JPH0585786A - セメント用組成物 - Google Patents

セメント用組成物

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JPH0585786A
JPH0585786A JP3249158A JP24915891A JPH0585786A JP H0585786 A JPH0585786 A JP H0585786A JP 3249158 A JP3249158 A JP 3249158A JP 24915891 A JP24915891 A JP 24915891A JP H0585786 A JPH0585786 A JP H0585786A
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emulsion polymer
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Abstract

(57)【要約】 【構成】不飽和二塩基酸のジメチルエステルおよび/ま
たはメチルアクリレートを必須の単量体成分とする単量
体混合物を用いて得られる乳化重合体を、必須の樹脂成
分として含有することから成る、セメント用組成物。 【効果】セメントに混和したとき、始めのうちは、樹脂
の酸価が低く、しかも、セメント配合物の構造粘度も低
い処から、コテ作業性ならびにレベリング性が良好であ
る。その後は、時間が経つに連れて、不飽和二塩基酸の
ジメチルエステルおよび/またはメチルアクリレートに
由来するメチルエステル基が、セメントの、強アルカリ
下で加水分解して、セメント配合物の硬化と共に、優れ
た物理強度を発現する。すなわち、本発明のセメント用
組成物は、セメントに混和した際に、とりわけ、配合物
のコテ作業性とレベリング性とに優れると共に、セメン
トが硬化したのちにおいては、得られる硬化体の物理強
度をはじめ、さらには、耐久性ならびに基材付着性など
に優れるという、従来には類例を見ないような、極めて
有用性の高いものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なるセメ
ント用組成物に関しする。さらに詳細には、セメントと
混和した際に、配合物のコテ作業性、ならびに、レベリ
ング性に優れるし、しかも、セメントが硬化したのちに
おいては、得られる硬化体の物理強度、耐久性ならびに
基材付着性などに優れる、極めて実用性の高いセメント
用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】土木や建築などの分野において、セメン
トに合成樹脂乳化重合体が混和された場合には、混和さ
れない場合に比して、著しく、物理強度、接着性、耐透
水性ならびに耐薬品性などが向上する処から、この種の
乳化重合体は、セメント、繊維、骨材および水などと混
合された形で、コンクリートなどのセメント基材に対す
る表面仕上げ材、塗装下地調整材、防水材あるいはコン
クリートクラックなどに対しての補修材などとして、広
く用いられている。
【0003】かかる乳化重合体は、施工作業性の観点よ
り、セメントに混和した際の配合物の構造粘性が低く、
コテ作業性が良好で、かつ、レベリング性が良好で施工
面が平滑に仕上がり易いことが求められる。
【0004】また、長期に亘る耐久性の観点より、乳化
重合体(ポリマー)の高い耐アルカリ性が要求される。
従来において多用されている酢酸ビニル−エチレン系乳
化重合体は、コテ作業性ならびにレベリング性にこそ優
れるものの、耐アルカリ性は低いものである。
【0005】一方、アクリル系、アクリルスチレン系ま
たはスチレンブタジエン系乳化重合体は、一般に、ポリ
マーの耐アルカリ性は良好であるけれども、セメント配
合物のコテ作業性ならびにレベリング性は劣る。
【0006】こうした形のポリマー組成で以て、問題の
コテ作業性やレベリング性などを向上せしめるには、ノ
ニオン乳化剤を多量に用いるか、樹脂の酸価を低減する
と良いが、そのようにすると、得られるセメント硬化体
の物理強度が低下することになるので、やはり、好まし
くない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来技術に従う限りは、施工作業性、耐久性ならびに物
理強度の悉くを満足するセメント混和用乳化重合体を得
るということが出来なかった。
【0008】したがって、発明が解決しようとする課題
は、セメントに配合した際の配合物のコテ作業性ならび
にレベリング性が良好であり、硬化体の物理強度が高
く、しかも、ポリマーの耐アルカリ性が良好なる、極め
