JP3085178B2 - 排ガスを処理するための触媒及び方法 - Google Patents
排ガスを処理するための触媒及び方法Info
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Description
な有機塩素化合物と窒素酸化物とを触媒反応によって同
時に除去することができる新規な触媒とそのような方法
に関する。より詳しくは、本発明は、産業廃棄物や都市
ごみを処理するための焼却炉等から排出される排ガス中
に含まれる上記有機塩素化合物を接触除去すると共に、
同じく有害な窒素酸化物を還元剤の存在下に還元除去す
るための触媒とそのような方法に関する。
ら500℃を超える高温域に至る広い温度域において、
長期間にわたって安定に、且つ、有効に上記有毒な有機
塩素化合物と窒素酸化物を接触除去することができる触
媒とそのような触媒を用いる方法に関する。
焼却炉等から排出される排ガス中には、微量ではある
が、ポリ塩素化ジベンゾ−p−ダイオキシン(以下、P
CDDという。)やポリ塩素化ジベンゾフラン(以下、
PCDFという。)等の有機塩素化合物と共に窒素酸化
物が含まれている。これらの有機塩素化合物と窒素酸化
物は共に有毒であるので、これら有機塩素化合物と窒素
酸化物を排ガスから除去することは、公害防止上、重要
である。
〜8個のものが含まれるが、代表例としては、例えば、
2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシン、
1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ダイオキシ
ン、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−ダイオ
キシン、1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−ダ
イオキシン、1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾ−p
−ダイオキシン等を挙げることができる。また、上記P
CDFには、例えば、通常、核置換塩素が1〜8個のも
のが含まれるが、代表例としては、例えば、2,3,7,8−
テトラクロロジベンゾフラン、1,2,3,7,8−ペンタクロ
ロジベンゾフラン、2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾ
フラン、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン、
1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン、1,2,3,7,
8,9−ヘキサクロロジベンゾフラン、2,3,4,6,7,8−ヘ
キサクロロジベンゾフラン等を挙げることができる。
窒素酸化物とを排ガスから除去するための触媒や方法
が、種々、提案されているが、しかし、いずれも、低温
域から500℃を超える広い温度域にて、上記有毒な有
機塩素化合物と窒素酸化物とを単一の触媒によって、長
期間にわたって安定して有効に除去することができるも
のではない。
ては、例えば、チタンとタングステンを主成分とする触
媒が特公昭52−35342号公報に記載されているよ
うに、既に、知られている。この触媒は、比較的耐熱性
にすぐれているものの、低温域において、窒素酸化物の
還元活性が低く、しかも、長期間にわたつて、安定した
活性をもたない。
とバナジウムとからなる窒素酸化物還元触媒が開示され
ており、また、特開昭50−128681号公報には、
チタン、タングステン及びバナジウムからなる窒素酸化
物還元触媒が提案されている。これらの触媒は、低温域
において、窒素酸化物の還元活性に比較的すぐれている
ものの、高温域においては、活性が安定性に欠ける。
は、バナジウム及びニオブと共に、チタン、銅、クロ
ム、タングステン、モリブデン、鉄及びニツケルから選
ばれる1種又は複数種の元素からなる触媒が開示されて
いる。しかし、この触媒も、高温域において、活性が安
定でない。上記の特許文献は、すべて窒素酸化物の除去
にのみ関するものである。
