JPH0714830B2 - セメント用組成物 - Google Patents

セメント用組成物

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JPH0714830B2
JPH0714830B2 JP22411685A JP22411685A JPH0714830B2 JP H0714830 B2 JPH0714830 B2 JP H0714830B2 JP 22411685 A JP22411685 A JP 22411685A JP 22411685 A JP22411685 A JP 22411685A JP H0714830 B2 JPH0714830 B2 JP H0714830B2
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cement
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compound
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有用なるセメント用組成物に関し、更に詳細に
は陽イオン性を付与し得るある特定のα,β−エチレン
性化合物と、その他のα,β−エチレン性単量体を重合
して得られる乳化重合体を含んでなるセメント用組成物
であって、当該組成物をセメントに混和したセメント組
成物は優れた混和性、早強性及び接着性が発揮される。
〔従来技術及び発明が解決しようとする問題点〕
セメントに合成樹脂乳化重合体が混和されない場合に
は、これが混和されない場合に比して著しく物理的強度
(機械的強度)、接着性、耐透水性ならびに耐薬品性な
どが向上する為、土木、建築の分野では合成樹脂乳化重
合体をセメント、繊維、骨材及び水などと混和したセメ
ント組成物がコンクリートなどのセメント基材に対する
表面仕上げ材、塗装下地調整材、防水材、或いはコンク
リート・クラックなどに対しての補修材などとして広く
用いられている。
かかる分野で使用される乳化重合体は、施工作業性の観
点より、セメントに混和した際の混和性が優れているこ
と、即ちセメント配合物の可使時間が長いことが要求さ
れる。
従来、乳化重合体に良好なセメントとの混和性を付与す
る為に、例えば、通常の陰イオン性又は非イオン性を有
する乳化重合体の場合には、官能基(例えばカルボキシ
ル基、水酸基)を有するα,β−エチレン性単量体を大
量に共重合する、或いは大量の陰イオン性乳化剤や非イ
オン性乳化剤を乳化重合時に使用したり、乳化重合の完
了時以後に添加(いわゆる後添加)する等の試みがなさ
れているが、こうした場合には、セメントの硬化不良や
接着性の低下と言う好ましくない事態を招来することが
多い。
一方、特公昭57−49506号公報に示される如く、アミノ
基含有チオール化合物とα,β−エチレン性単量体とを
ラジカル形成触媒を用いて反応せしめたもの、或いはジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩あるいは
2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメ
チルアンモニウムクロライドの如きアミノ基含有陽イオ
ン性α,β−エチレン性単量体を重合又は共重合して得
られる陽イオン性を有する乳化重合体はセメントに混和
するとセメント中のCa++、K+等の陽イオンに対し、静電
的に凝集することが少なく、良好なセメント混和性は発
現される。しかしながら、かかる陽イオン性を有する乳
化重合体の場合、未だセメント硬化体の早強性、接着性
は十分であるとは言えず、この点の改善が望まれてい
た。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、こうした従来技術における種々の長所、
欠点の存在に鑑み、セメントと混和した際に優れたセメ
ント混和性を有し、しかも、セメントと混和した際にセ
メントの強度発現を何ら阻害することなく早強性に優
れ、且つ接着性にも優れるセメント混和用乳化重合体を
得るべく鋭意研究した結果、分子内に陽イオン性部位を
有し、且つα,β−エチレン性不飽和結合を有するある
特定構造の化合物と他のα,β−エチレン性不飽和単量
体を乳化重合させて得られる、特定のガラス転移温度の
乳化重合体が、セメントと混和した際に混和性に優れ、
しかも優れた早強性、接着性を有するセメント硬化体を
与えることを見出し、本発明を完成させるに到った。
即ち、本発明は、分子内に陽イオン性部位とα,β−エ
チレン性不飽和結合を有する構造式 で示される化合物(A)とα,β−エチレン性単量体
(B)を重合させて得られる。ガラス転移温度が50℃以
下なる範囲内の乳化重合体を含んで成るセメント用組成
物を提供するものである。
