JP3080659B2 - 水洗便器及びこれを備えた介護用ベッド装置 - Google Patents

水洗便器及びこれを備えた介護用ベッド装置

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JP3080659B2
JP3080659B2 JP10520297A JP52029798A JP3080659B2 JP 3080659 B2 JP3080659 B2 JP 3080659B2 JP 10520297 A JP10520297 A JP 10520297A JP 52029798 A JP52029798 A JP 52029798A JP 3080659 B2 JP3080659 B2 JP 3080659B2
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大本 正子
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61GTRANSPORT, PERSONAL CONVEYANCES, OR ACCOMMODATION SPECIALLY ADAPTED FOR PATIENTS OR DISABLED PERSONS; OPERATING TABLES OR CHAIRS; CHAIRS FOR DENTISTRY; FUNERAL DEVICES
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
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    • E03D11/02Water-closet bowls ; Bowls with a double odour seal optionally with provisions for a good siphonic action; siphons as part of the bowl
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、便器本体と、排水部と、これら便器本体及
び排水部を遮断する防臭弁とを備えた水洗便器及びこの
水洗便器を備えた介護用ベッド装置に関するものであ
る。
背景技術 通常、水洗便器の分野においては、排水管からの臭気
の逆流を防止するため、S字状に管を屈曲させた排水ト
ラップを便器と下水管との間に設け、封水を排水トラッ
プに蓄えている。しかし、かかる構造の排水トラップを
利用して排水を行うには、管のヘッドを利用して排水に
スピードを付与せねばならず、排水管全体の上下方向の
全長が長くなり、また、ゴミ等が詰まりやすいという不
都合がある。
そこで、かかる排水トラップの不都合を解消すべく、
特公昭50−11188号公報及び特開昭53−98137号公報に記
載の水洗便器、並びに、特開平3−186265号公報に記載
の介護用ベッドが提唱されている。第一、第三の公報記
載の発明では、ゴムチューブ等を排水管の途中に設け、
エアポンプ等によるゴムチューブ等への給気により排水
口を塞ぎ、ゴムチューブ等からの排気により排水口を開
口する防臭弁を提唱している。また、第二の公報記載の
発明では、フットペダルにより回動する半球により孔を
開閉する防臭弁を提唱している。
しかし、上記第一、第三の公報記載の発明では、エア
ポンプ等や空気配管を設けねばならないので構成が複雑
となり、劣化のおそれが高いゴムチューブ等を可動部に
用いるので、防臭弁周りの制作が困難でメンテナンスに
も手数の掛かるおそれがある。また、第二の公報記載の
発明では、孔の閉閉部分に機構が直接的に介在するの
で、同様の問題が存在する。しかも、いずれの従来技術
においても、防臭弁の上部に排便が付着すると、この上
部が不快である。
一方、上記第三の公報の如き従来の介護用ベッドで
は、排便時の臭気の拡散防止が不十分であった。また、
上記第三の公報の如き従来の介護用ベッドでは、排便前
にあらかじめ尻部に位置するゴムチューブ等から排気を
行って便座を開口せねばならず、患者が意図しないにも
拘わらず排便を行った場合には対処できなかった。さら
に、従来の介護用ベッドでは、患者を入浴させるために
ベッドから一旦下ろして別の場所に移動させねばなら
ず、看護人にとって大きな負担となっていた。
かかる従来技術の実状に鑑みて、本発明の目的は、簡
易な構造で確実に開閉でき且つメンテナンスの容易な防
臭弁を備えた水洗便器を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、付着した排便等が便器本
体側に面することのない水洗便器を提供することにあ
