JP 3097667 B2 JP3097667 B2 JP 3097667B2 JP 10185033 A JP10185033 A JP 10185033A JP 18503398 A JP18503398 A JP 18503398A JP 3097667 B2 JP3097667 B2 JP 3097667B2
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    • Y10T428/1171Magnetic recording head with defined laminate structural detail

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気検出素子に係
り、特に高密度磁気記録用再生ヘッド等の高感度の磁気
検出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスクに代表される外部
記憶装置に対しては、その記録密度の一層の向上が要求
されており、これに伴い記録媒体に書き込まれた情報を
読み出す磁気ヘッドについては、ますます微弱な外部磁
場を正確に検出することは要求されている。
【0003】従来、読み出し用磁気ヘッドには、金属や
合金の磁気抵抗効果を利用した所謂MR素子が用いられ
ている。しかしながら、従来のMR素子は外部磁場に対
する抵抗変化が小さく、また微弱な外部磁場に対しては
十分な出力を得ることができないという問題点を有し、
例えば、10〔Gb/in2 〕以上の超高記録密度の磁
気記録には対応することができない。
【0004】そこで、このような問題点を解決するため
に、スピン偏極した強磁性体酸化物層から常磁性金属層
に注入された非平衡スピンを検出する磁気検出素子が提
案されている(特開平9-214018号公報)。この特開平9-
214018号公報に開示された磁気検出素子は、ほとんど完
全にスピン偏極した強磁性体酸化物からなるスピン注入
層とスピン検出層とを常磁性金属からなる遷移層で接続
することを特徴としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような構造にあっては、スピン注入層とスピン検出層と
の間にサブミクロンオーダの狭小部を設けると共に、更
にμmオーダ以下の大きさの遷移層の位置を、スピン注
入層とスピン検出層との間の狭小部に正確に合わせなけ
ればならないという煩わしさがある。
【0006】更に、フォトリソグラフィーやエッチング
の加工精度の制約があって、当該狭小部を正確に切り、
かつ遷移層の位置を正確に合わせ、更にその平面寸法を
μmオーダより小さくするには多くの手間がかかり、非
常に困難を伴い、これがため生産効率が著しく悪いとい
う不都合が生じている。
【0007】また、遷移層の平面寸法が数μmオーダ以
上である場合、このような構造ではスピン注入層から遷
移層に注入されたスピン偏極したキャリアは、遷移層内
を数μm以上も移動する必要がある。一方、この距離で
は、スピンは途中でスピンフリップを起こして情報を失
ってしまうので、スピン注入層とスピン検出層の磁化の
向きが反平行の場合のアップスピンバンドとダウンスピ
ンバンド内の実効的な電子数の差が減少してしまい、そ
の結果、かかる従来例にあっては出力電圧の低下を招く
という不都合が生じていた。
【0008】更に又、上記従来例にあっては、積層構造
にしても、更に材料面で次のような問題点がある。即
ち、遷移層がAuなどの非磁性単体金属やAu−Geな
どの非磁性合金の場合には、(La,Sr)MnO3
どのほとんど完全にスピン偏極した強磁性金属材料と欠
陥の少ない良質な積層構造を作るのが困難なことであ
る。
【0009】ほとんど完全にスピン偏極した強磁性金属
材料として優れた膜を作製するには、例えば(La,S
r)MnO3 の場合、摂氏600°以上の高温が必要で
あり、酸化物と結合力が小さく低融点のAuなどの非磁
性金属やAu−Geなどの非磁性合金材料の遷移層は
(La,Sr)MnO3 と界面反応を起こしたり、それ
自身凝集したりして、結果として界面に反応層ができた
り、遷移層やその上に積層するスピン検出層(或いはス
ピン注入層)に粒界が生じてしまうという不都合があ
る。
【0010】かかる場合、遷移層が高温で島状に凝集し
てしまうと、そもそも遷移層を(La,Sr)MnO3
等をほとんど完全にスピン偏極した強磁性酸化物材料で
均一に挟むことができず、遷移層とスピン注入層(或い
はスピン検出層)との界面で剥離や亀裂が起こる。
【0011】積層構造が良質でなく、遷移層とスピン注
入層(或いはスピン検出層)との界面に反応層が存在し
たり、遷移層やスピン注入層(或いはスピン検出層)中
に粒界が存在すると、やはり、それらの場所でキャリア
のスピンがフリップして実効的に遷移層でのアップスピ
ンバンドとダウンスピンバンドの電子数の差が小さくな
って出力電圧が低下してしまうので、素子の性能上好ま
しくなく、素子の生産性が低下するという欠点も同時に
生じる。
【0012】更に、他の問題点は、スピン偏極したキャ
リアが注入される遷移層がAuなどの単体金属やAu−
Geなどの合金のような抵抗率の小さい非磁性金属の場
合、出力電圧が小さくなることである。
【0013】その理由は、Auなどの抵抗率の小さい非
磁性金属材料の場合、常磁性磁化率が大きく、フェルミ
面近傍の状態密度が大きいため、アップスピンバンドと
ダウンスピンバンド内の電子数の差によって遷移層内部
に生じる非平衡磁化によるアップスピンキャリアとダウ
ンスピンキャリアの実効的なケミカルポテンシャル差が
小さくなり、出力電圧が低下してしまうということであ
り、素子の性能上好ましくない。
【0014】
【発明の目的】本発明は、上記従来例の有する不都合を
改善し、特に出力電圧を大きくすると共に、その生産性
を向上を図り得る素子構造を備えた磁気検出素子を提供
することを、その目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる磁気検出
素子では、ほとんど完全にスピン偏極した酸化物強磁性
体材料からなるスピン注入層とスピン検出層とを備え、
この二つの層の間に、遷移層として非磁性導電性酸化物
材料からなる層を挟んだ構造とする、という構成を基本
構造として採用している。
【0016】ここで、スピン注入層およびスピン検出層
を構成するほとんど完全に(高度に)スピン偏極した酸
