JP3080123U - 人工肛門用パンツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 着用したまま人工肛門用パウチを着脱、出し
入れのできるパンツを提供する。 【解決手段】 パンツの前身頃４を縦の線で２つに分離
して分離縁５ａ、５ｂを形成し、２つの分離縁５ａ、５
ｂに係止具を設け、いずれか一方の分離縁の上縁１０数
ｃｍをの残して、パンツの上の開口縁に環状の弾性ベル
ト３を取付け、弾性ベルト３を取付けてない上縁にその
上縁よりも少し長い重ね片３ａを取付け、重ね片３ａの
内方の端部を弾性ベルト３に固定し、重ね縁３ａとそれ
に対応する弾性ベルト３に係止具を設け、重ね片３ａを
弾性ベルト３に重ねて係止し、その係止を解除して重ね
片３ａを弾性ベルトに固定した部分を軸として回動する
と、重ね片を取付けている前身頃４部分が裏返り、開口
を形成する。開口よりパウチを出し入れできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、着用しながら、人工肛門用パウチ（以下単にパウチという）を着 脱でき、かつ、着用しながら便を排泄できる人工肛門用パンツに関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

患者は、パウチを着用した上からパンツを着用している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

患者は尿道や肛門の機能を失い、便が不随意に排泄するので、度々パウチを取 り外して排泄した便を処分し、再びパウチを着用しなければならないが、その都 度パンツを脱がなければならず非常に面倒である。

【０００４】 この考案は、装着したパウチの上に着用したパンツを脱ぐことなく、パウチの 装着および取り外しが出来、更にパンツを脱ぐことなく便を排出できる人工肛門 用パンツを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

パンツの前身頃に、縦に、上縁から下方へ全長に亘るか、または、下方の途中 までの線で左右に分離して分離縁を形成し、 前記前身頃の上縁で、前記分離縁の左右いずれか一方の上縁から１０数ｃｍの 長さの上縁を残してその他の上縁に、環状の胴廻り用の弾性ベルトを取付け、 前記弾性ベルトに取付けてない前身頃の上縁に、その上縁よりも少々長い重ね 片を取付け、該重ね片の、前記分離縁側と反対側の端を前記環状の弾性ベルトに 取り付けて固定して回動可能とし、 前記重ね片に係止具を取付け、前記重ね片を前記弾性ベルトに重ねたときに、 前記重ね片の係止具に対応した係止具を前記弾性ベルトに取付けて、前記重ね片 と弾性ベルトとの係止およびその係止を外して重ね片を回動可能とし、前記２つ の分割縁に係止具を取付けて該分割縁の開閉を可能としてなり、 前記２つの分離縁の係止具の係止を解除し、前記重ね片と前記弾性ベルトとの 係止を解除して、前記重ね片を回動し、前記重ね片を取付けている前身頃の上縁 と、前記分離縁下部との間の前身頃の三角部分を折り返すことにより、前身頃に 三角形状の開口を形成し、その開口で人工肛門用パウチの挿入、脱着、取り出し を可能とする。

【０００６】 パンツの前身頃に、横幅１０数ｃｍで、縦は前身頃の下部付近に達する開口を 有し、 前記開口の下縁で回動して開口を開閉可能な開閉片を有し、 前記前身頃の上縁と前記開口の上縁に、胴廻り用の環状の弾性ベルトを取付け ， 前記開閉片の上縁に重ね片を取付け、 前記重ね片に係止具を取付け、重ね片を前記弾性ベルトに重ねたときに、重ね 片の係止具と対応する弾性ベルトの位置に、重ね片の係止具に対応する係止具を 設け、前記開閉片の両側縁と、それらに対向する前身頃の側縁に係止具を設け、 前記開閉片の両側縁の係止具と、それらる対向する前身頃の開口側縁の係止具 の係止、および、前記重ね片と弾性ベルトの係止を開放して、前記前身頃の開口 を開き、その開口で人工肛門用パウチの挿入、脱着、取り出しを可能とする。

【０００７】 前記いずれのパンツにおいても、パンツの背面と股間部とが、中央縦の連絡し た線で左右に２つに分離し、これら分離縁を打ち合わせば、これら分離縁を開い て大小便をすることを可能とすることができる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

