JP3082676B2 - シャッター用施錠装置 - Google Patents

シャッター用施錠装置

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JP3082676B2 JP08203832A JP20383296A JP3082676B2 JP 3082676 B2 JP3082676 B2 JP 3082676B2 JP 08203832 A JP08203832 A JP 08203832A JP 20383296 A JP20383296 A JP 20383296A JP 3082676 B2 JP3082676 B2 JP 3082676B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラットなどのシ
ャッター部材にて構成されるシャッターカーテンに備え
られ、このシャッターカーテンの閉鎖時における施錠を
行うシャッター用施錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にシャッター装置に備えられる施錠
装置は、シャッターカーテンを構成する上下方向に複数
連結された略短冊形状のスラットの、人が操作を行いや
すい高さとなるスラットに配設されるとともに、このス
ラットの幅方向略中間に位置する箇所にシリンダ錠など
の錠部が配設され、この錠部の操作により、スラット両
端より係合片を突出させる構造となっており、突出した
これら係合片が、シャッターカーテンの昇降を案内する
ガイドレール内の垂直な底部に設けられた係合部に係合
し、これによりシャッターカーテンが施錠されるように
なっている。
【0003】この施錠装置の施錠は、屋内側にはサムタ
ーンが配設され、屋外側にはキーの差し込み口が形成さ
れており、屋内側からはサムターンによる回動操作、屋
外側からはキーによる回動操作となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の施錠装置では、錠部の操作によってスラット両
端より突出する係合片が、ガイドレール内の係合部と合
致せずに噛み合わない場合があることから、この係合片
の中途部には圧縮バネが介設されており、錠部の操作に
て係合部と係合片とが噛み合わない際には、この圧縮バ
ネにて係合片が縮退できるようになり、かつ、この縮退
により所定の付勢力が発生するように設定され、係合片
が係合部に係合しようとする付勢力となるとともに、係
合部に係合片が係合された状態であっても、常にその係
合状態を保とうとする付勢力が発生するようになってい
る。
【0005】このことから、錠部の操作時、すなわち施
錠時には、前記圧縮バネによる付勢力に抗する力にて回
動操作を行わなければならず、また、解錠時には、圧縮
バネによる付勢力にて錠部が急激に復帰しようとする動
作となり、この従来の施錠装置では、錠部の操作を慎重
に行う必要があり、この錠部の操作が行いやすい施錠装
置が望まれていた。
【0006】また、ガイドレール内に設けられる係合部
が、係合片に噛み合うように凹凸形状に形成されている
が、このガイドレール内を移動するシャッターカーテン
と干渉しないように、その形状の突出長さを小さく制限
されており、確実な係合を行うために、係合片の突出及
び係合状態の保持を、上述した圧縮バネの付勢力にて補
う構成とされ、この圧縮バネの付勢力が大きく設定され
ることとなって、このことからも錠部の操作性に上記の
ような不具合が生じていた。
【0007】そこで本発明は、上記問題点を解消するた
めに、操作性を向上させ、施錠および解錠を容易に行う
ことを可能とするとともに、その施錠状態をより確実な
ものとすることができるシャッター用施錠装置を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決
するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照し
て説明する。この発明のシャッター用施錠装置10は、
対向一対のガイドレール7のそれぞれに両端が案内され
るとともに、前記各ガイドレール7の長手方向に沿って
複数連結される長尺なシャッター部材6にて構成される
シャッターカーテン5に備えられるシャッター用施錠装
置において、前記シャッター部材6の所望の位置に配設
されるシリンダ錠11と、前記シリンダ錠11に連結さ
れ、前記シャッター部材6の板面上を前記シリンダ錠1
1の回動に連動して長手方向に沿って摺動する杆部材2
0と、前記杆部材20の先端に連結され、前記シャッタ
ー部材6の端部6aにおける板面上を摺動するスライド