化物強磁性体材料としては、ペロブスカイト型構造酸化
物Ln1-X X MnO3 (Lnはランタノイド,Bi,
Yの内の少なくとも1種類の金属を、Aはアルカリ土類
金属,Pbの内の少なくとも1種類の金属を表し、Xは
0.15≦X≦0.5 とする)、パイロクロア型構造酸化物
(Tl1-X InX 2 Mn2 7 (0 ≦X≦1 )、ペロ
ブスカイト類縁構造層状酸化物( Ln1-X X n+1
n 3n+1(Lnはランタノイド,Bi,Yの内の少な
くとも1種類の金属を、Aはアルカリ土類金属,Pbの
内の少なくとも1種類の金属を表し、またXは、0.15≦
X≦0.7 、n=2,3 とする)、スピネル型構造酸化物Fe
3 4 ,ルチル型構造酸化物CrO2 の内の少なくとも
1種類が用いられる。
【0017】又、遷移層を構成する非磁性導電性酸化物
材料としては、ペロブスカイト型構造酸化物SrMoO
3 ,SrIrO3 ,La1-X X RhO3 (X≧0.3
),LaドープSrTiO3 (ドープ量は0.1 重量%
以上),NbドープSrTiO3(ドープ量は0.05重量
%以上),或いはルチル型構造酸化物RuO2 ,IrO
2の内の少なくとも1種類が用いられる。
【0018】更に、本発明にかかる磁気検出素子では、
前述したように、二枚のほとんど完全にスピン偏極した
強磁性金属酸化物材料からなるスピン注入層(図1の符
号2)とスピン検出層(図1の符号4)の間に、該強磁
性金属酸化物材料と反応しにくくかつ格子整合性の良い
導電性の非磁性酸化物材料からなる遷移層(図1の符号
3)を挟んだ構造を有する。
【0019】このため、この積層構造を備えた本発明で
は、従来技術の製造工程で必要な位置あわせは不要であ
り、また、従来のフォトリソグラフィーとエッチング技
術で遷移層の平面の大きさをサブミクロンオーダーに加
工するだけで良いという利点がある。そして、このよう
な構造にすると、スピン注入層から遷移層に注入された
スピン偏極したキャリアは遷移層内で膜厚方向に動くの
で、膜厚を薄くするだけで簡単に出力電圧を向上させる
ことができる。
【0020】更に、本発明の磁気検出素子では、遷移層
として単体金属や合金よりも抵抗率の比較的大きな非磁
性導電性酸化物を用いている。このため、スピン注入層
からのスピン偏極したキャリアの注入により生じる常磁
性金属層内でのアップスピンバンドとダウンスピンバン
ドのごくわずかな電子数の差によっても大きなケミカル
ポテンシャル差が発生し、結果として大きな出力電圧を
得ることができる。また遷移層としてほとんど完全にス
ピン偏極した強磁性金属材料と反応しにくい非磁性導電
性酸化物を用いるため、遷移層とスピン注入層(あるい
はスピン検出層)との界面に反応層を生じることがな
い。
【0021】更に、遷移層としてほとんど完全にスピン
偏極した強磁性金属材料と格子整合性の良い非磁性導電
性酸化物を用いるため、遷移層とスピン注入層(あるい
はスピン検出層)とがエピタキシャルに成長し、これら
の層が多結晶化して粒界を生じることがない。従って、
スピン注入層(あるいはスピン検出層)と遷移層との界
面や粒界でスピン偏極したキャリアのスピンがフリップ
して出力電圧が低下することを防止できる。
【0022】また、遷移層を成す非磁性導電性酸化物
は、Auなどの単体金属やAu−Geなどの合金に比べ
て融点が高く、(La,Sr)MnO3 などのほとんど
完全にスピン偏極した強磁性体酸化物材料との結合力も
大きいので、積層中に凝集してしまうこともない。この
ため、従来例で生じていた遷移層とスピン注入層(ある
いはスピン検出層)との界面で剥離や亀裂が起こって素
子の生産性が低下するという欠点を克服することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1乃至図4に基づいて説明する。
【0024】
【発明の実施の形態(1)】図1にこれを示す。この図
1に示す第1の実施形態において、符号1は基板を示
す。この基板1は素子部分を保持する機能を備えてい
る。基板1の上に形成されたほとんど完全に(高度に)
スピン偏極した強磁性金属材料からなるスピン注入層2
は、スピン偏極したキャリアを遷移層3に注入する機能
を備えている。
【0025】遷移層3はスピン注入層2とスピン検出層
4との間に挟まれており、外部磁場により変化するスピ
ン注入層2とスピン検出層4の磁化の方向の相対関係に
より電圧を発生し外部出力する役目を果たす。
【0026】即ち、スピン注入層2とスピン検出層4の
磁化の方向が平行の場合、スピン注入層2から遷移層3
へ注入されたキャリアとほぼ同数のキャリアが遷移層3
からスピン検出層4へ排出されるので、スピン注入層2
とスピン検出層4との間にはほとんど電位差を生じな
い。一方、スピン注入層2とスピン検出層4の磁化の方
向が反平行の場合、スピン注入層2から遷移層3へ注入
されたキャリアの数が遷移層3からスピン検出層4へ排
出されるキャリア数を上回るため、スピン注入層2とス
ピン検出層4との間に電位差を生じる。
【0027】ほとんど完全にスピン偏極した強磁性金属
からなるスピン検出層4は、遷移層3からスピン偏極し
たキャリアを受け取る役目を果たす。符号5は電極を示
す。この電極5は、スピン注入層2とスピン検出層4と
の間の電位差を取り出す役目を果たす。層間絶縁膜6は
スピン注入層2とスピン検出層4が短絡することを防止
する役目を果たす。
【0028】又、必要に応じて、スピン注入層2又はス
ピン検出層4のどちらか一方のスピンを固定した状態で
当該素子を動作させる場合もある。その場合は、スピン
を固定する(ほとんど完全にスピン偏極した)強磁性金
属材料層に接し又はその近傍に磁界をバイアスしてスピ
ン方向を固定するバイアス層(磁気固定層)を設けるこ
ともできる。
【0029】更に、スピン注入層2およびスピン検出層
4の材料としては、ほとんど完全にスピン偏極した強磁
性金属材料であるペロブスカイト型構造酸化物Ln1-X
XMnO3 (Lnはランタノイド,Bi,Yの内の少
なくとも1種類の金属を、Aはアルカリ土類金属,Pb
の内の少なくとも1種類の金属をそれぞれ表し、Xは、
0.15≦X≦0.5 とする)、パイロクロア型構造酸化物
(Tl1-X InX 2 Mn2 7 (0 ≦X≦1 )、ペロ
ブスカイト類縁構造層状酸化物( Ln1-X X n+1
n 3n+1(Lnはランタノイド,Bi,Yのうちの少
なくとも1種類の金属を、Aはアルカリ土類金属,Pb
の内の少なくとも1種類の金属をそれぞれ表し、又、0.
