JP3051743B1 - 無色・透明なコ―ヒ―抽出液の製造方法及び該方法により製造された無色・透明なコ―ヒ―抽出液 - Google Patents

無色・透明なコ―ヒ―抽出液の製造方法及び該方法により製造された無色・透明なコ―ヒ―抽出液

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Abstract

【要約】 【課題】 コーヒー抽出液の構成成分の可能な限りの大
部分を残存させ、しかも高濃度液でも、概ね無色で透明
であり、且つ経時的な濁りや沈澱の発生の抑制された無
色・透明なコーヒー抽出液の製造方法と該方法により製
造された無色・透明なコーヒー抽出液とを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 コーヒー抽出液について、α−アミラー
ゼ、プロテアーゼ及びタンナーゼによる酵素処理、活性
炭処理、及び限外濾過膜濾過処理を施した後、さらに活
性炭処理を施すことを特徴とする無色・透明なコーヒー
抽出液の製造方法、並びに前記方法により製造された無
色・透明なコーヒー抽出液を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無色・透明なコー
ヒー抽出液の製造方法と該方法により製造された無色・
透明なコーヒー抽出液とに関し、詳しくは概ね無色で透
明であり、経時的な濁りや沈澱の発生の抑制された無色
・透明なコーヒー抽出液の製造方法と該方法により製造
された無色・透明なコーヒー抽出液とに関する。
【0002】
【従来の技術】焙煎コーヒーを抽出して得られるコーヒ
ー抽出液は、「黒褐色様有色の液体」であり、しかも、
このようなコーヒー抽出液は、経時的に容易に濁りが発
生し、やがて沈澱物を形成し、商品の価値を減じること
となった。そこで、このようなコーヒー抽出液を清澄化
する方法として、酵素処理法(特開昭61−2933
71号公報)、限外濾過膜による濾過法(特開昭59
−63137号公報)、凍結析出・濾過法(特開平5
−304891号公報)などの技術が提案されている。
【0003】しかしながら、これら前二者の方法は、単
一反応形の酵素処理であったり、或いは濁りや沈澱生成
由来物質の除去が完全に行えないことなどの理由から、
いずれもコーヒー抽出液の長期保存中に経時的に濁りや
沈澱物が発生するものであった。また、凍結析出・濾過
法は、濃縮エキスの凍結静置期間が4〜6ヶ月程度必要
であり、製品化までに長期間が必要であり、生産効率に
難がある。
【0004】さらに、以上の技術は、いずれもコーヒー
抽出液の「清澄化」のみに関するものであり、本発明が
意図する「無色・透明化」という清澄脱色化技術は、こ
れまで確立されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コーヒー抽出後の冷却
工程、保存中、濃縮液希釈時等において、濁りや沈澱は
容易に発生するものである。この濁りや沈澱は、コーヒ
ー抽出液本来に含有する構成物質(蛋白質、多糖類、脂
質、カフェイン、クロロゲン酸等)であり、発生以前の
いわゆるフレッシュなコーヒー抽出液においては、その
風味に深味とコク味を与える重要な味覚物質である。
【0006】しかしながら、一旦発生した、それらの物
質自身が呈する風味は、決して良いものとは言えず、そ
れらの発生を抑制することで、雑味の無い呈味を供給す
ることが可能となる。濁りや沈澱の発生を抑制するため
には、原因となる蛋白質、多糖類、脂質、カフェイン、
クロロゲン酸等を予め除去してしまえば良いのである
が、むやみにこれらを除去することは、構成成分の観点
からは、除去後の液体は、もはや「コーヒー抽出液」と
は言い難いものとなってしまうため、避けなければなら
ない。従って、好ましくは、これらの中から濁りや沈澱
の核となる物質を分解或いは除去し、且つ濁りや沈澱が
発生しない程度に、構成成分の可能な限り大部分を残存
させておくことが理想的である。
【0007】さらに、近年、「水系飲料」(ニアウォー
ター)と呼ばれる低糖無色透明の清涼飲料水の需要が増
大し、これらは商品としての位置付けも確立されてい
る。従来、「黒褐色様有色の液体」と理解されているコ
ーヒー抽出液を脱色し、「無色透明のコーヒー」として
供給可能とすることは、これら水系飲料やその他の食品