部材35と、前記シャッター部材6の端部6aに配設さ
れ、前記スライド部材35を支持し、該スライド部材3
5の摺動を前記シャッター部材6に沿わせて案内するよ
うに固定基板44とケース部45により断面矩形の中空
部が形成されたガイド部43と、前記スライド部材35
に基端が支持され、該スライド部材35に対して先端側
が揺動自在とされるとともに、該先端の爪部41が前記
シャッター部材6の板面6bに対して突出する方向に折
曲されて略L字状に形成され、該爪部41が前記スライ
ド部材35の摺動とともに前記ガイド部43及びシャッ
ター部材6の端縁6dに対して進退する係合片39と、
前記ガイド部43を構成してシャッター部材6裏面に沿
い固定される前記固定基板44の先端縁に形成され、前
記シリンダ錠11側から前記シャッター部材6の端縁6
dに向けて、該シャッター部材6の板面6bに対して仰
角方向に突出した斜面にて形成され、前記係合片39の
爪部41の進退方向を該斜面に沿わせて変向させるガイ
ドスロープ52と、前記ガイド部43を形成する前記ケ
ース部45に形成され、前記係合片39が前記ガイド部
43に対して進退する際に、前記係合片39の中途部の
側縁に突設された当接片42が当接して前記係合片39
の進退を案内する傾斜部51と、前記シャッターカーテ
ン5の端部を案内する前記ガイドレール7の開口溝7b
の開口幅より外側で、該ガイドレール7内に配設され、
前記係合片39が前記シャッター部材6の端縁6dより
進出した際に、該係合片39の爪部41が係合される係
合部8と、を具備することを特徴としている。
【0009】なお、前記スライド部材35は、前記杆部
材20の先端に対して延出する付勢力を有した付勢部材
26を介して前記杆部材20に設けられている構成とし
てもよい。さらに、前記係合部8は、前記ガイドレール
7の開口溝奥方の内壁面7aに突設される構成としても
よい。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるシャッター用
施錠装置が備えられるシャッター装置の正面図、図2同
シャッター用施錠装置の実施の形態を示す一部裁断正面
図、図3は同シャッター用施錠装置の平断面図である。
【0011】はじめに、本発明のシャッター用施錠装置
が備えられるシャッター装置1について説明する。この
シャッター装置1は、図1に示すように、建物の開口2
等の上縁にシャッターケース3が水平に設けられ、この
シャッターケース3内に回動自在に設けられている巻取
軸4にシャッターカーテン5が連結されている。
【0012】このシャッターカーテン5は、左右に長尺
な短冊状に形成されているシャッター部材としてのスラ
ット6が上下に複数連結された構造とされている。
【0013】そして、シャッターケース3の下縁に接続
される対向した左右一対のガイドレール7内に、これら
スラット6の両端部6aが挿入されて上下方向の移動を
案内され、巻取軸4によってシャッターカーテン5が巻
き上げ,巻き戻しが行われることで、このシャッターカ
ーテン5の昇降、すなわち開閉が行われるようになって
いる。
【0014】また、図2に示すように、このシャッター
カーテン5の両端縁部を支持し昇降を案内する各ガイド
レール7,7の奥方に位置する垂直な内壁面である底面
部7aには、後述する施錠装置10の係合片39が係合
する係合部8が設けられている。
【0015】この係合部8は、図2及び図3に示すよう
に、矩形状の基板9の垂直な両側縁に、この基板9に対
して突出するようにそれぞれ設けられており、連続した
複数の櫛歯状に形成されている。
【0016】これら係合部8は、互いの間隔がガイドレ
ール7の開口溝7bの開口幅よりやや幅広に形成されて
おり、ガイドレール7の奥方の垂直な内壁面である底面
部7aに、各係合部8がガイドレール7の長手方向に沿
うように、かつ各係合部8の位置が、図3に示すよう
に、ガイドレール7の開口幅の延長線Lより外側となる
位置に設定され、このガイドレール7の底面部7aに固
設されている。
【0017】なお、各係合部8の櫛歯形状は、後述する
係合片39の爪部41における板厚より十分に長尺な形
状とされ、また、この係合部8は、本実施の形態では、
ガイドレール7の下縁から所定の高さ、すなわち、シャ
ッターカーテン5の施錠装置10が配設される位置に対
応した位置(図1参照)に部分的に設けられる構成とさ
れるが、このガイドレール7における長手方向に全通し
て設けられる構成としてもよい。
【0018】次に、上記のような構成のシャッター装置
1に設けられる本発明のシャッター用施錠装置10は、
図1に示すように、上下方向に複数連結された各スラッ
ト6の、シャッターカーテン5閉鎖時における操作の行
