JP3076741B2 - 厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物およびそれを用いた厚膜導電性回路の製造方法 - Google Patents

厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物およびそれを用いた厚膜導電性回路の製造方法

Info

Publication number
JP3076741B2
JP3076741B2 JP07200969A JP20096995A JP3076741B2 JP 3076741 B2 JP3076741 B2 JP 3076741B2 JP 07200969 A JP07200969 A JP 07200969A JP 20096995 A JP20096995 A JP 20096995A JP 3076741 B2 JP3076741 B2 JP 3076741B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
photosensitive resin
film
conductive circuit
thick
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07200969A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08234427A (ja
Inventor
耕造 吉田
展男 中崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP07200969A priority Critical patent/JP3076741B2/ja
Publication of JPH08234427A publication Critical patent/JPH08234427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3076741B2 publication Critical patent/JP3076741B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昨今ますます小型
化、多機能化していく電子部品もしくは回路部品分野
で、超小型、かつ、高性能な小型モーター用コイル、あ
るいはコンパクトディスクに見られるデータの読みとり
部品である光ピックアップといった部品の製造、LSI
の細密な引き回し部分を含む回路基板、更には、ますま
す高精細化していく表示素子等の接続用回路部品の製造
に適した、厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物およびそ
れを用いた厚膜導電性回路の製造方法に関するものであ
る。特に最小配線ピッチが100μm未満の部分を含ん
だ高密度、かつ低抵抗な異ピッチ接続配線部品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ますます高性能化していくLSI(大規
模集積回路)等は、高性能化の要求とともにますますピ
ン数が増加し、また、そのピンのピッチもますます狭く
なっている。また、液晶ディスプレイにみられるよう
に、ますます高精細化の要求が高まる中、表示走査線の
本数が増加し、同時に配線間隔も極めて狭くなり、表示
を制御するICの実装が困難となってきている。
【0003】この様な技術趨勢の中、回路配線間隔の大
きく異なる部品同士、例えば、狭いピッチのピンを有す
るIC、LSI等とマザーボード(製法上回路配線間隔
が大きい)を接続する高密度かつ低抵抗な異ピッチ接続
配線部品の要求が高まっている。尚、この様な部品に対
し『インターポーザ』と定義する文献もあるが、(日経
エレクトロニクス1995.1.16(No.626)
79〜86頁)本発明ではこれを異ピッチ接続配線部品
という。
【0004】異ピッチ接続配線部品の要求性能などは、
例えば第六回マイクロエレクトロニクスシンポジウム頁
43〜46に記載されているように、CPUを高速動作
クロック数で作動させるとき、配線抵抗の増加に伴い信
号パルスの減衰が見られるとの報告がある。更に、高精
細液晶表示素子の制御用ICと液晶基板との接続の配線
抵抗が大きくなると、S/N比の低下が見られ画像が不
安定になると言われている。その結果、異ピッチ接続配
線部品には、低抵抗回路配線で配線ピッチが小さいこと
が要求される。従って、回路配線は、その断面積が大き
い、すなわち、導体高さが高いことが要求される。
【0005】またプリント基板等に見られる様に、従
来、導電性回路を形成する方法には、次の三法が挙げら
れる。すなわち、導電性基板上に形成された感光性樹脂
組成物の硬化樹脂像(以下、本発明では樹脂画像と呼称
する)を保護膜としてエッチング等により所望の回路を
形成していくサブトラクティブ法(エッチング法とも呼