F等の有機塩素化合物を除去する方法としては、例え
ば、特開昭63−290314号公報に、セラミック担
体に白金等を担持させてなる酸化触媒を用いる方法が提
案されている。しかし、この方法によれば、排ガス中に
含まれる窒素酸化物を除去することはできない。
スを処理する方法としては、例えば、特表平4−503
772号公報に、二酸化チタン70〜80重量%、三酸
化タングステン0〜10重量%、五酸化バナジウム0〜
10重量%及び三酸化モリブデン0〜5重量%からなる
方法が提案されており、この方法によれば、二酸化硫黄
から三酸化硫黄への転化率や窒素酸化物の分解率を高め
ることができるとされている。この方法によれば、単一
の触媒を用いて、窒素酸化物のみならず、例えば、燃料
等の不完全燃焼によって生成した有機化合物を除去する
ことができるが、しかし、用いる触媒が耐久性に劣り、
長期間にわたって安定して排ガスを処理することができ
ない。また、窒素酸化物の除去活性についても、明確な
記載がない。
DDやPCDF等の毒性のある有機塩素化合物と窒素酸
化物の接触分解除去における上述したような種々の問題
を解決するためになされたものであつて、長期間にわた
って安定して窒素酸化物と共に上記有機塩素化合物をも
同時に接触分解除去することができる触媒とそのような
方法を提供することを目的とする。
に、150℃程度の低温域から500℃を超える高温域
の広い温度域にわたって、アンモニアに代表される還元
剤の存在下に、PCDDやPCDF等の毒性のある有機
塩素化合物と窒素酸化物とを同時に除去することができ
る触媒と、更に、そのような触媒を用いて、長期間にわ
たって安定して上記有機塩素化合物と共に窒素酸化物を
接触除去することができる排ガスの処理方法を提供する
ことを目的とする。
タン、(b) タングステン及びモリブデンから選ばれる少
なくとも1種を酸化物換算にて8〜25重量%、(c) ニ
オブを酸化物換算にて0.1〜5重量%、及び(d) バナジ
ウムを酸化物換算にて0.1〜10重量%を含み、(e) 硫
酸を三酸化硫黄換算にて3.5重量%以下に規制してな
り、排ガス中の有機塩素化合物を接触除去すると共に、
還元剤の存在下に窒素酸化物を接触還元除去するための
触媒が提供される。
有機塩素化合物及び窒素酸化物を含む排ガスを(a) チタ
ン、(b) タングステン及びモリブデンから選ばれる少な
くとも1種を酸化物換算にて8〜25重量%、(c) ニオ
ブを酸化物換算にて0.1〜5重量%、及び(d) バナジウ
ムを酸化物換算にて0.1〜10重量%を含み、(e) 硫酸
を三酸化硫黄換算にて3.5重量%以下に規制してなる触
媒に接触させて、上記有機塩素化合物を接触除去すると
共に、窒素酸化物を接触還元除去する方法が提供され
る。
は、窒素酸化物の接触還元分解と共に、PCDDやPC
DF等の有害な有機塩素化合物の接触酸化分解に有用で
ある。PCDDやPCDFについては前述したとおりで
あり、上記窒素酸化物とは、例えば、一酸化窒素、三酸
化二窒素、二酸化窒素等をいうものとする。
タン、タングステン及びモリブデンから選ばれる少なく
とも1種、ニオブ、バナジウム及び硫酸を含み、以下、
これらの成分を触媒成分という。
成分はチタンであり、チタンは、本発明による触媒にお
いて、後述する他の成分の残余を占める成分であって、
通常、酸化物(TiO2 )として、触媒に50重量%以
上、好ましくは、70重量%以上の範囲にて含まれる。
リブデンから選ばれる少なくとも1種を酸化物(タング
ステンについてはWO3 、モリブデンについてはMoO
3 )換算にて8〜25重量%、特に、10〜23重量%
の範囲で含み、これらの成分は、広い温度域において触
媒の耐熱性を高めるのに有用であり、且つ、排ガス中の
二酸化硫黄から三酸化硫黄への転化率を高めることな
く、広い温度域において窒素酸化物に対する還元分解活
性を高めるのに有用である。
b2 O5 )換算にて0.1〜5重量%、好ましくは、0.2
〜2重量%の範囲で含み、この成分は、触媒の高温域で
の性能を損なうことなく、低温域における窒素酸化物の
接触還元活性を高めるのに有用である。しかし、触媒に
おけるニオブの量が多すぎるときは、アンモニアのよう
な還元剤の酸化を促進するので好ましくない。
