JP3092573B2 - 車両位置検出システム - Google Patents

車両位置検出システム

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JP3092573B2 JP09347147A JP34714797A JP3092573B2 JP 3092573 B2 JP3092573 B2 JP 3092573B2 JP 09347147 A JP09347147 A JP 09347147A JP 34714797 A JP34714797 A JP 34714797A JP 3092573 B2 JP3092573 B2 JP 3092573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載された
送信機からの電波にもとづいて車両の位置を検出する車
両位置検出システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高度道路交通システム(ITS)
に関して種々のシステムが実用化を目指し研究開発が進
められているが、中でもノンストップ自動料金収受シス
テム(以下、ETCシステムともいう)はほぼ実用化の
段階に到達している。このシステムは有料道路の料金収
受を直接、現金(あるいはカード)で行うのではなく、
無線通信によって、車両を識別する情報や料金計算に必
要な情報などを受け取り、料金を利用者のクレジットカ
ードなどから自動引落するもので、料金の徴収は瞬時に
完了する。そのため車両は料金所で停車する必要がなく
なり、交通渋滞の緩和に大きく貢献することが期待され
ている。
【0003】図5はETCシステムの従来例を示す構成
図である。このETCシステム102は、通信用路側送
受信装置104、通信用路側送受信装置104に接続さ
れたアンテナ106、車両位置検出装置108、車両位
置検出装置108に接続されたアンテナ110、車両検
知装置112、114、不正記録カメラ116、ならび
に各車両に搭載された、それぞれアンテナを備えた送受
信装置118を含んで構成されている。アンテナ10
6、110は地上に立設されたポール120の上部に取
り付けられ、車両の進行方向に直交して横に並設されて
いる。したがって、図5の視点からは本来アンテナ10
6はアンテナ110のかげに隠れているが、分かり易く
するため図ではアンテナ106は位置を若干移動させて
表示している。
【0004】送受信装置118は乗用車両122および
貨物車両124のダッシュボード上に設置されており、
通信用路側送受信装置104はアンテナ106を介して
各車両の送受信装置118と通信を行い、各送受信装置
118から送られてきた信号を受信し処理信号を生成し
て料金所に設けられた処理装置(図示せず)に供給す
る。処理装置は通信用路側送受信装置104からの信号
より情報を抽出して車両認識、料金計算、課金手続きな
どを行う。
【0005】ところで車両のなかには送受信装置118
を搭載していない車両もあるので、そのような車両(以
下、非ETC車ともいう)は、識別してその場で料金の
支払いを行わせる必要がある。この非ETC車を識別す
る機能は、テレビカメラを利用して車両を検知する車両
検知装置112、114と、アンテナ110と、車両位
置検出装置108とにより実現されている。動作を説明
すると、車両検知装置112、114はゾーンAおよび
ゾーンBに車両が存在するか否かを光学的に検知し、一
方、車両位置検出装置108は、アンテナ110が車両
に搭載された送受信装置118からの電波を受波して出
力する電気信号を受け取り、その電気信号にもとづいて
車両の位置を検出して車両の位置を表す位置信号を出力
する。
【0006】したがって、例えばゾーンAの車両が非E
TC車であったとすると、車両検知装置112はその車
両を検知する一方、ゾーンAの車両からは通信用の電波
が送られてこないのでこのときの車両位置検出装置10
8の検出結果がゾーンA内の位置になることはなく、し
たがって車両位置検出装置108の検出結果からはゾー
ンAには車両が存在しないことになる。すなわち、車両
検知装置112、114が車両を検知し、一方、車両位
置検出装置108によりゾーンA、B内に車両を検出で
きなかった場合には、車両検知装置112、114が検
知した車両は非ETC車であると判定できる。そして、
