JP3088159B2 - ポリアセタール成形体 - Google Patents

ポリアセタール成形体

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JP3088159B2
JP3088159B2 JP03320467A JP32046791A JP3088159B2 JP 3088159 B2 JP3088159 B2 JP 3088159B2 JP 03320467 A JP03320467 A JP 03320467A JP 32046791 A JP32046791 A JP 32046791A JP 3088159 B2 JP3088159 B2 JP 3088159B2
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訓之 杉山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた機械加工性を有
する切削加工用ポリアセタール成形体に関するものであ
る。更に詳しくはトリオキサン、環状エーテル類及びジ
グリシジル化合物を重合させて得られるポリアセタール
共重合体を主成分とする、切削、打ち抜き等の機械加工
性に優れ、かつ機械的強度及び靭性等の優れた性質をバ
ランス良く保持したポリアセタール樹脂製成形体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的特性
などの物理的特性、或いは耐薬品性、耐熱性などの化学
的特性が優れた代表的なエンジニアリング樹脂として、
近年極めて広汎な分野において利用されている。しかし
ポリアセタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、そ
の材料に要求される性質も多岐に細分化されてきてい
る。このような性質の一つとして切削加工性が挙げられ
る。即ち、精密機械等に用いられる超精密部品の分野に
おいては、射出成形などでは成形収縮などの影響で成形
品が寸法変化を起こすため製品の精度を維持できず、そ
のため、寸法変化を起こし難い押出成形品から切削加工
によって超精密部品を得る方法が一般的であるが、従来
のポリアセタール樹脂製成形体は切削加工性に優れてい
るとは言えなかった。押出成形品は一般に棒またはシー
ト等厚みのある形状を有するものであるが、かかる押出
成形品からアセタールコポリマー樹脂を切削加工しよう
とした場合、材料としての硬度が足りないために切削面
から糸を引いたりして所定の精度を得られず、硬度の高
い材料を要求される場合がある。この要求に応えるた
め、従来よりアセタールコポリマー樹脂に対して炭酸カ
ルシウム、タルク等の無機フィラーを添加する方法が知
られている。しかし、これらの従来から提案されている
方法でも材料表面硬度即ち切削加工性の面では望ましい
性質を有するアセタールコポリマー樹脂材料が得られる
ものの、反面、機械的特性、特に靭性が低下し切削品の
組立時の応力或いは切削品の材料の取扱い時に落下させ
る等の衝撃が加わると容易に破損したり、無機フィラー
のアルカリ性によってポリアセタール樹脂材料が黄変を
起こして、部品としての外観を損なうなどという欠点を
有するものであった。更にかかる厚みのある成形品を押
出す際、刺激性のあるホルムアルデヒド臭を発生し、作
業環境を悪化させたり、又、熱分解物による黒状物の発
生等により成形品外観の悪化を招くなど加工上の欠点を
有していた。加工時の熱分解を抑制させる手段としてフ
ェノール系酸化防止剤を添加配合する方法が知られてお
り、若干の改善は認められるものの不十分なものであ
り、併せてその改善が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
欠点を解消したポリアセタール樹脂の開発について、鋭
意検討を重ねた結果、特定のモノマーを重合してなる特
殊なポリアセタール共重合体に特定の安定剤を添加配合
した組成物を用いることにより、上記目的が達成される
ことを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は (A) (a) 99.8〜87.0重量%のトリオキサンと、 (b) コモノマーとして0.1 〜10重量%の環状エーテル及
び/又は環状ホルマール、及び (c) 0.1 〜3重量%のジグリシジル化合物 を重合させて得られるポリアセタール共重合体 100重量
部に (B) メラミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジド、脂
肪酸エステル化合物及びアルカリ金属若しくはアルカリ
土類金属の水酸化物、無機酸塩若しくはカルボン酸塩よ
りなる金属含有化合物から選ばれた一種もしくは二種以
上の化合物0.01〜5重量部及び (C) ヒンダードフェノール系化合物0.01〜5重量部 を配合した、メルトインデックスが0.01〜5.0 のポリア
セタール樹脂組成物を成形してなる、ビッカース硬度が