る。
また、本発明のさらに他の目的は、患者等が意図しな
いにも拘わらず排便を行った場合に対処することの可能
な水洗便器を提供することにある。
一方、本発明にかかる介護用ベッド装置の目的は、上
述の排便の合理的な処理に加え、患者等を風呂に入浴さ
せる際に、看護人の体力的負担を軽減することにある。
発明の開示 本発明に係る水洗便器の特徴は、便器本体と、排水部
と、これら便器本体及び排水部を遮断する防臭弁とを備
えた水洗便器であって、前記便器本体の下部に貯水槽を
設け、貯水槽に浮かぶ球体と便器本体の下側開口近傍に
位置し且つ前記球体と密接可能な環状のパッキングとに
より前記防臭弁を構成し、前記貯水槽の水位を下げて前
記防臭弁の開弁を行い得る排水制御手段と、前記貯水槽
の水位を上げて前記防臭弁の閉弁を行い得る給水制御手
段とを備えたことにある。
同特徴における「排水制御手段」とは、例えば「前記
貯水槽の高さ方向中間部に接続した排水管及びバルブ」
を備えてなり、「給水制御手段」とは、例えば「給水
管、給水バルブ及び水位センサ」を備えてなり、「排水
部」は排水管により構成してある。同特徴によれば、給
水制御手段により貯水槽の水位を上げておくことで、貯
水槽に浮かぶ球体の浮力により防臭弁を閉弁することが
できる。一方、排水制御手段により貯水槽の水位を下げ
ることで、球体を下方に変位させ、防臭弁を開弁させる
ことができる。
また、上記他の目的を達成するため、本発明の他の特
徴は、上記特徴に加え、前記便器本体の上部から下部に
向けて洗浄水を流す給水手段を設け、前記防臭弁の開弁
時において前記便器本体の下部開口から洗浄水が前記球
体に流下するようにしたことにある。
通常、球体の表面に排便等が付着しても、前記球体は
貯水に浮遊しているので、重力バランスにより、排便等
の付着部は下側に反転する。同特徴によれば、便器本体
の下部開口から洗浄水が球体に流下するので、この球体
の表面に付着した排便等に洗浄水の水流が当たり、付着
した排便等を洗い流すと共に、排便等付着部を球体の下
側に位置するように球体を回転させる。
そして、便器本体の下側開口に水位が達するよりも前
に前記球体とパッキングとが接当するように構成するこ
とが望ましい。非常に希ではあるが、水より比重の軽い
排便等が付着しても、本特徴によれば、排便等の付着部
はパッキングよりも下側に位置する。給水完了後の水位
が便器本体の下側開口より下であれば、便器本体内上面
を乾燥状態に維持することができる。
また、本発明のさらに他の目的を達成するため、本発
明のさらに他の特徴は、上記特徴に加え、通常時には温
風を吹き出し、排便中には臭気を吸引する通気部を便器
本体の上側又は上部に配置したことにある。同特徴によ
れば、排便を自ら律することのできない重度の寝たきり
患者等が尻部及び下腹部を便器本体側に露出させていて
も、温風により尻部等を暖められるので患者等は快適に
過ごせる。そして、排便時には臭気を吸引するので臭気
が辺りに拡散せず、便臭等で不快になることもない。
加えて、便器本体の上側又は上部に排便の落下を検知
するセンサを配置し、このセンサによる排便の落下を検
知するに伴って、前記排水制御手段により前記防臭弁の
開弁を行い、前記給水手段により洗浄水を流し、且つ、
前記通気部を介して臭気を吸引するように構成すること
が望ましい。同特徴によれば、重度の寝たきり患者が意
図せずに突然排便を行っても、自動的に排便処理作業及
び臭気吸引作業が行われる。これらの特徴は介護用ベッ
ドに限らず航空機等の水洗便器でも有益である。
本発明の実施形態では、前記排水制御手段が、前記貯
水槽の高さ方向中間部に接続した第一排水管及び第一バ
ルブと、前記貯水槽の底部に接続した第二排水管及び第
二バルブとを備え、第一バルブの開弁後に第二バルブを
開弁するように構成してある。同構成によれば、第一バ
ルブの開弁により防臭弁を開弁すると共に、球体を貯水
に浮遊させて自由な回転を許容する。その後、排便等の
含まれた貯水を第二バルブの開弁により一挙に排水し、
貯水槽内を清浄にする。
本発明においては、上述のセンサとして発光部から受
光部に至る光路を遮ることで便器排便の落下を検知する
光センサを用いることが望ましい。そして、使用する者
の尻部に向けて一方向から少なくとも温風を吹き出す通
気部と前記尻部の洗浄装置とを便器本体の上側又は上部
に設け、前記通気部と洗浄装置とを前記光路に交差する
方向に配向すると共に前記センサとほぼ同じ高さ位置に
配置することで、便器全体の高さを低く抑えることがで
きる。
一方、本発明に係る介護用ベッド装置の上記目的を達
成するため、本発明の特徴は、前記水洗便器を有する介
護用ベッドと、この介護用ベッドの下側に載置する浴槽