パンツ１は、胴廻り開口２の縁部に、ゴム糸を織り込んだ布製の弾性のベルト （テープ）３をエンドレス、すなわち環状、に巡らせ、前身頃４の上縁で開口２ の縁より下方へ縦の線で左右に分離し、その分離両縁５ａ、５ｂに開閉用の係止 具を設けて開閉可能する。分離縁は、前身頃の中央または左右いずれか寄りのい ずれかに設ける。 上記係止具は、ファスナー、ホック、マジックテープ等公知のいずれの係止具 でもよい。図１においてはこの係止具としてファスナーを用いている。６はファ スナーのスライダーである。 係止具としてホックやマジックテープを用いる場合には、両分離縁５ａ、５ｂ を打ち合わせる構成とする。

【０００９】 前身頃４の上縁において、分離縁のいずれか一方の上端から反対方向へ前身頃 ４の上縁に、ベルト３と同じ幅の、１０数ｃｍの長さのベルト（テープ）片を、 分離された縁の端の反対側で少し、例えば約１ｃｍ残して、重ね片３ａを取付け 、前記残して取付けてない端部をベルト３に縫い付け等の方法で固定し、重ね片 ３ａにマジックテープ７または、ホック等の係止具を取付け、重ね片の固定位置 を軸として回動可能とする。 重ね片３ａを取付けた前身頃４の縁部はベルト３には縫い付け等固定しない。 そして、分離縁５ａ、５ｂを係止具で閉じたときに、重ね片３ａのマジックテ ープ７または、ホック等の係止具に対向するベルト３の箇所に、前記係止具に対 応するマジックテープ８または、ホック等の係止具を取付ける。

【００１０】 ２つの分離縁の係止具による分離縁５ａ、５ｂの係止を開放して、重ね片３ａ のマジックテープ７等係止具をベルト３のマジックテープ８等係止具との係止か ら解除し、重ね片３ａの係止具とそれに対応するベルト３の係止具の係止を解除 することにより、重ね片３ａに固定した前身頃４の上縁から分離縁５ａと５ｂの 下端の連結点またはその付近に至る前身頃の三角部分を折り返すことが出来、そ の折り返しによりパンツ前面に三角形状の開口９ができる。 重ね片３ａを１０数ｃｍにするのは、開口９の大きさをパウチの出し入れを可 能とする大きさにするためである。

【００１１】 パンツ１の背面は、、図２に示すとおり、、ベルト３の下縁より下方へ縦の線 で２つに分かれ、かつ、の縦の縁部１０ａと１０ｂとは打合せた、すなわち、重 なった状態である。そして図１のよび図２に表れているように、縁部１０ａと縁 部１０ｂとはパンツの股間部１１に連続し、股間部１１を左右に２つに別けてい る。 縁部１０ａと縁部１０ｂとは打ち合わされた状態とする。

【００１２】 このパンツ１は次のように使用する。 先ずパウチを装着し、その上からパンツ１を着用する。 パウチ内の便を処理したいときには、パンツ１を着用したまま、ファスナー等 による分離縁５ａと５ｂの係止を開放し、続いて重ね片３ａとベルト３との係止 を開放し、重ね片３ａを折り返すと、その下方の前身頃４の部分が折り返えり、 開口９が開く。開口９内に手を入れてパウチを外し、便を処理する。 便の処理が終わったらパウチを開口９から入れて装着し、重ね片３ａを元に戻 してベルト３に係止し、２つの分離縁５ａと５ｂとを係止具で係止し、開口９を 閉じる。

【００１３】 膀胱ガンを手術した人は小便用の人工肛門であり、大腸ガンを手術した人は大 便用の人工肛門である。 図１および図２に示すパンツ１は、男女を問わず、上記どちらの人工肛門であ っても、着用したまま縁部１０ａと１０ｂとを開いて大便または小便をすること ができる。

【００１４】 図３、図４に示すパンツ１２は、背面および股間部１１に縁部１０ａと１０ｂ とを設けておらないもので、その他の構成はパンツ１と同じである。

【００１５】 このパンツ１２を着用してパウチの装着・取り外しの要領は、パンツ１につい て説明した要領と同じである。 ただし、このパンツ１２は、男性用であって、男性が大便用の人工肛門の場合 には、小便は係止具の係止を解除して前身頃の部分を開き、用を足せばよく，小 便用の人工肛門の場合には、大便はパンツ１２を脱がなければならない。