20以上である切削加工用ポリアセタール成形体に関する
ものである。
【0004】以下、本発明の切削加工用ポリアセタール
成形体に用いられる組成物について詳しく説明する。ま
ず、本発明の(A) ポリアセタール共重合体を構成する主
モノマーである(a)トリオキサン、及び(b)コモノマー
は、従来よりポリアセタール共重合体の製造に用いられ
る周知の物質である。即ち、トリオキサンとはホルムア
ルデヒドより得られる環状3量体である。
【0005】又、(b) コモノマーとしての環状エーテ
ル、環状ホルマールは下記一般式(2)で表される化合物
である。
【0006】
【化1】
【0007】〔式中、R3、R4、R5及びR6は水素原子、ア
ルキル基又はハロゲンで置換されたアルキル基を意味
し、各々同一でも異なっていてもよい。R7はメチレン基
若しくはオキシメチレン基又は各々アルキル基若しくは
ハロゲン化アルキル基で置換されたメチレン基若しくは
オキシメチレン基(この場合pは0〜3の整数を表
す)、
【0008】
【化2】
【0009】合qは1〜4の整数を表す)を意味する。
アルキル基は1〜5の炭素数を有し、1〜3個の水素が
ハロゲン原子、特に塩素原子で置換されてもよい。〕斯
かる環状エーテル、環状ホルマールとしては、例えばエ
ピクロルヒドリン、エチレンオキシド、1,3 −ジオキソ
ラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4 −ブタン
ジオールホルマール、1,3 −ジオキサン、プロピレンオ
キシド等が挙げられる。更に環状エステル、例えばβ−
プロピオラクトン及びビニル化合物、例えばスチロール
又はアクリロニトリル等も使用される。特に好ましい環
状エーテル、環状ホルマールとしてはエチレンオキシ
ド、ジオキソラン、トリオキセパン、1,4 −ブタンジオ
ールホルマールから選ばれた一種以上のものである。
【0010】又、環状エーテル、環状ホルマールの使用
量は全混合モノマー中0.1 〜10重量%、好ましくは0.3
〜5重量%である。0.1 重量%より少ない量ではポリア
セタール共重合体の特徴である加工性、熱安定性が不充
分であり、10重量%を越えては製造自体困難なものにな
る。次に本発明のジグリシジル化合物(c) について説明
する。
【0011】本発明のポリアセタール共重合体の製造に
用いられるジグリシジル化合物は二つのグリシジル基を
末端に有する脂肪族のエーテルで、好ましくは下記一般
式(3) 又は(4) で示される化合物が用いられる。
【0012】
【化3】
【0013】上式(3) 又は(4) で示されるジグリシジル
化合物としてはジエチレングリコールジグリシジルエー
テル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ブタンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられ、特
に好ましくはブタンジオールジグリシジルエーテルであ
る。かかるジグリシジル化合物の使用量は0.1 〜3.0 重
量%である。0.1 重量%より少ない量では本願の目的で
ある優れた機械加工特性はほとんど発現せず、また3.0
重量%より多い量では重合時に過度の架橋反応などが生
じ製造自体困難であり、又、重合品の加工性、機械的強
度等が著しく低下し、好ましくない。
【0014】本発明の(A) ポリアセタール共重合体の重
合は、上記の構成成分の他にその分子量を調節するため
下記一般式(1) で示される低分子量のアセタール化合物
(d) R1O(CH2O)nR2 (1) 〔但しn は1〜10の整数であり、R1、R2は炭素数1〜5
のアルキル基で、R1、R2は同一でも異なっていても良
い〕の存在下で行うことが出来る。式(1) で示される低
分子量のアセタール化合物(d) としては、メチラール、
メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメト
キシメチラール、オキシメチレンジ−nブチルエーテル
等が挙げられ、好ましくはメチラールである。
【0015】かかる物質(d) の添加量はポリアセタール
共重合体の必要とする分子量(溶融粘度)に応じて0〜
1000ppm の間で加減する。
【0016】かかるポリアセタール共重合体の重合法は
通常良く知られているトリオキサンの共重合体の重合に
準じて行えばよい。即ち、触媒は一般にカチオン活性触
媒が使用される。このような触媒の具体例としては、ル
イス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びア
ンチモン等のハロゲン化物、例えば三弗化ホウ素、四塩
化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五弗化リン、五弗
化ヒ素及び五弗化アンチモン、及びその錯化合物又は塩
の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタン
スルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊
にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル
(例えばパークロル酸3級ブチルエステル)、プロトン
酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸
との混合無水物(例えばアセチルパークロラート)、或
いは、イソポリ酸、ヘテロポリ酸(例えばリンモリブデ
ン酸)、或いはトリエチルオキソニウムヘキサフルオロ
ホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアル
ゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート等が挙げら
れる。中でもフッ化ホウ素、或いはフッ化ホウ素と有機
化合物(例えばエーテル類)との配位化合物は、最も一
般的で適している。重合反応は、バッチ式、連続式、い
ずれも可能であり、又、溶液重合、溶融塊状重合等何れ
にてもよいが、液体モノマーを用い、重合の進行ととも
に固体粉塊状のポリマーを得る方法が一般的である。こ
の場合、必要に応じて不活性液体媒体を共存させること
もできる。重合装置としては、バッチ式では一般に用い
られる攪拌機付の反応槽が使用出来、又、連続式として
は、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混合機、二
軸パドルタイプの連続混合機その他、これまでに提案さ
れているトリオキサン等の連続重合装置が使用可能であ
る。重合温度は、64〜120 ℃の温度範囲で行われる。こ
の範囲中比較的低温の方がより望ましい。又、重合時間
は触媒量と関係し、特に制限はないが、一般には0.5 〜
100 分の重合時間が選ばれる。所定の時間を経過し、重
合機出口より取り出された重合体は通常塊状又は粉体で
あり、未反応モノマーの一部又は全部を分離し常法によ
り安定化等の後工程を経て安定性の高い共重合体を取得
することが出来る。
【0017】このようにして得られたポリアセタール樹
脂共重合体は意外にも通常一般の線状共重合体では得ら
れない機械特性を有し、公知の無機充填剤等を添加せず
にこのままで用いても一般に切削、打ち抜き等の機械加
工に求められる高い表面硬度を示すと共に機械的強度が
向上し、従来の無機充填剤等含有樹脂の欠点もなく、機
械加工用材料として好適である。ポリアセタール共重合
体がかかる特性を発揮することは従来全く知られていな
いことで本発明の特徴である。本発明の樹脂はその目的
を損なわない範囲で直鎖状のポリアセタールホモポリマ
ーや主鎖の大部分がオキシメチレン連鎖よりなるポリア
セタールコポリマーと混合使用することが可能である。
【0018】次に、本発明においては、(B) 成分とし
て、特定の窒素含有化合物、脂肪酸エステル化合物及び
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、無
機酸塩若しくはカルボン酸塩より成る群で示される金属
含有化合物から選ばれた一種もしくは二種以上の化合物
が使用される。ここで本発明で用いられる窒素含有化合
物とは、メラミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジド
であり、ジカルボン酸ジヒドラジドとしてはシュウ酸ヒ
ドラジド、アジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒドラジ
ド等が挙げられる。
【0019】次に、本発明において用いられる脂肪酸エ
ステル化合物とは12〜32の炭素原子を含有する少なくと
も一種の飽和又は不飽和脂肪酸とグリセロール、ジグリ
セロール、ペンタエリトリット、ソルビタン、エチレン
グリコール等の多価アルコールとから誘導されたもので
ある。脂肪酸エステル化合物を調製するのに使う脂肪酸
としてはラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペ
ンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ノナデシ
ル酸、ベヘニン酸及びかかる成分を含有してなる天然に
存在する脂肪酸又はそれらの混合物である。これらの脂
肪酸エステル化合物の内、好ましくはパルミチン酸、ス
テアリン酸及びベヘン酸から選ばれた脂肪酸とグリセロ
ール又はソルビタンから選ばれた多価アルコールとから
誘導された脂肪酸エステルである。好ましい脂肪酸エス
テル化合物を例示するとグリセリンモノステアレート、
グリセリンジステアレート、グリセリンモノベヘネー
ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノベヘ
ネートが挙げられる。
【0020】次に、アルカリ金属若しくはアルカリ土類
金属の水酸化物、無機酸塩若しくはカルボン酸塩よりな
る金属含有化合物について説明する。即ち、アルカリ金
