JP3092017B2 - ロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置 - Google Patents

ロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置

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JP3092017B2 JP6466491A JP6466491A JP3092017B2 JP 3092017 B2 JP3092017 B2 JP 3092017B2 JP 6466491 A JP6466491 A JP 6466491A JP 6466491 A JP6466491 A JP 6466491A JP 3092017 B2 JP3092017 B2 JP 3092017B2
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロックアップクラッチ
付自動変速機のロックアップクラッチ制御に関するの
で、特に、トルクコンバータを直結するロックアップク
ラッチ制御のタイミングに関するロックアップクラッチ
付自動変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、トルクコンバータは、エンジン
からの動力がエンジンの出力軸に直結されたポンプの回
転によって流体の運動エネルギに変換し、その流れがタ
ービンを回転させて出力軸に動力を伝達するものである
から、トルクコンバータにはスリップによる動力損失が
生じる。この損失を防ぐためにトルクコンバータの入力
軸と出力軸を機械的に直結するロックアップクラッチを
有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種のロックアップ
クラッチ付自動変速機では、ロックアップクラッチの係
合時にアクセルをオン(係合)−オフ(係合解除)した
場合のショック低減のために、及びロックアップクラッ
チ係合時に急制動を駆けた場合のエンスト防止のため
に、スロットル開度が0[%]でロックアップクラッチ
を解放しているものがある。この技術は特開昭57−1
84751号公報で公知である。
【0004】しかし、トラック等では排気ブレーキのオ
ンのときに、ロックアップクラッチの係合を解放すると
トルクコンバータのスリップによって充分なエンジンブ
レーキが効かなくなることから、排気ブレーキの効きを
良くするために、スロットル開度0[%]でロックアッ
プクラッチをオフすることができない。
【0005】そこで、本発明は、ロックアップクラッチ
係合時に急制動した場合、エンストを防止できるロック
アップクラッチ付自動変速機の制御装置の提供を課題と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるロック
アップクラッチ付自動変速機の制御装置は、トルクコン
バータのスリップによる動力損失を防止するために、ト
ルクコンバータの入出力軸を係合させるロックアップク
ラッチ付自動変速機において、ロックアップクラッチの
係合時にブレーキ信号が検出されたとき、ロックアップ
クラッチの係合を解除し、ブレーキ信号検出後、所定時
間経過後の車両の減速度が所定の減速度以下のときの
み、再度、ロックアップクラッチを係合状態とするもの
である。
【0007】
【作用】この発明においては、トルクコンバータの入出
力軸を機械的に結合させるロックアップクラッチ付自動
変速機において、ロックアップクラッチの係合時にブレ
ーキ信号が検出されたときは、一度、ロックアップクラ
ッチの係合を解放し、ブレーキ信号を検出後、所定時間
経過後の車速状態をみて、エンジンブレーキの必要性を
判断し、車両の減速度が所定の減速度以下になっている
、エンジンブレーキが必要なときであるから、再度、
ロックアップクラッチを係合し、エンジンブレーキ及び
排気ブレーキの効きをよくする。また、エンジンブレー
キの必要性を判断し、所定減速度より大きいとき、車速
が所定車速より小さいときには、エンストを回避するよ
うにロックアップクラッチの係合解除を継続する。
【0008】
【実施例】図1は本発明の一実施例のロックアップクラ
ッチ付自動変速機の制御装置の機械的構成の要部説明図
である。
