JP3091431U - 充填製蓋 - Google Patents

充填製蓋

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グレーチングや化粧板等の各種蓋板を表面に
設けることができ、更には、充填製蓋全体を軽量化する
ことができる充填製蓋を提供する。 【解決手段】 側溝82に載置される充填製蓋10は、
鉄骨などを格子状に組み立てた配筋14により内部骨格
が形成されており、配筋14は、型枠12に溶接固定さ
れている。また、充填製蓋10の略中央部には、中枠2
0が設けられており、配筋14に溶接固定されている。
中枠20は、グレーチング26の大きさ,形状に合わせ
て形成されており、充填製蓋10と同じ厚みに設定され
ている。中枠20の内側には、仕上がりにおいてグレー
チング26と充填製蓋10の表面が略同一となる位置
に、受部22が溶接固定されている。このような型枠1
2と中枠20の間にコンクリートなどの充填材18を流
し込み、加熱養生により凝固させ、充填製蓋10を得
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、グレーチングや化粧板などの各種蓋板を表面に設けた充填製蓋に関 するものである。
【0002】
【背景技術】
一般道路、特に舗道においては、路面上の雨水を集水及び排水するために、道 路脇や歩車道の境界にU型の側溝が設置されており、この側溝は、通常、鉄筋コ ンクリートで形成された板状の充填製蓋や、排水部材のグレーチングで覆われて いる。この他にも路面には、用途に応じて、縞鋼板や、各種マークやデザインが 施された鉄,SUS,鋳物製などの各種蓋板が設置されている。
【0003】 まず、上述した充填製蓋の例としては、図7に示すようなものがある。同図( A)は正面図,同図(B)は断面図である。これらの図に示す充填製蓋100は 、鉄板などで形成された枠106の内側に、鉄骨などを井桁状に組み立てた配筋 102による内部骨格が設けられている。前記配筋102の端部は、スペーサ1 04によって支持されており、配筋102が、充填製蓋100の底部に沈まない ように支持されている。スペーサ104は、前記枠106との間に若干の隙間が できる位置に設置されている。
【0004】 そして、以上のような構成の配筋102,スペーサ104,枠106を、剥離 剤などを塗布した鉄板116上に載置し、枠106の内側に充填材114を流し 込んで所定時間加熱養生することにより、充填製蓋100が得られる。充填製蓋 100は、鉄板116より剥がして使用される。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
一方、上述したグレーチングは、所定の側溝形状に合わせて形成される充填製 蓋100と略同一の厚みを有する必要があり、全体としての重量が増す。このた め、運搬ならびに設置作業が困難であるのみならず、材料の使用量が多いため、 コストも増大するという不都合がある。
【0006】 また、縞鋼板や、各種マークやデザインが施された鉄,SUS,鋳物製などの 路面に設置される各種蓋板は、平板状で厚みが薄いため、充填製蓋100の一部 として設けることはできない。このため、前記平板状の各種蓋板については、そ れらを設置する1区画を全て同じ材質の金属などによって形成する必要があり、 その結果、蓋板重量が増し、作業性の低下やコストの増大を招くという不都合が ある。
【0007】 本考案は、以上の点に着目したもので、その目的は、グレーチングや化粧板等 の各種蓋板を表面に設けることができ、更には、充填製蓋全体を軽量化すること ができる充填製蓋を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本考案は、表面に蓋板を設けた充填製蓋であって、 前記蓋板の周囲に設けられており、前記充填製蓋と略同一の厚みを有する第1の 型枠;該第1の型枠の内側側面に設けられており、前記蓋板を支持する受部;を 備えたことを特徴とする。主要な形態の一つは、前記第1の型枠の周囲に、該第 1の型枠を充填材中に固定するための固定手段を設けたことを特徴とする。他の 形態は、前記受部に排水部を設けたことを特徴とする。更に他の形態は、前記蓋 板が、グレーチング,鉄蓋,SUS蓋,鋳物蓋のいずれかであることを特徴とす る。更に他の形態は、前記充填製蓋の周囲に第2の型枠を設け、第1及び第2の 型枠を配筋によって接合したことを特徴とする。本考案の他の目的,特徴,利点 は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0009】