称されている)、また絶縁基板上に樹脂画像を形成し、
無電解銅メッキなどを行い導体回路を形成していくアデ
ィティブ法、および両者の中間的な方法であるセミアデ
ィティブ法が挙げられる。
【0006】前述した方法のうち現在ではサブトラクテ
ィブ法が主流をなしているものの、部品自体の小型化、
回路の高密度化の要求が高まっている技術趨勢の中で、
配線ピッチが50μm以下の回路を形成するには技術的
な限界に来ている。たとえ技術的に形成できたとして
も、回路としての信頼性の低下、あるいは、電気的特
性、特に抵抗値が大きくなり、回路もしくは部品として
の機能を満足に発揮出来得ていないのが実状である。さ
らに、製造することが出来ても工程が極めて複雑であっ
たりして、産業上の利用価値を低下させている。
【0007】他の高密度かつ低抵抗回路配線の作成法と
して、例えば、特開昭52−137666号公報、特開
昭57−162489号公報にはレジストパターンに厚
膜ペースト材料を充填する方法、特開昭55−4172
9号公報には厚膜ペーストとポジ型レジストを混合し、
露光・現像する方法が開示されている。特開昭59−1
98792号公報には導電性基板をベースとして、レジ
スト積層・露光を繰り返した後、現像、電気メッキによ
る厚膜パターン導体の製造方法が開示されている。
【0008】また特開昭56−94690号公報、特開
昭60−161605号公報には導電性基板とフォトリ
ソグラフィーを組み合わせ、異方性電解メッキによるフ
ァインパターン回路の成形方法が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銅張り
基板、フォトリソグラフィーおよびエッチングを組み合
わせる方法で得られる回路配線導体は、銅箔のエッチン
グ時におけるサイドエッチ現象を抑制することが極めて
困難な為、配線の高密度化、低抵抗化を妨げている。さ
らに、導体高さが大きくなるにつれて、この現象が顕著
になるため、通常使用されている銅張り基板の銅箔の厚
みは18〜35μm程度ではあるが、配線密度が10本
/mm程度、つまり配線ピッチが100μm程度以下に
なると十分に低抵抗にはできず、また技術的にも配線ピ
ッチ50μm程度が限界である。
【0010】また高密度かつ低抵抗回路配線の作成法で
得られる厚膜パターン導体は、ペーストの焼成時に導電
体内に気孔が生じ、その結果、導体抵抗の増大による回
路特性の悪化が起こる。特開昭59−198792号公
報では比較的アスペクト比の高いレジストパターンが得
られることが予想されるが、工程が複雑であり、積層・
露光時の位置ズレによる欠陥の導入、レジスト形状不良
が起こり、それにともなう回路の短絡等、問題が多い。
さらに特開昭56−94690号公報、特開昭60−1
61605号公報の方法では、導体設計をメッキスター
ト幅でコントロールしており、かつ、導体形状が球形で
あるため、導体の幅に対して厚みを高くすることができ
ず、高密度・低抵抗回路配線が得られない。
【0011】これらいずれの方法においても、導体配線
密度20本/mm以上、つまり配線ピッチ50μm以下
で、導体アスペクト比1.0以上である回路配線導体は
実用的に得られていない。そこで、本発明は高いアスペ
クト比の導体と小さい導体間距離の回路を形成すること
により、高密度でかつ低抵抗な異ピッチ接続配線部品を
得ること、さらに比較的簡便で安価に、かつ工業的生産
性が高く、安定した製品の製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決ための手段】本発明者らは、こうした技術
動向を踏まえ、鋭意検討を重ねた結果、膜厚20〜40
0μm、光の波長300〜420μmで用いられる感光
性樹脂組成物において、エチレン性不飽和基を有し、分
子量が1200〜25000ポリエステルプレポリマ
ーと、1分子中に少なくとも1つのアクリロイル基もし
くはメタクリロイル基をもつ重合性単量体を少なくとも
1種と、前記波長での光吸収極大におけるモル吸収係数
が5〜1000リットル/mol・cmの光重合開始剤
0.5〜5重量%と、光吸収剤を0.01〜1重量%
とを含み、光透過率が20〜60%であることを特徴と
する厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物を見出した。ま
た、該厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物を導電性基板
上に塗布し、露光、現像して厚膜樹脂像を形成した後、
導電性基板上に厚膜メッキを施し、導電性基板を除去す
ることを特徴とする厚膜導電性回路の製造方法を見い出
すに至った。さらに導電性基板が銅、またはアルミニウ
ムであることが好ましい。
【0013】本発明において、エチレン性不飽和結合を
有するオリゴマーまたはプレポリマーが、アルキルジオ
ールまたは、分子内に5個以下のエーテル結合を有する
ジオールのいずれかのアルコール成分、あるいはこれら
