JP3088712B2 - 車両乗降用ステップ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両の乗降を容易
にする車両乗降用ステップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】車高の高い車両に対する乗降は、高齢者
や幼児並びに足の不自由な人にとってはかなり大変なこ
とであり、従来においても車両の乗降を容易にするため
のいくつかの工夫がなされている。例えば、特開平８―
１５６６９０号公報には、車両の乗降口に装備するリン
クで連結した二段のステップで構成されたステップ装置
が示されている。この装置はリンクにより二段のステッ
プを縦列に起立させて車両側面に沿わせて格納すること
ができ、格納状態の二段のステップを起すことにより、
乗降口の外側に階段状の二段のステップを構成すること
ができるものである。

【０００３】また、特開平９―５８３５２号公報には、
引き出しステップを後部床下に収納した車両が示されて
いる。この引き出しステップも前述したステップ装置と
同様にリンクで連結された二段のステップにより構成さ
れ、車両の後部出入り口部の床面に構成された凹部に折
り畳んで収納するように構成され、引き出すことにより
後部出入り口の外側に階段状の二段のステップを構成す
ることができるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来のステッ
プ装置においては、降車する際に格納された状態のステ
ップを使用状態にすることが面倒で使い辛いといった問
題点がある。また、上記した引き出しステップにおいて
は、梯子型であるため引き出して使用状態にする場合、
路面の凹凸によりステップの安定性が左右されるため、
路面の状態を確認しないと利用できないといった問題点
がある。

【０００５】そこで、本発明は、上記した従来の問題点
を解消するためになされたもので、その課題は、操作が
容易で使い易い車両乗降用ステップを得ることであり、
その操作性と使い易さを向上させることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項１の発明は、床面より一段低いステップ部を有
する乗降口を持つ車両に対する車両乗降用ステップであ
って、前記床面上に重畳する第１ステップと、前記ステ
ップ部に重畳する第２ステップとからなる二段構成の階
段状踏台を、前記ステップ部にその第１ステップ側にお
いて全体が垂直面内で回動できるように装着し、乗降口
側への回動によって、前記ステップ部から地面までの高
さの間に二段のステップができるようにし、かつ前記段
階状踏台の側部に手摺となる手摺構造を設けた手段を採
用する。

【０００７】前記手段を採用することにより、車内側か
らでも車外側からでも使用状態及び収納状態にすること
ができ、収納状態のままでも乗降の妨げにならないよう
になる。また手摺構造を手摺として利用して乗降できる
ようになるうえ、手摺構造を使ってステップを収納状態
にしたり使用状態にしたりすることができるようにな
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図１（Ａ）（Ｂ）〜図３（Ａ）
（Ｂ）によって示す本実施の形態は、床面より一段低い
ステップ部を有する乗降口を持つワンボックスタイプ等
の車両に対する車両乗降用ステップに関するものであ
る。この車両乗降用ステップは、図１（Ａ）及び図３
（Ａ）に示すように二段構成の階段状踏台６により構成
されている。

【０００９】図１（Ａ）に示すように、階段状踏台６の
一側には手を掛け得る位置に手摺となるパイプ材で構成
された手摺構造７が設けられている。階段状踏台６の第
１ステップ３にはその側面において、車両のステップ部
２上に重ねて固定できる取付ベース８がアングル型に構
成された第１リンクバー９によって回動可能に連結され
ている。第１リンクバー９の腕の長さは車両のステップ
部２から床面４までの高さ寸法にほぼ等しく設定され、
第１リンクバー９によって時計回り方向に階段状踏台６
を回動させると、図２及び図３（Ｂ）に示すように、第
１ステップ３が車両の床面４に重畳し、第２ステップ５
がステップ部２上の取付ベース８上に重畳するようにな
っている。取付ベース８の手摺構造７側の側部にはブラ
ケット１０が突出して設けられ、このブラケット１０と
手摺構造７の上側の支柱１１の上部との間に第２リンク
バー１２が設けられている。