属としてはリチウム、ナトリウム、カリウムなどが、ア
ルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、バ
リウムなどが、又、無機酸塩としては炭酸、リン酸、ケ
イ酸などそれぞれの塩が、カルボン酸塩としてはシュウ
酸、マロン酸、コハク酸及びステアリン酸、ベヘニン酸
の如き高級(C12-32)脂肪酸及び水酸基等の置換基を有
する置換高級脂肪酸の塩等を挙げることができる。好ま
しくはカルシウム、マグネシウム、リチウムの水酸化
物、炭酸塩、カルボン酸塩、更に好ましくはカルボン酸
塩である。特に好ましい金属含有カルボン酸塩を例示す
るとステアリン酸カルシウム、12ヒドロキシステアリン
酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム等が挙げられる。
【0021】これらの化合物(B) は、それぞれ単独で用
いてもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。中でも
(B) 成分として、窒素含有化合物と、脂肪酸エステル化
合物及び/又は金属含有化合物とを併用するのが好まし
い。特に好ましい化合物の組み合わせとしては、メラミ
ン及びジカルボン酸ヒドラジドから選択される一種以上
と、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステア
レート、グリセリンモノベヘネート、ソルビタンモノス
テアレート、ソルビタンモノベヘネートから選ばれた一
種及び/又はステアリン酸又はベヘニン酸のカルシウム
塩との組み合わせが例示される。本発明組成物における
化合物(B) の配合量は、(A) ポリアセタール共重合体10
0 重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.03〜2
重量部、更に好ましくは0.05〜1.0 重量部の範囲で選ば
れる。この配合量が0.01重量部未満では熱安定性の改善
効果が十分に発揮されないし、5重量部を越えると該化
合物自身が組成物あるいは成形品表面に析出する傾向が
でてくるので好ましくない。かかる(B) 成分は、ヒンダ
ードフェノール系化合物(C) と併用してポリアセタール
共重合体に配合されることにより、ポリアセタール共重
合体の分解を抑え、又、分解発生したホルムアルデヒド
を捕捉する効果を示すため、成形時の分解ガスの発生が
極力抑えられ、熱分解等による黒状物の発生も少なくな
るものと推測される。
【0022】次に本発明において使用されるヒンダード
フェノール系化合物(C) としては、2,2'−メチレンビス
(4メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6 −ヘキ
サンジオール−ビス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリ
スリチルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレン
グリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,
5 −トリメチル−2,4,6 −トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−ベンジル)ベンゼン、n−オクタデ
シル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5' −ジ−tブチルフ
ェノール)プロピオネート、4,4'−メチレンビス(2,6−
ジ−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス
−(6−t−ブチル−3−メチル−フェノール)、2,2'
−チオジエチル−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ジステア
リル−3,5 −ジ−t −ブチル−4−ヒドロキシベンジル
ホスホネート、2 −t −ブチル−6−(3−t−ブチル
−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチル
フェニルアクリレート、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミ
ド)の少なくとも一種又は二種以上を使用することがで
きる。これらの中でも 1,6−ヘキサンジオール−ビス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチルテトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス
−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、N,N'−ヘキサメチレン
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド)は特に好ましい物質である。本発明におい