と、前記介護用ベッドを横に移動させる移動手段とを備
えたことにある。同特徴によれば、浴槽を介護用ベッド
の下に載置することで、浴槽の配置スペースを節約する
と共に、患者の移動距離を短くできる。特に、患者等を
吊り上げ又は吊り下げるリフトをさらに備えることで、
リフトによる患者等の吊り上げ・吊り下げ作業と共にベ
ッドを横移動させ、患者等を小さな労力で風呂まで移動
させることが可能となる。
このように、上記本発明に係る水洗便器の特徴によれ
ば、球体を水位の調節により上下させるという簡易な構
造で確実に開閉でき、防臭弁の球体とパッキングとの密
着さえ維持できればその開閉も確実なので、そのメンテ
ナンスも容易に行えるようになった。
また、本発明の他の特徴によれば、流下する水流や貯
水に浮遊する球体のバランスにより、球体に付着した排
便等が便器本体側に面することを防止でき、排便後に便
器が見苦しくなるといった事態も避けられるようになっ
た。
さらに、本発明の別の特徴によれば、温風を常時吹き
付けることで患者等に下腹部等を常時露出させておき、
患者等が意図しないにも拘わらず排便を行った場合に、
臭気等を拡散させずに排便を処理することが可能となっ
た。
一方、本発明にかかる介護用ベッド装置の上記特徴に
よれば、ベッド本体の横移動により浴槽の設置スペース
を節約すると共に、患者等を軽作業で風呂に移動させ、
入浴させることが可能となった。その結果、寝たきり老
人等の患者の介護を行う際の介護人の体力的負担が軽減
されると共に、患者の衛生状態や快適性が著しく向上す
ることとなった。
本発明の詳細は、以下に示す発明を実施するための最
良の形態の項で明らかになるであろう。なお、特許請求
の範囲の項に記入した符号は、あくまでも図面との対照
を便利にするためのものにすぎず、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
図面の簡単な説明 図1は、本発明に係る介護用ベッド装置の一部を破砕
した側面図である。
図2は、図1におけるA−A線断面図である。
図3は、水洗便器の構造を示す縦断面図である。
図4は、防臭弁を開いた状態を示す図3相当図であ
る。
図5は、貯水槽の水を完全に排出した状態を示す図3
相当図である。
図6は、第一、第二排水弁を閉じ第二給水管から給水
を行っている状態を示す図3相当図である。
図7は、水洗便器の平面図である。
図8は、介護用ベッド装置全体の配管図である。
図9は、リフトを利用して患者を浴槽に移動させる状
態を示す図2相当図である。
図10は、本発明の第二の実施形態を示す図4相当図で
ある。
図11は、本発明の第三の実施形態を示す図3相当図で
ある。
図12は、本発明の第三の実施形態を示す図7相当図で
ある。
図13は、本発明の第四の実施形態を示す車椅子に水洗
便器を装着した状態の側面図である。
発明を実施するための最良の形態 次に、図面を参照しながら、本発明の実施形態につい
て説明する。
図1、2に示すように本発明に係る介護用ベッド装置
1は、介護用ベッド2と、浴槽3と、介護用ベッド2の
上に横たわっている患者等Hを吊り上げ・吊下により浴
槽3まで移動させるリフト5とを備えている。図1及び
図2に示すように、浴槽3を構成する浴槽本体10は、ア
ンカーフレーム6のうち浴槽本体10の底の幅に近い幅を
有する縦フレーム6aの上に載置してある。また、縦フレ
ーム6aの中間部における前後方向2箇所には、図2に示
すように、縦フレーム6aの右側及び特に左側に向かって
横フレーム6b、6bを張り出させてある。アンカーフレー
ム6のうち縦フレーム6aには、側面視でコの字型の支持
フレーム7の二つの下端を固着してあり、二つの横フレ
ーム6b及び浴槽本体10に蓄えられる風呂水の重量をもっ
て、リフト5の転倒を防止してある。
上述の介護用ベッド2は、ベッド本体20とこのベッド
本体20を横フレーム6bに沿って横移動させるための移動
手段9とを備えている。ベッド本体20は、前後に並ぶ頭
板20a及び足板20bの左右を一対の側板20c,20cで連結
し、その上部に図1に一部を示す格子21を載置し、さら
に、マット22を載置してその基礎構造を構成する。ま
た、先の格子21は、マット22の上部を起立機構30により
傾斜状態で引き起こすように持ち上げる。ベッド本体20
の中間部には、便器50を取り付けると共に便座40を設
け、横になった患者Hの尻部が便器50の開口部に位置す
るように構成してある。足板20bの上部には後述する配
管系統のバルブやモーターを制御するための操作ユニッ
ト60を取り付けてあり、その下部に排水槽68a等を取り
付けてある。
上述の移動手段9は、先の一対の横フレーム6b、6b上