て、低温域において、窒素酸化物と有機塩素化合物の両
者に対する接触分解活性を高めるために、バナジウムを
酸化物(V2 O5 )換算にて、0.1〜10重量%の範囲
で含み、好ましくは、1〜8重量%の範囲で含む。
ステンによって、広い温度域、特に、高温域における触
媒の耐熱性を確保すると共に、少量のバナジウムによっ
て、低温域において、窒素酸化物と有機塩素化合物の両
者に対する高い分解活性を確保するものである。
過多に含有させるときは、排ガス中の二酸化硫黄(SO
2 )の三酸化硫黄(SO3 )への酸化率が高くなり、経
時的に触媒中に硫安や酸性硫安等の硫酸塩の蓄積や、活
性成分の硫酸塩化を促進し、窒素酸化物の接触還元活性
の低下、更には、PCDDやPCDF等の有機塩素化合
物の除去活性の低下を促進するので好ましくない。
き、この硫酸は、アンモニアのような還元剤と触媒上で
反応し、硫安や酸性硫安等の硫酸塩を生成し、蓄積し、
経時的に触媒活性を低下させるので、本発明によれば、
触媒は、それが含む硫酸の量において、三酸化硫黄(S
O3 )換算にて、3.5重量%以下、好ましくは、3重量
%以下に規制される。換言すれば、本発明による触媒
は、三酸化硫黄(SO3 )換算にて、3.5重量%を超え
る量の硫酸を含んでいてはならない。特に、本発明によ
れば、触媒中の硫酸は、三酸化硫黄(SO3 )換算に
て、3.0重量%以下であることが好ましい。
るチタン、タングステン、モリブデン、ニオブ及びバナ
ジウムは、それぞれ酸化物の形態であることが好まし
い。しかし、本発明による触媒においては、上記活性成
分のほかに、必要に応じて、他の成分、例えば、ケイ
素、ジルコニウム等を含んでもよい。これら成分も、通
常、酸化物の形態にて含まれる。
て何ら制約を受けるものではない。原料としては、チタ
ンについては、二酸化チタンのほか、チタン酸、水酸化
チタン、硫酸チタン等のチタン化合物のほか、チタンと
ケイ素の複合酸化物が用いられる。このようなチタンと
ケイ素の複合酸化物は、例えば、硫酸チタン等のチタン
塩をシリカゾルと混合し、これにアンモニア等のアルカ
リを加え、沈殿させ、得られた沈殿を洗浄し、乾燥させ
た後、150〜850℃で焼成することによって得るこ
とができる。
製造方法は何ら限定されるものではないが、例えば、硫
酸法による酸化チタンの製造工程から得られる硫酸チタ
ンをアンモニアで中和し、これを乾燥し、焼成して得ら
れる二酸化チタンが好ましく用いられる。
ン、パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステ
ン酸アンモニウム等が好ましく用いられる。モリブデン
については、酸化モリブデンやパラモリブデン酸アンモ
ニウム等が好ましく用いられる。また、ニオブについて
は、塩化物等が好ましく用いられる。また、バナジウム
については、メタバナジン酸アンモニウムや五酸化バナ
ジウム等が好ましく用いられる。
来より知られている通常の方法によればよく、このよう
な方法として、例えば、酸化物を混合し、焼成する方
法、酸化物を共沈させ、焼成する方法、酸化物と水溶性
塩とを混合し、混練し、乾燥し、焼成する方法、担体に
コーティングする方法、これらの組み合わせによる方法
等を挙げることができる。
化ニオブを混合し、アンモニアのようなアルカリを加え
て、共沈させ、乾燥させ、焼成し、これにメタタングス
テン酸アンモニウム水溶液や、必要に応じて、メタバナ
ジン酸アンモニウム水溶液を混合し、成形し、乾燥し、
焼成する方法を挙げることができる。
成分として、チタン、タングステン及びモリブデンから
選ばれる少なくとも1種、ニオブ及びバナジウムの酸化
物からなり、且つ、硫酸の含有量を規制してなるもので
あるが、触媒の技術分野において既によく知られている
ように、この触媒をシリカ、アルミナ、ジルコニア等の
適宜の担体に担持させてもよく、また、この触媒をハニ
カム構造体のような成形触媒とする際に、必要に応じ
て、粘度、無機バインダー等の種々の成形助剤、ガラス
繊維やセラミック繊維等の補強材等の充填材を用いても
よい。更に、必要に応じて、成形触媒を製造する際に、
有機バインダーを用いることもできる。
いて、何ら限定されるものではなく、上述したハニカム
構造体のほか、ペレット状、粒状等、用途に応じて適宜
