JP2627264B2 - 法枠形成用の枠体およびその枠体を用いる法枠工法 - Google Patents

法枠形成用の枠体およびその枠体を用いる法枠工法

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JP2627264B2 JP18659994A JP18659994A JP2627264B2 JP 2627264 B2 JP2627264 B2 JP 2627264B2 JP 18659994 A JP18659994 A JP 18659994A JP 18659994 A JP18659994 A JP 18659994A JP 2627264 B2 JP2627264 B2 JP 2627264B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路や造成地などの法
面の緑化に等に用いられる法枠形成用の枠体およびその
枠体を用いる法枠工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】法面の緑化に際して、法面上に金網など
の網状体を敷設し、この網状体の上に鉄筋を格子状に配
置し、この鉄筋を埋め込むようにコンクリートまたはモ
ルタル(以下、モルタル等と言う)を吹き付けて格子状
の法枠を形成し、この法枠の格子内に、各種種子や肥料
などが配合された植生材料を吹き付け、あるいは、上記
の植生材料が装填された植生袋を配設して、上記の格子
状法枠によって植生材料の流亡を保護しながら、植生材
料に含まれる各種種子を法枠内で発芽・育成させる工法
(例えば特公昭58−20338号公報を参照)がとら
れつつある。
【0003】ところで、現行の土木基準では、上記の鉄
筋を覆うモルタル等の厚み(これを被り厚と言う)が鉄
筋のどの面からも5cm以上であることが、所要強度の
格子状法枠を得るための品質管理基準として義務付けら
れていることは周知の通りである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、モルタル等の
吹き付けが法面上の不安定な場所で行われることから、
鉄筋に対するモルタル等の吹き付け厚さや幅が不均一に
なりやすく、所定寸法の格子状法枠を形成するのに相当
の熟練度を要するとともに、格子状法枠の寸法や強度に
バラツキが生じることを避けることができなかった。
【0005】また、鉄筋を法面からも5cm以上離す必
要があることから、網状体を浮かせたり或いはアンカー
ピンを用いたりして、上記の鉄筋を法面上に浮設させる
ようにしているが、モルタル等の吹き付け作業やその他
の作業を遂行する際に、どうしても網状体を踏ん付けて
しまうことから、或いは、不測にも鉄筋を曲げたりアン
カーピンを倒したりすることで、鉄筋の高さ位置を所定
通りに確定させることができず、更には、鉄筋まわりに
モルタル等の層が所定の厚みで形成されているか否かを
外部からは確認できないことが相まって、規格を満たさ
ない格子状法枠が稀に形成されることがあった。
【0006】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、規格寸法通りの格子状法枠を熟練を要する
ことなく簡単に形成でき、しかも、その際の鉄筋の位置
決めが確実に達成されることに加えて、法枠強度の大幅
アップを可能とした法枠形成用の枠体およびその枠体を
用いる法枠工法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するに至
った本発明による法枠形成用の枠体の一は、法面上に格
子状に設置された鉄筋を跨ぐように配置され、且つコン
クリートまたはモルタルが吹き付けられて法枠を形成す
る枠体にあって、長さ方向の両側に一対の脚体を備えた
複数の横線材と、この横線材の脚体どうしを互いに連結
する複数の縦線材とから成ると共に、この横線材の中央
部分から、下端にフック部を形成した保持部材を吊設
し、この保持部材によって前記鉄筋を横線材の高さ方向
中間部に架設保持した点に特徴がある。
【0008】また、本発明による法枠形成用の枠体の二
は、法面上に格子状に設置された鉄筋を跨ぐように配置
され、且つコンクリートまたはモルタルが吹き付けられ
て法枠を形成する枠体にあって、長さ方向の両側に一対
の脚体を備えた複数の横線材と、この横線材の脚体どう