にそれぞれ断面チャンネル状のレール9aを載置し、この
チャンネル状レール9aの内部に転がりレール9bを載置
し、さらに、ベッド本体20における頭板20a及び足板20b
の脚部を転がりレール9b、9b上にそれぞれ載置してな
る。各転がりレール9bは、複数のコロをフレームで連結
したものであって、この転がりレール9bのコロの転動に
よりベッド本体20全体を左右に移動させ得る。チャンネ
ル状レール9aの深さは、転がりレール9bの直径よりも深
くなっており、頭板20a及び足板20bの脚部の脱落を防ぐ
ように構成してある。この移動手段9を利用して、浴槽
本体10への入浴時に、ベッド本体20を図2の右から左に
移動させる。
先の浴槽3は、ステンレス製の浴槽本体10と、この浴
槽本体10内の風呂水を循環により浄化すると共に、その
温度を一定に保つための図8に示す浄化装置11とを備え
ている。浴槽本体10における患者の頭に当たる部分は、
その下部に浄化装置11を配置できるように上側に向かっ
て屈曲させてある。また、先の移動手段9により横移動
するベッド本体20の下部に位置する配管67a等は、後述
する構成により上下方向の寸法が短縮されていることか
ら、浴槽本体10の上部との干渉を避け得る以上の高さ位
置に留まっている。先の浄化装置11は、浴槽本体10内の
風呂水を汲み上げるポンプ12と、汲み上げたポンプ12か
ら風呂水内の不純物やアンモニア等を浄化する濾過ユニ
ット13と、風呂水を一定温度に保つためのヒーター14と
を備えいる。また、濾過ユニット13に対しては、外部か
ら手動給水バルブ15を介して水道水を供給可能に構成し
てある。
上述のリフト5は、先のアンカーフレーム6に取り付
けられる支持フレーム7と、この支持フレーム7の水平
部分に取り付けた一対の電動滑車8,8とを備えている。
各電動滑車8は、使用時には支持フレーム7の中間部に
向かってスライドさせることが可能であり、平常時は、
水平部の上下端に移動させることで、ベッド本体20に横
たわる患者Hの邪魔にならないように配置してある。
先の起立機構30は、図1に示すように、互いに螺合す
る雄ねじ軸31及び雌ねじ軸32を筒状のスリーブ33に収納
し、駆動用のモーター34及び自在継手35を介して雌ねじ
軸32を回転させるように構成してある。なお、スリーブ
33及びモーター34は、それぞれスリーブ枢軸33a及びモ
ーター枢軸34aによりベッド本体20に枢支してある。ま
た、格子21の上部は、格子枢軸21aによりベッド本体20
に枢支してあり、さらに、格子21の下部に延びるアーム
21bと雄ねじ軸31の先端とを連結してある。そして、モ
ーター34の駆動により、雌ねじ軸32を雄ねじ軸31に対し
て相対回転させ、雄ねじ軸31の先端とスリーブ枢軸33a
とを近接させることにより、アーム21bを介してベッド
本体20を傾斜状態でマット22と共に引き起こし、図1の
鎖線に示す如くは排便を容易にすべく患者Hの背もたれ
とすることが可能となっている。
マット22の中央部をくり抜いた部分に嵌合配置してあ
る便座40は、図3に示すように空気により膨らむゴム製
又は合成樹脂製のチューブよりなる上下一対の便座41,4
2を重ねて構成してある。上便座41は、環状であるが、
下便座42は馬蹄形となっており、上便座41の下面及び下
便座42の切断面で囲まれる空洞部に、尻部洗浄用の洗浄
装置45を収納してある。便座40の上部からは、患者Hの
局部を覆うゴム製又は合成樹脂製の覆い43を張り出させ
てあり、この覆い43の先端部2箇所に取り付けたひも4
4,44を、同じく便座40の頭側から下側に向かって延びる
ひも又はベッドの図示しない手すり等に結びつけること
で、覆い43により患者Hの局部を覆ってある。
図1〜3及び図8を参照しながら、介護用ベッド装置
1の配管系統について説明する。これら配管の各バルブ
やモーターは、先の操作ユニット60に収納される制御装
置61により制御される。後述する通気部55に対する通気
は、通気管62aを介して行われ、温風の通風は送風ブロ
ア62b及び送風ヒーター62dによりなされる。また、通気
部55を介しての排気は通気管62a及び吸気ブロア62cによ
りなされる。排便時における洗浄水は、第一給水管63a
及び第一給水ポンプ63bを介して浴槽本体10内の風呂水
から供給される。また、防臭弁57を閉弁すべく貯水槽52
内の水位を強制的に上昇させる給水は、浄水に接続され
る第二給水管64a及び電磁バルブとして構成された給水
バルブ64bを介してなされる。
便器50における貯水槽52の水位を下降させるための排
水制御手段は、第一、第二排水管66a,67a及び第一、第
二排水バルブ66b,67bにより構成してある。これらの排
