JP3073865B2 - 水溶性シルク倍散芒硝浴用剤及びその製造法 - Google Patents
水溶性シルク倍散芒硝浴用剤及びその製造法Info
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Description
用剤に関し、特に吸湿、保湿作用が有り、皮膚の新陳代
謝に活性があるとされるシルク加水分解物を配合した高
機能、高品質の浴用剤及びその製造方法に関する。
適度な吸湿性や保湿性、皮膚や毛髪に対する優れた親和
性や保護作用等の特性を有しているために、従来から絹
フィブロイン水溶液や絹フィブロイン粉末が化粧料基剤
等の用途に使用されてきた。
7−4723号公報に提案されているように、銅−エチ
レンジアミン水溶液、水酸化銅−アンモニア水溶液、水
酸化銅−アルカリ−グリセリン水溶液、臭化リチウム水
溶液、カルシウム或いはマグネシウム又は亜鉛の塩酸塩
或いは硝酸塩又はチオシアン酸塩の水溶液、チオシアン
酸ナトリウム水溶液よりなる群から選ばれた少なくとも
一種の溶媒に精練絹原料を溶解後透析する方法で製造す
る。さらに、絹フィブロイン加水分解物の水溶液は特公
昭59−31520号公報で提案されているように、上
記の方法で得られた絹フィブロイン水溶液を酵素或いは
酸又はアルカリにより加水分解することを特徴とする絹
フィブロインペプチドの製造法で容易に得られる。
溶液を溶媒とするのと異なり溶媒が穏やかなものである
ため、絹フィブロインの有用な蛋白質構造を損傷するこ
と無く絹繊維を溶解でき、又透析を膜表面積(cm2 )
/プライミング容量(cm3)≧10を満足する多層膜
構造物又は中空糸集束構造物を使用している為透明で均
一な高品質の絹フィブロイン水溶液を安定して製造する
ことができる。さらに、絹フィブロイン加水分解物も加
水分解反応が液−液反応であるため均一に進行し、繊維
を直接強酸や強アルカリで加水分解するのと異なり、分
子量分布がシャープな絹フィブロインペプチドが得ら
れ、加水分解物の収率もはるかに良好である。
くして得られた絹フィブロイン加水分解物がプロコラゲ
ナーゼの産生促進作用を有していることを確認し、これ
を配合することで皮膚の新陳代謝に活性のある浴用剤の
製造が提案されている。
素ナトリウムを主成分とする粉体の形で商品とされ、消
費者はこれを風呂水に溶かして用に供する。従って、浴
用剤は濁り湯は別として水易溶解性の粉体を必須の条件
としている。水易溶解性の絹フィブロイン粉体として
は、上記の絹フィブロイン水溶液や絹フィブロイン加水
分解物水溶液をスプレードライする方法(特開昭56−
40695号公報)、絹フィブロインの平均重合度が3
〜600の該水溶液をフリーズドライする方法(特開昭
61−180800号公報)、平均重合度が650以上
の絹フィブロイン水溶液をフリーズドライする薄片状シ
ルクパウダーの製造法(特開平6−329809号公
報)が提案されている。
物、特に有機物のオリゴマ〜ポリマーとしては水易溶解
性物質に属する。しかしながら、浴用剤の主成分である
無水硫酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等の無機塩と
比較すると溶解速度は劣る。従って、シルク成分を含有
する浴用剤を製造すべく、上記の水溶性シルクパウダー
と無機塩を単に粉体混合しただけのものでは、これを風
呂に混合したとき無機塩が溶けた後もシルクパウダーが
異物状に風呂水中や表面に暫時浮遊し、商品イメージを
低下せしめる。
