JP3504409B2 - ブロック共重合体の製造法 - Google Patents

ブロック共重合体の製造法

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JP3504409B2 JP31477795A JP31477795A JP3504409B2 JP 3504409 B2 JP3504409 B2 JP 3504409B2 JP 31477795 A JP31477795 A JP 31477795A JP 31477795 A JP31477795 A JP 31477795A JP 3504409 B2 JP3504409 B2 JP 3504409B2
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  • Graft Or Block Polymers (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性が優れ、
かつ物性のバランス(剛性、耐衝撃性及びメルトフロー
レート(MFR)のバランス)も優れ、成形体のフロー
マークが少ない、プロピレン系ブロック共重合体の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、工業部品分野における各種成型
品、例えばテレビケース、VTRケース、洗濯機カバー
等の家電製品の各種部品、バンパー、インストルメント
パネル、グローブボックス等の自動車内・外装部品、ス
テレオケース等の音響製品部品用素材として、プロピレ
ン系ブロック共重合体が、その優れた機械的強度、成形
性および経済性を具えているという特徴を活かし多量に
実用に供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年上記各種
部品の高性能化・高機能化や大型化に伴って、高水準の
機械的強度バランスや外観が要求されることが多くなり
つつあるが、この要求を満足できるようなポリプロピレ
ン系の素材を提供するのが困難であることが多くなって
きた。
【0004】例えば、プロピレン系ブロック共重合体の
耐衝撃性を改良するために、後添加でゴム成分を混合す
る手法があるが、この手法は耐衝撃性は改良される反
面、剛性の低下が見られ、改良後の物性のバランス(剛
性、耐衝撃性及びMFRのバランス)は上記の高水準の
機械的強度バランスを必ずしも満足するものとは言いが
たい。また、この手法は経済的にも不利な方法であると
考えられる。
【0005】また、特開平5−194778号、特開平
5−194793号、特開平5−202237号各公報
等に、触媒をα−オレフィンとポリエンで予備重合処理
し、この触媒を用いてオレフィンを重合する手法が提示
されているが、これらの公報開示の技術はポリオレフィ
ンの溶融張力を改良することを目的とするものであり、
本発明者らが意図する目的を達成するためには、このま
までは不十分なものである。
【0006】本発明の目的は、上記問題点を解決して、
耐衝撃性を改良し、剛性、耐衝撃性及びMFRのバラン
スが優れ、成形体のフローマークが少ないプロピレン系
ブロック共重合体の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕 <要旨>本発明は、プロピレン系ブロック共重合体製造
時に、第一段階でα−オレフィンとポリエン化合物によ
り、第二段階でα−オレフィンにより、無水素条件下、
予備重合処理した触媒を用いて重合を行うと、耐衝撃性
が改良できるのみでなく、剛性、耐衝撃性及びMFRの
バランスが優れ、成形体のフローマークを少なくするこ
とができる、という思いがけない事実に基付くものであ
る。
【0008】したがって、本発明によるブロック共重合
体の製造法は、プロピレンおよび(または)エチレンを
少なくとも二段階で重合させて、下記のブロック(i)
95〜10重量%およびブロック(ii)5〜90重量
%からなるブロック共重合体(但し、両ブロックは、プ
ロピレンおよび(または)エチレンの含有率において実
質的に相違するものとする)を製造する方法において、
使用する重合触媒が下記の予備重合処理済み触媒(T)
から少なくともなること、を特徴とするものである。
【0009】予備重合処理済み触媒(T):下記の成分
(A)および(B)、成分(A)および(C)、または
成分(A)、(B)および(C)からなる立体規則性重
合触媒に、無水素条件下、少なくとも、第一段階でα−
オレフィンとポリエン化合物とを接触させ、第二段階で
α‐オレフィンを接触させて、各段階でそれぞれ成分
(A)1g当たり0.1〜10,000gの量で共重合
させることからなる多段予備重合処理に付して得られる
予備重合処理済み触媒(T)。
【0010】成分(A):遷移金属化合物触媒成分。
【0011】成分(B):周期律表第I族〜第III族
から選ばれる金属を含む有機金属化合物触媒成分。
【0012】成分(C):成分(A)に含まれる遷移金
属化合物と反応してイオン錯体を形成する化合物。
【0013】ブロック(i):プロピレン含有率100
〜90重量%であり、エチレン含有率が0〜10重量%
である、プロピレン重合体からなるブロック。
【0014】ブロック(ii):プロピレン含有率が0
〜90重量%であり、エチレン含有率が100〜10重
量%である、共重合体からなるブロック。 <効果>本発明によるプロピレン系ブロック共重合体
は、従来のプロピレン系ブロック共重合体に比べて、耐
衝撃性が優れ、かつ良好な物性のバランス(剛性、耐衝
撃性およびMFRバランス)及び優れた成形体外観を具
えているものである。したがって、この共重合体は、テ
レビケース、VTRケース、洗濯機カバー等の家電製品
の各種部品、バンパー、インストルメントパネル、グロ
ーブボックス等の自動車内/外装部品、ステレオケース
等の音響製品部品、なかでも自動車のバンパー向け素材
として優れた特性を有しているものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
I.触媒 本発明で使用する触媒は、特定の触媒成分、すなわち特
定の予備重合触媒(T)、から少なくともなるものであ
る。ここで、「予備重合触媒(T)から少なくともな
る」ということは、挙示の成分、すなわち特定の予備重
合触媒(T)のみからなるということを意味するのでは
なく、合目的的な他の成分の共存を排除しない。 <予備重合処理済み触媒(T)>本発明に用いる予備重
合処理済み触媒(T)は、下記の成分(A)および
(B)、成分(A)および(C)、または(A)、
(B)および(C)からなる立体規則性重合触媒に、無
水素条件下、少なくとも、第一段階でα−オレフィンと
ポリエン化合物とを接触させて、成分(A)1g当たり
0.1〜10,000gの量で共重合させ、第二段階で
α−オレフィンを接触させて、成分(A)1g当たり
0.1〜10,000gの量で重合させることからなる
多段予備重合処理に付して得られるものである。
【0016】成分(A):遷移金属化合物触媒成分。
【0017】成分(B):周期律表第I族〜第III族
から選ばれる金属を含む有機金属化合物触媒成分。
【0018】成分(C):成分(A)に含まれる遷移金
属化合物と反応してイオン錯体を形成する化合物。
【0019】ここで、「立体規則性重合触媒」とは、プ
ロピレンを単独重合させて得られたポリマーの沸騰n−
ヘプタン抽出残の重量パーセント(II)が90以上、
好ましくは93以上、特に好ましくは95以上、のも
の、または該得られたポリマーのNMRで測定した3連
鎖[mm]または[rr]が80%以上、好ましくは8
5%以上、特に好ましくは90%以上のもの、を与える
重合触媒をいうものとする。
【0020】また、多段予備重合が第一段階と第二段階
から「少なくとも」なるということは、さらなる予備重
合、たとえば予備的予備重合(詳細後記)、を実施して
もよいことを意味する。 <<成分(A):遷移金属化合物触媒成分>>予備重合
処理済み触媒(T)の形成に用いられる遷移金属化合物
触媒成分(成分A)としては、好ましくは周期律表第I
VB〜VIB族から選ばれる遷移金属を含む化合物が挙
げられ、特に好ましくはTi、ZrおよびHfから選ば
れる少なくとも一種の遷移金属を含む化合物が挙げられ
る。
【0021】このような遷移金属化合物触媒成分として
は、遷移金属化合物に基づく立体規律性重合をするもの
である限り、あらゆる公知のα−オレフィン重合用の触
媒成分が挙げられる。
【0022】本発明で好ましい化合物としては、例え
ば、以下に記載の遷移金属化合物触媒成分〔1〕〜
〔3〕を挙げることができる。 〔イ〕遷移金属化合物触媒成分〔1〕 この明細書でこの群に分類しているものは、従来公知の
三塩化チタン系触媒成分である。
【0023】このような三塩化チタン系触媒成分として
は、TiClを、水素で還元したもの〔TiCl
(H)〕、チタン金属で還元したもの〔TiCl
(T)〕、アルミニウム金属で還元したもの〔TiC
(A)〕、および有機アルミニウム化合物で還元し
たもの(例えばジエチルアルミニウムクロライド還元に
よるTiCl)などその他多くの種類がある。本発明
においては、使用するTiClの種類によって触媒活
性に差が生ずる場合があって、得られる触媒性能は必ず
しも同一とはならないが、いわゆるチーグラー触媒(チ
ーグラー・ナッタ触媒を含む)の三塩化チタン系触媒成
分として使用しうるものはすべて使用することができ
る。従って、この三塩化チタン系触媒成分は純粋にTi
Clである必要はなく、例えばTiCl(A)のよ
うに1/3モルのAlClが付加したものでも、ある
いは事後的に電子供与体等の補助成分を導入したもので
もよく、また不可避的にあるいは目的意識的に少量の未
還元のTiClまたは過還元のTiClあるいは、
還元剤の酸化生成物等を含むものであってもよい。 〔ロ〕遷移金属化合物触媒成分〔2〕 遷移金属化合物成分〔2〕は、マグネシウム、チタンお
よびハロゲンを必須成分として含有する触媒成分であ
る。
【0024】このような遷移金属化合物触媒成分〔2〕
としては公知のものが使用できる。例えば、特開昭53
−45688号、同54−3894号、同54−310
92号、同54−39483号、同54−94591
号、同54−118484号、同54−131589
号、同55−75411号、同55−90510号、同
55−90511号、同55−127405号、同55
−147507号、同55−155003号、同56−
18609号、同56−70005号、同56−720
01号、同56−86905号、同56−90807
号、同56−155206号、同57−3803号、同
57−34103号、同57−92007号、同57−
121003号、同58−5309号、同58−531
0号、同58−5311号、同58−8706号、同5
8−27732号、同58−32604号、同58−3
2605号、同58−67703号、同58−1172
06号、同58−127708号、同58−18370
8号、同58−183709号、同59−149905
号、同59−149906号各公報等に記載のものが使
用される。
【0025】本発明において使用されるマグネシウム源
となるマグネシウム化合物としては、マグネシウムハラ
イド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシ
ウムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキ
ルマグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、マグネシウムのカルボン酸塩等があげられる。これ
らのマグネシウム化合物の中でもマグネシウムハライド
が好ましい。
【0026】また、チタン源となるチタン化合物は、一
般式Ti(OR)4-m (ここで、Rは炭化水素残基
であり、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、
Xはハロゲンを示し、mは0≦m≦4の数を示す。)で
表わされる化合物があげられる。具体例としては、Ti
Cl、TiBr、Ti(OC)Cl、Ti
(OCCl、Ti(OCCl、
Ti(O−iC)Cl、Ti(O−nC
)Cl、Ti(O−nCCl、T
i(OC)Br、Ti(OC)(OC
Cl、Ti(O−nCCl、Ti
(O−C)Cl、Ti(O−iC
、Ti(OC11)Cl、Ti(OC13
Cl、Ti(OC、Ti(O−nC
、Ti(O−nC、Ti(O−i
、Ti(O−nC13、Ti(O−
nC17、Ti〔OCHCH(C)C
等がある。
【0027】また、TiX′(ここではX′はハロゲ
ンを示す)に後述する電子供与体を反応させた分子化合
物を用いることもできる。具体例としては、TiCl
・CHCOC、TiCl・CHCO
、TiCl・CNO、TiCl・CH
COCl、TiCl・CCOCl、TiCl
・CCOCl、TiCl・CCO
、TiCl・ClCOC、TiCl
O等が挙げられる(Et=エチル、Bu=n‐
ブチル)。
【0028】これらのチタン化合物の中でも好ましいも
のは、TiCl、Ti(OEt)、Ti(OBu)
、Ti(OBu)Cl等である。
【0029】ハロゲン源は、上述のマグネシウムおよび
(または)チタンのハロゲン化合物から供給されるのが
普通であるが、アルミニウムのハロゲン化物やケイ素の
ハロゲン化物、リンのハロゲン化物といった公知のハロ
ゲン化剤から供給することもできる。そして、ハロゲン
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素又はこれらの混合物で
あってもよく、特に塩素が好ましい。
【0030】本発明に用いる遷移金属化合物触媒成分
〔2〕は、上記必須成分の他にSiCl、CHSi
Cl、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のケイ
素化合物、Al(Oi−C、AlCl、A
lBr、Al(OC 、Al(OCH
Cl等のアルミニウム化合物、B(OC等の
ホウ素化合物等の他成分の使用も可能であり、これらが
ケイ素、アルミニウムおよびホウ素等の成分として遷移
金属化合物触媒成分〔2〕中に残存することは差し支え
ない。
【0031】更に、この遷移金属化合物触媒成分〔2〕
を製造する場合に、電子供与体を所謂内部ドナーとして
使用して製造することもできる。