【考案の実施の形態】
<実施形態1>……以下、本考案の実施の形態について詳細に説明する。まず 、図1〜図3を参照して、実施形態1について説明する。本実施形態は、側溝上 に載置される充填製蓋に、蓋板としてグレーチングを設けた例である。図1には 、本考案にかかる充填製蓋10の主要部が示されている。図2(A)は正面図で あり、図中の#A−#A線に沿って矢印方向に見た切断面が同図(B)に示され ている。図3は、充填材の流し込みの様子を示す図である。
【0010】 充填製蓋10は、その端部を、道路80の脇の側溝82に形成された受部84 で受けるようにして載置されるものである。この充填製蓋10の略中心部には中 枠20が設けられており、この中枠20に、排水部材であるグレーチング26が 取り付けられている。前記グレーチング26は、その表面が、充填製蓋10の表 面と略同一となるように、充填製蓋10に収納支持されている。
【0011】 これらの図に示すように、充填製蓋10には、鉄骨などを格子状に組み立てた 配筋14が設けられており、これが充填製蓋10の内部骨格を形成している。配 筋14は、まず型枠12に溶接固定されている。また、前記中枠20は、配筋1 4と接する取付部16を、配筋14に溶接することで固定され、充填製蓋10か らの抜け落ちが防止される。
【0012】 図示の例では、中枠20を充填製蓋10の略中央部に設けているが、その取付 位置及び取付数は、必要に応じて適宜変更が可能である。このとき、配筋14と 中枠20との間に補助用の鉄骨パイプを溶接固定するようにしてもよい。あるい は、配筋14に直接固定するのではなく、中枠20の周囲に、鉄骨やフランジ状 の突出物を溶接固定し、これによって、コンクリートなどの充填材18に固定す るようにしてもよい。
【0013】 前記中枠20は、充填製蓋10に設けられるグレーチング26の周囲を巻回す るように設けられており、予め、グレーチング26の大きさ,形状に合わせて鉄 板などを枠状に加工して形成されている。また、充填製蓋10内に固定されたと きに、表面が面一となるように、充填製蓋10と同じ厚みHに設定されている。 このような中枠20の内側には、仕上がり状態においてグレーチング26表面と 充填製蓋10の表面が略同一面となるようにグレーチング26を支持する受部2 2が設けられている。
【0014】 受部22は、断面略L字形状の鉄板などで構成されており、前記中枠20の内 側に沿って溶接固定されている。この受部22によって、グレーチング26を支 持することにより、充填製蓋10の厚みHよりも薄い厚みHGのグレーチング2 6を充填製蓋10の表面と同一面位置となるように設けることが可能となる。
【0015】 このような型枠12に、充填材18を流し込む場合には、例えば、図3に示す ように、前記型枠12を鉄板などの作業板28上に裏返して行う。このとき、中 枠20の上端面が、型枠12の上端面と同一面上にあるため、型枠12と作業板 28との間に隙間ができず、充填材18が漏れる恐れはない。充填材18は、型 枠12と中枠20の間に流し込まれるため、中枠20の内側は中空となる。この ため、充填製蓋10全体の軽量化を図ることできる。充填材18は、その後加熱 養生しながら所定時間放置されて凝固する。このように加熱凝固した充填製蓋1 0は、図1に示したように、側溝82の受部84に載置される。
【0016】 このように、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。 (1)グレーチング26の厚みに合わせて中枠20に受部22を設け、該受部に よってグレーチング26を支持することとしたので、グレーチング26の厚みを 薄く設定することができる。これにより、充填製蓋10全体の軽量化を図ること ができるとともに、コスト削減にも有効となる。 (2)グレーチング26の形状,大きさに合わせて中枠20を形成することとし たので、用途に応じて、各種の形状や大きさのグレーチングを充填製蓋10に設 けることが可能となる。グレーチング26は、ハイヒールの踵がひっかかるなど の点からは通行に支障をきたす可能性のあるものであるが、その面積を狭くする ことでそのような障害を低減できる。