いやすい高さ位置に配設されている。
【0019】この施錠装置10は、図1に示すようにス
ラット6の長手方向である左右幅方向に沿って配設さ
れ、シリンダ錠11と、杆部材20と、スライド部材3
5と、係合片39と、ガイド部43と、ガイドスロープ
52とで略構成されている。
【0020】シリンダ錠11は、一端に鍵穴12が形成
され、他端にサムターン13が設けられた短尺な略円筒
状の錠とされている。このシリンダ錠11は、矩形箱型
のケース14内の略中央に両端がケース14外に表出す
るように固設されている。
【0021】そして、このケース14は、スラット6の
裏面(屋内側)6bに固設され、シリンダ錠11の一端
の鍵穴12がスラット6の屋外側となる外側面6cに表
出するようになり、屋内側がサムターン13となるよう
に設けられる。
【0022】なお、このシリンダ錠11の配設される位
置は、図1に示すように、スラット6の長手方向である
左右幅方向の略中間とされる。
【0023】また、このケース14の内部には、図2に
示すように、後述する杆部材20に連結され、この杆部
材20を連動させる連動部15が配設されている。
【0024】この連動部15は、歯車16と、ラック板
18とで構成されている。歯車16は、前記シリンダ錠
11と一体に設けられており、本実施の形態では、図4
に示すように、歯17Aの形状が、先端が略四角形状に
膨出形成されており、互いに等間隔となって、すなわち
90°間隔で四本の歯が設けられているとともに、各歯
17Aの中間に位置して一対となる略楔形状の歯17B
が設けられている。
【0025】また、ラック板18は、左右一対で構成さ
れており、それぞれ略短冊矩形状で、長手方向に沿う一
方の縁部に、図4に示すように、略矩形状の凹部と台形
状の凸部とを組み合わせたラック歯19が形成されてい
る。
【0026】そして、これらラック板18は、歯車16
を挟んで互いに対向し、この歯車16に両側(上下)か
ら噛合するとともに、前記ケース14内に配設され、こ
のケース14内を互いに相反する方向に摺動自在となる
よう設けられている。
【0027】次に、杆部材20は、左右一対で構成され
た長尺な杆状部材で、各基端がクランク状に形成された
屈曲部21を介して前記ラック板18にそれぞれ一体と
なるよう連結され、ケース14の左右両側部から延出す
るようになっており、各先端がスラット6の左右端部6
a方向にそれぞれ延出するように、スラット6の裏面6
bに沿ってその長手方向に摺動自在となるように配設さ
れている。
【0028】また、この杆部材20の先端には、連結部
22が形成されている。この連結部22は、杆部材20
の先端に延長するように形成されており、図5及び図6
に示すように、一対の側板23と一対の規制板24,2
5とで略矩形箱型の凹溝状に形成され、この凹溝内に
は、圧縮コイルバネよりなる付勢部材26が嵌入される
ようになっている。
【0029】なお、この杆部材20は、本実施の形態で
は、図6に示すように、ラック板18と一体構成の基端
部27と、前記連結部22を有する先端部28と、これ
ら基端部27と先端部28とを連結させる連結杆29に
て構成されている。
【0030】基端部27は略平板状に形成され、基端側
が前記ラック板18とされ、先端には板面に対し直角に
折曲形成される突片30が形成されている。また、先端
部28は断面略コ字状に形成され、その基端側には規制
片31が形成されるとともに、弾性を有する固定片32
が設けられ、先端に前記連結部22が形成されている。
連結杆29は断面略C字状に形成された長尺な杆状に形
成され、一端29aに複数のスリット33が等間隔に形
成されており、他端29bに係合スリット34が形成さ
れている。
【0031】そして、連結杆29の一端29aに基端部
27の突片30が複数のスリット33のいずれかに嵌合
して互いに連結され、また、他端29bの係合スリット
34に先端部28の固定片32が嵌合し、かつ他端縁に
規制片31が当接して先端部28が連結杆29に嵌入さ
れて互いに連結されるようになっている(図2参照)。
この連結杆29の一端29aの複数のスリット33の嵌
合位置によって、杆部材20全体の長さの調整を容易に
変更できるようになっている。
【0032】次にスライド部材35は、図3及び図5に
示すように、一対の側板36を有して、溝状に開口する
断面略コ字状に形成されているとともに、基端に当接板
37が設けられ、また、各側板36の先端側の各板面に
先端に向けて拡幅する台形状の貫通穴38が穿設され、
さらに、各側板36の各先端縁36aが斜めに切り欠か
れた部材とされている。
【0033】そして、このスライド部材35は、基端の