の混合物からなるアルコール成分と、エチレン性不飽和
結合を有するジカルボン酸単独もしくはエチレン性不飽
和結合を有しないジカルボン酸とエチレン性不飽和結合
を有するジカルボン酸との混合物とからなる酸成分との
縮重合により得られる不飽和ポリエステルである場合に
特に好ましい画像が得られる。また、分子量が500未
満の場合、感光性樹脂組成物としての感度が低下しすぎ
使用に耐えないし、さらに、50000を越えると高エ
ネルギー線を照射した後の現像性が著しく低下し、高解
像力は得られない。さらに、導電性回路用組成物とし
て、感度、解像度の点から、1200〜25000の分
子量が好ましい範囲である。
【0014】本発明の感光性樹脂組成物として用いうる
オリゴマーまたはプレポリマーとして、不飽和ポリエス
テル、不飽和ポリウレタン、オリゴエステルアクリレー
ト類もしくはオリゴエステルメタクリレート類、不飽和
ポリアミド類、不飽和ポリイミド類、不飽和ポリエーテ
ル類、不飽和ポリアクリレート類もしくは不飽和ポリメ
タクリレート類及びこれらの各種変性体、混合物、炭素
−炭素二重結合を有する化合物を例示することが出来
る。これらの内、画像の高さと幅の比(以下、アスペク
ト比と呼称する)の大きい画像を得る場合の好ましい例
として、不飽和ポリエステル類、もしくは、不飽和ポリ
ウレタン類が挙げられる。
【0015】不飽和ポリエステル類として、例えばマレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸のような不飽和二塩基酸
類またはその酸無水物とエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリトリトール、末端水酸基を有する1、4−ポリブ
タジエン、水添もしくは非水添1、2−ポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体等の多価アルコールとを反応させ
たポリエステル類、又、前記酸成分の一部を飽和多塩基
酸に置き換えたポリエステル類、あるいは、乾性油脂酸
または半乾性油脂酸で変性したポリエステル類などが挙
げられる。
【0016】不飽和ポリウレタン類としては、例えば前
記した多価アルコール類やポリエステルポリオール類、
ポリエーテルポリオール類等のポリオール類、末端水酸
基を有する1、4−ポリブタジエン、水添もしくは非水
添1、2−ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重
合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等と、ト
ルレンジイソシアネート、ジフェニルメタン、4、4’
−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
などのポリイソシアネート類から誘導されたポリウレタ
ン類の末端イソシアネート基、あるいは水酸基の反応性
を利用して不飽和基を導入した化合物が挙げられる。す
なわち、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の活性水
素を有する化合物とイソシアネート類との反応により不
飽和基を導入したり、カルボキシル基と水酸基との反応
により不飽和基を導入したり、または、前記の不飽和ポ
リエステル類をポリイソシアネート類で連結した化合物
などである。
【0017】特に好ましい例として、アルキルジオール
類と分子内に5個以下のエーテル結合を有するジオール
類との混合物からなるアルコール成分と、エチレン性不
飽和結合を有するジカルボン酸類単独もしくはエチレン
性不飽和結合を有しないジカルボン酸とエチレン性不飽
和結合を有するジカルボン酸類との混合物からなる酸成
分との縮重合により得られる、分子量500〜5000
0の不飽和ポリエステル類である。
【0018】1分子中に少なくとも1つのアクリロイル
基もしくはメタクリロイル基をもつ重合性単量体として
は公知の種々の化合物を用いることが出来るが、好まし
い例を挙げればポリエチレングリコールのモノまたはジ
アクリレートおよびメタクリレート、プロピレングリコ
ールのモノまたはジアクリレートおよびメタクリレー
ト、シクロヘキサンジアクリレートおよびメタクリレー
ト、ビスフェノールAのモノまたはジアクリレートおよ
びメタクリレート、イソボルニルアクリレートおよびメ
タクリレート、アクリルアミドおよびその誘導体、メタ
クリルアミドおよびその誘導体、トリメチロールプロパ
ントリアクリレートおよびメタクリレート、グリセロー
ルのジまたはトリアクリレートおよびメタクリレート、
ペンタエリスリトールのジ、トリ、またはテトラアクリ
レートおよびメタクリレート、およびこれら化合物のエ
チレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物な
どの化合物を挙げることが出来る。
【0019】なお、単量体は液体クロマトグラフまたは