【0009】図1において、トルクコンバータ1はロッ
クアップクラッチ2を有する公知の流体継手である。公
知のように、トルクコンバータ1はオイルクーラ側の管
路、プライマリレギュレータバルブ及びセコンダリレギ
ュレータバルブ側の管路を有している。また、ロックア
ップクラッチ2はロックアップコントロールバルブ3の
出力ポート側に接続されている。前記ロックアップコン
トロールバルブ3の入力ポート側にはライン圧が入力さ
れおり、そのライン圧がロックアップコントロールバル
ブ3を介してロックアップクラッチ2に導かれる。この
ロックアップコントロールバルブ3はライン圧をロック
アップバルブ4で制御することによってロックアップコ
ントロールバルブ3の開閉を制御している。
【0010】したがって、ロックアップバルブ4でロッ
クアップコントロールバルブ3を開放したとき、ロック
アップクラッチ2にライン圧が導かれ、ロックアップク
ラッチを係合状態とし、ロックアップバルブ4でロック
アップコントロールバルブ3を閉鎖したとき、ロックア
ップクラッチ2のライン圧が排出され、ロックアップク
ラッチの係合を解放状態とする。
【0011】図2は本発明の一実施例のロックアップク
ラッチ付自動変速機の制御装置の電気的構成の要部ブロ
ック回路図である。
【0012】図2において、制御回路10はマイクロコ
ンピュータ等からなり、変速段を決定する変速制御回路
部11及びロックアップクラッチ2の開閉を制御するロ
ックアップ制御回路部12を有している。前記制御回路
10には、車速をその出力パルス数で出力する車速セン
サ13、スロットル開度の状態を出力するスロットルセ
ンサ14、変速段の位置を検出するシフトポジションセ
ンサ15の信号、フットブレーキの踏込みを検出するフ
ットブレーキスイッチ16の信号を入力している。特
に、本実施例の変速制御回路部11は、車速センサ1
3、スロットルセンサ14、シフトポジションセンサ1
5の信号を入力し、また、ロックアップ制御回路部12
は、車速センサ13、スロットルセンサ14、シフトポ
ジションセンサ15、フットブレーキスイッチ16の信
号を入力している。
【0013】そして、変速制御回路部11の出力は、ド
ライバ17,18,19を介して、自動変速機が内蔵す
る補助変速機の変速比を決定するシフトソレノイドA2
0、シフトソレノイドB21、シフトソレノイドC22
を駆動する。このシフトソレノイドA20、シフトソレ
ノイドB21、シフトソレノイドC22の駆動は、走行
条件や、ドライバーの好みに応じて設けたメモリマップ
に格納したシフトパターンの、“エコノミー”,“ノー
マル”,“パワー”の設定により、車速及びスロットル
開度に応じたシフトパターンによって制御される。
【0014】また、ロックアップ制御回路部12は、
“エコノミー”,“ノーマル”,“パワー”の選択によ
り、車速及びスロットル開度に応じたシフトパターンに
よって決定されているロックアップクラッチ作動領域
で、ドライバ23を介して、ロックアップクラッチ2を
係合状態または解除状態とするロックアップソノイド2
4を駆動制御する。
【0015】上記のように構成された本実施例のロック
アップクラッチ付自動変速機の制御装置の制御回路10
は、次のように制御される。
【0016】図3は本発明の一実施例のロックアップク
ラッチ付自動変速機の制御装置の制御回路10を動作さ
せるプログラムのフローチャートである。なお、このプ
ログラムはイグニッションスイッチのオンと同時にスタ
ートする。
【0017】図3において、ステップS1で初期設定を
行ない、ステップS2で車速センサ13、スロットルセ
ンサ14、シフトポジションセンサ15の信号、フット
ブレーキスイッチ16の信号を読込み、車速及びスロッ
トル開度に応じたシフトパターンによって、ドライバ1
7,18,19を介してシフトソレノイドA20、シフ
トソレノイドB21、シフトソレノイドC22を駆動
し、自動変速機が内蔵する補助変速機の変速比を決定す
る。また、車速及びスロットル開度に応じたシフトパタ
ーンで決定されているロックアップクラッチ作動領域
で、ロックアップクラッチ2を係合または解放制御す
る。なお、この変速&ロックアップクラッチ制御ルーチ
ンは公知であり、本発明の要旨に直接関係しないので、
その説明を省略する。
【0018】ステップS3でロックアップクラッチ2が