当接板37が、杆部材20の連結部22の各規制板2
4,25間に位置するとともに、連結部22の各側板2
3の外側にスライド部材35の各側板36が位置するよ
うに連結され、連結部22に対してこのスライド部材3
5が、側板23に沿って摺動自在となるように取り付け
られるとともに、図3に示すように、連結部22の基端
側規制板24内面とスライド部材35の当接板37外面
との間となる空間に圧縮コイルバネよりなる付勢部材2
6が内蔵されるように装着され、前記杆部材20の先端
部28に対して延出する方向に付勢部材26を介してこ
のスライド部材35が連結されることとなる。
【0034】なお、付勢部材26の付勢力は、杆部材2
0に対してスライド部材35を常に突出させる方向に働
くように、連結部22の基端側規制板24とスライド部
材35の当接板37との間に圧縮された状態となって装
着される。
【0035】次に係合片39は、図3及び図5に示すよ
うに、略短冊板状に形成される部材で、基端側の両側縁
には支持凸部40がそれぞれ耳状に突出形成されてい
る。
【0036】また、この係合片39の先端は、爪部41
とされており、基端側に対して幅広に形成されるととも
に、板面に対して略直角となるようにL字状に折曲形成
され、その先端縁が、図5に示すように、櫛歯状に形成
されている。なお、この爪部41の幅広部分の両側縁は
当接片42とされている。また折曲部分の外側面は湾曲
面状に形成されている。
【0037】そして、この係合片39は、スライド部材
35の各側板36に穿設されている貫通穴38に、各支
持凸部40が嵌入されて取り付けられ、このスライド部
材35に対し、支持凸部40を中心として先端側の爪部
41が揺動するようになっている。
【0038】次に、ガイド部43は、図5に示すよう
に、固定基板44と、ケース部45とで構成されスラッ
ト6の端部6aの屋内側となる裏面6bに配設されてい
る。
【0039】固定基板44は、矩形平板状に形成され、
スラット6の端部6aにおける裏面6bに沿い、先端側
の一側縁44aがスラット6の端縁6dと略一致し、ス
ラット6と一体となるように固定されている。また、こ
の固定基板44には、板面より突出する固定爪46が複
数設けられているとともに、後述するガイドスロープ5
2が配設されている。
【0040】また、ケース部45は、一対の側壁板47
と蓋板部48とで断面コ字状のレール状に形成されてい
るとともに、各側壁板47の開口側の両側縁には外方向
に延出するフランジ部49が形成されている。
【0041】各フランジ部49には、前記固定基板44
の固定爪46に対応する複数のスリット50が形成され
ている。また、このケース部45の先端は、蓋板部48
が延出して形成されるとともに、両側壁板47の先端縁
が、図3及び図5に示すように、略楔状に切欠形成さ
れ、傾斜部51とされている。
【0042】そして、ケース部45の各フランジ部49
を固定基板44に沿わせて、固定基板44の固定爪46
をフランジ部49のスリット50に嵌入させ、これら固
定爪46を折曲させて互いを固定することによりガイド
部43は組み立てられ、これら固定基板44とケース部
45とによって長手方向に貫通した断面矩形のパイプ状
の中空部が形成される。
【0043】なお、固定基板44とケース部45とは、
固定基板44に対しケース部45の長さがやや短く設定
されており、図3に示すように、各々基端44b,45
aが一致するように組み立てられて固定され、固定基板
44の一側縁44aである先端縁に対し、ケース部45
の傾斜部51を有する先端がやや後退した位置となって
スラット6の端部6aに取り付けられる。
【0044】このガイド部43の中空部分には、前述し
たスライド部材35及び杆部材20の先端部28の連結
部22が付勢部材26を取り付けた状態で摺動自在に挿
入されるとともに、図3に示すように、このガイド部4
3の先端に、係合片39の爪部41が突出した状態とな
り、この爪部41の当接片42がケース部45の傾斜部
51に当接し、爪部41の先端がスラット6の裏板面6
bに対して突出した状態となる。
【0045】次に、ガイドスロープ52は、前記スラッ
ト6の端縁6dに位置し、前記ガイド部43を構成して
スラット6に固定される固定基板44の先端縁44aに
形成されているこのガイドスロープ52は、スラット6
の中心側であるシリンダ錠11側から、このスラット6
の端縁6dに向けて、このスラット6の板面(6b)に
対して仰角方向となるように突出した斜面に形成され、
図5に示すように、固定基板44の先端縁部44aを塑
性変形などによって形成している。
【0046】そして、このガイドスロープ52は、前記
ガイド部43のケース部45先端に形成されている傾斜
