JP3085411B2 - スルホン酸基含有重合体 - Google Patents

スルホン酸基含有重合体

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JP3085411B2 JP03114336A JP11433691A JP3085411B2 JP 3085411 B2 JP3085411 B2 JP 3085411B2 JP 03114336 A JP03114336 A JP 03114336A JP 11433691 A JP11433691 A JP 11433691A JP 3085411 B2 JP3085411 B2 JP 3085411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン性不飽和結
合を主鎖の片末端に有する重合体にスルホン酸基を導入
することにより得られる、接着性、印刷性、親水性、ポ
リマーブレンドでの相溶性等に優れたスルホン酸基含有
重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】α‐オレフィン(本発明では、エチレン
を包含するものとする)の単独重合体やその共重合体
は、廉価であることに加えて、優れた機械的強度、光
沢、透明性、成形性、耐湿性、耐薬品性等を有している
ので、単独で、もしくはポリマーブレンドの一成分とし
て汎用されている。しかしながら、α‐オレフィン重合
体は、分子構造が非極性であるために他物質との親和性
に乏しく、接着性、印刷性、ポリマーブレンドでの相溶
性等の諸性質が劣っている。
【0003】そこで、従来からα‐オレフィン重合体に
各種の官能基を導入することが試みられている。官能基
の中でもスルホン酸基は、種々の官能基、たとえばアミ
ノ基などの求核性基と速やかに反応して対応する化学結
合を生じるので、非常に有用であると考えられる。
【0004】特に、ポリマーの末端に官能基が導入され
たものはそれ自体が優れた特性を有する熱可塑性樹脂と
なり得るばかりでなく、樹脂用改質材、樹脂用相溶化剤
として重要である。
【0005】ポリオレフィンの末端に官能基を導入しよ
うという試みはいくつか見られる。たとえば特開昭63
−23904号、同63−37102号、特開平2−1
73008号各公報では、カルボン酸もしくはその酸無
水物の導入が提案されている。また、特開昭62−15
8709号公報では、ハロゲンの導入が提案されてい
る。また、特開平1−132604号公報では、水酸基
の導入が、特開平1−132605号公報ではエポキシ
基の導入が各々提案されている。
【0006】しかし、種々の特性の付与が期待されるス
ルホン酸基の導入は未だ提案されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点に解決を与えることを目的とするものであって、オ
レフィン性不飽和結合を主鎖の片末端に有するα‐オレ
フィン重合体にスルホン酸基を導入して、この目的を達
成しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】〔発明の概要〕 <要 旨> 本発明によるスルホン酸基含有重合体は、炭素数2〜2
0のα‐オレフィンの少なくとも一種を重合させてなる
重合体であって、この重合体の主鎖の片末端にオレフィ
ン性不飽和結合を有し、かつ13C−NMRの測定によ
るトリアッドの[mm]分率が0.5以上である不飽和
重合体の上記のオレフィン性不飽和結合に、下記イ〜ハ
に記載のいずれかの方法によりスルホン酸基を導入して
得られる、スルホン酸基含有重合体。 イ.硫酸と無水酢酸の混合物等の三酸化イオウ供与体と
酸無水物を反応させる方法、 ロ.三酸化イオウを反応させる方法、 ハ.クロルスルホン酸等のハロゲン化スルホン酸を反応
させる方法。
【0009】<効 果>本発明によるスルホン酸基含有
重合体は、分子中に反応性の高いスルホン酸基を含むた
めに種々の特徴ある性質、例えば、各種のインク、塗料
あるいはアルミニウムその他の金属との接着性、が優れ
たものである。また、本発明による重合体は、他樹脂と
のポリマーブレンドにおいても優れた相溶化効果を発揮
する。
【0010】〔発明の具体的説明〕 <変性すべき不飽和重合体> <一般的説明> 本発明で使用される不飽和重合体は、炭素数2〜20、
好ましくは2〜12、のα‐オレフィンの少なくとも一
種を重合させてなる重合体であって、この重合体の主鎖
の片末端にオレフィン性不飽和結合を有する。これらの
ポリマーの片側の末端は、実質的に全てがビニリデン結
合になっている。
【0011】この不飽和重合体の分子量は任意である
が、一般にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
の測定による数平均分子量で1000〜100000
0、好ましくは2000〜500000、さらに好まし
くは5000〜200000、である。
【0012】このような不飽和重合体は、後述するよう
に特定の成分(A)および成分(B)、もしくは成分
(C)および成分(B)、からなる触媒とα‐オレフィ
ンとを接触させて重合させることにより製造することが
できる。
【0013】また、本発明で使用される前記不飽和共重
合体は、13C−NMRの測定によるトリアッドの〔mm〕
分率または〔rr〕分率が0.5以上、さらに好ましくは
0.6以上、特に好ましくは0.75以上、のものであ
る。
【0014】ここで、トリアッドの〔mm〕分率、〔rr〕
分率とは、α‐オレフィン重合体における単量体単位で
立体構造の最小単位である「トリアッド」、すなわち
「三量体単位」、がとり得る三つの立体異性構造体、す
なわち〔mm〕(アイソタクチック)、〔mr〕(ヘテロタ
クチック)及び〔rr〕(シンジオタクチック)の総数x
中で、〔mm〕構造をとっているトリアッドの数yの割合
(y/x)、および〔rr〕構造をとっているトリアッド
の数zの割合(z/x)をいうものである。
【0015】なお、13C−NMRの測定は、日本電子製
JEOL.FX−200を用い、測定温度130℃、測
定周波数50.1MHz 、スペクトル幅8000Hz、パル
ス繰り返し時間2.0秒、パルス幅7μ秒、積算回数1
0000〜50000回の条件で行なったものである。
また、スペクトルの解析は、A.ZambelliのMacromolecul
es 21 617(1988)及び朝倉哲郎の高分子学会予稿集36
(8)2408(1987)に基づいておこなった。
【0016】<α‐オレフィン>本発明で使用するα‐
オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、1‐
ブテン、1‐ヘキセン、3‐メチル‐1‐ブテン、3‐
メチル‐1‐ペンテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、
3,3‐ジメチル‐1‐ブテン、4,4‐ジメチル‐1
‐ペンテン、3‐メチル‐1‐ヘキセン、4‐メチル‐
1‐ヘキセン、4,4‐ジメチル‐1‐ヘキセン、5‐
メチル‐1‐ヘキセン、アリルシクロペンタン、アリル
シクロヘキサン、アリルベンゼン、3‐シクロヘキシル
‐1‐ブテン、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロヘ
キサン、2‐ビニルビシクロ〔2,2,1〕‐ヘプタン
などを挙げることができる。これらのうち好ましい例と
しては、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、1‐ヘキ
セン、3‐メチル‐1‐ブテン、3‐メチル‐1‐ペン
テン、4‐メチル‐1‐ペンテン、3‐メチル‐1‐ヘ
キセン、などを挙げることができ、特にエチレン、プロ
ピレン、1‐ブテン、3‐メチル‐1‐ブテン、および
4‐メチル‐1‐ペンテンが好ましい。これらのα‐オ
レフィンは一種でもよく、二種類以上用いてもさしつか
えない。二種以上のα‐オレフィンを用いる場合は、該
α‐オレフィンが不飽和重合体中にランダムに分布して
いてもよく、あるいはブロック的に分布していてもよ
い。
【0017】<触 媒>本発明で使用される不飽和重合
体は、成分(A)および成分(B)からなる触媒、もし
くは成分(C)および成分(B)からなる触媒、と前記
のα‐オレフィンとを接触させて重合させることにより
製造することができる。ここで、「からなる」というこ
とは、成分が挙示のもの(すなわち、(A)および
(B)、もしくは(C)および(B))のみであるとい
うことを意味するのではなく、合目的的な他成分の共存
を排除しない。
【0018】成分(A) 成分(A)は、下記の一般式〔I〕であらわされる遷移
金属化合物である。Q(CpR1 m )(CpR2 n
MeXY …〔I〕〔ここで、Qはシクロペン
タジエニル基を架橋する結合性基を、aは0又は1の整
数を、Cpはシクロペンタジエニル基又は共役五員環を
含む誘導体を、R及びRは、それぞれ独立して炭化
水素基、ハロゲン基あるいは酸素、ケイ素、リン、窒素
含有炭化水素基(RまたはRはシクロペンタジエニ
ル基に複数箇所で結合してもよく、また、複数個のR
またはRはそれぞれ同一でも異なってもよい)を、M
eは周期律表IVB〜VIB族遷移金属を、X及びYはそれ
ぞれ独立して水素、ハロゲン基、炭化水素基、アルコキ
シ基、アミノ基、リン含有炭化水素基あるいはケイ素含
