JP3072557U - 土木構築物用ユニット、土木構築物用ユニットの網状片及び土木構築物 - Google Patents

土木構築物用ユニット、土木構築物用ユニットの網状片及び土木構築物

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律 奥田
功 行本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗朶によるいままでの良好な特性の利用を可
能としつつ、土木構築物の強度を向上させると共にその
管理負担を軽減させ、さらには、その土木構築物の構築
において作業性を向上させる。 【解決手段】 土木構築物用ユニット6として、金網1
0をもって中詰め材9を充填する籠容器7を形成し、そ
の籠容器7前面7aを構成する金網10a前面に、複数
の粗朶の結束物8を取付けたものを用意し、その土木構
築物用ユニット6を積み上げて護岸1を構築する。これ
により、各籠容器前面7aにおける複数の粗朶の結束物
8によって、いままでの粗朶による良好な特性の利用を
可能とする一方、中詰め材9を充填する籠容器7(いわ
ゆるふとん籠)により、粗朶工法の場合に比して、護岸
1の強度及びその構築に際しての作業性を向上させ、さ
らには、護岸1の管理負担を軽減させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、土木構築物用ユニット、土木構築物用ユニットの網状片及び土木構 築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
護岸工等において、古くから粗朶工法が用いられている。粗朶工法は、施工面 に支持杭を打ち込むことにより支持杭を一定間隔毎に施工面上に起立させ、その 各隣り合う支持杭において、束ねた粗朶を跨らせるようにしつつ縛り付けて、粗 朶による保護壁を形成することとされている。これにより、その粗朶の保護壁に より施工面を保護(護岸機能)できることは勿論のこと、その束ねた各粗朶が形 成する内部空間を動植物の生息空間として極めて有効に利用でき、さらには、そ の粗朶による保護壁の良好な透水性により、雨水や湧水等を粗朶の保護壁背面側 における石、土砂等(以下、土砂等と称す)から前面側に容易に排水して、施工 面(法面等)の崩壊を未然に防止できることになる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記粗朶工法に基づいて構築された土木構築物おいては、粗朶が支持 杭間で土砂等による力に基づき基本的に撓みやすい構造となることから、その力 が大きく作用することになる大規模な土木構築物に上記粗朶工法を適用すること が、強度上、困難であるばかりか、その力を粗朶を介して支持杭が最終的に受け 止めなければならず、支持杭を打ち込む施工面の地盤が軟弱な場合には、上記粗 朶工法を用いること自体が困難となる。 また、作業、施工上の観点からは、足場の不安定な施工面において、粗朶を取 付けるための支持杭を一定間隔毎に現場において打ち込まなければならず、その 支持杭の打ち込みのための作業負担は軽くはない。しかも、前述のごとく、粗朶 が支持杭間で土砂等による力に基づき基本的に撓みやすい構造となっていること から、土砂等を支える粗朶の強度を確保する必要上、隣り合う支持杭の間隔を一 定間隔以上に広げることはできず、安易に支持杭の数を減らすことはできない。 このため、支持杭の打ち込み作業を必要とする粗朶工法の作業負担は決して軽い ものではない。さらに、粗朶工法においては、各束ねた粗朶(2m前後)を互い に差し込むことにより形成された連続的な粗朶の束が用いられており、その差し 込み部(隣り合う束ねた粗朶端部同士の差し込みによりオーバーラップする部分 )は強度的に弱い。このため、隣り合う束ねた粗朶端部同士の差し込みを深くし なければならないばかりか、その差し込み部を支持杭に位置するように位置調整 してその差し込み部をその支持杭に縛り付けなければならず、そのような作業は 、作業者の作業負担を高めることになっている。 また、管理上の観点からは、粗朶が経時的に朽ちることから、粗朶による保護 壁の強度は次第に低下することになり、粗朶の取り替え時期を誤ると、施工面が 崩壊するおそれがある。このため、その施工面の崩壊を防止するために粗朶の経 時変化を管理する必要がある。
