JPH0723448Y2 - 床面スラブコンクリート止め型枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は鉄骨構造建築物のコンク
リート床面を形成するさいに使用される床面スラブコン
クリート止め型枠に関する。

【０００２】

【従来の技術】鉄骨構造建築物の構築にさいしては図５
に示すように、基礎コンクリート１上に柱部材２・・・
を起立させると共に柱部材２・・・の相互間には床面を
支持するための梁部材３・・・を架設し、さらにこの梁
部材３・・・上には詳細を次述した手法でコンクリート
床面４・・・を形成するほか、この床面４の周囲に沿っ
た梁部材３・・・には軽量コンクリート壁面板（ＡＬＣ
板）５・・・を添接させるようになされている。

【０００３】しかして、コンクリート床面４の形成にさ
いしては図６に示すように梁部材３・・・上に波形板６
などを水平状に敷いてこれの上面にコンクリート７を凡
そ１０ｃｍ厚さに打設するのであるが、このさいＡＬＣ
板の添接される梁部材３の上面にはアングル材（６５×
６５×６）８・・・を適当間隔で一線状に固着し、これ
にコンクリートの溢出を防止するための堰板としての木
板９をもたせかけると共にこれをアングル材８などに仮
固着した補助材１０などを介して固定させ、その後にコ
ンクリート７を打ち込むようにしている。

【０００４】なおＡＬＣ板５は図７に示すようにその鉄
筋５ａ・・・とアングル材８を線材などで結び止めるな
どして固定される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】上記した在来の手法に
よるコンクリート床面の形成にあっては、堰板の取付作
業やコンクリート打ち後の使用された木板９の取外し作
業を狭隘な場所で行うのであり、このさい木板９の木目
や反りなどの存在が型枠の取り外し作業を一層困難にな
すと共に木板９表面にコンクリートが付着するなどして
再施工性に劣るほか、木板９の取外し後には比較的大き
な隙間が形成されることから、外した後の隙間へのコン
クリート埋めが必要となるなどの問題がある。本考案は
斯かる問題点を合理的に解消させることのできる床面ス
ラブコンクリート止め型枠を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案の堰板は全体を金属製とした薄板状になすと
共に下縁には軽量コンクリート壁面板の添接される床面
用梁部材の上面に固定された起立状舌片に外嵌させるた
めの嵌合溝を形成したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】舌片を挟持する嵌合溝の嵌脱作用のため取付け
取外しが容易に行えるものとなり、また堰板は表面が平
滑な金属板のためコンクリートが付着し難く、しかも取
外し後における隙間も微小のためコンクリート埋めなど
も殆ど必要のないものとなる。

【０００８】

【実施例】図１は本考案品の使用例を示す図、そして図
２は同品の断面図である。なお、図中において既述した
ものと同一部位には同一符号を付して説明を省略する。

【０００９】本考案品Ａは全体を金属製となして薄板状
に形成するのであって、具体的には例えば長さ１．８１
４ｍで厚さ２ｍｍの長方形板となした鋼板を形成し、こ
れを図２に示すように屈曲することにより下縁に嵌合溝
１１を形成し且つ上縁に突条１２を形成する。このさい
全体高さｈは凡そ１３５ｍｍ、嵌合溝１１の幅ｂは凡そ
７ｍｍ、そして突条１２の出張り巾ｂ′は凡そ１５ｍｍ
となす。

【００１０】このように構成した本考案品は例えば次の
ように使用されるのであって、即ち本考案品を手に持っ
て図１に示すようにアングル材８・・・の一辺をなす起
立状舌片８ａ・・・にその嵌合溝１１を挿入させ同アン
グル材８・・・が本考案品Ａを起立状に支持した状態と
なし、その後にコンクリート７を打設する。そして、こ
のコンクリート７が固結した後に本考案品Ａはその上部
を手で持って引き上げるようにして取り外すのである。

【００１１】本考案品にあってはコンクリートと接する
表面が平滑な金属面のため該表面にコンクリートが付着
し難いのであり、また全体が薄板状で直線状の正確な平
面のため仕上がり面の極めて奇麗なものとなる。

【００１２】図３は本考案品の他の使用例を示すもので
あって、即ちこの場合は脱着自在な固定具１３・・・を
用意し、これを梁部材３の適当間隔位置に固定し、この
固定具１３の舌片部１３ａに前述したと同様に本考案品
Ａの嵌合溝１１を挿入させるようにする。このさい、固
定具１３は例えば図４に示すように厚さ７ｍｍ程度の金
属板を屈曲し、その下部にコ字形部を形成してこれにボ
ルト１４を螺合させる一方、上部に幅ｂ１が凡そ３０ｍ
ｍ〜５０ｍｍ程度の舌片部１３ａを具備したものとな
す。

【００１３】

【考案の効果】上記したように本考案によれば、その取
付け及び取り外しが極めて容易に行えるようになると共
に表面にコンクリートの付着し難いものとなり、またコ
ンクリートの型枠成形面を正確かつ奇麗なものとなすほ
か、型枠の取り外された後におけるコンクリート埋めな
どを殆ど必要としないものとなすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案品の使用例を示す図である。

【図２】同品の断面図である。

【図３】同品の他の使用例を示す図である。

【図４】同品の支持具を示す図である。

【図５】鉄骨構造建築物の施工例を示す図である。

【図６】従来のコンクリート床面の施工例を示す図であ
る。

【図７】軽量コンクリート壁面板の取付構造を示す図で
ある。

【符号の説明】

３ 梁部材 ８ａ 舌片 １１ 嵌合溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄骨構造建築物のコンクリート床面を形
   成するさいに使用されるものであって、全体を金属製と
   なして薄板状になすと共に下縁には軽量コンクリート壁
   面板の添接される床面用梁部材の上面に固定された起立
   状舌片に外嵌させるための嵌合溝を設けたことを特徴と
   する床面スラブコンクリート止め型枠。