JP2004050613A - カード及び筒状体形成シート部材 - Google Patents

カード及び筒状体形成シート部材 Download PDF

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Abstract

【課題】言葉などの媒体機能に加えて、独立して使用可能な贈答品などの品物として利用しうる機能を得ること。
【解決手段】紙製のシート部材からなるカード1。カード1は、筒状体形成シート部材10が分離可能に一体に形成されている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装飾カバーあるいは容器などに組み立て可能な筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成されているカードであって、例えば、一般的なグリーティングカード、贈答用カード、宣伝用カード、観光地における土産用カード、絵はがき、結婚式などの引出物としてのカード、などとして広く好適に利用可能なカード及び筒状体形成シート部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
カード、例えば、一般的なグリーティングカードは、クリスマスや誕生日などに祝いの言葉を記して贈るカードとして知られている。このようなグリーティングカードには、一般的に、クリスマスや誕生日などに相応しい絵、装飾、言葉などが適宜に施されている。
【0003】
グリーティングカードは、上記したように、典型的には、祝いの言葉などが記されて、ある人から特定の人に郵送により贈られるものであって、祝いの気持ちを言葉などに記して伝達するための媒体手段であるといえる。しかしながら、グリーティングカードは、上記したような媒体手段としての機能は有しているものの、それ以外の機能、具体的には独立して使用可能な贈答品として利用しうるような機能、すなわち、カードの一部を分離することにより独立して使用可能な贈答品(更に具体的には、装飾カバーあるいは容器などに組み立て可能な筒状体形成シート部材)として利用しうるような機能は備えていない。
【0004】
ところで本発明者は、先に、組立式器及びそれに使用される筒状体形成シート部材を開発した(特開2001−63719号公報参照)。合成紙等の紙から構成されている筒状体形成シート部材は、一端及び他端間を延在する上縁と、両端間を延在する下縁とを備え、かつ両端部には連結手段が配設されている。そしてこの連結手段を利用して両端部を相互に重合させて連結することにより筒状体が形成される。該シート部材の下縁部には該シート部材の長手方向に間隔をおいてかつそれぞれ該長手方向に延在する3個のスリットが形成されている。スリットの各々は、下縁からの高さが一定の位置を下縁に平行に延在しかつ該長手方向に間隔をおいて対向するよう形成されている。3個のスリットとスリットの各々に対応する下縁との間には帯状部が形成されている。帯状部の各々は、該シート部材から筒状体が形成された状態において、周方向の両端を支点として半径方向内側に反転し、ほぼ円弧形状に湾曲して突出しうるよう構成されている。このようにして組み立てられた筒状体は、半径方向内側に突出させられた3個の帯状部の各々をその状態で底として利用することができるので、例えばコーヒー等の食品類が封入された袋を収容するための容器として好適に使用することができる。また、環状の周縁を有する板状部材からなる底形成体を、該筒状体の半径方向内側に突出させられた帯状部の各々の上縁上に載置することにより筒状体内に離脱自在に装着して、該筒状体を底付きの容器に組み立てた場合には、いわゆるビニールポット、植木鉢として、あるいは小物入れ等としても好適に使用することができる。筒状体の典型例は円形の断面を有し、また底形成体の典型例は円形の周縁を有するよう形成されている。
【0005】
上記シート部材により形成された筒状体を底形成体と組み合わせることによって容器として使用する場合においては、底形成体を筒状体の上部開口側からその内部に挿入し、半径方向内側に湾曲して突出させられた帯状部の各々の上縁上に載置して筒状体の底内に離脱自在に装着する。底形成体を筒状体の内側に安定して保持するため、底形成体の外周縁は、筒状体の内周面に隙間なく嵌合されることが好ましい。このため、底形成体の外周縁が筒状体の内周面に対して若干の圧入状態で嵌合されるよう、底形成体の外周縁の直径は筒状体の内周面の直径より若干大きめに形成されている。一方、上記のようにして組み立てられた組立式器内に収容物を収容した状態で、上縁部の内側にふたを分離自在に挿入することも可能である。以上のようにして組み立てられた組立式器である容器は、これを、例えば内部に用土が充填され、所望の植木が植えられる植木鉢として好適に使用することができる。あるいはまた、小物入れ等として好適に使用することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
先に述べたように、グリーティングカードは、祝いの気持ちを言葉などに記して伝達するための媒体手段としての機能は有しているものの、それ以外の機能、具体的には、独立して使用可能な贈答品(広義には品物)として利用しうるような機能、すなわち、カードの一部を分離することにより独立して使用可能な贈答品(更に具体的には上記した如き筒状体形成シート部材)として利用しうるような機能は備えていない。グリーティングカードにこの様な機能が付加されるならば、祝いの言葉などと共に独立して使用可能な筒状体形成シート部材をカードと一体に贈答品として相手に贈ることが可能になり、実用上きわめて便利であり、有用であるといえる。上記したように、独立して使用可能な贈答品、広義には品物として利用しうるような新規な機能が付加されたカードは、一般的なグリーティングカードのみならず、贈答用カード、宣伝用カード、観光地における土産用カード、絵はがき、結婚式などの引出物としてのカード、などとして広く好適に利用可能である。
【0007】
他方、上記筒状体形成シート部材は、これを底形成体及び/又はふたと組み合わせることによって、容器として使用する場合には、底形成体及び/又はふたを、筒状体形成シート部材とは別に製造して用意する必要がある。このため、筒状体形成シート部材を成形するための型の他に、底形成体及び/又はふたを成形するための型を別に用意し、それぞれ別個に成形する必要があるので、生産効率が低下し、製造コストが高くなる。また、筒状体形成シート部材と底形成体及び/又はふたとが分離されているので、ユーザーが容器として使用後に相互に分離して保管する場合、あるいは該保管後に使用する場合等において、部材が紛失するおそれがある。あるいはまた、保管する部品の数が多くなるほど、広い保管スペースを要することになり、また部品の保管管理、取扱等も煩雑となってゆく。更にはまた、底形成体及び/又はふたを筒状体に挿入する組立作業が比較的面倒である、との要望もあり、更なる改善が望まれているところであった。
【0008】
本発明の目的は、言葉などの媒体機能に加えて、独立して使用可能な贈答品などの品物として利用しうる機能が得られる、新規なカードを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、言葉などの媒体機能に加えて、独立して使用可能な贈答品などの品物として利用しうる機能が得られ、その結果、一般的なグリーティングカードの外に、贈答用カード、宣伝用カード、観光地における土産用カード、
え絵はがき、結婚式などの引出物としてのカード、などとして広く好適に利用することが可能になる、新規なカードを提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、実質的に1個にまとめられた成形型により底及び/又はふたと一体に同時に成形することを可能にし、その結果、生産効率の向上及び製造コストの低減を可能にする、新規な筒状体形成シート部材、又は該筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成された新規なカードを提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、底及び/又はふたを備えた容器として使用する場合においても、部材の紛失を確実に防止することを可能にする、新規な筒状体形成シート部材、又は該筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成された新規なカードを提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、底及び/又はふたを備えた容器として使用した後においても、保管のスペースを最小限にすることを可能にすると共に、保管が著しく容易でありかつ部品の保管管理及び取扱いが容易である、新規な筒状体形成シート部材、又は該筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成された新規なカードを提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的は、底及び/又はふたを備えた容器として使用する場合においても、組立作業を効率的に行なうことを可能にする、新規な筒状体形成シート部材、又は該筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成された新規なカードを提供することである。
【0014】
本発明のその他の目的及び特徴は、本発明に従って構成されたカード及び筒状体形成シート部材の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明らかになるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の一局面によれば、紙製のシート部材からなるカードであって、筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成されている、
ことを特徴とするカード、が提供される。
少なくとも実質的に一本の折曲可能ラインを境界として少なくとも二つの領域に区画されると共に該折曲可能ラインに沿って折り畳み可能であり、筒状体形成シート部材は、少なくとも一つの領域に分離可能に一体に形成されている、ことが好ましい。
筒状体形成シート部材は、一端及び他端間を延在する上縁及び下縁を備え、分離された筒状体形成シート部材の両端部を相互に重合させて連結することにより筒状体が形成される、ことが好ましい。
下縁部には、1個の底が、底の周縁の一部領域が該下縁部において一体に連結されることにより、該下縁から下方に突出するよう一体に形成され、底の該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該下縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成された底周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、底は、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該下縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられ、該下縁部には該シート部材の長手方向に間隔をおいてかつそれぞれ該長手方向に延在する複数個の帯状部形成用スリットが形成され、該スリットの各々と該下縁との間には帯状部が形成され、帯状部の各々は、筒状体が形成された状態において、周方向の両端を支点として半径方向内側に突出しうるよう構成され、底の該一部領域は、帯状部形成用スリットの各々の延長上ないしは該延長上よりもわずかに上方の位置に配置され、帯状部の各々が半径方向内側に突出させられた状態で、底は帯状部の各々の上端に載置される、ことが好ましい。
上縁部には、1個のふたが、ふたの周縁の一部領域が該上縁部において一体に連結されることにより、該上縁から上方に突出するよう一体に形成され、ふたの該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該上縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成されたふた周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、ふたは、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該上縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられる、ことが好ましい。
ふたには少なくとも1個の把持部形成用スリット又は把持孔が形成されている、ことが好ましい。
ふたの該周縁の、該上縁から上方に突出した先端領域には、該先端領域から延び出す突片が形成され、筒状体が形成された状態において、該突片を該突片の基端を支点として折り曲げた状態でふたを閉塞すると、該突片が折曲反力により該上縁部の内側面に圧接されてふたの閉塞状態が保持される、ことが好ましい。
該一端と該上縁とが交わる角部には、該上縁から該一端に間隔をおいて該下縁に向かって延びるスリットが形成され、該スリットと該スリットに対向する該一端との間には小片部が形成され、筒状体が形成された状態において、該一端を含む一端部は該他端を含む他端部の内側に重合され、かつ、該小片部を該小片部の該基端を支点として内側に折り曲げてふたを閉塞すると、ふたの周縁領域の一部が該小片部に当接してふたの閉塞位置が規定される、ことが好ましい。
紙は合成紙である、ことが好ましい。
【0016】
本発明の他の局面によれば、一端及び他端間を延在する上縁及び下縁を備えると共に両端部を相互に重合させて連結することにより筒状体が形成される筒状体形成シート部材において、
上縁部には、1個のふたが、ふたの周縁の一部領域が該上縁部において一体に連結されることにより、該上縁から上方に突出するよう一体に形成され、ふたの該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該上縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成されたふた周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、ふたは、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該上縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられ、
ふたの該周縁の、該上縁から上方に突出した先端領域には、該先端領域から延び出す突片が形成され、筒状体が形成された状態において、該突片を該突片の基端を支点として折り曲げた状態でふたを閉塞すると、該突片が折曲反力により該上縁部の内側面に圧接されてふたの閉塞状態が保持される、
ことを特徴とする筒状体形成シート部材、が提供される。
本発明の更に他の局面によれば、一端及び他端間を延在する上縁及び下縁を備えると共に両端部を相互に重合させて連結することにより筒状体が形成される筒状体形成シート部材において、
上縁部には、1個のふたが、ふたの周縁の一部領域が該上縁部において一体に連結されることにより、該上縁から上方に突出するよう一体に形成され、ふたの該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該上縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成されたふた周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、ふたは、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該上縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられ、
該一端と該上縁とが交わる角部には、該上縁から該一端に間隔をおいて該下縁に向かって延びるスリットが形成され、該スリットと該スリットに対向する該一端との間には小片部が形成され、筒状体が形成された状態において、該一端を含む一端部は該他端を含む他端部の内側に重合され、かつ、該小片部を該小片部の該基端を支点として内側に折り曲げてふたを閉塞すると、ふたの周縁領域の一部が該小片部に当接してふたの閉塞位置が規定される、
ことを特徴とする筒状体形成シート部材、が提供される。
下縁部には、1個の底が、底の周縁の一部領域が該下縁部において一体に連結されることにより、該下縁から下方に突出するよう一体に形成され、底の該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該下縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成された底周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、底は、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該下縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられる、ことが好ましい。
該下縁部には該シート部材の長手方向に間隔をおいてかつそれぞれ該長手方向に延在する複数個の帯状部形成用スリットが形成され、該スリットの各々と該下縁との間には帯状部が形成され、帯状部の各々は、筒状体が形成された状態において、周方向の両端を支点として半径方向内側に突出しうるよう構成され、底の該一部領域は、帯状部形成用スリットの各々の延長上ないしは該延長上よりもわずかに上方の位置に配置され、帯状部の各々が半径方向内側に突出させられた状態で、底は帯状部の各々の上端に載置される、ことが好ましい。
合成紙からなる、ことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成されたグリーティングカード及び筒状体形成シート部材の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、「スリット」とは、後述するカード1又は筒状体形成シート部材10の片面から他面を貫通するよう形成されたラインを示し、また「折曲可能ライン」とは、後述するカード1又は筒状体形成シート部材10の片面又は他面又は両面に形成された溝又は切込み、あるいはミシン目などから形成されたラインを示す。折曲可能ラインを形成する溝の横断面の典型例としては、ほぼU形状、あるいはほぼV形状をあげることができる。
【0018】
先ず図1を参照して、本発明に従って構成されたカード、実施形態においてはグリーティングカードである誕生日カード1は、紙製の平坦なシート部材から構成されるカードであって、筒状体形成シート部材10が分離可能に一体に形成されている。カード1は、少なくとも実質的に一本の折曲可能ラインを境界として少なくとも二つの領域に区画されると共に該折曲可能ラインに沿って折り畳み可能であり、筒状体形成シート部材10は、少なくとも一つの領域に分離可能に一体に形成されている。実施形態において、カード1は、実質的に一本の折曲可能ライン2を境界として二つの領域1A及び1Bに区画されると共に折曲可能ライン2に沿って折り畳み可能である。筒状体形成シート部材10は一つの領域1Bに分離可能に一体に形成されている。なお、以下の説明において、誕生日カード1は、単に「カード1」と略称し、また、筒状体形成シート部材10は、単に「シート部材10」と略称することとする。
【0019】
カード1について更に具体的に説明する。カード1は、平面が縦長の矩形状をなし、長手方向の中間には幅方向に直線状に延在する実質的に一本の折曲可能ライン2が形成されている。折曲可能ライン2は、円弧形状をなす一本のスリット3を挟んで形成された折曲可能ライン2a及び2bからなる。折曲可能ライン2aは、カード1の幅方向の一端(図1において右端)を含む一端部に形成された比較的短いラインであって、該一端から幅方向の他端(図1において左端)に向かって延びている。折曲可能ライン2bは、カード1の幅方向の他端(図1において左端)から該一端に向かって幅方向の中間を越えた位置まで延びている。スリット3は、折曲可能ライン2a及び2bが相互に対向する端の各々間を連結するよう、図1において上方に膨らむように形成されている。折曲可能ライン2a及び2bは、カード1の長手方向の中間を通って幅方向に延びる一本の仮想直線上に存在するので、折曲可能ライン2a及び2bからなる折曲可能ライン2は、実質的に一本であるといえる。カード1は、折曲可能ライン2を境界として、実施形態においては、折曲可能ライン2及びスリット3を境界として、長手方向に二つの領域1A及び1Bに区画される。図1において上方に区画される片方の領域1Aには、誕生祝いの言葉(実施形態においては、HAPPY BIRTHDAY)、図示しない絵、誕生祝いの言葉を記入するための罫線などが印刷されている。図1において下方に区画される他方の領域1Bには、筒状体形成シート部材10が分離可能に一体に形成されている。なお、カード1の領域1A及び1Bの境界には、折曲可能ライン2及びスリット3が形成されているが、該境界を、完全に一本の折曲可能ラインのみから形成してもよい。
【0020】
筒状体形成シート部材10が分離可能に一体に形成されたカード1は、全体が平坦な紙から構成されている。分離可能なシート部材10を含むカード1は、合成紙をも含む広義の紙から構成することができるが(適用可能であればどのような種類の紙であってもよい)、更に具体的には、これらに限定されるものではないが、包装分野で使用される板紙、あるいは合成紙から構成されることが好ましい。実施形態におけるカード1は合成紙から構成されている。プラスチックを基材として、その表面を紙のように加工して印刷や筆記ができるようにしたシート部材である合成紙の好適例としては、商標名「ユポ」として、王子油化合成紙株式会社により製造販売されているものを挙げることができる〔例えば、名称「アルファーユポ」、グレード名「QJJ400」(厚さ0.4mm)、「QJJ500」(厚さ0.5mm)又は「PII950」(厚さ0.95mm)〕。この合成紙「ユポ」は、0.06mm乃至0.95mmの厚さの範囲内で、種々の厚さを揃えている。カード1は、後述する筒状体110を含む組立式器100を形成するためのシート部材10を一体に備えており、シート部材10としては、0.1mm乃至3.0mmの厚さを有する合成紙が実用上好適であるが、一つの実施例としては、0.4mm乃至0.95mmの厚さを有する「ユポ」が好適である。シート部材10を構成する合成紙の厚さが過剰に薄いと剛性が弱過ぎて組立式器100に適用できなくなるおそれがある。また過剰に厚いと、剛性が強過ぎて取り扱いにくくなる、比較的小さな組立式器100に適用しにくくなる、重量及びコストが増大する、等の問題が生ずる。0.1mm乃至3.0mmの厚さの範囲であれば、上記問題を実質上クリアすることができ、0.4mm乃至0.95mmの厚さの範囲であれば、上記問題を実用上一層確実にクリアすることができるものである。上記した理由にしたがって、シート部材10を含むカード1全体も、0.1mm乃至3.0mmの厚さを有する合成紙が実用上好適であるが、一つの実施例としては、0.4mm乃至0.95mmの厚さを有する「ユポ」が好適である。
【0021】
上記したような合成紙から構成されるシート部材10は、カード1から分離された後に、後述するとおりにして組立式器100に組み立てられるが、以下に、シート部材10の構成を、カード1から分離された状態で詳細に説明する。シート部材10は、図2に明示されているように、一端11aを有する一端部11と、他端12aを有する他端部12と、一端11a及び他端12a間に延在する上縁13及び下縁14とを有している。シート部材10は、後述する底20及びふた30を除き、ほぼ矩形状をなすよう形成されている。したがって、上縁13及び下縁14は互いに平行に直線状に延び、また一端11a及び他端12aは、互いに平行に直線状に延びると共に上縁13及び下縁14に対し直角に延びるよう形成されている。なお、この明細書において、シート部材10における「長手方向」とは図2に示す平面図において左右方向(一端11a及び他端12aが存在する方向)、またシート部材10における「幅方向」とは図2に示す平面図において上下方向(上縁13及び下縁14が存在する方向)を意味するものとする。
【0022】
シート部材10には、その両端部(一端部11と他端部12)を相互に重合させて連結する連結手段が配設されている。シート部材10に配設されている連結手段は、この実施形態に限定されるものではないが、その両端部を分離自在に連結するよう構成されている。すなわち、連結手段は、シート部材10の一端部11をシート部材10の幅方向に延びる2個のスリット15と、シート部材10の他端12aから突出する2個の係止片(突出片)16とから構成されている。スリット15の各々は、一端部11を一端11aに平行に幅方向に延びる直線L1上に間隔を置いて位置付けられている。係止片16の各々はほぼ矩形をなし、他端12aから、シート部材10の長手方向外方に突出している。係止片16の各々の、シート部材10における上記幅方向の位置は、スリット15の各々の形成位置に対応した位置にあり、係止片16の各々の上下方向の長さは、スリット15の各々の長さと同じ又はそれより若干短く形成されている。なお、スリット15及び係止片16の各々の数は、実施形態の数に限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定されるが、少なくとも1個は形成される。また、スリット15及び係止片16の各々の形態も図示のものに限定されるものではない。なお、後述するように、シート部材10を周方向に弾性変形させて係止片16の各々を、対応するスリット15に挿入することにより筒状体110が形成されるので、シート部材10において、上記直線L1と、シート部材10の他端12aを通って幅方向に延在する直線L2との間の長手方向間隔(距離)wは、筒状体110の円周の長さ(πD)と実質的に等しく形成される。ただし、Dは、筒状体110の直径である。
【0023】
シート部材10の一端11aと上縁13とが交わる角部にはスリット13aが形成されている。スリット13aは、上縁13から一端11aに間隔をおいて下縁14に向かって平行に延びている。スリット13aと、スリット13aに対向する一端11aとの間には、矩形状の小片部13Aが形成されている。小片部13Aの基端には折曲可能ライン13bが形成されている。折曲可能ライン13bは上縁13に平行である。後述するとおりにして筒状体110が形成された状態において、シート部材10の一端11aを含む一端部は他端12aを含む他端部の内側に重合され、かつ、小片部13Aを折曲可能ライン13bを支点として筒状体110の内側に折り曲げて後述するふた30を閉塞すると、ふた30の周縁領域の一部が小片部13Aに当接してふた30の閉塞位置が規定される。
【0024】
シート部材10の下縁部には長手方向に間隔をおいてかつそれぞれ長手方向に延在する複数個の、実施形態では2個の帯状部形成用スリット17が形成されている。帯状部形成用スリット17の各々は相互に実質的に同じ構成及び大きさを有している。なお、帯状部形成用スリット17の各々の、シート部材10の長手方向における形成位置については後述する。この実施形態において、帯状部形成用スリット17の各々は、下縁14からの高さが一定の位置を下縁14に平行に延在しかつ長手方向に間隔をおいて対向する複数の、実施形態においては2個の平行部17aと、平行部17aの各々の相互に対向する一端を該長手方向の両基端として下縁14に向かって延び出すよう該一端の各々に連続して形成された突起形状部17bと、平行部17aの各々の他端から斜め下方位置まで下縁14に向かうに従って相互に離れるように延び出すよう形成された斜め下降端部17cとから構成されている。平行部17aの各々の長さは同じであり、突起形状部17bは円弧形状をなすように形成されている。斜め下降端部17cの各々もまた、突起形状部17bよりも小さな半径を有する円弧形状をなすように形成されている。
【0025】
帯状部形成用スリット17の各々と各々に対応する下縁14との間には帯状部18が形成される。シート部材10が後述するようにしてほぼ円筒形状をなす筒状体110(図3〜図5参照)に形成された状態で、帯状部18の各々はほぼ円弧形状をなすように湾曲させられる。すなわち、帯状部18の各々は、シート部材10から筒状体110が形成された状態で、周方向の両端を支点として筒状体110の半径方向内側に反転して突出しうるよう構成される。シート部材10において、帯状部18の各々の長手方向両端には、帯状部18の各々の上記内側への突出を容易にするための折曲可能ライン18aが形成されている。帯状部18の各々において、長手方向両端に形成される折曲可能ライン18aの各々は、シート部材10の下縁14から、対応する帯状部形成用スリット17の両端(斜め下降端部17cの各々の下端)に向かうにしたがって相互に近付くように傾斜している。換言すれば、折曲可能ライン18aの各々は、帯状部形成用スリット17の両端から下縁14に向かって末広がりとなるように形成される。帯状部18の各々の長手方向両端は折曲可能ライン18aの各々により規定され、帯状部18の各々はそれぞれ互いに実質上同じ形状(ほぼ台形状)をなしている。
【0026】
シート部材10の下縁部には、1個の底20が、底20の周縁21の一部領域22がシート部材10の下縁部において一体に連結されることにより、下縁14から下方に突出するよう一体に形成されている。底20の周縁21は円形状をなすように形成されている。底20の周縁21の、一部領域22を挟んだ両端21a及び21bから下縁14に至る二つの領域は、シート部材10に形成された円弧状の底周縁形成用スリット24及び25により形成されている。底20とシート部材10とは、底周縁形成用スリット24及び25の形成部位において、シート部材10の表裏方向に相対移動可能に分離されている。底20の一部領域22は、実質的に、帯状部形成用スリット17の各々の延長上の位置、実施形態においては、帯状部形成用スリット17の各々における平行部17aの各々の延長上の位置に配置されることが好ましいが、該延長上の位置よりもわずかに上方の位置に配置されることが一層好ましい。この実施形態において、周縁21の一端21a、他端21b、一端21a及び他端21b間に延在する一部領域22は、該延長上の位置よりもわずかに上方の位置に配置されている。一部領域22には、折曲可能ライン22aが、下縁14の図示しない延長線(図2において、底20の一部領域22の下方を横切る図示しない延長線)に間隔をおいてかつ該延長線に平行に、一端21a及び他端21b間を延在している。この折曲可能ライン22aは、実質的に、帯状部形成用スリット17の各々の該延長上の位置に配置されることが好ましいが、該延長上の位置よりもわずかに上方の位置に配置されることが一層好ましい(折曲可能ライン22aは、周縁21の一端21a、他端21b及び一部領域22と、実質的に同列位置にある)。後述するとおりにして筒状体110が形成された状態において、底20は、一部領域22の折曲可能ライン22aを支点として筒状体110の軸線に対し実質的に直角に折り曲げることにより、筒状体110の下縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられる。
【0027】
底20の周縁21の直径は、筒状体110の内周面の直径と同じ、又はわずかに大きめ、又はわずかに小さめ、又は比較的小さめ、のいずれかに形成される。底20の周縁21の直径を筒状体110の内周面の直径と同じに形成した場合には、底20の周縁21が筒状体110の内周面に実質的に隙間なく嵌合されるので、比較的良好な密封性が得られると共に筒状体110の内側に比較的安定して保持される。底20の周縁21の直径を筒状体110の内周面の直径よりもわずかに大きめに形成した場合には、底20の周縁21が筒状体110の内周面に対して若干の圧入状態で嵌合されるので、密封性は更に向上し、筒状体110の内側に一層安定した状態で保持される。底20の周縁21の直径を筒状体110の内周面の直径よりもわずかに小さめに形成した場合には、底20の周縁21が筒状体110の内周面に実質的にわずかな隙間をおいて嵌合されるので、底20の組付作業(底20を一部領域22の折曲可能ライン22aを支点として折り曲げて筒状体110の内側に位置付ける組付作業)が、上記した「直径と同じ」又は「わずかに大きめ」におけるよりも容易となり、したがって、密封性がさほど要求されない組立式器100を形成する場合には好適である。底20の周縁21の直径を筒状体110の内周面の直径よりも比較的小さめ(わずかに小さめよりも更に小さめ)に形成した場合には、底20の周縁21が筒状体110の内周面に比較的大きめの隙間をおいて嵌合されるので(いわゆる“すかすか”の状態となるので)、底20の組付作業は一層容易となり、密封性が全く要求されない組立式器100を形成する場合には好適である。
【0028】
先に述べたように、シート部材10において、スリット15の各々を通る直線L1と、シート部材10の他端12aを通って幅方向に延在する直線L2との間の長手方向の距離wは、筒状体110の円周の長さと実質的に等しく形成されている。そして、底20の一部領域22の、上記長手方向における中心(周縁21の一端21aと21b間の中心)の位置、したがって、底20の中心O1を通り上記幅方向に延在する直線L3の位置は、1/2wの位置(上記wの中心の位置)に配置されている。また、片方の帯状部形成用スリット17(図2において右側に位置する帯状部形成用スリット17)の長手方向の中心の位置(片方の帯状部形成用スリット17の中心を通り上記幅方向に延在する直線L4の位置)と、他方の帯状部形成用スリット17(図2において左側に位置する帯状部形成用スリット17)の長手方向の中心の位置(他方の帯状部形成用スリット17の中心を通り上記幅方向に延在する直線L5の位置)は、1/2wの位置にある直線L3から、それぞれ1/3wだけ上記長手方向に離れた位置に配置されている。したがって、片方の帯状部形成用スリット17の長手方向の中心の位置(片方の帯状部形成用スリット17の中心を通り上記幅方向に延在する直線L4の位置)は、シート部材10の、スリット15の各々を通る直線L1から距離1/6wだけ上記長手方向に離れた位置に配置され、また他方の帯状部形成用スリット17の長手方向の中心の位置(他方の帯状部形成用スリット17の中心を通り上記幅方向に延在する直線L5の位置)は、シート部材10の、他端12aを通る直線L2から距離1/6wだけ上記長手方向に離れた位置に配置されている。すなわち、帯状部形成用スリット17の各々の、シート部材10の上記長手方向における中心L4及びL5と、底20の一部領域22の、上記長手方向における中心L3は、後述するとおりにして筒状体110が形成された状態において、筒状体110を、帯状部形成用スリット17の数(実施形態においては2個)と底20の数(1個)とを合わせた総数(実施形態においては3個)によって周方向に実質的に等分される角度位置〔実施形態においては、周方向に実質的に3等分される角度位置、すなわち周方向に相互に120°の角度間隔を有する位置(図4参照)〕に配置されていることになる。なお、帯状部形成用スリット17の各々は、それぞれ、上記中心線L4及びL5を対称軸線とする対称形状をなし、また、帯状部形成用スリット17の各々の突起形状部17bの円弧中心は、それぞれ、対応する上記中心線L4及びL5上に存在する。
【0029】
シート部材10の上縁部には、1個のふた30が、ふた30の周縁31の一部領域32がシート部材10の上縁部において一体に連結されることにより、上縁13から上方に突出するよう一体に形成されている。ふた30の周縁31は円形状をなすように形成されている。ふた30の周縁31の、一部領域32を挟んだ両端31a及び31bから上縁13に至る二つの領域は、シート部材10に形成されたふた周縁形成用スリット34及び35により形成されている。ふた30とシート部材10とは、ふた周縁形成用スリット34及び35の形成部位において、シート部材10の表裏方向に相対移動可能に分離されている。一部領域32には、折曲可能ライン32aが、上縁13の図示しない延長線(図2において、ふた30の一部領域32の上方を横切る図示しない延長線)に間隔をおいてかつ該延長線に平行に、一端31a及び他端31b間を延在している。この折曲可能ライン32aは、実質的に、上記小片部13Aの折曲可能ライン13bの延長上の位置に配置されることが好ましいが、該延長上の位置よりもわずかに上方の位置に配置されることが一層好ましい(折曲可能ライン32aは、周縁31の一端31a、他端31b及び一部領域32と、実質的に同列位置にある)。後述するとおりにして筒状体110が形成された状態において、ふた30は、一部領域32の折曲可能ライン32aを支点として筒状体110の軸線に対し実質的に直角に折り曲げることにより、筒状体110の下縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられる。
【0030】
ふた30の周縁31の直径は、筒状体110の内周面の直径と同じ、又はわずかに大きめ、又はわずかに小さめ、又は比較的小さめ、のいずれかに形成される。ふた30の周縁31の直径と、筒状体110の内周面の直径との上記関係は、先に述べた、底20の周縁21の直径と、筒状体110の内周面の直径との上記関係と実質的に同じであり、したがって、それぞれの作用効果についての記載は先の記載にゆずり、説明は省略する。
【0031】
ふた30の、軸心O2を挟んだ半径方向の対称位置には、実質的にふた30の周方向に延在する一対の把持部形成用スリット36が形成されている。把持部形成用スリット36は、ふた30の軸心O2を共通の軸心とする円弧形状に形成されている。把持部形成用スリット36の各々の両端間には、軸心O2を挟んで相互に平行に直線状に延在する折曲可能ライン36aが形成されている。把持部形成用スリット36の各々と、対応する折曲可能ライン36aとにより囲まれた、ほぼ三日月形状をなす領域を折曲可能ライン36aに沿ってふた30の表面側(図2において裏面側)に折り曲げて該表面から突出させることにより、ふた30の、一対の把持部36bが形成される(図3及び図5参照)。一対の把持部36bもほぼ三日月形状をなしている。
【0032】
ふた30の周縁31の、上縁13から上方に突出した先端領域には、先端領域から延び出す突片37が形成されている。突片37は、一部領域32に対し、ふた30の軸心O2を挟んだ対称位置に存在する。突片37の基端には折曲可能ライン37aが形成されている。折曲可能ライン37aは、一部領域32に形成された折曲可能ライン32aに平行に延びている。後述するとおりにして筒状体110が形成された状態において、突片37を折曲可能ライン37aを支点としてふた30の表面側(図2において裏面側)に折り曲げた状態でふた30を閉塞すると、突片37が折曲反力により上縁部の内側面に圧接されてふた30の閉塞状態が保持される。
【0033】
ふた30の一部領域32の、上記長手方向における中心(周縁31の一端31aと31b間の中心)の位置、したがって、ふた30の中心O2を通り上記幅方向に延在する直線L3の位置は、1/2wの位置(上記wの中心の位置)に配置されている。したがってふた30の中心O2は、底20の中心O1を通る上記直線L3上に配置されている。
【0034】
図1及び図2を参照して、以上のように構成されるシート部材10は、プレスを利用してカード1と一体に分離可能に容易に形成することができる。シート部材10の輪郭線を、図示しないスリットと、図示しない破断可能な複数の橋絡部とを適宜に組み合わせて形成することにより、シート部材10は、カード1の他方の領域1Bから容易に分離可能になる。同時に、溝、ミシン目等から構成することができる折曲可能ライン13b、18a、22a、32a、36a及び37aの各々を適宜の上型及び下型を利用して形成することはきわめて容易である。他方、シート部材10はまた、合成紙をプレスを利用して打ち抜き加工を施すことにより、カード1とは別に、それ自体単独で容易に形成可能である。この場合においても、打ち抜き加工と同時に、上記各折曲可能ラインを適宜の上型及び下型を利用して形成することはきわめて容易である。シート部材10を、カード1と一体に分離可能に形成する場合であっても、カード1とは別に、それ自体単独で形成する場合であっても、上記シート部材10は、底20及びふた30を一体に備えるよう構成されているので、1か所において実質的に1個にまとめられた成形型により底20及びふた30と一体に同時に成形することを可能にし、その結果、生産効率の向上及び製造コストの低減を可能にするものである。
【0035】
図2〜図5を参照して、カード1から分離されるか、又はカード1とは別に、それ自体単独で形成されたシート部材10を、長手方向に湾曲するように弾性変形させて係止片16の各々を対応するスリット15に挿入することにより、シート部材10の両端部が重合させられて分離自在に連結される。これによって開口面積が軸方向の上から下まで実質的に同じである円筒形状をなす筒状体110が形成される(組み立てられる)。他端部12は筒状体110の半径方向外側に、また小片部13Aが形成されている一端部11は筒状体110の半径方向内側にそれぞれ位置付けられる形態で重合される。上縁13は筒状体110の円形の頂縁を、また下縁14は筒状体110の円形の底縁を構成する。
【0036】
シート部材10が実質的に円筒形状をなす筒状体110とされた状態で、底20を、一部領域22を支点として筒状体110の半径方向内側に90°以上折り曲げることにより、底20は、筒状体110の下縁部の内側に位置付けられる。次いで、帯状部18の各々を半径方向内側に強制(押圧)することにより、帯状部18の各々は周方向の両端に形成された折曲可能ライン18aを支点として半径方向内側に反転し、ほぼ円弧形状に湾曲して突出させられる。帯状部18の各々の下縁及び上縁は、突出させられた状態において、実質的に、互いに平行な平面上に位置付けられる。この平面は筒状体110の軸線に直交する平面であって、筒状体110の下縁14の共通平面と平行である。上記現象の理由は必ずしも明らかではないが、帯状部18の各々における折曲可能ライン18aの各々を、下縁14から対応するスリット17の両端(斜め下降端部17cの各々の下端)に向かうに従ってそれぞれ直線L4及びL5に相互に近付くように傾斜させることに起因することは、本発明等の実験により確認されている。この構成は、筒状体110及び帯状部18の各々を載置面上、特に平坦な載置面上に安定して載置させることを可能にすると共に底20を半径方向内側に突出させられた帯状部18の各々の上縁上に安定して載置させることを可能にするものである。
【0037】
帯状部18の各々が半径方向内側に突出させられた状態で、底20を下方に押し下げることにより、底20は帯状部18の各々の上端に安定して載置される。先に述べたように、底20の一部領域22は、帯状部形成用スリット17の各々の延長上ないしは該延長上よりもわずかに上方の位置に配置されているので、底20は帯状部18の各々の上端に、ほぼ水平の状態で載置される。底20は、筒状体110の下縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられる。
【0038】
本発明によるシート部材10においてはまた、上述したように、スリット17の各々は、下縁14からの高さが一定の位置を下縁14に平行に延在しかつシート部材10の長手方向に間隔をおいて対向する一対の平行部17aと、平行部17aの各々の相互に対向する一端を該長手方向の両基端として下縁14に向かって延び出すよう該一端の各々に連続して形成された1個の突起形状部17bと、平行部17aの各々の他端から斜め下方位置まで下縁14に向かうに従って相互に離れるように延び出すよう形成された斜め下降端部17cとから構成されている。このように構成されたシート部材10により上記したとおりにして筒状体110を形成し、かつ帯状部18の各々を半径方向内側に湾曲して突出させた状態において、底20を帯状部18の各々の上縁上に載置したとき、スリット17の各々を構成する上縁でありかつ対応する帯状部18が突出させられることによりシート部材10の本体側に残された下縁の周方向中央には、上記した底20の載置平面とほぼ同一な平面から下方に突出する突起形状部17bが存在することに加えて、シート部材10の本体側に残された該下縁の周方向両端部にも、該平面から下方に突出する斜め下降端部17cが存在するので、シート部材10における、スリット17の各々が形成された周方向領域において、突起形状部17b及び斜め下降端部17cが、底20の周縁を外側から押さえて底20の半径方向外側へのずれを防止し、底20のはみ出しが十分確実に阻止される。その結果、底20を、筒状体110の内側の所定位置に隙間なく嵌合させて常に正しい姿勢で安定して位置付けることが容易となった。また外観も損なわれることがなくなった。特に、筒状体110が形成された状態において、スリット17の各々が形成された周方向領域において、突起形状部17bが周方向中央に、また斜め下降端部17cが周方向の両端部にバランス良く配置されているので、好ましい外観が提供される。更にはまた、突起形状部17b及び斜め下降端部17cは、それぞれ円弧形状をなすよう形成されているので、外観の向上に寄与するものである。
【0039】
更にはまた、底20が載置された筒状体110の内部に用土等の収容物が充填された場合において、底20の周縁部の一部が変形しても、突起形状部17b及び斜め下降端部17cの存在により、筒状体110との隙間、更に具体的には、底20の周縁部の一部と、シート部材10の本体側に残された該下縁のうち平行部17aの上縁に相当する該上縁との間の隙間の生成を、実用上満足できる程度に低減することが可能になった。その結果、収容物である用土が洩れ出すという不具合の発生も防止することができた。
【0040】
筒状体110内に収容物が収容された後に、小片部13Aを小片部13Aの基端に形成された折曲可能ライン13bを支点として筒状体110の内側に折り曲げてふた載置部を形成する。そして、ふた30の突片37を突片37の基端に形成された折曲可能ライン37aを支点として折り曲げると共に、ふた30の把持部形成用スリット36の各々と、対応する折曲可能ライン36aとにより囲まれた領域を折曲可能ライン36aに沿ってふた30の表面側にほぼ90°折り曲げて該表面から突出させることにより、ふた30の把持部36bを形成する。この状態で、ふた30を、一部領域32の折曲可能ライン32aを支点として筒状体110の半径方向内側に折り曲げることにより、ふた30は、ふた30の周縁領域の一部が筒状体110の上縁部において半径方向内側に突出させられた小片部13Aに当接してふた30の閉塞位置ないし載置位置が規定される。同時に、ふた30の突片37が折曲反力により筒状体110の上縁部の内側面に圧接され、ふた30の閉塞状態が保持される。このようにして、簡単な構成及び簡単な操作により、ふた30は、筒状体110の上縁部の内側を実質的に閉塞するよう容易に位置付けられる。突片37は、ふた30を開閉する際のつまみとしても利用することができる。
【0041】
シート部材10を組み立てて、底20及びふた30を備えた組立式器(容器)100として使用する場合においても、底20及びふた30はシート部材10の一部として形成され、分離することはないので、部材の紛失は確実に防止される。更にはまた、底20及びふた30を備えた容器100として使用した後においても、底20及びふた30がシート部材10に一体に形成され、分離することはないので、保管のスペースを最小限にすることを可能にすると共に、保管が著しく容易になりかつ部品の保管管理及び取扱いが容易になる。更にはまた、底20及びふた30を備えた容器100として使用する場合においても、筒状体110を形成した後に、先に述べたとおりにして容易かつ迅速に、しかも確実に底20及びふた30を備えた容器100を形成できるので、組立作業が効率的に行なわれる。
【0042】
図3〜図5に示されている組立式器100は、シート部材10が合成紙から構成されることに起因して、耐水性に優れ、水に濡れても印刷が落ちることはないのみならず材質の劣化(強度の低下や形状の変化等)はほとんどないので、耐久性に優れ、アウトドアに配置され雨に打たれても何ら問題はないので、例えば、組立式植木鉢として好適に使用できる。そして筒状体110を形成するシート部材10はまた、両端部の連結を解除することにより、用土を残した状態で容易に筒状体110を解除せしめて用土の外周から容易に離脱せしめることができると共に軽量であるので、汚れた場合には、簡単に離脱せしめ、所望の場所に持ち運んで拭き取りあるいは洗濯(水洗い)をきわめて容易に遂行することができる(持ち運びのための労力の負担は殆どない)。
【0043】
組立式器100を形成するシート部材10はまた、上記のように合成紙から構成されることに起因して、その弾性により筒状体110を容易に形成することができる、破れにくく耐久性に優れている、長期の使用によっても材質が劣化することなくその品質が確保される、何度も使用できる(半永久的な使用が可能である)、軽量であり、複数の積層(スタック)が可能であるので輸送及び保管(含む陳列)が容易である、等のメリットが上記に加えて更に得られる。また、筒状体110が形成されない状態(シート状)では、著しく少ないスペースでの複数の積層が可能であり、したがって輸送スペース及び保管スペースを大幅に低減することができ、輸送及び保管が容易となる。なお合成紙はその弾性により筒状体110への変形が容易であるが、筒状体110を解除した場合には、元のシート部材10への復元性をも備えており、実用上、きわめて便利である(具体的には、洗浄、輸送、保管等の遂行時)。
【0044】
シート部材10を構成する合成紙は、上記したように半永久的使用が可能であり、ユーザにとっては経済的に著しく有利である。しかしながらもしもこれを廃棄する場合には、燃焼させても有害物質を生成することがなく、したがって環境を汚染することなく容易に廃棄することが可能である。すなわち組立式器100を使用した後、全体を通常の紙として廃棄することができ、環境保全上の要求を完璧に満足させることができるので、時代の要請にも充分対応することができる。
【0045】
図1を参照して、上記した如きシート部材10が分離可能に一体に形成されたカード1は、折曲可能ライン2a及び2bに沿って長手方向に二つに折り畳むことができる。図1において、上側の領域1Aは、下側の領域1B上に重合される。スリット3により形成される円弧形状領域は、矩形状に折り畳まれた上縁から図1において上方に突出する。この様に二つに折り畳まれたほぼ矩形状のカード1は適宜の封筒に封入され、郵送することができる。本発明によるカード1は、言葉などの媒体機能に加えて、独立して使用可能な贈答品などの品物として利用しうる機能が得られる。更に具体的には、容器100に組み立て可能なシート部材10を分離可能に一体に備えているので、言葉などの媒体機能に加えて贈答品としての機能を備えることを可能にするもので、実用上きわめて有用である。本発明によるカード1は、言葉などの媒体機能に加えて、独立して使用可能な贈答品などの品物として利用しうる機能が得られるので、上記した誕生日カードやクリスマスカードなどのグリーティングカードの外に、贈答用カード、宣伝用カード、観光地における土産用カード、絵はがき、結婚式などの引出物としてのカード、などとして広く好適に利用することが可能になる。本発明によるカード1は、従来のカードとしての機能を拡大するものであって、実用上きわめて有用である。
【0046】
カード1に分離可能に一体に形成されるシート部材10は、上記実施形態に限定されるものではなく、分離して筒状体及び容器として組み立て可能であれば、どのような形態のものであっても、本発明の目的を達成することが可能である。シート部材10の最も単純な実施形態は、一端11a及び他端12a間を延在する上縁13及び下縁14を備え、両端部11及び12を相互に重合させて連結することにより筒状体が形成される、というものである。この構成は、図2において、底20、ふた30、スリット17及び13a、折曲可能ライン13b及び18aを除去した形態であって、全体の形状はほぼ矩形状となる。このシート部材10により形成される筒状体は、例えば、植木鉢を囲う装飾カバーとして使用することができる。カード1に、上記最も単純な筒状体形成シート部材と、底とを、それぞれ分離可能に一体に形成する他の実施形態もある。この場合、筒状体形成シート部材及び底をそれぞれ分離した後、筒状体形成シート部材により筒状体が組み立てられ、該筒状体に底が挿入される。該筒状体は軸方向に下方に向かって直径が小さくなるよう形成されることが、底を安定して載置する上で好ましい。この筒状体形成シート部材に、上記スリット17を3個形成することにより、底の載置が一層安定して行なわれる。
【0047】
上記実施形態において、カード1は、実質的に一本の折曲可能ライン2を境界として二つの領域1A及び1Bに区画されると共に折曲可能ライン2に沿って折り畳み可能であるが、少なくとも実質的に一本の折曲可能ラインを境界として少なくとも二つの領域に区画されると共に該折曲可能ラインに沿って折り畳み可能であり、筒状体形成シート部材は、少なくとも一つの領域に分離可能に一体に形成される、ものであればよい。例えば、実質的に二本の折曲可能ラインを境界として三つの領域に区画されると共に折曲可能ラインの各々に沿って三つに折り畳み可能であり、筒状体形成シート部材は、少なくとも一つの領域に分離可能に一体に形成される、ものであればよい。筒状体形成シート部材は、少なくとも一つの領域に分離可能に一体に形成される、ものであればよいので、例えば、図示の実施形態において、シート部材10を、両方の領域1A及び1Bにそれぞれ分離可能に一体に形成してもよい。また、カード1は、折り畳みができない一枚の紙製のシート部材から構成する他の実施形態もある。カード1の大きさは、必要に応じて適宜に設定すればよく、例えば、一枚ものでは、JISのB5、A5、A4サイズ、二つ折り可能なものでB5サイズ(折り畳まない状態)、などが実用的に好適である。本発明におけるカードとはこのようなサイズのものをも含むもので、基本的にはサイズに拘束されるものではない。
【0048】
本発明によるカード1に分離可能に一体に形成されたシート部材10は、これをカード1から分離することにより上記した多くの優れた特徴を有する容器などとして使用可能であるので、カード1それ自体を、贈答品、商品、引出物、土産物、宣伝の媒体などとして好適に利用することができ、実用的にきわめて有用である。
【0049】
他方、本発明による上記シート部材10には、底20及びふた30が一体に形成されているが、半径方向内側に突出させられた3個の帯状部18の各々をその状態で底として利用する場合には、底20を一体に形成することなく、ふた30のみを一体に形成する他の実施形態もある。また、シート部材10に底20のみを一体に形成する他の実施形態もある。この実施形態は、特にふたを必要としない容器として使用する場合に好適である。
【0050】
上記実施形態において、ふた30には、一対の把持部形成用スリット36を形成することによって一対の把持部36bが形成されているが、把持部形成用スリット36及び把持部36bの形状、個数等はこれらに限定されるものではなく、もちろん、他の形状、個数であってもよい。例えば、ふた30の、一部領域32に対し、軸心O2を挟んだ直径方向の反対側の領域に、ふた30の軸心O2を共通の軸心とする円弧形状の把持部形成用スリットを1個形成し、この1個の把持部形成用スリットの両端間を直線状に延在する折曲可能ラインを形成する他の実施形態もある。この実施形態において、把持部形成用スリットと、折曲可能ラインとにより囲まれたほぼ三日月形状をなす領域を折曲可能ラインに沿ってふた30の表面側に折り曲げて該表面から突出させることにより、ふた30の、ほぼ三日月形状をなす1個の把持部が形成される。この1個の把持部を指でつまむことにより、ふた30の開閉操作(特に開操作)を容易に行なうことができる。前記他の実施形態における1個の把持部形成用スリットに代えて、1個の把持孔を形成する他の実施形態もある。この把持孔を、指先を挿入できる程度の大きさに形成することにより、把持孔を利用して指先でふた30を開くことが容易となる。この把持孔は複数個形成してもよい。上記説明から容易に理解されるように、ふた30に形成する把持部形成用スリット(したがって把持部)又は把持孔は少なくとも1個形成すればよい。更にはまた、上記突片37の突出長さを長くしてその先端領域を把持部としてもよい。
【0051】
また、ふた30に把持部を全く形成しない他の実施形態もある。この実施形態において、ふた30は底20と実質的に同じ構成でよいが、ふた30に他の部材を取り付けることにより把持部を形成することも容易に可能である。例えば、簡便には、ひも、同じ材料である紙片等の他の部材の一端部を粘着テープによりふた30の表面に貼着することが考えられる。上記実施形態において、帯状部形成用スリット17は、それぞれ2個形成されているが、3個以上形成する他の実施形態も成立する。いずれの実施形態においても底20及び/又はふた30はそれぞれ1個である。更にはまた、シート部材10から構成される筒状体110の形状は、上記実施形態に示される円筒形状の他に、円錐台筒形状、逆円錐台筒形状あるいは多角形状とする他の実施形態もあり得る。これらの他の実施形態における筒状体110の形状は、シート部材10の上縁13及び下縁14を円弧形状とする、あるいはシート部材10に上縁13から下縁14にわたって延在する複数の折曲可能ラインを予め形成しておく、等により、容易に形成することができる。その場合、底20及びふた30の周縁21及び31の形状を、筒状体110の内周面の形状に適合するように形成することはいうまでもない。
【0052】
図2に示すシート部材10において、上縁13と下縁14との間の幅方向中心を通り長手方向に延在する中心線を挟んだ上下部の構成を対称形とする、他の実施形態もある。具体的には、図2において、ふた30の構成を底20の構成と実質的に同じとし、帯状部形成用スリット17、折曲可能ライン18a及び帯状部18を、上記対称位置にそれぞれ形成する他の実施形態が考えられる。この実施形態においては、上下のいずれを底20として組み立てても、ふた30として組み立てても、組立式器100として成立するので組立が容易で便利である。この実施形態において、相互に同じ構成を有する底20とふた30とを区別したい場合には、ふた30としたい側に把持部形成用スリット又は把持孔を少なくとも1個形成すればよい。また底20及びふた30の両方に把持孔を形成した場合、底20に形成した把持孔を、水抜き用の孔として利用できるので、筒状体形成シート部材10を植木鉢あるいはビニールポットとして使用することも容易に可能である。
【0053】
更にはまた、上記実施形態において、下縁部にはシート部材10の長手方向に間隔をおいてかつそれぞれ該長手方向に延在する複数個の帯状部形成用スリット17が形成され、スリット17の各々と下縁14との間には帯状部18が形成されているが、帯状部形成用スリット17及び帯状部18を形成しない他の実施形態もある。例えば、筒状体110の形状が円錐台筒形状の場合には、底20は、筒状体110の内周面に圧入するのみで筒状体110の内側に支持される。したがって、組み立てられた容器100を、例えば軽量の小物入れとして使用する場合には、これを実用化することは十分に可能である。更にはまた、シート部材10にふた30を一体に形成する実施形態において、ふた載置部である小片部13Aを形成しない他の実施形態もある。この実施形態においては、収容物の上面をふた載置部として利用する場合と、筒状体110の形状が円錐台筒形状の場合において、その内周面をふた載置部として利用する場合とが想定される。後者の場合は、上記した底20におけると同様に、ふた30は、筒状体110の内周面に圧入するのみで筒状体110の内側に支持される。更にはまた、底20のみを一体に成形した実施形態において、底20に水抜き孔を形成した場合には、植木鉢あるいはビニールポットとして好適に使用することができる。
【0054】
更にはまた上記実施形態において、シート部材10(及びカード1)は一枚の合成紙から構成されているが、本発明はこれに限定されることはなく、少なくとも合成紙を含む他の形態のシート部材、例えば、合成紙同士を複数枚貼り合わせたもの、合成紙と紙(一般紙)とを貼り合わせたもの、あるいは合成紙と合成樹脂製フィルムとを貼り合わせたもの(ラミネートしたもの)等により構成する他の実施形態もありうる。このうち合成紙と合成樹脂フィルムとを貼り合わせたものは、一例として、ベースである合成紙の両面に熱可塑性合成樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム)を押出しにより積層することによって形成することができる。このような合成紙同士を積層し、熱可塑性合成樹脂フィルムを介して相互に加熱溶着することにより、複数の合成紙の積層体が形成される。更にまた板紙等の、合成紙以外の一枚の紙、複数の紙をラミネートしたもの等のシート部材によってシート部材10を構成する他の実施形態もありうる。
【0055】
本発明によるシート部材10は、ベースとなる紙製のシート部材からなるカード1に分離可能に一体に形成されているので、輸送(含む郵送)、展示、保管を容易に行なうことができ、便利である。そして、使用時には図2の形態で分離すればよい。この場合、上記シート部材10は、ベースとなるカード1に対し、複数の分離可能な橋絡部すなわち連結部を残して、輪郭の部分をスリットで形成することにより、輸送等においてはベースとなるカード1と一体に取り扱うことができ、使用時には、ベースとなるカード1から分離することができるのである。なお、本発明によるシート部材10を、カード1に分離可能に一体に形成することに代えて、1枚のベースとなる矩形状のシート部材の中にその一部として分離可能に一体に形成しておけば、カード1におけると同様に、1枚のシート部材として輸送(含む郵送)、展示、保管を容易に行なうことができ、便利である。そして使用時には図2の形態で分離すればよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によるカードによれば、言葉などの媒体機能に加えて、独立して使用可能な贈答品などの品物として利用しうる機能が得られる。また、言葉などの媒体機能に加えて、独立して使用可能な贈答品などの品物として利用しうる機能が得られ、その結果、一般的なグリーティングカードの外に、贈答用カード、宣伝用カード、観光地における土産用カード、絵はがき、結婚式などの引出物としてのカード、などとして広く好適に利用することが可能になる。
本発明による筒状体形成シート部材によれば、実質的に1個にまとめられた成形型により底及び/又はふたと一体に同時に成形することを可能にし、その結果、生産効率の向上及び製造コストの低減を可能にする。また、該筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成された新規なカードが得られる。
本発明による筒状体形成シート部材によれば、底及び/又はふたを備えた容器として使用する場合においても、部材の紛失を確実に防止することを可能にする。また、該筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成された新規なカードが得られる。
本発明による筒状体形成シート部材によれば、底及び/又はふたを備えた容器として使用した後においても、保管のスペースを最小限にすることを可能にすると共に、保管が著しく容易でありかつ部品の保管管理及び取扱いが容易である。また、該筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成された新規なカードが得られる。
本発明による筒状体形成シート部材によれば、底及び/又はふたを備えた容器として使用する場合においても、組立作業を効率的に行なうことを可能にする。また、該筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成された新規なカードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されたグリーティングカードの実施形態を示す平面図。
【図2】図1に示されているグリーティングカードに分離可能に一体に形成された筒状体形成シート部材が該カードから分離された状態の平面図。
【図3】図2に示す筒状体形成シート部材を組み立てることにより組立式器(容器)とした状態であって、底を帯状部の上端に載置し、ふたを開いた状態を示す斜視図。
【図4】図3に示す組立式器において、ふたを組立式器の軸線に対しほぼ90°の位置に開いた状態を示す平面図。
【図5】図4のA−A矢視断面図。
【符号の説明】
1 誕生日カード
2 折曲可能ライン
3 スリット
10 筒状体形成シート部材
11 一端部
11a 一端
12 他端部
12a 他端
13 上縁
13a 小片部
13b 折曲可能ライン
14 下縁
15 スリット
16 係止片
17 帯状部形成用スリット
18 帯状部
18a 折曲可能ライン
20 底
21 周縁
22 一部領域
22a 折曲可能ライン
24、25 周縁形成用スリット
30 ふた
31 周縁
32 一部領域
32a 折曲可能ライン
34、35 周縁形成用スリット
36 把持部形成用スリット
36a 折曲可能ライン
36b 把持部
37 突片
37a 折曲可能ライン
100 組立式器
110 筒状体

Claims (14)

  1. 紙製のシート部材からなるカードであって、筒状体形成シート部材が分離可能に一体に形成されている、
    ことを特徴とするカード。
  2. 少なくとも実質的に一本の折曲可能ラインを境界として少なくとも二つの領域に区画されると共に該折曲可能ラインに沿って折り畳み可能であり、筒状体形成シート部材は、少なくとも一つの領域に分離可能に一体に形成されている、請求項1記載のカード。
  3. 筒状体形成シート部材は、一端及び他端間を延在する上縁及び下縁を備え、分離された筒状体形成シート部材の両端部を相互に重合させて連結することにより筒状体が形成される、請求項1又は請求項2記載のカード。
  4. 下縁部には、1個の底が、底の周縁の一部領域が該下縁部において一体に連結されることにより、該下縁から下方に突出するよう一体に形成され、底の該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該下縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成された底周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、底は、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該下縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられ、
    該下縁部には該シート部材の長手方向に間隔をおいてかつそれぞれ該長手方向に延在する複数個の帯状部形成用スリットが形成され、該スリットの各々と該下縁との間には帯状部が形成され、帯状部の各々は、筒状体が形成された状態において、周方向の両端を支点として半径方向内側に突出しうるよう構成され、底の該一部領域は、帯状部形成用スリットの各々の延長上ないしは該延長上よりもわずかに上方の位置に配置され、帯状部の各々が半径方向内側に突出させられた状態で、底は帯状部の各々の上端に載置される、請求項3記載のカード。
  5. 上縁部には、1個のふたが、ふたの周縁の一部領域が該上縁部において一体に連結されることにより、該上縁から上方に突出するよう一体に形成され、ふたの該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該上縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成されたふた周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、ふたは、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該上縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられる、請求項4記載のカード。
  6. ふたには少なくとも1個の把持部形成用スリット又は把持孔が形成されている、請求項5記載のカード。
  7. ふたの該周縁の、該上縁から上方に突出した先端領域には、該先端領域から延び出す突片が形成され、筒状体が形成された状態において、該突片を該突片の基端を支点として折り曲げた状態でふたを閉塞すると、該突片が折曲反力により該上縁部の内側面に圧接されてふたの閉塞状態が保持される、請求項5又は請求項6に記載のカード。
  8. 該一端と該上縁とが交わる角部には、該上縁から該一端に間隔をおいて該下縁に向かって延びるスリットが形成され、該スリットと該スリットに対向する該一端との間には小片部が形成され、筒状体が形成された状態において、該一端を含む一端部は該他端を含む他端部の内側に重合され、かつ、該小片部を該小片部の該基端を支点として内側に折り曲げてふたを閉塞すると、ふたの周縁領域の一部が該小片部に当接してふたの閉塞位置が規定される、請求項5〜7のいずれか1項に記載のカード。
  9. 紙は合成紙である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカード。
  10. 一端及び他端間を延在する上縁及び下縁を備えると共に両端部を相互に重合させて連結することにより筒状体が形成される筒状体形成シート部材において、
    上縁部には、1個のふたが、ふたの周縁の一部領域が該上縁部において一体に連結されることにより、該上縁から上方に突出するよう一体に形成され、ふたの該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該上縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成されたふた周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、ふたは、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該上縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられ、
    ふたの該周縁の、該上縁から上方に突出した先端領域には、該先端領域から延び出す突片が形成され、筒状体が形成された状態において、該突片を該突片の基端を支点として折り曲げた状態でふたを閉塞すると、該突片が折曲反力により該上縁部の内側面に圧接されてふたの閉塞状態が保持される、
    ことを特徴とする筒状体形成シート部材。
  11. 一端及び他端間を延在する上縁及び下縁を備えると共に両端部を相互に重合させて連結することにより筒状体が形成される筒状体形成シート部材において、
    上縁部には、1個のふたが、ふたの周縁の一部領域が該上縁部において一体に連結されることにより、該上縁から上方に突出するよう一体に形成され、ふたの該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該上縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成されたふた周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、ふたは、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該上縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられ、
    該一端と該上縁とが交わる角部には、該上縁から該一端に間隔をおいて該下縁に向かって延びるスリットが形成され、該スリットと該スリットに対向する該一端との間には小片部が形成され、筒状体が形成された状態において、該一端を含む一端部は該他端を含む他端部の内側に重合され、かつ、該小片部を該小片部の該基端を支点として内側に折り曲げてふたを閉塞すると、ふたの周縁領域の一部が該小片部に当接してふたの閉塞位置が規定される、
    ことを特徴とする筒状体形成シート部材。
  12. 下縁部には、1個の底が、底の周縁の一部領域が該下縁部において一体に連結されることにより、該下縁から下方に突出するよう一体に形成され、底の該周縁の、該一部領域を挟んだ両端から該下縁に至る二つの領域は、該シート部材に形成された底周縁形成用スリットにより形成され、筒状体が形成された状態において、底は、該一部領域を支点として折り曲げることにより筒状体の該下縁部の内側を実質的に閉塞するよう位置付けられる、請求項10又は請求項11に記載の筒状体形成シート部材。
  13. 該下縁部には該シート部材の長手方向に間隔をおいてかつそれぞれ該長手方向に延在する複数個の帯状部形成用スリットが形成され、該スリットの各々と該下縁との間には帯状部が形成され、帯状部の各々は、筒状体が形成された状態において、周方向の両端を支点として半径方向内側に突出しうるよう構成され、底の該一部領域は、帯状部形成用スリットの各々の延長上ないしは該延長上よりもわずかに上方の位置に配置され、帯状部の各々が半径方向内側に突出させられた状態で、底は帯状部の各々の上端に載置される、請求項12記載の筒状体形成シート部材。
  14. 合成紙からなる、請求項10〜13のいずれか1項に記載の筒状体形成シート部材。
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