JP3094551B2 - セメント用組成物 - Google Patents

セメント用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なるセメ
ント用組成物に関しする。さらに詳細には、セメントと
混和した際に、配合物のコテ作業性、ならびに、レベリ
ング性に優れるし、しかも、セメントが硬化したのちに
おいては、得られる硬化体の物理強度、耐久性ならびに
基材付着性などに優れる、極めて実用性の高いセメント
用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】土木や建築などの分野において、セメン
トに合成樹脂乳化重合体が混和された場合には、混和さ
れない場合に比して、著しく、物理強度、接着性、耐透
水性ならびに耐薬品性などが向上する処から、この種の
乳化重合体は、セメント、繊維、骨材および水などと混
合された形で、コンクリートなどのセメント基材に対す
る表面仕上げ材、塗装下地調整材、防水材あるいはコン
クリートクラックなどに対しての補修材などとして、広
く用いられている。
【0003】かかる乳化重合体は、施工作業性の観点よ
り、セメントに混和した際の配合物の構造粘性が低く、
コテ作業性が良好で、かつ、レベリング性が良好で施工
面が平滑に仕上がり易いことが求められる。
【0004】また、長期に亘る耐久性の観点より、乳化
重合体(ポリマー)の高い耐アルカリ性が要求される。
従来において多用されている酢酸ビニル−エチレン系乳
化重合体は、コテ作業性ならびにレベリング性にこそ優
れるものの、耐アルカリ性は低いものである。
【0005】一方、アクリル系、アクリルスチレン系ま
たはスチレンブタジエン系乳化重合体は、一般に、ポリ
マーの耐アルカリ性は良好であるけれども、セメント配
合物のコテ作業性ならびにレベリング性は劣る。
【0006】こうした形のポリマー組成で以て、問題の
コテ作業性やレベリング性などを向上せしめるには、ノ
ニオン乳化剤を多量に用いるか、樹脂の酸価を低減する
と良いが、そのようにすると、得られるセメント硬化体
の物理強度が低下することになるので、やはり、好まし
くない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来技術に従う限りは、施工作業性、耐久性ならびに物
理強度の悉くを満足するセメント混和用乳化重合体を得
るということが出来なかった。
【0008】したがって、発明が解決しようとする課題
は、セメントに配合した際の配合物のコテ作業性ならび
にレベリング性が良好であり、硬化体の物理強度が高
く、しかも、ポリマーの耐アルカリ性が良好なる、極め
て実用性の高いセメント混和用の乳化重合体を得ること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来技術の長所ならびに欠点に鑑み、そして、上述した
発明が解決しようとする課題に照準を合わせて、鋭意、
検討を重ねた結果、不飽和二塩基酸のジメチルエステル
および/またはメチルアクリレートという特定の単量体
を軸とする、特定の組成の単量体混合物を重合して得ら
れる乳化重合体が、セメントに配合した際の配合物のコ
テ作業性ならびにレベリング性が良好であって、硬化体
の物理強度が高く、しかも、ポリマーの耐アルカリ性が
良好であることを見い出して、本発明を完成させるに到
った。
【0010】すなわち、本発明は基本的には、必須共重
合成分として、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル
およびメチルアクリレートより選ばれる1種以上の単量
体成分を全単量体中に0.5〜20重量%の範囲で、エ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタク
リレートおよびスチレンより選ばれる1種以上の単量体
成分を全単量体中に99.5〜80重量%の範囲で、お
よびアクリル酸、メタクリル酸より選ばれる1種以上の
単量体成分を全単量体中に0〜1.5重量%の範囲で夫
々用い、その他の任意的共重合成分としてエチレン性不
飽和スルホン酸又はその塩以外の、前記単量体成分と共
重合可能な単量体成分を適宜割合で用いて、或いは用い
ずに得られる、乳化重合体を必須の成分するセメント用
組成物を提供しようとするものである。
【0011】
【0012】
【0013】ここにおいて、本発明のセメント用組成物