選ばれる。
したような有機塩素化合物と窒素酸化物とを含む排ガス
を上述したような触媒に接触させることによって、上記
有機塩素化合物と窒素酸化物とを共に有効に接触除去す
ることができる。ここに、還元剤としては、アンモニア
や尿素が好ましく用いられる。また、水素、炭化水素、
一酸化炭素も還元剤として用いられる。実用的には、ア
ンモニアが好ましく用いられる。
中の窒素酸化物と完全に反応するに必要な化学量論量の
0.1〜1.5倍程度、好ましくは、0.1〜1.2倍程度用
い、還元剤を混合した排ガスを空間速度(NTP換算空
塔基準)で2000〜50000hr-1、好ましくは、2
000〜10000hr-1の範囲にて触媒に接触させる。
超える温度域である。本発明の方法においては、反応温
度は、150℃程度から500℃を超える温度域の間を
変動しても、安定して効率的に有機塩素化合物と窒素酸
化物を接触除去することができる。反応温度の上限は、
通常、600℃程度である。また、反応は、通常、常圧
で行なわれるが、必要に応じて、10kg/cm2 程度の圧
力下に行なうこともできる。
その硫黄酸化物が触媒によって三酸化硫黄(SO3 )に
酸化され、この三酸化硫黄が触媒に吸着したり、また、
触媒上で硫安や酸性硫安等の硫酸塩として蓄積され、或
いは触媒成分が経時的に硫酸塩化して、窒素酸化物の接
触還元活性が低下し、更に、前記PCDDやPCDF等
の有機塩素化合物に対する接触除去活性の低下をも生じ
て、かくして、長期間にわたって安定して有効に排ガス
の処理を行なうことができない。
℃程度の低温域において、排ガスを処理する場合は、予
め排ガス中の硫黄酸化物をその含有量が10ppm(乾
燥ガス基準)以下になるように除去した後に、触媒に接
触させることが好ましく、特に、排ガス中の硫黄酸化物
を予め5ppm(乾燥ガス基準)以下となるように除去
することが好ましい。
するには、特に、限定されるものではないが、図1に示
すように、例えば、排ガスを湿式ガス洗浄器に導き、ア
ルカリ水溶液にて洗浄した後、再加熱器に導き、所要の
温度まで再加熱し、これに所要の還元剤を加えて、触媒
反応器に導くのが好ましい。ここに、上記アルカリとし
ては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化カルシウム等が用いられる。
む場合は、ダスト中に含まれる水溶性のアルカリ金属塩
やアルカリ土類金属塩が触媒に付着し、触媒中に移行し
て、触媒を被毒させて、窒素酸化物の接触還元活性を低
下させ、更には、前記有機塩素化合物に対する接触除去
活性を低下させて、長期間にわたって、安定して有効に
排ガスを処理することができない。
ダストを5mg/Nm3 (乾燥ガス基準)以下となるよ
うに除去した後に、触媒に接触させることが好ましい。
このように、排ガスからダストを除去するには、例え
ば、図2に示すように、バグフィルターにて排ガスを前
処理した後、これに還元剤を加えて、触媒反応器に供給
するのがよい。
スの処理を停止したときに、排ガス中の水分が触媒上に
凝縮し、触媒に付着した上記水溶性のアルカリ金属塩や
アルカリ土類金属塩が触媒中に浸透して、上述したと同
様に、触媒の窒素酸化物の接触還元活性を低下させ、更
には、前記有機塩素化合物に対する除去活性の低下を生
じさせて、長期間にわたって、安定して有効に排ガスを
処理することが困難となる。
停止する前に、排ガス中の水分が触媒上で露点に達する
前に、触媒に堆積し、又は付着したダスト、特に、前述
したような水溶性のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属
塩を触媒から除去することが好ましい。このように、排
ガスの処理を停止する前に、排ガス中のダストを除去す
るためには、例えば、図1及び図2に示すように、排ガ
ス処理を停止する前に、触媒に圧縮加圧加熱空気を吹き
付けて、触媒上のダストを飛散させる方法を挙げること
ができる。
処理して、安定して、有機塩素化合物及び窒素酸化物を
除去するために、定期的に、又は触媒活性が低下したと
きに、触媒を反応装置の内外のいずれかにおいて、空気
流通下に加熱して、触媒中に蓄積した硫酸や酸性硫安等
の硫酸化合物を熱分解によって除去して、触媒を再生さ