しを互いに連結する複数の縦線材とから成り、さらに前
記横線材の中央部分どうしを互いに連結する縦線材を備
え、この縦線材から、下端にフック部を形成した保持部
材を吊設し、この保持部材によって前記鉄筋を横線材の
高さ方向中間部に架設保持した点に特徴がある。
【0009】さらに、本発明における法枠工法の一は、
前記枠体を用いる法枠工法であって、この枠体を法面上
に格子状に配置された鉄筋を跨ぐように設置すると共
に、前記保持部材のフック部で鉄筋を架設し、その後こ
の鉄筋を埋め込むようにコンクリートまたはモルタルを
吹き付けて格子状の枠体を形成することを特徴とする。
【0010】そして、法枠工法の二は、この枠体を法面
上に格子状に配置された鉄筋を跨ぐように設置し、前記
保持部材のフック部で鉄筋を架設すると共に、前記枠体
の上部にこの枠体の横線材の中央部分に位置するように
上部鉄筋を載架し、その後前記鉄筋および上部鉄筋を埋
め込むようにコンクリートまたはモルタルを吹き付けて
格子状の枠体を形成することを特徴とする。
【0011】
【作用】上記の特徴構成よりなる法枠形成用の枠体およ
びその枠体を用いる法枠工法によれば、枠体を所定のピ
ッチで法面上に格子状に設置し、横線材の高さ方向中間
部に設けた前記保持部材のフック部で鉄筋を架設して、
これらを埋め込むようにモルタル等を吹き付けること
で、法面上に所定の格子状法枠が形成される。
【0012】このとき、鉄筋の位置が保持部材によって
確定されることに加えて、枠体がモルタル等の吹き付け
幅ならびに吹き付け高さの目安になることから、枠体の
高さ寸法と幅寸法、及び、保持部材の取り付け位置を、
所要強度の格子状法枠を得るための品質管理基準に基づ
いて予め設定しておけば、鉄筋を含めて、単に縦横の枠
体を埋め込むようにモルタル等を吹き付けるだけで、所
定寸法の被り厚で鉄筋を埋設した状態の所定寸法および
強度を有する格子状法枠を、熟練を要することなく誰に
でも簡単に形成することができる。
【0013】尚、枠体を正面視台形状やカマボコ形状等
の末広がりの形状とした場合は、枠体自体が法面上への
設置安定面で優れた機能を持つものとなり、更に、かゝ
る構成は、枠体を重ね合わせて運搬する上で好適である
ことは論を待たず、このとき、前記保持部材を着脱/遊
動可能に設ける形態をとって、これを取り外すか、又は
折り畳むことで、運搬面で一層優れたものになることは
言うまでもない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の第1実施例に係る格子状法枠1の
形成途中の状態を示している。
【0015】この格子状の法枠1は、その形成手順につ
いては後述するが、先ず、法面A上に金網などの網状体
2を敷設して、この網状体2上に所定のピッチで鉄筋3
を格子状に配置し、この鉄筋3を跨ぐように、それぞれ
複数の枠体4,5を縦横に設置して、これら縦横の枠体
4,5によって格子枠体6を形成し、かつ、前記鉄筋3
を網状体2とともに所定の高さ位置に浮設保持させると
共に、この鉄筋を含めて縦横の枠体4,5を埋め込む
ように、モルタル8等を吹き付けて形成される。
【0016】このモルタル8等の吹き付けに際しては、
縦横の枠体4,5によって囲まれる格子状部分にシート
9を敷設して、モルタル8等の非吹き付け部分を養生す
ることが肝要である。
【0017】そして、モルタル8等の吹き付後にシート
9を取り除いて、このシート9が取り除かれた養生部分
に、芝草や野草、低木類などの各種種子や肥料、その
他、土壌や有機質材、保水材(土壌改良材)などが配合
された植生材料10を吹き付けて、植生材料10の流亡
を格子状法枠1で保護しながら、植生材料10に含まれ
る各種種子を法枠1内で発芽させて育成させるのであ
る。尚、上記の養生部分に、植生材料を装填した植生袋
を配設する緑化形態がとられることもある。
【0018】次に、上記の法枠工法に用いられる縦横の
枠体4,5の構成を、図2〜図4に基づいて説明する
と、これら縦横の枠体4,5は、法面Aへの設置姿勢の
安定面ならびに重ね合わせての運搬面で優れるように、
何れも正面視台形状に形成されており、即ち、直線状の
天井部11aの長さ方向両側から斜め下方に向けて一対
の脚体11bを延設した台形状の横線材11と、この横
線材11の複数をその脚体11b同士を互いに連結する