非ETC車には料金の支払を促す通知が不図示の表示装
置に表示され、もし車両が料金を払わず料金所を突破し
た場合には、不正記録カメラ116がその車両を撮影し
記録する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記車両位置
検出装置108は、車両に搭載された送受信装置118
から到来する電波と基準電波との角度を検出して、その
角度より車両位置を把握し、各ゾーンに車両が存在する
か否かを判定する。図5の場合には、貨物車両124か
らの電波到来角度はθ2、乗用車両122からの電波到
来角度はθ1となっており、車両位置検出装置108は
これらの角度より各ゾーンの車両の位置を検出する。こ
の方式についてはNEC技報に掲載されている論文“電
波到来角度計測の手法と通信車両判別システム”(19
97年7月、第50巻、7号、147頁)に詳述されて
いる。しかし、この方式では、到来電波の角度検出に複
雑な信号処理を行う必要があるため、車両位置検出装置
108は規模が大きく、また高価となり、これらの点で
改善が望まれていた。そこで本発明の目的は、小規模
で、かつ安価な車両位置検出システムを提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の車両位置検出シ
ステムは、車両に搭載された送信機と、地上に延設され
前記送信機からの電波を受波して前記電波に対応する電
気信号を両端部から出力するアンテナシステムと、前記
アンテナシステムが出力する前記電気信号にもとづいて
前記車両の位置を算出する車両位置検出装置とを含み、
前記アンテナシステムは、その延設方向に間隔をおいて
配列された、前記送信機からの前記電波を受波する複数
の受波部を含み、各受波部で受波した前記電波により生
起した前記電気信号を前記両端部から、各受波部の配列
の順序に対応した遅延時間で出力し、前記車両位置検出
装置は、前記アンテナシステムの前記両端部からそれぞ
れ出力される前記電気信号の時間差にもとづいて前記車
両の位置を算出し、前記アンテナシステムの前記受波部
はそれぞれアンテナにより構成され、前記アンテナシス
テムは、さらに前記アンテナに近接し各アンテナごとに
配置され対応する前記アンテナにそれぞれ接続された複
数の分岐合成器を含み、各分岐合成器はケーブルにより
直列に接続され、前記アンテナシステムの前記両端部に
配置された前記アンテナに対応する分岐合成器より前記
電気信号が出力されることを特徴とする。本発明の車両
位置検出システムでは、アンテナシステムは、車両に搭
載された送信機からの電波を受波してその電波に対応す
る電気信号を両端部から出力し、車両位置検出装置は、
電気信号がアンテナシステムの両端部からそれぞれ出力
される時間差にもとづいて車両の位置を算出する。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を実施例
にもとづき図面を参照して説明する。図1の(A)は本
発明による車両位置検出システムの一例の構成を示す側
面図、(B)は同平面図、図2は図1の車両位置検出シ
ステムの要部を詳しく示すブロック図である。図中、図
5と同一の要素には同一の符号が付されており、それら
に関する詳しい説明はここでは省略する。
【0011】この車両位置検出システム2は、有料道路
の料金所近傍に設置されてETCシステム4を構成し、
送受信装置118を搭載した車両の位置を、送受信装置
118からの電波により検出するものもである。そし
て、車両位置検出システム2は、貨物車両124、乗用
車両122などに搭載された送受信装置118と、地上
に延設され送受信装置118からの電波を受波して電波
に対応する電気信号を両端部(b点およびc点)から出
力するアンテナシステム6と、アンテナシステム6が出
力する電気信号にもとづいて車両の位置を算出する車両
位置検出装置8とを含んで構成されている。また、ET
Cシステム4は、この車両位置検出システム2の他に、
ゾーンA、Bにそれぞれ近接配置された車両検知装置1
12、114、およびゾーンAの前方に設置された不正
記録カメラ116を含んでいる。
【0012】上記アンテナシステム6は、その延設方向
に間隔をおいて配列された、送受信装置118からの電
波を受波する複数の受波部、すなわち複数のアンテナ1
