JP3076321U - Ｃｄ収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケースを開いても中央に印刷されていない背
板の裏面が直接露出せずに、外観的にきれいな連続した
印刷面を見せることができ、且つ、印刷に余分なコスト
が掛からないように工夫したＣＤ収納ケースを提供す
る。 【解決手段】 背板３の両側に夫々折り線３Ａと４Ａ並
びに３Ｂと５Ａを介して左右の表紙１，２と左右の裏表
紙４，５を横長に連設し、これ等左右の表紙と裏表紙同
士を互いに接着して、一方の裏表紙５の面５ＴにＣＤ収
納トレイ１０を接着し、他方の裏表紙４の先端に延設し
た差込片６を、一方の表紙２と裏表紙５の先端口に開口
した隙間にスライド自在に差込む。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ＣＤ−ＲＯＭ等の情報記憶媒体（以下単にＣＤと言う）を収納する ＣＤ収納ケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のＣＤは、例えば特開昭５８−１５５８３号公報に記載されているように 、全体をプラスチックで造った開閉蓋付きのケース体をその収納ケースとして使 用していたが、最近では、ＣＤの内容等を説明した解説文や宣伝文、或は、装飾 用の写真や絵柄等を収納ケースに直接印刷するために、印刷可能な板紙で造った 台紙にプラスチックトレイを接着した構造の収納ケースが多く使用されている。

【０００３】 図６乃至図９は、上記板紙にプラスチックトレイを接着した従来の収納ケース の構成を説明したものであって、図６は板紙製の台紙を展開して示した斜視図で 、図中、１５は縦に細長く形成した背板、１１と１２はこの背板１５の左右両側 に折り線１５Ａ，１５Ｂ（スジ押し）を介して連設した左右の表紙、１３，１４ はこれ等各表紙１１，１２の一側に同じく折り線１６，１７を介して連設した左 右の裏表紙で、両裏表紙１３，１４の間には間隔１８が切欠形成されている。

【０００４】 以上の如く形成した台紙を用いて収納ケースを組立てるには、先ず左右の裏表 紙１３，１４を、図７に示すように各折り線１６，１７の部分で左右の表紙１１ ，１２の裏面側に折り重ねて貼り合せ、次いで、この貼り合せた一方の裏表紙１ ４の面１４Ｔにプラスチックトレイ２０を接着すると共に、図８の如く背板１５ を各折線１５Ａ，１５Ｂの部分で夫々内側に折り曲げることによって、他方の裏 表紙１３を内側に貼り合せた他方の表紙１１で上記プラスチックトレイ２０の上 面を覆うようにすれば、プラスチックトレイ２０に収めたＣＤ（図示省略）を保 護することができ、且つ、上記プラスチックトレイ２０の接着面１４Ｔを除く各 表紙１１，１２と背板１５の表面（図６では底面側）、及び、他方の裏表紙１３ の表面１３Ｔを夫々印刷面としたＣＤ収納ケースを組立てることができる仕組に 成っている。

【０００５】 尚、両裏表紙１３，１４の間に間隔１８を切欠形成したのは、図８の如く内側 に折り曲げる背板１５の部分を連続した表裏２枚の板紙で形成すると、内側と外 側の曲率が違って内側の背板にツッパリ現象が発生して、背板１５を図示の如く スムーズに折り曲げることができなくなるからであって、図示したＣＤ収納ケー スはこの様に背板１５を１枚に造ることによって、他方の表紙１１側を背板１５ の部分で自由に屈曲して開閉できるように構成されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、以上の如く構成した従来のＣＤ収納ケースは、図９の如くケースを 開いた場合に、内側の中央部分の背板１５が上述の理由から１枚の板紙で造られ ており、しかも、この板紙の裏面側、即ち、印刷面でない部分がケースの中央に 露出してしまい、加えて、印刷面がこの背板１５の裏面の部分で跡切れてしまう ため、外観的に美しさに欠ける問題があった。

【０００７】 尚、この背板１５の裏面にも印刷することは可能であるが、その場合は、表面 の印刷に加えて別途裏面側にも印刷する必要があるため、余分な印刷コストが掛 って製造コストが高くなってしまう問題があった。

【０００８】 従って本考案の技術的課題は、ケースを開いても中央に印刷されていない背板 の裏面が直接露出せずに、外観的にきれいな連続した印刷面を見せることができ 、且つ、印刷に余分なコストが掛からないように工夫したＣＤ収納ケースを提供 することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

