JPH08217513A - ポリマーセメント組成物 - Google Patents

ポリマーセメント組成物

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Publication number
JPH08217513A
JPH08217513A JP2203595A JP2203595A JPH08217513A JP H08217513 A JPH08217513 A JP H08217513A JP 2203595 A JP2203595 A JP 2203595A JP 2203595 A JP2203595 A JP 2203595A JP H08217513 A JPH08217513 A JP H08217513A
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JP
Japan
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weight
resin
parts
cement
acrylate
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Pending
Application number
JP2203595A
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English (en)
Inventor
Katsuaki Endo
克秋 遠藤
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH08217513A publication Critical patent/JPH08217513A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セメント混和性、流動性、作業性、強度及び
耐水性に優れた塗膜を与え得るポリマーセメント組成物
の提供を目的とする。 【構成】 (A)セメント100重量部、及び、(B)
少なくとも2段階以上の乳化重合によって重合されてな
る多段階樹脂の水性エマルジョンであって、最外層の樹
脂が少なくとも1種のエチレンオキシド基を有する不飽
和単量体と少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体の
共重合体であることを特徴とする多段階樹脂水性エマル
ジョンを樹脂固形分で3〜40重量部とからなポリマー
セメント組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマーセメント組成
物に関するものであり、特にセメント混和性、流動性、
作業性、強度及び耐水性に優れた塗膜を与え得るポリマ
ーセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
建造物、橋脚、道路等の保護材、床材、下地調整材、接
着剤として、セメントに樹脂水性エマルジョンや骨材を
配合したモルタル組成物、いわゆるポリマーセメント組
成物が、一般のセメントモルタルに比較して、強度や耐
凍害性、防錆性、接着性等に優れているため用いられて
いる。
【0003】しかし、従来のポリマーセメント組成物
は、強度や耐凍害性、防錆性、接着性等に優れる硬化物
を形成しうるが、セメントと樹脂水性エマルジョンを混
合したときの分散性が充分でないため、いわゆる「ダ
マ」や「ままこ」が発生しやすい等の問題が起こり易
く、またセメント混和後の経時による流動性の変化いわ
ゆるスランプロス(スランプの減少)が大きいため、使
用時間が短く、これらの改良が望まれているのが現状で
ある。
【0004】一方、上記問題を解決せんとして樹脂水性
エマルジョンを製造する際に多量の分散剤、減水剤や遅
延剤を用いると、分散性や流動性は向上するものの、得
られたポリマーセメント硬化物の強度や耐水性が著しく
低下するという問題が生じた。本発明は、上記のような
前記の課題を解決し、セメントとの混和性、分散性に優
れ、かつセメント混和後のスランプロスの小さいポリマ
ーセメント組成物を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために種々研究を重ねた結果、以下の構成
を採ることにより本発明の目的を達成できることを見出
し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明のポリマーセメント組成
物は、(A)セメント100重量部、及び、(B)少な
くとも2段階以上の乳化重合によって重合されてなる多
段階樹脂の水性エマルジョンであって、最外層の樹脂が
少なくとも1種のエチレンオキシド基を有する不飽和単
量体と少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体の共重
合体であることを特徴とする多段階樹脂水性エマルジョ
ンを樹脂固形分で3〜40重量部とからなるポリマーセ