0を含み、各アンテナ10で受波した電波により生起し
た電気信号を両端部から、各アンテナ10の配列の順序
に対応した遅延時間で出力する。アンテナ10はどんな
構成のアンテナでもよいが、形状的には、ストリップ線
路を用いた平面アンテナが望ましい。アンテナシステム
6はさらに、アンテナ10に近接し各アンテナ10ごと
に配置され対応するアンテナ10にそれぞれ接続された
複数の分岐合成器12を含み、各分岐合成器12はケー
ブル14により直列に接続され、アンテナシステム6の
両端部に配置されたアンテナ10に対応する分岐合成器
12より上記電気信号が出力される。アンテナ10は、
図1の(B)に示したように、道路のほぼ中央に道路の
延在方向に配列され、そしてアンテナ10、分岐合成器
12、ケーブル14は地中に埋設され、アンテナ10は
その電波放射面を上に向け路面15に露出している。
【0013】これに対して、各送受信装置118は、各
車両の底部に搭載されて送信機16(図2)と、道路表
面に向けられた内蔵のアンテナ(図示せず)を含み、送
信機16によって変調信号で変調した搬送波を上記アン
テナを通じて送信する。一方、車両位置検出装置8は、
電気信号がアンテナシステム6の両端部からそれぞれ出
力される時間差にもとづいて車両の位置を算出する。詳
しくは、車両位置検出装置8は、図2に示したように、
アンテナシステム6の両端部から出力された電気信号を
それぞれ復調して変調信号を抽出する第1および第2の
受信機18、20と、第1および第2の受信機18、2
0がそれぞれ抽出した2つの変調信号の位相差を表す信
号を出力する位相比較器22と、位相比較器22の出力
信号にもとづいて車両の位置を算出する位置算出器24
とを備え、さらに、車両がアンテナシステム6の中間の
位置に存在するとき、第1および第2の受信機18、2
0が出力する変調信号の位相が一致するように、第1の
受信機18の位相を調整して位相比較器22に出力する
初期位相調整器26を備えている。
【0014】次に、このように構成された車両位置検出
システム2の動作について説明する。貨物車両124が
図1に示したようにゾーンAに在り、貨物車両124に
搭載された送受信装置118の送信機16が図2に示し
たようにa点において、変調信号で変調した搬送波28
を送受信装置118が内蔵するアンテナを通じて送信す
ると、この電波は送信機16直下のアンテナ10により
受波される。送信機16からの電波を受波したこのアン
テナ10は電気信号を生成して同アンテナ10に接続さ
れた分岐合成器12に出力し、そして、電気信号はその
分岐合成器12よりアンテナシステム6の両端部のb点
およびc点に向け、ケーブル14および分岐合成器12
を通じて伝播し、アンテナシステム6の両端部より出力
される。
【0015】第1および第2の受信機18、20は、ア
ンテナシステム6の両端部から出力されたこの電気信号
をそれぞれ受信して復調し、変調信号を抽出する。そし
て、第1の受信機18は抽出した変調信号を初期位相調
整器26を介して位相比較器22に出力する。
【0016】つづいて、位相比較器22は、第2の受信
機20が出力する変調信号と、初期位相調整器26が出
力する変調信号との位相を比較してそれらの位相差を表
す信号を出力する。位置算出器24は、この位相比較器
22の出力信号にもとづいて貨物車両124の位置を算
出する。初期位相調整器26は、位置検出系の初期設定
をするもので構成ユニットの遅延時間のバラツキ又接続
ケーブルの遅延時間等を吸収するために使用される。例
えば、車両がアンテナシステム6の中間の位置に存在
し、中間の位置に配置されたアンテナ10が車両からの
電波を受波したときには、第1および第2の受信機1
8、20が出力する変調信号の位相は原理的には一致
(位相差0)するはずである。したがって、位相検出系
を構成した最初には、上記変調信号の位相が一致するよ
うに第1の受信機18の出力信号の位相を初期調整す
る。なお、初期位相調整器26は、この例では第1の受
信機18側に設置されているが第2の受信機20側に設
置しても良い。位置算出器24は、詳しくは次のように
して貨物車両124の位置を算出する。すなわち、アン
テナシステム6の長さをL、a点−b点間の距離とa点
−c点間の距離との差をΔL、アンテナシステム6にお
ける電気信号の伝播速度をk、a点−b点間の電気信号
