JP3095373U - 洋式便器の便座 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 男性の座位において小便を元気よく放出して
も便器本体の外部に出ることがなく、床面を汚したり下
着やズボン等の衣服を汚すことのない洋式便器の便座を
提供する。 【解決手段】 便器本体上に少なくとも回転自在の便座
を備える便器において、便座の前端部裏面に、便座を閉
じた時、便器本体リムの前部内周部に位置する遮水壁を
突設したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【考案の属する技術分野】 この考案は、洋式便器の便座の改良に関する。 【０００２】 【従来の技術】 従来の洋式トイレは、図３及び図４に示すように、便器本体１１の上に便座１ ２および便蓋１３が開閉自在（回転自在）に枢着されたものを基本構造としてい る。このような洋式トイレにおいては、便座１２の裏面と便器本体１１のリム１ ４面（上面）との間に隙間１５があるために、図４に示すように男性の便位にお いては小便を元気よく放出すると便器本体１１の外側まで噴出し、便器本体１１ の外壁を伝わって床面を汚したり、下着やズボン等の衣服を汚したりしてしまう ようなことがある。 【０００３】 そこで、このような課題を解決するものとして、便器本体の前部に小用が便器 外に飛び出すのを防止する金隠しを設けたもの（特許文献１参照）、便座の前部 から下に延びた衣服よけを設けたもの（特許文献２参照）および便座に便器本体 のリム前部外側面をカバーするスカートを設けたもの（特許文献３参照）、等が 提案されている。 【０００４】 【特許文献１】 特開平７−２８６３５３号公報（特許請求の範囲、段落番号０００９ 、図１） 【特許文献２】 特開平９−３１３４０３号公報（特許請求の範囲、図１） 【特許文献３】 特開２０００−７０１８０号公報（特許請求の範囲、図１） 【０００５】 【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、前記従来の便器本体の前部に金隠しを設けたものは、金隠しが 便器本体の前部において上方に突出しているので、着座時及び起立時に邪魔にな ると共に、使用時に着座すると、金隠しにズボン等の衣服が引っ掛かる課題があ る。かといって金隠しをあまり低くすると小用が便器本体外に飛び出すのを防止 する効果が低減する。 また、便座の前部に下方に延びる衣服よけを設けたものは、衣服よけが便器本 体のリムの外側に位置するため、衣服よけと便器本体の外壁面との間を完全に密 封することができず、やはり衣服よけと便器本体の外壁面との間に隙間が生じ、 この隙間から便器本体の外壁面を伝わって流れ出る課題がある。 さらに、便座の便器本体のリム前部外側面をカバーするスカートを設けたもの は、スカートが便器本体の外側に位置するため、やはり上記と同様にスカートと 便器本体との間の隙間から便器本体の外壁面を伝わって流れ出る課題がある。 【０００６】 この考案は、このような課題を解決せんと提案されたものであり、その目的は 、男性の座位において小便を元気よく放出しても便器本体の外部に出ることがな く、床面を汚したり下着やズボン等の衣服を汚すことのない洋式便器の便座を提 供するものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するため、この考案の洋式便器の便座は、便器本体上に少なく とも回転自在の便座を備える便器において、便座の前端部裏面に、便座を閉じた 時、便器本体リムの前部内周部に位置する遮水壁を突設したことを特徴とする。 この考案の洋式便器の便座によれば、便器本体のリムの前部内周部に位置して 遮水壁が突設されているので、男性の座位において小便を元気よく放出しても遮 水壁に当たり便器本体内に落下するので、便器本体外に流れ出たり飛び出したり することがなく、床面を汚したり衣服を汚すこともない。 【０００８】 【考案の実施の形態】 以下、この考案を図面に示す実施の形態について詳細に説明する。図１はこの 考案の実施の形態を示す斜視図、図２はこの考案の実施の形態の使用状態を示す 断面説明図である。 同図において、便器本体１は、上面に円型または楕円形の開口３を有するボウ ル２で形成されており、このボウル２の上面には、便座６と、ボウル２の開口部 ３を覆う便蓋８が開閉自在（回動自在）に設けられている。 【０００９】 便座６はボウル２の上面のリム４に載置して使用するため、このリム４の形状 に対応した形状となっており、その幅はリム４の幅より少し広い形状となってい る。本例においては、便座６の裏面に緩衝部材９が設けられ、便座６を閉じる時 、便座６がボウル２のリム４に激しく当たり騒音を発したり、便座６が破損する のを防止できる場合を示している。この便座６の前端部裏面には、便座６を閉じ た使用時においてボウル２のリム４の前部内周部５に位置する遮水壁７が下方に むけて突設されている。この遮水壁７は、男性が座位で小用をたすとき、放出で 小便が便器本体１（ボウル２）の外側に漏出されるのを防止するものである。 【００１０】 ボウル２のリム４の内周下部は、水洗の噴出通路となっているため、前記遮水 壁７の突出長さが、ボウル２の内壁面に届くような長さだと、水洗時における水 の流れを邪魔するので、遮水壁７の突出長さは、男性が座位で小便を放出しても 遮水し、かつ水洗時における水の流れを邪魔しない長さとする。具体的には、ボ ウル２のリム４の厚さｈ（図２参照）分で充分である。 【００１１】 図２はこの考案の実施の形態の使用状態を示す断面説明図であり、男性が座位 で小用をたすとき、小便を元気よく放出しても遮水壁７に当たりボウル２内に落 下し、便器本体１の外部に飛び出したり、漏出しない様子がよく理解できる。即 ち、この便座６によれば、使用時に閉じてリム４上に載置すると、便座６の前端 部裏面に突設された遮水壁７が、ボウル２のリム４の前部内周部５に沿って位置 するので、男性が座位で小用をたしても放出された小便は、遮水壁７に当たり遮 水され外部に漏出することが防止される。 【００１２】 なお、前記実施の形態は、この考案を制限するものではなく、この考案は要旨 を逸脱しない範囲内において種々の変形が許容される。例えば、便器本体１、便 座６および便蓋８の形状、構造もこの実施の形態に制限されるものではなく、従 来公知のものを採用し得る。また、この発明は、温水洗浄装置、温風発生装置、 便座加温装置及び消臭装置等の機能ユニットを具備する洋式便器であってもよい ことはもちろんである。 【００１３】 【考案の効果】 以上詳細に説明した通り、この考案の洋式便器の便座によれば、使用時に閉じ てリム上に載置すると、便座の前端部裏面に突設された遮水壁が、便器本体のリ ムの前部内周部に沿って位置するので、男性が座位で小用をたしても放出された 小便は、遮水壁に当たり遮水され便器本体の外部に飛び出したり漏出することが 防止される。しかも構造が簡単であり、安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】 【図１】この考案の実施の形態を示す斜視図である。 【図２】この考案の実施の形態の使用状態を示す断面説
明図である。 【図３】従来例を示す斜視図である。 【図４】従来例の使用状態を示す断面説明図である。 【符号の説明】 １ 便器本体 ２ ボウル ３ ボウルの開口 ４ リム ６ 便座 ７ 遮水壁 ８ 便蓋

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 便器本体上に少なくとも回転自在の便座
   を備える便器において、便座の前端部裏面に、便座を閉
   じた時、便器本体リムの前部内周部に位置する遮水壁を
   突設したことを特徴とする洋式便器の便座。