を構成する、乳化重合体の必須単量体成分である、上記
したマレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸のジメチ
ルエステル類および/またはメチルアクリレートについ
て述べる。
【0014】これらの必須単量体類が共重合された乳化
重合体は、強アルカリ下で、該乳化重合体中のメチルエ
ステル部位が、徐々に、加水分解してカルボキシル基が
生じ、それによって、樹脂の酸価が増大する。
【0015】すなわち、該乳化重合体をセメントに混和
すると、始めのうちは樹脂の酸価が低く、そのために、
セメント配合物の構造粘性が低く、コテ作業性ならびに
レベリング性に優れる。
【0016】その後は、このメチルエステル部位の加水
分解が、さらに、進行して樹脂の酸価が増大し、セメン
ト硬化体の曲げ、圧縮強度、耐摩耗性ならびに基材付着
性などの良好なる物理強度が発現する。
【0017】よって、これらのメチルエステル基含有単
量体は、本発明の組成物の調製に当たって、必須となる
成分である。ここにおいて、メチルエステル基の加水分
解速度は、当該メチルエステル基含有単量体の種類と、
その使用量という以外にも、当該メチルエステル基含有
単量体類と共重合しうる他の単量体類によっても調整で
きるが、より疎水性のポリマー組成となればなるほど、
加水分解速度は低いものとなる。
【0018】当該メチルエステル基含有単量体の使用量
としては、全単量体中に、0.5〜20重量%となる範
囲内であることが必要である。0.5重量%未満の使用
量では、どうしても、上述した効果が充分では無く、一
方、20重量%を超えるような、余りに多くの量を使用
しても、その効果が飽和するというのみならず、加水分
解によって生じる樹脂の酸価が高すぎて、かえって、セ
メントの硬化不良や、硬化体の耐水性の低下などを惹起
することになるので、いずれの場合も好ましくない。
【0019】さらに、好ましくは1〜10重量%なる範
囲内で用いられるのがよい。不飽和二塩基酸ジメチルエ
ステルとしてはフマル酸ジメチルとマレイン酸ジメチル
であるが、これらの不飽和二塩基酸ジメチルエステル類
は、前述のメチルアクリレートと併せて、1種もしくは
2種以上の混合物として使用される。
【0020】他方、既述した不飽和二塩基酸のジメチル
エステル類および/またはメチルアクリレートと共重合
させるその他の単量体類としては、メタアクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルおよ
びスチレン等のうちの少なくとも1種が挙げられる。
【0021】上記必須の単量体成分と任意的に組み合わ
せ得る他の単量体成分としては、上記以外の各種の(メ
タ)アクリル酸エステル類;ビニルトルエンの如き各種
の芳香族ビニル化合物類;プロピオン酸ビニル、第三級
カルボン酸ビニル(分岐状脂肪族カルボン酸のビニルエ
ステル)の如き、各種のビニルエステル類;ビニルピロ
リドンの如き複素環式ビニル化合物;
【0022】塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニルエ
ーテル、ビニルケトンまたはビニルアミド;塩化ビニリ
デン、フッ化ビニリデンの如き、各種のハロゲン化ビニ
リデン類;エチレン、プロピレンの如き、各種のα−オ
レフィン類;ブタジエンの如きジエン類;
【0023】(メタ)アクリルアミドの如き、各種のア
ミド類;ジビニルベンゼン、アリルアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレートまたはトリメチロール
プロパントリメタクリレートの如き、各種の一分子中に
2個以上の不飽和結合を有する単量体類;
【0024】るいは、ビニルシラン類;N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、β−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートまたはポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレートの如き、各種の水酸基含有単量体
などの使用が望ましい。
【0025】
【0026】前記エチルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、メチルメタクリレートおよびスチレン等のうち
1種もしくは2種以上の必須単量体は全単量体中99.