有炭化水素基(XとYは同一でも異なっていてもよい)
を示す。mは0≦m≦5の整数であり、nは0≦n≦5
の整数である〕一般式〔I〕のQ、Cp、R、R
Me、XおよびYの詳細は、下記の通りである。
【0019】Qは、シクロペンタジエニル基を架橋する
結合性基であるが、これは具体的には、(イ)メチレン
基、エチレン基、イソプロピレン基、ジフェニルメチレ
ン基等のアルキレン基、(ロ)シリレン基、ジメチルシ
リレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン等の
シリレン基、(ハ)ゲルマン、リン、窒素、ホウ素、ア
ルミニウムを含む炭素数1〜30、好ましくは1〜20
の炭化水素基、である。好ましくは、アルキレン基、シ
リレン基である。
【0020】Cpは、シクロペンタジエン、インデン、
フルオレン等の共役五員環、またはこのような共役五員
環の誘導体、即ち、例えばこれらの共役五員環の1また
はそれ以上の水素が炭化水素、例えば炭素数1〜20の
もの、に置換されてなるもの、を含有するものである。
【0021】R及びRは、それぞれ独立して炭素数
1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基あるい
は、酸素、ケイ素、リンもしくは窒素含有炭化水素基で
ある。RまたはRはシクロペンタジエニル基に複数
箇所で結合していても良い。RまたはRのいずれが
複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていても
よい。
【0022】Meは、周期律表IVB〜VIB族遷移金属、
好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウム等のIVB
族遷移金属、である。
【0023】XおよびYは、それぞれ独立して、(イ)
水素、(ロ)ハロゲン基、(ハ)炭素数1〜20、好ま
しくは1〜10、の炭化水素基、あるいは(ニ)ケイ素
含有炭化水素基、(ホ)炭素数1〜20、好ましくは1
〜10、のアルコキシ基、あるいは(ヘ)アミノ基、
(ト)炭素数1〜10の炭素含有アミノ基(XとYは同
一でも異なってもよい)を示す。mは、0≦m≦5の整
数であり、nは0≦n≦5の整数である。
【0024】Meがジルコニウムである場合の成分
(A)の具体例は、下記の通りである。具体的には、
(1)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、(2)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(3)ビス(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(4)ビス
(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、(5)ビス(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(6)ビス(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(8)ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノ
クロリドモノハイドライド、
【0025】(10)ビス(シクロペンタジエニル)メチ
ルジルコニウムモノクロリド、(11)ビス(シクロペン
タジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、(12)
ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムモ
ノクロリド、(13)ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、(14)ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジフェニル(15)ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジネオペンチル(16)ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジハイドライド、
(17)(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、(18)(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(19)メチ
レンビス(インデニル)ジルコニウジクロリド、
【0026】(20)エチレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、(21)エチレンビス(インデニル)
ジルコニウムモノハイドライドモノクロリド、(22)エ
チレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロ
リド、(23)エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
モノメトキシモノクロリド、(24)エチレンビス(イン
デニル)ジルコニウムジエトキシド、(25)エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジメチル、(25)エチレ
ンビス(4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(27)エチレン(2,4‐ジメ
チルシクロペンタジエニル)(3′,4′‐ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(28)
イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、(29)イソプロピリデンビス(2,4,‐ジメ
チルシクロペンタジエニル)(3′,4′‐ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0027】(30)ジメチルシリレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(31)テトラメチルジシ
リレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(32)ジメチルシリレン(4,5,6,7‐テトラヒド
ロインデニル)ジルコニウムジクロリド、(33)ジメチ
ルシリレン(2,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)
(3′,4′‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、(34)ジメチルゲルマンビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、(35)メチルアルミ
ニウムビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(36)エチルアルミニウムビス(インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、(37)フェニルアルミニウムビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、(38)フェニルホ
スフィノビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(39)エチルボラノビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、
【0028】(40)メチレン(シクロペンタジエニル)
(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(41)メチレン(シクロペンタジエニ
ル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムクロリドヒドリド、(42)メチレン(シクロペン
タジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、(43)メチレン(シクロペ
ンタジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジフェニル、(44)メチレン(シクロ
ペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、(45)メチレン(シクロペン
タジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(46)イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、(47)イソプロピリ
デン(シクロペンタジエニル)(3‐メチルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(48)イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(49)イソプロピリデン(2‐メチルシ
クロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、