水は、排水槽68aに受け止められた後に排水ポンプ68bを
もって第三排水管68cより外部に排出される。排水槽68a
内の固形状の汚物は、排水ポンプ68bの羽根車の回転に
より粉砕され、外部へ排出されることとなる。
洗浄装置45は、浴槽本体10の風呂水を汲み上げるため
の給水チューブ45aと第二給水ポンプ45b及びこの風呂水
を適温に上昇させる温水ヒーター45cとを備えている。
これら汲み上げられ調温された風呂水は、伸縮する洗浄
ノズル46の先端より患者Hの局部に向かって噴出され、
患者Hの局部が洗浄されることとなる。給水チューブ45
aは第二給水管64aと同様に水道等の浄水に接続してもよ
い。
図3及び図8に示すように、便器50は、すり鉢状の便
器本体(ボウル、bowl)51と、その外部を覆う略円筒形
の貯水槽52と、貯水槽52の上部に位置するセンサ環54、
通気部55及び給水環56と、便器本体51の下側開口を塞ぐ
ための防臭弁57とを備えている。これらセンサ環、通気
部及び給水環54〜56は、環状に形成した上下のステンレ
ス板に対し細長い板状のステンレス板を湾曲させて溶着
することで、内部を空洞状に形成してある。
最上のセンサ環54の上面は、便座40を載置するための
台座53となっている。この台座53は、上側開口53aを有
する環状の台座板53bを着脱可能に皿ねじで固着するこ
とで構成してある。センサ環54の内部には、図7に示す
ように、発光部54bと受光部54cとを有する光センサであ
る落下検知センサ54aを設けてある。そして、上側開口5
3aの左右に隔てて発光部54bと受光部54cとを複数個対面
させて並べることで、発光部54bから受光部54cに至る光
路Bを便器50の開口部へ横切らせてある。かかる配置の
落下検知センサ54aによれば、上側開口53aから便器本体
51に向かって一滴でも排泄物が落下すると、対面する発
光部54b及び受光部54cの間を通過する光のいずれかを遮
ることで、後述の洗浄水の給水や排気を開始させるトリ
ガーとして機能する。
通気部55の内面には、複数個の貫通孔55aが形成され
ている。通気管62aを介して供給される温風が矢印Faの
如く中央に向かって吹き出され、また、排便時にはこれ
らの貫通孔55aを介して脱臭のための排気が行われる。
最下段の給水環56は、その上下方向内面に位置する板
の下部を下側に少し張り出させると共に、下側の環状の
板との間にスリット56aを形成してある。そして、この
スリット56aから第一給水管63aを介して供給される温水
を便器本体51の円錐面に沿わせて洗浄水として流すよう
に構成してある。
便器本体51の下側開口51a近傍の外面には、ゴム製の
環状のパッキング57bを取り付けてある。また、このパ
ッキング57bに密接し、パッキング57bと共に防臭弁57の
機能を果たす球体たるステンレス製の中空ボール57a
を、貯水槽52内の貯水Wに浮かべてある。このボール57
aの外径は、パッキング57bの内径よりも小さくしてあ
り、また、図6に示すようにパッキング57bとの非接触
時には、貯水Wからその2/3程度が水面上に露出するよ
うに構成してある。水位センサ59は、光ファイバーを利
用した非接触の水位センサであり、貯水Wがパッキング
57bの下部に達した程度の時点で、第二給水管64aからの
給水を停止させる位置に取り付けてある。
ここで、図9を参照しつつ、リフト5を利用して患者
Hを上下させるための担架70について説明する。この担
架70は、左右一対の支持棒71,71と、これらの間に渡し
かけられるネット72と、支持棒71,71同士を連結すると
共に電動滑車8により巻き上げるための前後一対の垂下
紐73とにより構成してある。そして、患者Hを浴槽本体
10に移動させるには、まずベッド上の患者Hをネット72
上に移動させ、次いで、電動滑車8を駆動回転させて担
架70により患者Hを吊り上げる。その後、図9に示すよ
うに、ベッド本体20を同図の左側まで移動手段9により
移動させ、垂下紐73を伸長させて浴槽本体10に患者Hを
移動させる。入浴後には逆の手順で患者をベッド上に戻
す。
次に、図3〜図6を参照しつつ、先の図8における制
御装置61による制御手順を説明する。
まず、図3に示す通常状態では、通気孔55aより温風
が吹き出しており、給水バルブ64b、第一排水バルブ66
b、第二排水バルブ67bは全て閉じられている。また、ボ
ール57aは、その浮力により水面よりもその上部を露出
しつつパッキング57bに接当し、防臭弁57が閉じられた
状態となっている。
次いで、図4に示すように小便または大便などの排便
が少しでも便器本体51に向かって落下すると、上述の如
く複数の発光部54bから受光部54cに向かう少なくとも一