5〜80重量%の範囲で使用される。以上に掲げられた
各種の単量体類を用いて得られるポリマーの主組成とし
ては、混和して得られるセメント硬化体の長期に亘る耐
久性を維持する観点から、高い耐アルカリ性を有するこ
とが望ましく、アクリル系、アクリルスチレン系、酢酸
ビニル−バーサチック酸ビニルエステル系、スチレンブ
タジエン系のものが好ましい。
【0027】これらの中でも、前述した不飽和二塩基酸
のジメチルエステル類、メチルアクリレートとの共重合
性を考慮すると、メチルアクリレート以外の(メタ)ア
クリレート類および/またはスチレンが、全単量体中、
70重量%以上を占めるような形で共重合された、いわ
ゆるアクリル系やアクリルスチレン系などの組成のも
が、特に好ましい。
【0028】また、前掲の如きカルボキシル基含有単量
体類のうち、アクリル酸および/またはメタクリル酸を
必須成分として共重合せしめることは、得られる乳化重
合体をセメントに混和した際に、配合物が短時間のうち
に凝集するのを、防止するのに効果的であって好ましい
ものであるが、多量に共重合せしめると、配合物の構造
粘性が高くなり、コテ作業性ならびにレベリング性など
が低下するようになるので好ましくない。
【0029】こうした兼ね合からも、こうしたカルボキ
シル基含有単量体類を、全単量体中に、0〜1.5重量
%なる範囲内で使用することを要し、さらには、0.2
〜1重量%の範囲で使用するのが、特に好ましい。
【0030】ポリマーのTgに付いては、特に制限こそ
無いものの、実用的には、−40〜20℃なる範囲内、
さらには、−15〜10℃の範囲にあるのが好ましい。
乳化重合体の調製方法であるが、特に制限は無く、した
がって、公知慣用の方法でよい。
【0031】すなわち、乳化剤と水の存在下に、そし
て、重合開始剤の共存下に、重合性不飽和単量体を重合
せしめればよい。乳化剤として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、アルキル硫酸塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、アルキルフェノールのエチレンオキ
サイド付加物の硫酸塩の如き、各種のアニオン乳化剤;
アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物の如
き、各種のノニオン乳化剤;
【0032】4級アンモニウム塩の如き、各種のカチオ
ン乳化剤などをはじめ、さらには、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドンまたは各種セルロース誘導体
のような、各種の保護コロイドなどであって、これらは
単独使用でも2種以上の併用でもよい。このうち、アニ
オン乳化剤とノニオン乳化剤の併用が好ましい。
【0033】重合開始剤として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、ベンゾイルパーオキサイド、t
ert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブ
チルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイドの如き、各種
の有機過酸化物;
【0034】過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸
ナトリウム、過硫酸カリウムの如き、各種の過硫酸塩
類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロ
ニトリルの如き、各種のアゾ化合物などであって、これ
らは単独使用でも2種以上の併用でもよい。
【0035】なお、上掲されたような重合開始剤と、た
とえば、ロンガリット塩、アスコルビン酸または亜硫酸
塩の如き、各種の還元剤、さらには、金属塩とを併用す
る形の、いわゆるレドックス触媒系として、公知の重合
開始剤系を用いてもよいことは、勿論である。
【0036】乳化重合体の固形分には制限は無いが、実
用的には、20〜60%の範囲にあるのがよい。また、
得られる乳化重合体のpHは、特に制限こそ無いもの
の、本発明の主旨からも、強アルカリ性でないことが望
ましく、9以下であることが、さらには、8以下である
ことが望ましい。
【0037】本発明のセメント用組成物は、それを、セ
メント、砂(骨材)および水と混練せしめた形で使用さ
れるが、その際には、当該組成物を、固形分で、セメン