・飲料(アルコール類を含む)を新規開発する際に、ア
プリケーションのバラエティーに関して、多大な可能性
を提供することになる。
【0008】本発明は、このような要求に応じ、長期間
の保存でも経時的な濁りや沈澱物の生成の抑制された無
色・透明なコーヒー抽出液を製造するための清澄、脱色
化の技術を提供することを目的とするものである。すな
わち、本発明は、高濃度液でも、概ね無色で透明であ
り、且つ経時的な濁りや沈澱の発生の抑制された無色・
透明なコーヒー抽出液の製造方法と該方法により製造さ
れた無色・透明なコーヒー抽出液とを提供することを目
的とするものである。
【0009】また、本発明は、コーヒー抽出液の構成成
分の可能な限りの大部分を残存させた無色・透明なコー
ヒー抽出液の製造方法と該方法により製造された無色・
透明なコーヒー抽出液とを提供することを目的とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】コーヒー抽出液の沈澱物
は、蛋白質、多糖類、脂質、カフェイン、クロロゲン酸
等であり、一般的にはカフェインとクロロゲン酸の結合
体が、まわりの蛋白質や多糖類を取り込み成長し、コロ
イドを形成しているものと考えられている。本発明者ら
は、上記従来の問題点を解消するため鋭意研究を重ね、
これらの原因物質を分解、除去すると共に、コーヒー抽
出液の構成成分の可能な限りの大部分を残存させるため
の技術を試行錯誤の結果初めて見出し、この知見に基い
て本発明を完成するに至った。
【0011】請求項1に係る本発明は、コーヒー抽出液
について、α−アミラーゼ、プロテアーゼ及びタンナー
ゼによる酵素処理、活性炭処理、及び限外濾過膜濾過処
理を施した後、さらに活性炭処理を施すことを特徴とす
る無色・透明なコーヒー抽出液の製造方法を提供するも
のである。
【0012】次に、請求項2に係る本発明は、請求項1
記載の方法により製造された無色・透明なコーヒー抽出
液を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下において、本発明をさらに詳
細に説明する。請求項1に係る本発明では、コーヒー抽
出液について、後述する如き各種処理を施し、目的とす
る無色・透明なコーヒー抽出液を製造する。ここでコー
ヒー抽出液は、従来公知のコーヒーの抽出方法により抽
出されたものであれば、いずれの抽出方法により抽出さ
れたものであっても良い。予め抽出されているコーヒー
抽出液を使用することもできるし、原料コーヒー生豆か
らの焙煎から始まり従来公知のコーヒーの抽出方法によ
り抽出されているものを使用することもできる。抽出に
使用する用水も、熱水であっても良いし、冷水であって
も良い。また、抽出液としては、ストレート液であって
も良いし、これを濃縮した濃縮液であっても良い。濃縮
液を用いる場合には、適宜イオン交換水などを所定量加
えて希釈し、以後の処理を行うことができる。
【0014】請求項1に係る本発明は、上記した如きコ
ーヒー抽出液について、α−アミラーゼ、プロテアーゼ
及びタンナーゼによる酵素処理、活性炭処理、及び限外
濾過膜濾過処理を施した後、さらに活性炭処理を施すこ
とを特徴とする。
【0015】請求項1に係る本発明では、上記した如き
コーヒー抽出液について、α−アミラーゼ、プロテアー
ゼ及びタンナーゼによる酵素処理を行うことが必要であ
る。このうちいずれか1の酵素処理が行われない場合で
あっても、本発明の目的を達成することはできない。ま
た、これら以外の酵素、例えばセルラーゼやリパーゼな
どを用いたとしても、本発明の目的を達成することはで
きない。α−アミラーゼとしては、少なくともα−アミ
ラーゼを主体とするものであれば良く、この他にグルコ
アミラーゼなどを含むもの(カルボヒドラーゼ)であっ
ても良い。
【0016】なお、各酵素剤の使用量や反応温度、反応
時間、pHなどは、各酵素剤の種類に応じて異なるた
め、一義的に定めることはできない。通常は、各酵素剤
は、コーヒー抽出液の100重量%に対して、約0.0
1重量%以上程度の割合で用いられるが、これに制限さ
れるものではない。また、反応温度は、通常、10〜5
0℃程度の温度が採用され、pHは通常、3〜6の範囲
が採用されるが、これに制限されるものではない。必要
に応じて、酸や炭酸水素ナトリウムなどを用いて、pH
調整することができる。酵素処理後、次の活性炭処理を