【0032】この遷移金属化合物触媒成分〔2〕の製造
に利用できる電子供与体(内部ドナー)としては、アル
コール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カ
ルボン酸類、有機酸又は無機酸類のエステル類、エーテ
ル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与
体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートの
ような含窒素電子供与体などを例示することができる。
【0033】より具体的には、(イ)メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、
オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコー
ル、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、
クミルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールな
どの炭素数1ないし18のアルコール類、(ロ)フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、
プロピルフェノール、クミルフェノール、ノニルフェノ
ール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数
6ないし25のフェノール類、(ハ)アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノ
ン、ベンゾフェノンなどの炭素数3ないし15のケトン
類、(ニ)アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、
オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒ
ド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2ないし15のアル
デヒド類、(ホ)ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ビニル、酢酸エチルセロソルブ、酢酸プロピ
ル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸
エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチ
ル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリ
ル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボ
ン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香
酸エチルセロソルブ、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、
トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸
エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安
息香酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジヘプチル、γ‐ブチロラクトン、α‐バレロ
ラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭
素数2ないし20の有機酸エステル類、(ヘ)ケイ酸エ
チル、ケイ酸ブチル、フェニルトリエトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、第三ブチルメチルジメトキ
シシランなどのケイ酸エステルまたはシランのようなケ
イ素化合物類、(ト)アセチルクロリド、ベンゾイルク
ロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化
フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2ないし
15の酸ハライド類、(チ)メチルエーテル、エチルエ
ーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェ
ニルエーテルなどの炭素数2ないし20のエーテル類、
(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミド
などの酸アミド類、(ヌ)メチルアミン、エチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、
トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、
テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、(ル)
アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどの
ニトリル類、(ヲ)(CH)CH(OCH、C
(CHOCH、(i−CC(C
OCH、(i−CC(CHOC
、(C)C(OCH、(C
C(OCH、(C)C(OC
【0034】
【化3】 CH(OCHCHCH(OCH、CH
(OCCHCH(OC、CH
(OCH)C(i−CCH(OC
)、CH(OCH)C(i−CCH
(OCH)などのポリエーテル類などを挙げること
ができる。これら電子供与体は、2種以上用いることが
できる。これらの中で好ましいのは有機酸エステル、酸
ハライドおよびケイ素化合物であり、特に好ましいのは
酢酸エチルセロソルブ、フタル酸エステル、フタル酸ハ
ライドおよび有機アルコキシケイ素である。
【0035】上記各成分の使用量は、本発明の効果が認
められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には、
次の範囲内が好ましい。
【0036】チタン化合物の使用量は、使用するマグネ
シウム化合物の使用量に対してモル比で1×10-4〜1
000の範囲内がよく、好ましくは0.01〜10の範
囲内である。
【0037】ハロゲン源としてそのための化合物を使用
する場合は、その使用量はチタン化合物および(また
は)マグネシウム化合物がハロゲンを含む、含まないに
もかかわらず、使用するマグネシウムの使用量に対して
モル比で1×10-2〜1000の範囲内がよく、好まし
くは0.1〜100の範囲内である。
【0038】前記の任意成分としてのケイ素、アルミニ
ウムおよびホウ素化合物の使用量は、上記のマグネシウ
ム化合物の使用量に対してモル比で1×10-3〜100
の範囲内がよく、好ましくは0.01〜1の範囲内であ
る。
【0039】電子供与体の使用量は、上記のマグネシウ
ム化合物の使用量に対してモル比で1×10-3〜10の
範囲内がよく、好ましくは0.01〜5の範囲内であ
る。
【0040】遷移金属化合物触媒成分〔2〕は、上述の
チタン源、マグネシウム源およびハロゲン源、更には必
要により電子供与体等の他成分を用いて、例えば以下の
様な製造法により製造される。
【0041】(イ) ハロゲン化マグネシウムと必要に
応じて電子供与体とチタン含有化合物とを接触させる方
法。
【0042】(ロ) アルミナ又はマグネシアをハロゲ
ン化リン化合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウ
ム、電子供与体、チタンハロゲン含有化合物を接触させ
る方法。
【0043】(ハ) ハロゲン化マグネシウムとチタン
テトラアルコキシドおよび特定のポリマーケイ素化合物
を接触させて得られる固体成分に、チタンハロゲン化合
物およびまたはケイ素のハロゲン化合物を接触させる方
法。
【0044】このポリマーケイ素化合物としては、下式
(VI)で示されるものが適当である。
【0045】
【化4】 (ここで、Rは炭素数1〜10程度の炭化水素残基、n
はこのポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチ
ストークス程度となるような重合度を示す) これらのうちでは、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、1,3,5,7‐テトラメチルシクロテトラシロキ
サン、1,3,5,7,9‐ペンタメチルシクロペンタ
シロキサン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、フ
ェニルハイドロジェンポリシロキサン、シクロヘキシル
ハイドジェンポリシロキサン、等が好ましい。
【0046】(ニ) マグネシウム化合物をチタンテト
ラアルコキシドおよび電子供与体で溶解させて、ハロゲ
ン化剤またはチタンハロゲン化合物で析出させた固体成
分に、チタン化合物を接触させる方法。
【0047】(ホ) グリニャール試薬等の有機マグネ
シウム化合物をハロゲン化剤、還元剤等と作用させた
後、これに必要に応じて電子供与体とチタン化合物とを
接触させる方法。
【0048】(ヘ) アルコキシマグネシウム化合物に
ハロゲン化剤および(または)チタン化合物を電子供与
体の存在下もしくは不存在下に接触させる方法。
【0049】このような遷移金属化合物触媒成分〔2〕
の調製は、通常−70〜200℃、好ましくは−50〜
150℃、の温度で行なわれる。
【0050】これらのうちで好ましいのは、(イ)、
(ハ)および(ニ)、特に(ハ)および(ニ)、であ
る。 〔ハ〕遷移金属化合物触媒成分〔3〕 この明細書中で遷移金属化合物触媒成分〔3〕として分
類しているのは、メタロセン化合物である。
【0051】メタロセン化合物の好ましい具体例として
は、下記一般式(VII )、(VIII)または(IX)で示さ
れるシクロペンタジエニル化合物またはこれらの誘導体
あるいは下記一般式(X )で示される化合物またはこれ
らの誘導体を挙げることができる。
【0052】 CpMR 式(VII ) CpMR 式(VIII) (Cp−A−Cp)MR 式(IX) MR 式(X ) ここで、記号は、下記の意味を持つ。
【0053】Mは、周期律表IVB〜VIB族遷移金属、好
ましくはTi、Zrまたはハフニウム、を示す。
【0054】Cpは、シクロペンタジエニル基、置換シ
クロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル
基、シラインデニル基、置換シラインデニル基、テトラ
ヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、
アズレニル基、置換アズレニル基、フルオレニル基また
は置換フルオレニル基を示す。Cpが置換基を有する場
合には、当該置換基は炭素数1〜20のアルキル基が好
ましい。式(VIII) および式(IX)において、2つのC
pは同一のものであってもよく、互いに異なるものであ
ってもよい。なお、記号「Cp」によって、シクロペン
タジエニル環だけでなく、インデニル基のようなシクロ
ペンタジエニル環含有縮合環をも含有しているが、これ
はこれらの縮合環での非シクロペンタジエニル環部分を
シクロペンタジエニル環上の置換基、すなわち2個の置
換基がそのω‐端において結合して形成したもの、と考
えることができることによる。
【0055】R、R、RおよびRは、それぞれ
独立して、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ
基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基
もしくはアリールアルキル基、炭素数1〜20のアシル
オキシ基、アリル基、置換アリル基、アセチルアセトナ
ート基、置換アセチルアセトナート基、けい素原子を含
む置換基、あるいはカルボニル、酸素分子、窒素分子、
ルイス塩基、鎖状不飽和炭化水素又は環状不飽和炭化水
素等の配位子を示す。
【0056】a、bおよびcは、それぞれ0〜3の整
数、dおよびeは、それぞれ0〜2の整数、g、h、i
およびjは、それぞれ0〜4の整数を示す。R
、RおよびRは、その2以上が互いに結合して
環を形成していてもよい。
【0057】Aは、Cp間の共有結合による架橋を示
す。
【0058】fは、架橋Aを構成する架橋鎖のCp間の
最短距離の原子数(フェニレン基は1原子と考える)を
示して、0〜6、好ましくは1〜2、の整数である。f
が0でありうることから、架橋Aは架橋鎖を介さないC
p間の直接結合を包含する。
【0059】上記式(VII )〜(IX)における置換シク
ロペンタジエニル基、置換インデニル基、置換シライン
デニル基、置換テトラヒドロインデニル基、置換アズレ
ニル基および置換フルオレニル基での置換基は、炭素数
1〜4の炭化水素残基、好ましくはC〜Cアルキル
基およびフェニル基、特に前者、C〜Cアルキルシ
リル基、その他である。置換シクロペンタジエニル基の
具体例は、例えば、メチルシクロペンタジエニル基、エ
チルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペン
タジエニル基、1,2‐ジメチルシクロペンタジエニル
基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、1,3‐ジ
メチルシクロペンタジエニル基、1,2,3‐トリメチ
ルシクロペンタジエニル基、1,2,4‐トリメチルシ
クロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基など
である。
【0060】非置換基がインデニル等の縮合シクロペン
タジエニル環であるときの置換インデニル基等の具体例
は、上記の置換シクロペンジエニル基の対応の縮合シク
ロペンタジエニル基誘導体である。
【0061】R〜Rの具体例としては、例えば、
(イ)ハロゲン原子としてフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、(ロ)炭素数1〜20のアルキル基
としてメチル基、エチル基、n‐プロピル基、iso‐
プロピル基、n‐ブチル基、オクチル基、2‐エチルヘ
キシル基、(ハ)炭素数1〜20のアルコキシ基として