ガスクロマトグラフで検出することができる。本発明で
用いる光重合開始剤は波長が300〜420nmの範囲
での光吸収極大におけるモル吸光係数が5〜1000リ
ットル/mol・cmが好ましい。すなわち、モル吸光
係数が1000リットル/mol・cmをこえる光重合
開始剤を用いた場合、20〜400μmの厚膜の光重合
組成物の内部まで光が到達せず、十分に硬化させること
が出来ない。また、露光時間を増加させると硬化しては
ならない部分まで硬化してしまい、メッキで導体を形成
することができない。
【0020】一方、モル吸光係数が5リットル/mol
・cm未満の光重合開始剤では感光性樹脂組成物の感度
が低すぎて実用にたえない。なお、モル吸光係数、光透
過率の測定は、通常の分光光度計により測定することが
できる。このような光重合開始剤の例としてはベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインプ
ロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベン
ゾインブチルエーテル、2,2−ジヒドロキシ−2−フ
ェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、などを挙げることが出来る。
【0021】本発明における光吸収剤は波長が300〜
420nmの間に吸収を持ち、感光性樹脂組成物に均一
に溶解もしくは分散することの出来るものであれば色
素、紫外線吸収剤等、何でもよい。この光吸収剤は露光
系の散乱や反射による光の回り込みを効率よく吸収し、
本来硬化してはならない部分の感光性樹脂組成物が現像
用液体によって除去できないほどに硬化するのを防ぐ効
果がある。
【0022】本発明では光重合開始剤と光吸収剤の組み
合わせによって感光性樹脂組成物の光透過率を制御する
ことが重要で、膜厚20〜400μm、光の波長300
〜420nmで用いられる場合、前記波長での光吸収極
大におけるモル吸光係数が5〜1000リットル/mo
l・cmの光重合開始剤を0.1〜10重量%含み、光
透過率が15〜75%になるように光吸収剤を0.01
〜1重量%の範囲で含むときに未露光部の感光性樹脂組
成物の硬化を防ぐことができるため、例えば膜厚が10
0μmという厚膜でも解像ピッチ50μm以下といった
高解像度を発揮でき、なおかつ未露光部の現像性をも向
上できるので導電性基板上にメッキ等で導体を形成した
ときに断線したり、導体が細くなったりすることが極め
て少なく、信頼性の高い低抵抗の厚膜導体を形成でき
る。さらに好ましい範囲を挙げれば、感光性樹脂組成物
の光重合開始剤は0.5〜5重量%の範囲、光透過率は
20〜60%の範囲である。即ち、露光時間と取り扱い
易さの観点で感光性樹脂組成物の紫外線に対する感度が
実用上、より好ましい範囲となる。
【0023】次いで、感光性樹脂組成物を用いた厚膜導
体形成方法について述べる。すなわち、導電性基板上
に、本発明の厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物を、2
0〜400μmの厚さに塗布し、高エネルギー線により
画像形成露光を施し、次いで、該感光性樹脂組成物の未
露光部分を現像用液体で溶解もしくは分散除去して導電
性基板上に所望の画像を形成した後、メッキ法により導
体を形成し、しかる後、導電性基板を除去することによ
って達成される。
【0024】高エネルギー線源は平行光光源であること
が好ましい。平行光光源を用いた場合、樹脂画像パター
ン断面が矩形を呈し、よりアスペクト比の高いパターン
が得られる。導電性基板を除去する方法としては、例え
ば酸、アルカリ、塩の水溶液等でエッチングする方法、
研磨で削り取る方法、機械的に剥離する方法、あるいは
これらを組み合わせる方法等が選択できる。
【0025】感光性樹脂組成物の塗布厚みは20〜40
0μmの範囲で、電子部品、精密回路基板の必要導体厚
みによって決定される。また、導電性基板に特に制限は
ないが、アルミニウム、銅等の基板が好適に用いられ
る。必要に応じて、例えば導電性基板と感光性樹脂組成
物あるいはメッキ皮膜との密着力を向上させるために、
導電性基板に物理的、化学的な表面処理を施してもよ
い。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例により詳細
に説明する。なお、本発明は実施例により制限されるも
のではない。
【0027】
【実施例1】ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、アジピン酸、フマル酸、イソフタル酸をモル比で
0.4/0.1/0.2/0.15/0.15の割合で
窒素雰囲気中、反応温度200℃、反応時間4時間、減
圧下で重縮合させて数平均分子量が1500の不飽和ポ
リエステルプレポリマーを作製した。
【0028】このプレポリマー100重量部にテトラエ
チレングリコールジメタクリレート12部、ジエチレン