部の光が遮断され、以下に説明する制御手順に従って装
置が制御される。
最初に、第一排水バルブ66bが開弁され、貯水Wは第
一排水管66aの開口部の下部まで低下し、ボール57a及び
パッキング57bの密接が離脱し、防臭弁57が開弁状態と
なる。同時に、通気孔55aからの温風の噴出は停止され
ると共に、通気孔55a、通気管62a及び先の吸気ブロア62
cを介して排便中の臭気が吸引される。図示はしない
が、先の起立機構30によりベッドの上側部分が起立す
る。また、先の第一給水ポンプ63bの駆動により、第一
給水管63a及び洗浄水用スリット56aを介し、便器本体51
の円錐面全体に沿って洗浄水が矢印Fwに示す如く流れ
る。貯水Wに浮遊するボール57aには流下する洗浄水が
便器本体51の下側開口51aを介して滝の如く流下し、ボ
ール57aに少しでも付着した排便等は、この洗浄水によ
り洗い流される。さらに、付着した排便にかかる洗浄水
の勢いでボール57aが全体に回動し、その結果として排
便等の付着部は下側に位置することとなる。なお、流下
する水流をボール57aに当てるには、ボール57aの直径の
倍よりも貯水槽52の内径を小さくすればよい。
図5に示す状態は、図4に示すセンサ54aによる排便
の検知後、制御装置61内のタイマーで設定された所定時
間後の状態である。このタイマーにより設定される所定
時間は約3分程度であり、患者により適宜変更可能であ
るが、最初の排便検出から排便終了まで予想される時間
に設定することが望ましい。この状態においては、洗浄
水用スリット56aからの洗浄水の流下及び通気孔55aを介
しての臭気の吸引は継続して行われており、第二排水バ
ルブ67bがさらに開弁されることで貯水槽52の貯水は第
二排水管67aを介して全てが外部に排出される。また、
適当な間隔を隔てて、洗浄ノズル46が洗浄装置45から患
者Hの局部に向かって伸長し、上側に向かって洗浄水を
一定時間吹き付け局部の洗浄を行う。
さらに、局部洗浄の終了後に洗浄ノズル46は水平方向
に縮小し、第一排水バルブ66b及び第二排水バルブ67bは
双方とも閉じられ、給水バルブ64bが開弁されて、外部
の水道水が第二給水管64aから貯水槽52内に供給され、
貯水Wの水位は徐々に上昇する。この状態で洗浄水用ス
リット56aからの洗浄水の供給はなく、また、通気孔55a
からの温風の吹き付けが開始される。そして、水位セン
サ59により水位が検知された時点で給水バルブ64bが閉
じられ、最初の図3の状態に戻ることとなる。給水制御
手段としての第二給水管64aが第一給水管63aとは別に設
けられているので、防臭弁57の閉弁後にもパッキング57
bに対するボール57aの接当圧力を高めることができる。
これら一連の動作の終了後に、再び起立機構30を逆動作
させてベッドの上部を再び平坦に復帰させる。
ところで、ボール57aの表面に若干でも排便等が付着
すると、浮遊するボール57aの重力バランス及び先の便
器本体51a下部からの流下水により、排便等の付着部は
水中側に位置する。また、水よりも比重の軽い排便が仮
にボール57aに付着しても、排便の付着部はパッキング5
7bの下側に常に位置することとなる。よって、下側開口
51aから便器本体57の上部側に露出するボール57aの上面
には、常に浄化されたボール57aの曲面が露出すること
となる。また、ボール57aに付着した排便等は、防臭弁5
7が閉じられて臭気の漏れを防いだ状態で貯水Wに浸漬
されて十分に吸水・軟化し、次回の水洗時にはより洗浄
され易いものとなる。
次いで、本発明のさらに他の実施の可能性について説
明する。
上記実施状態では、便器50における貯水槽52の水位を
下降させるための排水制御手段は、貯水槽の上下方向中
間部に連通する第一排水管66a、貯水槽の下部に連通す
る第二排水管67a及び第一、第二排水バルブ66b,67bによ
り構成した。しかし、図10に示す第二実施形態の如く、
排水制御手段を、先の貯水槽の下部に連通する第二排水
管67a及び第二排水バルブ67bと、貯水槽の上下方向中間
部に設けた排水水位センサ59aとにより構成してもよ
い。すなわち、先の水位センサ59と同様の排水水位セン
サ59aにより貯水Wの水面を検知した時点で第二排水バ
ルブ67bを一旦閉じ、防臭弁57を開弁しつつ貯水W内で
のボール57aの浮遊による回転を確保できる。
図11,12に示す第三実施形態では、台座80及び通気部9
0の形状、落下検知センサ54a及び洗浄装置45の形状及び
配置等が上記第一実施形態と異なる。便座40を載置する
台座80は、断面視でフランジの短いチャンネル状の鋼材
を方形に組み合わせてなる。その下部に円形の上側開孔
81aを有する開孔円盤81を設け、さらにこの開孔円盤81