本発明において使用する、 構造式 で示される化合物(A)は例えば を分子内に有するα,β−エチレン性単量体(イ)と脂
肪族第3級アミン(ロ)との付加反応により容易に得ら
れる化合物である。グリシジル基を分子内に有するα,
β−エチレン性単量体(イ)について特に制限はない
が、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシ
ジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジ
ルエーテルなどが挙げられる。一方の成分である脂肪族
第3級アミン(ロ)の場合、3つのアルキル基はそれぞ
れ炭素数1〜20のアルキル基を示すが、前記した構造式
を有する化合物(A)と他のα,β−エチレン性単量体
(B)を重合して得られる乳化重合体の安定性のために
は、3個のアルキル基の内の1つ又は2つが炭素数1〜
2のアルキル基であり、残りの2つ又は1つのアルキル
基が炭素数6〜20の長鎖アルキル基であることが望まし
い。更に好ましくは3個のアルキル基の内2つはメチル
基であり、残り1つのアルキル基は炭素数6〜20の長鎖
アルキル基がよい。
前記の如き構造式を有する化合物(A)は一部市販され
ており、例えばラテムルK−120(アリルグリシジルエ
ーテルとN,N−ジメチルラウリルアミンとの付加物、花
王社製)、ラテムルK−180(アクルグリシジルエーテ
ルとN,N−ジメチルステアリルアミンとの付加物、花王
社製)などがある。
前記化合物(A)は、又、その使用に際して単独でも、
2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のセメント用組成物では前記した構造式を有する
化合物(A)を他のα,β−エチレン性単量量体(B)
と重合せしめて得られる乳化重合体を含んでなるが、当
該化合物(A)は先に述べた特公昭57−49506号公報に
開示された陽イオン性を付与するためのα,β−エチレ
ン性単量体とは化学構造の異なる、一種の陽イオン性を
有する反応性乳化剤である。この為、この化合物(A)
を用いるとポリマー粒子が陽イオン性を帯びて、本発明
の組成物をセメントに混和した際セメント中のCa++、K+
などの陽イオンに対し静電的に凝集することが少なく、
一層良好なセメント混和性を発現するものと思われる。
又、当該化合物(A)は他のα,β−エチレン性単量体
(B)と共重合し得るため、乳化重合体の水相中に溶出
する成分が少なく、該組成物をセメントに混和した際セ
メントの硬化を阻害する水溶性成分が少なくなり、この
為にセメントの早強性、接着性が優れるものと思われ
る。更に化合物(A)は分子内に存在するグリシジル基
に由来する水酸基と4級アンモニウミム基が炭素数2個
の結合を介して比較的隣接して存在しており、この両極
性基も接着性の向上に大きく寄与しているものと考えら
れる。又、α,β−エチレン性単量体(B)としては、
例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アク
リル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸の各エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、ビニル
スルフォン酸、ビニルトルエンスルフォン酸等の一塩基
酸及びこれらの塩類;イタコン酸、フマル酸、マレイン
酸等の不飽和二塩基酸及びこれらの半エステル、塩類;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド
等のα,β−エチレン性不飽和酸のアミド類;N−メチロ
ールアクリルアミド又はメタクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド等不飽和カルボン酸の置換アミド;酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニル
等のビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンの如
き芳香族ビニル化合物、ビニルピロリドンの如き複素環
式ビニル化合物;塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニ
ルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド等;塩化ビニ
リデン、フッ化ビニリデン等ハロゲン化ビニリデン化合
物;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;ジア
リルフタレート、ジビニルベンゼン、アリルアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレートの如き