部51と対向し、この傾斜部51とガイドスロープ52
とによって、図3に示すように、傾斜した溝状の案内路
53が形成される。
【0047】次に、上述した施錠装置10による施解錠
の操作について説明する。まず、シャッターカーテン5
の開閉動作時においては、施錠装置10は動作されず
に、スラット6の裏板面6bに対して突出した爪部41
の先端は、ケース部45の高さと略同一高さとされて、
スラット6の厚さより突出することがなく、すなわち図
3に示すように、スラット両端6aの各係合片39がこ
れら両端部6aより後退した解錠状態となっており、ガ
イドレール7内におけるシャッターカーテン5の表裏面
方向の移動軌跡上には突出せず、このシャッターカーテ
ン5の昇降移動を妨げることはない。
【0048】なお、この解錠状態では、係合片39の各
当接片42がガイド部43の傾斜部51に当接状態であ
り、係合片39の揺動は規制され、また、本実施の形態
では、図2及び図4に示すように、シリンダ錠11の鍵
穴12が垂直となり、サムターン13が水平状態となっ
ている。
【0049】次に、シャッターカーテン5を降下させ閉
鎖し、施錠を行う際には、シャッターカーテン5の屋外
側からキーをシリンダ錠11に差し込むか、屋内側から
サムターン13を摘んでシリンダ錠11を、本実施の形
態では図4に示すように時計回り方向に回転させる。
【0050】すると、このシリンダ錠11に連結された
連動部15の歯車16が回転し、この回転に伴って両ラ
ック板18が相反する外方向に同時に摺動を開始する。
これにより、各杆部材20の先端が、それぞれスラット
6の両端6aより延出する方向へ摺動を始める。
【0051】さらに、シリンダ錠11の回転が進むと、
各杆部材20の先端部28と、この先端部28に付勢部
材26を介して連結されたスライド部材35とがガイド
部43内をスラット6の端部6aに向かって摺動し、図
3の状態から、スライド部材35に支持され連結されて
いる係合片39の爪部41における折曲部分が、ガイド
スロープ52に当接する。
【0052】これにより、係合片39は、スライド部材
35及び杆部材20の摺動に伴いガイドスロープ52上
を移動し、このガイドスロープ52によって爪部41が
スラット6の板面(6b)に対して離脱する方向に案内
されてすなわち変向されて揺動しながら移動を始める。
【0053】この離脱移動により、爪部41先端がスラ
ット6の端縁6dよりスラットの長手方向に突出すると
ともに、図7(a)に示すように、この爪部41先端が
スラット6の厚さより突出し、ガイドレール7内におけ
るシャッターカーテン5の移動軌跡から突出する。
【0054】そして、この爪部41先端が、ガイドレー
ル7内の奥方の底面部7aに伸び出て、かつガイドレー
ル7の開口幅長より突出して、ガイドレール7内の係合
部8と係合する(図7(b)参照)。
【0055】そして、さらにキー又はサムターン13に
よる回転が進むと、シリンダ錠11に連動連結された杆
部材20が、ラック板18を介してさらに進出方向に摺
動し、これにより係合部8に係合されている係合片39
及びこの係合片39に連結されるスライド部材35に対
して、さらに杆部材20が進出方向に摺動することにな
り、この杆部材20の摺動距離長さ分、付勢部材26が
圧縮されることで、この距離(長さ)が吸収され、すな
わち、図7(b)に示すように、杆部材20の先端(2
5)に対してスライド部材35が後退し、係合片39を
杆部材20に対して常に突出しようとする付勢力を付勢
部材26が発生させて、係合部8との係合状態をさらに
確実なものとするようになる。
【0056】なお、この付勢部材26の圧縮される長さ
は、図9(a)に示すように、ガイドレール7の底面部
7aにスラット6の一方の端縁6dが当接し、図9
(b)に示すように、スラット6の他方の端縁6dがガ
イドレール底面7aより最大に離間した、すなわち、ス
ラット6が左右ガイドレール7,7間で一方のガイドレ
ール7側に寄ってしまった状態であっても、両係合片3
9が各係合部8に係合可能となるように設定され、スラ
ット6の両端6aが各ガイドレール7の底面7aからそ
れぞれ等距離の中立状態において、上記のようにスラッ
ト6の他方の端縁6dがガイドレール底面7aより最大
に離間した距離の1/2の長さ程度に圧縮されるよう設
定される。
【0057】そして、シリンダ錠11が、解錠状態から
キーなどにより図8に示すように、180°回転される
ことで、施錠動作は終了となり、キーを用いた場合はキ
ーを抜き、施錠状態となる。
【0058】施錠状態においては、図7(b)に示すよ
うに、両係合片39の爪部41が各ガイドレール7内の