て実用性の高いセメント混和用の乳化重合体を得ること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来技術の長所ならびに欠点に鑑み、そして、上述した
発明が解決しようとする課題に照準を合わせて、鋭意、
検討を重ねた結果、不飽和二塩基酸のジメチルエステル
および/またはメチルアクリレートという特定の単量体
を軸とする、特定の組成の単量体混合物を重合して得ら
れる乳化重合体が、セメントに配合した際の配合物のコ
テ作業性ならびにレベリング性が良好であって、硬化体
の物理強度が高く、しかも、ポリマーの耐アルカリ性が
良好であることを見い出して、本発明を完成させるに到
った。
【0010】すなわち、本発明は基本的には、必須の単
量体成分として、不飽和二塩基酸のジメチルエステルお
よび/またはメチルアクリレートという特定のメチルエ
ステル基含有単量体を用いて得られる乳化重合体を必須
の成分とするセメント用組成物を提供しようとするもの
であり、
【0011】具体的には、必須の単量体成分として、不
飽和二塩基酸のジメチルエステルおよび/またはメチル
アクリレートを、全単量体中に0.5〜20重量%の範
囲で含んでなる単量体混合物を重合して得られる乳化重
合体を、
【0012】あるいは、不飽和二塩基酸のジメチルエス
テルおよび/またはメチルアクリレートを全単量体中に
0.5〜20重量%なる範囲で、これらの不飽和二塩基
酸のジメチルエステルおよび/またはメチルアクリレー
トと共重合可能なる重合性不飽和単量体を、全単量体中
に99.5〜80重量%の範囲で、かつ、カルボキシル
基含有単量体類を、全単量体中に0〜1.5重量%なる
範囲で含んでなる単量体混合物を重合せしめて得られ
る、乳化重合体を必須の成分として含有して成る、セメ
ント用組成物を提供しようとするものである。
【0013】ここにおいて、本発明のセメント用組成物
を構成する、乳化重合体の必須単量体成分である、上記
した不飽和二塩基酸のジメチルエステル類および/また
はメチルアクリレートに付いて述べる。
【0014】これらの必須単量体類が共重合された乳化
重合体は、強アルカリ下で、該乳化重合体中のメチルエ
ステル部位が、徐々に、加水分解してカルボキシル基が
生じ、それによって、樹脂の酸価が増大する。
【0015】すなわち、該乳化重合体をセメントに混和
すると、始めのうちは樹脂の酸価が低く、そのために、
セメント配合物の構造粘性が低く、コテ作業性ならびに
レベリング性に優れる。
【0016】その後は、このメチルエステル部位の加水
分解が、さらに、進行して樹脂の酸価が増大し、セメン
ト硬化体の曲げ、圧縮強度、耐摩耗性ならびに基材付着
性などの良好なる物理強度が発現する。
【0017】よって、これらのメチルエステル基含有単
量体は、本発明の組成物の調製に当たって、必須となる
成分である。ここにおいて、メチルエステル基の加水分
解速度は、当該メチルエステル基含有単量体の種類と、
その使用量という以外にも、当該メチルエステル基含有
単量体類と共重合しうる他の単量体類によっても調整で
きるが、より疎水性のポリマー組成となればなるほど、
加水分解速度は低いものとなる。
【0018】当該メチルエステル基含有単量体の使用量
としては、全単量体中に、0.5〜20重量%となる範
囲内であることが望ましい。0.5重量%未満の使用量
では、どうしても、上述した効果が充分では無く、一
方、20重量%を超えるような、余りに多くの量を使用
しても、その効果が飽和するというのみならず、加水分
解によって生じる樹脂の酸価が高すぎて、かえって、セ
メントの硬化不良や、硬化体の耐水性の低下などを惹起
することになるので、いずれの場合も好ましくない。
【0019】さらに、好ましくは1〜10重量%なる範
囲内で用いられるのがよい。不飽和二塩基酸ジメチルエ
ステルとして特に代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチルまたはイ
タコン酸ジメチルなどが挙げられるが、これらの不飽和
二塩基酸ジメチルエステル類は、前述のメチルアクリレ
ートと併せて、1種もしくは2種以上の混合物として使
用される。
【0020】他方、既述した不飽和二塩基酸のジメチル
エステル類および/またはメチルアクリレートと共重合
可能なるその他の単量体類として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、メタアクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシルの如き、各種の(メタ)アクリル
酸エステル類;
【0021】スチレン、ビニルトルエンの如き、各種の
芳香族ビニル化合物類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、第三級カルボン酸ビニル(分岐状脂肪族カルボン酸