1分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体、など
を挙げることができ、これらは1種もしくは2種以上で
使用される。
化合物(A)の使用割合は、α,β−エチレン性単量体
(B)100重量部に対し好ましくは0.2〜10重量部の範囲
で用いられる。化合物(A)を0.2重量部未満使用した
場合、得られる乳化重合体のセメントとの混和性やセメ
ント硬化体の早強性、接着性の改善が十分でなく、又、
10重量部を超える量を使用すると得られる乳化重合体の
粘度が著しく高くなり好ましくない。
本発明で用いられる乳化重合体は通常の乳化重合によっ
て得られる。例えば前記したα,β−エチレン性単量体
(B)は、これを一括して若しくは分割して或いは連続
的に滴下して加えてもよく、化合物(A)と水中で0〜
100℃好ましくは30〜90℃の温度にてラジカル重合され
ることにより得られる。
又、本発明の乳化重合体は触媒と金属イオンと還元剤と
の併用によるレドックス重合によっても勿論得られる。
乳化重合時には乳化剤は使用しなくとも重合可能である
が、所望により乳化剤を使用してもよい。
使用する乳化剤としては、公知慣用のカチン型乳化剤、
アニオン型乳化剤、非イオン型乳化剤、そのほか反応性
乳化剤などが挙げられる。このうち、アニオン型乳化剤
や陰イオン性を有する反応性乳化剤の場合は、本発明の
必須成分である化合物(A)の陽イオン性を減じない程
度にその使用を制限すべきである。
乳化剤の使用量は、本発明の組成物とセメントとの混和
時の発泡性、セメントの硬化遅延性、接着性を考慮する
と出来る限り少量を使用することが望ましく、通常、
α,β−エチレン性単量体(B)総量の0.1〜5重量%
程度である。
重合時には重合開始剤が通常用いられるが、当該開始剤
としては一般に乳化重合に使用されるもの(触媒)であ
れば全て使用することができ、代表的なものを挙げれ
ば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム
などの水溶性無機過酸化物もしくは過硫酸塩;クメンハ
イドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、te
rt−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化
物;アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ化合物など
であり、これらは1種もしくは2種以上にて用いられ
る。但し、前記過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムの
如く触媒の分解物が陰イオン性物質となる触媒の使用
は、本発明の必須成分である化合物(A)の陽イオン性
を減じない範囲にその使用を制限すべきである。一般に
開始剤の使用量は、α,β−エチレン性単量体総量に対
し、0.1〜2重量%程度である。
本発明の乳化重合体のガラス転移温度は50℃以下であ
り、ガラス転移温度が50℃を超えると、例えば可塑剤を
併用したとしても得られるセメント硬化体に充分な柔軟
性を付与することは困難である。
本発明のセメント用組成物をセメント、砂、(骨材)及
び水と混練せしめる際には、該組成物を固型分でセメン
ト100重量部に対し1〜100重量部、好ましくは2〜40重
量部添加混練せしめるのがよい。この添加量が1重量部
未満では、セメント硬化体の物理強度、接着性の改善が
充分になされず、100重量部を超えて添加してももはや
セメント硬化体の物理強度の改善がなされ得ない。
尚、本発明の組成物には公知の各種配合物、例えば造膜
助剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、減水剤、凍結安定剤な
どの使用は全て可能である。
〔本発明の効果〕
本発明の組成物はセメントに混和した場合、良好なる混
和性を発揮し、且つそのセメント硬化体は早強性、接着
性にも優れたものとなる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により具体的に説明する。
以下、部及び%は特断のない限り全て重量基準であるも
のとする。
実施例1 ステンレス製反応容器に脱イオン水119部、ラテムルK
−120(アクリルグリシジルエーテルとN,N−ジメチルラ
ウリルアミンの付加物の30%水溶液;花王社製)10部、
エマルゲン920(ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル;花王社製)0.5部を仕込み、窒素気流下で50℃
に加温撹拌しながら内容物を溶解せしめた。
次いで80℃に加温し、クメンハイドロパーオキサイド0.