の外周及び給水環56の外周の間に密閉部材82設けてこれ
らの間を密閉してある。
この実施形態において、台座81の下面で上側開孔81a
の左右に落下検知センサ54aの発光部54bと受光部54cと
を複数個それぞれ対面させて配置することで、発光部54
bから受光部54cに至る複数の光路Bを、ベッドの長手方
向に直交するベッド横方向に配向した状態で、便器50の
開口部全体に対して横切らせてある。発光部54b及び受
光部54cはそれぞれ発光側信号線54b′,受光側信号線54
c′を有している。これら信号線の幅の分だけ隣り合う
発光部54bどうし又は受光部54bどうしをずらせて、複数
の発光部54b又は受光部54cを光路Bに対して斜め方向に
配列してある。さらに、発光部54bの列と受光部54cの列
とを便器50の中心軸について平面視でほぼ点対称に配置
することで、対向し合う発光部54b及び受光部54cの光路
Bの長さを落下検知センサ54aの列全体においてほぼ均
一化し、落下検知センサ54a列全体の感度を安定させて
いる。
洗浄装置45は先の実施形態と同様であるが、この洗浄
装置45を開孔円盤81の下側でベッドに横たわる患者の頭
側に設けている点が異なる。また、通気部90は、環状に
構成された先の実施形態とは異なり、患者の尻部に向け
て温風を一方から矢印Faの如く吹き出す温風部90aと、
密閉部材82内の臭気を一方向へ吸引する吸気部90bとを
備えたものである。温風部90aと吸気部90bとは境界90c
を介して隣り合っている。温風部90aには先の送風ブロ
ア62bと送風ヒーター62dを、また、吸気部90bには先の
吸気ブロア62cをそれぞれ内装又は接続してある。この
通気部90は開孔円盤81の下側でベッドに横たわる患者の
足側に設けてあり、一方向から尻部に集中的に温風を当
てることで、第一実施形態よりも乾燥効率を向上させて
いる。図面から理解されるように、これら洗浄装置45及
び通気部90は上述の光路Bと交差する方向に配向すると
共に落下検知センサ54aとほぼ同じ高さ位置に配置して
あり、これによって、便器50全体の高さを第一実施形態
よりも低く抑えてある。
密閉部材82は洗浄装置45,通気部90の収納部分のみ切
り欠かれ、密閉部材82内は外部と適度に隔離されてい
る。したがって、吸気部90bによる臭気の吸引と相まっ
て、便器50内の臭気は極めて外部に漏れにくい。また、
温風部90aと吸気部90bとを上側開孔81aの前後に跨らせ
るか吸気部90bを第一実施形態の如く環状に構成し、温
風部90aによる温風の吹き付け時に吸気部90bによる吸引
を同時に行うことで、温風の外部に対する漏れも防ぐこ
とができる。なお、空間上の制約がなければ、洗浄装置
45と通気部90とを同じ側に配置してもよい。
図13に示すように、本発明の第四実施形態は、上記第
三実施形態に係る便器50を車椅子200に設けたものであ
る。便座40の覆い43は車椅子200に腰掛ける患者Hに対
しても装着可能であり、患者Hの移動時においても上述
の処理が可能である。
上記各実施形態では、給水制御手段を、第二給水管64
a、給水バルブ64b及び水位センサ59により構成した。し
かし、水位センサ59を省略し、その代わりに給水時間を
計るタイマー手段や給水量を計量する水量計を設けて給
水制御手段を構成することも可能である。
上記各実施形態では、防臭弁57の弁体たる球体57aを
ステンレス製の中空ボールにより構成した。しかし、こ
の球体57aは、水より比重が軽く表面に付着した排便等
が落ち易い加工の施されたものであればよく、例えば、
発泡スチロール玉に金属を蒸着等して作成してもよい。
また、合成樹脂や金属性の中空球表面にテフロン樹脂加
工等の汚れを落ち易くする加工を施してもよい。発明者
の実験によれば、制作の容易性、耐久性、排便等の落ち
易さからステンレスの中空ボールが最適であった。
上記各実施形態では、洗浄水等により落下検知センサ
54a、洗浄装置45及び通気部55,90ができるだけ濡れない
ように、これらを便器本体51の「上側」に設けた。但
し、洗浄水対策が可能であれば、これら各構成要素を便
器本体51自身の「上部」に設けることも可能である。
産業上の利用可能性 以上のように、本発明にかかる水洗便器は、介護用ベ
ッドや車椅子に用いることができる。その他、本発明に
かかる水洗便器は、航空機や鉄道等の水洗便器として実
施することも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03D 11/10 E03D 11/02 A61G 7/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】便器本体(51)と、排水部(66a,67a)
