JP2627878B2 - 現場打ち法枠工法 - Google Patents
現場打ち法枠工法Info
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Description
などの法面を緑化するようなときに使用される現場打ち
法枠工法に関する。
公昭58−20338号公報に示される「法面安定工
法」がある。この工法は、法面に金網などの網状体を敷
設した後、この網状体上に鉄筋を格子状に配置し、この
格子状鉄筋にモルタルまたはコンクリート(以下、モル
タル等と言う)を吹き付けてモルタル等よりなる格子状
法枠を形成するようにしたものであるので、従来のプレ
ハブ式や現場打ち法枠工法などに比べて、施工性や強度
に優れているとともに、使用する器材が少なく安価であ
るといった利点がある。
基準では、前記格子状鉄筋を覆うモルタル等の厚み(こ
れを被り厚と言う)が鉄筋のどの面からも5cm以上で
あることが、所要強度の格子状法枠を得るための品質管
理基準として義務付けられている。しかしながら、前記
現場打ち法枠工法は、型枠を用いない現場打ち法枠工法
であるとともに、モルタル等の吹き付けは、法面上の不
安定な場所で現場作業として行われることから、格子状
鉄筋に対するモルタル等の吹付け厚さや幅が不均一とな
りやすく、所定寸法のモルタル等よりなる格子状法枠を
形成するのに相当の熟練度を要するとともに、前記格子
状法枠の寸法や強度にバラツキを生じることを避けるこ
とができなかった。
鉄筋を網状体からやや浮かせた状態で設置し、これを中
心にしてモルタル等を吹き付けるが、このモルタル等の
吹き付けた後、鉄筋の周囲を所定の被り厚のモルタル等
の層が形成されているかを確認できないため、規格を満
たさない格子状法枠が稀に形成されることがあった。
たもので、型枠を用いない現場打ち法枠工法において、
規格通りの寸法および強度を有し、かつ、鉄筋を規格に
定められた位置に確実に配設した状態の格子状法枠を熟
練を要することなく簡単に形成することができる現場打
ち法枠工法を提供することを目的としている。
め、この発明は、法面に網状体を敷設した後、この網状
体上に鉄筋を格子状に配置し、この格子状鉄筋にモルタ
ルまたはコンクリートを吹き付けてモルタルまたはコン
クリートよりなる格子状法枠を形成する現場打ち法枠工
法において、所定の高さと幅を有する弓状部材とこの弓
状部材どうしを連結する連結部材とからなるとともに、
弓状部材の所定の高さ位置に係止爪を有する検測枠を、
弓状部材が前記鉄筋を跨ぐようにして適宜の間隔をおい
て配置し、前記係止爪に網状体の一部を引っ掛けて網状
体を浮設保持した状態で、モルタルまたはコンクリート
を吹き付けることを特徴としている。
沈み防止部を形成してあってもよく、また、検測枠を構
成する部材が防錆加工を施した針金から構成してあって
もよい。
すように、所定の高さH(例えば10cm)と幅W(例
えば30cm)とを有する二つの弓状部材1とこれら二
つの弓状部材1を連結する二つの連結部材2とからなる
とともに、弓状部材1の所定の高さ位置に係止爪3を有
している。この係止爪3は、例えば連結部材2の両端部
を水平方向にほぼ直角に折り曲げることにより形成され
る。この検測枠Kを構成する弓状部材1および先端に係
止爪3を有する連結部材2は、防錆加工を施した適宜太
さの針金よりなり、連結部材2は、弓状部材1に対して
その所定の高さ位置(この場合、5cm)に溶接または
ハンダ付けによって固着されている。
る格子状法枠13を形成するに際しては、法面6を整形
した後、図1に示すように、法面6全体に菱形金網など
の網状体7を敷設し、この網状体7上に鉄筋9を格子状
に配置する。そして、図2に示すように、検測枠Kを、
弓状部材1が鉄筋9を跨ぐようにして適宜の間隔をおい
て配置する。この場合、検測枠Kの弓状部材1に沈み防
止部4を形成してあるので、特に、法面6が盛土などで
形成されている場合において、検測枠Kの沈みが効果的
に防止される。
を上方に持ち上げて、検測枠Kの係止爪3に引っ掛けて
網状体7を浮設保持する。この網状体7の浮設保持によ
って、鉄筋9が所定の高さ位置に保持される。この状態
で、図1および図3に示すように、鉄筋9にモルタル等
12を吹き付けるのである。
の高さ位置に保持された状態で、その周囲に所定厚みの
モルタル等12を吹き付けることができ、しかも、検測
枠Kが法面6から沈み込むことがないので、所定寸法お
よび強度を有するモルタル等よりなる格子状法枠13を
法面6に確実に形成することができる。
の一例を示すものである。まず、この発明において用い
る検測枠Kについて、図4を参照しながら説明する。図
4に示すように、検測枠Kは、所定の高さH(例えば1