のビニルエステル)の如き、各種のビニルエステル類;
ビニルピロリドンの如き複素環式ビニル化合物;
【0022】塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニルエ
ーテル、ビニルケトンまたはビニルアミド;塩化ビニリ
デン、フッ化ビニリデンの如き、各種のハロゲン化ビニ
リデン類;エチレン、プロピレンの如き、各種のα−オ
レフィン類;ブタジエンの如きジエン類;
【0023】(メタ)アクリルアミドの如き、各種のア
ミド類;ジビニルベンゼン、アリルアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレートまたはトリメチロール
プロパントリメタクリレートの如き、各種の一分子中に
2個以上の不飽和結合を有する単量体類;
【0024】スチレンスルホン酸またはビニルスルホン
酸の如き、各種のスルホン酸基含有単量体およびそれら
の塩類;あるいは、ビニルシラン類;N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、β−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートまたはポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレートの如き、各種の水酸基含有単量体
類;
【0025】(メタ)アクリル酸またはクロトン酸の如
き、あるいは、イタコン酸、フマル酸またはマレイン酸
のような不飽和多塩基酸およびその半エステルの如き、
各種のカルボシル基含有単量体類(以下、これを不飽和
カルボン酸ともいう。)などであるが、就中、不飽和カ
ルボン酸の使用が、あるいは、メチルアクリレートを除
く、各種の(メタ)アクリレート類および/またはスチ
レンなどの使用が望ましい。
【0026】これらの1種もしくは2種以上の混合物と
して全単量体中99.5〜80重量%の範囲で使用され
る。以上に掲げられた各種の単量体類を用いて得られる
ポリマーの主組成としては、混和して得られるセメント
硬化体の長期に亘る耐久性を維持する観点から、高い耐
アルカリ性を有することが望ましく、アクリル系、アク
リルスチレン系、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエ
ステル系、スチレンブタジエン系のものが好ましい。
【0027】これらの中でも、前述した不飽和二塩基酸
のジメチルエステル類、メチルアクリレートとの共重合
性を考慮すると、メチルアクリレート以外の(メタ)ア
クリレート類および/またはスチレンが、全単量体中、
70重量%以上を占めるような形で共重合された、いわ
ゆるアクリル系やアクリルスチレン系などの組成のも
が、特に好ましい。
【0028】また、前掲の如きカルボキシル基含有単量
体類を、適度に、共重合せしめることは、得られる乳化
重合体をセメントに混和した際に、配合物が短時間のう
ちに凝集するのを、防止するのに効果的であって好まし
いものであるが、多量に共重合せしめると、配合物の構
造粘性が高くなり、コテ作業性ならびにレベリング性な
どが低下するようになるので好ましくない。
【0029】こうした兼ね合からも、こうしたカルボキ
シル基含有単量体類を、全単量体中に、0〜1.5重量
%なる範囲内で使用することが好ましい。さらには、
0.2〜1重量%の範囲で使用するのが、特に好まし
い。
【0030】ポリマーのTgに付いては、特に制限こそ
無いものの、実用的には、−40〜20℃なる範囲内、
さらには、−15〜10℃の範囲にあるのが好ましい。
乳化重合体の調製方法であるが、特に制限は無く、した
がって、公知慣用の方法でよい。
【0031】すなわち、乳化剤と水の存在下に、そし
て、重合開始剤の共存下に、重合性不飽和単量体を重合
せしめればよい。乳化剤として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、アルキル硫酸塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、アルキルフェノールのエチレンオキ
サイド付加物の硫酸塩の如き、各種のアニオン乳化剤;
アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物の如
き、各種のノニオン乳化剤;
【0032】4級アンモニウム塩の如き、各種のカチオ
ン乳化剤などをはじめ、さらには、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドンまたは各種セルロース誘導体