15≦X≦0.7 、n=2,3 とする)、スピネル型構造酸化物
Fe3 4、ルチル型構造酸化物CrO2 、がそれぞれ
用いられる。
【0030】遷移層3の材料としては、ペロブスカイト
型構造酸化物SrMoO3 、SrIrO3 、La1-X
X RhO3 (X≧0.3 )、LaドープSrTiO3 (ド
ープ量は0.1 重量%以上)、NbドープSrTiO
3 (ドープ量は0.05重量%以上)、或いはルチル型構造
酸化物RuO2 、IrO2 が用いられる。
【0031】基板1としては、ペロブスカイト型構造酸
化物,ルチル型構造酸化物,スピネル型構造酸化物、ペ
ロブスカイト類縁構造層状酸化物、又は岩塩型構造酸化
物の各材料が用いられる。望ましくはこれらの単結晶を
用いる。その理由は、単結晶基板上に素子を作成した場
合、スピン注入層2、遷移層3、スピン検出層4が、単
結晶状に成長するため良質の積層構造のものを得ること
ができるからである。電極5としては、非磁性の金属を
用いることができる。又、層間絶縁膜6としては非磁性
の絶縁体を用いることができる。
【0032】より詳細には、スピン注入層2として、ペ
ロブスカイト型構造酸化物Ln1-XX MnO3 、パイ
ロクロア型構造酸化物(Tl1-X InX 2 Mn
2 7 、ペロブスカイト類縁構造層状酸化物( Ln1-X
X n+1 Mnn 3n+1を用いるときには、基板1とし
ては、ペロブスカイト型酸化物もしくはペロブスカイト
類縁型酸化物を用いるのが好ましい。その理由は、基板
1とスピン注入層2との格子整合性が良好であるばかり
でなく良質のスピン注入層2が得られるからである。
【0033】また、同様の理由で、スピン注入層2とし
てスピネル型構造酸化物Fe3 4を用いるときには基
板1としてスピネル型構造酸化物又は岩塩型構造酸化物
を、スピン注入層2としてルチル型構造酸化物CrO2
を用いるときには基板1としてルチル型構造酸化物を、
それぞれ用いるのが好ましい。
【0034】更に、スピン注入層2として、ペロブスカ
イト型構造酸化物Ln1-X X MnO3 ,パイロクロア
型構造酸化物(Tl1-X InX 2 Mn2 7 ,ペロブ
スカイト類縁構造層状酸化物( Ln1-X X n+1 Mn
n 3n+1を用いるときには、遷移層3としてペロブスカ
イト型構造酸化物SrMoO3 、SrIrO3 、La>
1-X X RhO3 ,LaドープSrTiO3 、Nbドー
プSrTiO3 を用いることが好ましい。
【0035】その理由は、遷移層3とスピン注入層2と
の格子整合性が良く、良質の遷移層3を得ることができ
るからである。同様の理由で、スピン注入層2としてル
チル型構造酸化物CrO2 を用いるときには、遷移層3
としてルチル型構造酸化物RuO2 、IrO2 を用いる
ことが好ましい。
【0036】加えて、スピン注入層2とスピン検出層4
とは、まったく同じ材料を用いても又別の材料を用いて
も差し支えないが、できれば、遷移層3としてペロブス
カイト型構造酸化物SrMoO3 、SrIrO3 、La
1-X X RhO3 ,LaドープSrTiO3 、Nbドー
プSrTiO3 を用いるときには、スピン検出層4とし
てペロブスカイト型構造酸化物Ln1-X X MnO3
パイロクロア型構造酸化物(Tl1-X InX 2 Mn2
7 、ペロブスカイト類縁構造層状酸化物( Ln1-X
X n+1 Mnn 3n+1を用いるのが好ましい。
【0037】その理由は、スピン検出層4と遷移層3と
の格子整合性が良く良質のスピン検出層4が得られるか
らである。また、同様の理由で、遷移層3としてルチル
型構造酸化物RuO2 、IrO2を用いるときにはルチ
ル型構造酸化物CrO2 を用いるのが好ましい。
【0038】次に、本実施形態(1)における素子の製
造方法について説明する。
【0039】まず、基板1を通常のパルスレーザ蒸着装
置の真空槽内に入れ真空槽内を1×10-5〔Torr〕
以下に排気する。ここで、レーザーで蒸発させるターゲ
ットとしては、スピン注入層2としてペロブスカイト型
構造酸化物Ln1-X X MnO3 、パイロクロア型構造
酸化物(Tl1-X InX 2 Mn2 7 、ペロブスカイ
ト類縁構造層状酸化物( Ln1-XX n+1 Mnn
3n+1を成長させるときにはスピン注入層2と同じ組成の
セラミクスを、スピネル型構造酸化物Fe3 4 又はル
チル型構造酸化物CrO2 を成長させるときにはスピン
注入層2の構成元素の純金属を用いる。
【0040】次に、基板1を適当な温度まで加熱する。
ここで、基板温度は、スピン注入層2としてペロブスカ
イト型構造酸化物Ln1-X X MnO3 、パイロクロア
型構造酸化物(Tl1-X InX 2 Mn2 7、ペロブ
スカイト類縁構造層状酸化物( Ln1-X X n+1 Mn
n 3n+1を成長させるときには摂氏600 〜900 度、スピ
ネル型構造酸化物Fe3 4 又はルチル型構造酸化物C
rO2 を成長させるときには室温〜400 〔℃〕が好まし
い。その理由は、これらの温度領域を外れるとスピン注
入層2中に異相が析出したり、基板1とスピン注入層1
と反応するからである。
【0041】更に、真空槽内に酸素を適当な圧力まで導
入する。ここで、酸素分圧は、スピン注入層2としてペ
ロブスカイト型構造酸化物Ln1-X X MnO3 ,パイ
ロクロア型構造酸化物(Tl1-X InX 2 Mn
2 7,ペロブスカイト類縁構造層状酸化物( Ln1-X
X n+1 Mnn 3n+1を成長させるときには200 〜 5
00〔 mTorr〕、スピネル型構造酸化物Fe3 4 又はル
チル型構造酸化物CrO2 を成長させるときには1×1
-5〜1×10-3〔Torr〕が好ましい。理由は、こ
れらの酸素分圧領域を外れるとスピン注入層2中に異相
が析出したり、スピン注入層2に酸素欠損や構造欠陥が
生成するからである。
【0042】その後、ターゲットをレーザーで蒸発させ
基板1上にスピン注入層2を適当な厚さだけ成長させ
る。ここで、スピン注入層2の厚さには制限はないが、
50〔nm〕以上あるのが望ましい。理由は、これ以下
の厚さではスピン注入層2が基板から受ける格子不整合
によるひずみのためにスピン注入層2の保磁力が本来よ
りも大きくなってしまい、素子が小さな磁場を検出でき
なくなってしまうからである。