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、
フェノキシ基、(ニ)炭素数6〜20のアリール基、ア
ルキルアリール基もしくはアリールアルキル基としてフ
ェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、(ホ)
炭素数1〜20のアシルオキシ基としてヘプタデシルカ
ルボニルオキシ基、(ヘ)けい素原子を含む置換基とし
てトリメチルシリル基、(トリメチルシリル)メチル
基、(ト)ルイス塩基としてジメチルエーテル、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、テト
ラヒドロチオフェン等のチオエーテル類、エチルベンゾ
エート等のエステル類、アセトニリトル、ベンゾニトリ
ル等のニトリル類、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、N,N‐ジメチルアニリン、ピ
リジン、2,2′‐ピペリジン、フェナントロリン等の
アミン類、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン等のホスフィン類、(チ)鎖状不飽和炭化水素とし
てエチレン、ブタジエン、1‐ペンテン、イソプレン、
ペンタジエン、1‐ヘキセン及びこれらの誘導体、
(リ)環状不飽和炭化水素としてベンゼン、トルエン、
キシレン、シクロヘプタトリエン、シクロオクタジエ
ン、シクロオクタトリエン、シクロオクタテトラエン及
び(ヌ)これらの誘導体などが挙げられる。
【0062】Aの共有結合による架橋としては、例え
ばメチレン架橋(f=1)、ジメチルメチレン架橋(f
=1)、エチレン架橋(f=2)、ジメチルシリレン架
橋(f=1)、ジメチルゲルミレン架橋(f=1)、ジ
メチルスタニレン架橋(f=1)等が挙げられる。
【0063】このような化合物として、例えば下記のも
の及びこれら化合物のジルコニウムをチタン又はハフニ
ウムで置換した化合物が挙げられる。シクロペンタジエ
ニル基とインデニル基等の縮合シクロペンタジエニル基
等も、互換性のあるものとして取扱うものとする。 (i) 式(VII )の化合物 (1)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメチ
ルジルコニウム、(2)(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)トリフェニルジルコニウム、(3)(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウ
ム、(4)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリ
クロロジルコニウム、(5)(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)トリメトキシジルコニウム、(6)(シク
ロペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、(7)
(シクロペンタジエニル)トリフェニルジルコニウム、
(8)(シクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニ
ウム、(9)(シクロペンタジエニル)トリクロロジル
コニウム、(10)(シクロペンタジエニル)トリメトキ
シジルコニウム、(11)(シクロペンタジエニル)ジメ
チル(メトキシ)ジルコニウム、(12)(メチルシクロ
ペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、(13)(メ
チルシクロペンタジエニル)トリフェニルジルコニウ
ム、(14)(メチルシクロペンタジエニル)トリベンジ
ルジルコニウム、(15)(メチルシクロペンタジエニ
ル)トリクロロジルコニウム、(16)(メチルシクロペ
ンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコニウム、
(17)(ジメチルシクロペンタジエニル)トリクロロジ
ルコニウム、(18)(トリメチルシクロペンタジエニ
ル)トリクロロジルコニウム、(19)(トリメチルシリ
ルシクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウム、
(20)(テトラメチルシクロペンタジエニル)トリクロ
ロジルコニウム。 (ii) 式(VIII) の化合物 (1)ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニ
ウム、(2)ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニル
ジルコニウム、(3)ビス(シクロペンタジエニル)ジ
エチルジルコニウム、(4)ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジベンジルジルコニウム、(5)ビス(シクロペン
タジエニル)ジメトキシジルコニウム、(6)ビス(シ
クロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、(7)ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジヒドリドジルコニウム、
(8)ビス(シクロペンタジエニル)モノクロロモノヒ
ドリドジルコニウム、(9)ビス(メチルシクロペンタ
ジエニル)ジメチルジルコニウム、(10)ビス(メチル
シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、(11)
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコ
ニウム、(12)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム、(13)ビス(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、(14)
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジベンジル
ジルコニウム、(15)ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)クロロメチルジルコニウム、(16)ビス(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)ヒドリドメチルジル
コニウム、(17)(シクロペンタジエニル)(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム。 (iii) 式(IX)の化合物 (1)メチレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウ
ム、(2)エチレンビス(インデニル)ジクロロジルコ
ニウム、(3)エチレンビス(インデニル)モノクロロ
モノヒドリドジルコニウム(4)エチレンビス(インデ
ニル)クロロメチルジルコニウム、(5)エチレンビス
(インデニル)クロロメトキシジルコニウム、(6)エ
チレンビス(インデニル)ジエトキシジルコニウム、
(7)エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウ
ム、(8)エチレンビス(4,5,6,7‐テトラヒド
ロインデニル)ジクロロジルコニウム、(9)エチレン
ビス(2‐メチルインデニル)ジクロロジルコニウム、
(10)エチレンビス(2‐エチルインデニル)ジクロロ
ジルコニウム、(11)エチレン(2,4‐ジメチルシク
ロペンタジエニル)(3′,5′‐ジメチルシクロペン
タジエニル)ジクロロジルコニウム、(12)エチレン
(2‐メチル‐4‐tert‐ブチルシクロペンタジエニ
ル)(3′‐tert‐ブチル‐5′‐メチルシクロペンタジ
エニル)ジクロロジルコニウム、(13)エチレン(2,
3,5‐トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,
4′,5′‐トリメチルシクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム、(14)イソプロピリデンビス(インデ
ニル)ジクロロジルコニウム、(15)イソプロピリデン
ビス(2,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,
5′‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコ
ニウム、(16)イソプロピリデンビス(2‐メチル‐4
‐tertブチルシクロペンタジエニル)(3′‐tertブチ
ル‐5‐メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコ
ニウム、(17)イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウム、(18)シ
クロヘキシリデン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエ
ニル)(3′,4′‐ジメチルシクロペンタジエニル)
ジクロロジルコニウム、(19)ジメチルシリレンビス
(インデニル)ジクロロジルコニウム、(20)ジメチル
シリレンビス(4,5,6,7‐テトラヒドロインデニ
ル)ジクロロジルコニウム、(21)ジメチルシリレンビ
ス(2‐メチルインデニル)ジクロロジルコニウム、
(22)ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンゾインデ
ニル)ジクロロジルコニウム、(23)ジメチルシリレン
ビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジクロロ
ジルコニウム、(24)ジメチルシリレンビス(2,4,
4‐トリメチル‐4,5,6,7‐テトラヒドロシライ
ンデニル)ジクロロジルコニウム、(25)ジメチルシリ
レンビス(2‐メチル‐4‐フェニル‐4‐ヒドロアズ
レニル)ジクロロジルコニウム、(26)ジメチルシリレ
ンビス(2‐メチル‐4,5,6,7‐テトラヒドロイ
ンデニル)ジクロロジルコニウム、(27)ジメチルシリ
レン(2,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)
(3′,5′‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム、(28)フェニルメチルシリレンビス
(インデニル)ジクロロジルコニウム、(29)フェニル
メチルシリレンビス(4,5,6,7‐テトラヒドロイ
ンデニル)ジクロロジルコニウム、(30)フェニルメチ
ルシリレン(2,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)
(3′,5′‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム、(31)フェニルメチルシリレン(2,
3,5‐トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,
4′,5′‐トリメチルシクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム、(32)ジフェニルシリレンビス(イン
デニル)ジクロロジルコニウム、(33)テトラメチルジ
シリレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、
(34)テトラメチルジシリレンビス(3‐メチルシクロ
ペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、(35)ジシク
ロヘキシルシリレンビス(インデニル)ジクロロジルコ
ニウム、(36)ジシクロヘキシルシリレンビス(2‐メ
チルインデニル)ジクロロジルコニウム、(37)ジシク
ロヘキシルシリレンビス(2,4,7‐トリメチルイン
デニル)ジクロロジルコニウム、(38)ジメチルゲルマ
ニウムビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、(3
9)ジメチルゲルマニウム(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジクロロジルコニウム、(40)メチル
アルミニウムビス(インデニル)ジクロロジルコニウ
ム、(41)フェニルアルミニウムビス(インデニル)ジ
クロロジルコニウム、(42)フェニルホスフィノビス
(インデニル)ジクロロジルコニウム、(43)エチレン
ボラノビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、(4
4)フェニルアミノビス(インデニル)ジクロロジルコ
ニウム、(45)フェニルアミノ(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウム。 (iv) 式(X )の化合物 テトラベンジルジルコニウム、ビス(2,5‐ジ‐t‐
ブチルフェノキシ)ジメチルジルコニウム。
【0064】また、上記式(VII )〜式(IX)の化合物
の塩素を臭素、ヨウ素、ヒドリド、メチルあるいはフェ
ニル等に置きかえたものも使用可能である。
【0065】これらの化合物は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、炭化水素
あるいはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。
本発明で好ましいメタロセン化合物は、ジルコニウム化
合物、ハフニウム化合物およびチタニウム化合物であ
る。さらに好ましいものは、少なくとも2個のシクロペ
ンタジエニル骨格を有するジルコニウム化合物およびハ
フニウム化合物である。特に好ましい化合物は、上記の
化合物(20)〜(25)である。
【0066】また、上記のようなメタロセン化合物は、
粒子状担体化合物と接触させて、担体に担持させて用い
ることもできる。担体化合物としては、SiO、Al
、B、MgO、ZrO、CaO、TiO