メント組成物である。
【0007】本発明における(A)セメントとしては、
水硬性セメント又は気硬性セメントのどちらでもよく、
例えば、水硬性石灰;ローマンセメント;天然セメン
ト;普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトラン
ドセメント、白色ポルトランドセメント等のポルトラン
ドセメント;アルミナセメント;高炉セメント;シリカ
セメント;ポゾランセメント;フライアッシュセメン
ト;特殊セメント等の水硬性セメント、及び、消石灰;
ドロマイトプラスター;焼き石膏;無水石膏;半水石
膏;マグネシアセメント等の気硬性セメントが挙げられ
る。これらのセメントは単独で、もしくは2種以上を混
合して用いることができる。
【0008】また、本発明における(B)少なくとも2
段階以上の乳化重合によって重合されてなる多段階樹脂
の水性エマルジョンの樹脂は少なくとも2層構造であ
り、その最外層の樹脂が少なくとも1種のエチレンオキ
シド基含有不飽和単量体を含有するものであればよい。
本発明におけるエチレンオキシド基を含有する不飽和単
量体としては、下記一般式にて示される化合物である。
【0009】
【化1】
【0010】(式中Rは水素原子又はメチル基を示し、
R’は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、n
は1〜50の整数を示す。)
【0011】かかるエチレンオキシド基を有する不飽和
単量体としては、例えば、エチレングリコール(メタ)
アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート等
のポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類;メ
トキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート等のメトキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート類;エトキシエ
チル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート等のエトキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート類;ブトキシエチル(メ
タ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート等のブトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート類等のアルコキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル
(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート等のフェノキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート類;ノニルフェノキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキ
ルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート類等が挙げられる。これらのものは通常の市販品が
使用できるほか、必要に応じて適当なアルコキシポリエ
チレングリコールと(メタ)アクリリルクロライドとを
アセトニトリル等の不活性溶媒中で、トリエチルアミン
等の触媒を用いて反応させること等によって製造するこ
ともできる(特公昭34−4292号公報参照)。
【0012】また、本発明における、前記のエチレンオ
キシド基を有する不飽和単量体以外の最外層樹脂を構成
し得るエチレン性不飽和単量体及び内層を構成し得るエ
チレン性不飽和単量体としては、特に単量体の種類及び
使用量に制限はないが、得られる塗膜の強度や伸び等の
点から、下記(a)〜(d)の単量体の組み合わせが好
ましい。
【0013】(a)単独重合体のガラス転移温度が0℃
以下のソフト系単量体:アクリル酸エチル、アクリル酸
nープロピル、アクリル酸nーブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸2ーエチルヘキシル、アクリル酸オ
クチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、
アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプ
ロピル等の、単独重合体のガラス転移温度が0℃以下の
アクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸トリデシル等の、単独重合体のガラス転移
温度が0℃以下のメタクリル酸アルキルエステル;エチ
レン、イソブチレン、塩化ビニリデン、ブタジエン等