上記水溶性シルクパウダーの嵩比重は通常0.5g/c
m3 以下と非常に小さく、これを浴用剤の小袋に自動計
量封入すべく嵩比重の大きい無機塩の無水硫酸ナトリウ
ム等と粉体混合タンクで均一に混合するのはかなり困難
で自動封入ラインに乗らない。
ルクパウダーや浴用剤の物質特性や品質の改良について
鋭意研究した結果、本発明を完成したものである。本発
明の目的は皮膚の保湿・調湿作用や皮膚の新陳代謝活性
を有するシルク成分を含有する浴用剤において、水溶性
シルクパウダーが浴用剤無機塩とほぼ同速度で風呂水に
溶解し暫時といえども異物状に浮遊せず、又該浴用剤の
浴用剤小袋への自動計量・封入ラインに於る粉体混合タ
ンクで該シルクパウダーと無機塩が嵩比重の差で分離す
る等の問題点を改良した高品質、高機能の浴用剤を提供
するにある。他の目的は、斯る浴用剤を工業的有利に製
造する方法を提供するにある。
体の水易溶解性を損ねることなく無水硫酸ナトリウムと
共晶の形で倍散した水溶性シルク倍散芒硝浴用剤に係わ
るものであり、本発明方法はシルク水溶液に無水硫酸ナ
トリウム(Na2 SO4 )を20%(g/ml)以下の濃
度で溶解し、これを凍結乾燥することを特徴とする。
ムで倍散すること、及び倍散の手段としてシルク・硫酸
ナトリウム水溶液を凍結乾燥する方法は、前述の水溶性
シルク粉体の溶解度が無機塩に比べて遅いために風呂水
中に暫時浮遊する問題点及び水溶性シルクと無機塩の嵩
比重の顕著な差の問題点を解決するために極めて重要で
ある。
トリウムをその水溶液から共晶の形で析出させる技術
で、該共晶操作は一見通常の加熱濃縮・乾燥方法で簡単
に実施できそうに見える。しかしながら、硫酸ナトリウ
ムはシルク水溶液はもちろん、加水分解シルク水溶液の
塩析剤で、該シルク水溶液に硫酸ナトリウムを無水物の
量で20%(g/ml)以上の濃度で混合すると、シルク
成分の粒状物〜粘稠物が硫酸ナトリウムと分離した状態
で析出する。この析出物は前述のシルク水溶液〜加水分
解シルク水溶液単独のスプレードライ又はフリーズドラ
イで得た水溶性シルクパウダーと比べて、はるかに水溶
解性が劣り浴用剤として不適当である。さらにシルクの
分子量が大きい場合、析出物は水不溶性となり浴用剤と
しては全く使用できない(β化)。さらに硫酸ナトリウ
ムを溶解濃度:20%(g/ml)以下で混合しても、加
熱濃縮の進行とともに硫酸ナトリウムの濃度は上昇しシ
ルクは同様に析出する。
ル等の無水硫酸ナトリウムが溶解しない有機溶媒に溶か
した該溶媒可溶物を溶解状態のまま無水硫酸ナトリウム
で倍散し、その後有機溶媒を蒸発乾燥する方法がある。
しかしながら、該手法は水溶性シルク粉体が、エタノー
ルを始め、通常の無水硫酸ナトリウムの非溶媒に溶解し
ないため適用できない。
解性を損ねることなく、水溶性シルクと無水硫酸ナトリ
ウムをその水溶液から結晶レベルで均一に結晶化される
方法を種々検討した結果、シルク水溶液に無水硫酸ナト
リウム(Na2 SO4 )を20%(g/ml)以下の濃度
で溶解し、これを凍結乾燥する場合、シルク成分が無水
硫酸ナトリウムと共晶の形で結晶化し倍散すること、さ
らに該倍散物のシルク成分は無水硫酸ナトリウムとほぼ
同程度の溶解速度で風呂水に溶解することを見出した。
結乾燥で芒硝の結晶水まで乾燥除去され、無水硫酸ナト
リウムとシルク成分が均質な状態で結晶化(共晶)する
ことを見出したのが本発明のポイントである。なぜなら
ば、硫酸ナトリウムを水溶液から室温で結晶化させる場
合、10水塩の結晶として得られ、この結晶水を該結晶