、ZnO、SnO、BaOなどの無機担体化合物、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ‐1‐ブテン、ポ
リ4‐メチル‐1‐ペンテン、スチレン‐ジビニルベン
ゼン共重合体などの樹脂を用いることができる。これら
の担体化合物は、二種以上組み合わせて用いることもで
きる。これらのうち、SiO、Al、MgO、
ポリプロピレンが好ましく用いられ、特に好ましくは、
多孔質のSiO、Al、MgO、ポリプロピレ
ンを用いることができる。 <<成分(B):有機金属化合物触媒成分>>予備重合
処理済み触媒(T)の形成に用いられる周期律表第I族
〜第III 族から選ばれる金属を含む有機金属化合物触媒
成分(成分B)は、遷移金属化合物触媒成分と組合せて
所謂助触媒として使用される公知のあらゆる化合物が対
象となる。
【0067】そのような化合物は、具体的には、例えば
有機アルミニウム化合物、第I族金属とアルミニウムと
の錯アルキル化合物、第II族金属の有機金属化合物、ま
たはアルモキサンである。
【0068】このような有機アルミニウム化合物として
は、有機基として炭素数1〜20、好ましくは1〜1
5、の炭化水素基を、少くとも一つ有する公知の有機ア
ルミニウム化合物を用いることができる。好ましい有機
アルミニウム化合物としては、具体的には、(イ)トリ
アルキルアルミニウム、例えばトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミ
ニウム、トリデシルアルミニウム等、(ロ)アルキルア
ルミニウムハライド、例えばジエチルアルミニウムモノ
クロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアル
ミニウムジクロライド等、(ハ)ジアルキルアルミニウ
ムハイドライド、例えばジエチルアルミニウムハイドラ
イド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等、
(ニ)アルキルアルミニウムアルコキシド、例えばジエ
チルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムブ
トキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチ
ルアルミニウムトリメチルシロキシド、等を挙げること
ができる。
【0069】第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル
化合物の好ましい具体例としては、LiAl(C
、LiAl(C15等を挙げることが
できる。
【0070】第II族金属の有機金属化合物の好ましい具
体例としては、ジエチル亜鉛、ジn‐ブチル亜鉛、ジブ
チルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ブチル
マグネシウムブロミド等を挙げることができる。
【0071】これらの化合物は、各群内および(また
は)各群間で二種以上組み合わせて用いることもでき
る。
【0072】アルモキサンとしては以下の化合物を用い
ることができる。アルモキサンは一種類のトリアルキル
アルミニウムまたは二種類以上のトリアルキルアルミニ
ウムと水との反応により得られる生成物である。具体的
には一種類のトリアルキルアルミニウムから得られるメ
チルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモ
キサン、イソブチルアルモキサン等、および二種類のト
リアルキルアルミニウムと水とから得られるメチルエチ
ルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイ
ソブチルアルモキサン等が例示される。これらのアルモ
キサンを複数種併用することも可能であり、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等の他
のアルキルアルミニウムと併用することも可能である。
また、二種類のアルモキサンあるいは一種類のアルモキ
サンと他の有機アルミニウム化合物とを反応させること
により変成されたアルモキサンを用いることも可能であ
る。これらの中で好ましいものは、メチルアルモキサ
ン、イソブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモ
キサンおよびこれらのアルモキサンとトリアルキルアル
ミニウムの混合物が用いられる。さらに好ましいものは
メチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサンで
ある。特に好ましいのはメチルイソブチルアルモキサン
である。
【0073】これらのアルモキサンは公知の様々な条件
下に調製することができる。具体的には以下の様な方法
が例示できる。 (イ) トリアルキルアルミニウムをトルエン、ベンゼ
ン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応
させる方法、(ロ) トリアルキルアルミニウムと結晶
水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウム
の水和物と反応させる方法、(ハ) トリアルキルアル
ミニウムとシリカゲル等に含浸させた水分とを反応させ
る方法、(ニ) トリメチルアルミニウムとトリイソブ
チルアルミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エー
テル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方
法、(ホ) トリメチルアルミニウムと、トリイソブチ
ルアルミニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例
えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物、と加熱反応さ
せる方法、(ヘ) シリカゲル等に水分を含浸させ、ト
リイソブチルアルミニウムで処理した後、トリメチルア
ルミニウムで追加処理する方法、(ト) メチルアルモ
キサンおよびイソブチルアルモキサンを公知の方法で合
成し、これら二成分を所定量混合し、加熱反応させる方
法。
【0074】上記の有機金属化合物触媒成分は、単独で
あるいは組合せて用いられる。あるいはメタロセン化合
物を担持させるものとして前述したの担体化合物に担持
させて使用しても良い。なお、これら有機金属化合物触
媒成分としては、遷移金属化合物触媒成分〔1〕または
〔2〕の場合は、有機アルミニウム化合物、第I族金属
とアルミニウムとの錯アルキル化合物または第II族金属
の有機金属化合物が好ましく、遷移金属化合物触媒成分
〔3〕の場合は、有機アルミニウム化合物および(また
は)アルモキサンが好ましい。
【0075】また、予備重合処理時には、上記の有機金
属化合物触媒成分の他に、必要に応じて下記の成分を用
いることができる。遷移金属化合物触媒成分〔1〕また
は〔2〕の場合は、遷移金属化合物触媒成分〔2〕の調
製時に用いることができる前記電子供与体を併用するこ
とができる。 <<成分(C)>>成分(C)は、成分(A)に含まれ
る遷移金属化合物と反応してイオン錯体を形成する化合
物である。この成分(C)は、特に成分(A)が前記遷
移金属化合物触媒成分〔3〕である場合に、そこに含ま
れるメタロセン化合物と反応してイオン性の錯体を形成
する化合物を併用することが好ましい。このような化合
物しては、カチオンとアニオンのイオン対から形成され
るイオン性化合物を挙げることができる。このイオン性
化合物は、下記式(V )で表わすことができる。
【0076】 〔Q〕s+〔Y〕s- 式(V ) ここで、Qは、イオン性化合物のカチオン成分であっ
て、好ましくは例えばカルボニウムカチオン、トロピリ
ウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカ
チオン、スルホニウムカチオン、およびホスホニウムカ
チオン等を挙げることができる。これらのカチオンの特
に好ましい具体例としては、トリフェニルカルボニウ
ム、ジフェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウ
ム、テトラブチルアンモニウム、N,N‐ジメチルアニ
リニウム、トリプロピルアンモニウム、トリシクロヘキ
シルアンモニウム、テトラフェニルホスホニウム、テト
ラメチルホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、ト
リフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウムおよ
びピリリウム等を挙げることができる。
【0077】Yは、イオン性化合物のアニオン成分であ
って、好ましくは、例えばホウ素化合物アニオン、アル
ミニウム化合物アニオン、ガリウム化合物アニオン、リ
ン化合物アニオン、砒素化合物アニオンおよび有機アン
チモン化合物アニオンなどが挙げられ、好ましい具体例
としては、テトラフェニルホウ素、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ホウ素、テトラフェニルアルミニウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウ
ム、テトラフェニルガリウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ガリウム、ヘキサフルオロリン、ヘキサ
フルオロ砒素およびヘキサフルオロアンチモン等を挙げ
ることができる。
【0078】sは、1、2または3の整数を示す。
【0079】Yである上記アニオン成分の中では、ホウ
素化合物アニオンが好ましい。このホウ素化合物アニオ
ンを含有するイオン性化合物の好ましい具体例として
は、以下のようなホウ素化合物を挙げることができる。
【0080】テトラフェニルホウ酸トリエチルアンモニ
ウム、テトラフェニルホウ酸トリ(n‐ブチル)アンモ
ニウム、テトラフェニルホウ酸トリメチルアンモニウ
ム、テトラフェニルホウ酸トリメチルアニリニウム、テ
トラフェニルホウ酸メチルピリジニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリエチルアンモニ
ウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ト
リ(n‐ブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルアンモニウム、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸‐N,N‐
ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ酸テトラフェニルホスホニウム、テトラフ
ェニルホウ酸トリフェニルスルホニウム、およびテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルス
ルホニウムなどを挙げることができる。
【0081】遷移金属化合物成分〔1〕または〔2〕の
場合、前記の電子供与体を併用するときは、遷移金属化
合物触媒成分中の遷移金属1グラム原子当り前記電子供
与体を0.01〜50モル、好ましくは0.05〜30
モル、さらに好ましくは0.1〜10モル、の量で用い
られる。
【0082】遷移金属化合物成分〔3〕の場合、メタロ
セン化合物と反応してイオン錯体を形成する化合物を併
用する場合、この化合物を、遷移金属化合物触媒成分に
含まれる遷移金属1グラム原子当り0.01〜100モ
ル、好ましくは0.5〜10モル、さらに好ましくは1
〜5モル、用いることができる。 <<予備重合>>予備重合処理に用いられるオレフィン
の一つは、α‐オレフィンである。このようなα‐オレ
フィンとしては、炭素数2〜20、特に2〜10、のα
‐オレフィンが好ましい。具体的には、エチレン、プロ
ピレン、1‐ブテン、1‐ペンテン、1‐ヘキセン、1
‐ヘプテン、1‐オクテン、1‐デセン、3‐メチル‐
1‐ブテン、および4‐メチル‐1‐ペンテン等が挙げ
られ、好ましいものとしては、エチレン、プロピレンお
よび1−ブテンが、特に好ましいものとしては、エチレ
ンおよびプロピレン、が挙げられる。これらのα‐オレ
フィンは二種類以上を混合使用することもできる。
【0083】予備重合処理に用いられる他のオレフィン
は、ポリエン化合物である。このようなポリエン化合物
は、重合可能なオレフィン性二重結合を少なくとも二つ
有する下記一般式(I) 〜(IV)で表される群から選ばれる
ものが代表的である。ここで「重合可能なオレフィン性
二重結合」とは、後述する触媒により重合可能なオレフ
ィン性二重結合を意味する。
【0084】
【化5】
【0085】
【化6】 (式中、p、q、r、uおよびxは、それぞれ独立に、
0または正の整数であり、t、v、wおよびyは、それ
ぞれ独立に、0または1であり、zは正の整数であり、
1 〜R48は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子および炭化水素基からなる群から選ばれる原子もしく
は基を表し、R37〜R40は、互いに結合して単環または
多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二
重結合を有していてもよく、またR37〜R38および(ま
たは)R39〜R40それぞれでアルキリデン基を形成して
いてもよい。但し、式(III )で示される化合物は、−
CH=CH2 で示される構造単位を少なくとも1つ有
し、式(IV)で示される化合物は、−CH=CH2 で示
される構造単位を少なくとも2つ有する。) 一般式(I)〜(IV)の化合物は、製造の際に使用する
触媒によって好ましく使用されるものが異なるのが一般
的である。本発明に使用する触媒については後述する
が、3種の触媒系、すなわち(1)三塩化チタン系触媒
系、(2)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須
成分とする触媒系および(3)メタロセン触媒系につい
て、上記触媒系(1)および(2)を使用する場合は、
上記一般式(I)および(IV)で表される化合物が、上