【0004】 本考案は以上のような事情を勘案してなされたもので、その技術的課題は、粗 朶によるいままでの良好な特性の利用を可能としつつ、土木構築物の強度を向上 させると共にその管理負担を軽減させ、さらには、その土木構築物の構築におい て作業性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を達成するために本考案(請求項1の考案)にあっては、 網状片をもって中詰め材を充填する籠容器を形成している土木構築物用ユニッ トにおいて、 前記籠容器の表面に、粗朶をもって構成される粗朶集合層が設けられている構 成としてある。請求項1の考案の好ましい態様としては、請求項2〜5の記載の 通りとなる。
【0006】 上記技術的課題を達成するために本考案(請求項6の考案)にあっては、 中詰め材を充填する籠容器の一構成面を構成する土木構築物用ユニットの網状 片であって、 その一面に粗朶をもって構成される粗朶集合層が該一面を覆うように取付けら れ、 前記粗朶集合層が、粗朶を束ねた結束物を複数用いることにより構成されてい る構成としてある。請求項6の考案の好ましい態様としては、請求項7の記載の 通りとなる。
【0007】 上記技術的課題を達成するために本考案(請求項8の考案)にあっては、 土木構築物用ユニットが、順次、階段状に積み上げられ、 前記各土木構築物用ユニットが、網状片をもって中詰め材を充填する籠容器を 形成していると共に、該籠容器の露出面を構成する網状片に、粗朶をもって構成 される粗朶集合層を設けている、 ことを特徴とする土木構築物とした構成としてある。この請求項8の考案の好ま しい態様としては、請求項9、10の記載の通りとなる。
【0008】 上記技術的課題を達成するために本考案(請求項11の考案)にあっては、 施工面に土木構築物用ユニットが敷き並べられ、 前記各土木構築物用ユニットが、網状片をもって中詰め材を充填する籠容器を 形成していると共に、該籠容器の上面を構成する網状片に、粗朶をもって構成さ れる粗朶集合層を設けている、 ことを特徴とする土木構築物とした構成としてある。
【考案の効果】
請求項1に記載された考案によれば、当該土木構築物用ユニットを土木構築物 の構築のために用いれば、籠容器表面の粗朶集合層をもって該粗朶による良好な 特性(自然景観との調和、透水性、動植物の生息空間の確保等)を従来通り利用 することができる一方、重量物である籠容器(中詰め材を充填したもの)が、そ の籠容器背面側における石、土砂等(以下、土砂等)に基づく大きな力を後面全 面に亘って強固に受け止めて、構造上、部分的に撓み易くなる等の弱い部分が生 じたり、或いは支持杭により土砂等に基づく力を全面的に受け止めさせたりする ことをなくすことができることになる。このため、当該土木構築物用ユニットを 使用することによって、粗朶による良好な特性を確保しつつ、大規模な土木構築 物に対してや、施工面の地盤が軟弱な場合に対して、強度上の観点から的確に対 応することができることになる(強度の向上)。 また、当該土木構築物用ユニットを土木構築物の構築に用いれば、粗朶(粗朶 集合層)は経時的に朽ちるけれども、籠容器(構成要素である網状片等)が、該 籠容器内の中詰め材は勿論、土砂等を実質的に長期に亘って受け止めることにな り、粗朶(粗朶集合層)の経時変化を頻繁に管理しなくても、籠容器背面側の土 砂等が崩壊することを防止できることになる。このため、粗朶を用いていても、 管理負担を軽減できることになる。 また同時に、作業、施工上の観点からは、土木構築物の構築が、基本的に当該 土木構築物用ユニットを施工面上に配置するだけで足りることになり、支持杭の 打ち込み等の煩雑で面倒な作業を省くことができることになる。また、籠容器に 対する粗朶集合層の取付けに網状片の網目を利用できることになり、その網状片 の網目を利用して、網状片の任意の位置で粗朶を簡単に取付けることができるこ とになる。さらには、粗朶集合層が比較的軽いことから、粗朶集合層を予め籠容 器の表面に取付けておくことができ、施工現場の作業を少なくすることができる ことになる。このため、作業性、施工性を向上させることができることになる。 請求項2に記載された考案によれば、籠容器における粗朶集合層の取付け面が 、該籠容器の前面又は上面の少なくとも一方であることから、土木構築物の構築 に際しての当該土木構築物用ユニットの使用態様等に応じて、粗朶集合層を所望 の方向(前面側ないし上面側等)に向けることができることになり、自然景観と の調和、透水性、動植物の生息空間の確保等の粗朶集合層の特性を的確に活用す ることができることになる。
