JP3085428B2 - 強撚ポリエステル織編物 - Google Patents
強撚ポリエステル織編物Info
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Description
特のシャリ感、光沢、及びナチュラルなムラ感を有する
強撚ポリエステル織編物に関する。
フイラメントのヌメリ感、ヘタリ感、イラツキ等を防止
するために各種のフイラメント加工法があり、特に強撚
糸を用いた布帛は清涼感が得られるので多用されてい
る。しかし強撚織編物にとって撚数は極めて微妙な要素
であり、撚数が多すぎるといわゆるジャリジャリした粗
硬な風合となるためアルカリ減量率を上げてソフト感を
出していた。
リ感がなくなり好ましくなかった。他方、撚数を下げる
とシボ感もシャリ感も著しく低下してしまった。また、
いずれも、表面が均一でムラ感のとぼしいものであっ
た。
強撚織編物も知られている(特開平2−20084
1)。これは、マイルドなシャリ感とハリ、腰感を有し
ながら透明感のある独特の外観、風合を有するものの、
ナチュラル感に乏しかった。
チ、独特のシャリ味、光沢を有するものも知られている
(特開平3−234838)。しかしながら、これもナ
チュラル感に乏しく、ヌメリ感がやや強すぎ、扁平部が
揃うのでいやな光沢とイラツキが目立つなどの問題があ
った。
チで且つ独特のシャリ感、光沢及びナチュラルなムラ感
を有し、ヌメリ感、イラツキのない強撚ポリエステル織
編物を得ることを課題とするものである。
解決するために、次の手段をとるものである。すなわ
ち、本発明は、少なくとも外層部に平均扁平度が2.5
以上、扁平度の変動率が5〜50%である扁平フイラメ
ントが捲回して巻き付いており、且つ捲回している前記
扁平フイラメントは、糸の長手方向に捲回角度、積層数
を変動しており、さらに捲回している扁平フイラメント
表面にあり、撚係数5000〜25000で撚糸された
ポリエステルマルチフィラメントを経糸及び/又は緯糸
として用いられていることを特徴とする強撚ポリエステ
ル織編物である。
は、本発明の強撚ポリエステル織編物の1例を示す斜視
図である。図1において、芯部に1又は複数群(図1の
1、2、3は1群を、4、5は2群の例を示す。)に分
割して群として集積したフイラメントがあり、その周縁
(外層部)において扁平フイラメントが1層部7、多層
部6を形成しているが、捲回角度(捲回数)、積層数
(太さ)が糸の長手方向に変動している。さらに多層に
巻ついた扁平フイラメントの側面の端部8は、マルチフ
ィラメントの表面に、ほぼ糸軸に対し角度をもって現れ
ている。
構成する強撚ポリエステルフイラメントについて更に詳
述する。本発明に係る外層部の捲付扁平フイラメントの
断面は、基本的には図2の に示す如き長円であり、長
返(扁平部)をa.短返(端部)をbとすれば、扁平度
はa/bであらわされる。さらに、図2の(2)、(3)、(4)
に示すような実質的に扁平な断面のものも含む。ここで
実質的に扁平とは、a/bが2.5以上のものを指す。
扁平度は重要な要素であり、扁平度2.5未満になると
実質的に丸断面や従来知られている多葉断面と変らなく
なり、本発明で目的とする扁平断面と変らなくなり、本
発明で目的とする扁平断面の特性の効果が得られないの
で好ましくない。逆に、7をこえると、紡糸での糸切れ
や、紡糸、延伸でのローラーでの糸ならびが不安定にな
り、紡糸、延伸性とも問題が出てくるので好ましくな
い。好ましくは4〜8である。
ることも重要なことであり、扁平度が均一であると、こ
れまで知られている扁平マルチフィラメントからなる強
撚織編物の如く扁平単糸が整然と積層した積層体をな
し、該積層体の周囲を扁平単糸が被層した単純で均一な
構造をとり、これから得られる織編物も表面変化の劣る
ものとなるのである。
マルチフィラメントは芯部が図1にみる如く整然と積層
した部分1と複数の群に分かれ部分4が混在し、更に外
層の捲回捲付部は扁平フイラメントが一層で捲付いた部
分7、2層以上で捲付いた部分6が混在し、且つ捲付角
度:(撚数)が糸の長手方向に変化し非常にナチュラル
なムラ感を現出している。このような捲付部、内層部の
長手方向の変化をもたせるために、扁平フイラメントの
扁平度が変化していることが必須のことであり、変動率
5%未満では従来の扁平フイラメントと大差なく、本発
明からは除外される。又50%を越えると紡糸、延伸で
の操業性が著しく低下し、又毛羽、ループも発生し易
く、撚糸、製織編工程でも問題になり易いので本発明か
らは除外される。
さ(図2のa、b)が大きく影響しているので、実質的
にa、又はbの変動率が本発明の範囲にあるものも含ま
れる。ここで、扁平度の変動率( CV) は次式により導
出する。CV( %) =〔V1/ 2 /xの平均〕×100か
ら導出される。V1/2は扁平フイラメントの扁平度の不
偏分散平 方根、xの平均は扁平フイラメントの平均扁
平度である。なお扁平度は、アクリル系樹脂で包埋した
試料フイラメントからミクロトームで切出した切片を適
当な倍率で撮影し、図2に示すa/bで算出する。
の分布は、正規分布に近いものでもよいが、平均扁平度
差の異なるものを複数群複合してもよい。なお、強撚マ
ルチフィラメント織編物で、芯部のマルチフィラメント
には必要に応じて非扁平フイラメントが含まれていても
よい。
