JP3096925U - 集合住宅 - Google Patents
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Abstract
【課題】建物の総高さを増大させることなく設計の自由度を高めた集合住宅を提供することにある。
【解決手段】偶数階の住戸10とその下階に位置する奇数階の住戸10とを区画する床スラブ22は段違い状に屈曲されている。そして、下段側の床スラブ22の上方には、床パネル26がスラブ面22Aから離して設けられ、これにより床パネル26と床スラブ22との間に床下スペース27が作られる。また、上段側の床スラブ22の下方には、化粧梁23が天井面22Bから離して設けられる。このような構成によれば、建物の総高さおよび居住空間の大きさを変えることなく、床スラブ22の下段側には床下深さを、上段側には天井高さを大きく取った部屋を設けることができる。
【選択図】 図5
【解決手段】偶数階の住戸10とその下階に位置する奇数階の住戸10とを区画する床スラブ22は段違い状に屈曲されている。そして、下段側の床スラブ22の上方には、床パネル26がスラブ面22Aから離して設けられ、これにより床パネル26と床スラブ22との間に床下スペース27が作られる。また、上段側の床スラブ22の下方には、化粧梁23が天井面22Bから離して設けられる。このような構成によれば、建物の総高さおよび居住空間の大きさを変えることなく、床スラブ22の下段側には床下深さを、上段側には天井高さを大きく取った部屋を設けることができる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、集合住宅に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅においては、床下や天井のデッドスペースを利用してより多くの収納空間を確保するために、床下収納や天井収納が設けられることがある。また、部屋に広がり感を持たせたり住む人の個性を演出したりするために、天井付近にロフトを設けたり様々な装飾を施したりといった工夫がなされることがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、マンション等の集合住宅では、床下スペースや天井スペースを大きく取ることが困難なため、上記のような設計を行いにくい。これは、周囲の住宅の日照権の保護等を考慮すると、建物の総高さを無制限に増大させられないためである。
【0004】
このため、従来の集合住宅では、床下収納を設ける場合には深さ30cm程度が限度であった(図6参照)。しかし、これでは浅すぎて、収納できる物の種類や量に限りがある。また、天井を高くすることも困難であるため、自由なデザインを施しにくく、その結果、個性のない単調な住まいとなってしまう。
【0005】
本考案は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、建物の総高さを増大させることなく設計の自由度を高めた集合住宅を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1の考案に係る集合住宅は、複数の住空間を積層してなる集合住宅であって、一の住戸とその下階に位置する他の住戸とを区画する床スラブが段違い状に屈曲されているとともに、前記一の住戸において下段側の前記床スラブの上方には、床材がスラブ面から離して設けられ、前記他の住戸において上段側の前記床スラブの下方には、化粧梁がスラブ面から離して設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の考案によれば、屈曲された前記床スラブは一階おきに設けられていることを特徴とする。
【0008】
【考案の作用及び効果】
請求項1の考案によれば、一の住戸とその下階に位置する他の住戸とを区画する床スラブは段違い状に屈曲されている。そして、下段側の床スラブの上方には、床材がスラブ面から離して設けられ、これにより床材と床スラブとの間に床下スペースが作られる。また、上段側の床スラブの下方には、化粧梁がスラブ面から離して設けられる。
【0009】
ここで、図1および図6に示すように、床スラブ22における上段側と下段側との段差S1を、従来の集合住宅100における床下深さD100の2倍程度としても、建物の総高さH1は、従来の集合住宅100における建物の総高さH100と殆ど変わらない。また、一住戸の占める住空間R1についても、従来の集合住宅100における住空間R100と同程度の広さを確保できる。このように、本考案によれば、建物の総高さH1が無制限に大きくなることを抑制し、かつ居住空間R1の広さを確保しつつ、床スラブ22の下段側には床下深さを、上段側には天井高さを大きく取った部屋を設けることができる。これにより、床下スペースや天井空間を入居者の好みや要望に応じて種々にデザインすることができる。