の、単独重合体のガラス転移温度が0℃以下のその他の
単量体
【0014】(b)単独重合体のガラス転移温度点が0
℃以上のハード系単量体:アクリル酸メチル、アクリル
酸tーブチル等の、単独重合体のガラス転移温度が0℃
以上のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等の、
単独重合体のガラス転移温度が0℃以上のメタクリル酸
アルキルエステル;スチレン、αーメチルスチレン、塩
化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、分岐脂肪
酸ビニル(バーサチック酸ビニル)、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド等の、単独重合体のガラス転移温度点が0℃以上
のその他の単量体
【0015】(c)特殊な官能基を有する単量体:アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸のごと
き不飽和カルボン酸、無水マレイン酸のごとき不飽和カ
ルボン酸の無水物、Nーメチロールアクリルアミド、N
ーメチロールメタクリルアミド、Nーフェニルマレイミ
ド、Nー(メチル)フェニルマレイミド、Nー(ヒドロ
キシ)フェニルマレイミド、Nー(メトキシ)フェニル
マレイミド、Nー安息香酸マレイミド、Nーメチルマレ
イミド、Nーエチルマレイミド、Nーnープロピルマレ
イミド、Nーイソプロピルマレイミド、Nーnーブチル
マレイミド、Nーイソブチルマレイミド、Nーtーブチ
ルマレイミドのごとき特殊な官能基を有するその他の単
量体
【0016】(d)架橋性単量体:エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1、3ーブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1、4ーブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、
共役ジエン化合物等の2個以上の不飽和基を有する多官
能性単量体、ブロモトリクロロメタン、ブロモホルム、
四塩化炭素、四臭化炭素等の2個以上の引き抜き可能な
原子を有する反応性単量体、及び、アリルメルカプタ
ン、メタリルメルカプタン、クロチルメルカプタン、ア
リル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N−
アリル(メタ)アクリレート、N,Nージアリル(メ
タ)アクリレート、N−メタリル(メタ)アクリレー
ト、N,Nージメタリル(メタ)アクリレート、N−ク
ロチル(メタ)アクリレート、N,Nージクロチル(メ
タ)アクリレート等の1個以上の不飽和基と1個以上の
引き抜き可能な原子を有する多官能性単量体等の架橋性
単量体
【0017】本願発明における多段階樹脂水性エマルジ
ョンの樹脂は、樹脂全体としてエチレンオキシド基を有
する不飽和単量体を好ましくは0.01〜30重量%、
より好ましくは0.05〜20重量%、最も好ましくは
0.1〜10重量%、前記(a)単量体を好ましくは1
0〜90重量%、より好ましくは10〜80重量%、最
も好ましくは20〜70重量%、前記(b)単量体を好
ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜80
重量%、最も好ましくは20〜70重量%、前記(c)
単量体を好ましくは0〜15重量%より好ましくは0〜
10重量%、最も好ましくは0〜5重量%、前記(d)
単量体を好ましくは0〜15重量%より好ましくは0〜
10重量%、最も好ましくは0〜5重量%の割合で共重
合させるのが好ましい。
【0018】前記エチレンオキシド基を有する不飽和単
量体の使用割合が少なすぎると、ポリマーセメントモル
タル組成物の分散性や流動性の改良効果が小さく、同単
量体の使用割合が多くなりすぎると、ポリマーセメント
モルタルの耐水性が低下する傾向があり好ましくない。
【0019】前記単量体(a)の使用割合が少なすぎる
と、得られるポリマーセメントモルタルが脆くなる傾向
があり、同単量体の使用割合が多くなりすぎると、ポリ
マーセメントモルタルの強度が低下する傾向があり好ま
しくない。
【0020】前記単量体(b)の使用割合が少なすぎる
と、得られるポリマーセメントモルタルの強度が低下す
る傾向があり、同単量体の使用割合が多くなりすぎる
と、ポリマーセメントモルタルが脆くなる傾向があり好
ましくない。前記単量体(c)の使用割合が多くなりす
ぎると、得られるポリマーセメントモルタルが脆くな
り、強度が低下する傾向があり好ましくない。
【0021】前記単量体(d)の使用割合が多くなりす
ぎると、得られるポリマーセメントモルタルが脆くな
り、強度が低下する傾向があり好ましくない。中でも、
本願発明における多段階樹脂水性エマルジョンの最外層
の樹脂は、エチレンオキシド基を有する不飽和単量体を
好ましくは0.01〜70重量%、より好ましくは0.