【0009】 請求項3に記載された考案によれば、粗朶集合層が、粗朶を束ねた結束物を複 数用いることにより構成されていることから、取り扱い性が容易となり、当該土 木構築物用ユニットの製造を容易にすることができることになる。 しかも、籠容器を構成する網状片が、粗朶全体を支えることから、強度の確保 を理由として、隣り合う粗朶の結束物の端部同士を互いに差し込むこと自体が必 要でなくなり、その結束物の端部同士の差し込み作業は勿論、その固定位置の位 置調整作業等も不要とすることができることになる。 仮に、外見上の理由(結束物が、より連続しているように見せること)により 、粗朶の結束物の端部同士を互いに差し込むとしても、上記のように、籠容器を 構成する網状片が、粗朶の結束物の端部同士の差し込み部に限らず粗朶全体を支 えることから、粗朶の結束物同士の端部を特に深く差し込まなくてもよいように することができることになる。このため、粗朶を用いるとしても、作業性等の低 下を防止できることになる。 請求項4に記載された考案によれば、籠容器における粗朶集合層の取付け面が 、該籠容器の前面であり、粗朶集合層が、粗朶を束ねた結束物を複数用いること により構成され、複数の結束物が、該各結束物の延び方向を横方向に向けつつ上 下方向に積み重なるように配設されていることから、製造時(組立時)に、籠容 器の前面側において、粗朶の結束物を下側から上側に向けて順に、取付けを行い つつ積み上げていくことができることになり、この際、粗朶の結束物の高さ位置 をその下側の粗朶の結束物をもって保持できること(下側の粗朶の結束物により 受け止めること)になり、製造時の作業性を向上させることができることになる 。 しかも、粗朶の結束物は、それが自然物であるが故に、その長手方向の長さを 、一定の長さに切断しない限り、一律に正確に決めることができないが、最終的 に土木構築物として当該土木構築物用ユニットが隣接させつつ多数並べられるこ と(長さが長くなること)を利用して、全体の中で、種々の長さの粗朶の結束物 を有効に利用できることになる(種々の長さの粗朶の結束物を適宜組み合わせて 所定の長さを得ること)。
【0010】 請求項5に記載された考案によれば、複数の結束物の外側に、棒材が該複数の 結束物を上下方向に横切るように配設され、棒材が、籠容器の前面と協働して前 記複数の結束物を挟持するように該網状片に取付けられていることから、外見上 、棒材を粗朶工法における支持杭に似せて、自然景観との調和を強調することが できるばかりでなく、棒材をもって、粗朶の結束物を籠容器の前面に押し付けて 、籠容器前面に対する粗朶の複数の結束物の保持(取付け強度)を一層高めるこ とができることになる。 請求項6に記載された考案によれば、中詰め材を充填する籠容器の一構成面を 構成する土木構築物用ユニットの網状片であって、その一面に粗朶をもって構成 される粗朶集合層が該一面を覆うように取付けられ、粗朶集合層が、粗朶を束ね た結束物を複数用いることにより構成されていることから、当該土木構築物用ユ ニットの網状片を用いて、中詰め材を充填する籠容器を組み立てれば、前記請求 項1に係る土木構築物用ユニットが得て、該請求項1と同様の作用効果を得るこ とができることになる。 しかも、粗朶を束ねた粗朶の結束物を取り扱うことから、取り扱い性を容易に して、前記請求項1に係る土木構築物用ユニットの製造を容易にすることができ ることになる。
【0011】 請求項7に記載された考案によれば、複数の結束物が、一面に沿わせつつ略平 行状態をもって隣接配置され、複数の結束物の外側に、棒材が該複数の結束物を 横切るように配設され、棒材が、一面と協働して複数の結束物を挟持するように 該一面に取付けられていることから、当該網状片を用いて籠容器(土木構築物用 ユニット)を組み立てた後においては、外見上、棒材を粗朶工法における支持杭 に似せて、自然景観との調和を強調することができるばかりでなく、棒材をもっ て、粗朶の結束物を籠容器の前面に押し付けて、籠容器前面に対する粗朶の複数 の結束物の保持(取付け強度)を一層高めることができることになる。
【0012】 請求項8に記載された考案によれば、土木構築物用ユニットが、順次、階段状 に積み上げられ、各土木構築物用ユニットが、網状片をもって中詰め材を充填す る籠容器を形成していると共に、該籠容器の露出面を構成する網状片に、粗朶を もって構成される粗朶集合層を設けていることから、前記請求項1に係る土木構 築物用ユニットを用いて、該土木構築物ユニットを積み上げた土木構築物が構築 されることになり、その土木構築物において、前記請求項1と同様の作用効果を 得ることができることになる。 請求項9に記載された考案によれば、籠容器の露出面が、該籠容器の前面であ ることから、籠容器の前面に粗朶集合層を設けた場合にも、前記請求項8と同様 の作用効果を具体的に得ることができることになる。