【0043】引き続いて遷移層3をスピン注入層2の上
に成長させるが、レーザで蒸発させるターゲットとして
は、遷移層3と同じ組成のセラミクス、又は遷移層3の
構成元素の純金属を用いる。
【0044】又、遷移層3を成長させるときの基板温度
と酸素分圧は、それぞれ、遷移層3としてペロブスカイ
ト型構造酸化物SrMoO3 ,SrIrO3 ,La1-X
XRhO3 ,LaドープSrTiO3 ,NbドープS
rTiO3 を成長させる場合には400 〜 900〔℃〕と 5
00〔mTorr〕以下、遷移層3としてルチル型構造酸
化物RuO2 ,IrO2 を成長させる場合には、室温〜
400 〔℃〕と10〔mTorr〕以下が好ましい。その
理由は、スピン注入層2の場合と同様である。
【0045】又、遷移層3の厚さには制限はないが1
〔μm〕以下であるのが望ましい。その理由は、これ以
上厚くなるとスピン注入層2から注入されたスピン偏極
したキャリアが遷移層3中でフリップしてスピンの方向
の情報を失ってしまい、素子の出力電圧が低下してしま
うからである。更に、遷移層3の上にスピン検出層4を
スピン注入層2と同様の条件で成長させる。
【0046】上記実施形態にあっては、スピン注入層
2,遷移層3,スピン検出層4の成長にパルスレーザ蒸
着を用いた場合を例示したが、スパッタ,蒸着,CVD
などを用いても差し支えない。ただし、これらの成膜方
法の中ではパルスレーザ蒸着がもっとも好ましい。その
理由はこれらの中で最も容易に組成制御ができるからで
ある。
【0047】その後、素子を真空槽からとりだし遷移層
3、スピン検出層4を加工してスピン注入層2が表面に
露出するようにする。遷移層3,スピン検出層4の加工
にはイオンミリングなどを用いれば良く、方法は特に問
わない。そして、最後に電極5を成膜し加工することに
より、素子は完成する。電極5の成膜方法としては、ス
パッタ,蒸着などを用いれば良く、方法は特に問わな
い。また、電極5は、遷移層3,スピン検出層4と同様
に加工することができる。
【0048】
【実施例】次に、上述した実施形態(1)についての具
体例を更に詳述する。
【0049】(第1実施例)最初に、図1に基いてその
構成を具体的に説明する。この第1実施例において、磁
気検出素子は、単結晶のSrTiO3 (100 )面の基板
1の上に形成された厚さ100 〔nm〕のLa0.7 Sr
0.3 MnO3 からなるスピン注入層2と、スピン検出層
4との間に挟まれている厚さ10〔nm〕のLaドープS
rTiO3 (ドープ量は3.7 重量%)からなる遷移層3
と、厚さ300〔nm〕のAuからなる電極5と、厚さ500
〔nm〕のSiO2 からなる層間絶縁膜6とで、構成
されている。
【0050】次に、その製造工程を説明する。まず、表
面が鏡面研磨された単結晶SrTiO3 (100) 基板1を
通常のパルスレーザ蒸着装置の真空槽内に入れ真空槽内
を1×10-6〔Torr〕以下に排気する。次に基板1を
700 〔℃〕まで加熱する。さらに真空槽内に酸素を500
〔mTorr〕まで導入する。
【0051】その後、ターゲットをKrFレーザで蒸発
させ基板1上にLa0.7 Sr0.3 MnO3 からなるスピ
ン注入層2を厚さ100 〔nm〕だけ成長させる。ここで
レーザで蒸発させるターゲットとしては、La0.7 Sr
0.3 MnO3 のセラミクスを用いる。
【0052】引き続き、同じ基板温度と酸素分圧のまま
LaドープSrTiO3 (ドープ量は3.7 重量%)から
なる遷移層3をスピン注入層2の上に厚さ10〔nm〕だ
け成長させるが、ここで、レーザで蒸発させるターゲッ
トとしては、LaドープSrTiO3 (ドープ量は3.7
重量%)のセラミクスを用いる。
【0053】更に、遷移層3の上にLa0.7 Sr0.3
nO3 からなるスピン検出層4をスピン注入2と同様の
条件で成長させる。この後、素子を一端真空槽から取り
出して遷移層3,スピン検出層4を通常のフォトリソグ
ラフィーとイオンミリングを使って2〔μm〕×10
〔μm〕の長方形に加工し、スピン注入層2が表面に露
出するようにする。
【0054】続いて、電極5を成長させる前にSiO2
からなる層間絶縁膜6をスパッタで厚さ500 〔nm〕だ
け成長させ、リフトオフでスピン注入層4上のSiO2
膜を取り除いた後、Auからなる電極5をスパッタで厚
さ300 〔nm〕だけ成長させる。最後に、通常のフォト
リソグラフィーとイオンミリングにより電極5をパッド
状に加工する。
【0055】このようにして作製した素子においては、
スピン注入層2、遷移層3、スピン検出層4がすべて基
板1に対してエピタキシャル成長しており単結晶並みの
高い結晶性を有していることが、X線回折、電子線回折
により確かめられた。また、この素子に1〔μA〕の電
流を流したときの磁気抵抗変化率(外部磁場による抵抗
変化分の磁場中での抵抗に対する割合)は50〔Oe〕と
いう微弱な外部磁場で130 %という高い値を示した。更
に、このようにして作製した素子の収率(正常動作素子
数の全作製素指数に対する割合)は70%以上であった。
【0056】ちなみに、比較例として遷移層3をAuで
置き換えた場合、素子の収率は5%未満であった。ま
た、この場合、正常に動作する素子の磁気抵抗も50〔O
e〕で、70%と本実施形態に比べて低い値を示した。更
に、正常に動作する素子の遷移層3とスピン検出層4と
は、多結晶体であることが、X線回折、電子線回折によ
り確かめられた。
【0057】(第2実施例)次に、第2実施例を、前述
した実施例1の場合と同様に、図1に基いてその構成を
具体的に説明する。
【0058】まず、この第2実施例において、磁気検出
素子は、単結晶のNdGaO3 (100) 面の基板1の上に
形成された厚さ100 〔nm〕のNd0.7 Sr0.3 MnO
3 からなるスピン注入層2と、このスピン注入層2とス
ピン検出層4との間に挟まれている厚さ10〔nm〕のS
rMoO3 からなる遷移層3と、厚さ300 〔nm〕のA
uからなる電極5と、厚さ500 〔nm〕のSiO2 から
なる層間絶縁膜6とで構成されている。
【0059】次に、この第2実施例における磁気検出素
子の製造方法を説明する。まず、表面が鏡面研磨された
単結晶NdGaO3 (100) 基板1を通常のパルスレーザ