施す前に常法により酵素失活処理を行っておく。このよ
うなα−アミラーゼ、プロテアーゼ及びタンナーゼによ
る酵素処理を行うことにより、炭水化物、蛋白質、クロ
ロゲン酸等を分解することで、コロイド形成に至る原因
が消去されることになる。
【0017】また、請求項1に係る本発明では、コーヒ
ー抽出液について、上記した如きα−アミラーゼ、プロ
テアーゼ及びタンナーゼによる酵素処理と共に、活性炭
処理、及び限外濾過膜濾過処理を組合せて施すことが必
要である。ここで限外濾過膜での濾過処理前に、α−ア
ミラーゼ、プロテアーゼ及びタンナーゼによる酵素処理
を行うことにより、炭水化物、蛋白質等を酵素群により
処理しているため、濁りや沈澱を発生しない形態での可
能な限りの構成成分を残存させたものとなっている。従
って、成分分析上でのコーヒー抽出液構成成分含量の保
持と、さらには実際の製造の場での限外濾過膜の保護、
濾過スピード効果による生産性の向上とが図られる。
【0018】なお、活性炭処理の条件については特に制
限はないが、通常、コーヒー抽出液100重量%に対し
て、2.0〜4.0重量%の割合で活性炭を用い、温度
35〜45℃において、30〜50分間程度攪拌処理す
れば良い。活性炭処理後、珪藻土濾過などの濾過を行
い、活性炭を除去しておく。この活性炭処理により、主
に脂質、微少物質やカフェイン等が除去されることにな
る。
【0019】通常、この活性炭処理の後、限外濾過膜濾
過処理が行われる。この限外濾過膜濾過処理により、分
画分子量が2万以上の非分解残存物質が除去される。限
外濾過膜の材質としては、分画分子量が2万以上の非分
解残存物質を除去し得るものであれば特に制限はない。
【0020】請求項1に係る本発明では、コーヒー抽出
液について、上記した如きα−アミラーゼ、プロテアー
ゼ及びタンナーゼによる酵素処理、活性炭処理、及び限
外濾過膜濾過処理を施した後、さらに活性炭処理を施す
ことが必要である。この2回目の活性炭処理を行うこと
により、経時的な二次的濁り及び沈澱の発生が抑制され
る。この2回目の活性炭処理を行わない場合には、コー
ヒー抽出液の濁りや沈澱の発生は軽度に抑制されて、清
澄なコーヒー抽出液が得られるものの、脱色という点で
は不十分であり、概ね無色透明であり、且つ濁りや沈澱
の発生が抑制された清澄、脱色コーヒー抽出液を得るこ
とはできない。なお、この活性炭処理の後にも、珪藻土
濾過などの濾過を行い、活性炭を除去しておくことが必
要である。このときの活性炭処理の条件についても特に
制限はなく、先に行われる活性炭処理の条件と同様にし
て行っても良いし、先に行われる活性炭処理等の結果を
考慮して、別の条件を設定しても良い。また、必要に応
じて、再度、活性炭処理を繰り返しても良い。
【0021】このようにして、目的とする無色・透明な
コーヒー抽出液を製造することができる。すなわち、上
記のようにして得られたコーヒー抽出液は、コーヒー抽
出液としての構成成分の可能な限りの大部分を残存させ
つつ、効果的に濁りや沈澱の原因物質である蛋白質、多
糖類、脂質、カフェイン、クロロゲン酸等が分解除去さ
れていることから、コロイド形成に至る原因が消去され
ていると共に、分画分子量2万以上の非分解残存物質も
除去されていることから、経時的な二次的濁り及び沈澱
の発生の抑制された、概ね無色であり、かつ透明なコー
ヒー抽出液、換言すれば清澄、脱色されたコーヒー抽出
液となっている。
【0022】このようにして得られた無色・透明なコー
ヒー抽出液を提供するのが、請求項2に係る本発明であ
る。このようにして得られた無色・透明なコーヒー抽出
液は、通常、適宜濃度まで濃縮された後、殺菌、冷却等
の常法による処理を施され製品とされる。さらに、適宜
濃度に希釈し、必要に応じて甘味料等を加えた後、ペッ
トボトル等に充填し、いわゆる水系飲料(ニアウォータ
ー)とすることもできる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0024】比較例1 濃縮コーヒー抽出液(Brix50)にイオン交換水を
加えて、Brix5に希釈調整した。このBrix5の
コーヒーエキスに対して、コクラーゼ「三共」を0.0
2重量%(α−アミラーゼとして0.01重量%)、コ
クラーゼ・P「三共」を0.02重量%(プロテアーゼ
として0.006重量%)、タンナーゼ「三共」を0.