【0029】(50)イソプロピリデン(2,5‐ジメチ
ルシクロペンタジエニル)(3′,4′‐ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(51)イ
ソプロピリデン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(52)
エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5‐ジメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(5
3)エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(54)エチレン(2,5
‐ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(55)エチレン(2,5‐ジエ
チルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、(56)ジフェニルメチレン(シクロペ
ンタジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(57)ジフェニルメチレ
ン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジエチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(58)シク
ロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(59)シクロヘキシリデ
ン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,
4′‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、
【0030】(60)ジメチルシリレン(シクロペンタジ
エニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(61)ジメチルシリレン(シク
ロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(62)ジメチルシリレン
(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、(63)ジメチルシ
リレン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジエチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(64)
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(トリエチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(65)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テ
トラエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、(66)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(67)
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7‐
ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(68)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)
(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(69)ジメチルシリレン(2‐メチルシクロペンタ
ジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0031】(70)ジメチルシリレン(2,5‐ジメチ
ルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(71)ジメチルシリレン(2‐エチルシ
クロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、(72)ジメチルシリレン(2,5‐ジエチル
シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、(73)ジメチルシリレン(2‐メチルシク
ロペンタジエニル)(2,7‐ジ‐t‐ブチルフルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、(74)ジメチルシリレ
ン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエニル)(2,7
‐ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(75)ジメチルシリレン(2‐エチルシクロペンタ
ジエニル)(2,7‐ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(76)ジメチルシリレン(ジエ
チルシクロペンタジエニル)(2,7‐ジ‐t‐ブチル
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(77)ジメチ
ルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(オクタヒ
ドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(78)ジ
メチルシリレン(ジメチルシクロペンタジエニル)(オ
クタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(79)ジメチルシリレン(エチルシクロペンタジエニ
ル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、
【0032】(80)ジメチルシリレン(ジエチルシクロ
ペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、(81)ジメチルゲルマン(シクロペ
ンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(82)フェニルアミノ(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(83)フェ
ニルアルミノ(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、等が例示される。
【0033】本発明では上記化合物の塩素を臭素、ヨウ
素と置きかえたものも使用可能である。また、Meがチ
タン、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン
である場合は、上記のようなジルコニウム化合物の中心
金属を対応する金属に書き換えた化合物を例示すること
が出来る。
【0034】これらの化合物のうちで成分(A)として
好ましいものは、ジルコニウム化合物及びハフニウム化
合物である。さらに好ましいものはアルキレン基で架橋
された構造を有するジルコニウム化合物及びハフニウム
化合物である。
【0035】成分(B) 成分(B)はアルモキサンである。アルモキサンは、一
種類又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと水と
の反応により得られる生成物である。トリアルキルアル
ミニウムは、炭素数1〜12、特に炭素数1〜6、のア
ルキルを有するものが好ましい。
【0036】したがって、成分(B)の具体例として
は、(イ)一種類のトリアルキルアルミニウムと水とか
ら得られるもの、例えばメチルアルモキサン、エチルア
ルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキ
サン等、(ロ)二種類のトリアルキルアルミニウムと水
とから得られるもの、例えばメチルエチルアルモキサ
ン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアル
モキサン等がある。これらの中で、特に好ましいのはメ
チルアルモキサンである。これらのアルモキサンは、複
数種併用することも可能である。また、本発明では、ア
ルモキサンとアルキルアルミニウム、例えばトリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等とを
併用することも可能である。
【0037】アルモキサンは、一般的には、一般式
【0038】
【化1】 で表わされる環状アルモキサン、
【0039】
【化2】 で表わされる直鎖状アルモキサンまたはこれらの混合物
である。但し、式中、R、R、R及びRはそれ
ぞれ独立して炭素数1〜8の炭化水素残基、好ましくは
1〜4の炭化水素残基、最も好ましくはメチル基、を示
し、p及びqはそれぞれ2〜100の数を示す。
【0040】上記のアルモキサンは、公知の種々の方法
で製造される。具体的には以下の様な方法が例示でき