のような、各種の保護コロイドなどであって、これらは
単独使用でも2種以上の併用でもよい。このうち、アニ
オン乳化剤とノニオン乳化剤の併用が好ましい。
【0033】重合開始剤として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、ベンゾイルパーオキサイド、t
ert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブ
チルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイドの如き、各種
の有機過酸化物;
【0034】過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸
ナトリウム、過硫酸カリウムの如き、各種の過硫酸塩
類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロ
ニトリルの如き、各種のアゾ化合物などであって、これ
らは単独使用でも2種以上の併用でもよい。
【0035】なお、上掲されたような重合開始剤と、た
とえば、ロンガリット塩、アスコルビン酸または亜硫酸
塩の如き、各種の還元剤、さらには、金属塩とを併用す
る形の、いわゆるレドックス触媒系として、公知の重合
開始剤系を用いてもよいことは、勿論である。
【0036】乳化重合体の固形分には制限は無いが、実
用的には、20〜60%の範囲にあるのがよい。また、
得られる乳化重合体のpHは、特に制限こそ無いもの
の、本発明の主旨からも、強アルカリ性でないことが望
ましく、9以下であることが、さらには、8以下である
ことが望ましい。
【0037】本発明のセメント用組成物は、それを、セ
メント、砂(骨材)および水と混練せしめた形で使用さ
れるが、その際には、当該組成物を、固形分で、セメン
トの100重量部に対して、1〜100重量部なる範囲
内で、さらには、2〜40重量部なる範囲内で、添加す
るのが望ましい。
【0038】なお、本発明の組成物には、勿論、公知慣
用の各種の添加剤類、たとえば、造膜助剤、防腐剤、増
粘剤、減水剤、消泡剤、凍結安定剤、保水剤、泡安定
剤、撥水剤または各種の繊維類などを配合せしめること
が出来る。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により、
一層、具体的に説明する。以下において、部および%は
特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとす
る。
【0040】参考例 1(乳化重合体の調製例) 撹拌機、温度計、窒素導入管およびコンデンサーを取り
付けたステンレス製の反応釜に、イオン交換水の900
部、「ハイテノール N−08」〔第一工業製薬(株)
製のアニオン乳化剤〕の10部、「ノイゲン EA−1
70」(同上社製のノニオン乳化剤)の50部を仕込ん
で80℃に昇温した。
【0041】撹拌しながら、ここへ、エチルアクリレー
トの600部、メチルメタクリレートの360部、メタ
クリル酸の5部、メチルアクリレートの30部およびフ
マル酸ジメチルエステルの5部よりなる単量体混合物
と、過硫酸カリウムの5部を100部のイオン交換水に
溶解したもの(重合開始剤溶液)とを、3時間かけて滴
下した。
【0042】滴下終了後も、過硫酸カリウムの1.0部
を追加し、同温度に3時間保って反応を完結せしめた。
室温まで放冷後、5%水酸化ナトリウム水溶液と水を用
いて、pHを7.5に調整した。
【0043】さらに、「ノプコ 8034L」〔サンノ
プコ(株)製の消泡剤〕の3部を加えて均一になるまで
撹拌した。かくして得られた乳化重合体は、固形分が5
0%で、25℃におけるガードナー粘度(以下同様)が
450cpsで、かつ、pHが7.5なるものであっ
た。以下、これをE−1と略記する。
【0044】参考例 2(同上) 参考例1と同様の反応装置に、イオン交換水の900
部、「レベノール WZ」〔(株)花王製のアニオン乳
化剤(25%水溶液として市販されている。)〕の60
部、「ノイゲン EA−170」の45部を仕込んで8
0℃に昇温した。
【0045】撹拌しながら、ここへ、n−ブチルアクリ
レートの550部、スチレンの390部、アクリル酸の
10部およびマレイン酸ジメチルエステルの50部より
なる単量体混合物と、過硫酸カリウムの5部を100部
のイオン交換水100部に溶解したもの(重合開始剤溶
液)とを、3時間かけて滴下した。
【0046】滴下終了後も、過硫酸カリウムの1.0部
を追加し、同温度に3時間保って反応を完結せしめた。
その後は、実施例1と同様の操作を繰り返して、固形分
が50%で、粘度が380cpsで、かつ、pHが7.