8dであることが好ましい。2d未満では扁平フイラメ
ントの効果が出ず、非扁平フイラメントとほぼ同じであ
り、また、撚数を上げないと強撚シボ調の織物にならず
風合いもソフトになりすぎた張り、腰のないものにな
り、他方8dをこえると撚数を多くしてもソフトな風合
いのものが得られないので好ましくなく、さらに好まし
くは3〜7dである。
回して捲付いておりしかも長手方向に捲付角度、積層数
が変動しているのも本発明では必須のことであり、これ
によってはじめて扁平フイラメントの特徴であるソフト
なシャリ感、自然なムラ感が発揮されるのである。この
ためには捲付角度は平均撚数にもよるが20〜200%
程度の変動が扁平フイラメントの積層数は1〜5層が好
ましい。
がマルチフィラメントの表面に出て、布の表面を触った
ときにふれることも必須であり、織編物にして実質的に
端面が布帛表面に5/10cm以上であるのが好ましい。
これにより扁平フイラメントのヌメリ感を減少させさわ
やかなソフトドライタッチを表現出来るのである。
形成しているのも本発明では好ましい範囲であり、これ
によりソフトタッチとバルク感をさらに表現出来る。
で撚糸されていることも必須のことであり、5000未
満では扁平フイラメント特有のヌメリ感が大きくなり又
これまでに詳述した本発明の糸構造になりにくい。逆に
25000を越えると風合いが硬くなり減量率を大きく
するとタラツキ感が出てくるので本発明から除外され
る。尚ここでいう撚係数とはD1/2 ×T(T/m)で算
定したものである。
は、織物では経糸又は緯糸にいずれか一方にこれまでに
詳述した強撚マルチフィラメントを使用する場合、もう
一方に使用する糸には特に限定はないが、例えば通常の
丸断面や三葉断面のマルチフィラメントを使用してもよ
く、又他の異形断面マルチフィラメントを使用してもよ
い。編物で1乃至複数本交互編又は変化組織で交編する
場合も同じである。
トとは、テレフタル酸、またはそのエステル形成性誘導
体を主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオールから選ばれるグリコール、
またはそのエステル形成性誘導体を主たるグリコール成
分とするポリエステルを対象とする。このジカルボン酸
成分の一部をたとえば5−スルホイソフタル酸のモノア
ルカリ金属塩、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン
酸、アジピン酸、セバチン酸、P−オキシ安息香酸等で
置きかえてもよく、また前記グリコール成分の一部をジ
エチレングリコール、1,4−ヒドロキシメチルシクロ
ヘキサン等の2価アルコールで置きかえてもよい。又、
ポリエチレングリコールのようなポリアルキレンオキサ
イド系の化合物を生成ポリエステルに対し7重量%以下
共重合させて、制電性を付与してもよく、特にポリエス
テルに対して1〜10重量%の割合で下記一般式で示さ
れるグリコールを共重合させることにより、易染性にす
るのも好ましい。HO(CKH2KO)m R−O(CnH2n
O)r H(上式中Rは炭素原糸数4〜20の2価の脂肪
族炭化水素基、K、nは同一または異なる2〜4の整
数、m、rは同一くたは異なる整数で、1≦(m+r)
≦10である)。また他のポリマーを少量ブレンドして
改質ポリエステルとしてもよく、更に当業界周知の着色
防止剤、触媒、等を適宜使用することもできる。
孔形成剤を含むのが好ましい。微細孔形成剤を含むこと
により、アルカリ減量処理によりフイラメント表面に微
細孔が発現し、余分なヌメリ感を減じ深色性とソフトな
ドライ感を付与することが出来るからである。このため
には2酸化チタンやタルク、シリカ、炭酸カルシウム等
を用いることが出来るがダル調でありながらポリエステ
ルとほぼ同じ光学的屈折率を有し、深色性をそこなわな
いことらカオリナイトやメタカオリンを用いることが好
ましい。これらの微細孔形成剤の添加量は製品に要求さ
れる風合、特質により決めればよいが紡糸、延伸等の製
糸性も加味すると0.5−5wt%が好ましい範囲とし
てあげられる。
用される強撚ポリエステルの製造法については特に限定
はないが、扁平度の異なるマルチフィラメントを0〜3
%供給率を変えて引揃えつつ、又は複合した後通常のイ
タリー、ダブルツイスター、トラベラー撚糸機などで撚
糸する方法、インターレースによりフイラメント間の糸
長差を仮固定した後撚糸する方法、紡糸機ノズルの形成
をかえて扁平度の混合したマルチフィラメントをガイド
などでしごいて糸長差を与えながら撚糸する方法、仮撚
機で複数本の扁平マルチフィラメントを異供給で仮撚域
に供給し2層構造糸を製造した後撚糸する方法などがあ
げられる。
れらの実施例に限定されるものではない。実質的にエチ
レンテレフタレート単体のみの繰返しからなるポリエス
テル重合体を図3の(a)及び通常の円形状の紡糸ノズ
ルを使用しかつ常法で表1の断面、デニール/フイラメ
ント数、断面扁平度、同変動率のマルチフィラメントを
得た。
エステル重合体にカオリナイト(エンゲルハルト社製
ASP−072:粗粒子を遠心分離機で10%除去、屈
折率1.56平均粒子径0.3μm、1μm粒子が6重
量%、(TiO2が不純物としてカオリン中に1.5重
量%含有)を2.0重量%配合した。実施例1ではこれ
を2本合せて供給率差をつけて複合した後通常のダブル
ツイスターで撚糸、実施例2、比較例3はマルチフィラ