【0010】
請求項2の考案によれば、屈曲された床スラブは一階おきに設けられている。このような構成によれば、屈曲された床スラブの上側の住戸と下側の住戸とは一対に形成される。すなわち、同じ集合住宅内で、床下スペースを大きく設けたタイプ、および天井空間を大きく設けたタイプの2種類の住戸が設けられる。そして、入居者には、家族構成や生活スタイル等に応じていずれかのタイプを選んで入居してもらうことができる。これにより、一つの集合住宅内で入居者の要望に応じた2種類の住戸を提供することができる。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図1には、本実施形態のマンション1(本考案の集合住宅に該当する)を簡略化して示す。このマンション1は、複数の住空間R1が上下方向に積層されたものである。
【0013】
各階層には住戸10が共用廊下2に沿って並列されている。図2には、住戸10の平面間取りを示す。各住戸10において共用廊下2側には玄関11が配され、この玄関11に続いて住戸10の奥方へ延びる室内廊下12が配されている。この室内廊下12の両側には、共用廊下2側に2つの洋室13、14が配されており、その奥側に和室16、ユニットバス17、洗面所18等が配されている。また、室内廊下12の突き当たりには、ベランダ21に面するリビングダイニング19および洋室15が配されている。さらに、このリビングダイニング19の一角はキッチン20とされている。
【0014】
偶数階の住戸10A(本考案の一の住戸に該当する)と、その直下に位置する奇数階の住戸10B(本考案の他の住戸に該当する)とは対になっており、これら両住戸10A、10Bを区画する床スラブ22は、段違い状の屈曲部24を備えて全体として二段に形成されている(図3〜図5参照)。屈曲部24は、室内廊下12の突き当たり付近に、住戸10の奥行き方向と直交方向(図2の左右方向)に渡って設けられており、この屈曲部24よりも玄関11側(和室16、共用廊下2側の洋室13、14、洗面所18等が配されている部分)が下段側、ベランダ21側(リビングダイニング19、およびベランダ21側の洋室15が配されている部分)が上段側となっている。
【0015】
この床スラブ22上には、床パネル26(本考案の床材に該当する)が敷設されている。そして、この床パネル26上には、洋室13、14、15、リビングダイニング19等においてはフローリング材が、和室16においては畳が敷設されている。
【0016】
ここで、上記したように床スラブ22には屈曲部24が設けられているので、偶数階の住戸10(図3、図4において上階の住戸)においては、玄関11側(下段側)のスラブ面22Aがベランダ21側(上段側)のスラブ面22Aよりも低くなっている。そして、上段側においては、床パネル26がスラブ面22A上に直に敷設されている。これに対して、下段側においては、床パネル26が上段側の床パネル26とほぼ面一となる高さに設けられており、床パネル26とスラブ面22Aとの間に床下スペース27が設けられている。
【0017】
この床下スペース27には、床パネル26を支持するクッション材29が配される他、一部に空洞部が設けられている。この空洞部は床下収納32、掘りごたつ33、およびトランクルーム34として利用される。
【0018】
床下収納32は、洋室13、14、室内廊下12、洗面所18、および洋室13、14内に設けられたクローゼット35の床下に設けられた空洞部を利用して形成される。床パネル26およびフローリング材において、これらの空洞部の直上に位置する部分には、扉36が設けられ、この扉36を開放することにより床上から物品を出し入れできるようになっている。
【0019】
また、掘りごたつ33は、和室16の中央位置に設けられた空洞部を利用して形成されている。掘りごたつ33は、畳および床パネル26を取り払った状態では上方に開放されて、入居者が足を下ろして腰掛けた姿勢で座ることができるようになっている。
【0020】
さらに、トランクルーム34は、共用廊下2に面した外壁3に接して設けられた空洞部を利用して設けられている。外壁3において、これらの空洞部の横方に位置する部分には、引き戸37が設けられ、この引き戸37を開放することにより共用廊下2側から物品を出し入れできるようになっている。
【0021】
一方、奇数階の住戸10B(図3、図4において下階の住戸)においては、ベランダ21側(上段側)の天井面22B(下面側のスラブ面)が玄関11側(下段側)の天井面22Bよりも高くなっている。そして、上段側に位置するリビングダイニング19には、化粧梁23が設けられている。化粧梁23は、リビングダイニング19のほぼ全面に渡って、天井面22Bからやや下方へ離して設けられており、例えばその上に板を渡すなどして収納スペースとして使用することができる。また、好みの装飾を施してインテリアとして楽しむこともできる。