（１） 上記の技術的課題を解決するために、本考案では前記請求項１に記載の 如く、全体を縦に細長く形成した背板の左右両側に、折り線を介して左右の表紙 を連設し、これ等左右の表紙の各先端側には折り線を介して左右の裏表紙を連設 し、一方の裏表紙を折り線の部分で一方の表紙の裏面側に折り重ねて、その先端 側を除く接合面同士を貼り合せ、且つ、この貼り合せた一方の裏表紙の面にＣＤ 収納トレイを接着すると共に、上記他方の裏表紙の先端側に差込片を延設し、こ の他方の裏表紙を上記折り線の部分で上記他方の表紙の裏面側に折り重ねて、上 記差込片を除く接合面同士を貼り合せ、前記貼り合せていない一方の裏表紙の先 端側と一方の表紙の間の隙間に、上記の差込片を進退作動自在に差込み、且つ、 これ等貼り合せた他方の表紙と他方の裏表紙を前記背板の折り線の部分で折り曲 げることによって、上記ＣＤ収納トレイの上面側を覆うように構成している。

【００１０】 （２） また、本考案では前記請求項２に記載の如く、前記他方の裏表紙とこれ に延設した前記差込片との間に、折り線を介して縦に細長く形成した内側の背板 を連設するように構成している。

【００１１】 （３） また、本考案では前記請求項３に記載の如く、夫々前記の各折り線を介 して一体に連設されている前記の背板と左右の表紙、並びに、左右の裏表紙，と 内側の背板と差込片を、一枚の素材を打抜いて構成すると共に、これ等連設され ている背板と左右の表紙と左右の裏表紙、及び、差込片と内側の背板の各表面を 、夫々印刷面とするように構成している。

【００１２】 （４） 更に本考案では前記請求項４に記載の如く、前記一方の裏表紙の面に接 着するＣＤ収納トレイを、該面に施した印刷が透視できるように透明な合成樹脂 材料を用いるように構成している。

【００１３】 上記（１）で述べた請求項１に係る手段によれば、左右の表紙の内側面に左右 の裏表紙を貼り合せると共に、貼り合せた一方の裏表紙の面にＣＤ収納トレイを 接着してこのＣＤ収納トレイの上面側を他方の表紙で覆うようにすれば、収納し たＣＤを保護することができるが、特に、他方の裏表紙の先端側に差込片を延設 し、この差込片を一方の裏表紙と一方の表紙の先端側に開口した隙間に進退作動 自在に差込んだ構成にした関係で、ケースを開いてもこの差込片が背板の裏面を カバーして直接露出させることがなく、しかも、この差込片の面は他方の裏表紙 の表面に連続しているため、外観的に美しいＣＤ収納ケースを提供することを可 能にする。

【００１４】 また、上記（２）で述べた請求項２に係る手段によれば、上記背板の裏面をカ バーする差込片も、連設した内側の背板の折り線部分で他方の裏表紙に対して自 由に屈曲作動（開閉作動）できるため、他方の表紙の開閉を上記差込片によって 影響されることなく、自由に開閉作動することを可能にする。

【００１５】 また、上記（３）で述べた請求項３に係る手段によれば、ＣＤ収納トレイを除 く台紙の全体を一枚の素材から打ち抜くことができるため、製造が簡単でコスト を安くすることができると共に、左右の表紙と裏表紙、背板並びに差込片の各表 面がいずれも台紙の同じ面に成っているので、１度に台紙の各面を印刷でき、而 かも、他方の裏表紙と差込片には連続した印刷面となるため、きれいに印刷され た外観的に美しいＣＤ収納ケースを比較的安いコストで提供することを可能にす る。

【００１６】 更に、上記（４）で述べた請求項４に係る手段によれば、透明な材料で造った ＣＤ収納トレイを透して、下側の裏表紙に印刷されている文字や写真、或は、絵 柄等を見ることができるため、印刷面積が広くて斬新なデザインのＣＤ収納ケー スを提供することを可能にする。

【００１７】

【考案の実施の形態】

以下に、上述した本考案に係るＣＤ収納ケースの実施の形態を図面と共に説明 すると、図１の（イ）図は本考案で用いる台紙ＣＫの構成を展開して示した斜視 図、（ロ）図はその折畳み状態を説明した斜視図であって、これ等の図面に於い て３は全体を縦に細長く形成した背板、１と２はこの背板３の左右両側に夫々折 り線３Ａ，３Ｂ（スジ押し）を介して連設した左右の表紙、４と５はこれ等左右 の表紙１，２の両側に夫々折り線４Ａ，５Ａ（スジ押し）を介して連設した左右 の裏表紙を示す。