【００１０】すなわち、図１（Ｂ）に示すように、第１
リンクバー９の一端はブラケット１０の下端に支軸９Ａ
を介して回転可能に支持され、第１リンクバー９の他端
は手摺構造７側の第１ステップ３の側面端部に支軸９Ｂ
を介して回転可能に支持されている。また、第２リンク
バー１２の一端はブラケット１０の上端に支軸１２Ａを
介して回転可能に支持され、第２リンクバー１２の他端
は支軸１２Ｂを介して手摺構造７の上側の支柱１１の上
部に回転可能に支持されている。かくして、ステップ部
２と階段状踏台６は第１リンクバー９，第２リンクバー
１２により四節リンクの構成とされている。この四節リ
ンクの構成はステップ部２と段階状踏台６の反対側の側
面にも同様に形成されている（図示省略）。

【００１１】収納状態は第１ステップ３が車両の床面４
に重畳し、第２ステップ５が取付ベース８上に重なった
図２及び図３（Ｂ）に示す状態であり、この収納状態か
ら階段状踏台６を半時計回り方向に回動させ、ドアを開
いた車両の乗降口１の外に出した図１（Ａ）及び図３
（Ａ）に示す使用状態にすることができる。収納状態に
おいても乗降口１での乗降には支障はなく、手摺構造７
も乗降の際の手摺として機能し得る。収納状態から使用
状態にするには、手摺構造７を把っ手として使い、手摺
構造７を掴んで第１リンクバー９，第２リンクバー１２
により階段状踏台６を車外側へ回動させればよい。これ
により、乗降口１の外のステップ部２から地面までの高
さの間に二段のステップができ、車両の乗降がいたって
容易になる。使用状態の階段状踏台６の下方側への回動
は第１リンクバー９により規制され、踏台としての機能
を果たす。

【００１２】手摺構造７は収納状態においても手摺とし
て機能でき、乗降をよりし易いものとする。使用状態と
収納状態との変換操作は車内、車外のいずれからも行な
うことができる。使用状態から収納状態にするには手摺
構造７を掴んで車内側に階段状踏台６を回動させればよ
く、この操作も車内、車外のいずれからも行なうことが
できる。なお、このようにこの車両乗降用ステップは、
ステップ部２と地面との間に二段のステップができ、し
かも手摺構造７も備えられているため、高齢者や幼児並
びに足の不自由な人にとっても車両への昇降がこれまで
より楽になる。また、使用状態にする場合、路面の凹凸
は関与しないので、場所を選んで駐車しなければならな
いような使い辛さもない。なお、後部に開口部がある車
両の後部に対して取付けることもできるが、ステップ部
２がないため、収納状態のままでは後部の開口部からの
乗降には階段状踏台６が多少邪魔になる。

【００１３】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、操作が容易で
使い易い車両乗降用ステップが得られる。また、請求項
１の発明によれば、手摺構造を手摺として利用して乗降
できるうえ、手摺構造を使って収納状態にしたり使用状
態にしたりすることができ、操作性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は実施の形態の車両乗降用ステップを使
用状態で示す斜視図、（Ｂ）はリンク構成の説明図であ
る。

【図２】実施の形態の車両乗降用ステップを収納状態で
示す斜視図である。

【図３】（Ａ）はステップ使用状態の略体図、（Ｂ）は
ステップ収納状態の略体図である。

【符号の説明】

１ 乗降口、 ２ ステップ部、 ３ 第１ステップ、
４ 床面、 ５ 第２ステップ、 ６ 階段状踏台、
７ 手摺構造、 ９ 第１リンクバー、 １２第２リ
ンクバー。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面より一段低いステップ部を有する乗
   降口を持つ車両に対する車両乗降用ステップであって、
   前記床面上に重畳する第１ステップと、前記ステップ部
   に重畳する第２ステップとからなる二段構成の階段状踏
   台を、前記ステップ部にその第１ステップ側において全
   体が垂直面内で回動できるように装着し、前記乗降口側
   への回動によって、前記ステップ部から地面までの高さ
   の間に二段のステップができるようにし、かつ前記階段
   状踏台の側部に手摺となる手摺構造を設けた車両乗降用
   ステップ。