の伝播時間とa点−c点間の電気信号の伝播時間との差
をΔτ、アンテナシステム6における電気信号の伝播速
度をk、位相比較器22の出力信号が表す位相差をΔ
θ、変調信号の角周波数をωs、貨物車両124のc点
を基準にした位置をxとすると、まず位置xは次の
(1)式により表され、そして(1)式に含まれるΔL
は(2)式により表され、さらに(2)式に含まれるΔ
τは(3)式によって表される。
【0017】
【数1】x=L/2+ΔL (1) ΔL=k×Δτ (2) Δτ=Δθ/ωs (3) したがって、貨物車両124のc点を基準にした位置x
は次式により表される。
【0018】
【数2】x=L/2+k*(Δθ/ωs) 位置算出器24は、この式にもとづいて貨物車両124
の位置xを算出し、算出結果を表す信号を出力する。そ
して、図1、図2の例では、位置算出器24の出力信号
(位置信号)が表す位置xはa点の位置であり、このa
点はゾーンA内に存在するので、位置算出器24の出力
信号よりゾーンAに車両(貨物車両124)が存在する
と判定できる。
【0019】したがって、従来と同様、車両検知装置1
12、114による検知結果と合わせて、車両が非ET
C車両かどうかを判定することができる。すなわち、車
両検知装置112、114が車両を検知し、一方、車両
位置検出装置8により車両を検出できなかった場合に
は、車両検知装置112、114が検知した車両は非E
TC車であると判定できる。そして、車両が非ETC車
の場合は、従来どうり、料金の支払を促す通知が不図示
の表示装置に表示され、もし車両が料金を払わず料金所
を突破した場合には、不正記録カメラ116がその車両
を撮影し記録する。
【0020】なお、本実施例では、通信用路側送受信装
置104はアンテナシステム6の一方の端部(c点)に
接続されており、アンテナ10が送受信装置118から
の電波を受波して生成した電気信号をアンテナシステム
6から取り込み、増幅、復調を行って料金所に設けられ
た処理装置(図示せず)に供給する。そして処理装置は
通信用路側送受信装置104からの信号より情報を抽出
して車両認識、料金計算、課金手続きなどを行う。
【0021】このように本実施例の車両位置検出システ
ム2では、車両位置検出装置8は、アンテナシステム6
からの2つの電気信号の位相差を検出し、検出した位相
差にもとづき簡単な演算により車両の位置を算出するの
でみであるから、その回路構成は簡素であり、したがっ
て装置規模は小さく、かつ低コストで作製できる。
【0022】また、アンテナシステム6を構成するアン
テナ10と送受信装置118のアンテナとは接近してい
るので、送受信装置118のアンテナ10の位置、すな
わち車両の位置を正確に検出することができる。さら
に、アンテナシステム6を構成するアンテナ10と送受
信装置118のアンテナとが接近していることから、微
弱電波により通信を行え、したがって電波法に制約され
ることなく自由に周波数を選択でき、設計における自由
度が増す。
【0023】そして、送受信装置118を構成する送信
機16においては特別の変調方式を用いる必要がないの
で、車両認識、料金計算などに必要な情報を送信する通
信用の送信機(図示せず)と共用することも可能であ
り、送受信装置118側でもコストダウンを図ることが
できる。また、同じ理由で、第1の受信機18と、通信
用路側送受信装置104の受信部とを共通化することが
でき、この点でもコストダウンを図ることができる。さ
らに、送受信装置118を構成する送信機16で用いる
変調信号としては、通信用路側送受信装置104との間
の通信に用いるタイミング信号などを流用してもよく、
その場合には、変調信号を生成する回路は不要となるの
で、さらにコストダウンを図ることができる。
【0024】なお、本実施例では、上述のように、車両
位置検出装置8は、電気信号がアンテナシステム6の両
端部からそれぞれ出力される電気信号の時間差にもとづ
いて車両の位置を算出するために、上記電気信号の位相
差を検出するとしたが、他の方式を採用することも可能
である。例えば、上記の時間差をパルスに変換してその
パルス幅の両エッヂでスタート、ストップがかかる高速
クロックを用いたカウンタで計数することで測定する構
成にしてもよい。この構成では、高速クロックの周波数
を高くするほど測定精度が向上することになる。なお、