5部を仕込み、更にアクリル酸ブチル55部、メタクリル
酸メチル45部よりなる混合物を180分間を要して滴下し
共重合せしめ、更に同温度で30分間保持して重合を完結
せしめた。
次いで30℃に冷却し、2%塩酸1部にてpHを5.0に調整
した。得られた乳化重合体は不揮発分45%、粘度120cp
s、pH5.0、理論的ポリマーガラス転移温度5℃であっ
た。これを組成物Iとする。
実施例2 ステンレス製反応容器に脱イオン水123部、ラテムルK
−180(アリルグリシジルエーテルとN,N−ジメチルステ
アリルアミンの付加物の30%水溶液;花王社製)3.3
部、ノイゲンEA170(ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル;第一工業製薬社製)2部を仕込み、窒素気
流下で50℃に加温撹拌しながら内容物を溶解せしめた。
次いで80℃に加温し、tert−ブチルハイドロパーオキサ
イド0.2部、クメンハイドロパーオキサイド0.2部を仕込
み、更にアクリル酸2−エチルヘキシル48部、スチレン
30部、メタクリル酸メチル22部よりなる混合物を180分
間を要して滴下し共重合せしめ、更に同温度で30分間保
持して重合を完結せしめた。以下実施例1と同様に処理
した。得られた乳化重合体は不揮発分45%、粘度80cp
s、pH5.1、理論的ポリマーガラス転移温度6℃であっ
た。これを組成物IIとする。
実施例3 ステンレス製反応容器に脱イオン水118部、ラテムルK
−120(アリルグリシジルエーテルとN,N−ジメチルラウ
リルアミンの付加物の30%水溶液;花王社製)6.7部、
ラテムルK−180(アリルグリシジルエーテルとN,N−ジ
メチルステアリルアミンの付加物の30%水溶液;花王社
製)3.3部を仕込み、窒素気流下で75℃に撹拌しながら
加温した。次いでtert−ブチルハイドロパーオキサイド
0.5部、酢酸ビニル55部、ベオバ10(バーサチック酸ビ
ニルエステル;オランダ国シェル社製)45部よりなる混
合物とをそれぞれ180分間を要して滴下し、共重合せし
め、更に同温度で60分間保持して重合を完結せしめた。
次いで30℃に冷却し、以下実施例1と同様に処理した。
得られた乳化重合体は不揮発分45%、粘度110cps、pH4.
9、理論的ポリマーガラス転移温度14℃であった。これ
を組成物IIIとする。
比較例1(通常のアニオンエマルジョン) ステンレス製反応容器に脱イオン水125部、エマールO
(ラウリル硫酸ソーダ;花王社製)0.5部、ノイゲンEA1
70(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;第一
工業製薬社製)3.5部を仕込み、窒素気流下で80℃に加
熱、撹拌して充分溶解せしめた。次いで過硫酸アンモニ
ウム0.5部を仕込み、更にアクリル酸ブチル55部、メタ
クリル酸メチル43部、アクリル酸2部よりなる混合物を
180分間を要して滴下し共重合せしめ、更に同温度で30
分間保持して重合を完結せしめた。
次いで30℃に冷却し、28%アンモニア水3.0部にてpH8.0
に調整した。得られた乳化重合体は不揮発分45%、粘度
90cps、pH8.0、理論的ポリマーガラス転移温度5℃であ
った。これを組成物I′とする。
比較例2(比較例1のエマルジョンにノニオン乳化剤を
添加したもの) 比較例1に記載する組成物I′100部に、ノイゲンEA170
(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;第一工
業製薬社製)3部を脱イオン水3.7部に溶解せしめたも
のを加え充分撹拌し均一に溶解せしめた。得られた乳化
重合体は不揮発分45%、粘度80cps、pH8.0であった。こ
れを組成物II′とする。
比較例3(特公昭57−49506号公報の記載に準じて得た
カチオンエマルジョン) ステンレス製反応容器に脱イオン水73部、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート蟻酸塩の50%水溶液7.8部、2
−ジメチルアミノエタンチオールハイドロクロライド0.