蒸着装置の真空槽内に入れ、真空槽内を1×10-6〔To
rr〕以下に排気する。続いて、基板1を700 〔℃〕ま
で加熱する。更に、真空槽内に酸素を500 〔mTor
r〕まで導入する。その後、ターゲットをKrFレーザ
で蒸発させ基板1上にNd0.7 Sr0.3 MnO3 からな
るスピン注入層2を厚さ100 〔nm〕だけ成長させる。
【0060】ここで、レーザで蒸発させるターゲットと
しては、Nd0.7 Sr0.3 MnO3のセラミクスを用い
る。そして、引き続き同じ基板温度と酸素分圧のまま、
SrMoO3 からなる遷移層3をスピン注入層2の上に
厚さ20〔nm〕だけ成長させる。レーザで蒸発させるタ
ーゲットとしては、SrMoO3 のセラミクスを用い
る。
【0061】更に、遷移層3の上にNd0.7 Sr0.3
nO3 からなるスピン検出層4をスピン注入2と同様の
条件で成長させる。この後、素子をいったん真空槽から
取り出して遷移層3,スピン検出層4を通常のフォトリ
ソグラフィーとイオンミリングを使って2〔μm〕×1
0〔μm〕の長方形に加工し、スピン注入層2が表面に
露出するようにする。
【0062】続いて、電極5を成長させる前にSiO2
からなる層間絶縁膜6をスパッタで厚さ500 〔nm〕だ
け成長させ、リフトオフでスピン注入層4上のSiO2
膜を取り除いた後、Auからなる電極5をスパッタで厚
さ300 〔nm〕だけ成長させる。最後に通常のフォトリ
ソグラフィーとイオンミリングにより電極5をパッド状
に加工する。
【0063】このようにして作製した素子においては、
スピン注入層2,遷移層3,スピン検出層4が、すべて
基板1に対してエピタキシャル成長しており、単結晶並
みの高い結晶性を有していることがX線回折,電子線回
折によって確かめることがきた。また、この素子の磁気
抵抗変化率は、50〔Oe〕で120 %という高い値を示し
た。更に、このようにして作製した素子の収率は75%以
上であった。
【0064】(実施例3)次に、第3実施例を、前述し
た実施例1の場合と同様に、図1に基いてその構成を具
体的に説明する。
【0065】まず、この第3実施例において、磁気検出
素子は、単結晶LaAlO3 (100)面の基板1の上に形
成された厚さ200 〔nm〕の(La0.4 Ca0.6 3
27 からなるスピン注入層2と、このスピン注入層
2とスピン検出層4との間に挟まれている厚さ50〔n
m〕のSrIrO3 からなる遷移層3と、厚さ300 〔n
m〕のAuからなる電極5と、厚さ500 〔nm〕のSi
2 からなる層間絶縁膜6とで構成されている。
【0066】次に、この実施例3における磁気検出素子
の製造方法を説明する。まず、表面が鏡面研磨された単
結晶LaAlO3 (100) 基板1を通常のパルスレーザ蒸
着装置の真空槽内に入れ真空槽内を1×10-6〔Tor
r〕以下に排気する。
【0067】続いて、基板1を800 〔℃〕まで加熱す
る。更に、真空槽内に酸素を400 〔mTorr〕まで導
入する。そして、その後、ターゲットをKrFレーザで
蒸発させ基板1上に(La0.4 Ca0.6 3 Mn2 7
からなるスピン注入層2を厚さ200 〔nm〕だけ成長さ
せる。
【0068】ここで、レーザで蒸発させるターゲットと
しては、(La0.4 Ca0.6 3 Mn2 7 のセラミク
スを用いる。引き続き、同じ基板温度と酸素分圧のまま
SrIrO3 からなる遷移層3を、スピン注入層2の上
に厚さ50〔nm〕だけ成長させる。レーザで蒸発させる
ターゲットとしては、SrIrO3 のセラミクスを用い
る。
【0069】更に、遷移層3の上に(La0.4
0.6 3 Mn2 7 からなるスピン検出層4を、スピ
ン注入層2と同様の条件で成長させる。その後、素子を
いったん真空槽から取り出すと共に遷移層3,スピン検
出層4を通常のフォトリソグラフィーとイオンミリング
を使って5 〔μm〕×20〔μm〕の長方形に加工してス
ピン注入層2が表面に露出するようにする。
【0070】続いて、電極5を成長させる前にSiO2
からなる層間絶縁膜6をスパッタで厚さ500 〔nm〕だ
け成長させ、リフトオフでスピン注入層4上のSiO2
膜を取り除いた後、Auからなる電極5をスパッタで厚
さ300 〔nm〕だけ成長させる。最後に、通常のフォト
リソグラフィーとイオンミリングにより、電極5をパッ
ド状に加工する。
【0071】このようにして作製した素子においては、
スピン注入層2,遷移層3,スピン検出層4が全てべて
基板1に対してエピタキシャル成長しており、単結晶並
みの高い結晶性を有していることが、X線回折、電子線
回折により確かめられた。又、この素子の磁気抵抗変化
率は50〔Oe〕で135 %という高い値を示した。更に、
このようにして作製した素子の収率は65%以上であっ
た。
【0072】(第4実施例)次に、第4実施例を、前述
した実施例1の場合と同様に、図1に基いてその構成を
具体的に説明する。
【0073】まず、この第4実施例において、磁気検出
素子は、単結晶のMgO (100)面の基板1の上に形成さ
れた厚さ100 〔nm〕のFe3 4 からなるスピン注入
層1と、このスピン注入層1とスピン検出層4との間に
挟まれている厚さ10〔nm〕のNbドープSrTiO3
(ドープ量は1.0 重量%)からなる遷移層3と、厚さ30
0 〔nm〕のPtからなる電極5と、厚さ500 〔nm〕
のAl2 3 からなる層間絶縁膜6とで構成されてい
る。
【0074】続いて、この第4実施例における磁気検出
素子の製造方法を説明する。まず、表面が鏡面研磨され
た単結晶MgO(100)基板1を通常のパルスレーザ蒸着
装置の真空槽内に入れ真空槽内を1×10-6〔Torr〕
以下に排気する。
【0075】次に、基板1を400 〔℃〕まで加熱する。
更に、真空槽内に酸素を1×10-4〔Torr〕まで導入
する。その後、ターゲットをKrFレーザで蒸発させ基
板1上にFe3 4 からなるスピン注入層2を厚さ100
〔nm〕だけ成長させる。ここで、レーザで蒸発させる
ターゲットとしては、Feの金属を用いる。
【0076】引き続き、同じ基板温度と酸素分圧のまま
で、NbドープSrTiO3 (ドープ量は1.0 重量%)
からなる遷移層3をスピン注入層2の上に厚さ10〔n
m〕だけ成長させる。その祭、レーザで蒸発させるター