この高速クロックは、通信用路側送受信装置104と送
受信装置118との間の通信に用いるタイミング信号な
どと同期をとる必要はない。
【0025】また、本実施例では、送受信装置118は
そのアンテナを路面に向けて車両の底部に取り付けられ
ているとしたが、送受信装置118のアンテナは前部や
後部に、路面に向けて取り付けることも可能である。さ
らに、アンテナシステム6は、アンテナ10を道路の中
央方向に向けて道路の側部に道路の延在方向に延設し、
車両に搭載する送受信装置118のアンテナ10は道路
側方に向け車両の上部または側部に配置する構成として
もよい。また、アンテナシステム6は、アンテナ10を
下方に向けて道路の上方に道路の延在方向に延設し、送
受信装置118のアンテナ10は上方に向け車両の上
部、前部、後部のいずれかに配置する構成とすることも
可能である。
【0026】図1、図2に示した実施例では、複数のア
ンテナ10を配列することでアンテナシステム6が構成
されているとしたが、アンテナシステム6は漏洩導体線
路により構成することも可能であり、この漏洩導体線路
としては例えば電気通信学会大会論文集に掲載の”ジグ
ザグスロット漏洩同軸ケーブルの特性”(昭和42年、
494頁)に示されている漏洩同軸導体を用いることが
できる。図3はこの漏洩同軸導体の一例を示す側面図で
ある。
【0027】図3に示した漏洩同軸導体30は、外部導
体32と中心導体34とから成り、外部導体32には1
波長に相当する間隔でスロット36(本発明に係わる電
波漏洩部)が漏洩同軸導体30の延在方向にジグザグに
形成されている。このような構造では各スロット36か
ら電波が漏洩し、漏洩同軸導体30の延在方向で連続的
に、かつ漏洩同軸導体30の延在方向にほぼ直交する方
向に広げて電波を放射することができ、したがってその
ような電波放射パターンに相当する感度分布パターンで
電波を受波することができる。漏洩同軸導体30を用い
る場合は、図1、図2のアンテナシステム6を漏洩同軸
導体30で置き換え、中心導体34の両端部から出力さ
れる電気信号を第1および第2の受信機18、20に供
給すればよい。また、漏洩同軸導体30と同様の特性を
有する漏洩導波管も実現されており、漏洩導波管を漏洩
導体線路として用いてアンテナシステム6を構成するこ
とも可能である。
【0028】次に、本発明の他の本実施例について説明
する。図4は本発明の他の実施例の構成を示す側面図で
ある。図中、図1と同一の要素には同一の符号が付され
ている。この車両位置検出システム38も上記実施例と
同様にETCシステムを構成しているが、車両位置検出
システム38では、送受信装置118(本発明に係わる
送信機を含む)は車両(図4では貨物車両124および
乗用車両122)の上部に搭載され、一方、地上には間
隔をおいて第1および第2のアンテナ40、42がそれ
ぞれポール120により車両の上方に支持されて設置さ
れている。そして、車両位置検出装置8は、送受信装置
118からの電波が第1および第2のアンテナ40、4
2により受波され、その電気信号が第1および第2のア
ンテナ40、42からそれぞれ出力される時間差により
車両の位置を算出する。この車両位置検出システム38
でも、上記実施例と同じ車両位置検出装置8を用いるの
で、上記実施例と同様の効果が得られる。
【0029】なお、この車両位置検出システム38で
は、高さ方向に誤差が生じるが、この誤差は予め推定で
きるので補正により必要な精度で車両の位置を検出する
ことができる。また、第1および第2のアンテナ40、
42のいずれかを図2に示した通信用路側送受信装置1
04に接続すれば、通信用路側送受信装置104は車両
に搭載された送受信装置118との間で通信を行うこと
ができる。この場合には、通信用のアンテナは不要とな
るので、ETCシステムの低価格化に有利となる。さら
に、第1および第2のアンテナ40、42の両方を通信
用路側送受信装置104に接続し、第1および第2のア
ンテナ40、42からの受信信号のうち品質の良い方を
選択する構成、すなわちサイトダイバーシティの構成と
すれば、車両の送受信装置118との間でより高い信頼
性を保って通信を行うことができる。
【0030】なお、上記実施例では本発明による車両位
置検出システムによりETCシステムを構成した場合を
説明したが、本発明はETCシステムに用いる場合に限