【００１６】 図５に示すパンツ１３は、男性用のものであって、右きき、または左ききのい ずれの人でも使用に便利なパンツである。

【００１７】 パンツ１３は、先の実施の形態のパンツと同様に、胴廻りの開口縁にベルト３ を取り付ける。そして前身頃４の上縁中央より右寄りおよび左寄りに、幅１０数 ｃｍで下方へ、前身頃４の下端または下部まで、縦の線で平行に分離し、そのそ れぞれの縦の縁にファスナー１４または、ホック、マジックテープ等の係止具を 取付ける。 ２つの分離縁の間には開口１５が形成され、この２つの分離縁間の前身頃の部 分は開口１５の下縁を軸として回動し、開口１５の開閉片４ａを形成する。 開口１５の幅を１０数ｃｍにするのは、パウチの出し入れを可能な幅とするた めである。 開口は、前身頃の中央部または左右いずれか寄りのいずれに設けてもよい。 そして開閉片４ａの上縁はベルト３には固定せず、ベルト３と同じ幅で、開閉 縁４ａの上縁と同じ長さの重ね片３ｂを縫い付ける。重ね片３ｂの裏面にマジッ クテープ７等係止具を、分離縁と開口側縁のファスナー１４等係止具を閉じて重 ね片３ｂをベルト３に重ねたときに、マジックテープ７等係止具が対応するベル ト３の位置にマジックテープ８等係止具を取付け、マジックテープ７と８等係止 具の係止およびその開放で、重ね片３ｂがベルト３に着脱できるようにする。 このパンツ１３の背面および股間部は分離していないが、先の実施例のバンツ のように、背面および股間部を分離して開けるようにしてもよい。

【００１８】 このパンツ１３は次のとおり使用する。 先ずパウチを装着し、その上からパンツ１３を着用する。 パウチ内の便を処理したいときには、パンツ１３を着用したまま、右きき、ま たは、左ききに対応して、左右いずれかのファスナー１４等係止具または双方の ファスナー等係止具の係止を解除し、続いて重ね片３ｂとベルト３との係止を解 除して重ね片３ｂを持って開閉片４ａを折り返すと、開閉片４ａが折り返えり、 開口１５が開く。開口１５内に手をいれてパウチを外し、便を処理する。 便の処理が終わったらパウチを開口１５から入れて装着し、重ね片３ｂを元に 戻してベルト３に係止し、フアスナー１４等係止具を係止して開口１５を閉じる 。 背面および股間部を左右に分離して分離した縁部を設けたパンツの場合は、そ の分離した縁部を開いて用をたす。

【００１９】 図６および図７に示すパンツ１６は、胴廻りにベルト３を取付け、前身頃４に 、パウチを出し入れし着脱できる開口１７を設ける。開口１７は中央でもよく、 また左右いずれかに少々偏ってもよい。 開口１７を中央に設ければパンツの美的印象をよくする。

【００２０】 開口１７を覆う大きさの開閉片１８の下縁部を、開口１７の下縁部すなわち股 間部１１の上縁付近に縫着、接着等の方法で固定し、開閉片１７の裏面上縁に雌 雄いずれかのマジックテープ７を取付け、開口１７の上縁のベルト３の表面に、 マジックテープ７と雌雄反対のマジックテープ８を取付け、２つのマジックテー プ７と８とを係止して、開閉片１８で開口１７を閉じ、２つのマジックテープ７ と８との係止を外して開口１７を開くことを可能とする。 マジックテープ７、８の代わりにホック、ボタン等の係止具を用いてもよい。

【００２１】 開閉片１８の両側縁および開口の両側縁にファスナー、ボタン、ホック、マジ ックテープ等の係止具を取付けてもよい。ボタン、ホック、マジックテープを取 付けに場合には、開閉片１８の両側縁および開口の両側縁を打合せにする。

【００２２】 開口１７の両側縁部表面と開閉片１８の両側縁部裏面とに互いに雌雄反対のマ ジックテープを取付け、それらの係止およびその開放を可能としてもよい。 なお、このマジックテープの代わりにホック、ボタン等の係止具を用いてもよ い。

【００２３】 パンツ１６の背面は、図１および図２に示すパンツ１と同様に、左右に２つに 分かれており、更にそれらの下部は股間部１１に連結して股間部を左右に２つに 分ける。 前記２つに分かれた縁部１０ａと１０ｂとは打合されており、パンツ １６の背面および股間部１１で開くことが可能である。これによりパンツ１６を 着用したまま大小便をすることが出来る。 このパンツは男女いずれも使用できる。

【００２４】 人工肛門用パンツと言うものは、患者が抱いている悲しい、暗い感じを増幅す るものであるので、それを和らげ明るくするために、パンツ１６の開閉片１８や ベルト３や開閉片１８をレース生地で覆ったり、色彩模様の生地で形成するのが 好ましい。またその開閉片１８の両縁や、脚部用の孔の縁部に一般の、またはレ ース状の生地によるフリルを設けるのが好ましい。

