JP3081203B1 - 無色・透明な液状食用藻類の製造方法及び該方法により製造された無色・透明な液状食用藻類 - Google Patents

無色・透明な液状食用藻類の製造方法及び該方法により製造された無色・透明な液状食用藻類

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Abstract

【要約】 【課題】 概ね無色で透明であり、且つ経時的な濁りや
沈澱物の生成の抑制された無色・透明な液状食用藻類の
製造方法と該方法により製造された無色・透明な液状食
用藻類とを提供することを目的とする。 【解決手段】 ペースト状食用藻類を、α−アミラー
ゼ、不溶性セルロース分解酵素群、水溶性セルロース分
解酵素群、プロテアーゼ、ペクチナーゼ及びヘミセルラ
ーゼからなる複合酵素群で酵素処理した後、限外濾過膜
で濾過処理することを特徴とする無色・透明な液状食用
藻類の製造方法、並びに前記方法により製造された無色
・透明な液状食用藻類を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概ね無色で透明で
あり、且つ経時的な濁りの発生の抑制された無色・透明
な液状食用藻類の製造方法と該方法により製造された無
色・透明な液状食用藻類に関する。
【0002】
【従来の技術】古来より、食用藻類、とりわけ昆布は、
風味的に優れた食品として重宝されてきたばかりでな
く、その成分が、高血圧や動脈硬化の予防に有効であ
り、また、抗胃潰瘍や抗癌作用を有しており、さらに、
ビタミンやミネラルを豊富に含有しており、栄養食品と
して優れた存在である。このような昆布は、これまで
生、乾燥、粉末(茶等)、ペースト、分解エキス、醤
油、酢などの形状で提供されてきた。
【0003】固形物である昆布を(分解)液化する技術
として、特開平8−168362号公報や特開平10−
304866号公報などにおいて、セルラーゼ系酵素製
剤を用いた酵素処理法が知られている。しかしながら、
これらは、昆布の分解液を製造した後に、これを主原料
として昆布醤油や海藻酢を製造する技術に関するもので
あり、本発明が意図する「無色・透明な液状食用藻類」
の製造法は、これまで確立されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の意図するとこ
ろの、固形の食用藻類、とりわけ固形の昆布を「無色で
透明であり、且つ経時的な濁りの発生の抑制された液状
物」に加工するためには、先ず、昆布を分解・液化し、
次に、分解液中の過剰な炭水化物、繊維素、蛋白質、脂
質等の濁り沈澱物質、色素を完全に除去することによっ
て、無色・透明化すると共に、経時的な濁りや沈澱の発
生を抑制することが可能になる。しかしながら、むやみ
にそれらの含有成分を除去することは、構成成分の見地
からは、処理後の液体は、もはや「液体昆布」とは言い
難いものとなってしまうため、避けなければならない。
従って、好ましくは、これらの中から濁りや沈澱の核と
なる物質を分解或いは除去し、且つ「無色清澄で濁りの
発生がない」と認められる程度に、含有成分の可能な限
りの大部分を残存させておくことが理想的である。
【0005】近年、「水系飲料」(ニアウォーター)と
呼ばれる低糖無色透明の清涼飲料水の需要が増大し、こ
れらは商品としての位置付けも確立されている。従来、
「褐色様有色の固体」と理解されている昆布を「無色透
明の液体」とちて供給可能にすることは、これら水系飲
料やその他の食品・飲料(アルコール類を含む)を新規
開発する際に、アプリケーションのバラエティーに関し
て、多大な可能性を提供することとなる。
【0006】本発明は、このような要求に応じ、長期間
の保存でも、経時的な濁りや沈澱物の生成を抑制した無
色・透明な液状食用藻類を製造するための清澄、脱色化
の技術を提供することを目的とするものである。すなわ
ち、本発明は、概ね無色で透明であり、且つ経時的な濁
りや沈澱物の生成の抑制された無色・透明な液状食用藻
類の製造方法と該方法により製造された無色・透明な液
状食用藻類とを提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、原料成分を可能な限り残存させ、原
料ペーストの成分含量を大部分維持した無色・透明な液
状食用藻類の製造方法と該方法により製造された無色・
透明な液状食用藻類とを提供することをも目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】固形の食用藻類、とりわ
け固形の昆布を無色・透明な液状物に加工するために
は、炭水化物、繊維素、蛋白質、脂質等の濁り沈澱物