トの100重量部に対して、1〜100重量部なる範囲
内で、さらには、2〜40重量部なる範囲内で、添加す
るのが望ましい。
【0038】なお、本発明の組成物には、勿論、公知慣
用の各種の添加剤類、たとえば、造膜助剤、防腐剤、増
粘剤、減水剤、消泡剤、凍結安定剤、保水剤、泡安定
剤、撥水剤または各種の繊維類などを配合せしめること
が出来る。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により、
一層、具体的に説明する。以下において、部および%は
特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとす
る。
【0040】参考例 1(乳化重合体の調製例) 撹拌機、温度計、窒素導入管およびコンデンサーを取り
付けたステンレス製の反応釜に、イオン交換水の900
部、「ハイテノール N−08」〔第一工業製薬(株)
製のアニオン乳化剤〕の10部、「ノイゲン EA−1
70」(同上社製のノニオン乳化剤)の50部を仕込ん
で80℃に昇温した。
【0041】撹拌しながら、ここへ、エチルアクリレー
トの600部、メチルメタクリレートの360部、メタ
クリル酸の5部、メチルアクリレートの30部およびフ
マル酸ジメチルエステルの5部よりなる単量体混合物
と、過硫酸カリウムの5部を100部のイオン交換水に
溶解したもの(重合開始剤溶液)とを、3時間かけて滴
下した。
【0042】滴下終了後も、過硫酸カリウムの1.0部
を追加し、同温度に3時間保って反応を完結せしめた。
室温まで放冷後、5%水酸化ナトリウム水溶液と水を用
いて、pHを7.5に調整した。
【0043】さらに、「ノプコ 8034L」〔サンノ
プコ(株)製の消泡剤〕の3部を加えて均一になるまで
撹拌した。かくして得られた乳化重合体は、固形分が5
0%で、25℃におけるガードナー粘度(以下同様)が
450cpsで、かつ、pHが7.5なるものであっ
た。以下、これをE−1と略記する。
【0044】参考例 2(同上) 参考例1と同様の反応装置に、イオン交換水の900
部、「レベノール WZ」〔(株)花王製のアニオン乳
化剤(25%水溶液として市販されている。)〕の60
部、「ノイゲン EA−170」の45部を仕込んで8
0℃に昇温した。
【0045】撹拌しながら、ここへ、n−ブチルアクリ
レートの550部、スチレンの390部、アクリル酸の
10部およびマレイン酸ジメチルエステルの50部より
なる単量体混合物と、過硫酸カリウムの5部を100部
のイオン交換水100部に溶解したもの(重合開始剤溶
液)とを、3時間かけて滴下した。
【0046】滴下終了後も、過硫酸カリウムの1.0部
を追加し、同温度に3時間保って反応を完結せしめた。
その後は、参考例1と同様の操作を繰り返して、固形分
が50%で、粘度が380cpsで、かつ、pHが7.
5なる乳化重合体を得た。以下、これをE−2と略記す
る。
【0047】参考例 3(同上) 単量体混合物の組成を、エチルアクリレートの600
部、メチルメタクリレートの395部およびメタクリル
酸の5部のように変更した以外は、参考例1と同様の操
作を繰り返して、固形分が50%で、粘度が410cp
sで、かつ、pHが7.5なる対照用の乳化重合体を得
た。以下、これをE−3と略記する。
【0048】参考例 4(同上) 単量体混合物の組成を、n−ブチルアクリレートの55
0部、スチレンの420部およびアクリル酸の30部に
変更した以外は、参考例2と同様の操作を繰り返して、
固形分が50%で、粘度が560cpsで、かつ、pH
が7.5なる対照用の乳化重合体を得た。以下、これを
E−4と略記する。
【0049】以上に得られた、それぞれ、本発明の組成
物(E−1およびE−2)、ならびに対照用の組成物
(E−3およびE−4)の組成を、まとめて、第1表に
示す。
【0050】
【表1】
【0051】 (註) BA………n−ブチルアクリレート EA………エチルアクリレート MMA……メチルメタクリレート St………スチレン AA………アクリル酸 MAA……メタクリル酸 MA………メチルアクリレート DMF……フマル酸ジメチル DMM……マレイン酸ジメチル
【0052】実施例 1および2ならびに比較例 1お
よび2 各参考例で得られた、それぞれの乳化重合体(E−1)
および(E−2)と、(E−3)および(E−4)とを
用い、次のような配合処方に従って、各種のポリマー・
セメント・モルタル類を調製した。