の転移点である32.4℃以下で乾燥除去することは通
常困難である。因みに、硫酸ナトリウム・10水塩の結
晶は32.4℃以上の温度で硫酸ナトリウムが結晶水に
溶ける形で硫酸ナトリウム水溶液に転移する。シルク、
硫酸ナトリウム水溶液の凍結乾燥は文字通り水の凍結状
態の乾燥で、この状態で硫酸ナトリウムの結晶水が蒸発
し無水硫酸ナトリウムとシルク成分との共晶無水物が得
られ、しかもシルク成分が無水硫酸ナトリウムと同程度
の易溶解性(α形)であることは驚くべき事実である。
000が好ましく、特に好ましくは4〜100である。
平均重合度2未満ではシルク特有の皮膚に対する保湿、
調湿作用が損なわれ、皮膚の新陳代謝の活性作用も無
い。一方、平均重合度が2000を上廻ると無水硫酸ナ
トリウムで倍散しても風呂水に速やかに溶解せず、浴用
剤として不適当である。
トリウムの割合が、シルク成分として1.0%(重量)
〜50%(重量)が好ましく、5.0%(重量)〜20
%(重量)がより好ましい。1.0%(重量)未満では
浴用剤として皮膚に対する保湿、調湿作用が発現しな
い。一方、50%(重量)を越えると浴用剤がシルクリ
ッチになるため吸湿性が強くなり、家庭で保存中に浴用
剤が湿気るため好ましくない。
ゆ、生糸、まゆ屑、生糸屑、ビス、揚り綿、絹布屑、ブ
ーレット等を常法に従い必要に応じて活性剤の存在下、
温水中で又は酵素の存在下温水中でセリシンを除去し乾
燥したものを使用する。
は、銅−エチレンジアミン水溶液、水酸化銅−アンモニ
ア水溶液(シュワイサー試薬)、水酸化銅−アルカリ−
グリセリン水溶液(ローエ試薬)、臭化リチウム水溶
液、カルシウム或いはマグネシウム又は亜鉛の塩酸塩或
いは硝酸塩又はチオシアン酸塩の水溶液、チオシアン酸
ナトリウム水溶液が挙げられるが、コスト及び使用上の
点からカルシウム又はマグネシウムの塩酸塩又は硝酸塩
が好ましい。又、これ等の水溶液の濃度は使用する溶媒
の種類、温度等により異なるが、金属塩等の濃度は通常
10〜80%(重量)、好ましくは20〜40%(重
量)である。80%(重量)以上でも溶解するが、生成
するシルク水溶液に実質的な差異が無く経済性の点で問
題である。
溶媒に添加し、温度60〜95℃、好ましくは70〜8
5℃でニーダの如き装置内で均一に溶解するが、液比は
通常2〜50、好ましくは3〜30である。
水溶液を得るためには、引続いて透析する。透析はセロ
ファン膜に代表される透析膜や中空繊維を使用した透析
器を用い、前記の塩類等をほぼ完全に除去する。この場
合目的とする絹フィブロインの分子量分布を極力狭くす
るためと、絹フィブロインの品質を維持するために、透
析量と透析膜面積を特定する必要がある。即ち下記式を
満足する多層膜構造物又は中空糸集束構造物を使用して
脱塩を行う。 膜表面積(cm2 )/プライミング容量(cm3 )≧1
0 (ここで、プライミング容量とは透析チューブ又は膜間
の内容積を示す)
に行われないため透析器中での滞留時間が長くなり、得
られるシルク水溶液は、既に腐敗が始まっている事が多
い。その場合、シルク蛋白は腐敗による変性で水不溶
(β構造)化し、これを再び水易溶性化することは困難
である。特に本発明方法を円滑に且つ経済的に行うため
に、上記数値は30以上が好ましく、50以上が特に好
ましい。該条件を満足させる為には、例えば中空糸集束
構造物の場合中空糸の直径を4mm以下にする必要があ
る。
塩濃度が0.003〜0.06%(重量)と極めて少な