係合状態であるか判断し、係合状態でないとき、ステッ
プS2からステップS3のルーチンを繰返し実行する。
ステップS4でスロットル開度が0[%]でないとき、
ステップS5でフットブレーキスイッチ16がオフから
オンに変化しなかったときも同様に、ステップS2から
ステップS5のルーチンを繰返し実行する。
【0019】ステップS3、ステップS4、ステップS
5でロックアップクラッチ2が係合状態であり、スロッ
トル開度が0[%]であり、しかも、フットブレーキス
イッチ16がオフからオンに変化したと判断したとき、
ステップS6で所定時間Tと比較するタイマtをリセッ
トし、ステップS7でそのタイマtをスタートさせ、ス
テップS8でそのときの車速V1 を読込み、ステップS
9でロックアップバルブ4をによってロックアップクラ
ッチ2の係合解除を行なう。ステップS10で所定時間
Tの経過を計測し、タイマtの経過時間が、T≦tであ
るか判断する。この所定時間Tは通常1秒以下程度、大
きくても数秒以下程度に設定され、エンジンブレーキ、
排気ブレーキの効きを利用して走行するに、影響のない
値として設定され、また、車速変化を判断するに足る時
間のうち、できるだけ、短い時間が設定される。
【0020】ステップS10でこのルーチンに入って所
定時間Tだけ経過していることが判断されると、ステッ
プS11で車速センサ13の出力をみて車速V2 を読込
む。そして、ステップS12で減速度aを演算する。こ
の減速度aは a=dv/dt =d(V1 −V2)/dt (但し、符号の正
は減速) で演算される。
【0021】ステップS13で減速度aが所定の減速度
閾値αより大きいか判断し、減速度aが所定の減速度閾
値αより大きくないとき、エンジンブレーキ、排気ブレ
ーキの効きを利用して走行中であるから、ステップS2
からルーチンで、再度、ロックアップクラッチ2の係合
を行なわせる。
【0022】また、ステップS13で減速度aが所定の
閾値αより大きいと判断したとき、ステップS6からス
テップS13のルーチンを繰返し実行し、このときに
は、急激なブレーキの効きを期待するものであるから、
ロックアップクラッチ2の係合解除を継続し、急ブレー
キによってエンジン停止に陥るのを回避する。
【0023】次に、図4及び図5を用いて、本実施例の
ロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置の動作を
説明する。
【0024】図4は本発明の一実施例のロックアップク
ラッチ付自動変速機の制御装置の減速度が所定値より大
きい場合の動作のタイミングチャートである。図5は本
発明の一実施例のロックアップクラッチ付自動変速機の
制御装置の減速度が所定値以下の場合の動作のタイミン
グチャートである。
【0025】図4は、急ブレーキによる制動の事例で、
スロットル開度が0[%]に低下し(a参照)、次に、
フットブレーキを急激に踏込んだ場合(b参照)、車速
はフットブレーキの踏込みに応じて急速に低下し(c参
照)、エンジン回転数も急速に低下する(d参照)。こ
のとき、車速の低下が大きいから、ロックアップクラッ
チ2の係合解除を継続し(e参照)、急ブレーキによっ
てエンジン停止に陥ることがない。
【0026】図5は、エンジンブレーキ、排気ブレーキ
の効きを利用した走行中の事例で、スロットル開度が0
[%]に低下し(a参照)、次に、フットブレーキを軽
く踏込んだ場合(b参照)、車速はフットブレーキの踏
込みに応じて低下し(c参照)、エンジン回転数も低下
する(d参照)。しかし、車速は徐々に低下するもので
あるから、再度、ロックアップクラッチ2の係合を行な
い(e参照)、エンジンブレーキ、排気ブレーキの効き
を利用した走行に戻している。
【0027】なお、本実施例では、所定時間T経過後の
車速の所定条件として、減速度が所定の減速度以下のと
きとしているが、本発明を実施する場合の減速度の判断
は、車速の変化の状態を判断するものであるから、その
基準を直接車速とすることもできる。また、両者を同時
に車速の所定条件として使用することもできる。
【0028】このように、上記実施例のロックアップク
ラッチ付自動変速機の制御装置は、トルクコンバータ1
のスリップによる動力損失を防止するために、トルクコ
ンバータ1の入出力軸を機械的に結合させるロックアッ
プクラッチ付自動変速機において、ロックアップクラッ