メントをガイドでしごきつつフイラメント間に糸長差を
あたえつつ撚糸し、実施例3は供給張力をかえつつ撚糸
し、比較例1、2、4〜6は通常の方法で撚糸した。
n、緯糸密度78.5本/inでS,Z2本交互で平組
織に織りあげ、通常の強撚織物と同条件で加工し経糸密
度108.5本/in 緯糸密度92.5本/in仕上
げとした。このときの減量率は15%で実施した。仕上
布の評価は官能的にシボ、シャリ感、ナチュラル感につ
いて実施した。ここで強撚マルチフィラメントの撚角度
の変化率は織物表面の拡大写真を撮り、100カ所の撚
角度を測定、扁平度と同じ方法、すなわち CV(%)=V1/2/xの平均×100 V1/2 :撚角度の不偏分数の平方根 xの平均:平均撚角度 で算定した。次に外層の扁平フイラメントの積層数も同
様に上記の写真より積層数を測定し、その範囲で示す。
扁平フイラメントの端部の外層への現出数 個数/10
cmも同時に示す。
シボ、シャリ感、ナチュラル感ともすぐれたものであっ
た。比較例1は扁平度の変化率が少なくきれいに揃って
撚糸され、ほぼ外層は扁平部のみでおおわれシャリ感、
ナチュラル感とも劣った。比較例2は扁平度及びその変
化率ともに小さく、扁平フイラメントの特徴が出ずナチ
ュラル感にも劣った。比較例3は単糸フイラメント数が
多くかつフイラメントデニールも小さく比較例2と同様
扁平フイラメントの特徴のないものであった。比較例4
は丸断面糸でシャリ感、ナチュラル感の劣るものであっ
た。比較例5は撚糸数が4000と低いためにシボも荒
く、シャリ感、ナチュナル感ともに劣った。比較例6は
撚糸数が大きくシボは良好であったが、シャリ感の目立
つものであった。なお、表1で◎は、シボがこまかくす
ぐれたものを、×はシボが荒い、○はシボは良好、シャ
リ感、ナチュラル感について◎はすぐれており、○は
良、△はやや良、×は不良を示す。
糸織編物に比べてシボ感、シャリ感、ナチュラル感にお
いて格段にすぐれた織編物が得られるという顕著な効果
が奏されるのである。
る。
る。
の断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも外層部に平均扁平度が2.5
以上、扁平度の変動率が5〜50%である扁平フイラメ
ントが捲回して巻き付いており、且つ捲回している前記
扁平フイラメントは、糸の長手方向に捲回角度、積層数
を変動しており、さらに捲回している扁平フイラメント
の一部の端面がマルチフィラメント表面にあり、撚係数
5000〜25000で撚糸されたポリエステルマルチ
フィラメントを経糸及び/又は緯糸として用いられてい
ることを特徴とする強撚ポリエステル織編物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04333191A JP3085428B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 強撚ポリエステル織編物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04333191A JP3085428B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 強撚ポリエステル織編物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184860A JPH06184860A (ja) | 1994-07-05 |
JP3085428B2 true JP3085428B2 (ja) | 2000-09-11 |
Family
ID=18263330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04333191A Expired - Lifetime JP3085428B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 強撚ポリエステル織編物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3085428B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009059403A1 (en) | 2007-11-05 | 2009-05-14 | Ibco Srl | Antislip sheet material with twisted tapes |
US20160325523A1 (en) | 2007-11-05 | 2016-11-10 | Owens Corning Intellectual Capital, Llc | Antislip sheet material with twisted tapes |
JP7200624B2 (ja) * | 2017-12-01 | 2023-01-10 | 東レ株式会社 | 扁平断面ポリエステル仮撚糸 |
-
1992
- 1992-12-14 JP JP04333191A patent/JP3085428B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06184860A (ja) | 1994-07-05 |
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