【0013】 請求項10に記載された考案によれば、籠容器の露出面が、該籠容器の上面で あることから、籠容器の上面に粗朶集合層を設けた場合にも、前記請求項8と同 様の作用効果を具体的に得ることができることになる。 請求項11に記載された考案によれば、施工面に土木構築物用ユニットが敷き 並べられ、各土木構築物用ユニットが、網状片をもって中詰め材を充填する籠容 器を形成していると共に、該籠容器の上面を構成する網状片に、粗朶をもって構 成される粗朶集合層を設けていることから、前記請求項1に係る土木構築物用ユ ニットを用いて、該土木構築物ユニットを施工面に敷き並べた土木構築物が構築 されることになり、その土木構築物において、前記請求項1と同様の作用効果を 得ることができることになる。
【0014】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施形態について図面に基づいて説明する。 図1において、符号1は、土木構築物としての護岸(河川護岸、海岸護岸等) である。この護岸1は、法面2が階段状に形成され、その法面2及び法尻面3等 の上には、それらに沿うようにして吸い出し防止シート4が敷設されており、こ の吸い出し防止シート4により土砂等5の吸い出しが防止されることになってい る。
【0015】 前記法面2上等には、前記吸い出し防止シート4上において、多数の土木構築 物用ユニット6が配設されている。この多数の土木構築物用ユニット6は、階段 状の法面2形状を利用して、各段において並設されると共に、上下方向において 階段状に順次、積み上げられている。
【0016】 前記各土木構築物用ユニット6は、図1〜図3に示すように、籠容器(いわゆ るふとん籠)7と、粗朶集合層としての複数の粗朶の結束物8とを備えている。 籠容器7は、全体としてやや扁平状態とされた直方体形状の収容容器を形成し、 その内部に中詰め材(栗石、砕石等)9を充填しており、その中詰め材9の重量 により土木構築物用ユニット6は重量物(いわゆるふとん籠)として機能するこ とになっている。この籠容器7は、矩形形状の複数(6枚)の金網(網状片)1 0をコイル、針金等の連結具(図示略)もって組み立てられており、各金網10 は、籠容器7の前面7a、後面7b、前後面間の両側面7c、底面7d、上面7 fをそれぞれ構成している(各図において、各金網10の網目は、図示の便宜上 、部分的に示され、他の部分については省略されている)。
【0017】 前記複数の結束物8は、籠容器前面7a略全体に粗朶集合層を形成すべく、該 籠容器前面7aを構成する金網10aに取付けられている。各結束物8は、本実 施形態においては、複数の粗朶(切り取った木の枝等)を径が15〜40cm程 度になるように結束線(針金、シュロ縄、ビニール紐等)11により結束されて おり、その長手方向の長さは、籠容器7における前面の横方向長さ程度とすべく 、1〜4m前後とされている。この複数の結束物8は、取付け状態において、籠 容器7前面に沿って、下側から上側に向けて順に、積み上げられることになって おり、その各結束物8の取付けにおいては、その各結束線11をひも状部材とし ての針金等(図示略)をもって金網(網目)に取付けることとされている。そし て、隣り合う土木構築物用ユニット6において、本実施形態では、各結束物8の 端部が、互いに多少差し込まれることになっており、これにより、結束物8は、 横方向において、外見上連続して延びるようにされている。
【0018】 この場合、金網10aに対する複数の結束物8の取付けは、籠容器7の組立後 に行ってもよいし、金網10aに予め取付けておき、その後、その金網10aと 他の金網10とにより籠容器7を組み立ててもよい。前者の場合には、下側から 上側に向けて順に取付けるようにすれば、取付け時の結束物8は、既に取付けら れている下側の結束物8により支えられることになり、複数の結束物8の取付け 作業が容易になるばかりか、その配設は、自ずと、下側から上側に向けて空間を あけることのない整然としたものとなる。後者の場合においては、複数の結束物 8を金網10aに予め取付けておくに際して、複数の粗朶の結束物8を作業面上 に平行状態に敷き並べ、その上に金網10aを被せて、その金網10aの網目を 利用して簡単に取付けることができるばかりか(針金を金網10aの網目を通し て各結束物8の結束線11に連結すること)、この複数の結束物8が予め取付け られた金網10aが、粗朶の結束物8が取付けられても、比較的平板状に抑えら れることを利用して、工場内或いは施工現場での籠容器7の組立に備え、それら を、積み重ねた状態で多く保管することができ、さらには積み重ねた状態で多く のものを搬送することができることになる。