また、ベランダ21側の洋室15の一部にも、リビングダイニング19と同様の化粧梁23が設けられ、収納スペースなどとして利用できるようになっている。
【0022】
さらに、キッチン20の天井面22B付近には、収納棚25が設けられている。また、ベランダ21側の洋室15と和室を仕切る内壁28は、高さ方向の中央付近で洋室15側へ向けて水平方向へ屈曲され、さらに下方向へと屈曲されている。そして、この内壁28の水平部分よりも下側は、和室16側に開放される押入れ30として使用される。一方、水平部分よりも上側は、洋室15側に開放されるロフト31として使用される。このように、リビングダイニング19および洋室15は天井面22Bが高くなっているので、天井空間を様々な形で活用することができる。
【0023】
以上のように本実施形態によれば、偶数階の住戸10とその下階に位置する奇数階の住戸10とを区画する床スラブ22は段違い状に屈曲されている。そして、下段側の床スラブ22の上方には、床パネル26がスラブ面22Aから離して設けられ、これにより床パネル26と床スラブ22との間に床下スペース27が作られる。また、上段側の床スラブ22の下方には、化粧梁23が天井面22Bから離して設けられる。このような構成によれば、建物の総高さおよび居住空間の大きさを変えることなく、床スラブ22の下段側には床下深さを、上段側には天井高さを大きく取った部屋を設けることができる。
【0024】
これにより、床下スペース27には床下収納32、掘りごたつ33、トランクルーム34等を設けるなど、入居者の要望に応じて種々に活用することができる。一方、天井空間には、化粧梁23として入居者の好みに応じた種々の形状のものを設置でき、その上に物を載せて収納スペースとしたり、インテリアとして楽しむなど、入居者に自由に活用してもらうことができるから、個性豊かな住まいとすることができる。このとき、床下深さおよび天井高さを従来の集合住宅よりも大きく取ることができるから、床下スペース27や天井空間を入居者の好みや要望に応じて種々にデザインすることができ、設計の自由度を高めることができる。
【0025】
また、屈曲された床スラブ22は一階おきに設けられており、これによりこの床スラブ22の上側に位置する偶数階の住戸10と下側に位置する奇数階の住戸10とは一対に形成される。すなわち、同じマンション1内で、床下深さを大きく設けたタイプ、および天井空間を大きく設けたタイプの2種類の住戸10A、10Bが設けられる。そして、入居者には、家族構成や生活スタイル等に応じていずれかのタイプを選んで入居してもらうことができる。このように、一つのマンション1内で入居者の要望に応じた2種類の住戸10A、10Bを提供することができる。
【0026】
本考案の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本考案の技術的範囲に含まれる。その他、本考案の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記実施形態では、屈曲された床スラブ22は一階おきに設けられていたが、各階の床スラブが全て屈曲されたものであっても良い。
(2)上記実施形態では、床スラブ22が一箇所で屈曲されて二段に形成されているが、床スラブの形状は上記実施形態の限りではなく、床スラブが2箇所以上で屈曲されて例えば三段以上の階段形状とされていても良く、あるいは上側又は下側にコの字状に膨出される形状とされていても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の集合住宅の概略を示す側断面図
【図2】集合住宅の間取りを表す平面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】図2のB−B断面図
【図5】住戸の部分拡大斜視図
【図6】従来の集合住宅の概略を示す側断面図
【符号の説明】
1…集合住宅
10A…偶数階の住戸(一の住戸)
10B…奇数階の住戸(他の住戸)
22…床スラブ
22A…スラブ面
22B…天井面(スラブ面)
23…化粧梁
26…床パネル(床材)
R…住空間
【考案の属する技術分野】