せることが好ましい。このためには、例えば、温度40
0℃以上の加熱空気を触媒反応器に流通させて、触媒を
再生するのが実用上、便利である。
低下したときに、触媒を反応装置の内外のいずれかにお
いて、水洗し、かくして、触媒を再生させることも好ま
しい方法の一つである。本発明による方法において、排
ガスを触媒に接触させる反応形式としては、特に、限定
されるものではないが、通常の固定床のほか、移動床や
流動床等の反応型式も採用される。
理するための焼却炉等から発生する排ガスを処理して、
排ガスに含まれる有害な有機塩素化合物と窒素酸化物と
を同時に接触除去するために好適に適用される。しか
し、これらに限定されるものではない。
例えば、産業廃棄物や都市ゴミ処理するための焼却炉等
からの排ガスを150℃程度の低温域から500℃を超
える高温域にわたる広い温度域において処理することが
でき、しかも、長期間にわたって安定して、排ガスに含
まれる有害な有機塩素化合物と窒素酸化物とを同時に接
触分解除去することができる。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
%、WO3 16.0重量%及びNb2 O5 0.3重量%と、
硫酸をSO3 として2.5重量%含み(触媒成分はこれら
合計で100重量%)、これら成分100重量部に対し
て、その他充填材等13.0重量部とからなり、150mm
角、500mm長さの角柱状であって、その軸方向に多数
の直線状の貫通孔を有するハニカム構造体であり、図3
に示すように、上記貫通孔の目開きdが4.0mm、壁厚t
が1.0mmである触媒を調製した。
る。 窒素酸化物(NOx) 100ppm PCDD及びPCDF 0.2〜0.6ng/Nm3 (TEQ換算) 硫黄酸化物(SOx) 6ppm ダスト 3mg/Nm3 アンモニア(還元剤) 80ppm
カリ水溶液にて湿式ガス洗浄し、排ガス再加熱器にて表
1に示す所定の温度に再加熱した後、表1に示す所定の
空間速度にて触媒反応器に供給し、有機塩素化合物と窒
素酸化物とを接触分解除去した。表1に排ガス温度、触
媒反応器における排ガスの空間速度、窒素酸化物除去
率、有機塩素化合物除去率及び二酸化硫黄の酸化率を示
す。
量%、WO3 5.5重量%及びNb2 O5 0.08重量%
と、硫酸をSO3 として4.6重量%含み(触媒成分はこ
れら合計で100重量%)、これら成分100重量部に
対して、その他充填材等13.0重量部とからなり、図3
及び図4に示すように、150mm角、500mm長さを有
し、目開きdが4.0mm、壁厚tが1.0mmであるハニカム
構造の触媒を調製した。
は、実施例1と同様にして、排ガスを処理した。表1に
排ガス温度、触媒反応器における排ガスの空間速度、窒
素酸化物除去率、有機塩素化合物除去率及び二酸化硫黄
の酸化率を示す。
ように、本発明の触媒によれば、窒素酸化物に対しての
みならず、有機塩素化合物に対しても高い除去率を示
す。しかも、実施例1によれば、二酸化硫黄の酸化率が
低いのに対して、比較例1においては、二酸化硫黄の酸
化率が高い。従って、本発明の触媒によれば、三酸化硫
黄の生成が少なく、触媒に硫安や酸性硫安等の硫酸化合
物が蓄積することや、活性成分が硫酸塩化することを抑
制することができ、かくして、有機塩素化合物及び窒素
酸化物の接触分解を長期間にわたって安定して行なうこ
とができる。
ーにて処理した後、表2に示す所定の温度で表2に示す
所定の空間速度にて、実施例1と同じ触媒反応器に供給
して、有機塩素化合物と窒素酸化物とを接触分解除去し
た。上記バグフィルターは、消石灰を吹き込んだもの
で、排ガス中の水溶性のアルカリ金属塩及びアルカリ土
類金属塩を含むダストを5mg/Nm3 以下に低減する
ことができ、また、硫黄酸化物を10ppm以下に低減
することができる。
処理した後、触媒反応器で処理する排ガス処理を800
0時間にわたって行なったときの窒素酸化物除去率、有
機塩素化合物除去率及び二酸化硫黄の酸化率を表2に示
す。この運転中、6度にわたって、運転を中止したが、
その都度、運転の中止前に触媒反応器中に圧縮加圧加熱
空気を送入し、触媒上に堆積し、又は付着しているダス
トを除去した。
ーにて処理した後、表2に示す所定の温度で表2に示す