グリコールジメタクリレート5部、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート8部、ペンタエリスリトールトリメタ
クリレート15部、リン酸モノ(メタクリロイルオキシ
エチル)5部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン2部、4−ターシャリー
ブチルカテコール0.05部、光吸収剤として日本化薬
(株)製カヤセットレッドA−2G0.15部を加えて
よく撹拌混合し、感光性樹脂組成物を得た。
【0029】2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノンのエタノール中におけるモル吸光係数は181
リットル/mol・cm(336nm)であった。ま
た、この感光性樹脂組成物の100μm膜厚における、
光透過率は24%であった。次にこの感光性樹脂組成物
をアルミ板上に100μmの厚さに塗布し、25本/m
m(配線ピッチ40μm)の密度の配線パターンに対応
したフォトマスクを通して水銀ショートアークランプの
紫外線を照射し、未露光部を1%のほう酸ナトリウム水
溶液で除去し、樹脂画像を形成した。次いで樹脂画像を
形成したアルミ板に電解銅メッキを施し、アルミ板を1
0%塩酸でエッチング除去して配線密度25本/mm、
導体厚が100μmの厚膜導体配線板を得た。
【0030】
【比較例】実施例1における2,2−ジメトキシ−2−
フェニルアセトフェノン2部の代わりに2−メチルアン
トラキノン1部を用いた他は実施例1と同様にして感光
性樹脂組成物を作製した。2−メチルアントラキノンの
モル吸光係数は3800リットル/mol・cm(32
6nm)であり、この感光性樹脂組成物の100μm膜
厚における、光透過率は1.8%であった。
【0031】次にこの感光性樹脂組成物をアルミ板上に
100μmの厚さに塗布し、25本/mmの密度の配線
パターンに対応したフォトマスクを通して水銀ショート
アークランプの紫外線を照射し、未露光部を1%のほう
酸ナトリウム水溶液で除去したところ、光がアルミ板に
到達せず、樹脂画像がアルミ板に残らなかった。光がア
ルミ板に到達するように紫外線の照射時間を5倍にした
ところ、未露光部の樹脂も硬化してしまい、メッキで導
体を形成することはできなかった。
【0032】
【実施例2】東洋アルミニウム(株)製、厚み100μ
mのアルミニウム基板を上村工業(株)製AZ401処
理液を用いて30℃、80秒間の表面処理を行った。次
に、ジエチレングリコール、プロピレングリコールとア
ジピン酸、イタコン酸、フマル酸をそれぞれモル比で
0.45/0.05/0.20/0.15/0.15の
割合で重縮合させて得た数平均分子量が1700の不飽
和ポリエステル樹脂100部に、ペンタエリスリトール
トリメタクリレート15部、ジエチレングリコールジメ
タクリレート3部、テトラエチレングリコールジメタク
リレート7.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト3部、ジアセトンアクリルアミド1.5部、リン酸モ
ノ(メタクリロイルオキシエチル)3.6部、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル1部、4−ターシャリーブチルカ
テコール0.04部、光吸収剤としてオリヱント化学
(株)製OPLASイエロー130、0.014部を加
え、充分、撹拌・混合し、感光性樹脂組成物Aを得た。
【0033】また組成物Aのベンゾインイソブチルエー
テル1部の代わりに2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン2部を用い、オリエント化学(株)製O
PLASイエロー130の代わりにオリエント化学
(株)製オイルイエロー3G、0.05部を用いた他は
組成物Aと同様にして調製し感光性樹脂組成物Bを得
た。組成物Aの365nmにおける透過率を日立製作所
製U−3210型分光光度計で測定したところ、膜厚4
00μmで25%、膜厚100μmで71%であった。
同様に組成物Bの光透過率は膜厚50μmで26%、膜
厚20μmで59%であった。
【0034】調製した感光性レジストを上記処理したア
ルミニウム基板上に、旭化成工業(株)製SR−B装置
を用いて塗布した。この際、レジスト層がそれぞれ表1
の厚みになるようにスペーサーで調節した。所定のガラ
スマスクとオーク社製平行光方式光源を用いてマスク露
光・現像(ほう酸ソーダ1%溶液、40℃、吐出圧力
0.1kg/cm2 )を行い、アルミニウム基板上に幅
6〜40μmで、所定の高さの樹脂画像パターンを作製
した。
【0035】得られた樹脂画像パターンに、ハーショウ
村田社製ピロリン酸銅メッキ液を用いて、陰極の電流密
度3A/dm2 の条件で、表1に示す膜厚のメッキ銅皮
膜を析出させ、パターン導体を形成した。得られた基板
の表面に接着剤(セメダインEP008、EP170)