ゲットとしては、NbドープSrTiO3 (ドープ量は
1.0 重量%)のセラミクスを用いる。
【0077】更に、遷移層3の上にFe3 4 からなる
スピン検出層4を、スピン注入2と同様の条件で成長さ
せる。その後、素子をいったん真空槽から取り出して遷
移層3,スピン検出層4を通常のフォトリソグラフィー
とイオンミリングを使って2〔μm〕×10〔μm〕の
長方形に加工してスピン注入層2が表面に露出するよう
にする。
【0078】続いて、電極5を成長させる前にAl2
3 からなる層間絶縁膜6をスパッタで厚さ500 〔nm〕
だけ成長させ、リフトオフでスピン注入層4上のAl2
3膜を取り除いた後、Ptからなる電極5をスパッタ
で厚さ300 〔nm〕だけ成長させる。最後に通常のフォ
トリソグラフィーとイオンミリングによって電極5をパ
ッド状に加工する。
【0079】このようにして作製した素子においては、
スピン注入層2、遷移層3、スピン検出層4がすべて基
板1に対してエピタキシャル成長しており単結晶並みの
高い結晶性を有していることがX線回折、電子線回折に
より確かめられた。また、この素子の磁気抵抗変化率は
50〔Oe〕で120 %という高い値を示した。更に、この
ようにして作製した素子の収率は65%以上であった。
【0080】(第5実施例)次に、第5実施例を、前述
した実施例1の場合と同様に、図1に基いてその構成を
具体的に説明する。
【0081】まず、この第5実施例において、磁気検出
素子は、単結晶のTiO2 (100) 面の基板1の上に形成
された厚さ500 〔nm〕のCrO2 からなるスピン注入
層2と、このスピン注入層2とスピン検出層4との間に
挟まれている厚さ10〔nm〕のIrO2 からなる遷移層
3と、厚さ300 〔nm〕のPtからなる電極5と、厚さ
500 〔nm〕のAl2 3 からなる層間絶縁膜6とで構
成されている。
【0082】次に、この第5実施例による磁気検出素子
の製造方法を説明する。まず、表面が鏡面研磨された単
結晶TiO2 (100) 基板1を通常のパルスレーザ蒸着装
置の真空槽内に入れ、真空槽内を1×10-6〔Torr〕
以下に排気する。続いて、基板1を400 〔℃〕まで加熱
する。更に、真空槽内に酸素を1×10-3〔Torr〕ま
で導入する。その後、ターゲットをKrFレーザで蒸発
させ基板1上にCrO2 からなるスピン注入層2を厚さ
100 〔nm〕だけ成長させる。
【0083】その際、レーザで蒸発させるターゲットと
しては、Crの金属を用いる。引き続き同じ基板温度と
酸素分圧のままIrO2 からなる遷移層3をスピン注入
層2の上に厚さ10〔nm〕だけ成長させるが、ここで、
レーザで蒸発させるターゲットとしては、Irの金属を
用いる。
【0084】更に、遷移層3の上にCrO2 からなるス
ピン検出層4をスピン注入2と同様の条件で成長させ
る。その後、素子をいったん真空槽から取り出して遷移
層3,スピン検出層4を通常のフォトリソグラフィーと
イオンミリングを使って10〔μm〕×50〔μm〕の長方
形に加工してスピン注入層2が表面に露出するようにす
る。
【0085】続いて、電極5を成長させる前にAl2
3 からなる層間絶縁膜6をスパッタで厚さ500 〔nm〕
だけ成長させ、リフトオフでスピン注入層4上のAl2
3膜を取り除いた後、Ptからなる電極5をスパッタ
で厚さ300 〔nm〕だけ成長させる。最後に通常のフォ
トリソグラフィーとイオンミリングにより電極5をパッ
ド状に加工する。
【0086】このようにして作製した磁気検出素子にお
いては、スピン注入層2、遷移層3、スピン検出層4が
すべて基板1に対してエピタキシャル成長しており、単
結晶並みの高い結晶性を有していることが、X線回折、
電子線回折により確かめられた。又、この磁気検出素子
の磁気抵抗変化率は50〔Oe〕で11%という高い値を示
した。更に、このようにして作製した磁気検出素子の収
率は、60%以上であった。
【0087】
【発明の実施の形態(2)】図2にこれを示す。この図
2において、符号11は基板を示す。この基板11は、
磁気検出素子を支持する役目を果たす。基板11の上に
形成されたほとんど完全に(高度に)スピン偏極した強
磁性金属材料からなるスピン検出層12は、スピン偏極
したキャリアを、遷移層13から受け取る役目を果た
す。
【0088】遷移層13は、スピン検出層12とスピン
注入層14との間に挟まれており、外部磁場により変化
するスピン検出層12とスピン注入層14の磁化の方向
の相対関係によって所定の電圧を発生する役目を果た
す。この電圧発生の機構は、図1で説明したものと同様
である。
【0089】ほとんど完全にスピン偏極した強磁性金属
からなるスピン注入層14は、遷移層13にスピン偏極
したキャリアを注入する役目を果たす。符号15は電極
を示す。この電極15は、スピン検出層12とスピン注
入層14との間の電位差を取り出す役目を果たす。この
ようにスピン注入層とスピン検出層とは遷移層を挟んで
相対していれば良く、どちらが上下にあっても差し支え
ない。その他の構成は、前述した前述した図1の実施形
態と同一となっている。
【0090】このようにしても、前述した図1に示す第
1の実施形態とほぼ同等の作用効果を備えた磁気検出素
子を得ることができる。
【0091】
【発明の実施の形態(3)】図3にこれを示す。この図
3において、符号21は基板を示す。この基板21は、
磁気検出素子を支持する役目を果たす。この基板21の
上には、ほとんど完全に(高度に)スピン偏極した強磁
性金属材料からなるスピン検出層22が形成されパター
ニングされている。
【0092】このスピン検出層22は、スピン偏極した
キャリアを遷移層23から受け取る役目を果たす。遷移
層23は、スピン検出層22とスピン注入層24との間
に挟まれており、外部磁場により変化するスピン検出層
12とスピン注入層14の磁化方向の相対関係によって
所定の電圧を発生する役目を果たす。この電圧発生の機
構は、前述した図1,図2で説明したものと同様であ
る。
【0093】図3において、遷移層23上に形成された
ほとんど完全にスピン偏極した強磁性金属からなるスピ
ン注入層24は、遷移層23にスピン偏極したキャリア
を注入する役目を果たす。下部電極25と上部電極26