質、色素を処理することが必要になってくる。本発明者
らは、上記従来の問題点を解決するため鋭意研究を重
ね、これらの物質を効率良く分解、除去すると共に、昆
布の構成成分の可能な限りの大部分を残存させるための
技術を試行錯誤の結果、初めて見出し、この知見に基い
て本発明を完成するに至った。
【0008】請求項1に係る本発明は、ペースト状食用
藻類を、α−アミラーゼ、不溶性セルロース分解酵素
群、水溶性セルロース分解酵素群、プロテアーゼ、ペク
チナーゼ及びヘミセルラーゼからなる複合酵素群で酵素
処理した後、限外濾過膜で濾過処理することを特徴とす
る無色・透明な液状食用藻類の製造方法を提供するもの
である。
【0009】また、請求項2に係る本発明は、請求項1
記載の方法により製造された無色・透明な液状食用藻類
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、本発明をさらに詳
細に説明する。請求項1に係る本発明では、ペースト状
食用藻類について、後述する如き各種処理を施し、目的
とする無色・透明な液状食用藻類を製造する。ここで食
用藻類としては、褐藻類、緑藻類など特に制限はなく、
具体的には例えば昆布、ワカメ、ヒジキなどの海藻類を
挙げることができる。これらの中でも、栄養食品として
優れた存在である昆布が最も好ましい。
【0011】請求項1に係る本発明では、このような食
用藻類をペースト状にしたものを用いる。ここでペース
ト状食用藻類は、従来公知のペースト化処理により得ら
れたものであれば、どのようなペースト化処理により得
られたものであっても良い。市販品など予めペースト化
処理されている食用藻類を用いることもできるし、現在
ペースト化処理されているものを使用することもでき
る。例えば、昆布ペーストは、塩蔵ボイル昆布につい
て、脱塩・水戻し・ボイル・冷却・粉砕・ボイル・冷却
の各工程を行うことにより製造することができる。な
お、ペースト状食用藻類は、加糖されているものを用い
ることもできる。
【0012】請求項1に係る本発明は、上記した如きペ
ースト状食用藻類について、α−アミラーゼ、不溶性セ
ルロース分解酵素群、水溶性セルロース分解酵素群、プ
ロテアーゼ、ペクチナーゼ及びヘミセルラーゼからなる
複合酵素群で酵素処理した後、限外濾過膜で濾過処理す
ることを特徴とする。
【0013】請求項1に係る本発明では、上記した如き
ペースト状食用藻類について、まずα−アミラーゼ、不
溶性セルロース分解酵素群、水溶性セルロース分解酵素
群、プロテアーゼ、ペクチナーゼ及びヘミセルラーゼか
らなる複合酵素群で酵素処理することが必要である。こ
のうちいずれか1の酵素が用いられない場合であって
も、本発明の目的を達成することはできない。なお、こ
れらの酵素を添加する順番は問わない。また、これらの
酵素の代わりに、これら以外の酵素、例えばリパーゼな
どを用いたとしても、本発明の目的を達成することはで
きない。酵素処理するにあたっては、通常、予めペース
ト状食用藻類に対して、4〜15倍量程度のイオン交換
水を混合し、pH調整した懸濁液の形としておくと良
い。
【0014】なお、α−アミラーゼとしては、少なくと
もα−アミラーゼを主体とするものであれば良く、この
他にグルコアミラーゼなどを含むもの(カルボヒドラー
ゼ)であっても良い。また、不溶性セルロース分解酵素
群としては、エキソ−β−グルカナーゼのようなC1酵
素を主とするものであれば良く、この他に水溶性セルロ
ース分解酵素やキシラナーゼ等を含むものであっても良
い。さらに、水溶性セルロース分解酵素群としては、C
x酵素を主とするものであれば良く、この他にC1酵素
のような不溶性セルロース分解酵素やキシラナーゼ等を
含むものであっても良い。
【0015】請求項1に係る本発明では、これら複合酵
素群を使用し、至適pHにおいて、これら酵素群の共同
作用により、効果的且つ速やかに分解を行い、懸濁液を
得る。この懸濁液は少なくとも80〜100メッシュの
ストレーナーを通過するものであり、次工程での清澄化
の作業効率を向上させている。
【0016】なお、この酵素処理における各酵素剤の使
用量や反応温度、反応時間、pHなどは、各酵素剤の種
類に応じて異なるため、一義的に定めることはできな
い。通常は、各酵素剤は、食用藻類ペーストの重量に対
して、約0.015重量%以上程度の割合で用いられる
が、これに制限されるものではない。また、反応温度
は、通常、10〜50℃程度の温度が採用され、pHは
通常、3〜6の範囲が採用されるが、これに制限される
ものではない。必要に応じて、クエン酸、酢酸などの酸
や炭酸水素ナトリウムなどを用いて、pH調整すること
