JP3091156B2 - 偏平多孔管押出用ダイス - Google Patents

偏平多孔管押出用ダイス

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JP3091156B2
JP3091156B2 JP09048469A JP4846997A JP3091156B2 JP 3091156 B2 JP3091156 B2 JP 3091156B2 JP 09048469 A JP09048469 A JP 09048469A JP 4846997 A JP4846997 A JP 4846997A JP 3091156 B2 JP3091156 B2 JP 3091156B2
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達也 疋田
秀男 佐野
辰巳 高橋
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用熱交換器
の流体通路構成材などとして使用される偏平多孔管の押
出成形用ダイスに関する。
【0002】
【従来の技術】図4に示すように、上下の平坦面8、隔
壁部9により隔てられた複数の孔10を有する偏平多孔
管Tの押出成形は、図1に示すように、幅方向に列設さ
れた複数の櫛歯状先端部3aを有するマンドレル3と、
該マンドレル3の先端部3aに加熱された金属素材を供
給するためのエントリーポート4をそなえた雄型ダイス
2と、該雄型ダイス2の櫛歯状先端部3aに所定の成形
間隙を有するよう配設される偏平な開口部6をそなえた
雌型ダイス5を組合わせた押出ダイス1を用いて行われ
る。
【0003】すなわち、図1に示す雄型ダイス2と雌型
ダイス5とを、雄型ダイス2の端面2aと雌型ダイス5
の端面5aとが当接するように嵌め合わせると、図2、
図3に示すように、櫛歯状先端部3aが当接した端面2
aから開口部6内に突出し、櫛歯状先端部3aが開口部
6内で幅方向に配設され、開口部6と先端部3aとの間
に所定の成形間隙を有する押出用ダイス1が構成され
る。
【0004】上記のように構成されたダイス1を押出機
のコンテナ前面に配置し、常法に従って、ダイス1の端
面2bにアルミニウム合金ビレットなどの金属素材をス
テムを介して圧入すると、金属素材は図2の矢印Aで示
すように、マンドレル3の上下のエントリーポート4に
導入され、開口部6と先端部3aとの間を通過し、通過
時に、上下の金属が溶着して、偏平多孔管Tが押出成形
される。偏平多孔管Tの上下の平坦面8などの外形は開
口部6の形状により決定され、孔10の形状、孔10の
数は先端部3aの外形および数に応じて得られる。成形
された偏平多孔管Tは図2の矢印Bで示されるようにテ
ーパ孔7から排出される。
【0005】近年、自動車部材の軽量化の要請から、カ
ークーラーコンデンサなどの自動車用熱交換器用材料の
薄肉化が進み、またコスト低減の要請から押出速度を高
めて生産性を向上させることが試みられ、これらの要請
に答えるために偏平多孔管押出用ダイスについても種々
の改良がなされてきた。例えば、薄肉化された偏平多孔
管の押出性を改善するために、雄型ダイスのマンドレル
に基部から先端部にかけて特定角度範囲のテーパーを付
けることが提案されている。(特開平3-193209号公報)
また、押出時におけるマンドレル先端部の折損を防止す
るために、エントリーポートをマンドレルの上下に形成
し、金属がマンドレルの上下方向のみから導入されるよ
うにすることが発明者の一部により提案されている。(
特願平7-292993号) 。
【0006】上記の提案により、薄肉化された偏平多孔
管についてかなりの押出性向上が得られるが、製造コス
トを低減するため、押出速度を100m/分を越える速
度、例えば130〜140m/分に上げると、偏平多孔
管のコーナー部が減肉し、隔壁部9が欠落し易くなっ
て、所定の形状が得られなくなることが少なくなく、偏
平多孔管押出用ダイスをさらに改良することが望まれて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、薄肉偏平
多孔管の押出しにおける上記の問題点を解消するため
に、偏平多孔管の押出加工後にエントリーポート4内に
残留したメタルのマクロ組織を調査したところ、エント
リーポート4の壁面近傍では開口部6へのメタルの流入
が抑制されており、エントリーポート4の壁面を開口部
6から遠ざけることによって円滑なメタルの流入が達成
され、押出速度を向上させることができることを知見し
た。
【0008】本発明は、上記の知見に基づいて、とくに
エントリーポートと開口部の寸法の関係について実験、
検討を重ねた結果としてなされたものであり、その目的
は、100m/分を越える押出速度で成形加工した場合
にも、コーナー部の減肉や隔壁部の欠落を生じることな
く、所定の形状を確実に得ることができる偏平多孔管押
出用ダイスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による偏平多孔管押出用ダイスは、幅方向に
列設された複数の櫛歯状先端部を有するマンドレルと、
該マンドレルの先端部に加熱された金属素材を供給する
ためのエントリーポートをそなえた雄型ダイスと、該雄
型ダイスの櫛歯状先端部に所定の成形間隙を有するよう
配設される偏平な開口部をそなえた雌型ダイスを組合わ
せて、偏平多孔管を押出すためのダイスにおいて、エン
トリーポートの幅Wと開口部の幅wとの比(W/w)を
2以上とし、エントリーポートの高さHと幅Wの比(H
/W)を1/2以上とすることを構成上の特徴とする。
【0010】また、エントリーポートがマンドレルの上
下に形成されていること、およびエントリーポートの幅
Wと開口部の幅wとの比(W/w)が2〜3、エントリ