て添加配合されるヒンダードフェノール系化合物(C) の
量は、(A) ポリアセタール共重合体100 重量部に対し、
0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。(C)
成分の添加量が、過少の場合は充分なる効果が得られ
ず、また過大の場合には、熱安定性の効果が飽和に達
し、むしろ滲み出し等が生じ好ましくない。
【0023】本発明のポリアセタール樹脂組成物を切削
加工用に成形する方法は任意であるが、好ましくは押出
加工法である。又、押出加工に用いられるポリアセター
ル樹脂組成物は、190 ℃、2.16kg標準荷重(ASTM D-1238
-57T) 下でのメルトインデックス(以下MIと略す)が
0.01〜5.0(g/10分) の範囲、好ましくは0.05〜3.0 のも
のである。MIが0.01未満のものは樹脂自身製造上困難
であり、又、MIが5.0 を越えるものは、押出加工によ
る成形体の製造が困難であるので好ましくない。更に、
本発明のポリアセタール成形体は、後記測定法による荷
重1gでのビッカース硬度が20以上のものである。
【0024】尚、本発明の樹脂は目的とする用途に応じ
てその物性を付与するため、公知の各種の添加剤、即
ち、着色剤、滑剤、離型剤、核剤、帯電防止剤、その他
の界面活性剤、異種ポリマー、有機改良剤等を重合時も
しくは重合後成形前に配合した組成物として使用するこ
とも勿論可能である。
【0025】
【実施例】以下実施例により、本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】製造例1(ポリアセタール共重合体A−1
の合成) 内径80mmの二つの円が一部重なった断面を有し、有効長
1.3 mの外側に熱媒を通すジャケット付きのバレルと、
その内側に互いにかみ合う多数のパドルのついた2本の
回転軸から成る連続式混合反応機を用い、ジャケットに
80℃の温水を通し、2本の回転軸を異方向に100rpmの速
度で回転させ、その一端にトリオキサン96.6重量%、ジ
オキソラン 3.0重量%、ブタンジオールジグリシジルエ
ーテル0.3 重量%、メチラール 0.1重量%を毎時10kgの
速度で連続的に供給し、同時に同じところへ、三フッ化
ホウ素のジブチルエーテラートのシクロヘキサン溶液を
所定量連続的に添加して共重合を行い、他の一端より排
出された反応混合物を、直ちにトリエチルアミン0.1 %
を含む水中に投じて重合触媒の失活化を行った。次いで
重合体をアセトン洗浄したのち風乾し、安定化を行い、
ポリアセタール共重合体を得た。 製造例2〜3(ポリアセタール共重合体A−2、A−3
の合成) 製造例1のトリオキサン及びブタンジオールジグリシジ
ルエーテルの使用量を表1の如く変えて、製造例1と同
様の方法でポリアセタール共重合体を得た。 製造例4(ポリアセタール共重合体A−4の合成) トリオキサン97.4重量%、エチレンオキシド2.0 重量
%、ブタンジオールジグリシジルエーテル0.5 重量%、
メチラール0.1 重量%を用いて、製造例1と同様の方法
でポリアセタール共重合体を得た。 参考例1〜3(ポリアセタール共重合体A’−1、A’
−2、A’−3の合成) (c) ジグリシジル化合物を少量使用あるいは使用するこ
となく、(a) トリオキサンと表1に示す(b) 環状エーテ
ルを用いて製造例と同様の方法で重合を行い、安定化工
程を経て実質上線状のポリアセタール重合体を得た。
【0027】実施例1〜8、比較例1〜5 表1に示した各種ポリアセタール共重合体(A) に表2に
示す種々の添加剤を配合し、混合した後、二軸押出機に
より溶融混練し、ペレット状の組成物を調製した。次い
で、このペレットを用いて、以下に示す評価を作った。
又、比較の為、(B) 成分又は(C) 成分の何れか1成分無
添加のもの、及び表2に示す如くポリアセタール共重合
体(A')に添加剤を配合したものについて、実施例と同様
にペレットを調製し評価した。これらの結果を表2に示
す。なお試験法及び測定法は以下の如くである。 (1) メルトインデックス(MI) 190 ℃、2.16Kg標準荷重下での溶融指数(ASTM D-1238-
57T)を測定した。 (2) 加熱重量減少率 材料5gを空気中で235 ℃、45分間加熱した場合の重量
減少率(ppm/min)を示した。 (3) ビッカース硬度 厚さ約6.3mm の試験片(ASTM D-790, 曲げ試験用) を使
用し、MHT-1-LS型微小硬度計(松沢精機(株)製)を用
いて荷重1gの条件下で測定した。 (4) 切削性 厚さ約6.3mm の試験片(ASTM D-790, 曲げ試験用) を使
用し、電動丸ノコ盤(東洋精機(株)製)を用いて切削
し、切削部に生じたヒゲの長さを測定し、以下の様にラ
ンク付けをした。 A:ヒゲ長さ1mm未満 B:ヒゲ長さ1mm以上3mm未満 C:ヒゲ長さ3mm以上5mm未満 D:ヒゲ長さ5mm以上 (5)剪断強度 100 ×100 ×4mmの平板を直径50mmのSUS製の円柱の先