く、特に中空糸の径が0.2mm程度になると、 膜表面積(cm2 )/プライミング容量(cm3 )≒2
00 となり透析器中での滞留時間数10分で、これを達成す
ることができ、これより極めて高品質のシルク水溶液を
得ることができる。
濃度は本質的なものでは無いが、通常0.1〜20%
(重量)、好ましくは0.2〜10%(重量)である。
0.1%(重量)未満では生産性が良く無い。濃い程生
産性は良くなるが20%(重量)を越えると硫酸ナトリ
ウムの混合濃度が20%(g/ml)以下と限界があるの
で、乾燥物がシルクリッチになるため吸湿性が強くなり
家庭で保存中に浴用剤が湿気るため良くない。
のものを得ようとする場合、これを酵素或いは酸又はア
ルカリを用いて加水分解を行う。
通常の蛋白質分解酵素、例えば放線菌から得られるプロ
ナーゼ、パパイヤから得られるプロラーゼ等の数種のプ
ロテアーゼ混合物と考えられる酵素群、プロメリン等が
挙げられ、これらを単独或いは2種以上混合して使用す
ることができる。使用する酵素の量は酵素の種類、純
度、反応条件、或いは目的とする絹フィブロインの平均
重合度等により異なるが、通常シルク成分に対して0.
01〜10.0%(重量)、好ましくは0.02〜5.
0%(重量)である。この場合の加水分解の条件は使用
する酵素の種類、濃度等により異なるが、通常pHは5
〜9、好ましくは6〜8.5、温度は20〜70℃、好
ましくは30〜45℃で0.1〜72時間、好ましくは
0.5〜12時間行う。
の無機酸又はくえん酸、酒石酸、マロン酸、こはく酸及
びマレイン酸等の有機酸が挙げられる。またアルカリと
しては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、アンモニア水等の無機アルカリ、メチルアミン等
の有機アルカリが使用し得るが、反応性、経済性、安定
性の面から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ま
しい。
用する酸又はアルカリの種類、目的とするペプチドの平
均重合度及び重合度分布等により異なるが、通常0.0
3〜3.0N、好ましくは0.3N以下の濃度で、温度
は20〜110℃、好ましくは30〜100℃で、0.
5〜48時間、好ましくは1〜24時間反応を行い、そ
の後アルカリ又は酸を加えて中和する。
の微小な濁成分を発生するので濾過して清澄液を得る。
ブロイン濃度に調整し、これに所定量の無水硫酸ナトリ
ウムを粉体のまま混合溶解させる。無水硫酸ナトリウム
は浴用剤用の規格のものを用いる。硫酸ナトリウムの混
合濃度は無水物として20%(g/ml)以下を必須と
し、1%(g/ml)以上が好ましい。1%(g/ml)未
満では乾燥仕掛水溶液量に比して乾燥物の量が少なく生
産性に劣る。20%(g/ml)を越えると、シルク成分
が塩析されるため該成分が粒状〜粘稠物が析出し、該析
出物が浴用剤の品質を低下せしめることは前述した。
液は、次いで凍結乾燥する。凍結乾燥は通常の凍結乾燥
機により実施し得るが、水溶液中の固形成分の濃度が2
%(g/ml)未満の場合、得られた乾燥物の収量が仕掛
水溶液量に比して極端に少なく実用的でない。
バット状の容器に深さ5〜10mmになるように注入
し、全体を一旦−20〜−40℃に急冷して凍結させ
る。これを凍結乾燥機のチャンバー中の棚に複数段挿入
し、初期は0.5torr程度、終了時には0.05t
orr程度の減圧下乾燥する。減圧乾燥中は棚に埋め込
んだヒーターで気化熱を補給し、凍結物の温度を適当な
範囲(共晶点)に調節する。