【0019】 また本実施形態においては、籠容器7前面に取付けられた複数の結束物8の外 側に、棒材としての複数の丸棒12が配設されている(図1において、最下段の みを示し、他の段の図示を省略する)。この複数の丸棒12は、籠容器7の横方 向に所定間隔毎に配設されており、その各丸棒12は、複数の結束物8を上下方 向に横切ることになっている。この各丸棒12は、ひも状部材としての針金13 を用いることにより、籠容器前面7aを構成する金網10aに向けて押しつける ようにそれぞれ取付けられており、各丸棒12は、金網10aと協働して複数の 結束物8を挟持することになっている。これにより、各丸棒12を外観上、支持 杭に似せて(粗朶工法に似せて)自然景観との調和を強調できるばかりか、籠容 器前面7aに対する複数の結束物8の保持(取付け強度)を一層高めることがで きることになる。
【0020】 したがって、上記護岸1においては、粗朶の結束物8を用いることから、自然 景観との調和、透水性、動植物の生息空間の確保等、粗朶工法を用いた場合と同 様の良好な特性を確保することができることになる。その一方、重量物である各 土木構築物用ユニット6は、基本的に法面2(吸い出し防止シート)等に載置さ れるだけで、吸い出し防止シート4の背面側における土砂等5に基づく大きな力 を後面全面に亘って強固に受け止めることになり、護岸(土木構築物)が大規模 なものであっても、或いは施工面の地盤が軟弱である場合であっても、強度上の 観点から的確に対応することができることになる(強度の向上)。 また、粗朶は経時的に朽ちるけれども、籠容器7(構成要素である網状片等) が、該籠容器7内の中詰め材9は勿論、土砂等5を実質的に長期に亘って受け止 めることになり、粗朶の経時変化を管理しなくても、籠容器7背面側の土砂等5 が崩壊することを防止できることになる。 さらに、作業、施工上の観点からは、護岸1の構築が、基本的に土木構築物用 ユニット6を施工面上に配置するだけであることから、支持杭の打ち込み等の煩 雑で面倒な作業を省くことができることになる。また、粗朶を、取り扱い性の良 好な結束物8として用いている他に、籠容器7に対する複数の結束物8の取付け に金網10aの網目を利用しており、その金網10aの網目の利用により、金網 10aの任意の位置で粗朶の結束物8を簡単に取付けることができることになる 。
【0021】 尚、上記第1実施形態においては、籠容器7の前面7aにのみ、複数の結束物 8を取付けることとしたが、勿論、階段状に土木構築物用ユニット6を積み上げ たときに外部に露出する各籠容器7上面(前部上面)、或いは、その籠容器上面 7fと前面7aの両方に複数の結束物8を取付けるようにしてもよい。
【0022】 図4は第2実施形態を示すものである。この第2実施形態において、前記1実 施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0023】 図4に示す第2実施形態においては、施工面としての法面2に土木構築物用ユ ニット6が敷き並べられ、各土木構築物用ユニット6における籠容器7の上面7 fを構成する金網10fに、粗朶の結束物8が取付けられている。このような土 木構築物においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができるこ とになる。
【0024】 以上実施形態について説明したが本考案においては、次のようなものを包含す る。 (1)網状片として、種々の金網の他に、メッシュ、構成部材を格子状に配設し たもの等を含むこと。 (2)粗朶の結束物8内に生育力が強い柳の枝等を入れて、芽を吹かせるように すること。 (3)土木構築物用ユニット6を種々の土木構築物に適用すること。
【0025】 尚、本考案の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましい或は利点と して記載されたものに対応したものを提供することをも暗黙的に含むものである 。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に護岸を説明する説明図。
【図2】第1実施形態において、護岸に用いられる土木