記触媒系(3)を使用する場合は上記一般式(I)、
(II)、(III )および(IV)、特には(I)および
(II)、で表される化合物が、好ましく使用される。 (i)一般式(I)の化合物 上記一般式(I)において、p、qおよびrは、それぞ
れ独立して、0または正の整数であり、好ましくは1≦
p+q+r≦26、特に好ましくは4≦p+q+r≦1
6、を満足する数である。このポリエン化合物は、主鎖
(R1 〜R4 =H)の炭素数が5〜30、好ましくは8
〜20、であるものが好ましい。R1 〜R4 は、それぞ
れ独立して、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基
からなる群から選ばれる原子もしくは基を表す。ここ
で、ハロゲン原子としては、たとえば、塩素原子、臭素
原子、好ましくは塩素原子を挙げることができる。ま
た、炭化水素基としては、それぞれ独立して、通常は炭
素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のシク
ロアルキル基、および芳香族炭化水素基(フェニルまた
はナフチル基、あるいはこれらの低級アルキル置換体が
好ましい。また、低級アルキレン基、特にメチレン基を
介する芳香族基、たとえばベンジル基、も本発明では芳
香族基と範疇に入れるものとする)を挙げることがで
き、アルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、アミル基を挙げ
ることができ、シクロアルキル基の具体的な例として
は、シクロヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチ
ル基、シクロペンチル基を挙げることができ、芳香族炭
化水素基としては、フェニル基、ベンジル基、ナフタレ
ン基等、またはこれらの誘導体を挙げることができる。
【0086】式(I)は、
【0087】
【化7】 で表わされる構造単位がそれぞれp個、q個およびr個
存在することを意味するものであって、これらの構造単
位がそれぞれ連続して存在することを意味するものでは
ない。そして、これらの構造単位は、任意の構成順位を
とることができるが、式(I)において、非共役構造に
なるように構成順序をとることが好ましい。
【0088】このようなポリエンの好ましい具体例とし
ては、1,6‐ヘプタジエン、1,7‐オクタジエン、
1,8‐ノナジエン、1,9‐デカジエン、1,10‐
ウンデカジエン、1,13‐テトラデカジエン、1,1
5‐ヘキサデカジエン、4‐メチル‐1,9‐デカジエ
ン、4,4‐ジメチル‐1,9‐デカジエン、1,5,
9‐デカトリエン、5‐アリル‐1,9‐デカジエン等
が挙げられる。 (ii)一般式(II)の化合物 前記一般式(II)において、tは0または1であり、好
ましくは0である。また、uは0または正の整数であ
り、好ましくは0〜3である。そして、vは0または1
である。R5 〜R20は、それぞれ独立して、水素原子、
ハロゲン原子および炭化水素基からなる群から選ばれる
原子もしくは基を表す。ここで、ハロゲン原子として
は、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子および
ヨウ素原子を挙げることができる。また、炭化水素基と
しては、それぞれ独立して、通常は炭素原子数1〜6の
アルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、お
よび芳香族炭化水素基(フェニルまたはナフチル基、あ
るいはこれらの低級アルキル置換体が好ましい。また、
低級アルキレン基、特にメチレン基を介する芳香族基、
たとえばベンジル基、も本発明では芳香族基の範疇に入
れるものとする)を挙げることができ、アルキル基の具
体的な例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、イソブチル基、アミル基を挙げることができ、シク
ロアルキル基の具体的な例としては、シクロヘキシル
基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基を挙げることができ、芳香族炭化水素基としては、
フェニル基、ベンジル基、ナフタレン基等、またはこれ
らの誘導体を挙げることができる。
【0089】具体的には、たとえば、(1)ビシクロ
〔2,2,1〕ヘプト‐2,5‐ジエン誘導体、(2)
テトラシクロ〔4,4,0,12,5 ,17,10〕‐3,8
‐ドデカジエン誘導体、(3)ヘキサシクロ〔6,6,
1,13,6 ,110,13 ,02,7 ,09,14〕‐4,11‐
ヘプタデカジエン誘導体などを挙げることができる。以
下は、このような化合物の好ましい具体的な例である。
【0090】
【表1】 (iii)一般式(III )の化合物 前記一般式において、wは0または1であり、好ましく
は0である。また、xは0または正の整数であり、好ま
しくは0〜3である。そして、yは0または1である。
21〜R40は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン
原子および炭化水素基からなる群から選ばれる原子もし
くは基を表す。ここでハロゲン原子としては、たとえ
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子
を挙げることができる。また、炭化水素基としては、そ
れぞれ独立して、通常は炭素原子数1〜6のアルキル基
またはアルケニル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキ
ル基、芳香族炭化水素基(フェニルまたはナフチル基、
あるいはこれらの低級アルキル置換体が好ましい。ま
た、低級アルキレン基、特にメチレン基、を介する芳香
族基、たとえばベンジル基、も本発明では芳香族基の範
疇に入れるものとする)を挙げることができる。アルキ
ル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、アリル基を挙げることがで
き、アルケニル基の具体的な例としては、ビニル基、プ
ロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、オクテニル基
などを挙げることができ、シクロアルキル基の具体的な
例としては、シクロヘキシル基、シクロプロピル基、シ
クロブチル基、シクロペンチル基を挙げることができ、
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ベンジル基、
ナフタレン基等、またはこれらの誘導体を挙げることが
できる。
【0091】さらに、R37〜R40はそれぞれのω‐端で
互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、
かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよい。
このような単環または多環としては、以下に挙げるもの
を例示することができる。これらの環は、低級アルキル
基たとえばメチル基あるいは低級アルコキシ基などの置
換基を有していてもよい。
【0092】
【化8】 なお、上式において、1および2を付して示した炭素原
子は、R37〜R40で示される基が結合している脂環構造
の炭素原子を示す。
【0093】また、R37とR38および(または)R39
40それぞれでアルキリデン基を形成していてもよい。
このようなアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜4
のアルキリデン基をあげることができ、その具体的な例
としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピ
リデン基およびイソブチリデン基を挙げることができ
る。
【0094】但し、式(III )で示される化合物は、−
CH=CH2 で示される構造単位を少なくとも1つ有す
る。
【0095】具体的には、たとえば (1)5‐ビニルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト‐2‐
エン誘導体 (2)5‐アリルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト‐2‐
エン誘導体 (3)8‐ビニルテトラシクロ〔4,4,0,12,5
7,10〕‐3‐ドデセン誘導体 (4)8‐アリルテトラシクロ〔4,4,0,12,5
7,10〕‐3‐ドデセン誘導体 などを挙げることができる。以下は、このような化合物
の好ましい具体的な例である。
【0096】
【表2】 (iv)一般式(IV)の化合物 前記一般式(IV)において、zは正の整数であり、好ま
しくは1〜10、特に好ましくは1〜7、である。R41
〜R46は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子
および炭化水素基からなる群から選ばれる原子もしくは
基を表す。ここでハロゲン原子としては、たとえば、塩
基原子、臭素原子、好ましくは塩素原子を挙げることが
できる。また、炭素原子としては、それぞれ独立して、
通常は炭素数1〜6のアルキル基またはアルケニル基、
炭素数3〜6のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基を
挙げることができる。
【0097】R41〜R46の基の具体的な例としては、前
記一般式(III )の化合物の中のR21〜R40と同様なも
のを例示することができる。
【0098】但し、式(IV)で示される化合物は、−C
H=CH2 で示される構造単位を少なくとも2つ有す
る。
【0099】具体的には、たとえば、 (i)ジビニルシクロヘキサン誘導体 (ii)ジアリルシクロヘキサン誘導体 (iii) ビニルアリルシクロヘキサン誘導体 (iv)ジビニルシクロオクタン誘導体 (v)ジアリルシクロオクタン誘導体 などを挙げることができる。以下は、このような化合物
の好ましい具体的な例である。
【0100】1,4‐ジビニルシクロヘキサン、1,3
‐ジビニルシクロヘキサン、1‐アリル‐4‐ビニルシ
クロヘキサン、1,4‐ジアリルシクロヘキサン、1,
5‐ジビニルシクロオクタン、1,5‐ジアリルシクロ
オクタンなどを挙げることができる。上記一般式(I)
〜(IV)のポリエン化合物の中でも、1,7‐オクタジ
エン、1,8‐ノナジエン、1,9‐デカジエン、1,
13‐テトラデカジエン、1,5,9‐デカトリエン、
ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト‐2‐エン(ノルボルナ
ジエン)、テトラシクロ〔4,4,1,12.5
7.10〕‐3,8‐ドデカジエン等が特に好ましい。
【0101】しかし、ポリエン化合物であっても、オレ
フィン性二重結合の一部が内部に在ってその重合可能性
が末端二重結合に比べて事実上無視できるもの、たとえ
ば、ジエン化合物であっても一方または双方のオレフィ
ン性二重結合が内部にあるもの、すなわち、重合可能な
オレフィン性二重結合を一分子中二つ未満しか有しない
ジエン化合物、例えば、1,4‐ヘキサジエン、5‐メ
チル‐1,4‐ヘキサジエン、7‐メチル‐1,6‐オ
クタジエン等のポリエン化合物は、本発明においては全
く効果が認められない。
【0102】上記α‐オレフィンとポリエン化合物を用
いて、予備重合処理の第一段階を実施するに際し、上記
α‐オレフィンとポリエン化合物との組合せは任意に組
合せることができるが、具体的な組合せは、エチレン/
1,7‐オクタジエン、エチレン/1,9‐デカジエ
ン、エチレン/1,13‐テトラデカジエン、エチレン
/1,5,9‐デカトリエン、エチレン/ノルボルナジ
エン、プロピレン/1,7‐オクタジエン、プロピレン
/1,9‐デカジエン、プロピレン/1,13‐テトラ
デカジエン、プロピレン/1,5,9‐デカトリエン、
プロピレン/ノルボルナジエン、ブテン/1,9‐デカ
ジエン、ブテン/1,13‐テトラデカジエン、4‐メ
チル‐1‐ペンテン/1,9‐デカジエン、3‐メチル
‐1‐ブテン/1,9‐デカジエン、プロピレン/テト
ラシクロ〔4,4,0,12.5 ,17.0 〕‐3,8‐ド
デカジエン等が好ましい。これらの中でも、エチレン/
ポリエン化合物とプロピレン/ポリエン化合物の組合せ
が特に好ましい。
【0103】予備重合処理の第一段階終了後、α‐オレ
フィンとポリエン化合物から誘導される構造単位との組
成比は、α‐オレフィンから誘導される構成単位が、通
常99.9〜50モル%、好ましくは99.8〜70モ
ル%、特に好ましくは99.5〜85モル%、であるこ
とが望ましい。α‐オレフィンが99.9モル%を越え
ると本発明の効果は著しく低く、50モル%未満では生
成した予備重合処理済み触媒が膨潤して取り扱いが困難
となっていずれも好ましくない。
【0104】なお、上記のようなα‐オレフィンとポリ
エンの組成比は、予備重合処理時に消費されるα‐オレ
フィンおよびポリエンの量を測定することにより算出す
ることができる。具体的には、例えば重合器中に供給し
たα‐オレフィンおよびポリエン量と、重合器中に残存
したα‐オレフィン及びポリエン量をガスクロマトグラ
フィーにより測定した量とから計算により算定すること
ができる。
【0105】予備重合処理の第一段階に際し、上記α‐
オレフィンとポリエンの仕込みモル数は、予備重合処理
で生成する共重合体の組成が上述のようになるように使
用すればよく、例えばα‐オレフィン1モルに対しポリ
エンは0.01〜50モル、好ましくは0.05〜25
モル、の量で用いられる。
【0106】次に、上記α‐オレフィンを用いて予備重
合処理の第二段階を実施するに際し、使用するα‐オレ
フィン種は第一段階で使用したα‐オレフィン種には依
存せず、任意に選択することができるが、第一段階と第
二段階で使用するα‐オレフィンの組成が異なることが
好ましく、第一段階と第二段階で使用するα‐オレフィ
ン種が異なることが特に好ましい。
【0107】第二段予備重合工程はα‐オレフィンによ
るものであるが、この工程には第一段予備重合工程から
引きついだ未重合ポリエンが存在していてもよい。但
し、第二工程は第一工程と実質的に異なるものであるべ
きであるところから、第二工程でのポリエンの存在量は
第二工程のα‐オレフィン仕込み量1モルに対して0.