水硫酸ナトリウムが共晶している均質な白色粉末で柔ら
かくケーキ状に固まったもので、これを粉砕機で所望の
大きさに粉砕することで水溶性シルク倍散芒硝浴用剤が
得られる。該浴用剤のシルク成分は無水硫酸ナトリウム
成分とほぼ同速度で速やかに風呂水に溶解する。そし
て、該浴用剤は単独又は他の無機成分、香料、色素等と
混合して商品とする。
お、実施例中のシルク成分の平均重合度の測定は次のa
又はbの方法で行った。
め、これを(a)とする。ペプチドの末端基量を測定し
これを(b)とする。平均重合度=(a)/(b)とし
て求める。(a)を得るには(1)絶乾固形分量より灰
分量を差引き、これとペプチド構成アミノ酸の平均分子
量(85とした)より求める。(2)ケルダール窒素測
定より求めた窒素原子量をアミノ酸モル量とする。
(3)水酸化ナトリウム又は塩酸加水分解後、生成アミ
ノ酸をニンヒドリン比色定量する等の方法に依る。各測
定法に若干の違いがあるが、一般に良い一致を示す。
(b)はフォルモール測定法により末端−CO2 H基を
測定すれば良い。
った。 (ゲル濾過分析条件) カラム: TSKgel G−3000 SWXL(東
ソー(株)) 溶離液: 0.1M Phosphate−Na 緩衝
液 /0.3M NaCl(pH7.0) 流速 : 1.0 ml/min 検出器: UV 220nm 標準試料:Thyroglobulin(MW 66
万) γ−Globulin (MW 15万6千) Albumin (MW 6万7千) Cytochrome C (MW 1万2400) 各種蛋白質の標準試料から溶離時間と分子量についての
検量線を求めて絹フィブロインの平均分子量を測定し
た。
マルセル石けん30部、水3000部の溶液で95〜9
8℃において3時間攪拌精練し、残膠を0.1%以下に
まで減少させ、水洗後80℃で熱風乾燥した。一方、塩
化カルシウム(CaCl2 ・2H2 O)100部に水1
00部を混合して38%(重量)塩化カルシウム水溶液
200部を調製して110℃に加熱した。これに精練ず
みの生糸くず40部をニーダを用いて5分間で攪拌しな
がら投入後、さらに30分間攪拌し完全に溶解させた。
00mmの再生セルロース系中空糸を2000本束ね、
これの両端を中空穴を閉塞することなく集束固定(シー
ル)したホローファイバー型の透析装置を用いて、前記
溶解液を0.3 l/時間の割合で流入させて脱イオン水
を用いて透析し、シルク水溶液を得た。該シルク水溶液
のフィブロイン濃度は10.5%(重量)で、残留塩化
カルシウムは0.001%(重量)であった。
ビオプラーゼ・コンクを絹フィブロイン固形分に対して
1.0%(重量)添加し20℃から70℃に昇温しなが
ら4時間反応させた。反応を終了させるために15分間
沸とうし、冷却後、0.6μの孔径でメンブラン濾過し
て加水分解シルクの清澄液を得た。ペプチド平均重合度
の測定の結果、本発明例の平均重合度は5.9であっ
た。
は10.0%(重量)であったが、これの200mlを1
0%(g/ml)の無水硫酸ナトリウム水溶液800mlに
混合し、さらに蒸留水を加え、1000mlとし、シルク
・硫酸ナトリウム水溶液を製造した。該水溶液はシルク
成分2.0%(g/ml)、硫酸ナトリウム成分8.0%
(g/ml)で硫酸ナトリウムを混合しても濁りが発生せ
ず清澄液であった。
燥は該水溶液を−30℃に急速に冷却し凍結せしめた。
これを乾燥初期は0.5torr、終了時点では0.0
5torr程度の通常の凍結乾燥法で乾燥し、純白で均