係合部8に係合状態となるとともに、この係合状態を維
持しようとする付勢部材26の付勢力が発生しているの
で、図9に示すように、左右ガイドレール7,7間にて
スラット6を左右幅方向に揺動させても、これら係合状
態が解かれることがなく、施錠状態を維持する。
【0059】なお、この動作時において、杆部材20を
構成する連動部15の歯車16及びこの歯車16と噛み
合う各ラック板18の各歯17A,17B,19の形状
が、それぞれ略矩形状に形成されていることから、歯車
16の回転によって各ラック板18を摺動させることは
可能となるが、各ラック板18の摺動によって歯車16
は回転しないようになっており、すなわち、シリンダ錠
11の回転を停止すると、各ラック板18はその位置に
て留まるようになっており、これにより、係合片39と
係合部8との係合状態である施錠状態は維持される。
【0060】また、この施錠時に、シャッターカーテン
5が完全な閉鎖状態とされていない場合などに、スラッ
ト端部6aより進出した各係合片39の爪部41が、ガ
イドレール7内の係合部8と上下方向に位置ズレを起こ
し、正確に係合されない状態となる場合があるが、各係
合片39と杆部材20との間に圧縮コイルバネよりなる
付勢部材26が介設されているので、杆部材20及びス
ラット6の端部6aに対して進出が不完全となってしま
う係合片39は、突出しようとする付勢力を有した状態
で後退となり、他の各部の動作が中途で抑止されてしま
うことはなく、この付勢部材26により常に係合を行お
うとする付勢力を有していることから、施錠操作後にシ
ャッターカーテン5を上下に動かせば、各係合片39の
爪部41が各係合部8に係合されることとなる。
【0061】次に、この施錠装置を解錠するには、シリ
ンダ錠11にキーを差し込み、若しくはサムターン13
を摘まみ、前記施錠時とは逆の方向に回転させる。
【0062】すると、このシリンダ錠11に連結された
歯車16が回転し、図8の状態から、この回転によって
両ラック板18が互いに相反する内方向に摺動を始め、
両杆部材20がガイドレール7に対して後退を始める。
【0063】このとき、スライド部材35と杆部材20
との間に付勢部材26の付勢力があることから、杆部材
20は摺動にやや速度が加わって摺動し、ラック板18
を介して歯車16及びシリンダ錠11の回転を助勢す
る。
【0064】さらに、キー又はサムターン13による回
転が進むと、付勢部材26は伸長し、連結部22の先端
側規制板25とスライド部材35の当接板37とが当接
して、これにより杆部材20の連結部22がスライド部
材35を牽引するように摺動を始める(図7(a)参
照)。
【0065】これにより、ガイドレール7の係合部8に
係合している各係合片39の爪部41が後退を始め、係
合部8から離脱して係合状態を解かれる。
【0066】後退が進むと、各係合片39は、当接片4
2がガイド部43の傾斜部51に当接することで、この
傾斜部51に沿い、後退動作に伴ってスラット6の厚さ
方向に突出している爪部41が、ガイドレール7内にお
けるシャッターカーテン5の移動軌跡から後退し、すな
わちガイドレール7の開口幅長より退き、この爪部41
がスラット6の板面(裏面6b)に近接する方向に案内
されて揺動しながら移動を始める。
【0067】そして、さらにキー又はサムターン13に
よる回転が進むと、シリンダ錠11に連結された杆部材
20が、ラック板18を介してさらに後退し、係合片3
9は係合部8からスラット6の端縁6dより内側へと後
退し、解錠状態となる。
【0068】この状態で、シリンダ錠11は、施錠状態
から180°回転され、解錠動作が終了となり、係合片
39の各当接片42がガイド部43の傾斜部51に当接
状態となって、係合片39の揺動が規制され、図3に示
すように、爪部41の先端がケース部45の高さと略同
一高さとなって、スラット6の厚さより突出せずにスラ
ット両端6aの各係合片39がこれら両端部6aより後
退した状態となり、キーを用いた場合はキーを抜き去
り、解錠となる。
【0069】従ってこのように構成された施錠装置10
では、ガイドレール7内における係合片39と係合する
係合部8が、開口溝7bの開口幅の外側に位置させた構
成とし、このガイドレール7内を昇降移動するシャッタ
ーカーテン5の移動軌跡上に突出せず干渉しない外側に
位置する構成とされていることから、スラット6の端部
6aと係合部8とが衝突などの不具合が生じることがな
い。
【0070】また、このガイドレール7内において、係
合部8と係合する係合片39が、スラット6の長手方向
の延長線上より偏心した方向となるガイドレール7の開
口溝幅より外側でありスラット6の厚さ方向に突出させ