2部、過硫酸カリウム0.3部を仕込み、窒素気流下に撹拌
しながら70℃に加熱し、同温度で30分間保持し反応せし
めた。その後、脱イオン水40部と塩化第二鉄6水和物の
0.5%水溶液0.6部を加えた。
次に、アクリル酸ブチル55部、メタクリル酸メチル43
部、アクリル酸2部よりなる混合物及びジメチルアミノ
エチルメタクリレート蟻酸塩の50%水溶液5.2部、それ
に5%過酸化水素水8部をそれぞれ180分間を要して滴
下し共重合せしめ、更に60分間同温度に保持して重合を
完結せしめた。
次いで30℃に冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液3部
にてpHを4.5に調整した。得られた乳化重合体は不揮発
分45%、粘度110cps、pH4.5、理論的ポリマーガラス転
移温度5℃であった。これを組成物III′とする。
比較例4(カチオン性の反応性乳化剤を用いたカチオン
エマルジョン) ステンレス製反応容器に脱イオン水126部、アリルトリ
エチルアンモニウムクロライド3部、エマルゲン920
(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;花王社
製)0.5部を仕込み、窒素気流下で50℃に加温撹拌しな
がら内容物を溶解めしめた。
次いで80℃に加温し、クメンハイドロパーオキサイド0.
5部を仕込み、更にアクリル酸ブチル55部、メタクリル
酸メチル45部よりなる混合物を180分間を要して滴下し
共重合せしめ、更に同温度で30分間保持して重合を完結
せしめた。次いで30℃に冷却し、以下実施例1と同様に
処理した。
得られた乳化重合体は、不揮発分45%、粘度130cps、pH
4.8、理論的ポリマーガラス転移温度5℃であった。こ
れを組成物IV′とする。
比較例5(分子構造中に水酸基を導入したカチオンエマ
ルジョン) 比較例4に記載する組成物IV′のポリマーに水酸基を導
入すべく、単量体の混合物組成をアクリル酸ブチル55
部、メタクリル酸メチル43部β−ヒドロキシエチルメタ
クリレート2部とした。以下、比較例4と同様の手法を
繰り返した。
得られた乳化重合体は不揮発分45%、粘度110cps、pH4.
7、理論的ポリマーガラス転移温度6℃であった。これ
を組成物V′とする。
応用例1〜3及び比較応用例1〜6 実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた各組成物を第
1表に記載されるような組成割合で配合せしめ、各種の
セメントモルタルを得た。これら各種のセメントモルル
タルの20℃におけるフロー値をJIS A−5201(セメント
の物理試験方法)に準拠し、セメントモルタルの混練時
より経時的に測定し、各種セメント用組成物のセメント
混和性、即ち各種組成物をセメントに混和した際のセメ
ント配合物の可使時間を比較検討した。
尚、比較応用例6のようにセメント用組成物の使用を全
く欠如した場合の他は、いずれの例も、ポリマー/セメ
ント比10%とし、且つ全ての例における水の使用量をモ
ルタルのフロー値が混練直後で160mmになるように調整
した。
応用例4〜6及び比較応用例7〜10 実施例1〜3及び比較例2、3、5で得られたセメント
用組成物を第2表に記載されるような組成割合で配合せ
しめたものと、セメント用組成物の使用を全く欠如した
ものについて各種のセメントモルタル成形品を得た。
それぞれの成形品についての物性を比較検討した処を同
表に示すが、その内、曲げ強度と圧縮強度とはJIS A−5
201(セメントの物理試験方法)及びJIS R−6203(セメ
ント混和用ポリマーディスパージョン)に準拠して4×
4×16cmなるサイズの成形品を各別に作成し、次いでそ
れぞれの成形品を20±0.5℃、60±5%RHなる条件下で
材令7日及び28日迄気乾養生させてから測定した。
又、接着強度は30×30cmなるサイズのコンクリート板に
それぞれのセメントモルタルを厚さ5mmに各別に塗り、
次いで上述した通り養生させてから、建研式油圧接着力
試験機にてコンクリートに対する接着強度を各成形品に
付き5箇所平均で測定し、それぞれの平均をとったもの
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造式 で示される化合物(A)と、α,β−エチレン性単量体
    (B)とを重合せしめて得られるガラス転移温度が50℃
    以下の範囲にある乳化重合体を含んでなるセメント用組
    成物。
JP22411685A 1985-10-08 1985-10-08 セメント用組成物 Expired - Lifetime JPH0714830B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08317732A (ja) * 1995-05-24 1996-12-03 Hiroomi Udo 育苗用ポット及び育苗用棚装置及びそれらからなる育苗装置及び育苗方法

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