質なケーキ状の水溶性シルク倍散芒硝浴用剤100gが
得られた。これを粉砕して粉末状の浴用剤にし、該粉末
状浴用剤50gを42℃の風呂水に混合したところ、全
体が数秒で風呂水に溶解し、浴用剤〜浴用剤配合剤とし
て好ましいことを確認した。
ウムを混合せずに単独で実施例1と同条件で凍結乾燥し
た。得られたシルク粉体20gに無水硫酸ナトリウム8
0gを混合した。混合状態は両者の嵩比重の差で不均質
であった。これを実施例1と同条件で風呂水に混合した
が、硫酸ナトリウムが数秒で溶解したのに対しシルク成
分は数分間風呂水表面に浮遊し、1部はペースト状に凝
集したシルク成分が発現し、浴用剤としては商品イメー
ジが悪く不適当であった。
分の溶解性を試験した。その結果を表1に示す。
酸ナトリウム混合液中の無水硫酸ナトリウムの濃度は2
0%(g/ml)以下を必須とすることが分かる。
01N〜1.0Nの濃度で水酸化ナトリウムを溶解し、
85℃で15分〜3時間加水分解し、表2に示す平均分
子量のシルク水溶液を調製した。これを実施例1に準じ
て、無水硫酸ナトリウムの混合溶解、フリーズドライ、
粉砕しシルク成分49%(重量)、無水硫酸ナトリウム
49%(重量)、水分2%(重量)の水溶性シルク倍散
芒硝浴用剤を製造した。得られた浴用剤100gを風呂
水に溶解し、風呂上りの肌のしっとり感等の感触評価、
風呂に溶かした時のシルク成分の溶解性評価の試験を1
0人のモニターで実施した。その結果を表2に示すが、
シルク成分の平均重合度は2〜2000が好ましいこと
が分かる。
000mlに、実施例1の加水分解シルク水溶液を計算量
混合後、凍結乾燥し表3に示すシルク成分組成の水溶性
シルク倍散芒硝浴用剤を製造した。
し、風呂上りの肌のしっとり感等の感触評価、風呂に溶
かした時のシルク成分の溶解性評価試験を10人のモニ
ターで実施した。又開封して24時間の保存性試験を実
施した。その結果を表3に示すが、シルク成分の組成は
1.0%(重量)以上、50%(重量)以下が好ましい
ことが分かる。
芒硝浴用剤は吸湿性や保湿性に優れ、さらには皮膚の新
陳代謝活性が期待できるシルク成分を含有していて、し
かもシルク成分を芒硝と均質な状態で倍散しているた
め、シルク成分が芒硝とほぼ同速度で風呂水に溶解し、
シルク成分を単独に風呂水に混ぜた時のように該成分が
異物状に浮遊しない。又、芒硝と倍散しているため浴用
剤の生産ラインの粉体混合タンクでシルク成分と無機成
分が嵩比重の差で分離することが無い。
溶液から粉体に乾燥されるのは、該水溶液を凍結乾燥す
ることを特徴とする本発明によって初めて実現されたも
のであり、芒硝の転移点温度以下である凍結乾燥でも芒
硝の結晶水まで乾燥除去され、無水硫酸ナトリウムとシ
ルク成分が均質な状態で結晶化(共晶)したのは驚くべ
き事実であり、それが本発明の効果に繋がるものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 水溶性シルク成分の水易溶解性を損ねる
ことなく無水硫酸ナトリウムと共晶の形で倍散した水溶
性シルク倍散芒硝浴用剤。 - 【請求項2】 シルク水溶液に硫酸ナトリウムを無水物
として20%(g/ml)以下の濃度で溶解し、これを凍
結乾燥することを特徴とする水溶性シルク成分の水易溶
解性を損ねることなく無水硫酸ナトリウムと共晶の形で
倍散した水溶性シルク倍散芒硝浴用剤の製造法。
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