【0053】 [モルタル配合処方] 普通ポルトランドセメント 100部 豊浦標準砂 200部 乳化重合体 10部(固形分換算で) 水 適 量(フローを180±5に調整) ──────────────────────── 以上を混練
【0054】(註) 1:2モルタル;ポリマー/セメ
ント比=10%;水/セメント比=45〜50%とし
て、統一した。
【0055】比較例 3 市販の酢酸ビニル−エチレン乳化共重合体として、「ハ
イフレックス NS−1000」〔日本化成(株)製の
セメント混和剤;固形分=45%〕(以下、これを「市
販EVA」と略記する。)を用いるように変更した以外
は、実施例1および2ならびに比較例1および2と同様
にして、対照用のポリマー・セメント・モルタル類を得
た。
【0056】以上のようにして得られた各種のポリマー
・セメント・モルタル類について、下記のような要領
で、応用評価(応用試験)を行った。それらの結果は、
まとめて、第2表に示す。
【0057】[応用試験方法] (1)曲げ・圧縮強度…………………………JIS A
−6023に準拠して、材令28日で測定 (2)付着強度…………………………………30×30
×5cmなる大きさのコンクリート製歩道用平板に、そ
れぞれのモルタルを、厚さが5mmとなるように、コテ
で塗り付け、28日間、気乾養生したのち、建研式油圧
接着力試験機(4cm×4cmなるアタッチメントを使
用)により測定して、3箇所の平均値として表示 (3)耐摩耗性…………………………………10cm×
10cm×1cmなるサイズに成型し、28日間のあい
だ気乾養生したのち、テーバ型摩耗試験機(H−22摩
耗輪、750gの荷重下に、100回転なる条件で)に
て試験し、摩耗減量を測定 (4)コテ作業性およびレベリング性………3尺×6尺
で、かつ、厚さが5mmなるフレキシブルボードに、各
種のモルタルを、コテで、厚さが5mmとなるように塗
り付け、その際のコテ作業性を判定すると共に、このコ
テ作業性と、仕上がりの平滑さとから、総合的に、レベ
リング性を判定 (5)耐アルカリ性……………………………樹脂を固形
分換算で2g秤り取り、1Nの水酸化ナトリウム水溶液
の300gを加えて撹拌したのち、密閉して、25℃に
10日間放置した。その後、1Nの塩酸で滴定して水酸
化ナトリウムの消費量から、鹸化度を酢酸ビニル換算で
算出
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】かくして得られる、本発明のセメント用
組成物は、セメントに混和したとき、始めのうちは、樹
脂の酸価が低く、しかも、セメント配合物の構造粘性が
低く、そのために、コテ作業性ならびにレベリング性な
どが良好である。
【0061】時が経つにつれ、不飽和二塩基酸のジメチ
ルエステルおよび/またはメチルアクリレートに由来す
るメチルエステル基が、セメントの強アルカリ下で、加
水分解して、セメント配合物の硬化と共に、優れた物理
強度を発現する。
【0062】すなわち、本発明の組成物は、セメントに
混和した際に、配合物のコテ作業性ならびにレベリング
性などにに優れるものであるし、セメントが硬化したの
ちは、得られる硬化体の物理強度、耐久性ならびに基材
付着性などにも優れるという、従来に類例を見ない、極
めて優れたものであると言えよう。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須共重合成分として、 マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチルおよびメチルア
    クリレートより選ばれる1種以上の単量体成分を全単量
    体中に0.5〜20重量%の範囲で、 エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタ
    クリレートおよびスチレンより選ばれる1種以上の単量
    体成分を全単量体中に99.5〜80重量%の範囲で、 およびアクリル酸、メタクリル酸より選ばれる1種以上
    の単量体成分を全単量体中に0〜1.5重量%の範囲で
    夫々用い、 その他の任意的共重合成分として エチレン性不飽和スルホン酸又はその塩以外の、前記単
    量体成分と共重合可能な単量体成分を適宜割合で用い
    て、或いは用いずに 得られる、乳化重合体を必須の成分
    として含有することを特徴とする、セメント用組成物。
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