5なる乳化重合体を得た。以下、これをE−2と略記す
る。
【0047】参考例 3(同上) 単量体混合物の組成を、エチルアクリレートの600
部、メチルメタクリレートの395部およびメタクリル
酸の5部のように変更した以外は、参考例1と同様の操
作を繰り返して、固形分が50%で、粘度が410cp
sで、かつ、pHが7.5なる対照用の乳化重合体を得
た。以下、これをE−3と略記する。
【0048】参考例 4(同上) 単量体混合物の組成を、n−ブチルアクリレートの55
0部、スチレンの420部およびアクリル酸の30部に
変更した以外は、参考例2と同様の操作を繰り返して、
固形分が50%で、粘度が560cpsで、かつ、pH
が7.5なる対照用の乳化重合体を得た。以下、これを
E−4と略記する。
【0049】以上に得られた、それぞれ、本発明の組成
物(E−1およびE−2)、ならびに対照用の組成物
(E−3およびE−4)の組成を、まとめて、第1表に
示す。
【0050】
【表1】
【0051】 (註) BA………n−ブチルアクリレート EA………エチルアクリレート MMA……メチルメタクリレート St………スチレン AA………アクリル酸 MAA……メタクリル酸 MA………メチルアクリレート DMF……フマル酸ジメチル DMM……マレイン酸ジメチル
【0052】実施例 1および2ならびに比較例 1お
よび2 各参考例で得られた、それぞれの乳化重合体(E−1)
および(E−2)と、(E−3)および(E−4)とを
用い、次のような配合処方に従って、各種のポリマー・
セメント・モルタル類を調製した。
【0053】 [モルタル配合処方] 普通ポルトランドセメント 100部 豊浦標準砂 200部 乳化重合体 10部(固形分換算で) 水 適 量(フローを180±5に調整) ──────────────────────── 以上を混練
【0054】(註) 1:2モルタル;ポリマー/セメ
ント比=10%;水/セメント比=45〜50%とし
て、統一した。
【0055】比較例 3 市販の酢酸ビニル−エチレン乳化共重合体として、「ハ
イフレックス NS−1000」〔日本化成(株)製の
セメント混和剤;固形分=45%〕(以下、これを「市
販EVA」と略記する。)を用いるように変更した以外
は、実施例1および2ならびに比較例1および2と同様
にして、対照用のポリマー・セメント・モルタル類を得
た。
【0056】以上のようにして得られた各種のポリマー
・セメント・モルタル類について、下記のような要領
で、応用評価(応用試験)を行った。それらの結果は、
まとめて、第2表に示す。
【0057】[応用試験方法] (1)曲げ・圧縮強度…………………………JIS A
−6023に準拠して、材令28日で測定 (2)付着強度…………………………………30×30
×5cmなる大きさのコンクリート製歩道用平板に、そ
れぞれのモルタルを、厚さが5mmとなるように、コテ
で塗り付け、28日間、気乾養生したのち、建研式油圧
接着力試験機(4cm×4cmなるアタッチメントを使
用)により測定して、3箇所の平均値として表示 (3)耐摩耗性…………………………………10cm×
10cm×1cmなるサイズに成型し、28日間のあい
だ気乾養生したのち、テーバ型摩耗試験機(H−22摩
耗輪、750gの荷重下に、100回転なる条件で)に
て試験し、摩耗減量を測定 (4)コテ作業性およびレベリング性………3尺×6尺
で、かつ、厚さが5mmなるフレキシブルボードに、各
種のモルタルを、コテで、厚さが5mmとなるように塗