4モル以下であることが好ましい。
【0108】予備重合は、必要に応じて、周期律表第I
族〜第III 族から選ばれる金属を含む有機金属化合物触
媒成分の共存下に行なってもよい。この特定モノマーに
よる予備重合処理は、溶解重合、懸濁重合、などの液相
重合法または気相重合法のいずれにおいても実施でき
る。液相重合法の場合は、後述の不活性溶媒存在下に実
施することができる。
【0109】上記不活性溶媒としては、具体的には、ヘ
キサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいはこ
れらの混合物などが挙げられる。
【0110】上記成分(A)および(B)を主成分とす
る触媒を予備重合処理する場合は、各成分を、成分
(A)中の遷移金属原子(Tr)と、成分(B)中の金
属原子(Me)との原子比(Me/Tr)で、通常は
0.01〜10,000、好ましくは0.1〜5,00
0、特に好ましくは1〜1,000、の量で用いること
ができる。触媒が成分(A)および(C)を主成分とす
るものである場合は、成分(C)を、成分(A)中の遷
移金属1グラム原子当たり、通常は0.01〜100モ
ル、好ましくは0.5〜10モル、特に好ましくは1〜
5モルの量で用いられる。成分(A)、(B)および
(C)を主成分とする場合においても、成分(A)およ
び(B)、成分(A)および(C)の量比関係は、上記
の量比で用いるのが好ましい。
【0111】予備重合処理時の遷移金属化合物触媒成分
の使用割合は、重合容積1リットル当たり、遷移金属原
子の量で、10-5〜10グラム原子、好ましくは10-4
〜1グラム原子である。
【0112】予備重合処理温度は、通常−20〜+10
0℃、好ましくは−20〜+80℃、特に好ましくは−
10〜+50℃、の範囲である。また、予備重合処理時
には、水素は使用しない。水素を使用すると、耐衝撃性
改良効果が低下する。
【0113】以上のようにして得られる予備重合処理済
み触媒(T)は、予備重合の第一段階および第二段階の
各段階でそれぞれ上記成分(A)1グラム当たり、通常
0.1〜10,000グラム、好ましくは0.5〜8,
000グラム、特に好ましくは1〜5,000グラム、
の量のポリマーを生成させるが、触媒が成分(A)及び
(B)を主成分とする場合は、成分(A)1グラム当た
り、好ましくは0.5〜500グラム、特に好ましくは
1〜200グラム、の量の、触媒が成分(A)および
(C)、または成分(A)、(B)および(C)を主成
分とする場合は、成分(A)1グラム当たり、好ましく
は50〜8,000グラム、特に好ましくは100から
5,000グラム、の量の、ポリマーをそれぞれの段階
で生成させるのがふつうである。第一段階の予備重合量
と第二段階の予備重合量は通常異なるが、およそ同量で
あることが好ましい。
【0114】上記予備重合処理後、直ちにブロック共重
合体の重合を行ってもよいが、上記不活性溶媒による触
媒の洗浄を行ってもよい。 <<予備的予備重合>>本発明では、また、上記予備重
合処理に先立って、遷移金属化合物触媒成分〔1〕〜
〔3〕にα‐オレフィンを接触させて重合させることか
らなる予備的予備重合に付しておくこともできる。その
ときのα‐オレフィンとしては、炭素数2〜20のα‐
オレフィンが好ましい。より好ましくはエチレンまたは
プロピレンが、特にはプロピレン、が用いられる。この
ような予備的予備重合は、公知の手法で行うことがで
き、周期律表第I族〜第III 族から選ばれる金属を含む
有機金属化合物触媒成分の共存化に実施されることが普
通であり、遷移金属化合物触媒成分〔1〕〜〔3〕1グ
ラム当たり0.1〜7,000グラムのα‐オレフィン
を重合させることが普通である。
【0115】このように本発明の予備重合処理に先立っ
て、触媒をα‐オレフィンにて予備的予備重合に付す
と、具体的には、例えば、粒径分布、粒度分布などの粒
子形状に優れた予備重合処理済み触媒が得られる。 II. ブロック共重合体 本発明によるブロック共重合体は、ブロック(i)およ
びブロック(ii)からなるものである。そして、ブロッ
ク(i)はプロピレン(および場合によりエチレン)か
らなるものであり、ブロック(ii)はエチレン(および
場合によりプロピレン)からなるものである。上記で
「からなる」とは、挙示のブロック、すなわち(i)お
よび(ii)、あるいは挙示の成分、すなわちプロピレン
およびエチレン、以外の合目的的なブロックあるいは成
分(詳細後記)を包含しうることを意味するものであ
る。従って、本発明によるブロック共重合体は、挙示の
成分以外のブロックないし成分が、各ブロック内にある
いは各ブロック間に、存在するものをも包含するもので
ある。また、従って、「プロピレンおよび(または)エ
チレンを……重合させて」ということは、挙示の両モノ
マーのみを重合させるということではなくて、合目的的
な共重合可能モノマーをも重合させることを包含するも
のである。ただし、この第三のモノマーはブロック共重
合体の10重量%までとすることが好ましい。
【0116】ブロック(i)およびブロック(ii)は、
ブロック共重合体に対して、それぞれ樹脂的性質および
ゴム的特性を付与する。
【0117】なお、本発明でいう「ブロック共重合体」
は、この種の技術において慣用されているように、各ブ
ロックが結合してなる典型的なブロック共重合体の外
に、各ブロックが事実上独立の成分として共存している
場合および両者の混合物、を包含するものである。この
ような観点から、「ブロック共重合体」は、「ケミカル
ブレンド」ともいうこともできる。
【0118】本発明によるブロック共重合体は、ブロッ
ク(i)を、通常は95〜10重量%、好ましくは90
〜30重量%、特に好ましくは85〜50重量%の量で
含み、ブロック(ii)を、通常5〜90重量%、好まし
くは10〜70重量%、特に好ましくは15〜50重量
%、の量で含むものである。
【0119】また、本発明によるブロック共重合体は、
ASTM D−1238に基づいて測定したメルトフロ
ーレート(MFR)が、通常3,000g/10分以
下、好ましくは0.01〜1,000g/10分、特に
好ましくは0.05〜100g/10分、の範囲にある
ものであることが代表的である。
【0120】<ブロック(i)>ブロック(i)は、プ
ロピレン含有率が100〜90重量%、好ましくは10
0〜93重量%、特に好ましくは100〜95重量%、
であり、エチレン含有率が0〜10重量%、好ましくは
0〜7重量%、特に好ましくは0〜5重量%、であるプ
ロピレン重合体からなるブロックである。
【0121】本発明でのブロック(i)は、プロピレン
およびエチレン以外の成分を包含しうるものであること
は前記した通りである。このようなプロピレンおよび
(または)エチレン以外の成分の代表例は、プロピレン
および(または)エチレンと共重合可能な化合物、好ま
しくは、例えば(イ)炭素数4〜20のα‐オレフィ
ン、具体的には、1‐ブテン、1‐ペンテン、1‐ヘキ
セン、3‐メチル‐1‐ブテン、3‐メチル‐1‐ペン
テン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐オクテン、1‐
デセン、1‐テトラデセン、1‐オクタデセンなど、
(ロ)芳香族ビニル化合物、具体的にはスチレン、ジメ
チルスチレンなどのスチレン類、アリルベンゼン、アリ
ルトルエンなどのアリルベンゼン類、ビニルナフタレン
類、アリルナフタレン類など、(ハ)脂肪族ビニル化合
物、具体的には、ビニルシクロヘキサン類、ビニルシク
ロペンタン類、ビニルシクロヘプタン類、アリルノルボ
ルナンなど、(ニ)環状オレフィン、具体的には、シク
ロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5‐メチ
ル‐2‐ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2‐メ
チル‐1,4,5,8‐ジメタノ‐1,2,3,4a,
5,8,8a‐オクタヒドロナフタレンなど、(ホ)シ
ラン系不飽和化合物、具体的には、アリルトリメチルシ
ラン、アリルトリエチルシラン、4‐トリメチルシリル
‐1‐ブテン、6‐トリメチルシリル‐1‐ヘキセン、
8‐トリメチルシリル‐1‐オクテン、10‐トリメチ
ルシリル‐1‐デセンなど、(ヘ)予備重合処理時に用
いられるポリエン化合物などが挙げられる。ここで、
「…類」、例えば「スチレン類」、というのは側鎖およ
び(または)核ないし環置換または非置換体を意味す
る。そして、その場合の置換基は、例えば低級アルキル
基(特に炭素数1から4程度のもの)、低級アルコキシ
基、トリフルオロメチル基またはハロゲン原子、特に低
級アルキル基が、好ましい。
【0122】これらは、各群内および(または)郡間
で、単独であるいは組み合わせて用いられる。これらの
うち、1‐ブテン、3‐メチル‐1‐ブテン、3‐メチ
ル‐1‐ペンテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、ビニル
シクロヘキサン、ジメチルスチレン、アリルトリメチル
シラン、アリルナフタレンなどが好ましく用いられる。
特に好ましいものとしては、1‐ブテン、3‐メチル‐
1‐ブテンおよび4‐メチル‐1‐ペンテン等が挙げら
れる。
【0123】これらのプロピレンおよびエチレン以外の
α‐オレフィン等の成分を組み合わせて使用する場合の
その含量は、本発明の効果を損なわない限り任意である
が、10重量%まで(ブロック(i)基準)である。
【0124】また、プロピレン重合体(i)は、主とし
てアイソタクチック構造のものであっても、シンジオク
タクチック構造のものであってもよい。
【0125】<ブロック(ii)>ブロック(ii)は、プ
ロピレン含有率が0〜90重量%、好ましくは0〜85
重量%、特に好ましくは0〜80重量%であり、エチレ
ン含有率が100〜10重量%、好ましくは100〜1
5重量%、特に好ましくは100〜20重量%であるエ
チレン重合体からなるブロックであって、同一ブロック
共重合体中では、ブロック(i)とプロピレンおよび
(または)エチレン含有率が異なる。
【0126】該ブロック(ii)も、本発明の効果を損な
わない限り、エチレンおよびプロピレン以外の共重合可
能なオレフィン、たとえばブロック(i)について前記
したもの、あるいは予備重合処理時に用いるポリエン化
合物を少量(例えば、10重量%(ブロック(ii)基
準)まで)共重合させたものであってもよい。このよう
なα‐オレフィンとしては、炭素数4〜20のα‐オレ
フィン、好ましくは、例えば1‐ブテン、1‐ペンテ
ン、1‐ヘキセン、1‐オクテン、1‐デセン、3‐メ
チル‐1‐ブテン、4‐メチル‐1‐ペンテンなどが挙
げられる。ポリエン化合物としては、予備重合の項にて
例示したものを挙げることができる。
【0127】なお、プロピレンとエチレンとの組成比
は、例えば重合時に消費されるプロピレン、エチレンの
量を測定することにより算出することができる。具体的
には、重合器中に供給したプロピレンおよびエチレン量
と、重合器中に残存したプロピレンおよびエチレン量と
をガスクロマトグラフィーにより測定した量と、から計
算により算出することができる。 III.触媒の使用/ブロック共重合体の製造 本発明によるブロック共重合体の製造法は、前記の予備
重合処理済み触媒(T)から少なくともなる触媒の存在
下にブロック(i)および(ii)を少なくとも二段階か
らなる工程で生成させることからなるものである。
【0128】上記成分(A)および(B)を主成分とす
る予備重合処理済み触媒を使用する場合は、各成分を、
成分(A)中の遷移金属原子(Tr)と、成分(B)中
の金属原子(Me)との原子比(Me/Tr)で、通常
は0.1〜50,000、好ましくは1〜10,00
0、特に好ましくは2〜5,000、の量で用いること
ができる。予備重合処理済み触媒が成分(A)および
(C)を主成分とするものである場合は、成分(C)
を、成分(A)中の遷移金属1グラム原子当たり、通常
は0.01〜100モル、好ましくは0.5〜10モ
ル、特に好ましくは1〜5モルの量で用いられる。成分
(A)、成分(B)、および(C)を主成分とする場合
においても、成分(A)および(B)、成分(A)およ
び(C)の量比関係は、上記の量比で用いるのが好まし
い。
【0129】予備重合処理済み触媒(T)は、それ自身
で重合能を持つが、予備重合処理に付すべき立体規則性
重合触媒調製時に使用したものと同一または異なる成分
(B)および(または)成分(C)と組み合わせたもの
の存在下に使用することができ、あるいは電子供与体を
いわゆる外部ドナーとして、併用することができる。本
発明で触媒を「予備重合処理済み触媒(T)から少なく
ともなる」と定義している所以である。
【0130】重合を行う際の成分(A)の使用割合は、
成分(A)中の遷移金属原子換算で、通常は10-7〜1
-1グラム原子/リットル、好ましくは10-6から10
-2グラム原子/リットル、の範囲である。
【0131】重合方法としては、塊状重合、溶液重合、
懸濁重合、気相重合等のいずれかの方法を用いても良
い。また、バッチ法でも連続法でもよい。重合溶媒を用
いる場合は、具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の
脂環式炭化水素、あるいはこれらの混合物などを用いる
ことができる。また、α‐オレフィン等のモノマーを溶
媒として用いても良い。
【0132】ブロック共重合体の重合条件は、通常−4
0〜250℃、好ましくは−30〜150℃、さらに好
ましくは−20〜120℃、の重合温度で、通常常圧〜
10kg/cm2 G、好ましくは1〜50kg/cm2 G、の重
合圧力下で行う。
【0133】本発明においては、ブロック(i)を主に
生成させる段階と、ブロック(ii)をおもに生成させる
段階の二段階で重合が行われる。どちらの段階を先に行
っても良いが、ブロック(i)を主に生成させる段階を
先に行うことが好ましい。いずれの方法においても、前
段階で製造した重合体(および触媒活性)の共存下で引
き続き後段の重合を行うことが重要である。後段重合で
触媒ないし触媒成分を補充することもできる。
【0134】また、ブロック共重合体製造時に、予備重
合処理時に用いることができる前記の電子供与体を必要
に応じて用いることができる。これら電子供与体は、予
備重合触媒(T)中の遷移金属1グラム原子当たり0.