所定の空間速度にて、比較例1と同じ触媒反応器に供給
して、有機塩素化合物と窒素酸化物とを接触分解除去し
た。8000時間にわたって運転したときの窒素酸化物
除去率、有機塩素化合物除去率及び二酸化硫黄の酸化率
を表2に示す。
たって、運転を中止したが、その都度、運転の中止前に
触媒反応器中に圧縮加熱空気を送入し、触媒上に堆積
し、又は付着しているダストを除去した。実施例2によ
れば、比較例2に比べて、窒素酸化物のみならず、有機
塩素化合物を長期間にわたって、高い除去率にて除去す
ることができる。
も、触媒上に硫安や酸性硫安等の硫酸化合物の付着が認
められたが、特に、比較例2において、上記硫酸化合物
が著しく生成していることが認められた。更に、比較例
2においては、五酸化バナジウムの硫酸塩化も認められ
た。
厚1.0mmとしたハニカム構造の触媒を調製した。
る。 窒素酸化物(NOx) 100ppm PCDD及びPCDF 0.2〜0.6ng/Nm3 (TEQ換算) 硫黄酸化物(SOx) 30〜60ppm ダスト 100〜200mg/Nm3 アンモニア(還元剤) 80ppm
集塵機にて処理してダストを除去した後、温度250
℃、表3に示す所定の空間速度にて触媒反応器に800
0時間にわたって供給し、処理した。運転の初期と80
00時間後における窒素酸化物除去率と有機塩素化合物
除去率を示す。この運転中、6度にわたって、運転を中
止したが、その際、運転の中止前に触媒反応器中に圧縮
加圧加熱空気を送入する等の特別な措置は講じなかっ
た。
ダストによる触媒の目詰まりのほか、触媒上に硫安や酸
性硫安等の硫酸化合物や、アルカリ金属、アルカリ土類
金属の塩類の付着が認められ、比較例2と比較して、触
媒の経時劣化が著しいことが明らかである。比較例2に
示すように、電気集塵機にて排ガスを処理しても、排ガ
ス中の硫黄酸化物や、アルカリ金属、アルカリ土類金属
の水溶性の塩類等を効率よく除去できないので、触媒の
経時劣化が著しい。
50℃の空気を5時間流通させ、加熱処理して、触媒上
の硫安や酸性硫安等の硫酸化合物を熱分解除去して、触
媒を再生した。この触媒反応器を用いて、実施例2と同
じ条件下に排ガス処理を行なった。結果を表4に示す。
50℃の空気を5時間流通させ、熱処理して、触媒上の
硫安や酸性硫安等の硫酸化合物を熱分解除去して、触媒
を再生した。この触媒反応器を用いて、比較例2と同じ
条件下に排ガス処理を行なった。結果を表4に示す。
ように、本発明の触媒は、加熱空気による加熱処理によ
って、ほぼ初期の水準まで、その活性を回復している。
しかし、比較例4による触媒は、同様の加熱空気による
加熱処理によっても、初期の水準まで、その活性を回復
しない。
触媒を取り出し、触媒1m3 当りに水8m3 を循環させ
ながら、1時間水洗した。その後、触媒を2日間自然乾
燥させ、150℃で6時間加熱乾燥させた後、触媒反応
器に再充填した。この触媒反応器を用いて、実施例2と
同じ条件下に排ガス処理を行なった。結果を表5に示
す。尚、水洗処理の前後の触媒に付着したアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩及び硫酸塩の分析値を表6に示
す。
触媒を取り出し、これを実施例4と同様にして水洗し、
乾燥させて、触媒反応器に再充填した。この触媒反応器
を用いて、比較例2と同じ条件下に排ガス処理を行なっ
た。結果を表5に示す。尚、水洗処理の前後の触媒を化
学分析して、触媒に付着したアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩及び硫酸塩の量を調べた。結果を表6に示
す。
も、表6に示すように、触媒を水洗することによって、
触媒に付着したアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及
び硫酸塩の一部を除去することができる。その結果、実
施例4に示すように、本発明による触媒は、水洗によっ
て、ほぼ初期の活性を回復する。しかし、比較例5で
は、触媒の硫酸塩化(例えば、バナジウムの硫酸塩化)
による硫酸が除去されず、水洗によっても、初期の活性
が回復せず、特に、有機塩素化合物の分解活性が回復し
ない。