る。 (イ) トリアルキルアルミニウムをトルエン、ベンゼ
ン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応
させる方法。 (ロ) トリアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩
水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物とを
反応させる方法。 (ハ) トリアルキルアルミニウムとシリカゲル等に含
浸させた水分とを反応させる方法。
【0041】成分(C) 本発明の触媒の成分(C)は、下記の成分(i) ないし成
分(iii)を接触させて得られる固体触媒成分である。こ
こで、「接触させて得られる」ということは対象が例示
のもの(すなわち(i) 〜 (iii))のみであるということ
を意味するものではなく、合目的的な他の成分の共存を
排除しない。
【0042】成分(i) 成分(i) は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必
須成分として含有するチーグラー型触媒用固体成分であ
る。ここで「必須成分として含有する」ということは、
挙示の三成分の外に合目的的な他元素を含んでいてもよ
いこと、これらの元素はそれぞれが合目的的な任意の化
合物として存在してもよいこと、ならびにこれら元素は
相互に結合したものとして存在してもよいこと、を示す
ものである。チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含
む固体成分そのものは公知のものである。例えば、特開
昭53−45688号、同54−3894号、同54−
31092号、同54−39483号、同54−945
91号、同54−118484号、同54−13158
9号、同55−75411号、同55−90510号、
同55−90511号、同55−127405号、同5
5−147507号、同55−155003号、同56
−18609号、同56−70005号、同56−72
001号、同56−86905号、同56−90807
号、同56−155206号、同57−3803号、同
57−34103号、同57−92007号、同57−
121003号、同58−5309号、同58−531
0号、同58−5311号、同58−8706号、同5
8−27732号、同58−32604号、同58−3
2605号、同58−67703号、同58−1172
06号、同58−127708号、同58−18370
8号、同58−183709号、同59−149905
号、同59−149906号各公報等に記載のものが使
用される。
【0043】本発明において使用されるマグネシウム源
となるマグネシウム化合物としては、マグネシウムハラ
イド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシ
ウムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキ
ルマグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、マグネシウムのカルボン酸塩等があげられる。これ
らのうちで好ましいものはマグネシウムハライド、ジア
ルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライ
ドである。
【0044】また、チタン源となるチタン化合物は、一
般式Ti(OR4-r (ここでRは炭化水素残
基であり、好ましくは炭素数1〜10程度のものであ
り、Xはハロゲンを示し、rは0≦r≦4の数を示
す。)で表わされる化合物があげられる。具体例として
は、TiCl、TiBr、Ti(OC)Cl
、Ti(OCCl、Ti(OC
Cl、Ti(O−iC)Cl、Ti(O−n
)Cl、Ti(O−nCCl
Ti(OC)Br、Ti(OC)(OC
Cl、Ti(O−nCCl、Ti
(O−C)Cl、Ti(O−iC
、Ti(OC11)Cl、Ti(OC13
Cl、Ti(OC、Ti(O−nC
、Ti(O−nC、Ti(O−i
、Ti(O−nC13、Ti(O−
nC17、Ti〔OCHCH(C)C
などが挙げられる。
【0045】また、TiX′(ここではX′はハロゲ
ンを示す)に後述する電子供与体を反応させた分子化合
物を用いることもできる。具体例としては、TiCl
・CHCOC、TiCl・CHCO
、TiCl・CNO、TiCl・CH
COCl、TiCl・CCOCl、TiCl
・CCO、TiCl・ClCOC
、TiCl・CO等があげられる。
【0046】これらのチタン化合物の中でも好ましいも
のは、TiCl、Ti(OC、Ti(OC
、Ti(OC)Cl等である。
【0047】ハロゲン源としては、上述のマグネシウム
および(または)チタンのハロゲン化合物から供給され
るのが普通であるが、アルミニウムのハロゲン化物やケ
イ素のハロゲン化物、リンのハロゲン化物といった公知
のハロゲン化剤から供給することもできる。
【0048】触媒成分中に含まれるハロゲンはフッ素、
塩素、臭素、ヨウ素またはこれらの混合物であってよ
く、特に塩素が好ましい。
【0049】本発明に用いる固体成分は、上記必須成分
の他にSiCl、CHSiCl等のケイ素化合
物、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のポリマー
ケイ素化合物、Al(OiC、AlCl
AlBr、Al(OC、Al(OCH
Cl等のアルミニウム化合物およびB(OC
、B(OC、B(OC
のホウ素化合物等の他成分の使用も可能であり、これら
がケイ素、アルミニウムおよびホウ素等の成分として固
体成分中に残存することは差支えない。
【0050】更に、この固体成分を製造する場合に、電
子供与体を内部ドナーとして使用して製造することもで
きる。
【0051】この固体成分の製造に利用できる電子供与
体(内部ドナー)としては、アルコール類、フェノール
類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸ま
たは無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、
酸無水物類のような含酸素電子供与体、アンモニア、ア
ミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素電子供
与体などを例示することができる。
【0052】より具体的には、(イ)メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、
オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコー
ル、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、
イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1ないし
18のアルコール類、(ロ)フェノール、クレゾール、
キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノー
ル、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、ナフ
トールなどのアルキル基を有してよい炭素数6ないし2
5のフェノール類、(ハ)アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾ
フェノンなどの炭素数3ないし15のケトン類、(ニ)
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフト
アルデヒドなどの炭素数2ないし15のアルデヒド類、
(ホ)ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニ
ル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシ
ル、酢酸セルソルブ、プロピオン酸エチル、酪酸メチ
ル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、クロル酢酸メ
チル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロ
トン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息
香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息
香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシ
ル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セ
ルソルブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トル
イル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチ
ル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、フタル
酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、
γ‐ブチロラクトン、α‐バレロラクトン、クマリン、
フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2ないし20の有
機酸エステル類、(ヘ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、
フェニルトリエトキシシランなどのケイ酸エステルのよ
うな無機酸エステル類、(ト)アセチルクロリド、ベン
ゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリ
ド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数
2ないし15の酸ハライド類、(チ)メチルエーテル、
エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテ
ル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソー
ル、ジフェニルエーテルなどの炭素数2ないし20のエ
ーテル類、(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイ
ル酸アミドなどの酸アミド類、(ヌ)メチルアミン、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペ
リジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピ
コリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン
類、(ル)アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニト
リルなどのニトリル類、などを挙げることができる。こ
れら電子供与体は、二種以上用いることができる。これ
らの中で好ましいのは有機酸エステルおよび有機酸ハラ
イドであり、特に好ましいのは、酢酸セルソルブ、フタ
ル酸エステルおよびフタル酸ハライドである。
【0053】上記各成分の使用量は、本発明の効果が認
められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には、
次の範囲内が好ましい。
【0054】チタン化合物の使用量は、使用するマグネ
シウム化合物の使用量に対してモル比で1×10-4〜1
000の範囲内がよく、好ましくは0.01〜10の範
囲内である。ハロゲン源としてそのための化合物を使用
する場合は、その使用量はチタン化合物および(また
は)マグネシウム化合物がハロゲンを含む、含まないに
かかわらず、使用するマグネシウムの使用量に対してモ
ル比で1×10-2〜1000、好ましくは0.1〜10
0、の範囲内である。
【0055】ケイ素、アルミニウムおよびホウ素化合物
の使用量は、上記のマグネシウム化合物の使用量に対し
てモル比で1×10-3〜100、好ましくは0.01〜
1、の範囲内である。
【0056】電子供与性化合物の使用量は、上記のマグ
ネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×10-3
10、好ましくは0.01〜5、の範囲内である。
【0057】成分(i) を製造するための固体成分は、上
述のチタン源、マグネシウム源およびハロゲン源、更に
は必要により電子供与体等の他成分を用いて、例えば以
下の様な製造法により製造される。 (イ) ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供
与体とチタン含有化合物とを接触させる方法。 (ロ) アルミナまたはマグネシアをハロゲン化リン化
合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供
与体、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方法。 (ハ) ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコ
キシドおよび特定のポリマーケイ素化合物を接触させて
得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物および(ま
たは)ケイ素のハロゲン化合物を接触させる方法。この
ポリマーケイ素化合物としては、下式で示されるものが
適当である。
【0058】
【化3】
【0059】(ここで、Rは炭素数1〜10程度の炭
化水素残基、sはこのポリマーケイ素化合物の粘度が1
〜100センチストークス程度となるような重合度を示
す)
【0060】これらのうちでは、メチルハイドロジェン
ポリシロキサン、1,3,5,7‐テトラメチルシクロ
テトラシロキサン、1,3,5,7,9‐ペンタメチル
シクロペンタシロキサン、エチルハイドロジェンポリシ
ロキサン、フェニルハイドロジェンポリシロキサン、シ
クロヘキシルハイドロジェンポリシロキサンなどが好ま
しい。 (ニ) マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシ
ドおよび電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤または
チタンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、チタン
化合物を接触させる方法。 (ホ) グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物
をハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要
に応じて電子供与体とチタン化合物を接触させる方法。 (ヘ) アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤
および(または)チタン化合物を電子供与体の存在もし
くは不存在下に接触させる方法。
【0061】成分(ii) 成分(C)を製造するために使用する成分(ii)は、一般
式 R Si(OR104-t-u (ただし、Rおよび
10は炭化水素残基であり、Xはハロゲンであり、tお
よびuはそれぞれ0≦t≦3および0≦u≦3であっ
て、しかも0≦t+u≦3である)で表わされるケイ素
化合物である。RおよびR10は、それぞれ1〜20程
度、好ましくは1〜10、の炭化水素残基であることが
好ましい。Xは、塩素が少なくとも経済性からいって好
ましい。
【0062】具体例としては、(CH)Si(OCH
、(CH)Si(OC、(C
Si(OCH、(n−C11)Si
(OCH、(C)Si(OC
(n−C1021)Si(OC、(CH=C
H)Si(OCH、Cl(CHSi(OC
、Si(OCH、Si(OC
Cl、(CSi(OC、(C17
35)Si(OCH、Si(OC、(C
)Si(OCH、Si(OCHCl
、(CSi(OCH、(C
(CH)Si(OCH、(C)Si(O
、(CSi(OC
NC(CHSi(OC、(C
(CH)Si(OC、(n−C)S
i(OC、(CH)Si(OC
、(C)(CH)Si(OC
【0063】
【化4】
【0064】
【化5】
【0065】
【化6】
【0066】
【化7】
【0067】(CHCSi(CH)(OC
、(CHCSi(HC(CH
(OCH、(CHCSi(CH)(OC
、(CCSi(CH)(OCH
、(CH)(C)CH−Si(CH
(OCH、((CHCHCH)Si(O
CH、CC(CHSi(CH
(OCH、CC(CHSi(C
)(OC、(CHCSi(OCH
、(CHCSi(OC、(C
CSi(OC、(CH)(C
)CHSi(OCH等があげられる。これらの
中で好ましいのは、R9 のα位の炭素が2級または3級
で炭素数3〜20の分岐鎖状炭化水素残基、特にR9
α位の炭素が3級であって炭素数4〜10の分岐鎖状炭
化水素残基、を有するケイ素化合物である。
【0068】成分(iii) チーグラー型触媒用固体触媒成分を構成すべき成分(ii
i) は、周期律表第I〜III 族金属の有機金属化合物で
ある。有機金属化合物であるからこの化合物は少なくと
も一つの有機基‐金属結合を持つ。その場合の有機基と
しては、炭素数1〜10程度、好ましくは1〜6程度、
のヒドロカルビル基が代表的である。この化合物中の金
属としては、リチウム、マグネシウム、アルミニウムお
よび亜鉛、特にアルミニウム、が代表的である。
【0069】原子価の少なくとも一つを有機基で充足さ
れている有機金属化合物の金属の残りの原子価(もしそ
れがあれば)は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカル
ビルオキシ基(ヒドロカルビル基は、炭素数1〜10程
度、好ましくは1〜6程度)、あるいは酸素原子を介し
た当該金属(具体的には、メチルアルモキサンの場合の
−O−Al(CH)−)、その他で充足される。
【0070】このような有機金属化合物の具体例を挙げ
れば、(イ)メチルリチウム、n‐ブチルリチウム、第
三ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、(ロ)ブチ
ルエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ヘキシ