本考案は、集合住宅に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅においては、床下や天井のデッドスペースを利用してより多くの収納空間を確保するために、床下収納や天井収納が設けられることがある。また、部屋に広がり感を持たせたり住む人の個性を演出したりするために、天井付近にロフトを設けたり様々な装飾を施したりといった工夫がなされることがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、マンション等の集合住宅では、床下スペースや天井スペースを大きく取ることが困難なため、上記のような設計を行いにくい。これは、周囲の住宅の日照権の保護等を考慮すると、建物の総高さを無制限に増大させられないためである。
【0004】
このため、従来の集合住宅では、床下収納を設ける場合には深さ30cm程度が限度であった(図6参照)。しかし、これでは浅すぎて、収納できる物の種類や量に限りがある。また、天井を高くすることも困難であるため、自由なデザインを施しにくく、その結果、個性のない単調な住まいとなってしまう。
【0005】
本考案は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、建物の総高さを増大させることなく設計の自由度を高めた集合住宅を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1の考案に係る集合住宅は、複数の住空間を積層してなる集合住宅であって、一の住戸とその下階に位置する他の住戸とを区画する床スラブが段違い状に屈曲されているとともに、前記一の住戸において下段側の前記床スラブの上方には、床材がスラブ面から離して設けられ、前記他の住戸において上段側の前記床スラブの下方には、化粧梁がスラブ面から離して設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の考案によれば、屈曲された前記床スラブは一階おきに設けられていることを特徴とする。
【0008】
【考案の作用及び効果】
請求項1の考案によれば、一の住戸とその下階に位置する他の住戸とを区画する床スラブは段違い状に屈曲されている。そして、下段側の床スラブの上方には、床材がスラブ面から離して設けられ、これにより床材と床スラブとの間に床下スペースが作られる。また、上段側の床スラブの下方には、化粧梁がスラブ面から離して設けられる。
【0009】
ここで、図1および図6に示すように、床スラブ22における上段側と下段側との段差S1を、従来の集合住宅100における床下深さD100の2倍程度としても、建物の総高さH1は、従来の集合住宅100における建物の総高さH100と殆ど変わらない。また、一住戸の占める住空間R1についても、従来の集合住宅100における住空間R100と同程度の広さを確保できる。このように、本考案によれば、建物の総高さH1が無制限に大きくなることを抑制し、かつ居住空間R1の広さを確保しつつ、床スラブ22の下段側には床下深さを、上段側には天井高さを大きく取った部屋を設けることができる。これにより、床下スペースや天井空間を入居者の好みや要望に応じて種々にデザインすることができる。
【0010】
請求項2の考案によれば、屈曲された床スラブは一階おきに設けられている。このような構成によれば、屈曲された床スラブの上側の住戸と下側の住戸とは一対に形成される。すなわち、同じ集合住宅内で、床下スペースを大きく設けたタイプ、および天井空間を大きく設けたタイプの2種類の住戸が設けられる。そして、入居者には、家族構成や生活スタイル等に応じていずれかのタイプを選んで入居してもらうことができる。これにより、一つの集合住宅内で入居者の要望に応じた2種類の住戸を提供することができる。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図1には、本実施形態のマンション1(本考案の集合住宅に該当する)を簡略化して示す。このマンション1は、複数の住空間R1が上下方向に積層されたものである。
【0013】
各階層には住戸10が共用廊下2に沿って並列されている。図2には、住戸10の平面間取りを示す。各住戸10において共用廊下2側には玄関11が配され、この玄関11に続いて住戸10の奥方へ延びる室内廊下12が配されている。この室内廊下12の両側には、共用廊下2側に2つの洋室13、14が配されており、その奥側に和室16、ユニットバス17、洗面所18等が配されている。また、室内廊下12の突き当たりには、ベランダ21に面するリビングダイニング19および洋室15が配されている。さらに、このリビングダイニング19の一角はキッチン20とされている。
【0014】
偶数階の住戸10A(本考案の一の住戸に該当する)と、その直下に位置する奇数階の住戸10B(本考案の他の住戸に該当する)とは対になっており、これら両住戸10A、10Bを区画する床スラブ22は、段違い状の屈曲部24を備えて全体として二段に形成されている(図3〜図5参照)。屈曲部24は、室内廊下12の突き当たり付近に、住戸10の奥行き方向と直交方向(図2の左右方向)に渡って設けられており、この屈曲部24よりも玄関11側(和室16、共用廊下2側の洋室13、14、洗面所18等が配されている部分)が下段側、ベランダ21側(リビングダイニング19、およびベランダ21側の洋室15が配されている部分)が上段側となっている。