ができる。酵素処理後、通常、80メッシュ程度のスト
レーナーで濾過し、さらに常法により酵素失活処理を行
っておく。
【0017】次に、請求項1に係る本発明では、限外濾
過膜で濾過処理する。この限外濾過膜濾過処理により、
分画分子量が2万以上の物質を分解除去することで、分
解液の懸濁形成物質の大部分を除去する。限外濾過膜の
材質としては、分画分子量が2万以上の物質を分解除去
し得るものであれば特に制限はない。この限外濾過膜濾
過処理の代わりに、他の濾過処理、例えば珪藻土濾過処
理を行ったとしても、本発明の目的を達成することはで
きない。
【0018】このようにして、目的とする、経時的な濁
りや沈澱物の生成の抑制された無色・透明な液状食用藻
類を製造することができる。すなわち、上記のようにし
て得られた液状食用藻類は、原料であるペースト状食用
藻類の成分含量を大部分維持しつつ、概ね無色で透明で
あり、且つ経時的な濁りや沈澱物の生成の抑制された無
色・透明な液状食用藻類、換言すれば清澄、脱色された
液状食用藻類となっている。しかも、この液状食用藻類
は、食用藻類、例えば昆布に特有の臭いが最小限化され
ている。
【0019】このようにして得られた無色・透明な液状
食用藻類を提供するのが、請求項2に係る本発明であ
る。このようにして製造された無色・透明な液状食用藻
類は、通常、適宜濃度まで濃縮され、pH調整された
後、殺菌、冷却等の常法による処理を施され製品とされ
る。さらに、適宜濃度に希釈し、必要に応じて甘味料等
を加えた後、ペットボトル等に充填し、いわゆる水系飲
料(ニアウォーター)とすることもできる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0021】製造例1 昆布ペースト(Brix7,5%加糖)1重量%に対し
て、イオン交換水14重量%を混合(15倍希釈)した
後、3000rpmで遠心分離し、次いで95℃で殺菌
した後、40℃に冷却し、さらにクエン酸にて、pHを
5に調整した。この懸濁液に対して、コクラーゼ「三
共」を0.03重量%(α−アミラーゼとして0.01
5重量%)、セルラーゼT「アマノ」4を0.015重
量%、ペクチナーゼ「タナベ」を0.015重量%(ペ
クチナーゼとヘミセルラーゼの活性を有する)、スクラ
ーゼN「三共」を0.015重量%(ペクチナーゼとし
て0.0023重量%)の添加量となるように添加し、
40℃で4時間酵素処理を行った。なお、コクラーゼ
「三共」は、α−アミラーゼを主体とし、この他にグル
コアミラーゼなどを含むものである。また、セルラーゼ
T「アマノ」4は、主にエキソ−β−グルカナーゼのよ
うなC1酵素を主とした不溶性セルロース分解酵素群か
らなるものである。
【0022】続いて、80メッシュのストレーナーで濾
過し、液温93℃で酵素失活処理を行った後、30℃ま
で冷却し、次に珪藻土で濾過した後、濃縮し、クエン酸
でpHを4.7に、Brixを7にそれぞれ調整し、殺
菌(97℃、1分間)、冷却(30℃)を行い、濃縮液
状昆布を得た。得られた濃縮液状昆布について、濁りの
有無を目視にて観察し、清澄、ほぼ清澄、混濁の3段階
で評価した。また、660nmの透過率を測定した。こ
れらの結果を第1表に示す。
【0023】製造例2 製造例1において、珪藻土濾過の代わりに、限外濾過膜
で濾過処理し、かつ遠心分離を行わなかったこと以外
は、製造例1と同様にして行った。結果を第1表に示
す。
【0024】製造例3 製造例1において、コクラーゼ「三共」を0.07重量
%(α−アミラーゼとして0.035重量%)、セルラ
ーゼT「アマノ」4を0.04重量%、スクラーゼN
「三共」を0.04重量%(ペクチナーゼとして0.0
06重量%)とし、かつ、さらにコクラーゼ・P「三
共」を0.05重量%(プロテアーゼとして0.015
重量%)の割合で用いたこと以外は、製造例1と同様に
して行った。結果を第1表に示す。なお、コクラーゼ・
P「三共」は、プロテアーゼ30%と食品素材70%と
からなるものである。
【0025】製造例4 製造例3において、さらにセルラーゼA「アマノ」3を
0.04重量%の割合で用いたこと以外は、製造例3と
同様にして行った。結果を第1表に示す。セルラーゼA
「アマノ」3は、主にCx酵素を主とした水溶性セルロ
ース分解酵素群からなるものである。
【0026】製造例5 昆布ペースト(Brix7,5%加糖)1重量%に対し
て、イオン交換水4重量%を混合し(5倍希釈)、クエ
ン酸にて、pHを5に調整した。この懸濁液に対して、
コクラーゼ「三共」を0.03重量%(α−アミラーゼ
として0.015重量%)、セルラーゼT「アマノ」4
を0.015重量%、セルラーゼA「アマノ」3を0.