001〜10モル、好ましくは0.01〜5モルの範囲
で用いることができる。
【0135】遷移金属化合物触媒成分〔1〕〜〔3〕1
グラム当たりのブロック共重合体収率は、通常0.1〜
2,000kg、好ましくは0.5〜1,000kg、の範
囲である。予備重合された重合体1g当たりのブロック
共重合体収率は、5グラム以上、好ましくは10グラム
以上、特に好ましくは20グラム以上、である。
【0136】
【実施例】以下の実施例は、本発明をさらに詳細に説明
するためものである。従って、本発明はその要旨を越え
ない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0137】ここで行った評価方法は次に示すとおりで
ある。 (イ)曲げ弾性率 JIS−K7203に準拠して測定した。測定温度は2
3℃である。 (ロ)アイゾット衝撃強度 JIS−K7110に準拠して測定した。 (ハ)MFR ASTM D−1238に基づいて、230℃/2.1
6kg荷重下において測定した。 (ニ)フローマーク 下記実施例1で示す成形条件にて作成した40×250
×2mmの平板に発生したフローマークを4段階に分けて
評価した。
【0138】 A:発生しない B:ほとんどめだたない C:ややめだつ D:めだつ 〔実施例1〕 <遷移金属化合物触媒成分[1]の多段予備重合>窒素
置換した内容積1リットルのオートクレーブに精製n−
ヘプタン500ミリリットルを入れ、20℃でジエチル
アルミニウムクロライドを1g、遷移金属化合物触媒成
分[1]として東邦チタニウム社製三塩化チタンを10
g、1,9−デカジエンを40ミリリットル仕込んだ
後、エチレンを38g/Hrの測度で2時間仕込んだと
ころでエチレンの供給を停止した。その後、オートクレ
ーブの内圧が0.4kg/cm2 G以下になったところで、
次にプロピレンを38g/Hrの速度で2時間供給し
た。
【0139】予備重合終了後、触媒を窒素置換した2リ
ットルのガラス製フラスコに移し、これを精製n−ヘプ
タン500ミリリットルで5回洗浄して予備重合触媒
(T)−1を得た。三塩化チタン1g当たり、17.5
gのポリマーが生成していた。このポリマー中には1,
9−デカジエンから誘導される構成単位が4.8モル%
含まれていることが分析よりわかった。
【0140】<重合>窒素置換した内容積100リット
ルのオートクレーブに精製n−ヘプタン48リットルを
入れ、70℃でジエチルアルミニウムクロライドを40
g、上記予備重合触媒(T)−1を三塩化チタン換算で
7.6g、水素50リットルを仕込んだ後、プロピレン
を全圧で7kg/cm3 Gになるようにして70℃で100
分間ブロック(i)の重合を行った。プロピレンおよび
水素を全圧が0kg/cm3 Gになる迄パージし、オートク
レーブ温度を60℃に下げた後、プロピレン/エチレン
=2/1(重量比)の混合ガスを圧入して全圧を2kg/
cm2 Gに保持し、60℃で100分間、ブロック(ii)
の重合を行った。この結果、18.8kgのブロック共重
合体が得られた。
【0141】<成形>得られたブロック共重合体100
重量部、テトラキス−[メチレン‐3‐(3′,5′‐
ジ‐t‐ブチル‐4′‐ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン0.05重量部、2,6‐ジ‐t‐ブチ
ル‐4‐メチルフェノール0.1重量部、ステアリン酸
カルシウム0.05重量部、トリ‐p‐t‐ブチル安息
香酸アルミニウム0.1重量部を混合し、50mmの単軸
押出機にて温度220℃で溶融し、ペレットとした。上
記ペレットを名機製作所製の射出成型機M40A−SJ
を用い、シリンダー温度230℃、金型温度40℃、射
出出力137kg/cm2 、射出時間4秒、冷却時間25秒
の条件で、曲げ弾性率およびアイゾット衝撃強度測定用
試験片を射出成形した。また、同様の条件にて40×2
50×2mmの平板を成形した。
【0142】表3に23℃で測定した曲げ弾性率、−2
0℃で測定したアイゾット衝撃強度およびフローマーク
評価結果を示す。
【0143】[比較例1]実施例1において、予備重合
触媒(T)の替わりに、予備重合処理していない三塩化
チタンを使用したこと以外は、実施例1と同様にして実
験を行った。この結果、19.1kgのブロック共重合体
が得られた。結果は表3に示される通りである。
【0144】以上の比較例により、1,9‐デカジエン
とエチレン、及びプロピレンによる二段予備重合処理を
すると、剛性、耐衝撃性およびMFRのバランス、およ
びフローマークが改良されることがわかる。
【0145】[比較例2]実施例1において、予備重合
処理開始時に水素を200ミリリットル、オートクレー
ブ中にフィードすること以外は、実施例1と同様にして
実験を行った。但し、予備重合処理後、予備重合処理触
媒(T)‐1中には三塩化チタン1グラム当たり17.
7グラムのポリマーが生成していた。このポリマー中に
は1,9‐デカジエンから誘導される構成単位が4.8
モル%含まれていることが分析よりわかった。この結
果、ブロック共重合体が18.5kg得られた。結果は表
3に示される通りである。
【0146】この比較例により、予備重合処理を水素存
在下で行うと、改良効果が低いことがわかる。
【0147】[実施例2] <遷移金属化合物触媒成分[2]の調製>充分に窒素置
換したフラスコに脱酸素したn−ヘプタン200ミリリ
ットルを導入し、次いでMgCl2 を0.4モル、Ti
(O‐nC4 2 )4 を0.8モル導入し、95℃で2
時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次
いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストーク
スのもの)を48ミリリットル導入し、3時間反応し
た。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
【0148】次いで、充分に窒素置換したフラスコに上
記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導
入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.2
4モル導入した。次いでn−ヘプタン25ミリリットル
にSiCl4 0.4モルを混合して30℃、30分間で
フラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終
了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn−ヘプタンを
25ミリリットルにフタル酸クロライド0.024モル
を混合して、70℃/30分間でフラスコへ導入し、9
0℃で1時間反応させた。
【0149】反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次
いでSiCl4 20ミリリットルを導入して80℃で6
時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗
浄した。この成分のチタン含量は、1.21重量%であ
った。
【0150】充分に窒素置換したフラスコに精製したn
−ヘプタンを50ミリリットル導入し、次いで上記で得
た成分を7グラム導入し、次いで(CH3 3 CSi
(CH3 )(OCH3 2 を2.5ミリリットル導入
し、次いでTiCl4 0.73ミリリットル、更にトリ
エチルアルミニウム4.0グラムをそれぞれ導入し、3
0℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで
充分洗浄して、遷移金属化合物触媒成分[2]を得た。
この成分中のチタン含量は、3.64重量%であった。
【0151】<予備的予備重合>充分に窒素置換した内
容積1.5リットルの攪拌式オートクレーブに、脱水お
よび脱酸素したn−ヘプタン400ミリリットルを導入
し、系内を15℃に冷却した後、n−ブチルリチウム
0.65グラムおよび上記遷移金属化合物触媒成分
[2]を6.5グラム導入し、プロピレンを13グラム
/Hrで0.5時間フィードしてプロピレンによる予備
重合を行った。プロピレンフィード終了後、10分間残
圧重合を行った。終了後、n−ヘプタンで2回洗浄し
た。この結果、1グラムの遷移金属化合物触媒成分
[2]当たり、0.92グラムのポリプロピレンが重合
していた。
【0152】<予備的予備重合を経た遷移金属化合物触
媒成分[2]のエチレンおよび1,7−オクタジエン、
引き続きプロピレンによる二段予備重合処理>窒素置換
した内容積1リットルのオートクレーブに精製n−ヘプ
タン500ミリリットルを入れ、20℃でトリエチルア
ルミニウムを0.5グラム、上記の予備的予備重合を経
させた遷移金属化合物触媒成分[2]を6グラム、1,
7−オクタジエンを16ミリリットル仕込んだ後、エチ
レンをオートクレーブに供給した。重合反応中オートク
レーブを20℃に保持し、気体状エチレンを20g/H
rの速度で2時間供給したところでエチレンの供給を停
止した。オートクレーブの内圧が0.4kg/cm2 G以下
になったところで、引き続きプロピレンを22.5g/
Hrの速度で2時間供給した。
【0153】予備重合処理終了後、触媒を窒素置換した
2リットルのガラス製フラスコに移し、精製n−ヘプタ
ン500ミリリットルで5回洗浄して、予備重合触媒
(T)−2を得た。この予備重合触媒(T)−2は、上
記遷移金属化合物触媒成分[2]1グラム当たり30.
3グラムのポリマーを含有していた。このポリマー中に
は、1,7−オクタジエンから誘導される構成単位が
4.2モル%含まれることが分析によりわかった。
【0154】<重合>実施例1において、ジエチルアル
ミニウムクロライドの替わりにトリエチルアルミニウム
8グラムを用いたこと、予備重合触媒(T)−1の替わ
りに予備重合触媒(T)−2を72グラム使用したこ
と、ブロック(i)および(ii)の重合温度および重合
時間を各々75℃で75分、70℃で80分としたこ
と、水素量を40リットルにしたこと、以外は、実施例
1と同様に実験を行ったところ、ブロック共重合体が1
8.4kg得られた。この結果を表3に示す。
【0155】[比較例3]実施例2において、予備重合
触媒(T)−2の替わりに、予備的予備重合された遷移
金属化合物触媒成分[2]を5.6グラム(遷移金属化
合物触媒成分量は実施例2と同じ)使用したこと以外
は、実施例2と同様にして実験を行ったところ、ブロッ
ク共重合体が18.6kg得られた。結果は表3に示され
る通りである。
【0156】この比較例により、成分(A)として遷移
金属化合物触媒成分[2]を使用した場合も、1,7−
オクタジエンとエチレン、及びプロピレンによる二段予
備重合処理すると、剛性、耐衝撃性およびMFRのバラ
ンス、およびフローマークが改良されることがわかる。
【0157】[比較例4]実施例2において、予備重合
処理時に、1,7−オクタジエンを使用しなかったこと
およびブロック(i)製造時の水素量を36リットルに
したこと以外は、実施例2と同様にして実験を行った。
但し、予備重合処理後、予備重合処理触媒(T)−2中
には遷移金属化合物触媒成分[2]1グラム当たり2
6.5グラムのポリマーが生成していた。この結果、ブ
ロック共重合体が19.7kg得られた。結果は表3に示
される通りである。
【0158】この比較例により、エチレン、及びプロピ
レンのみによる二段予備重合処理では、改良効果が無い
ことがわかる。
【0159】[比較例5]実施例2において、予備重合
処理時に水素を200ミリリットル、オートクレーブ中
にフィードすること以外は、実施例2と同様にして実験
を行った。但し、予備重合処理後、予備重合処理触媒
(T)−2中には遷移金属化合物触媒成分[2]1グラ
ム当たり30.9グラムのポリマーが生成していた。こ
のポリマー中には、1,7−オクタジエンから誘導され
る構成単位が4.2モル%含まれることが分析によりわ
かった。この結果、ブロック共重合体が18.7kg得ら
れた。結果は表3に示される通りである。
【0160】この比較例により、予備重合処理を水素存
在下で行うと、改良効果が低いことがわかる。
【0161】[比較例6]実施例2において、第一段階
の予備重合時に1,7−オクタジエンを使用しなかった
こと、第二段階のプロピレンによる予備重合処理を行わ
なかったこと、及びブロック(i)製造時の水素量を3
6リットルにしたこと以外は、実施例2と同様にして実
験を行った。但し、予備重合処理後、予備重合触媒
(T)−2中には遷移金属化合物触媒成分[2]1グラ
ム当たり25.5グラムのポリマーを含有していた。こ
の結果、ブロック共重合体が20.9kg得られた。結果
は表3に示される通りである。
【0162】この比較例により、エチレンのみによる一
段予備重合では、改良効果がないことがわかる。
【0163】[実施例3]実施例2において、予備重合
処理時に、最初にエチレンの替わりにプロピレンを2
2.5g/Hrの速度で供給すること、及びプロピレン
の替わりにエチレンを20g/Hrの速度で供給するこ
と以外は、実施例2と同様にして実験を行った。但し、
予備重合処理後、予備重合処理触媒(T)−2中には遷
移金属化合物触媒成分[2]1グラム当たり30.6グ
ラムのポリマーが生成していた。このポリマー中には、
1,7−オクタジエンから誘導される構成単位が4.1
モル%含まれることが分析によりわかった。この結果、
ブロック共重合体が18.7kg得られた。結果は表3に
示される通りである。
【0164】[実施例4]実施例2において、予備重合