をスクリーン印刷し、ガラスエポキシ絶縁基板上に転写
・接着した後、アルミニウム基板を10%塩酸でエッチ
ング除去し、厚膜パターン導体を得た。
【0036】得られた基板を2cm角に切断し、エポキ
シ樹脂で硬化させた後、研磨機により断面を鏡面研磨し
パターン形状観察を行い、さらに、単位長さ当たりの抵
抗値を測定した結果を表1に示した。表1の結果から明
らかなように本発明で得られる厚膜パターン導体は、配
線ピッチ100μm未満の高密度配線が可能であり、さ
らに1cm当たりの抵抗値が極めて小さいことが分か
る。
【0037】
【実施例3】光吸収剤を表2に示すような各種類、濃度
で用いた他は実施例2の組成物Bと同様な方法で感光性
樹脂組成物を調製し、厚み80μmで365nmにおけ
る透過率を測定した。次に、実施例1と同様な方法で作
成した感光性樹脂、露光・現像装置を使用し、40μm
ピッチ(25本/mm配線)、高さ80μmのレジスト
パターンを作成し、ハーショウ村田社製ピロリン酸銅メ
ッキ液を用いて、陰極の電流密度3A/dm2 の条件
で、80μmのメッキ銅皮膜を析出させ、パターン導体
を形成した。
【0038】得られた基板の表面に接着剤(セメダイン
EP008、EP170)をスクリーン印刷し、ガラス
基板上に転写・接着した後、アルミニウム基板を10%
塩酸でエッチング除去し、厚膜パターン導体を得た。得
られた導体の形状、抵抗値を表3に示す。表3のなかで
試料No.5、6は本発明の実施例外であり、比較例で
ある。感光性樹脂組成物の透過率が75%以上である場
合、あるいは15%以下である場合は配線ピッチ50μ
m未満の高密度配線は極めて困難であることが分かる。
透過率が75%以上の場合、露光・現像時のカブリ現象
によりメッキ導体が部分的に析出せず、断線が起こりや
すい。また、透過率が15%以下の場合レジストの硬化
が不十分で現像時にレジストパターンが剥離したり、メ
ッキ時にメッキ銅がレジストと基板の間に潜り込んだり
して導体間の短絡が起こりやすい。
【0039】これに対し、試料No.7、8では配線ピ
ッチ50μm未満の高密度配線が可能であり、さらに単
位当たりの抵抗値も0.1Ω以下で極めて低抵抗であ
る。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は光重合開始
剤と光吸収剤の組み合わせで液状感光性レジストの透過
率を15〜75%にしたことにより、未露光部に回り込
む光を効率よく吸収できるため解像度が高く、未露光部
の樹脂残渣がきわめて少ないためにメッキ不良による断
線もきわめて少なく、配線密度が高い、しかも低抵抗な
厚膜導体回路、異ピッチ接続部品を製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/027 G03F 7/004 G03F 7/028 H05K 3/06 H05K 3/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜厚20〜400μm、光の波長300
    〜420μmで用いられる感光性樹脂組成物において、
    エチレン性不飽和基を有し、分子量が1200〜250
    00ポリエステルプレポリマーと、1分子中に少なく
    とも1つのアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を
    もつ重合性単量体を少なくとも1種と、前記波長での光
    吸収極大におけるモル吸収係数が5〜1000リットル
    /mol・cmの光重合開始剤を0.5〜5重量%と、
    光吸収剤を0.01〜1重量%とを含み、光透過率が
    0〜60%であることを特徴とする厚膜導電性回路用感
    光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の厚膜導電性回路用感光性
    樹脂組成物を導電性基板上に塗布し、露光、現像して厚
    膜樹脂画像を形成した後、導電性基板上に厚膜メッキを
    施し、導電性基板を除去することを特徴とする厚膜導電
    性回路の製造方法。
JP07200969A 1994-12-27 1995-08-07 厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物およびそれを用いた厚膜導電性回路の製造方法 Expired - Fee Related JP3076741B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07200969A JP3076741B2 (ja) 1994-12-27 1995-08-07 厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物およびそれを用いた厚膜導電性回路の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-325326 1994-12-27