03重量%(タンナーゼとして0.0015重量%)の
添加量となるように添加し、40℃で4時間酵素処理を
行った。なお、コクラーゼ「三共」は、α−アミラーゼ
を主体とし、この他にグルコアミラーゼなどを含むもの
である。また、コクラーゼ・P「三共」は、プロテアー
ゼ30%と食品素材70%とからなるものである、さら
に、タンナーゼ「三共」は、タンナーゼ5%と食品素材
95%とからなるものであり、夾雑酵素は殆ど含有して
いない。このときのコーヒーエキスのpHは約5であ
り、各酵素の至適pH5〜6に一致し、酸や炭酸水素ナ
トリウムでのpH調整の必要はなかった。続いて、液温
93℃で酵素失活処理を行った後、40℃まで冷却し
た。この液について活性炭処理(2重量%、40℃、3
0分間)を行った後、珪藻土濾過を行い、限外濾過膜で
濾過し、清澄なコーヒー液を得た。この清澄コーヒー液
をBrix30まで濃縮し、殺菌(98℃、1分間)、
冷却(20〜30℃)を行い、清澄濃縮コーヒー抽出液
とした。
【0025】得られた清澄濃縮コーヒー抽出液を55℃
及び1℃でそれぞれ保存し、その間の経時的な濁り及び
沈澱の発生状況を目視で観察した。結果を第1表に示
す。なお、第1表中、−は濁り及び沈澱の発生がなかっ
たこと、±は僅かに濁り及び沈澱が発生したこと、+は
濁り及び沈澱が発生したことをそれぞれ示し、+の数が
多いほど、濁り及び沈澱の発生量が多かったことを意味
している。また、第2表には、原料に用いられた濃縮コ
ーヒー抽出液と、ここで得られた清澄濃縮コーヒー抽出
液の成分分析結果を示す。
【0026】
【表1】第1表(濁り及び沈澱の発生状況)
【0027】第1表の結果からは、α−アミラーゼ、プ
ロテアーゼ、タンナーゼによる酵素処理、活性炭処理及
び限外濾過膜による濾過処理の組合せにより、コーヒー
抽出液の濁りや沈澱の発生は軽度に抑制されていること
が明らかであり、これはコーヒーの構成成分が残存して
いることを示唆している。
【0028】
【表2】第2表(成分分析結果)
【0029】第2表の結果からは、α−アミラーゼ、プ
ロテアーゼ、タンナーゼによる酵素処理、活性炭処理及
び限外濾過膜による濾過処理の組合せでは、処理前後に
おいて、カフェインとクロロゲン酸以外の他の構成成分
は、分析上、同等の値を示していることが分かる。かく
して得られたコーヒー抽出液(ストレート液及び濃縮
液)は、清澄であり、しかもカフェインとクロロゲン酸
以外は、原料濃縮コーヒー抽出液と同等の含有量である
ものの、経時的には軽度の沈澱が観察された。
【0030】実施例1 比較例1における限外濾過膜濾過で得られた清澄なコー
ヒー液について、これをBrix25まで濃縮した後、
さらに活性炭処理(3重量%、40℃、30分間)、珪
藻土濾過を行い、続いてBrix30まで濃縮した後、
殺菌(98℃、1分間)、冷却(20〜30℃)を行
い、清澄、脱色濃縮コーヒー抽出液とした。
【0031】得られた清澄濃縮コーヒー抽出液を55℃
及び1℃でそれぞれ保存し、その間の経時的な濁り及び
沈澱の発生状況を比較例1と同様にして目視で観察し
た。結果を第3表に示す。また、第4表には、原料に用
いられた濃縮コーヒー抽出液と、ここで得られた清澄、
脱色濃縮コーヒー抽出液の成分分析結果を示す。
【0032】
【表3】第3表(濁り及び沈澱の発生状況)
【0033】第3表からは、本発明によれば、経時的な
濁りや沈澱の生成が抑制されたコーヒー抽出液が得られ
ることが分かる。
【0034】
【表4】第4表(成分分析結果)
【0035】第4表の結果からは、本発明によれば、カ
フェインとクロロゲン酸が除去されてはいるものの、他
の構成成分は、分析上、同等の値を示していることが分
かる。かくして得られたコーヒー抽出液(ストレート液
及び濃縮液)は、概ね無色、透明であり、経時的にも濁
りや沈澱の発生が抑制されており、しかも構成成分の大
部分は保持されている。
【0036】また、本実施例1で得られた清澄、脱色濃
縮コーヒー抽出液をイオン交換水を加えてBrix1に