処理時に、最初にエチレンの替わりにプロピレンを2
2.5g/Hrの速度で供給すること、及びプロピレン
の替わりにエチレンとプロピレンの混合ガス(エチレン
濃度:40モル%)を20g/Hrの速度で供給するこ
と以外は、実施例2と同様にして実験を行った。但し、
予備重合処理後、予備重合処理触媒(T)−2中には遷
移金属化合物触媒成分[2]1グラム当たり30.0グ
ラムのポリマーが生成していた。このポリマー中には、
1,7−オクタジエンから誘導される構成単位が5.0
モル%含まれることが分析によりわかった。この結果、
ブロック共重合体が17.4kg得られた。結果は表3に
示される通りである。
【0165】[実施例5]実施例2において、第一段階
の予備重合時に1,7−オクタジエンを5ミリリットル
使用したこと以外は、実施例2と同様にして実験を行っ
た。但し、予備重合処理後、予備重合触媒(T)−2中
には遷移金属化合物触媒成分[2]1グラム当たり2
7.1グラムのポリマーを含有していた。このポリマー
中には、1,7−オクタジエンから誘導される構成単位
が1.4モル%含まれていることが分析によりわかっ
た。この結果、ブロック共重合体が19.9kg得られ
た。結果は表3に示される通りである。
【0166】[実施例6]実施例2において、第一段階
の予備重合時に1,7−オクタジエンの替りに1,9−
デカジエンを20ミリリットル使用したこと以外は、実
施例2と同様にして実験を行った。但し、予備重合処理
後、予備重合触媒(T)−2中には遷移金属化合物触媒
成分[2]1グラム当たり27.4グラムのポリマーを
含有していた。このポリマー中には、1,9−デカジエ
ンから誘導される構成単位が3.8モル%含まれている
ことが分析によりわかった。この結果、ブロック共重合
体が19.2kg得られた。結果は表3に示される通りで
ある。
【0167】[実施例7] <遷移金属化合物触媒成分[3]の予備重合処理>窒素
置換した内容積1リットルのオートクレーブに精製n−
ヘプタン500ミリリットルを入れ、20℃で東ソーア
クゾ社製メチルアルモキサンを10グラム、次にジメチ
ルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラ
ヒドロインデニル)ジクロロジルコニウムを4.1ミリ
グラム入れ、20℃にて30分間オートクレーブを攪拌
させた。次に1,7−オクタジエンを4ミリリットル仕
込んだ後、オートクレーブを20℃に保持しながらエチ
レンをオートクレーブに12g/Hrの速度で1時間供
給した。エチレン供給停止後、オートクレーブの内圧が
0.2kg/cm2 G以下になった後に、プロピレンを15
g/Hrの速度で1時間供給した。
【0168】予備重合処理終了後、得られた予備重合触
媒(T)−3中には、上記ジルコニウム化合物1ミリグ
ラム当たり、7.0グラムのポリマーが生成していた。
このポリマー中には1,7−オクタジエンから誘導され
る構成単位が3.4モル%含まれることが分析によりわ
かった。
【0169】<重合>窒素置換した内容積20リットル
のオートクレーブに精製トルエン10リットルを入れ、
40℃で東ソーアクゾ社製メチルアルモキサンを4.5
グラム、上記予備重合触媒(T)−3を25.9グラム
仕込んだ後、プロピレンを700g/Hrの速度で供給
しながら、ブロック(i)の重合を75分間行った。次
いで、未反応プロピレンをパージした後、引き続きプロ
ピレンを180g/Hr、エチレンを80g/Hrの速
度で連続的に供給しながら、60分間共重合体(ii)の
重合を40℃で行った。重合終了はプロピレンおよびエ
チレンの供給を止め、未反応プロピレン、エチレンをパ
ージし、メタノール−塩酸溶液を注入して重合を停止し
た。その結果、1.1kgのブロック共重合体が得られ
た。結果は表3に示される通りである。
【0170】[比較例7]実施例3において、予備重合
触媒(T)−3の替わりに、予備重合処理されていない
ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル)ジクロロジルコニウムを3.
7ミリグラム使用したこと以外は、実施例3と同様にし
て実験を行ったところ、ブロック共重合体が1.2kg得
られた。結果は表3に示される通りである。
【0171】この比較例により、成分(A)として遷移
金属化合物触媒成分[3]を使用した場合も、1,7−
オクタジエンとエチレン、及びプロピレンによる二段予
備重合処理をすると、剛性、耐衝撃性およびMFRのバ
ランス、およびフローマークが改良されることがわか
る。
【0172】[比較例8]実施例7において、第一段階
の予備重合時に1,7−オクタジエンを使用したこと、
及び第二段階のプロピレンによる予備重合処理を行わな
かったこと以外は、実施例7と同様にして実験を行っ
た。但し、予備重合処理後、予備重合触媒(T)−3中
には、上記ジルコニウム化合物1ミリグラム当たり2.
6グラムのポリマーを含有していた。この結果、ブロッ
ク共重合体が1.2kg得られた。結果は表3に示される
通りである。
【0173】この比較例により、エチレンのみによる一
段予備重合では、改良効果がないことがわかる。
【0174】[実施例8]実施例4において、予備重合
処理時のポリエン化合物として、1,7−オクタジエン
の替わりにノルボルナジエンを3ミリリットル仕込んだ
こと以外は、実施例4と同様に実験を行った。但し、得
られた予備重合触媒(T)中には、遷移金属化合物触媒
成分1ミリグラム当たり6.9グラムのポリマーが生成
していた。このポリマー中にはノルボルナジエンから誘
導される構成単位が3.5モル%含まれることが分析に
よりわかった。また、重合の結果、オレフィン重合体が
1.1kg得られた。結果は表3に示される通りである。
【0175】[実施例9]実施例7において、ジメチル
シリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒ
ドロインデニル)ジクロロジルコニウムの替わりにジメ
チルシリレンビス(2−メチルベンゾインデニル)ジク
ロロジルコニウムを4.0ミリグラム使用したこと以外
は、実施例7と同様にして実験を行った。但し、予備重
合処理後、予備重合触媒(T)−3中には、上記ジルコ
ニウム化合物1ミリグラム当たり6.8グラムのポリマ
ーを含有していた。このポリマー中には、1,7−オク
タジエンから誘導される構成単位が3.1モル%含まれ
ていることが分析によりわかった。この結果、ブロック
共重合体が1.0kg得られた。結果は表3に示される通
りである。
【0176】
【表3】
【0177】
【表4】
【0178】
【発明の効果】本発明によるプロピレン系ブロック共重
合体は、従来のプロピレン系ブロック共重合体に比べ
て、耐衝撃性が優れ、かつ良好な物性のバランス(剛
性、耐衝撃性およびMFRバランス)および優れた成形
体外観を備えており、したがって、テレビケース、VT
Rケース、洗濯機カバー等の家電製品の各種部品、バン
パー、インストルメントパネル、グローブボックス等の
自動車内・外装部品、ステレオケース等の音響製品部
品、なかでも自動車のバンパー向け素材として優れた特
性を有している物であることは、「発明の概要」の項に
おいて前記したところである。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレンおよびエチレンを少なくとも二
    段階で重合させて下記のブロック(i)95〜10重量
    %およびブロック(ii)5〜90重量%からなるブロ
    ック共重合体(ただし、両ブロックは、プロピレンおよ
    び(または)エチレンの含有率において実質的に相違す
    るものとする)を製造する方法において、使用する重合
    触媒が下記の予備重合処理済み触媒(T)から少なくと
    もなることを特徴とする、ブロック共重合体の製造方
    法。 予備重合処理済み触媒(T):下記の成分(A)および
    (B)、成分(A)および(C)、または成分(A)、
    (B)および(C)からなる立体規則性重合触媒に、無
    水素条件下、少なくとも、第一段階でα−オレフィンと
    ポリエン化合物とを接触させ、第二段階でα‐オレフィ
    ンを接触させて、各段階でそれぞれ成分(A)1g当た
    り0.1〜10,000gの量で重合させることからな
    る多段予備重合処理に付して得られる予備重合処理済み
    触媒(T)。 成分(A):遷移金属化合物触媒成分。 成分(B):周期律表第I族〜第III 族から選ばれる金
    属を含む有機金属化合物触媒成分。 成分(C):成分(A)に含まれる遷移金属化合物と反
    応してイオン錯体を形成する化合物。 ブロック(i):プロピレン含有率が100〜90重量
    %であり、エチレン含有率が0〜10重量%である、重
    合体からなるブロック。 ブロック(ii):プロピレン含有率が0〜90重量%
    であり、エチレン含有率が100〜10重量%である、
    重合体からなるブロック。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の予備重合処理済み触媒
    (T)が、第一段階でα−オレフィンとポリエン化合物
    とを接触させて、第二段階で前記第一段階で使用したα
    −オレフィンとは異なるα−オレフィン種を接触させて
    得られたものである、請求項1に記載のブロック共重合
    体の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の予備重合処理済み触媒
    (T)が、第一段階でエチレンとポリエン化合物とを接
    触させて、第二段階でα−オレフィン(但し、エチレン
    除く)を接触させて得られたものである、請求項1に記
    載のブロック共重合体の製造法。
  4. 【請求項4】ポリエン化合物が、下記一般式(I)〜
    (IV)で示される群から選ばれる、請求項1記載のブロ
    ック共重合体の製造法。 【化1】 【化2】 (式中、p、q、r、uおよびxは、それぞれ独立に、
    0または正の整数でありt、v、wおよびyは、それぞ
    れ独立に、0または1であり、zは正の整数であり、R
    〜R48は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
    子および炭化水素基からなる群から選ばれる原子もしく
    は基を表し、R37〜R40は、そのω‐端で互いに結
    合して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単
    環または多環が二重結合を有していてもよく、またR
    37〜R38および(または)R39〜R40それぞれ
    アルキリデン基を形成していてもよい。但し、式(III)
    で示される化合物は、−C=CHで示される構造単位
    を少なくとも1つ有し、式(IV)で示される化合物は、
    −C=CHで示される構造単位を少なくとも2つ有す
    る。)
  5. 【請求項5】成分(A)が、[1]三塩化チタン系触媒
    成分、[2]マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必
    須成分として含有する触媒成分、および[3]メタロセ
    ン化合物からなる群から選ばれる、請求項1記載のブロ
    ック共重合体の製造法。
  6. 【請求項6】成分(B)が、有機アルミニウム化合物、
    周期律表第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合
    物、周期律表第II族金属の有機金属化合物、およびアル
    モキサンからなる群から選ばれる、請求項1記載のブロ
    ック共重合体の製造法。
  7. 【請求項7】成分(C)が、下記式(V)で表されるイ
    オン性化合物である、請求項1記載のブロック共重合体
    の製造法。[Q]s+[Y]s-
    式(V)(ここで、Qは、イオン性化合物のカ
    チオン成分であって、カルボニウムカチオン、トロピリ
    ウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカ
    チオン、スルホニウムカチオンまたはホスホニウムカチ
    オンであり、Yは、イオン性化合物のアニオン成分であ
    って、ホウ素化合物アニオン、アルミニウム化合物アニ
    オンガリウム化合物アニオン、リン化合物アニオン、砒
    素化合物アニオンまたは有機アンチモン化合物アニオン
    であり、Sは、1、2または3の整数を示す。)
  8. 【請求項8】予備重合処理済み触媒(T)が、予備重合
    処理前に、成分(A)ならびに成分(B)および/また
    は成分(C)の存在下に炭素数2〜20のα−オレフィ
    ンを接触させて重合させることからなる予備的予備重合
    に付したものである、請求項1〜7のいずれか1項に記
    載のブロック共重合体の製造法。
  9. 【請求項9】予備的予備重合に使用するオレフィンが、
    プロピレンである、請求項8に記載のブロック共重合体
    の製造法。
  10. 【請求項10】ブロック(i)および(ii)の重合
    を、予備重合処理済み触媒(T)および、成分(B)お
    よび/または成分(C)と組み合わせたものの存在下に
    行う、請求項1〜9のいずれか1項に記載のブロック共
    重合体の製造法。
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