とはスピン検出層22とスピン注入層24との間の電位
差を取り出す役目を果たす。又、層間絶縁膜27は、上
部電極26とスピン検出層22とが短絡することを防止
する役目を果たす。
【0094】このようにしても、前述した図1に示す第
1の実施形態とほぼ同等の作用効果を備えた磁気検出素
子を得ることができる。
【0095】ここで、スピン注入層24とスピン検出層
22とが遷移層23を挟んで相対していれば、スピン注
入層24,スピン検出層22,遷移層23は、それぞれ
必要に応じた形状で差し支えない。むしろ遷移層23
は、微小な形状に加工することが望ましい。その理由
は、電流が一定の場合遷移層の体積が小さくなると共に
に注入されるスピン偏極したキャリアの密度が増え非平
衡定常磁化が増大するので、結果として出力電圧を大き
くすることができるからである。また、スピン検出層2
2とスピン注入層24は入れ替えてもよい。
【0096】
【発明の実施の形態(4)】図4にこれを示す。この図
4において、符号31は基板を示す。この基板31は、
磁気検出素子を支持する役目を果たす。この基板31の
上に形成されたほとんど完全に(高度に)スピン偏極し
た強磁性金属材料からなるスピン検出層32は、スピン
偏極したキャリアを遷移層33から受け取る役目を果た
す。
【0097】遷移層33は、スピン検出層32とスピン
注入層34との間に挟まれており、外部磁場により変化
するスピン検出層32の磁化とバイアス層35により固
定されたスピン注入層34の磁化の方向の相対関係によ
り電圧を発生する役目を果たす。ここで、電圧発生の機
構は、前述した図1〜図3の各々で説明したものと同様
である。
【0098】遷移層33と同様の形状に加工されたほと
んど完全にスピン偏極した強磁性金属からなるスピン注
入層34は、遷移層33にスピン偏極したキャリアを注
入する役目を果たす。バイアス層35はスピン注入層3
4の磁化方向を固定する役目を果たす。下部電極36と
上部電極37とはスピン検出層32とスピン注入層34
との間の電位差を取り出す役目を果たす。層間絶縁膜3
8は上部電極37とスピン検出層32とが短絡すること
を防止する役目を果たす。スピン検出層32とスピン注
入層34は入れ替えてもよい。
【0099】このように、スピン検出層32もしくはス
ピン注入層34のいずれか一方に、磁化を固定するため
のバイアス層を設けても差し支えない。上部電極37は
バイアス層35を介さず、直接、ほとんど完全にスピン
偏極した強磁性金属材料層に接続してもよい。
【0100】実際上は、バイアス層35として反強磁性
体が用いられる。この場合、できれば反強磁性体酸化物
が好ましい。理由はスピン注入層34とバイアス層35
との界面で酸素イオンを介した磁気的相互作用によりス
ピン注入層34の磁化の向きががより強固に固定される
からである。
【0101】このようにしても、前述した図1に示す第
1の実施形態とほぼ同等の作用効果を備えた磁気検出素
子を得ることができる。
【0102】
【発明の効果】第1の効果は、微弱な磁場で大きな磁気
抵抗を得ることができる。その理由は、遷移層として単
体金属や合金よりも抵抗率の比較的大きな非磁性導電性
酸化物を用いており、このため、スピン注入層からのス
ピン偏極したキャリアの注入により生じる常磁性金属層
内でのアップスピンバンドとダウンスピンバンドのごく
わずかな電子数の差によっても大きなケミカルポテンシ
ャル差が発生し、結果として大きな出力電圧を得ること
ができるからである。また、遷移層としてほとんど完全
にスピン偏極した強磁性金属材料と反応しにくい非磁性
導電性酸化物を用いるため、遷移層とスピン注入層(或
いはスピン検出層)との界面に反応層を生じることがな
い。更に、遷移層としてほとんど完全にスピン偏極した
強磁性金属材料と格子整合性の良い非磁性導電性酸化物
を用いるため、遷移層とスピン注入層(あるいはスピン
検出層)とはエピタキシャルに成長し、これらの層が多
結晶化して粒界を生じることもない。従って、これらの
界面や粒界でスピン偏極したキャリアのスピンがフリッ
プして出力電圧が低下することを抑制できるからであ
る。
【0103】第2の効果は、素子の信頼性および生産効
率の向上を図ることができる。その理由は、遷移層とし
てほとんど完全にスピン偏極した強磁性金属材料と反応
しにくい非磁性導電性酸化物を用いるため、遷移層とス
ピン注入層(あるいはスピン検出層)との界面に反応層
を生じることがなく、また非磁性導電性酸化物はAuな
どの単体金属やAu−Geなどの合金に比べて融点が高
く、(La,Sr)MnO3 などのほとんど完全にスピ
ン偏極した強磁性金属材料との結合力も大きいので積層
中に凝集してしまうこともないので、スピン注入層(あ
るいはスピン検出層)と遷移層との界面で剥離や亀裂が
起こって素子が壊れることが防止できるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態(1)を示す概略部分断面
図である。
【図2】本発明の実施の形態(2)を示す概略部分断面
図である。
【図3】本発明の実施の形態(3)を示す概略部分断面
図である。
【図4】本発明の実施の形態(4)を示す概略部分断面
図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 基板 2,14,24,34 スピン注入層 3,13,23,33 遷移層 4,12,22,32 スピン検出層 5 電極 6,27,38 層間絶縁膜 15 電極 25,36 下部電極 26,37 上部電極 35 バイアス層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−237022(JP,A) 特開 平10−12945(JP,A) 特開 平9−214018(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 43/08 G01R 33/09 G11B 5/39

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほとんど完全にスピン偏極した酸化物強
    磁性体材料からなるスピン注入層とスピン検出層とを備
    え、この二つの層の間に、非磁性導電性酸化物材料から