05〜60重量%、最も好ましくは0.1〜60重量
%、前記(a)単量体を10〜80重量%、より好まし
くは20〜70重量%、最も好ましくは30〜70重量
%、前記(b)単量体を好ましくは5〜70重量%、よ
り好ましくは10〜70重量%、最も好ましくは10〜
60重量%、前記(c)単量体を好ましくは0〜20重
量%、より好ましくは0〜10重量%、最も好ましくは
0〜5重量%、前記(d)単量体を好ましくは0〜15
重量%、より好ましくは0〜10重量%、最も好ましく
は0〜5重量%の割合で共重合させるのが好ましい。
【0022】また、内層を構成し得る不飽和単量体とし
ては、前記(a)単量体を好ましくは30〜80重量
%、より好ましくは40〜70重量%、最も好ましくは
50〜70重量%、前記(b)単量体を好ましくは10
〜70重量%、より好ましくは20〜70重量%、最も
好ましくは20〜60重量%、前記(c)単量体を好ま
しくは0〜20重量%、より好ましくは0〜10重量
%、最も好ましくは0〜5重量%、前記(d)単量体を
好ましくは0〜15重量%、より好ましくは0〜10重
量%、最も好ましくは0〜5重量%の割合で共重合させ
るのが好ましい。
【0023】最外層及び内層における単量体の使用割合
も、樹脂全体での各単量体の使用割合を決定したと同様
の理由から決められたものである。本発明においては、
上記した単量体を適宜組み合わせて、ガラス転移点を最
外層では好ましくは50℃以下、より好ましくは30〜
−50℃、最も好ましくは30〜−10℃に調節し、最
外層を除く内層では好ましくは50℃以下、より好まし
くは30〜−50℃、最も好ましくは30〜−10℃に
調節するのが好ましい。最外層のガラス転移温度が高過
ぎると、塗膜の剛性は高くなるものの、柔軟性がなくな
りもろくなっていしまい、また、余りに低く過ぎても、
柔軟性、伸展性は向上するものの塗膜強度が弱くなる傾
向があるので好ましくなく、内層のガラス転移温度が高
過ぎると、塗膜の剛性は高くなるものの、柔軟性がなく
なりもろくなっていしまい、また、余りに低く過ぎて
も、柔軟性、伸展性は向上するものの塗膜強度が弱くな
る傾向があるので好ましくない。なお、本発明において
樹脂のガラス転移点はDSC(示差走査熱量計)により
求めた。
【0024】以上の各単量体混合物を用いて少なくとも
2段階以上の乳化重合によって重合されてなる多段階樹
脂の水性エマルジョンを製造する方法としては、内層を
構成させる単量体混合物を予じめ水中で重合させてエマ
ルジョン状態にしておき、その後最外層を構成させる単
量体混合物を添加、乳化重合させる。
【0025】即ち、乳化剤または保護コロイド剤を含む
水中にモノエチレン性不飽和単量体もしくは2種以上の
モノエチレン性不飽和単量体の混合物を加え、過硫酸カ
リウムなどの重合開始剤の存在下に50〜95℃に加熱
することにより(共)重合して、多層構造の最外層以外
の内層の樹脂(以下コア重合体という)を生成させ、最
終段階において、エチレンオキシド基を含有する不飽和
単量体とエチレン性不飽和単量体の混合物を生成し、重
合したコア重合体に不飽和単量体混合物を添加して重合
し、コア重合体の外側に最外層となる樹脂(以下シェル
重合体という)を生成させて、固形分30〜70重量%
の多段階樹脂水性エマルジョンとする。
【0026】コア重合体及びシェル重合体を生成させる
乳化重合における単量体の供給方法は、種々の方法を用
いることができる。たとえば一括仕込法、モノマー添加
法、エマルジョン添加法等の種々の方法を用いることが
できる。また、添加する単量体の組成を逐次および/ま
たは段階的に変化させるシード重合法、又はパワーフィ
ード重合法等も用いることができる。
【0027】乳化剤としては、ジアルキルスルホコハク
酸ナトリウム、アルキルスルホン酸のアルカリ塩、オキ
シアルキル化されたアルコールまたはアルキルフェノー
ルのアルカリ金属塩、脂肪酸のアルカリ塩などアニオン
性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の各種のものが単
独もしくは併用して使用できる。その使用量は、通常樹
脂分に対し0.1〜10重量%の割合である。又、目的
によっては、カチオン性界面活性剤を単独で、あるいは
ノニオン性界面活性剤と併用して使用することもでき
