JP3089739U - 着座姿勢で着脱可能な衣類 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、着座姿勢のままで、簡
単に脱ぎ着することが可能な、全身を覆う衣類を提供す
る。 【解決手段】 上半身を覆う上衣部分及び下半身
を覆う下衣部分とが一連に形成される衣類であって、該
上衣部分が、それぞれ１片以上の前身頃と後身頃とから
なり、該下衣部分が、所定の形状を有する布地片を該前
身頃の少なくとも１片の下端に一体に縫合されてなるこ
とを特徴とする衣類。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、着座姿勢のままで着脱が可能な衣類に関する。

【０００２】

【従来の技術】

生活の大半を着座姿勢で過ごす車椅子等の利用者にとって、着座姿勢のままで の衣類の着脱は非常に煩雑である。特に、全身を覆う防寒用衣類などは、手軽に 脱ぎ着できるものがなく、従来、上着と膝掛け等を組み合わせて使用されるが、 全身を完全に覆うことができず、特に腹部辺りの防寒性に劣る。また、膝掛けが ずり落ちる等の問題もあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記問題点に鑑み、着座姿勢のままで、簡単に脱ぎ着が可能な全身 を覆う衣類を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１の構成は、上半身を覆う上衣部分及び下半身を覆う下衣部分とが一連 に形成される衣類であって、該上衣部分が、少なくとも、それぞれ１片以上の前 身頃と後身頃とからなり、該下衣部分が、所定の形状を有する布地片を該前身頃 の少なくとも１片の下端に一体に縫合されてなることを特徴とする。

【０００５】 請求項１の構成によれば、上半身を覆う上衣部分の前身頃が下半身を覆う下衣 部分と一連に形成されるため、下衣部分がずれ落ちる等の問題が解消され、且つ 、下衣部分が前身頃のみと縫合されているため、着座姿勢のまま着衣できる衣類 である。

【０００６】 請求項２の構成は、請求項１の構成において、前記上衣部分が、２片の前身頃 と少なくとも１片の後身頃とからなり、前記下衣部分が、該前身頃の片方のみと 一体に縫合され、該上衣部分と該下衣部分とが一面に展開可能に形成されている ことを特徴とする。

【０００７】 請求項２の構成によれば、下衣部分が上衣部分の前身頃の１片のみと縫合され ることにより、上衣部分と下衣部分とが一面に展開可能な衣類となるため、着座 姿勢のまま、着座姿勢のままで、簡単に身体に巻き付けて着衣することができる 。

【０００８】 請求項３の構成は、請求項１又は２の衣類において、前記衣類が１以上のポケ ットを有し、該ポケットが主として該衣類着衣時の身体正面部分に配置されてな ることを特徴とする。

【０００９】 請求項３の構成によれば、ポケットが身体正面部分に配置されており、ポケッ トを、着座姿勢のままで使い勝手の良い位置に配置することができる。特に、車 椅子等の利用者にとって、車椅子両側に設けられる肘当て等が障害とならない位 置にポケットを配置し、着座姿勢のままでポケットの利用が容易となる。

【００１０】 本考案の衣類を形成する素材としては、通常衣類に用いられる肌ざわりのよい 素材であれば特に限定されるものではないが、伸縮性のあるウレタン入りのスト レッチポンチやストレッチ天竺、ストレッチ裏毛、ストレッチブロード等を用い るのが好ましい。また、防水性のある布地を用いることもできる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下に本考案の実施の形態を、図面を用いて、さらに詳細に説明する。 図１〜６に、本考案の実施形態の一例である衣類を示す。図１は本考案の衣類 の正面図、図２は本考案の衣類の背面図、図３は本考案の衣類の縫合前の状態を 示す概略図、図４は本考案の衣類の展開図、図５は本考案の衣類の着衣過程を示 す図、図６は本考案の衣類を着衣した状態の背面図である。

【００１２】 図３に示すように、本考案の衣類１は主として、２片の前身頃２ａ，２ｂと、 １片の後身頃３と、下衣部分を形成するスカート布４とからなる。前身頃２ａ， ２ｂと後身頃３とは、Ａ〜Ｄで示される箇所において、それぞれ縫合され、上部 分とスカート布４とは、Ｅで示される箇所において縫合される。このように縫合 された本考案の衣類１は、図４に示されるように、一面に展開可能であり、上衣 部分を着衣状態に折畳み、ボタンａ〜ｃを掛けると、図１及び２に示される状態 となる。