【0017】 <実施形態2>……次に、本考案の実施形態2について、図4を参照しながら 説明する。上述した実施形態1では、蓋板として排水部材であるグレーチング2 6を充填製蓋10に設けたが、本実施形態では、蓋板に排水部がない場合に路面 排水を良好に行うために、中枠内の受部に排水部を設けた例が示されている。な お、上述した実施形態に対応する構成要素には、同一の符号を用いることとする 。以下の実施形態についても同様である。
【0018】 図4(A)の例は、充填製蓋30の中枠32には、縞目模様が施された縞鋼板 36が嵌め込まれている。上述した実施形態1では、受部が中枠の内側に沿って 一周するように設けられていたが、本実施形態では、同図(A)に示すように、 中枠32と縞鋼板36との隙間37に入り込んだ雨水などを排水するために、受 部34は、中枠32の四隅にのみ設けられている。このように、受部34を部分 的に設けることにより、縞鋼板36に排水部が設けられていない場合でも、隙間 37から入り込んだ水が、各受部34の間から中枠32の内側に沿って排出され る。
【0019】 同図(A)に示す例では、中枠32の四隅に受部34を設けたが、同図(B) に示すように、中枠32の内側側面の対向位置に受部34を設けるなど、四隅以 外に設けるようにしてもよい。また、上述した実施形態1の受部22に、隙間2 4に入り込んだ雨水などを排水するためのスリットや孔などを設けるようにして もよい。更に、同図(B)に示すように、蓋板である縞鋼板36自体に、排水孔 38を設けるようにしてもよい。
【0020】 <実施形態3>……次に、本考案の実施形態3について、図5を参照しながら 説明する。本実施形態は、充填製蓋のデザイン性を向上させた例である。上述し た実施形態1では、充填製蓋10の表面は充填材18により形成されているが、 図5(A)及び(B)に示す充填製蓋40のように、タイル42で表層すること により、デザイン性を向上させることが可能である。このとき、同図(B)に断 面を示すように、タイル42の表面を、型枠12及び中枠20の上端面と同位置 になるように配置することにより、面一な充填製蓋40を得ることができる。更 に、タイル42として、周囲の道路面の表層に用いられているタイルと同じもの を利用することにより、都市景観が向上する。グレーチング26に模様などを付 けるようにしてもよい。
【0021】 <他の実施形態>……次に、本考案の他の実施形態について、図6を参照しな がら説明する。上述した実施形態では、1枚の充填製蓋の一箇所に蓋板が設けら れていたが、図6(A)に示す例では、覆工板の仕切板の左右に位置する充填製 蓋に跨って蓋板が設けられている。覆工板50は、型枠52内が仕切板54によ って、3つの充填部50A,50B,50Cに分かれており、覆工板50底部全 体が、後述するグレーチング部分を除いて強度補強のための鉄板となっている。 そして、前記各充填部50A〜50Cの仕切板54に跨って、中枠56が設けら れており、その内側にグレーチング26が設けられている。
【0022】 上述した実施形態では、蓋板としてグレーチング及び縞鋼板を利用したが、図 6(B)及び(C)に示すように、各種デザインの蓋板を利用することができる 。例えば、同図(B)に示す充填製蓋60は、中枠62に、排水孔68が設けら れた鋳物による柄物蓋66が嵌め込まれており、デザイン性の向上を図ることが できる。本例においては、上述した実施形態2と同様に、柄物蓋66の周囲の水 を排水するため、受部64が適宜間隔をおいて中枠62の内側に設けられている 。
【0023】 同図(C)に示す充填製蓋70では、略円形の中枠72に、マークが浮き彫り に施された鋳物蓋76が嵌め込まれている。本例においても、鋳物蓋76自体に 排水手段が設けられていないため、受部74は排水通路となる間隔をおいて、部 分的に中枠72に設けられている。このように、各種マークが施された鋳物蓋7 6を充填製蓋の任意の場所に取り入れることにより、独自性を出すことができる 。例えば、役所,学校,遊園地,空港などの施設周辺において、それら施設を表 すようなデザインの蓋板を使用することで、利用者の目印とするなどである。