チ2の係合時にブレーキ信号が検出されたとき、ロック
アップクラッチ2の係合を解放し、ブレーキ信号検出
後、所定時間T経過後の車速が所定条件のときのみ、再
度、ロックアップクラッチ2を係合するものである。そ
して、前記所定時間T経過後の車速の所定条件として、
減速度が所定の減速度以下のとき、または車速が所定の
車速以上のときには、エンジンブレーキ、排気ブレーキ
を利用した走行状態下にあるから、この際、ロックアッ
プクラッチ2の係合を継続して、エンジンブレーキ、排
気ブレーキの効きを良くする。また、減速度が所定の減
速度以下のとき、または車速が所定の車速以上のときに
は、ロックアップクラッチ2が係合されていてもエンス
トに陥る可能性が低い。
【0029】逆に、ロックアップクラッチ2の係合解除
を継続する場合には、所定時間T経過後の車速の所定条
件として、減速度が所定の減速度より大きいとき、また
は車速が所定の車速より低いときであり、当然として、
エンジン回転数が低下するときであるから、エンストに
陥る可能性が防止できる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明のロックアップ
クラッチ付自動変速機の制御装置は、ロックアップクラ
ッチの係合時にブレーキ信号が検出されたとき、ロック
アップクラッチの係合を解放し、ブレーキ信号検出後、
所定時間経過後の車両の減速度が所定の減速度以下のと
きのみ、再度、ロックアップクラッチを係合するもので
ある。したがって、ロックアップクラッチの係合を継続
する場合は、エンジンブレーキ、排気ブレーキの効きを
良くする場合に限られ、減速度が所定の減速度より大き
いときまたは車速が所定の車速より低いときには、エン
ジン回転数が低下するときであるから、ロックアップク
ラッチを係合解除状態とし、エンストに陥るのを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施例のロックアップクラ
ッチ付自動変速機の制御装置の機械的構成の要部説明図
である。
【図2】 図2は本発明の一実施例のロックアップクラ
ッチ付自動変速機の制御装置の電気的構成の要部ブロッ
ク回路図である。
【図3】 図3は本発明の一実施例のロックアップクラ
ッチ付自動変速機の制御装置の制御回路を動作させるプ
ログラムのフローチャートである。
【図4】 図4は本発明の一実施例のロックアップクラ
ッチ付自動変速機の制御装置の減速度が所定値より大き
い場合の動作のタイミングチャートである。
【図5】 図5は本発明の一実施例のロックアップクラ
ッチ付自動変速機の制御装置の減速度が所定値以下の場
合の動作のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 ロックアップクラッチ 10 制御回路 11 変速制御回路部 12 ロックアップ制御回路部 13 車速センサ 14 スロットルセンサ 15 シフトポジションセンサ 16 フットブレーキスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−120566(JP,A) 特開 平1−141272(JP,A) 特開 昭61−171631(JP,A) 特開 平2−253048(JP,A) 特開 昭57−65455(JP,A) 特開 昭61−167769(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 59/48 B60K 41/00 - 41/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクコンバータのスリップによる動力
    損失を防止するために、トルクコンバータの入出力軸を
    機械的に結合させるロックアップクラッチを有している
    ロックアップクラッチ付自動変速機において、 上記ロックアップクラッチの係合時にブレーキ信号が検
    出されたとき、ロックアップクラッチの係合を解除し、
    ブレーキ信号検出後、所定時間経過後の車両の減速度が
    所定の減速度以下のときのみ、再度、ロックアップクラ
    ッチを係合することを特徴とするロックアップクラッチ
    付自動変速機の制御装置。
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