【００１３】 図５及び図６に、起立姿勢での本考案の衣類１の着衣過程及び着衣状態を示す 。衣類１の着衣は、まず前身頃２ａ，２ｂと後身頃３との縫合時に形成された腕 通し孔Ｈ，Ｈに両腕を通し、ボタンａ〜ｃをそれぞれボタン孔ａ’〜ｃ’に掛け て留める。その後、スカート布４を下半身に巻き付け、紐５を紐通し孔６に通し て縛る。尚、スカート布４は、紐で縛る他、マジックテープ（登録商標）やボタ ン等によっても留めることができる。

【００１４】 本考案の衣類１は、後身頃３と下衣部分を形成するスカート布４とが一連に縫 合されていないため（図６参照）、着座姿勢のまま着衣することが可能である。

【００１５】 本考案の衣類１には、ポケット７を設けることが可能である。ポケット７の位 置は、衣類１着衣時の身体正面に配置されることが好ましく、下衣部分に設けら れる場合は、衣類着衣時の大腿部から膝下あたりの高さに配置されることが好ま しい。ポケット７を前記のように配置することにより、車椅子等の利用時に、着 座姿勢のままで、車椅子両側に設けられる肘当て等が障害となることなく、容易 にポケット７を利用できる。尚、本考案におけるポケットの形状は、特に限定さ れず、意匠性等を考慮して適宜設定することができる。

【００１６】 尚、本考案においては、図１に示すように、衣類の一部分に点字インク８によ って、衣類のサイズや色などを点字で表示することも可能である。

【００１７】 ［別実施形態］ 本考案の衣類の別実施形態として、それぞれ１片の前身頃と後身頃とを縫合し 、前身頃の下端に下衣部分を形成する布地片を縫合しても良い。これにより、上 衣部分は筒状となり、下位部分は前身頃のみと一連となった状態であるため、上 衣部分を頭から被って着衣後、下位部分を身体に巻き付けるようにして、紐で縛 るなどして、衣類を着衣する。

【００１８】 具体的に、本考案の衣類としては、ジャンパードレス、ジャンパースカート、 ワンピース、レインコート等が挙げられる。

【００１９】

【考案の効果】

上記に述べたように、本考案により、着座姿勢のままで、簡単に脱ぎ着が可能 な全身を覆う衣類を提供することができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の衣類の正面図である。

【図２】図２は、本考案の衣類の背面図である。

【図３】図３は、本考案の衣類の縫合前の状態を示す概
略図である。

【図４】図４は、本考案の衣類の展開図である。

【図５】図５は、本考案の衣類の着衣過程を示す図であ
る。

【図６】図６は、本考案の衣類を着衣した状態の背面図
である。

【符号の説明】

１ 衣類 ２ａ，２ｂ 前身頃 ３ 後身頃 ４ スカート布 ５ 紐 ６ 紐通し孔 ７ ポケット ８ 点字インク ａ，ｂ，ｃ ボタン ａ’，ｂ’，ｃ’ ボタン孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上半身を覆う上衣部分及び下半身を覆う
   下衣部分とが一連に形成される衣類であって、該上衣部
   分が、それぞれ１片以上の前身頃と後身頃とからなり、
   該下衣部分が、所定の形状を有する布地片を該前身頃の
   少なくとも１片の下端に一体に縫合されてなることを特
   徴とする衣類。
2. 【請求項２】 前記上衣部分が、２片の前身頃と少なく
   とも１片の後身頃とからなり、前記下衣部分が、該前身
   頃の片方のみと一体に縫合され、該上衣部分と該下衣部
   分とが一面に展開可能に形成されていることを特徴とす
   る請求項１記載の衣類。
3. 【請求項３】 前記衣類が１以上のポケットを有し、該
   ポケットが主として該衣類着衣時の身体正面部分に配置
   されてなることを特徴とする請求項１又は２記載の衣
   類。