0cm)と幅W(例えば30cm)とを有する二つの弓
状部材1とこれら二つの弓状部材1の下方を連結する二
つの連結部材2とからなるとともに、両弓状部材1の適
宜高さの位置に互いに向き合った係止爪3が設けられて
いる。この係止爪3は、例えば連結部材2の両端部を水
平方向にほぼ直角に折り曲げて形成されている。さら
に、各弓状部材1の両下端部を例えば互いに向き合う方
向に折曲して沈み防止部4が形成され、検測枠Kは、ほ
ぼ蒲鉾状に形成されている。
爪3を含む連結部材2は、防錆加工を施した適宜太さの
針金よりなり、連結部材2は,弓状部材1に対して溶接
またはハンダ付けによって弓状部材1の高さ方向のほぼ
中間位置に固着されている。すなわち、この実施例にお
いては、係止爪3は検測枠Kの高さのほぼ半分の位置に
水平に設けられているが、この高さに限られるものでは
ない。また、各弓状部材1の両下端部を折り曲げて形成
される沈み防止部4の長さは、3〜5cm程度である。
なお、連結部材2の長さLは、法面6に形成される格子
枠の一つの辺の長さよりも短く、例えば40〜50cm
程度でよい。
法枠工法の一例について、図1〜図3をも参照しながら
説明する。予め整形された法面6に目合いが例えば5〜
6cm程度の菱形金網などの網状体7を敷設し、アンカ
ー10を適宜の間隔で法面6に打ち込んで網状体7を法
面6に固定する(図2参照)。
mm程度の鉄筋9を一辺が1〜2m程度の格子状に組み
合わせて配置する(図1参照)。鉄筋9の交点には例え
ば直径16mm、長さ40〜50cm程度のアンカー1
0を法面6から10cm程度突出させた状態で打ち込
み、鉄筋9を適宜の結束線11を用いてアンカー10の
突出部に結束する(図2および図3参照)。なお、前記
交点と交点との間にも、例えば直径9mm、長さ30c
m程度のアンカー(図示してない)を法面6に打ち込
み、交点におけると同様に鉄筋9をアンカーに結束する
のがよい。
ぼ中央に前記検測枠Kを、その弓状部材1が鉄筋9を跨
ぐようにして網状体7上に配置する(図1および図2参
照)。この場合、検測枠Kの弓状部材1に沈み防止部4
を形成してあるので、特に、法面6が盛土などで形成さ
れている場合において、検測枠Kの沈みが効果的に防止
される。そして、この検測枠Kは、モルタル等の吹き付
け幅および吹き付け高さの目安になるとともに、前記網
状体7を浮設保持するためのスペーサとなるものである
から、鉄筋9によって形成される格子枠の一辺に少なく
とも一つ設けてあればよく、この実施例のように、辺の
長さが1〜2m、検測枠Kの長さLが40〜50cmの
ときは、各辺に一つの検測枠Kを設けるだけでよい。ま
た、前記辺の長さがより大きくなったときは、前記寸法
の検測枠Kを2以上設けてもよいが、検測枠Kの長さL
をより大きく(例えば1.3〜1.5m程度)設定して
もよい。さらに、検測枠Kを辺全長に亘って設けてもよ
い。
した後、その後、鉄筋9を敷設した網状体7の一部を上
方に持ち上げて、検測枠Kの係止爪3に引っ掛けて網状
体7を浮設保持する。この網状体7の浮設保持によっ
て、鉄筋9が所定の高さ位置(この場合、弓状部材1の
高さの約半分の位置)に保持される。
に、例えば含水率が7〜8%程度の低スランプのモルタ
ル等12をモルタルガン機などの土木用吹付機(図示し
てない)によって吹き付ける。この場合、格子枠を構成
する鉄筋9には、モルタル等12の吹き付け幅および吹
き付け高さの目安となる検測枠Kが設けてあるので、こ
の検測枠Kにしたがってモルタル等12の吹き付けを行
うだけで、所定寸法のモルタル等よりなる格子状法枠1
3を形成することができる。すなわち、この実施例にお
いては、下端幅30〜35cm、高さ10〜15cm程
度のモルタル等よりなる格子状法枠13を容易に形成す
ることができ、所定寸法および所定強度のモルタル等よ
りなる格子状法枠13を確実に形成できるのである。な
お、図1および図3において、符号14はモルタル等1
2を吹き付けるためのノズルである。
7が検測枠Kの係止爪3によって浮設保持されることに
より、網状体7とともに法面6から所定高さだけ浮いた
状態に保持され、その周囲が所定厚み所定幅のモルタル
等12によって囲まれた状態になる。したがって、鉄筋
9の周囲を規格通りにモルタル等12によって囲んだモ
ルタル等よりなる格子状法枠13を容易にしかも確実に
形成することができる。
タル等よりなる格子状法枠13内に、土壌、有機質材、
保水材(土壌改良材)などと芝草、野草、低木類などの
種子とを混合してなる植生材料を動力吹付け機などを用
いて吹き付けて植生層15(図1参照)を形成したり、
また、これに代えて、前記植生材料を粗目の袋体に充填
した植生袋(図示してない)を配置するなどして、従来
不可能とされていた岩盤法面などにも植生を導入するこ