【0015】
この床スラブ22上には、床パネル26(本考案の床材に該当する)が敷設されている。そして、この床パネル26上には、洋室13、14、15、リビングダイニング19等においてはフローリング材が、和室16においては畳が敷設されている。
【0016】
ここで、上記したように床スラブ22には屈曲部24が設けられているので、偶数階の住戸10(図3、図4において上階の住戸)においては、玄関11側(下段側)のスラブ面22Aがベランダ21側(上段側)のスラブ面22Aよりも低くなっている。そして、上段側においては、床パネル26がスラブ面22A上に直に敷設されている。これに対して、下段側においては、床パネル26が上段側の床パネル26とほぼ面一となる高さに設けられており、床パネル26とスラブ面22Aとの間に床下スペース27が設けられている。
【0017】
この床下スペース27には、床パネル26を支持するクッション材29が配される他、一部に空洞部が設けられている。この空洞部は床下収納32、掘りごたつ33、およびトランクルーム34として利用される。
【0018】
床下収納32は、洋室13、14、室内廊下12、洗面所18、および洋室13、14内に設けられたクローゼット35の床下に設けられた空洞部を利用して形成される。床パネル26およびフローリング材において、これらの空洞部の直上に位置する部分には、扉36が設けられ、この扉36を開放することにより床上から物品を出し入れできるようになっている。
【0019】
また、掘りごたつ33は、和室16の中央位置に設けられた空洞部を利用して形成されている。掘りごたつ33は、畳および床パネル26を取り払った状態では上方に開放されて、入居者が足を下ろして腰掛けた姿勢で座ることができるようになっている。
【0020】
さらに、トランクルーム34は、共用廊下2に面した外壁3に接して設けられた空洞部を利用して設けられている。外壁3において、これらの空洞部の横方に位置する部分には、引き戸37が設けられ、この引き戸37を開放することにより共用廊下2側から物品を出し入れできるようになっている。
【0021】
一方、奇数階の住戸10B(図3、図4において下階の住戸)においては、ベランダ21側(上段側)の天井面22B(下面側のスラブ面)が玄関11側(下段側)の天井面22Bよりも高くなっている。そして、上段側に位置するリビングダイニング19には、化粧梁23が設けられている。化粧梁23は、リビングダイニング19のほぼ全面に渡って、天井面22Bからやや下方へ離して設けられており、例えばその上に板を渡すなどして収納スペースとして使用することができる。また、好みの装飾を施してインテリアとして楽しむこともできる。
また、ベランダ21側の洋室15の一部にも、リビングダイニング19と同様の化粧梁23が設けられ、収納スペースなどとして利用できるようになっている。
【0022】
さらに、キッチン20の天井面22B付近には、収納棚25が設けられている。また、ベランダ21側の洋室15と和室を仕切る内壁28は、高さ方向の中央付近で洋室15側へ向けて水平方向へ屈曲され、さらに下方向へと屈曲されている。そして、この内壁28の水平部分よりも下側は、和室16側に開放される押入れ30として使用される。一方、水平部分よりも上側は、洋室15側に開放されるロフト31として使用される。このように、リビングダイニング19および洋室15は天井面22Bが高くなっているので、天井空間を様々な形で活用することができる。
【0023】
以上のように本実施形態によれば、偶数階の住戸10とその下階に位置する奇数階の住戸10とを区画する床スラブ22は段違い状に屈曲されている。そして、下段側の床スラブ22の上方には、床パネル26がスラブ面22Aから離して設けられ、これにより床パネル26と床スラブ22との間に床下スペース27が作られる。また、上段側の床スラブ22の下方には、化粧梁23が天井面22Bから離して設けられる。このような構成によれば、建物の総高さおよび居住空間の大きさを変えることなく、床スラブ22の下段側には床下深さを、上段側には天井高さを大きく取った部屋を設けることができる。
【0024】
これにより、床下スペース27には床下収納32、掘りごたつ33、トランクルーム34等を設けるなど、入居者の要望に応じて種々に活用することができる。一方、天井空間には、化粧梁23として入居者の好みに応じた種々の形状のものを設置でき、その上に物を載せて収納スペースとしたり、インテリアとして楽しむなど、入居者に自由に活用してもらうことができるから、個性豊かな住まいとすることができる。このとき、床下深さおよび天井高さを従来の集合住宅よりも大きく取ることができるから、床下スペース27や天井空間を入居者の好みや要望に応じて種々にデザインすることができ、設計の自由度を高めることができる。