端に取り付けた。これを直径50mmの穴のあいたSUS製厚
肉板を土台として、平板を押し抜くときの荷重をオリエ
ンテック社製テンシロンを用いて測定し、次式にて剪断
強度を計算した。 剪断強度=L/50π・t L;荷重 50π;押し抜き円周長 t ;平板の厚み
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上の説明及び実施例より明らかなよう
にトリオキサン、環状エーテル及び/又は環状ホルマー
ル、及びジグリシジル化合物を重合させることにより得
られるポリアセタール共重合体に特定の添加剤を配合し
てなる組成物を成形してなる切削加工用成形体は、押出
加工性、切削加工性あるいは使用される用途等からシー
ト状又は棒状であることが好ましく、特に平均肉厚又は
直径が10mm以上であるポリアセタール成形体として好適
に使用される。又、斯かる成形体は、従来のポリアセタ
ール樹脂を用いたものに比べ、優れた機械加工性、特に
切削、打ち抜き時に生じるヒゲを少なくする特性を持
ち、また強度と靭性のバランスも良好に保持され、切削
機械加工によって製造されている超精密部品用材料とし
て極めて好ましいものである。従って、本発明のポリア
セタール成形体は自動車、電気・電子部品等で高度な精
密さを求められる、例えば、携帯用小型オーディオ、時
計、計算機関係の機構部品に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/10 C08K 5/10 5/13 5/13 5/16 5/16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 C08L 59/00 - 59/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) (a) 99.8〜87.0重量%のトリオキサン
    と、 (b) コモノマーとして0.1 〜10重量%の環状エーテル及
    び/又は環状ホルマール、及び (c) 0.1 〜3重量%のジグリシジル化合物 を重合させて得られるポリアセタール共重合体 100重量
    部に (B) メラミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジド、脂
    肪酸エステル化合物及びアルカリ金属若しくはアルカリ
    土類金属の水酸化物、無機酸塩若しくはカルボン酸塩よ
    りなる金属含有化合物から選ばれた一種もしくは二種以
    上の化合物0.01〜5重量部及び (C) ヒンダードフェノール系化合物0.01〜5重量部 を配合した、メルトインデックスが0.01〜5.0 のポリア
    セタール樹脂組成物を成形してなる、ビッカース硬度が
    20以上である切削加工用ポリアセタール成形体。
  2. 【請求項2】 (A) (b) 成分がエチレンオキシド、ジオ
    キソラン、トリオキセパン、1,4 −ブタンジオールホル
    マールから選ばれた一種以上のものである請求項1記載
    のポリアセタール成形体。
  3. 【請求項3】 (A) (c) 成分がアルキレンオキシドジグ
    リシジルエーテルである請求項1又は2記載のポリアセ
    タール成形体。
  4. 【請求項4】 (A) ポリアセタール共重合体が、(d) 下
    記の一般式(1) で示される低分子量のアセタール化合物
    の存在下で重合されたものである請求項1〜3の何れか
    1項記載のポリアセタール成形体。 R1O(CH2O)nR2 (1) 〔但しn は1〜10の整数であり、R1、R2は炭素数1〜5
    のアルキル基で同一でも異なっていても良い。〕
  5. 【請求項5】 (B) 成分の脂肪酸エステル化合物がグリ
    セリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、
    グリセリンモノベヘネート、ソルビタンモノステアレー
    トの一種以上である請求項1〜4の何れか1項記載のポ
    リアセタール成形体。
  6. 【請求項6】 (B) 成分の金属含有化合物がステアリン
    酸カルシウム、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム、
    ベヘン酸カルシウムの一種以上である請求項1〜5の何
    れか1項記載のポリアセタール成形体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項記載の成形体
    がシート状又は棒状であるポリアセタール成形体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1項記載の成形体
    においてその平均肉厚又は直径が10mm以上であるポリア
    セタール成形体。
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