とが可能となり、法面の景観の向上および植生の根や茎
などによる法面の恒久的安定に寄与するところが大き
い。
ではなく、例えば検測枠Kをプラスチックによって一体
成形によって形成してもよい。そして、弓状部材1は3
以上設けてあってもよい。また、係止爪3を連結部材2
とは独立して弓状部材1に設けるようにしてもよい。さ
らに、この係止爪3の高さ位置は、鉄筋9の周囲に所定
の被り厚が形成されるようにしてあれば任意である。そ
してさらに、鉄筋の周囲に所定の被り厚がさらに、一つ
の辺に設けられる鉄筋9は必ずしも1本でなくても複数
本でもよく、その場合、鉄筋の交点付近に4本の長目の
アンカーを法面6に打ち込み、鉄筋を井桁状に支承結束
し、これを一段あるいは数段重ねるようにしてもよい。
は、法面に網状体を敷設した後、この網状体上に鉄筋を
格子状に配置し、この格子状鉄筋にモルタルまたはコン
クリートを吹き付けてモルタルまたはコンクリートより
なる格子状法枠を形成する現場打ち法枠工法において、
所定の高さと幅を有する弓状部材とこの弓状部材どうし
を連結する連結部材とからなるとともに、弓状部材の所
定の高さ位置に係止爪を有する検測枠を、弓状部材が前
記鉄筋を跨ぐようにして適宜の間隔をおいて配置し、前
記係止爪に網状体の一部を引っ掛けて網状体を浮設保持
した状態で、モルタルまたはコンクリートを吹き付ける
ようにしているので、モルタル等の吹き付けムラがなく
なり、鉄筋のまわりに所定の被り厚を有する規格通りの
寸法および強度を有するモルタル等よりなる格子状法枠
を容易に法面に形成することができる。
場合には、法面が盛土で形成されているような場合であ
っても、検測枠の沈みを防止でき、前記モルタル等より
なる格子状法枠を所定寸法に確実に形成できる。
ある。
ある。
止部、6…法面、7…網状体、9…鉄筋、12…モルタ
ルまたはコンクリート、13…格子状法枠、K…検測
枠。
Claims (3)
- 【請求項1】 法面に網状体を敷設した後、この網状体
上に鉄筋を格子状に配置し、この格子状鉄筋にモルタル
またはコンクリートを吹き付けてモルタルまたはコンク
リートよりなる格子状法枠を形成する現場打ち法枠工法
において、所定の高さと幅を有する弓状部材とこの弓状
部材どうしを連結する連結部材とからなるとともに、弓
状部材の所定の高さ位置に係止爪を有する検測枠を、弓
状部材が前記鉄筋を跨ぐようにして適宜の間隔をおいて
配置し、前記係止爪に網状体の一部を引っ掛けて網状体
を浮設保持した状態で、モルタルまたはコンクリートを
吹き付けることを特徴とする現場打ち法枠工法。 - 【請求項2】 弓状部材の両下端部を折曲して沈み防止
部を形成してなる請求項1に記載の現場打ち法枠工法。 - 【請求項3】 検測枠を構成する部材が防錆加工を施し
た針金からなる請求項1または2に記載の現場打ち法枠
工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13645694A JP2627878B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 現場打ち法枠工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13645694A JP2627878B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 現場打ち法枠工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07317072A JPH07317072A (ja) | 1995-12-05 |
JP2627878B2 true JP2627878B2 (ja) | 1997-07-09 |
Family
ID=15175543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13645694A Expired - Fee Related JP2627878B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 現場打ち法枠工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2627878B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-25 JP JP13645694A patent/JP2627878B2/ja not_active Expired - Fee Related
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