【００２５】 パンツ１６の使用方法は次のとおりである。 先ずパウチを装着した後に、その上からパンツ１６を着用する。 便を処理したい時には、パンツ１６を着用したまま開閉片１８を開いてパウチ を開口１７から取り出し、便を処理する。便の処理を終えたら、パウチを開口１ ７から入れて装着し、開閉片１８を閉じる。

【００２６】 大小便をする場合には、股間部１１および背面の２つに分かれた縁部１０ａと １０ｂとを開いて用を足すことが出来る。

【００２７】 人工肛門用パンツは、大小便で濡れやすいので、パンツや開閉片を撥水能力の ある生地で形成するのが好ましい。

【００２８】

【考案の効果】

この考案に係るパンツは、着用したまま前身頃の一部または開閉片で開口を開 閉して、パウチを着脱でき、また、着用したまま大便または小便をすることがで きる。 前身頃の分離縁、開閉片、ベルト、重ね片およびその縁部や脚部用の孔の縁部 を色物、柄物の生地やレース生地で装飾すれば、人工肛門用のパンツの暗い悲し いイメージを和らげることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パンツの正面図である。

【図２】パンツの背面図である。

【図３】第２の実施の形態のパンツの正面図である。

【図４】第２の実施の形態のパンツの背面図である。

【図５】第３の実施の形態のパンツの正面図である。

【図６】第４の実施の形態のパンツの正面図である。

【図７】第４の実施の形態のパンツの背面図である。

【符号の説明】

１ パンツ ２ 開口 ３ ベルト ３ａ 重ね片 ４ 前身頃 ５ａ、５ｂ 分離縁 ６ スライダー ７、８ マジックテープ ９ 開口 １０ａ、１０ｂ 縁部 １１ 股間部 １２ パンツ １３ パンツ １４ ファスナー １５ 開口 １６ パンツ １７ 開口 １８ 開閉片

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パンツの前身頃に、縦に、上縁から下方
   へ全長に亘るか、または、下方の途中までの線で左右に
   分離して分離縁を形成し、 前記前身頃の上縁で、前記分離縁の左右いずれか一方の
   上縁から１０数ｃｍの長さの上縁を残してその他の上縁
   に、環状の胴廻り用の弾性ベルトを取付け、 前記弾性ベルトに取付けてない前身頃の上縁に、その上
   縁よりも少々長い重ね片を取付け、該重ね片の、前記分
   離縁側と反対側の端を前記環状の弾性ベルトに取り付け
   て固定して回動可能とし、 前記重ね片に係止具を取付け、前記重ね片を前記弾性ベ
   ルトに重ねたときに、前記重ね片の係止具に対応した係
   止具を前記弾性ベルトに取付けて、前記重ね片と弾性ベ
   ルトとの係止およびその係止を外して重ね片を回動可能
   とし、前記２つの分割縁に係止具を取付けて該分割縁の
   開閉を可能としてなり、 前記２つの分離縁の係止具の係止を解除し、前記重ね片
   と前記弾性ベルトとの係止を解除して、前記重ね片を回
   動し、前記重ね片を取付けている前身頃の上縁と、前記
   分離縁下部との間の前身頃の三角部分を折り返すことに
   より、前身頃に三角形状の開口を形成し、その開口で人
   工肛門用パウチの挿入、脱着、取り出しを可能とする人
   工肛門用パンツ。
2. 【請求項２】 パンツの前身頃に、横幅１０数ｃｍで、
   縦は前身頃の下部付近に達する開口を有し、 前記開口の下縁で回動して開口を開閉可能な開閉片を有
   し、 前記前身頃の上縁と前記開口の上縁に、胴廻り用の環状
   の弾性ベルトを取付け，前記開閉片の上縁に重ね片を取
   付け、 前記重ね片に係止具を取付け、重ね片を前記弾性ベルト
   に重ねたときに、重ね片の係止具と対応する弾性ベルト
   の位置に、重ね片の係止具に対応する係止具を設け、前
   記開閉片の両側縁と、それらに対向する前身頃の側縁に
   係止具を設け、 前記開閉片の両側縁の係止具と、それらる対向する前身
   頃の開口側縁の係止具の係止、および、前記重ね片と弾
   性ベルトの係止を開放して、前記前身頃の開口を開き、
   その開口で人工肛門用パウチの挿入、脱着、取り出しを
   可能とする人工肛門用パンツ。
3. 【請求項３】 パンツの背面と股間部とが、中央縦の連
   絡した線で左右に２つに分離し、これら分離縁が打ち合
   わされれてなり、これら分離縁を開いて大小便をするこ
   とを可能とすることを特徴とする請求項１または２に記
   載の人工肛門用パンツ。