O3 16.0重量%を含む以外は同じ触媒を調製し、実施
例1と同じ条件下に排ガスを処理した。結果を表7に示
す。
%、WO3 11.5重量%及びNb2 O5 1.4重量%と、
硫酸をSO3 として1.5重量%含み(触媒成分はこれら
合計で100重量%)、これら成分100重量部に対し
て、その他充填材等13.0重量部とからなり、実施例1
と同様のハニカム触媒を調製した。この触媒を用いて、
実施例1と同じ条件下に排ガスを処理した。結果を表7
に示す。
%、WO3 20.5重量%及びNb2 O5 1.7重量%と、
硫酸をSO3 として1.6重量%含み(触媒成分はこれら
合計で100重量%)、これら成分100重量部に対し
て、その他充填材等13.0重量部とからなり、実施例1
と同様のハニカム触媒を調製した。この触媒を用いて、
排ガス温度を320℃とした以外は、実施例1と同じ条
件下に排ガスを処理した。結果を表7に示す。
いので、二酸化硫黄の三酸化硫黄への転化率がやや高い
が、しかし、処理温度が高いことによって、触媒に硫安
や酸性硫安等の硫酸化合物が蓄積せず、また、触媒の活
性成分が硫酸塩化することもなく、かくして、有機塩素
化合物及び窒素酸化物を長貴簡にわたって安定して接触
分解除去することができる。
後、再加熱し、触媒反応器に導いて、排ガスを処理する
本発明による方法の好ましい一態様を示すフロー・シー
トである。
触媒反応器に導いて、排ガスを処理する本発明による方
法の好ましい一態様を示すフロー・シートである。
ある。
シートである。
Claims (12)
- 【請求項1】(a) チタン酸化物、 (b) タングステン及びモリブデンから選ばれる少なくと
も1種を酸化物換算にて8〜25重量%、 (c) ニオブを酸化物換算にて0.1〜5重量%、及び (d) バナジウムを酸化物換算にて0.1〜10重量%を含
み、 (e) 硫酸を三酸化硫黄換算にて3.5重量%以下(これら
(a) から(e) 成分の合計量は100重量%である。)に
規制してなることを特徴とする排ガス中の有機塩素化合
物を接触除去すると共に、還元剤の存在下に窒素酸化物
を接触還元除去するための触媒。 - 【請求項2】(a) チタン酸化物、 (b) タングステン及びモリブデンから選ばれる少なくと
も1種を酸化物換算にて10〜23重量%、 (c) ニオブを酸化物換算にて0.2〜2重量%、及び (d) バナジウムを酸化物換算にて1〜8重量%を含み、 (e) 硫酸を三酸化硫黄換算にて3.0重量%以下(これら
(a) から(e) 成分の合計量は100重量%である。)に
規制してなることを特徴とする排ガス中の有機塩素化合
物を接触除去すると共に、還元剤の存在下に窒素酸化物
を接触還元除去するための触媒。 - 【請求項3】還元剤の存在下に有機塩素化合物と窒素酸
化物を含む排ガスを、 (a) チタン酸化物、 (b) タングステン及びモリブデンから選ばれる少なくと
も1種を酸化物換算にて8〜25重量%、 (c) ニオブを酸化物換算にて0.1〜5重量%、及び (d) バナジウムを酸化物換算にて0.1〜10重量%を含
み、 (e) 硫酸を三酸化硫黄換算にて3.5重量%以下(これら
(a) から(e) 成分の合計量は100重量%である。)に
規制してなる触媒に接触させ、上記有機塩素化合物を接
触除去すると共に、上記窒素酸化物を接触還元除去する
方法。 - 【請求項4】還元剤の存在下に有機塩素化合物と窒素酸
化物を含む排ガスを、 (a) チタン酸化物、 (b) タングステン及びモリブデンから選ばれる少なくと
も1種を酸化物換算にて10〜23重量%、 (c) ニオブを酸化物換算にて0.2〜2重量%、及び (d) バナジウムを酸化物換算にて1〜8重量%を含み、 (e) 硫酸を三酸化硫黄換算にて3.0重量%以下(これら
(a) から(e) 成分の合計量は100重量%である。)に
規制してなる触媒に接触させ、上記有機塩素化合物を接
触除去すると共に、上記窒素酸化物を接触還元除去する
方法。 - 【請求項5】排ガス中の硫黄酸化物の量を予め10pp
m以下となるように除去した後、排ガスを触媒に接触さ
せる請求項3又は4記載の排ガスの処理方法。 - 【請求項6】排ガス中のダストの量を予め5mg/Nm
2 (乾燥ガス基準) 以下となるように除去した後、排ガ