る。
【0028】また、前記した保護コロイドとしては、た
とえばヒドロキシエチルセルロースやポリエチレンオキ
サイドプロピレンオキサイドブロックポリマー、不飽和
カルボン酸共重合体のアルカリ可溶物等がある。
【0029】乳化重合において用いる重合開始剤は、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素などの無機過酸化物が好ましいが、その
他ベンゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニト
リルなどのアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、tーブチルパーオキサイド
などの有機過酸化物系開始剤も使用できる。また、これ
らの開始剤に、ロンガリット、Lーアスコルビン酸、有
機アミン、金属塩などの還元剤を併用してレドックス開
始剤として用いてもよい。
【0030】尚、樹脂粒子が3層構造以上の場合、最も
外側の層を最外層と呼び、それ以外の内側の2層以上を
内層と呼ぶ。本発明における多段階樹脂水性エマルジョ
ンの樹脂において、コア重合体とシェル重合体の重量比
率は、30:70〜99:1が好ましく、より好ましく
は50:50〜98:2、最も好ましくは60:40〜
95:5である。
【0031】本発明においては、前記した(A)セメン
トと前記した(B)多段階樹脂水性エマルジョンからな
るものであって、その配合割合は、(A)成分100重
量部に対して(B)成分3〜40重量部、好ましくは5
〜30重量部の割合で配合されるものであり、3重量部
未満では樹脂による改質の効果が小さく、40重量部を
越えるとポリマーセメントモルタルの強度が低下する。
【0032】また、本発明のポリマーセメント組成物に
は、収縮防止や強度を向上させるために通常セメントに
配合させる骨材を配合させてもよく、その配合され得る
骨材としては、珪砂、珪石粉、砕石、シラスバルーン、
軽量骨材、タルク、マイカ、ケイ藻土、カオリン、石
英、鉄粉、フライアッシュ、ウルトラホワイト、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、石綿粉、ホワイトカーボン、ジ
ルコニア、カーボンブラック、パーライト、酸化亜鉛、
発砲樹脂粒子、パーライト粒子、ガラス球粒子などが挙
げられる。
【0033】該骨材の配合割合は、セメント100重量
部に対し0〜600重量部、好ましくは0〜400重量
部の割合で配合されるものであり、600重量部を越え
るとポリマーセメントモルタルの強度が低下する傾向に
ある。なおポリマーセメントモルタルの耐水性の指標で
ある水浸漬後の曲げ強さ、圧縮強さは、常態時の70%
以上が好ましい。
【0034】本発明のポリマーセメント組成物は、基本
的にはセメント及び樹脂水性エマルジョンよりなるが、
得られる塗膜の性能を損なわない範囲で、分散剤、減水
剤、遅延剤、硬化促進剤、湿潤剤、消泡剤、溶剤、可塑
剤、造膜助剤、凍結防止剤、増粘剤、着色顔料、染料等
の各種添加剤を配合することもできる。
【0035】本発明のポリマーセメント組成物は、コン
クリート、モルタル、スレート、アスファルト、鉄、ア
ルミ、ファイバー、ガラス、木、布および塩化ビニル、
ポリエチレンなどのプラスチック類にコテ塗り、ハケ塗
り、ローラー塗装、スプレーガン吹付け、押出し、抄造
などの方法で、数十ミクロンオーダーから数cm厚の硬
化物を形成することができる。
【0036】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例を挙げて詳
細に説明する。例中の部および%は特に記載しない限り
重量部および重量%である。
【0037】樹脂水性エマルジョン製造例1 いかり型撹拌機、温度計および還流冷却機を装着した3
リットルの4つ口丸底フラスコに水225部を投入して
90℃に加熱し、アクリル酸ブチル441部、スチレン
441部、アクリルアミド13.5部、アクリル酸4.
5部、水360部、乳化剤としてドデシルベンセンスル
ホン酸ナトリウム9部及びポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル9部を3.5時間かけて添加した後0.