【００１８】 また、７は上記左側の裏表紙４の一側に半切れ状の折り線７Ａを介して延設し た内側の背板、６はこの背板７の一側に同じく半切れ状の折り線７Ｂを介して延 設した差込片、６Ａはその差込み突片で、これ等背板３と左右の表紙１，２と左 右の裏表紙４，５、並びに、延設された内側の背板７と差込片６から成る台紙Ｃ Ｋは、一枚の板紙（素材）をプレス裁断することによって成形されるものであっ て、左側の裏表紙４は右側の裏表紙５よりも内側の背板７と差込片６を延設した 分、全体が横長に形成されており、また、上記の内側の背板７は中央の背板３よ りも若干横幅を狭く形成されていて、図１の（イ）図に於いて、上記各背板３と 左右の表紙１，２と左右の裏表紙４，５、並びに、内側の背板７と差込片６の全 ての底面が、台紙ＣＫの表面で、而かも、印刷面に成っている。

【００１９】 因みに、上記横長に形成した台紙ＣＫの実寸法は、全体の縦幅１２５ｍｍ、背 板３の横幅６．５ｍｍ、左右の各表紙１，２の横幅１４１ｍｍ、左側の裏表紙４ の横幅１４０．３ｍｍ、右側の裏表紙５の横幅１３７ｍｍ、延設された内側の背 板７の横幅５ｍｍ、差込み突片６Ａを含む差込片６の横幅１４．５ｍｍであるが 、これ等の寸法は実施の一例であることは勿論である。

【００２０】 次に、以上の如く構成した台紙ＣＫを用いて本考案に係るＣＤ収納ケースを組 立てる手順を説明すると、先ず、図１の（ロ）図の如く左右の表紙１，２の内側 面（裏面）に接着剤１Ｘ…，２Ｘ…を塗布し、これに左右の裏表紙４，５を折り 線４Ａ，５Ａの部分で内側に折って貼り合せる。

【００２１】 この時、右側の裏表紙５の先端部５Ｓは右側の表紙２側に貼り合せずに、図２ 乃至図５に示すように両者の間に若干の隙間５Ｋを開口形成し、また、上記左側 の裏表紙４に延設した内側の背板７の差込片６の部分も、上記左側の表紙１側に は貼り合せずに、先端の差込み突片６Ａを含む差込片６の先端側を、同じく図２ 乃至図５に示すように上記隙間５Ｋの内部に進退作動自在な状態（スライド自在 な状態）に差込む。

【００２２】 次に、上記貼り合せた右側の裏表紙５の表面５Ｔに、図２並びに図３に示すよ うに透明なプラスチック材で造ったＣＤ収納トレイ１０を接着し、且つ、背板３ の両側に形成した折り線３Ａ，３Ｂの部分を内側に折り曲げて、図５に示すよう に内側に裏表紙４を貼り合せた左側の表紙１でＣＤ収納トレイ１０の上面を覆え ば、ケース全体が閉じた状態に成ってこのトレイ１０に収めたＣＤ（図示省略） を収納及び保護することができる。

【００２３】 以上の如く組立てられた本考案のＣＤ収納ケースは、背板３の裏面部分が左側 の裏表紙４の先端に延設された内側の背板７と差込片６によって覆われているた め、ケースを開いた時に背板７の裏面が直接見えることがなく、また、これ等内 側の背板７と差込片６の各面は、左側の裏表紙４の表面に連続するいずれも印刷 面であるため、裏表紙４の印刷に連続する印刷を施すことができる。

【００２４】 更に本考案では、ＣＤ収納トレイ１０を透明な材料で造ってその下の面、即ち 、右側の裏表紙５の面５Ｔに施された印刷も見ることができるため、ケースの表 裏前面を印刷面として利用できると共に、上記の面５Ｔと左右の裏表紙４の面４ Ｔを、前述した内側の背板７と差込片６を介して切れ目の無い連続した印刷面と することができるため、ケースの表面側は元より、その内面側にも横長でワイド な印刷を連続的に施すことができる。

【００２５】 また、上記左側の裏表紙４に延設した内側の背板７及び差込片６は、いずれも 左側の表紙１の内側面や背板３の内側面に接着されておらず、且つ、差込片６の 先端側は右側の表紙２と裏表紙５の端面に開口されている隙間５Ｋにスライド自 在に差込まれた状態にあるため、左側の表紙１の開閉作動に当ってこの差込片６ がスライドしてツッパリを防止するため、上記表紙１の開閉作動をスムーズに行 うことができる。

【００２６】

【考案の効果】

以上述べた次第で、本考案に係るＣＤ収納ケースによれば、ケースを開いた時 に中央に背板の裏面が露出することがなく、これを内側の背板及び差込片でカバ ーすることができ、而かも、これ等背板及び差込片は裏表紙に連続する印刷面に 成っているため、これに印刷を施すことによって外観的に美しく、商品価値の高 いＣＤ収納ケースを提供できるものであって、ＣＤ収納トレイを接着した裏表紙 の面を含めて、台紙の片面を印刷するだけでケースの外側と内側の全体に連続す る印刷を施すことができる経済性と斬新性を備える点、並びに、表紙の展開をス ムーズに行える機能性を備える点と相俟って、各種ＣＤを収納するケースとして 洵に実用性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）図は本考案に係るＣＤ収納ケースを構成
する台紙を展開して示した斜視図、（ロ）図はその折り
畳状態を説明した斜視図である。

【図２】組立てた台紙にＣＤ収納トレイを接着する状態
を説明した斜視図である。

【図３】表紙を開いた状態にした本考案に係るＣＤ収納
ケースの正断面図である。

【図４】本考案の要部を拡大して示した正断面図であ
る。

【図５】表紙を閉じた状態にした時の本考案の要部拡大
断面図である。

【図６】従来のＣＤ収納ケースに用いる台紙を展開して
示した斜視図である。

【図７】従来のＣＤ収納ケースの組立て状態を説明した
斜視図である。

【図８】従来のＣＤ収納ケースを閉じた状態にした正断
面図である。

【図９】従来のＣＤ収納ケースを開いた状態にした平面
図である。

【符号の説明】

ＣＫ 台紙 １，２ 左右の表紙 ３ 背板 ３Ａ，３Ｂ，４Ａ，４Ｂ 折り線 ４，５ 左右の裏表紙 ５Ｋ 隙間 ７ 内側の背板 ６ 差込片 １０ 透明な合成樹脂材料で造ったＣＤ収納
トレイ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 全体を縦に細長く形成した背板（３）の
   左右両側に、折り線（３Ａ），（３Ｂ）を介して左右の
   表紙（１），（２）を連設し、これ等左右の表紙
   （１），（２）の各先端側には折り線（４Ａ），（５
   Ａ）を介して左右の裏表紙（４），（５）を連設し、一
   方の裏表紙（５）を折り線（５Ａ）の部分で一方の表紙
   （２）の裏面側に折り重ねて、その先端側（５Ｓ）を除
   く接合面同士を貼り合せ、且つ、この貼り合せた一方の
   裏表紙（５）の面（５Ｔ）にＣＤ収納トレイ（１０）を
   接着すると共に、上記他方の裏表紙（４）の先端側に差
   込片（６）を延設し、この他方の裏表紙（４）を上記折
   り線（４Ａ）の部分で上記他方の表紙（１）の裏面側に
   折り重ねて、上記差込片（６）を除く接合面同士を貼り
   合せ、前記貼り合せていない一方の裏表紙（５）の先端
   側（５Ｓ）と一方の表紙（２）の間の隙間（５Ｋ）に、
   上記の差込片（６）を進退作動自在に差込み、且つ、こ
   れ等貼り合せた他方の表紙（１）と他方の裏表紙（４）
   を前記背板（３）の折り線（３Ａ），（３Ｂ）の部分で
   折り曲げることによって、上記ＣＤ収納トレイ（１０）
   の上面側を覆うように構成したことを特徴とするＣＤ収
   納ケース。
2. 【請求項２】 前記他方の裏表紙（４）とこれに延設し
   た前記差込片（６）との間に、折り線（７Ａ），（７
   Ｂ）を介して縦に細長く形成した内側の背板（７）を連
   設したことを特徴とする請求項１記載のＣＤ収納ケー
   ス。
3. 【請求項３】 夫々前記の各折り線（３Ａ），（３
   Ｂ），（４Ａ），（５Ａ），（７Ａ），（７Ｂ）を介し
   て一体に連設されている前記の背板（３）と左右の表紙
   （１），（２）、並びに、左右の裏表紙（４），（５）
   と内側の背板（７）と差込片（６）を、一枚の素材を打
   抜いて構成すると共に、これ等連設されている背板
   （３）と左右の表紙（１），（２）と左右の裏表紙
   （４），（５）、及び、差込片（６）と内側の背板
   （７）の各表面を、夫々印刷面としたことを特徴とする
   請求項１又は２記載のＣＤ収納ケース。
4. 【請求項４】 前記一方の裏表紙（５）の面（５Ｔ）に
   接着するＣＤ収納トレイ（１０）を、該面（５Ｔ）に施
   した印刷が透視できるように透明な合成樹脂材料を用い
   て構成したことを特徴とする請求項１、２又は３記載の
   ＣＤ収納ケース。