    なる遷移層を挟んだ構造からなり、 前記スピン注入層とスピン検出層の二つの層の酸化物強
    磁性体材料の内、少なくとも一層の酸化物強磁性体材料
    が、パイロクロア型構造酸化物であることを特徴とす
    気検出素子。
  2. 【請求項2】 ほとんど完全にスピン偏極した酸化物強
    磁性体材料からなるスピン注入層とスピン検出層とを備
    え、この二つの層の間に、非磁性導電性酸化物材料から
    なる遷移層を挟んだ構造からなり、 前記スピン注入層とスピン検出層の二つの層の酸化物強
    磁性体材料の内、少なくとも一層の酸化物強磁性体材料
    が、(Tl1-X InX 2 Mn2 7 (但し、0 ≦X≦
    1 )であることを特徴とした磁気検出素子。
  3. 【請求項3】 ほとんど完全にスピン偏極した酸化物強
    磁性体材料からなるスピン注入層とスピン検出層とを備
    え、この二つの層の間に、非磁性導電性酸化物材料から
    なる遷移層を挟んだ構造からなり、 前記スピン注入層とスピン検出層の二つの層の酸化物強
    磁性体材料の内、少なくとも一層の酸化物強磁性体材料
    が、ぺロブスカイト類縁構造層状の酸化物であることを
    特徴とする磁気検出素子。
  4. 【請求項4】 ほとんど完全にスピン偏極した酸化物強
    磁性体材料からなるスピン注入層とスピン検出層とを備
    え、この二つの層の間に、非磁性導電性酸化物材料から
    なる遷移層を挟んだ構造からなり、 前記スピン注入層とスピン検出層の二つの層の酸化物強
    磁性体材料の内、少なくとも一層の酸化物強磁性体材料
    が、(Ln1-X x n+1 Mnn 3n+1(Lnはランタ
    ノイド,Bi,Yのうちの少なくとも1種類の金属を表
    し、Aはアルカリ土類金属,Pbのうちの少なくとも1
    種類の金属を表し、又、0.15≦X≦0.7、n=2,3 )であ
    ることを特徴とする磁気検出素子。
  5. 【請求項5】 ほとんど完全にスピン偏極した酸化物強
    磁性体材料からなるスピン注入層とスピン検出層とを備
    え、この二つの層の間に、非磁性導電性 酸化物材料から
    なる遷移層を挟んだ構造からなり、 前記スピン注入層とスピン検出層の二つの層の酸化物強
    磁性体材料の内、少なくとも一層の酸化物強磁性体材料
    が、スピネル型構造の酸化物であることを特徴とする磁
    気検出素子。
  6. 【請求項6】 ほとんど完全にスピン偏極した酸化物強
    磁性体材料からなるスピン注入層とスピン検出層とを備
    え、この二つの層の間に、非磁性導電性酸化物材料から
    なる遷移層を挟んだ構造からなり、 前記スピン注入層とスピン検出層の二つの層の酸化物強
    磁性体材料の内、少なくとも一層の酸化物強磁性体材料
    が、Fe3 4 であることを特徴とする磁気検出素子。
  7. 【請求項7】 ほとんど完全にスピン偏極した酸化物強
    磁性体材料からなるスピン注入層とスピン検出層とを備
    え、この二つの層の間に、非磁性導電性酸化物材料から
    なる遷移層を挟んだ構造からなり、 前記スピン注入層とスピン検出層の二つの層の酸化物強
    磁性体材料の内、少なくとも一層の酸化物強磁性体材料
    が、ルチル型構造の酸化物であることを特徴とする磁
    検出素子。
  8. 【請求項8】 ほとんど完全にスピン偏極した酸化物強
    磁性体材料からなるスピン注入層とスピン検出層とを備
    え、この二つの層の間に、非磁性導電性酸化物材料から
    なる遷移層を挟んだ構造からなり、 前記スピン注入層とスピン検出層の二つの層の酸化物強
    磁性体材料の内、少なくとも一層の酸化物強磁性体材料
    が、CrO2 であることを特徴とする磁気検出素子。
  9. 【請求項9】 前記遷移層を構成する非磁性導電性酸化
    物材料が、ペロブスカイト型構造の酸化物であることを
    特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又は8
    載の磁気検出素子。
  10. 【請求項10】 前記遷移層を構成する非磁性導電性酸
    化物材料が、ペロブスカイト型構造の酸化物SrMoO
    3 であることを特徴とする請求項9記載の磁気検出素
    子。
  11. 【請求項11】 前記遷移層を構成する非磁性導電性酸
    化物材料が、ペロブスカイト型構造の酸化物SrIrO
    3 であることを特徴とする請求項9記載の磁気検出素
    子。
  12. 【請求項12】 前記遷移層を構成する非磁性導電性酸
    化物材料が、ペロブスカイト型構造の酸化物La1-X
    x RhO3 Aはアルカリ土類金属,Pbのうちの少な
    くとも1種類の金属を表し、X≧0.3 )であることを特
    徴とする請求項9記載の磁気検出素子。
  13. 【請求項13】 前記遷移層を構成する非磁性導電性酸
    化物材料が、ペロブスカイト型構造の酸化物Laドープ
    SrTiO3 (ドープ量は0.1 重量%以上)であること
    を特徴とする請求項9記載の磁気検出素子。
  14. 【請求項14】 前記遷移層を構成する非磁性導電性酸
    化物材料が、ペロブスカイト型構造の酸化物Nbドープ
    SrTiO3 (ドープ量は0.05重量%以上)であること
    を特徴とする請求項9記載の磁気検出素子。
  15. 【請求項15】 前記遷移層を構成する非磁性導電性酸
    化物材料がルチル型構造酸化物であることを特徴とする
    請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の磁気検
    出素子。
  16. 【請求項16】 前記遷移層を構成する非磁性導電性酸
    化物材料が、ルチル型構造酸化物RuO2 であることを
    特徴とする請求項15記載の磁気検出素子。
  17. 【請求項17】 前記遷移層を構成する非磁性導電性酸
    化物材料が、ルチル型構造酸化物IrO2 であることを
    特徴とする請求項15記載の磁気検出素子。
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