り付け、その際のコテ作業性を判定すると共に、このコ
テ作業性と、仕上がりの平滑さとから、総合的に、レベ
リング性を判定 (5)耐アルカリ性……………………………樹脂を固形
分換算で2g秤り取り、1Nの水酸化ナトリウム水溶液
の300gを加えて撹拌したのち、密閉して、25℃に
10日間放置した。その後、1Nの塩酸で滴定して水酸
化ナトリウムの消費量から、鹸化度を酢酸ビニル換算で
算出
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】かくして得られる、本発明のセメント用
組成物は、セメントに混和したとき、始めのうちは、樹
脂の酸価が低く、しかも、セメント配合物の構造粘性が
低く、そのために、コテ作業性ならびにレベリング性な
どが良好である。
【0061】時が経つにつれ、不飽和二塩基酸のジメチ
ルエステルおよび/またはメチルアクリレートに由来す
るメチルエステル基が、セメントの強アルカリ下で、加
水分解して、セメント配合物の硬化と共に、優れた物理
強度を発現する。
【0062】すなわち、本発明の組成物は、セメントに
混和した際に、配合物のコテ作業性ならびにレベリング
性などにに優れるものであるし、セメントが硬化したの
ちは、得られる硬化体の物理強度、耐久性ならびに基材
付着性などにも優れるという、従来に類例を見ない、極
めて優れたものであると言えよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 35/02 LJG 7921−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和二塩基酸のジメチルエステルおよび
    /またはメチルアクリレートを必須の単量体成分として
    用いて得られる、乳化重合体を必須の成分として含有す
    ることを特徴とする、セメント用組成物。
  2. 【請求項2】不飽和二塩基酸のジメチルエステルおよび
    /またはメチルアクリレートを全単量体中に0.5〜2
    0重量%なる範囲で、かつ、上記した不飽和二塩基酸の
    ジメチルエステルおよび/またはメチルアクリレートと
    共重合可能なる重合性不飽和単量体を全単量体中に9
    9.5〜80重量%の範囲で含んでなる単量体混合物を
    重合せしめて得られる、乳化重合体を必須の成分として
    含有することを特徴とする、セメント用組成物。
  3. 【請求項3】不飽和二塩基酸のジメチルエステルおよび
    /またはメチルアクリレートを全単量体中に0.5〜2
    0重量%なる範囲で、上記した不飽和二塩基酸のジメチ
    ルエステルおよび/またはメチルアクリレートと共重合
    可能なる重合性不飽和単量体を、全単量体中に99.5
    〜80重量%の範囲で、かつ、カルボキシル基含有単量
    体類を、全単量体中に0〜1.5重量%なる範囲内で含
    んでなる単量体混合物を重合せしめて得られる、乳化重
    合体を必須の成分として含有することを特徴とする、セ
    メント用組成物。
  4. 【請求項4】前記した不飽和二塩基酸のジメチルエステ
    ルおよび/またはメチルアクリレートと共重合可能なる
    重合性不飽和単量体の70重量%以上が、該メチルアク
    リレート以外の(メタ)アクリレート類および/または
    スチレンである、請求項2または3項に記載のセメント
    用組成物。
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