【0024】 本考案には、数多くの実施形態があり、以上の開示に基づいて多様に改変する ことが可能である。例えば、次のようなものも含まれる。 (1)上述した実施形態では、側溝に載置される充填製蓋に本考案を適用したが 、一般道路,学校,老人ホーム,厨房,イベントホール,スーパーマーケットな ど、各種場所に設けられる充填製蓋に適用してよい。 (2)充填製蓋に設ける蓋板としては、上述したグレーチング,縞鋼板,鋳物蓋 に限定されることなく、必要に応じて各種蓋板が利用可能である。また、その大 きさ,形状,厚みについても適宜変更可能してよい。蓋板は、中枠もしくは受部 に接合固定してもよいし、着脱自在としてもよい。 (3)上述した充填製蓋の大きさ,形状は一例であり、必要に応じて適宜変更し てよい。また、上述した実施形態では、充填製蓋の周囲に型枠を設けることとし たが、図7のように配筋を支持することで、型枠を省略するようにしてもよい。 (4)充填材としては、通常のコンクリートのほか、硬質樹脂や透水性コンクリ ートなど各種のものがあり、それらのいずれを使用してもよい。 (5)前記実施形態を組み合わせた形態とすることも妨げられない。
【0025】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、蓋板の形状,大きさに合わせて中枠を 形成するとともに、蓋板の厚みに応じて前記中枠に受部を設けることとしたので 、 (1)用途に応じて各種の厚みの蓋板を充填製蓋に設けることができる, (2)蓋板の厚みを薄く設定することにより、充填製蓋全体の軽量化を図り、作 業性の向上を図ることができる, という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施形態1の主要部を示す図である。
【図2】前記形態の正面及び断面を示す図である。
【図3】前記形態の作成方法を示す図である。
【図4】本考案の実施形態2の充填製蓋を示す図であ
る。
【図5】本考案の実施形態3の充填製蓋を示す図であ
る。
【図6】本考案の他の実施形態の充填製蓋を示す図であ
る。
【図7】従来技術の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…充填製蓋 12…型枠 14…配筋 16…取付部 18…充填材 20…中枠 22…受部 24…隙間 26…グレーチング 28…作業板 30,40,50A〜50C,60,70…充填製蓋 32,56,62,72…中枠 34…受部 36…縞鋼板 37…隙間 38…排水孔 42…タイル 50…覆工板 52…型枠 54…仕切板 64…受部 66…柄物蓋 68…排水孔 74…受部 76…鋳物蓋 80…道路 82…側溝 84…受部

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に蓋板を設けた充填製蓋であって、 前記蓋板の周囲に設けられており、前記充填製蓋と略同
    一の厚みを有する第1の型枠;該第1の型枠の内側側面
    に設けられており、前記蓋板を支持する受部;を備えた
    ことを特徴とする充填製蓋。
  2. 【請求項2】 前記第1の型枠の周囲に、該第1の型枠
    を充填材中に固定するための固定手段を設けたことを特
    徴とする請求項1記載の充填製蓋。
  3. 【請求項3】 前記受部に排水部を設けたことを特徴と
    する請求項1又は2記載の充填製蓋。
  4. 【請求項4】 前記蓋板が、グレーチング,鉄蓋,SU
    S蓋,鋳物蓋のいずれかであることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の充填製蓋。
  5. 【請求項5】 前記充填製蓋の周囲に第2の型枠を設
    け、第1及び第2の型枠を配筋によって接合したことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の充填製蓋。
  6. 【請求項6】 表面に蓋板を設けた充填製蓋であって、 前記蓋板の周囲に設けられており、前記充填製蓋と略同
    一の厚みを有する第1の型枠;該第1の型枠の内側側面
    に設けられており、前記蓋板を支持する受部;前記充填
    製蓋の周囲に設けられており、該充填製蓋と略同一の厚
    みを有する第2の型枠;前記第1及び第2の型枠を接合
    する配筋;を備えたことを特徴とする充填製蓋。
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