ーポートの高さHと幅Wの比(H/W)が1/2〜1で
あることを第2および第3の特徴とする。
【0011】図1に示すエントリーポート4の幅Wと開
口部6の幅wとの比(W/w)を2以上とし、エントリ
ーポート4の高さHと幅Wの比(W/H)を1/2以上
とすることにより、偏平多孔管Tの隔壁部9の欠落を生
じることなく100m/分を越える押出速度を達成する
ことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、W/wおよびH
/Wのさらに好ましい範囲は、それぞれ2〜3および1
/2〜1であり、W/wの比が3を越え、またH/Wの
比が1を越えると、エントリーポート4内のデッドメタ
ル領域が増加して、押出後にダイス内に残留するメタル
分が多くなり、押出歩留りを低下させることとなるた
め、実生産においては好ましくない。
【0013】また、図1〜図3に示すように、エントリ
ーポート4がマンドレル3の上下に形成され、金属素材
がマンドレル3の上下のみから導入されるようにするこ
とが好ましく、この構成により偏平多孔管Tの隔壁部9
の欠落を一層確実に防止することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1 図1に示す偏平多孔管押出用ダイスを用い、エントリー
ポート4の幅Wおよび高さHを変え、コンテナ直径90
mmの押出機(1孔押出)を使用して、アルミニウム
(JIS1050)のビレットを500℃の温度で熱間
押出加工し、押出された偏平多孔管Tの隔壁部9が欠落
する限界押出速度を求めた。なお開口部6の幅は11.
4mmとした。
【0015】押出し製造される偏平多孔管は、幅11.
4mm、高さ1.6mmのものとし、両端の孔10の寸
法は幅0.9mm×高さ1mm、両端部の孔以外の孔1
0の寸法は幅0.6mm×高さ1mmとした。孔部の数
は両端の孔部も含めて13個とした。
【0016】W/wの比、H/Wの比および限界押出速
度を表1に示す。表1にみられるように、本発明に従う
寸法構成の偏平多孔管押出用ダイスを使用した場合に
は、限界押出速度はいずれも150m/分であり、押出
速度の向上が得られた。
【0017】
【表1】
【0018】比較例1 図1に示す偏平多孔管押出用ダイスを用い、エントリー
ポート4の幅Wおよび高さHを変え、実施例1と同様、
コンテナ直径90mmの押出機(1孔押出)を使用し
て、アルミニウム(JIS1050)のビレットを50
0℃の温度で熱間押出加工し、押出された偏平多孔管T
の隔壁部9が欠落する限界押出速度を求めた。なお開口
部6の幅は実施例1と同じく11.4mmと、押出し製
造される偏平多孔管の寸法、孔の寸法および孔の数も実
施例1と同一とした。
【0019】W/wの比、H/Wの比および限界押出速
度を表2に示す。表2において、本発明の条件を外れた
ものには下線を付した。表2に示すように、試験No.
6および試験No.7はW/wが2未満であり、試験N
o.8はH/Wが0.5未満であるため、いずれも限界
押出速度が130mm/分以下であった。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、薄肉化された偏平多孔
管を、コーナー部の減肉および隔壁部の欠落を生じるこ
となく、向上した押出速度で押出加工することを可能と
する偏平多孔管押出用ダイスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏平多孔管押出用ダイスの雄型ダイス
および雌型ダイスの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の偏平多孔管押出用ダイスの構成を示す
縦断面図である。
【図3】本発明の偏平多孔管押出用ダイスの要部を示す
横断面図である。
【図4】偏平多孔管の断面図である。
【符号の説明】
1 ダイス 2 雄型ダイス 3 マンドレル 4 エントリーポート 5 雌型ダイス 6 開口部 7 テーパ孔 8 平坦部 9 隔壁部 10 孔部 T 偏平多孔管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−155828(JP,A) 特公 平3−2565(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 25/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅方向に列設された複数の櫛歯状先端部
    を有するマンドレルと、該マンドレルの先端部に加熱さ
    れた金属素材を供給するためのエントリーポートをそな
    えた雄型ダイスと、該雄型ダイスの櫛歯状先端部に所定
    の成形間隙を有するよう配設される偏平な開口部をそな
    えた雌型ダイスを組合わせて、偏平多孔管を押出すため
    のダイスにおいて、エントリーポートの幅Wと開口部の
    幅wとの比(W/w)を2以上とし、エントリーポート
    の高さHと幅Wの比(H/W)を1/2以上とすること
    を特徴とする偏平多孔管押出用ダイス。
  2. 【請求項2】 エントリーポートがマンドレルの上下に
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の偏平多
    孔管押出用ダイス。
  3. 【請求項3】 エントリーポートの幅Wと開口部の幅w
    との比(W/w)が2〜3、エントリーポートの高さH
    と幅Wの比(H/W)が1/2〜1であることを特徴と
    する請求項1または2記載の偏平多孔管押出用ダイス。
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