015重量%、ペクチナーゼ「タナベ」を0.015重
量%(ペクチナーゼとヘミセルラーゼの活性を有する)
及びスクラーゼN「三共」を0.015重量%(ペクチ
ナーゼとして0.0023重量%)の添加量となるよう
に添加し、40℃で4時間酵素処理を行った。
【0027】続いて、80メッシュのストレーナーで濾
過し、液温93℃で酵素失活処理を行った後、30℃ま
で冷却し、次に限外濾過膜で濾過し、分画分子量2万以
上の物質を除去して、液状昆布を得た。この液状昆布を
濃縮し、クエン酸でpHを4.7に、Brixを7にそ
れぞれ調整し、殺菌(97℃、1分間)、冷却(20
℃)を行い、濃縮液状昆布とした。得られた濃縮液状昆
布について、製造例1と同様にして濁りの有無を目視に
て観察し、評価すると共に、660nmの透過率を測定
した。これらの結果を第1表に示す。
【0028】製造例6(本発明) 昆布ペースト(Brix7,5%加糖)1重量%に対し
て、イオン交換水4重量%を混合し、クエン酸にて、p
Hを5に調整した。この懸濁液に対して、コクラーゼ
「三共」を0.03重量%(α−アミラーゼとして0.
015重量%)、コクラーゼ・P「三共」を0.03重
量%(プロテアーゼとして0.009重量%)、セルラ
ーゼT「アマノ」4を0.015重量%、セルラーゼA
「アマノ」3を0.015重量%、ペクチナーゼ「タナ
ベ」を0.03重量%(ペクチナーゼとヘミセルラーゼ
の活性を有する)の添加量となるように添加し、40℃
で4時間酵素処理を行った。続いて、80メッシュのス
トレーナーで濾過し、液温93℃で酵素失活処理を行っ
た後、30℃まで冷却し、次に限外濾過膜で濾過し、分
画分子量2万以上の物質を除去して、清澄で無色の液状
昆布を得た。この液状昆布を濃縮し、クエン酸でpHを
4.7に、Brixを7にそれぞれ調整し、殺菌(97
℃、1分間)、冷却(20℃)を行い、無色・透明な濃
縮液状昆布とした。得られた濃縮液状昆布について、製
造例1と同様にして濁りの有無を目視にて観察し、評価
すると共に、660nmの透過率を測定した。これらの
結果を第1表に示す。
【0029】また、本製造例6(本発明)で得られた濃
縮液状昆布Brix7にイオン交換水を加えてBrix
1に希釈し、いわゆるニアウォータータイプとしたもの
について、5人のパネルによる官能試験を実施したとこ
ろ、総合的には、昆布の風味特徴を最小限に抑えている
ものと判定された。詳細は次の通りである。
【0030】・パネル1:僅かに酸味を感ずる(pH調
整のためと認められる。) ・パネル2:風味無し ・パネル3:僅かに酸味を感ずる(pH調整のためと認
められる。) ・パネル4:甘酸っぱい ・パネル5:風味無し
【0031】さらに、得られた本製造例6(本発明)で
得られた濃縮液状昆布の粘度を測定したところ、5cp
sであり、原料昆布ペーストの粘度が44500cps
であったのに比し、著しく低下していた。
【0032】
【表1】第1表
【0033】第1表の結果によれば、次のことが分か
る。すなわち、製造例1と製造例2によれば、製造例2
のように珪藻土濾過の代わりに、限外濾過を行うことに
より、混濁を抑え清澄なものとすることができることが
分かる。次に、製造例3と製造例4によれば、製造例4
のように、主にCx酵素を主とした水溶性セルロース分
解酵素群からなるセルラーゼA「アマノ」3を併用する
ことにより、混濁を抑え清澄なものとすることができる
ことが分かる。さらに、製造例5と製造例6によれば、
製造例6(本発明)のように、製造例5におけるスクラ
ーゼN「三共」を使用せず、その代わりにペクチナーゼ
とヘミセルラーゼの活性を有するペクチナーゼ「タナ
ベ」を増量させ、且つプロテアーゼを含むコクラーゼ・
P「三共」を用いることにより、清澄性を向上させ、ほ
ぼ無色・透明な濃縮液状昆布が得られることが分かる。