5時間そのまま放置し、その後アクリル酸ブチル34
部、スチレン34部、アクリルアミド1.5部、アクリ
ル酸0.5部、ポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート30部、水40部、乳化剤としてドデシルベンセン
スルホン酸ナトリウム1部及びポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル1部を0.5時間かけて添加した
(シェル重合体)。またコア重合体の単量体組成物の添
加開始から、過硫酸カリウム10部をイオン交換水40
0部に溶解した水溶液を4.5時間かけて添加し、固形
分濃度が50%、平均粒径0.3ミクロンの樹脂水性分
散液を得た。
【0038】尚、ガラス転移点はDSC(装置名:デュ
ポン910)より求めた。 樹脂水性エマルジョン製造例2及び3 添加する水及び単量体組成等を表1に示す通りに変更し
た以外は樹脂水性エマルジョン製造例1と同様に製造し
た。
【0039】
【表1】
【0040】樹脂水性エマルジョン製造例4 いかり型撹拌機、温度計および還流冷却機を装着した3
リットルの4つ口丸底フラスコに水225部を投入して
90℃に加熱し、アクリル酸n−ブチル475部、スチ
レン475部、アクリルアミド15部、アクリル酸5部
及びポリエチレングリコールモノメタクリレート30
部、水400部、乳化剤としてドデシルベンセンスルホ
ン酸ナトリウム10部及びポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル10部を4.5時間かけて添加すると共
に、単量体の添加開始時から同時に、過硫酸カリウム1
0部をイオン交換水400部に溶解した水溶液を4.5
時間かけて添加し、固形分濃度が50%、平均粒径約
0.3ミクロンの樹脂水性エマルジョンを得た。
【0041】樹脂水性エマルジョン製造例5〜7 添加する水及び単量体組成等を表1に示す通りに変更し
た以外は、樹脂水性エマルジョン製造例4と同様に製造
した。
【0042】実施例1〜3及び比較例1〜4 前記実施例で得られた前記樹脂水性エマルジョン樹脂固
形分15部にポルトランドセメント100部、豊浦標準
砂300部及び更に組成物中の水が65重量部になるよ
うに水を配合してポリマーセメント組成物を調製した。
【0043】得られた組成物の配合直後のフロー値と配
合後30分経過後のフロー値をフロー試験(JIS R
5201)により測定し、セメントに対する分散性およ
び流動性の変化(30分後のフロー値÷配合直後のフロ
ー値)を確認した。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例4 樹脂水性エマルジョン製造例1で得られた樹脂固形分1
0部に対し、ポルトランドセメント100部、豊浦標準
砂300部、消泡剤1部、樹脂水性分散液中の水を含め
水65部を配合してポリマーセメント組成物を調整し
た。得られた組成物を40×40×160mmの型枠に
2層に詰め、28日間養生後の曲げ強さ及び圧縮強さ
(JIS R5201)を測定した。また28日間養生
後水中に7日間浸漬し、取り出し直後の曲げ強さ及び圧
縮強さを同様に測定した。
【0046】実施例5〜10及び比較例5〜10 樹脂水性エマルジョンの種類、セメントの量及び骨材の
量を表4及び5に示すように変更した以外は、実施例4
と同様にしてポリマーセメント組成物を調整し、同様に
評価した。結果を表3及び表4に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明のポリマーセメント組成物は、硬
化後の強度及び耐水性に優れるものである。更に、本発
明のポリマーセメント組成物は、経時による流動性の変
化(スランプロス)が小さく安定しているため、作業性
にも優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 C08L 101/00 C09D 5/02 PPU C09D 5/02 PPU //(C04B 28/00 24:22 24:26)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)セメント100重量部、及び、
    (B)少なくとも2段階以上の乳化重合によって重合さ
    れてなる多段階樹脂の水性エマルジョンであって、最外
    層の樹脂が少なくとも1種のエチレンオキシド基を有す
    る不飽和単量体と少なくとも1種のエチレン性不飽和単
    量体の共重合体であることを特徴とする多段階樹脂水性
    エマルジョンを樹脂固形分で3〜40重量部とからなる
    ポリマーセメント組成物。
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