JP2007050418A

JP2007050418A - コンフォーム式押出ダイス

Info

Publication number: JP2007050418A
Application number: JP2005235841A
Authority: JP
Inventors: Tetsuyuki Matsuo; 松尾哲幸; Kenichi Nagahisa; 長久賢一; Hiroaki Takeda; 竹田宏彰; Hidenori Shiroshita; 城下秀則
Original assignee: Furukawa Sky KK
Current assignee: Furukawa Sky KK
Priority date: 2005-08-16
Filing date: 2005-08-16
Publication date: 2007-03-01

Abstract

【課題】高速押出時の押出ダイスに掛かる圧力を軽減させ、温度上昇を抑え、中柱の欠損と、製品表面の剥がれを生じる事無く、押出速度を向上する。
【解決手段】使用する押出ダイスのオス型のダイスを全体の厚さの２０〜４０％とし、ダイス外径に対しポート径を５５〜８０％とする事を特徴とする製品１本押出用コンフォーム式押出ダイス。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンフォーム式押出ダイスに関するものである。

例えば、自動車用熱交換器に使用されるアルミニウムチューブは、押出加工によって製造される。

押出方法には、種々の方式があるが、小型の高精度品にはコンフォーム式押出が好ましく用いられている。

コンフォーム式押出は、通常、押出機内での摩擦発熱により材料温度を上げることによって押出成形性を確保している。

その時に用いる押出ダイスは、製品内面を成型するオス型と、製品外面を成型するメス型から成っている。特に押出時のダイスに掛かる圧力が高く、特にオス型ダイスは直接圧力を受けるので、ダイスのベンディングを防止するため、オス型ダイスを厚くするのが一般的である。特に押出速度を速めるために、更にオス型ダイスを厚くするのが一般的である。

特許文献１（特開平６−９１３２４）には、コンフォーム式押出を行う押出ダイスには、押出立上時間の短縮、押出速度の向上、押出機への負荷の減少を図る為に、押出ダイスの内周壁面に凹凸形状を設け、材料との接触面積を増大させ、そして摩擦面積を増大する。出願人の説明によると、その結果、ダイス昇温を早くし、低い押出圧力にて押出せるようにし、材料とホイールとのすべりを低減することにより、押出速度を速めている。
特開平６−９１３２４号公報

但し、上記方法で接触面積を増大させた場合、高速で押出した場合には、押出ダイスの温度が高くなりすぎて、中柱の欠損と、製品表面の剥がれが発生する。

本発明は、このような状況に鑑み鋭意検討の結果なされたもので、その目的とするところは、高速押出時の押出ダイスに掛かる圧力を軽減させ、温度上昇を抑え、中柱の欠損と、製品表面の剥がれを生じる事無く、押出速度を向上する事を目的とする。

これらの課題を解決するための本願発明は請求項１記載の、使用する押出ダイスのオス型のダイスを全体の厚さの２０〜４０％とし、ダイス外径に対しポート径を５５〜８０％とする事を特徴とする製品１本押出用コンフォーム押出ダイスである。

本発明によれば、高速押出でも、製品のＲ部左右の肉厚の変動や、製品中央部(中柱)の肉厚変動、及び表面の剥がれを防止する事ができる。

本発明のコンフォーム式押出法において、使用する押出ダイスのオス型のダイス厚さを全体のダイス厚さの２０〜４０％とし、ダイス外径に対しポート径を５５〜８０％とするのは、ダイス内の圧力を低減させて、押出速度を向上させるためである。

オス型のダイスが全体の厚さの２０％未満では、薄すぎて、素材からの圧力に対応できず、ベンディングし、寸法精度が悪化する。

オス型のダイスが全体の厚さの４０％を超えると、材料との接触面積が増え、その結果摩擦面積が増え、発熱し、中柱欠損と表面の剥がれが発生する。

ダイス外径に対しポート径が５５％未満では、流入孔が小さく、材料の変形抵抗が大きくなるので、発熱を促進し、中柱欠損と表面の剥がれが発生する。

ダイス外径に対しポート径が８０％超えると、素材からの圧力に対応できず、ベンディングし、寸法精度が悪化する。

以下に本発明を実施例により詳細に説明する。

コンフォーム式押出法により、押出速度１００ｍ／分で、Ａ１０５０のアルミニウム合金製偏平多穴管2（１９穴、幅16.1mm、高さ1.6mm、中柱寸法0.22mm×1.0mm、肉厚0.3mm、Ｒ部肉厚0.5mm）を押出すにあたり、形状の異なるダイスで評価を行った。

押出製品温度は、押出機出側で放射温度計にて測定した。

外周肉厚寸法については、押出定常部の断面において、Ｒ部外周肉厚２箇所ＴL、Ｔｒを測定し、ＴLをＲ部肉厚「左」とし、ＴｒをＲ部肉厚「右」とし、これらの差を求めて寸法バラツキを評価した。

また中柱肉厚寸法については、押出定常部の断面において、一断面１８本の中柱全てについて、中柱根元肉厚２箇所Ｔｈ１、Ｔｈ３を測定し、その平均値を中柱根元肉厚とし、中柱の高さ中央部の肉厚１箇所Ｔｈ２を測定し、中柱中央肉厚とし、これらの差を求めて寸法バラツキを評価した。
結果を表1に示す。

従来法の押出では、押出速度が100m/minでも、Ｒ部肉厚と中柱の寸法バラツキが見られた。
No.５では、オス型が厚く、ポート径が狭い為、圧力が高くなり、押出時の製品温度が高くなった。その結果、中柱に寸法バラツキが見られた。
No.６では、オス型が更に厚く、ポート径が広い為、押出圧力に押出ダイスが耐え切れず、押出ダイスの変形と押出時の製品温度が高くなった。その結果、Ｒ部肉厚が左右で大きく変化し、また中柱に寸法バラツキが大きく、表面の剥がれが発生した。
No.７では、ポート径が広い為、圧力が下がり、押出時の製品温度も低くなった。しかしながら、ポートの壁が薄すぎて、Ｒ部の左右の肉厚が、変化してしまった。
No.８では、オス型が厚い為、圧力がやや高くなり、押出ダイスが変形し、押出時の製品温度が高くなった。その結果、中柱に寸法バラツキが見られ、表面の剥がれが発生した。
No.９では、オス型が非常に厚くい為、圧力が非常に高くなり、押出が不可能であった。

一方、発明例No.１〜４は、いずれもＲ部肉厚と中柱の寸法バラツキが見られず、表面の剥れも発生しなかった。

偏平多穴管の断面図偏平多穴管中柱部の拡大断面図ダイス部位説明図

符号の説明

１ＴL Ｒ部外周肉厚「左」
２Ｔr Ｒ部外周肉厚「右」
３Ｔｈ１中柱根元肉厚
４Ｔｈ２中柱中央肉厚
５Ｔｈ３中柱根元肉厚

Claims

使用する押出ダイスのオス型のダイスを全体の厚さの２０〜４０％とし、ダイス外径に対しポート径を５５〜８０％とする事を特徴とする製品１本押出用コンフォーム式押出ダイス。