【0025】
また、屈曲された床スラブ22は一階おきに設けられており、これによりこの床スラブ22の上側に位置する偶数階の住戸10と下側に位置する奇数階の住戸10とは一対に形成される。すなわち、同じマンション1内で、床下深さを大きく設けたタイプ、および天井空間を大きく設けたタイプの2種類の住戸10A、10Bが設けられる。そして、入居者には、家族構成や生活スタイル等に応じていずれかのタイプを選んで入居してもらうことができる。このように、一つのマンション1内で入居者の要望に応じた2種類の住戸10A、10Bを提供することができる。
【0026】
本考案の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本考案の技術的範囲に含まれる。その他、本考案の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記実施形態では、屈曲された床スラブ22は一階おきに設けられていたが、各階の床スラブが全て屈曲されたものであっても良い。
(2)上記実施形態では、床スラブ22が一箇所で屈曲されて二段に形成されているが、床スラブの形状は上記実施形態の限りではなく、床スラブが2箇所以上で屈曲されて例えば三段以上の階段形状とされていても良く、あるいは上側又は下側にコの字状に膨出される形状とされていても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の集合住宅の概略を示す側断面図
【図2】集合住宅の間取りを表す平面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】図2のB−B断面図
【図5】住戸の部分拡大斜視図
【図6】従来の集合住宅の概略を示す側断面図
【符号の説明】
1…集合住宅
10A…偶数階の住戸(一の住戸)
10B…奇数階の住戸(他の住戸)
22…床スラブ
22A…スラブ面
22B…天井面(スラブ面)
23…化粧梁
26…床パネル(床材)
R…住空間
Claims (2)
- 複数の住空間を積層してなる集合住宅であって、
一の住戸とその下階に位置する他の住戸とを区画する床スラブが段違い状に屈曲されているとともに、
前記一の住戸において下段側の前記床スラブの上方には、床材がスラブ面から離して設けられ、
前記他の住戸において上段側の前記床スラブの下方には、化粧梁がスラブ面から離して設けられていることを特徴とする集合住宅。 - 屈曲された前記床スラブは一階おきに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の集合住宅。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003001811U JP3096925U (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 集合住宅 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003001811U JP3096925U (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 集合住宅 |
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---|---|
JP3096925U true JP3096925U (ja) | 2004-01-08 |
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ID=43250776
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003001811U Expired - Lifetime JP3096925U (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 集合住宅 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2003
- 2003-04-03 JP JP2003001811U patent/JP3096925U/ja not_active Expired - Lifetime
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