スを触媒に接触させる請求項3又は4記載の排ガスの処
理方法。 - 【請求項7】排ガスの処理を停止する前に、触媒上に堆
積し、又は付着したダストを除去する請求項3又は4記
載の排ガスの処理方法。 - 【請求項8】定期的に、又は触媒活性が低下したとき
に、触媒を空気流通下に加熱して、再生させる請求項3
又は4記載の排ガスの処理方法。 - 【請求項9】定期的に、又は触媒活性が低下したとき
に、触媒を水洗して、触媒を再生させる請求項3又は4
記載の排ガスの処理方法。 - 【請求項10】排ガスを150〜600℃の温度にて触
媒に接触させることを特徴とする請求項3乃至9のいず
れかに記載の排ガスの処理方法。 - 【請求項11】還元剤を排ガス中の窒素酸化物を還元す
るための化学量論量の0.1〜1.5倍量を用いることを特
徴とする請求項3〜10のいずれかに記載の排ガスの処
理方法。 - 【請求項12】還元剤がアンモニアであることを特徴と
する請求項11に記載の排ガスの処理方法。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6-341108 | 1994-12-30 | ||
JP34110894 | 1994-12-30 | ||
JP07333676A JP3085178B2 (ja) | 1994-12-30 | 1995-12-21 | 排ガスを処理するための触媒及び方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08229402A JPH08229402A (ja) | 1996-09-10 |
JP3085178B2 true JP3085178B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=26574595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP07333676A Expired - Lifetime JP3085178B2 (ja) | 1994-12-30 | 1995-12-21 | 排ガスを処理するための触媒及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3085178B2 (ja) |
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HUP0204194A3 (en) * | 1999-11-12 | 2004-08-30 | Babcock Hitachi Kk | Method for decomposing chlorine-containing organic compound in exhaust gas and catalyst for use in the method |
JP4730998B2 (ja) * | 2000-07-28 | 2011-07-20 | 京セラ株式会社 | 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化装置 |
JP2003220317A (ja) * | 2002-01-30 | 2003-08-05 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 燃焼排ガスの処理方法およびそのシステム |
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JP6520557B2 (ja) * | 2015-08-19 | 2019-05-29 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 排ガス浄化装置及び方法、並びに作物生産用施設への二酸化炭素含有ガスと熱の供給装置 |
-
1995
- 1995-12-21 JP JP07333676A patent/JP3085178B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH08229402A (ja) | 1996-09-10 |
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