らず、移動体の位置を検出する手段として広く応用でき
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の車両位置検
出システムは、車両に搭載された送信機と、地上に延設
され前記送信機からの電波を受波して前記電波に対応す
る電気信号を両端部から出力するアンテナシステムと、
前記アンテナシステムが出力する前記電気信号にもとづ
いて前記車両の位置を算出する車両位置検出装置とを含
み、前記アンテナシステムは、その延設方向に間隔をお
いて配列された、前記送信機からの前記電波を受波する
複数の受波部を含み、各受波部で受波した前記電波によ
り生起した前記電気信号を前記両端部から、各受波部の
配列の順序に対応した遅延時間で出力し、前記車両位置
検出装置は、前記アンテナシステムの前記両端部からそ
れぞれ出力される前記電気信号の時間差にもとづいて前
記車両の位置を算出し、前記アンテナシステムの前記受
波部はそれぞれアンテナにより構成され、前記アンテナ
システムは、さらに前記アンテナに近接し各アンテナご
とに配置され対応する前記アンテナにそれぞれ接続され
た複数の分岐合成器を含み、各分岐合成器はケーブルに
より直列に接続され、前記アンテナシステムの前記両端
部に配置された前記アンテナに対応する分岐合成器より
前記電気信号が出力されることを特徴とする。システム
の主要構成要素である車両位置検出装置は、アンテナシ
ステムから出力される電気信号の時間差にもとづき車両
の位置を算出するのでみであるから簡素な構成で実現で
き、したがってシステムの小規模化および低コスト化が
可能となる。また、アンテナシステムを構成するアンテ
ナと送信機とは接近した状態で送受信を行う構成とでき
るので、送信機の位置、すなわち車両の位置を正確に検
出することができる。さらに、アンテナシステムを構成
するアンテナと送信機とが接近した状態にできることか
ら、微弱電波により通信を行え、したがって電波法に制
約されることなく自由に周波数を選択でき、設計におけ
る自由度が高まる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による車両位置検出システムの
一例の構成を示す側面図、(B)は同平面図である。
【図2】図1の車両位置検出システムの要部を詳しく示
すブロック図である。
【図3】漏洩同軸導体の一例を示す側面図である。
【図4】本発明の他の実施例の構成を示す側面図であ
る。
【図5】車両位置検出装置を含むETCシステムの従来
例を示す構成図である。
【符号の説明】
2……車両位置検出システム、4……ETCシステム、
6……アンテナシステム、8……車両位置検出装置、1
0……アンテナ、12……分岐合成器、14……ケーブ
ル、16……送信機、18……第1の受信機、20……
第2の受信機、22……位相比較器、24……位置算出
器、26……初期位相調整器、28……搬送波、30…
…漏洩同軸導体、32……外部導体、34……中心導
体、36……スロット、38……車両位置検出システ
ム、40……第1のアンテナ、42……第2のアンテ
ナ、102……ETCシステム、104……通信用路側
送受信装置、106……アンテナ、108……車両位置
検出装置、110……アンテナ、112……車両検知装
置、114……車両検知装置、116……不正記録カメ
ラ、118……送受信装置、120……ポール、122
……乗用車両、124……貨物車両。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−230113(JP,A) 特開 平4−215016(JP,A) 特開 平9−287908(JP,A) 特開 平9−16886(JP,A) 特開 平4−190183(JP,A) 特開 昭53−40910(JP,A) 特開 昭50−62659(JP,A) 実開 平2−92507(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 - 1/16

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された送信機と、 地上に延設され前記送信機からの電波を受波して前記電
    波に対応する電気信号を両端部から出力するアンテナシ
    ステムと、 前記アンテナシステムが出力する前記電気信号にもとづ