ルエチルマグネシウム、ブチルマグネシウムクロリド、
第三ブチルマグネシウムブロミド等の有機マグネシウム
化合物、(ハ)ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜
鉛化合物、(ニ)トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn‐
ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニ
ウムエトキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミノキサン
等の有機アルミニウム化合物があげられる。このうちで
は、特に有機アルミニウム化合物が好ましい。
【0071】固体触媒成分(C)の調製 成分(i) 〜(iii) の接触方法および使用量は、本発明の
効果が認められる限り任意のものでありうるが、一般的
には、次の条件が好ましい。成分(i) と成分(ii)の量比
は、成分(i) を構成するチタン成分に対する成分(ii)の
ケイ素の原子比(ケイ素/チタン)で0.01〜100
0、好ましくは0.1〜100、の範囲である。成分(i
ii)の成分(i) に対する量比は、有機金属化合物の金属
原子比(金属/チタン)で0.01〜100、好ましく
は0.1〜30、の範囲である。
【0072】成分(i) 〜(iii) の接触順序および接触回
数は、特に制限はないが、例えば次のような方法があげ
られる。 (イ) 成分(i) →成分(ii)→成分(iii) (ロ) 成分(i) →成分(iii) →成分(ii) (ハ) 成分(i) →{成分(ii)+成分(iii) }→{成分
(ii)+成分(iii) } (ニ) {成分(ii)+成分(iii) }→成分(i) (ホ) 成分(i) 、(ii)および(iii) を同時に接触させ
る方法 (ヘ) (イ)〜(ニ)の方法において、各工程の間に
洗浄工程を行なう方法
【0073】接触温度は、−50〜200℃程度、好ま
しくは0〜100℃程度、である。接触方法としては、
回転ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒体攪拌粉
砕機などによる機械的な方法、不活性稀釈剤の存在下
に、攪拌により接触させる方法などがあげられる。この
とき使用する不活性稀釈剤としては、脂肪族または芳香
族の炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシロキサン等が
あげられる。
【0074】任意成分 これらの接触に際しては、本発明の効果を損なわない限
りにおいて、成分(i) 〜(iii) 以外のその他の成分、た
とえばメチルハイドロジェンポリシロキサン、ホウ酸エ
チル、アルミニウムトリイソプロポキシド、三塩化アル
ミニウム、四塩化ケイ素、一般式Ti(OR114-v
(ただし、0≦v≦4、R11は炭化水素残基、Xはハ
ロゲンを表わす)で表わされるチタン化合物、三価のチ
タン化合物、六塩化タングステン、五塩化モリブデン等
を添加することも可能である。
【0075】<不飽和重合体の製造>触媒成分(A)お
よび成分(B)からなる触媒を用いてα‐オレフィンを
重合させる方法は、通常のスラリー重合が採用できるの
はもちろんであるが、実質的に溶媒を用いない液相無溶
媒重合法、溶液重合法、または気相重合法を採用するこ
とができる。また、連続重合、回分式重合または予備重
合を行なう方式により行うこともできる。スラリー重合
の場合の重合溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ペン
タン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂
肪族または芳香族炭化水素の単独あるいは混合物が用い
られる。重合温度は−78℃から200℃程度、好まし
くは0℃〜150℃、であり、そのときの分子量調節剤
として補助的に水素を用いることができる。
【0076】成分(A)および成分(B)の使用量は、
成分(B)中のアルミ原子/成分(A)の遷移金属の原
子比で0.01〜100000、好ましくは0.1〜3
0000、である。成分(A)と成分(B)との接触
は、重合時に別々に接触させることもできるし、重合槽
外で予め接触させることもできる。
【0077】また、成分(C)および成分(B)からな
る触媒は両成分および必要に応じて第三成分を、重合槽
内であるいは重合させるべきオレフィンの共存下に、あ
るいは重合槽外であるいは重合させるべきオレフィンの
存在下に、一時に、階段的にあるいは分割して数回にわ
たって接触させることによって形成させることができ
る。
【0078】成分(B)の使用量は、成分(C)を構成
するチタン成分に対するモル比(Al/Ti)で0.1
〜1000、好ましくは、1〜100、の範囲内であ
る。成分(C)および(B)の接触場所への供給法には
特に制限はないが、それぞれヘキサン、ヘプタン等の脂
肪族炭化水素溶媒に分散させて、それぞれ別々に重合槽
に添加しあるいはあらかじめ接触させて重合槽に添加す
るのがふつうである。成分(C)は、固体の状態で成分
(B)とは別々に重合槽に添加してもよい。
【0079】オレフィンの重合法は、前記した触媒に、
150℃以上の温度でオレフィンを接触させて重合させ
ることからなるものである。重合温度の上限は、300
℃程度であり、好ましい重合温度は150〜250℃で
ある。
【0080】オレフィンの重合は、実質的に溶媒を用い
ない液相無溶媒重合、溶液重合または気相重合法に従っ
て行なうことができる。重合溶媒を使用するときの溶媒
としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トル
エン、オクタン、デカン、パラフィン、白灯油等の不活
性溶媒が使用可能である。重合圧力には特に制限はない
が、通常は1〜1000Kg/cm2 G程度である。重合は
連続重合、回分式重合のいずれの方法でも実施すること
ができる。
【0081】<不飽和重合体の変性> 本発明では、上記の不飽和重合体を変性して、この重合
体の主鎖の片末端のオレフィン性不飽和結合にスルホン
酸基を導入する。
【0082】本発明において、オレフィン性不飽和結合
にスルホン酸基を導入するということは、オレフィン性
不飽和結合を利用してスルホン酸基を誘導することを意
味し、オレフィン性不飽和結合に直接スルホン酸基を生
成させたり、オレフィン性不飽和結合にスルホン酸基含
有化合物を結合させる等の方法によってスルホン酸基を
導入することができる。
【0083】スルホン酸基の導入量は、不飽和重合体中
のオレフィン性不飽和結合の1%以上、好ましくは3%
以上、さらに好ましくは5%以上、最も好ましくは10
%以上、である。導入量が1%未満では、結果的にスル
ホン酸基の含有量が低くて変性効果が乏しい。
【0084】不飽和重合体のオレフィン性不飽和結合に
スルホン酸基を導入する方法は特に限定されないが、た
とえば、硫酸と無水酢酸の混合物等の三酸化イオウ供与
体と酸無水物との反応による方法、三酸化イオウを反応
させる方法、クロルスルホン酸等のハロゲン化スルホン
酸を反応させる方法等をあげる事ができる。なお、スル
ホン化方法の成書としては、E.E. Gilbert著『Sulfonat
ion and Related Reactions 』Interscience Publisher
s Inc.(1965年)等をあげる事ができる。
【0085】反応は、重合体が溶媒による膨潤状態また
は溶解状態で、あるいは融解状態で、実施される。溶解
または融解状態での反応が好ましい。使用される溶媒は
反応の種類によって適宜選択されるべきであるが、脂肪
族、脂環族、芳香族の炭化水素およびそのハロゲン化
物、炭素数6以上のエステル、ケトン、エーテル、およ
び二硫化炭素の中から選ばれることが多く、当然二種以
上の混合溶媒として使うこともできる。融解状態での反
応は、例えば通常の造粒機、二軸混練機、プラストミル
等を利用しても行なえる。反応の選択率は必ずしも10
0%である必要はなく、実質的にスルホン酸基が導入さ
れていれば副反応による生成物が混入してもかまわな
い。
【0086】<変性重合体>本発明による変性重合体
は、末端にスルホン酸基をもつために特徴ある性質を示
す。たとえば、各種印刷インク、塗料の接着性が優れ、
染色性が付与される。アルミニウムその他各金属との接
着力が優れ、他樹脂との接着性も優れる。また、親水性
が付与されていて恒久的な帯電防止性や防曇性を示し、
スルホン酸基含量を高くすることによりガスバリア性が
期待される。また、スルホン酸基の反応性を利用して、
たとえば酸化防止性、紫外線吸収性、感光性、蛍光性、
発色性、キレート性などの官能基をもつ化合物を導入す
ることによって上述の性質を付与することも可能であ
る。上記に加えて本発明による変性重合体は、機械的強
度も優れたものである。
【0087】
【実施例】<不飽和重合体製造例−1>触媒成分(A)の製造 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド
(A−1)及びジメチルシリルビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド(A−2)は、「J.Orgmet. Chem.