調整したものについて、5人のパネルによる官能試験を
実施したところ、総合的にはコーヒーの特徴を最小限に
抑えているものと判定された。詳細は次の通りである。
【0037】 ・パネル1:僅かにコーヒー臭あり ・パネル2:無味 ・パネル3:僅かに風味を感ずる。 ・パネル4:水っぽい ・パネル5:何の味かわからない。
【0038】比較例2 実施例1において、酵素処理工程を行わなかったこと以
外は、実施例1と同様にして行い、コーヒー抽出液を得
た。すなわち、濃縮コーヒー抽出液(Brix50)に
イオン交換水を加えて、Brix5に希釈調整した。続
いて、液温を93℃まで上げた後、40℃まで冷却し
た。この液について活性炭処理(2重量%、40℃、3
0分間)を行った後、珪藻土濾過を行い、限外濾過膜で
濾過した。次に、この液をBrix25まで濃縮し、活
性炭処理(3重量%、40℃、30分間)、珪藻土濾過
を行い、続いてBrix30まで濃縮した後、殺菌(9
8℃、1分間)、冷却(20〜30℃)を行い、コーヒ
ー抽出液を得た。
【0039】この液をBrix1.0に調整したときの
透過率は660nmで98.9%、吸光度は430nm
で0.084であり、目視では薄紫様色調であり、飲料
ベースの濃度ではやや色調を感じた。これに対して、実
施例1で得られた抽出液をBrix1.0に調整したと
きの透過率は、同様に、660nmで100.0%、吸
光度は430nmで0.065であった。この液は、高
濃度Brix30では、やや薄赤褐色透明であるもの
の、飲料ベースの濃度ではほぼ無色透明であった。これ
らの結果を第5表に示す。
【0040】
【表5】第5表
【0041】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によれば、コーヒ
ー抽出液(ストレート液及び濃縮液)中に発生する濁り
や沈澱物の原因物質を効果的に分解除去し、高濃度液で
も概ね無色透明であり、経時的な濁りや沈澱の発生の抑
制された無色・透明なコーヒー抽出液を製造することが
できる。しかも請求項1に係る本発明によれば、コーヒ
ー抽出液本来の成分を可能な限り残存させた無色・透明
なコーヒー抽出液を製造することができる。
【0042】また、請求項2に係る本発明のコーヒー抽
出液は、上記した如き経時的な濁りや沈澱の発生の抑制
され、しかもコーヒー抽出液本来の成分を可能な限り残
存させた無色・透明なコーヒー抽出液となっている。請
求項2に係る本発明のコーヒー抽出液は、このように概
ね無色・透明であるため、近年需要が増大している「水
系飲料」(ニアウォーター)と呼ばれる低糖無色透明の
清涼飲料水などとしての利用が可能である。しかも、請
求項2に係る本発明の無色・透明なコーヒー抽出液は、
アルコールに安定であるため、アルコール飲料として利
用することもできる。
【0043】従って、本発明は、濁り及び沈澱物生成抑
制に関して、経時的に安定であり、各種飲料・食品の原
料加工品として、その使用性に多大な可能性を提供する
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−315434(JP,A) 特開 昭62−61569(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23F 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーヒー抽出液について、α−アミラー
    ゼ、プロテアーゼ及びタンナーゼによる酵素処理、活性
    炭処理、及び限外濾過膜濾過処理を施した後、さらに活
    性炭処理を施すことを特徴とする無色・透明なコーヒー
    抽出液の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により製造された無
    色・透明なコーヒー抽出液。
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