る構成としたので、上述した係合部8と確実に係合する
こととなり、またその係合状態を、互いに十分に噛み合
う構成とすることが可能となるので、施錠状態が確実な
ものとなる。
【0071】さらに、係合片39が、ガイドレール7の
開口溝幅より外側で、スラット6の厚さ方向に突出する
ことで施錠状態となることから、係合片39を係合部8
に係合させるために、この係合片39を突出付勢する付
勢部材26の付勢力を、大きく設定することがなく、こ
れによりシリンダ錠11における施錠及び解錠のための
回転操作に力を要せず、この錠11の操作を容易に行う
ことが可能となり、操作性が向上することとなる。
【0072】また、ガイドレール7内の係合部8の突出
長さ若しくは係合深さを十分に大きく形成させることが
できることから、施錠時における係合片39との係合状
態が確実に噛み合うような構造とすることが可能とな
り、また、この互いの係合状態が容易に解かれることが
なく維持されることとなる。
【0073】なお、上述した実施の形態では、係合片3
9のスライド部材35への取付状態を、耳状の支持凸部
40にて揺動自在に取り付けた例について述べたが、こ
の支持凸部40の形状を軸状に形成し構成させることと
してもよい。この場合、係合片39の揺動がスムーズと
なる。
【0074】また、上述した実施の形態では、杆部材2
0とスライド部材35との間に圧縮コイルバネよりなる
付勢部材26を介設した例について述べたが、この杆部
材20に対する延出する付勢力を要しない場合では、こ
の付勢部材26の構成がない構造としてもよい。
【0075】さらに、上述した実施の形態では、係合部
8を板状の部材より形成し、片状に形成させ、ガイドレ
ール7内の開口溝7bの奥方となる底面部7aに構成さ
せる例について述べたが、この係合部8は、ガイドレー
ル7内における開口溝7bの開口幅より外側となる位置
に配設させる構成であれば、いずれの位置に構成させて
もよく、また、ガイドレール7の形状を、図10に示す
ように、底面部7aにおいて、この底面部7aが畦状に
ガイドレール7内方に突出する構造として、このガイド
レール7と係合部8とを一体に形成する構造としてもよ
い。
【0076】また、上記実施の形態の図3に示す係合部
8及び、図10に示すガイドレール7と一体の係合部8
の構成を、それぞれ、対となる構成で説明したが、これ
ら係合部8は、いずれか一方で構成されればよく、すな
わち、係合片39の突出する側に設けられる構成とすれ
ばよい。なお、この係合部8がガイドレール7内にて一
対の構成である上述した実施の形態の構成の場合は、こ
のガイドレール7に対するシャッターカーテン5の組付
けに表裏の区別を要せず、施工作業の簡略化を図ること
が可能となる。
【0077】また、上述した実施の形態では、杆部材2
0を摺動させる構成として、歯車16とラック板18と
で構成した連動部15にて摺動を行い、略矩形状の歯1
7A,17B,19で構成させる例について述べたが、
これに限定されることはない。
【0078】さらに、上記実施の形態では、本発明の施
錠装置10を、シャッター部材として短冊形状のスラッ
ト6に設ける例について述べたが、このシャッター部材
は、パネル板状のシャッター部材としてもよく、上記同
様の効果を得ることができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるシャッ
ター用施錠装置では、ガイドレール内における係合片と
係合する係合部が、開口溝の開口幅の外側に位置させた
構成とし、このガイドレール内を昇降移動するシャッタ
ーカーテンの移動軌跡上に突出せず干渉しない外側に位
置する構成とされていることから、この係合部とシャッ
ターカーテンを構成するスラットの端縁部とが衝突など
の不具合を生じることがないという効果が得られる。
【0080】また、このガイドレール内において、係合
部と係合する係合片が、スラットの長手方向の延長線上
より偏心した方向となるガイドレールの開口溝幅より外
側でありスラットの厚さ方向に突出させる構成としたの
で、上述した係合部と確実に係合することとなり、また
その係合状態を、互いに十分に噛み合う構成とすること
が可能となるので、施錠状態が確実なものとなる効果が
ある。
【0081】さらに、係合片が、ガイドレールの開口溝
幅より外側で、スラットの厚さ方向に突出することで施
錠状態となることから、係合片を係合部に係合させるた
めに、この係合片を突出付勢する付勢部材を設けた構成
とした場合、この付勢部材の付勢力を、大きく設定する
ことがなく、すなわち、この係合片の係合部との係合状
態を維持するために付勢力を要するのではなく、係合片
の突出状態を維持させるためであることから、付勢部材