」(342)21 〜29 1988及び「J.Orgmet. Chem. 」(369)
359〜370 1989に従って合成した。イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド(A−3)は、特開平2−41303号公
報の7頁の方法Aに従って合成した。
【0088】触媒成分(B)の製造 トリメチルアルミニウム48.2gを含むトルエン溶液
565mlに、攪拌下、硫酸銅5水塩50gを0℃で、5
gづつ5分間隔で投入する。終了後、溶液をゆっくりと
25℃に昇温し、25℃で2時間反応させ、さらに35
℃に昇温して2日間反応させる。残存する硫酸銅の固体
を分離し、アルモキサンのトルエン溶液を得る。メチル
アルモキサンの濃度は27.3mg/ml(2.7w/v %)
であった。
【0089】樹脂−Aの製造 攪拌及び温度制御装置のついた内容積1.0リットルの
ステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水及び脱酸
素したトルエン400ミリリットル、メチルアルモキサ
ン580ミリグラムおよび成分(A−1)を0.418
ミリグラム(0.001ミリモル)導入し、プロピレン
圧力7Kg/cm2 G、40℃で4時間重合を行なった。重
合終了後、重合溶液を3リットルのメタノール中に抜き
出し、重合体を濾別し乾燥させたところ、180グラム
の樹脂(樹脂−A)が回収された。ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーの測定の結果、このものは数平均
分子量(Mn)18.7×103 、分子量分布(MW/Mn)
1.99のものであった。JEOL.FX−200によ
13C−NMRを測定した結果、トリアッドの〔mm〕分
率は0.888であり、片側末端は全てビニリデン結合
であった(1000炭素原子当り0.79個)。
【0090】樹脂−Bの製造 攪拌及び温度制御装置のついた内容積1.0リットルの
ステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水及び脱酸
素したヘプタン500ミリリットル、メチルアルモキサ
ン580ミリグラムおよび成分(A)として(A−3)
を0.432ミリグラム(0.001ミリモル)導入
し、プロピレン圧力7Kg/cm2 G、50℃で、4時間重
合した。重合終了後、重合溶液を3リットルのメタノー
ル中に抜き出し、重合体を槇別し乾燥したところ、13
3グラムの樹脂−Bが回収された。ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーの測定の結果、数平均分子量(M
n)は26.9×103 、分子量分布(MW/Mn)は2.
21であった。JEOL FX−200により13C−N
MRの測定の結果、〔rr〕(トリアッド)は0.86、
片側末端は全てビニリデン結合であった。
【0091】樹脂−Cの製造 攪拌及び温度制御装置のついた内容積1.0リットルス
テンレス鋼製オートクレーブに充分に脱水及び脱酸素し
たトルエン400ミリリットル、1‐ヘキセン20ミリ
リットル、メチルアルモキサン239ミリグラムおよび
成分(A)として(A−2)を0.62ミリグラム
(1.37×10-6モル)導入し、プロピレン圧力3Kg
/cm2 G、15℃で4時間重合を行なった。重合終了
後、エタノール3リットル中に重合反応液を抜き出し、
濾過したのち乾燥して、22.4グラムの樹脂(樹脂−
C)を得た。13C−NMRの測定の結果、1‐ヘキセン
の含有量は0.9モルパーセント、末端の一方は全てビ
ニリデン結合になっており(1000炭素原子当り0.