    と、これら便器本体(51)及び排水部(66a,67a)を遮
    断する防臭弁(57)とを備えた水洗便器であって、前記
    便器本体(51)の下部に貯水槽(52)を設け、貯水槽
    (52)に浮かぶ球体(57a)と便器本体(51)の下側開
    口(51a)近傍に位置し且つ前記球体(57a)と密接可能
    な環状のパッキング(57b)とにより前記防臭弁(57)
    を構成し、前記貯水槽(52)の水位を下げて前記防臭弁
    (57)の開弁を行い得る排水制御手段(66a,67a,66b,67
    b,59a)と、前記貯水槽の水位を上げて前記防臭弁(5
    7)の閉弁を行い得る給水制御手段(64a,64b,59)とを
    備えた水洗便器。
  2. 【請求項2】前記便器本体(51)の上部から下部に向け
    て洗浄水を流す給水手段(56,63a,63b)を設け、前記防
    臭弁(57)の開弁時において前記便器本体(51)の下側
    開口(51a)から洗浄水が前記球体(57a)に流下する請
    求の範囲第1項に記載の水洗便器。
  3. 【請求項3】便器本体(51)の下側開口(51a)に水位
    が達するよりも前に前記球体(57a)とパッキング(57
    b)とが接当することを特徴とする請求の範囲第1項に
    記載の水洗便器。
  4. 【請求項4】通常時には温風を吹き出し、排便中には臭
    気を吸引する通気部(55,90)を便器本体(51)の上側
    又は上部に配置してある請求の範囲第1項に記載の水洗
    便器。
  5. 【請求項5】便器本体(51)の上側又は上部に排便の落
    下を検知するセンサ(54a)を配置し、このセンサ(54
    a)により排便の落下を検知するに伴って、前記排水制
    御手段(66a,67a,66b,67b,59a)により前記防臭弁(5
    7)の開弁を行い、前記給水手段(56,63a,63b)により
    洗浄水を流し、且つ、前記通気部(55,90)を介して臭
    気を吸引することを特徴とする請求の範囲第4項に記載
    の水洗便器。
  6. 【請求項6】発光部(54b)から受光部(54c)に至る光
    路(B)を遮ることで便器内の排便の落下を検知する光
    センサ(54a)を本体(51)の上側又は上部に配置し、
    このセンサ(54a)により排便の落下を検知するに伴っ
    て、前記排水制御手段(66a,67a,66b,67b,59a)への制
    御が始まることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の
    水洗便器。
  7. 【請求項7】使用する者の尻部に向けて一方向から少な
    くとも温風を吹き出す通気部(90)と前記尻部の洗浄装
    置(45)とを便器本体(51)の上側又は上部に設け、前
    記通気部(90)と洗浄装置(45)とを前記光路(B)に
    交差する方向に配向すると共に前記センサ(54a)とほ
    ぼ同じ高さ位置に配置したことを特徴とする請求の範囲
    第6項に記載の水洗便器。
  8. 【請求項8】前記排水制御手段(66a,67a,66b,67b)
    が、前記貯水槽(52)の高さ方向中間部に接続した第一
    排水管(66a)及び第一バルブ(66b)と、前記貯水槽
    (52)の底部に接続した第二排水管(67a)及び第二バ
    ルブ(67b)とを備え、第一バルブ(66b)の開弁後に第
    二バルブ(67b)を開弁することを特徴とする請求の範
    囲第1〜7項のいずれかに記載の水洗便器。
  9. 【請求項9】請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の
    水洗便器を有する介護用ベッド(2)と、この介護用ベ
    ッド(2)の下側に載置する浴槽(3)と、前記介護用
    ベッド(2)を横に移動させる移動手段(9)とを備え
    た介護用ベッド装置。
  10. 【請求項10】請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載
    の水洗便器を有する介護用ベッド(2)と、この介護用
    ベッド(2)の下側に載置する浴槽(3)と、前記介護
    用ベッド(2)を横に移動させる移動手段(9)と、患
    者を吊り上げ又は吊り下げるリフト(5)を備えた介護
    用ベッド装置。
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