の付勢力は小さくても十分に施錠状態を保て、これによ
りシリンダ錠における施錠及び解錠のための回転操作に
力を要せず、この錠の操作を容易に行うことが可能とな
り、操作性が向上することとなるという効果がある。
【0082】また、ガイドレール内の係合部の突出長さ
若しくは係合深さを十分に大きく形成させることができ
ることから、施錠時における係合片との係合状態が確実
に噛み合うような構造とすることが可能となり、また、
この互いの係合状態が容易に解かれることがなく維持さ
れることとなる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシャッター用施錠装置が備えられ
るシャッター装置の正面図
【図2】同シャッター用施錠装置の実施の形態を示す一
部裁断正面図
【図3】同平断面図
【図4】同一部拡大正面図
【図5】同分解斜視図
【図6】同分解斜視図
【図7】(a)同動作を示す平断面図(b)同動作を示
す平断面図
【図8】同動作を示す正面図
【図9】(a)同動作を示す平断面図(b)同動作を示
す平断面図
【図10】他の実施の形態のシャッター用施錠装置の平
断面図
【符号の説明】 5…シャッターカーテン 6…シャッター部材(スラット) 6a…端部 6b…板面(裏面) 6d…端縁 7…ガイドレール 7a…内壁面(底面部) 7b…開口部 8…係合部 10…施錠装置 11…シリンダ錠 20…杆部材 26…付勢部材(圧縮コイルバネ) 35…スライド部材 39…係合片 41…爪部 42…当接片 43…ガイド部 51…傾斜部 52…ガイドスロープ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05B 65/02 E05C 9/04 E06B 9/86

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向一対のガイドレールのそれぞれに両
    端が案内されるとともに、前記各ガイドレールの長手方
    向に沿って複数連結される長尺なシャッター部材にて構
    成されるシャッターカーテンに備えられるシャッター用
    施錠装置において、 前記シャッター部材の所望の位置に配設されるシリンダ
    錠と、 前記シリンダ錠に連結され、前記シャッター部材の板面
    上を前記シリンダ錠の回動に連動して長手方向に沿って
    摺動する杆部材と、 前記杆部材の先端に連結され、前記シャッター部材の端
    部における板面上を摺動するスライド部材と、 前記シャッター部材の端部に配設され、前記スライド部
    材を支持し、該スライド部材の摺動を前記シャッター部
    材に沿わせて案内するように固定基板とケース部により
    断面矩形の中空部が形成されたガイド部と、 前記スライド部材に基端が支持され、該スライド部材に
    対して先端側が揺動自在とされるとともに、該先端の爪
    部が前記シャッター部材の板面に対して突出する方向に
    折曲されて略L字状に形成され、該爪部が前記スライド
    部材の摺動とともに前記ガイド部及びシャッター部材の
    端縁に対して進退する係合片と、前記ガイド部を構成してシャッター部材裏面に沿い固定
    される前記固定基板の先端縁に形成 され、前記シリンダ
    錠側から前記シャッター部材の端縁に向けて、該シャッ
    ター部材の板面に対して仰角方向に突出した斜面にて形
    成され、前記係合片の爪部の進退方向を該斜面に沿わせ
    て変向させるガイドスロープと、前記ガイド部を形成する前記ケース部に形成され、前記
    係合片が前記ガイド部に対して進退する際に、前記係合
    片の中途部の側縁に突設された当接片が当接して前記係
    合片の進退を案内する傾斜部と、 前記シャッターカーテンの端部を案内する前記ガイドレ
    ールの開口溝の開口幅より外側で、該ガイドレール内に
    配設され、前記係合片が前記シャッター部材の端縁より
    進出した際に、該係合片の爪部が係合される係合部と、 を具備することを特徴とするシャッター用施錠装置。
  2. 【請求項2】 前記スライド部材は、前記杆部材の先端
    に対して延出する付勢力を有した付勢部材を介して前記
    杆部材に設けられていることを特徴とする請求項1記載
    のシャッター用施錠装置。
  3. 【請求項3】 前記係合部は、前記ガイドレールの開口
    溝奥方の内壁面に突設されることを特徴とする請求項1
    又は記載のシャッター用施錠装置。
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