32個)、トリアッドの〔mm〕分率は、0.94の値を
示した。数平均分子量(Mn)は43.6×103 、分子
量分布(MW/Mn)は2.23であった。
【0092】触媒成分(C)の製造 充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素したn
‐ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgC
を0.4モル、Ti(O−nCを0.8
モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、
40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサ
ン(20センチストークスのもの)を48ミリリットル
導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn‐ヘ
プタンで洗浄して、固体成分とした。
【0093】ついで、充分に窒素置換したフラスコに上
記と同様に精製したn‐ヘプタンを50ミリリットル導
入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.2
4モル導入した。ついでn‐ヘプタン25ミリリットル
にSiCl0.8モルを混合して30℃、30分間で
フラスコへ導入し、90℃で1時間反応させた。反応終
了後、n‐ヘプタンで洗浄した。
【0094】充分に窒素置換したフラスコに充分に精製
したn‐ヘプタンを50ミリリットル導入し、次いで上
記で得た固体成分を5グラム導入し、次いで成分(ii)
のケイ素化合物として(CHCSi(CH
(OCHを2.8ミリリットル導入し、さらに成
分(iii)のトリエチルアルミウム1.5グラムをそれぞ
れ導入して、30℃で2時間接触させた。接触終了後、
これをn‐ヘプタンで充分に洗浄して、成分(C)とし
た。
【0095】樹脂−Dの製造 攪拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットル
のステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および
脱酸素したn‐パラフィンを500ミリリットル、成分
(B)50ミリグラムおよび上記で製造した成分(C)
を100ミリグラム導入し、プロピレンの圧力は重合圧
力5Kg/cm2 G、重合温度170℃、重合時間2時間の
条件で重合した。重合終了後、得られたポリマー溶液を
エタノールにより処理し、ポリマーとn‐パラフィンと
分離し、乾燥してポリマーを得た。その結果、54.2
グラムのポリマーが得られた。このポリマーは、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーの測定の結果、数平
均分子量(Mn)は2.57×104 、分子量分布(Mw/
Mn)は6.87であった。また、13C−NMRの測定の
結果、トリアッドの〔mm〕分率は0.953であり、片
側末端はすべてビニリデン結合であった。
【0096】末端アミノ化ポリフェニレンエーテルの製
造例 ポリ(2,6‐ジメチル‐1,4‐フェニレンエーテ
ル)(PPE、30℃においてクロロホルム中で測定し
た極限粘度:0.30dl/g)20.0g及びトルエン
200mlを反応器に仕込み、80℃で加熱攪拌してポリ
フェニレンエーテルを溶解させた。続いて、塩基性触媒
として50%水酸化ナトリウム水溶液7.0g、相間移
動触媒としてトリオクチルメチルアンモニウムクロライ
ド2.0gを加えた後90℃に反応混合物の温度を上
げ、30分攪拌を続けた。続いて2‐クロルエチルアミ
ン3.5gを水溶液として15分かけて添加した。更
に、7時間加熱攪拌後、反応混合液をメタノール1.5
リットルに注ぎ生成した変性樹脂を沈澱させた。これを
濾別した後、水1リットルで洗浄し、更にメタノール1
リットルで洗浄した。80℃で減圧加熱乾燥して末端ア
ミノ化ポリフェニレンエーテルを得た。収率は100%
で、ポリフェニレンエーテル末端の反応率は100%
で、プロトン核磁気共鳴吸収スペクトルにより、ハロゲ
ン化第一アミンの付加数は1分子であることが判明し
た。
【0097】<実施例−1>乾燥した300mlフラスコ
において、不飽和重合体製造例−1で得た樹脂A5gと
クロルベンゼン100mlを加え、100℃で攪拌して樹
脂Aを完全に溶解させた。その溶液を攪拌下、100℃
に保ち、これに無水酢酸3.41mlを加えた後、溶液を
攪拌下室温まで冷却した。その後、濃硫酸1.47mlを
加え、室温で3時間反応させた後、多量の冷アセトン中
へ注いでポリマーを析出させ、濾過した。更に、アセト
ンと水で濾別洗浄を各2回行なった後、減圧乾燥をする
ことにより、変性重合体を得た。ポリマーの収率は9
2.7重量%であった。その後、赤外分光法、NMR分
光法及びイオンクロマトグラフィー法により重合体中に
スルホン酸基が導入された事が確認され、末端オレフィ
ン性不飽和結合のスルホン酸基への転化率は99.1%
である事が判った。
【0098】<実施例−2>不飽和重合体を樹脂Bに変
えた以外は実施例−1と同様の操作を行なった結果、ポ
リマーの収率は95.6重量%、末端オレフィン性不飽
和結合のスルホン酸基への転化率は97.5%であっ
た。
【0099】<実施例−3>不飽和重合体を樹脂Cに変
えた以外は実施例−1と同様の操作を行なった結果、ポ
リマーの収率は94.1重量%、末端オレフィン性不飽
和結合のスルホン酸基への転化率は98.8%であっ
た。
【0100】<実施例−4>不飽和重合体を樹脂Dに変
えた以外は実施例−1と同様の操作を行なった結果、ポ
リマーの収率は97.3重量%、末端オレフィン性不飽
和結合のスルホン酸基への転化率は97.4%であっ
た。
【0101】<応用例−1>実施例−1で得たスルホン
酸基含有重合体と上述の方法により得た末端アミノ化ポ
リフェニレンエーテルと樹脂Aを表−1に示す組成で2
80℃、回転数60rpm の条件で6分間溶融混練した。
得られた混合物を280℃の条件でプレス成形して、厚
み2mmのシートを作成した。このシートより各種試験片
を切り出して物性評価に供した。
【0102】<測定及び評価法> (1) 曲げ弾性率 幅25mm、長さ80mmの試験片を切削加工し、JIS
K7203に準拠してインストロン試験機を用いて測定
した。(2) アイゾッド衝撃強度 耐衝撃強度はJIS K7110に準じて、厚さ2mmの
試験片を三枚重ねにして、23℃のノッチ無しアイゾッ
ド衝撃強度を測定した。
【0103】<結 果>上記の方法により得られた結果
を表1に示す。表1からも明らかなように、本発明によ
るスルホン酸基含有オレフィン重合体を用いた組成物は
高い衝撃強度を示すものである。
【表1】
【0104】
【発明の効果】本発明によるスルホン酸基含有重合体
は、分子中に反応性の高いスルホン酸基を含むために種
々の特徴ある性質、例えば、各種のインク、塗料あるい
はアルミニウムその他の金属との接着性が優れたもので
あり、他樹脂とのポリマーブレンドにおいても優れた相
溶化効果を発揮するものであることは、「課題を解決す
るための手段」の項において前記したところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅 野 利 彦 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (72)発明者 有 富 充 利 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−123107(JP,A) 特開 昭54−83989(JP,A) 特開 昭54−90290(JP,A) 特開 昭63−235309(JP,A) 特開 昭64−54003(JP,A) 特開 昭63−342(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数2〜20のα‐オレフィンの少なく
    とも一種を重合させてなる重合体であって、この重合体
    の主鎖の片末端にオレフィン性不飽和結合を有し、かつ
    13C−NMRの測定によるトリアッドの[mm]分率
    が0.5以上である不飽和重合体の上記のオレフィン性
    不飽和結合に、下記イ〜ハに記載のいずれかの方法によ
    りスルホン酸基を導入して得られる、スルホン酸基含有
    重合体。 イ.硫酸と無水酢酸の混合物等の三酸化イオウ供与体と
    酸無水物を反応させる方法、 ロ.三酸化イオウを反応させる方法、 ハ.クロルスルホン酸等のハロゲン化スルホン酸を反応
    させる方法。
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