構築物用ユニットを示す側面図。
【図3】図2を上方から見た拡大平面図。
【図4】第2実施形態に係る土木構築物を説明する図。
【符号の説明】
1 護岸 6 土木構築物用ユニット 7 籠容器 7a 籠容器前面 7f 籠容器上面 8 粗朶の結束物 10 金網 10a 金網 10f 金網 12 丸棒

Claims (11)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網状片をもって中詰め材を充填する籠容
    器を形成している土木構築物用ユニットにおいて、 前記籠容器の表面に、粗朶をもって構成される粗朶集合
    層が設けられている、ことを特徴とする土木構築物用ユ
    ニット。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記籠容器における前記粗朶集合層の取付け面が、該籠
    容器の前面又は上面の少なくとも一方である、ことを特
    徴とする土木構築物用ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記粗朶集合層が、粗朶を束ねた結束物を複数用いるこ
    とにより構成されている、ことを特徴とする土木構築物
    用ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記籠容器における前記粗朶集合層の取付け面が、該籠
    容器の前面であり、 前記粗朶集合層が、粗朶を束ねた結束物を複数用いるこ
    とにより構成され、 前記複数の結束物が、該各結束物の延び方向を横方向に
    向けつつ上下方向に積み重なるように配設されている、
    ことを特徴とする土木構築物用ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記複数の結束物の外側に、棒材が該複数の結束物を上
    下方向に横切るように配設され、 前記棒材が、前記籠容器の前面と協働して前記複数の結
    束物を挟持するように該網状片に取付けられている、こ
    とを特徴とする土木構築物用ユニット。
  6. 【請求項6】 中詰め材を充填する籠容器の一構成面を
    構成する土木構築物用ユニットの網状片であって、 その一面に粗朶をもって構成される粗朶集合層が該一面
    を覆うように取付けられ、 前記粗朶集合層が、粗朶を束ねた結束物を複数用いるこ
    とにより構成されている、ことを特徴とする土木構築物
    用ユニットの網状片。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記複数の結束物が、前記一面に沿わせつつ略平行状態
    をもって隣接配置され、 前記複数の結束物の外側に、棒材が該複数の結束物を横
    切るように配設され、 前記棒材が、前記一面と協働して前記複数の結束物を挟
    持するように該一面に取付けられている、ことを特徴と
    する土木構築物用ユニットの網状片。
  8. 【請求項8】 土木構築物用ユニットが、順次、階段状
    に積み上げられ、 前記各土木構築物用ユニットが、網状片をもって中詰め
    材を充填する籠容器を形成していると共に、該籠容器の
    露出面を構成する網状片に、粗朶をもって構成される粗
    朶集合層を設けている、ことを特徴とする土木構築物。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記籠容器の露出面が、該籠容器の前面である、ことを
    特徴とする土木構築物。
  10. 【請求項10】 請求項8において、 前記籠容器の露出面が、該籠容器の上面である、ことを
    特徴とする土木構築物。
  11. 【請求項11】 施工面に土木構築物用ユニットが敷き
    並べられ、 前記各土木構築物用ユニットが、網状片をもって中詰め
    材を充填する籠容器を形成していると共に、該籠容器の
    上面を構成する網状片に、粗朶をもって構成される粗朶
    集合層を設けている、ことを特徴とする土木構築物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012158915A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Kajima Corp 生物生息促進機能付護岸

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