JP32532694 1994-12-27
JP07200969A JP3076741B2 (ja) 1994-12-27 1995-08-07 厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物およびそれを用いた厚膜導電性回路の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08234427A JPH08234427A (ja) 1996-09-13
JP3076741B2 true JP3076741B2 (ja) 2000-08-14

Family

ID=26512495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07200969A Expired - Fee Related JP3076741B2 (ja) 1994-12-27 1995-08-07 厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物およびそれを用いた厚膜導電性回路の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3076741B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08234427A (ja) 1996-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0154390B2 (ja)
KR101207242B1 (ko) 감광성 수지 적층체
JP5221543B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びその積層体
KR100298999B1 (ko) 후막도체회로및그제조방법_
KR102444761B1 (ko) 감광성 수지 조성물, 해당 감광성 수지 조성물을 사용한 솔더 레지스트 필름, 플렉시블 프린트 배선판 및 화상 표시 장치
JP3076741B2 (ja) 厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物およびそれを用いた厚膜導電性回路の製造方法
JP3171427B2 (ja) 厚膜パターン導電体の製造方法
JP3076742B2 (ja) 厚膜導電性回路用感光性樹脂組成物およびそれを用いた厚膜導電性回路の形成方法
JPH04195043A (ja) 感光性組成物及びこれを用いたソルダレジストの形成された印刷配線板の製造法
JP3073358B2 (ja) 厚膜回路基板およびその製造方法
JPH0750473A (ja) ソルダーレジストパターン形成方法
JP2003057818A (ja) 厚膜導体回路用液状感光性樹脂組成物
GB2193730A (en) Production of printed circuit boards
JPS63261253A (ja) 感光性樹脂組成物
JP3256139B2 (ja) 厚膜導体回路用液状感光性樹脂組成物および厚膜導体回路の製造方法
JP2002303973A (ja) 厚膜導体回路用液状感光性樹脂組成物
JP2000067421A (ja) 磁気ヘッド用サスペンションの製造方法
JPS61264340A (ja) 感光性樹脂組成物
JPH06263832A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
JPH05341527A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント
JPH0513937A (ja) プリント配線板の製造方法
JPH11186718A (ja) ビルドアップ多層プリント配線板及びその製造方法並びに感光性樹脂組成物
TW390108B (en) A thick-film conductor circuit and manufactruing method thereof
JPH06161108A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント
JPS61132947A (ja) 感光性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000530

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080609

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 10

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 10

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees