JP3074501B2 - パン用被覆生地およびミックス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、パン用被覆生地の純
白性又は色彩の鮮明性を目的としたパン用被覆生地およ
びミックスに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、メロンパンなどの一般的な製造方
法は、菓子パン生地を成型して内生地とし、さらにその
外側を薄力小麦粉、砂糖、バター、香料、色素および膨
張剤を原料とする被覆生地で覆い、成型してホイロ後焼
成していた。また前記の他に、脱脂粉乳、乳化剤および
庶糖脂肪酸エステルを主成分とする起泡剤を含む生地も
提案されていた（特公昭６１−４３９７０）。

【０００３】

【発明により解決すべき課題】前記従来のパン用被覆生
地は、何れも小麦粉を主成分としている為に、純白の製
品とはなり難く、かつ色素を入れた場合に、色彩鮮明な
製品を求めることは困難であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】然るにこの発明は、パン
用被覆生地の主成分として、小麦粉に代って澱粉類を用
いると共に、増粘剤又は化工澱粉類の単独又は混合物を
用いることにより、前記従来の問題点を解決したのであ
る。

【０００５】即ちこの発明は、澱粉類に必要な副資材を
配合すると共に、増粘剤と化工澱粉類の単独又は混合物
を、前記澱粉類の０．５％〜１０％（重量％、以下同
じ）配合したことを特徴とするパン用被覆生地ミックス
である。また他の発明は、澱粉類を主成分とし、副資材
および水を原料とする配合において、増粘剤と化工澱粉
類の単独又は混合物を含ませたことを特徴とするパン用
被覆生地である。また澱粉類は、小麦澱粉、コーンスタ
ーチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉又はタピオ
カスターチなどとしたものである。前記における澱粉類
中、小麦澱粉およびコーンスターチが、食感上特に好ま
しい。

【０００６】前記における副資材とは、例えば糖類、油
脂、香料及び膨張剤であって、必要に応じ色素を加え
る。

【０００７】前記における糖類としては、砂糖、グラニ
ュー糖その他従来使用されている他の糖類を使用するこ
とができる。

【０００８】次に油脂類としては、バター、マーガリ
ン、ショートニングなどがあり、その他従来使用されて
いたものは何れも使用することができる。

【０００９】また香料、色素、膨張剤なども、パン用被
覆生地に用いられていたものは何れも使用することがで
きる。

【００１０】次に増粘剤としては次のものが使用でき
る。

【００１１】天然多糖類として グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ト
ラアントガム、アラビアガム、カラヤガム、カロブビー
ンガム、カラギーナン、ジェランガム、アルギン酸、ペ
クチン、キナン、キトサン、プルランなどがある。

【００１２】合成多糖類として ＣＭＣ、ＣＭＣ−Ｃａ、ＣＭＣ−Ｎａ、ＭＣ、アルギン
酸−Ｎａ、アルギン酸−ＰＧエステル。

【００１３】その他 カゼイン、ガゼイン−Ｎａ、デキストリン。

【００１４】更に化工澱粉類はα化澱粉、酸化澱粉、エ
ステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉としたもので
ある。

【００１５】前記増粘剤と化合澱粉類の単独又は混合物
の添加量は、澱粉に対して、０．５％〜１０％である。
前記添加量が０．５％未満の場合には、生地がまとまら
ず、作業性不良となる。また添加量が１０％をこえる場
合には、生地がかたすぎて伸長性が悪く、作業性不良と
なる。従って添加量０．５％〜１０％が使用可能範囲で
あるが、好ましくは０．６％〜９％である。

【００１６】前記生地は、色素及び香料を適当に加える
ことによりメロンパンの被覆生地、レモン風味又はリン
ゴ風味などのパン用被覆生地に用いることができる。

【００１７】

【実施例１】小麦澱粉１００部（重量部以下同じ）に対
し、キサンタンガム０．５部、α化小麦澱粉５部、グラ
ニュー糖５０部、ショートニング２０部、ベーキングパ
ウダ２部、食塩０．５部およびメロンフレーバー０．１
部を均一に混合してパン用被覆生地ミックスを得た。

【００１８】

【実施例２】実施例１で得たミックスに、水３５部を加
えて撹拌混合して、パン用被覆生地を得た。

【００１９】

【試験例】次に、実施例３、４と比較例１、２、３につ
いて説明する。

【００２０】実施例と比較例の原料割合は表１の通りで
ある。

【００２１】

【表１】

【００２２】前記原料割合により、通常の要領で被覆生
地を製造し、その３０ｇを分取して、通常の要領により
製造した内生地４０ｇの上へ被覆し、ホイロをとった後
焼成した所、表２の結果を得た。

【００２３】

【表２】

【００２４】

【発明の効果】この発明によれば、従来主原料として使
用されている小麦粉に代えて澱粉類を用いると共に、増
粘剤と化工澱粉類の単独又は混合物を含有させたので、
純白又は色彩鮮明な被覆生地を得る効果がある。

【００２５】然して、澱粉類使用による生地のまとまり
の悪さは増粘剤、化工澱粉類の適量使用により十分カバ
ーされ、従来と優るとも劣らない品質のパン用被覆生地
を得ることができる。

【００２６】またミックスとして、密封包装し、生地と
して冷凍保存すれば、必要な時に必要な量を必要な場所
へ供給することができる効果がある。

【００２７】また純白の被覆生地を得ることができるの
で、色素の添加により、必要な鮮やかな色彩の被覆生地
を得ることもでき、商品の品質向上と、使途の拡大を期
待することができる。

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A21D 2/18 A21D 10/00 ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 澱粉類に必要な副資材を配合すると共
   に、増粘剤と化工澱粉類の単独又は混合物を、前記澱粉
   類の０．５％〜１０％（重量％）配合したことを特徴と
   するパン用被覆生地ミックス。
2. 【請求項２】 澱粉類を主成分とし、副資材および水を
   原料とする配合において、増粘剤と化工澱粉類の単独又
   は混合物を含ませたことを特徴とするパン用被覆生地。