【0034】実施例1 製造例6(本発明)で得られた無色・透明な濃縮液状昆
布を55℃及び1℃でそれぞれ保存し、その間の経時的
な濁り及び沈殿の発生状況を目視で観察した。結果を第
2表に示す。なお、第2表中、−は濁り及び沈殿の発生
がなかったこと、±は僅かに濁り及び沈殿が発生したこ
と、+は濁り及び沈殿が発生したことをそれぞれ示し、
+の数が多いほど、濁り及び沈殿の発生量が多かったこ
とを意味している。また、第3表には、原料に用いられ
た昆布ペーストと、ここで得られた無色・透明な濃縮液
状昆布の成分分析結果を示す。
【0035】
【表2】第2表(濁り及び沈殿の発生状況)
【0036】第2表からは、本発明による酵素処理と限
外濾過膜濾過処理との組合せによれば、濁りや沈澱の発
生の抑制された無色・透明な液状昆布が得られることが
明らかである。
【0037】
【表3】第3表(成分分析結果)
【0038】第3表の結果からは、本発明による酵素処
理と限外濾過膜濾過処理との組合せによれば、含有成分
は分析上の値において、原料昆布ペーストの成分含量を
大部分維持していることが分かる。
【0039】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によれば、各種酵
素群の共同作用で固形の食用藻類、とりわけ固形の昆布
を分解液化し、さらに限外濾過処理を行うことにより、
無色・透明な液状物を製造することができる。これま
で、特に「昆布」と言えば、「固形物(粉体を含む)」
又は「出汁(抽出液)」の形状で理解されており、現状
で流通している昆布製品は、それらのアプリケーション
であるが、請求項1に係る本発明により得られる「無色
・透明な液状昆布」は、粘性が低く、固形物でないこと
は勿論のこと、抽出液でもなく、全く新しい「液状の昆
布」であり、これまでにない全く新しい知見に基いて完
成されたものである。しかも、含有成分は、分析上の値
において、原料昆布ペーストの成分含量を大部分維持し
ており、昆布特有の臭味は最小限化されており、濁り及
び沈澱物の生成抑制に関しても経時的に安定である。
【0040】また、請求項2に係る本発明の液状食用藻
類は、上記した如き濁りや沈澱が抑制され、しかも原料
成分を可能な限り残存させ、原料ペーストの成分含量を
大部分n維持した無色・透明な液状食用藻類となってい
る。請求項2に係る本発明の液状食用藻類は、このよう
に概ね無色・透明であるため、近年需要が増大している
「水系飲料」(ニアウォーター)と呼ばれる低糖無色透
明の清涼飲料水などとしての利用が可能である。しか
も、請求項2に係る本ン発明の無色・透明な液状食用藻
類は、アルコールに安定であるため、アルコールとして
利用することもできる。
【0041】従って、本発明は、今後、各種飲料並びに
食品の原料加工品として、その使用性に多大な可能性を
提供するものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/337 A23L 1/29 - 1/308 A23L 2/38 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペースト状食用藻類を、α−アミラー
    ゼ、不溶性セルロース分解酵素群、水溶性セルロース分
    解酵素群、プロテアーゼ、ペクチナーゼ及びヘミセルラ
    ーゼからなる複合酵素群で酵素処理した後、限外濾過膜
    で濾過処理することを特徴とする無色・透明な液状食用
    藻類の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により製造された無
    色・透明な液状食用藻類。
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