    いて前記車両の位置を算出する車両位置検出装置とを含
    み、 前記アンテナシステムは、その延設方向に間隔をおいて
    配列された、前記送信機からの前記電波を受波する複数
    の受波部を含み、各受波部で受波した前記電波により生
    起した前記電気信号を前記両端部から、各受波部の配列
    の順序に対応した遅延時間で出力し、 前記車両位置検出装置は、前記アンテナシステムの前記
    両端部からそれぞれ出力される前記電気信号の時間差に
    もとづいて前記車両の位置を算出し、 前記アンテナシステムの前記受波部はそれぞれアンテナ
    により構成され、前記アンテナシステムは、さらに前記
    アンテナに近接し各アンテナごとに配置され対応する前
    記アンテナにそれぞれ接続された複数の分岐合成器を含
    み、各分岐合成器はケーブルにより直列に接続され、前
    記アンテナシステムの前記両端部に配置された前記アン
    テナに対応する分岐合成器より前記電気信号が出力され
    ることを特徴とする車両位置検出システム。
  2. 【請求項2】 前記アンテナシステムは、前記受波部を
    道路の中央方向に向けて、道路の側部に道路の延在方向
    に延設され、車両に搭載された前記送信機のアンテナは
    道路側方に向けて配置されていることを特徴とする請求
    項1記載の車両位置検出システム。
  3. 【請求項3】 前記送信機の前記アンテナは前記車両の
    上部または側部に取り付けられていることを特徴とする
    請求項記載の車両位置検出システム。
  4. 【請求項4】 前記アンテナシステムは、前記受波部を
    下方に向けて、道路の上方に道路の延在方向に延設さ
    れ、車両に搭載された前記送信機のアンテナは上方に向
    けて配置されていることを特徴とする請求項1記載の車
    両位置検出システム。
  5. 【請求項5】 前記送信機の前記アンテナは前記車両の
    上部、前部、後部のいずれかに取り付けられていること
    を特徴とする請求項記載の車両位置検出システム。
  6. 【請求項6】 前記送信機は、変調信号により搬送波を
    変調して送信し、前記車両位置検出装置は、前記アンテ
    ナシステムの前記両端部から出力された前記電気信号を
    それぞれ復調して前記変調信号を抽出する第1および第
    2の受信機と、 前記第1および第2の受信機がそれぞれ抽出した2つの
    前記変調信号が供給され、供給された2つの前記変調信
    号の時間差を表す信号を出力する時間差検出手段と、 前記時間差検出手段の出力信号にもとづいて前記車両の
    位置を算出する位置算出器と、 を含んで構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の車両位置検出システム。
  7. 【請求項7】 前記時間差検出手段は、前記変調信号の
    位相差を表す信号を出力する位相比較器により構成され
    ていることを特徴とする請求項記載の車両位置検出シ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記車両位置検出装置の初期設定をする
    ために、第1或いは第2の受信機の位相を調整する初期
    位相調整器をさらに含むことを特徴とする請求項記載
    の車両位置検出システム。
  9. 【請求項9】 前記アンテナシステムの長さをL、前記
    アンテナシステムにおける前記電気信号の伝播速度を
    k、前記位相比較器の出力信号が表す位相差をΔθ、前
    記変調信号の角周波数をωsとして、前記位置算出器
    は、前記アンテナシステムの一方の端部を基準にした前
    記車両の位置xを、x=L/2+k*(Δθ/ωs)に
    より算出することを特徴とする請求項記載の車両位置
    検出システム。
  10. 【請求項10】 有料道路の料金所の近傍に設置されて
    いることを特徴とする請求項1記載の車両位置検出シス
    テム。
  11. 【請求項11】 ノンストップ自動料金収受システムを
    構成することを特徴とする請求項1記載の車両位置検出
    システム。
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