複数の縦線材12…とから成り、かつ、所定の横線材1
1の天井部11aには、保持部材13の上端に形成され
た吊設用フック13bが係合されて、保持部材13を吊
設しており、この保持部材13の下端に形成されたフッ
ク部13cが横線材11と法面Aの高さ方向の中間部に
位置するように設けられている。
【0019】具体的には、横線材11の天井部11aの
長さは18cm程度で、一対の脚体11b,11bの下
端間の寸法は30cm程度であり、その高さは10cm
程度であって、この横線材11は、縦線材12の長さ方
向に例えば20cm程度のピッチで溶接されている。縦
線材12の長さ(これは即ち、縦横の枠体4,5単体の
長さである。)は、140〜240cm程度のものであ
って、脚体11bの上端部とそれよりも下方に3cm程
度のピッチ置きに4本が溶接されている。
【0020】保持部材13は、例えば枠体4,5の1ス
パンの長さが150cmの場合、その長さ方向の中間部
に50cm程度のピッチで2本設けられるもので、この
保持部材13上端の吊設用フック13bが所定の横線材
11の天井部11aのほゞ中央部分に係合され、かつ、
その下端に形成されたフック部13cには鉄筋3が係合
される。
【0021】なお、本実施例においては、前記保持部材
13は吊設用フック13bによって横線材11に係合さ
れるように構成することにより、この保持部材13の設
置間隔を枠体4,5の長さ方向に対して任意に変更する
ことが可能であり、場合によっては、上記50cmより
長い間隔で設けることも可能である。
【0022】これら横線材11と縦線材12および保持
部材13は、例えば直径4mm程度の防錆加工を施した
針金から成り、かつ、前記保持部材13は、横線材11
に対して着脱自在であるので、縦横の枠体4,5を運搬
する際には、この保持部材13はこれを係合する枠体
4,5から取り外し、前記枠体4,5を容易に重ね合わ
せて運搬できるようにしている。
【0023】次に、法面A上に格子状の法枠1を形成す
るに際しては、先ず予め整形された法面Aに、目合いが
例えば5〜6cm程度の菱形金網などの網状体2を敷設
し、この網状体2を図示しないアンカーによって適宜固
定し、かつ、縦横の枠体4,5のスパン長さと枠体幅と
の合計寸法を基にしたピッチで水糸14(図1参照)を
格子状に張設して、この水糸14に沿わせて網状体2上
に鉄筋3を配置し、この格子状に配置された鉄筋3を跨
ぐように複数の縦枠体4を設置し、この縦枠体4,4間
に横枠体5を設置してこれら縦横の枠体4,5によって
格子枠体6を形成する。
【0024】また、図示は省略するが、前記縦方向の枠
体(以下、縦枠体という。)4は側面視で矩形状を呈し
ているが、横方向の枠体(以下、横枠体という。)5の
側面視形状は、この横枠体5の長さ方向一側に、法面A
への設置状態で、これが相対峙する縦枠体4の脚体11
bとほゞ同一の傾斜角度とされた傾斜端部を形成すると
共に、横枠体5の長さ方向他側には、この横枠体5を構
成する複数本の縦線材12…を最外側の横線材11より
も外方側に延出させて、この各縦線材12…の先端側
に、縦枠体4を構成する横線材11の脚体11b内に突
入する延出部を形成している。
【0025】この横枠体5には、上記したように、横枠
体5の長さ方向一側に、これが相対峙する縦枠体4の脚
体11bとほぼ同一の傾斜角度とされた傾斜端部を形成
し、また、横枠体5の長さ方向他側には、この横枠体5
を構成する各縦線材12…を外方側に延出させた延出部
を形成している。
【0026】したがってこの横枠体5を縦枠体4,4間
に設置するときには、横枠体5の全体を持ち上げ、か
つ、この横枠体5を斜め状にして、その各縦線材12…
の延出部を一方の縦枠体4の脚体11b内へと突入させ
た後、この延出部の脚体11b内への突入部位を中心に
横枠体5の全体を下方側へと回動させながら、この横枠
体5の長さ方向一側に設けた傾斜端部を、他方の縦枠体
4の脚体11bと対向させて、この縦枠体4,4間に横
方向の枠体5を設置し、その後、横枠体5の傾斜端部と
他方の縦枠体4の脚体11b、および横枠体5の延出部
と一方の縦枠体4の脚体11bとを線材などで結束し、
縦枠体4,4と横枠体5とを結合一体化させる。
【0027】その後、前記保持部材13を横線材11の
天井部11aに係合し、網状体2上に予め配置した鉄筋
3を持ち上げて、これを前記保持部材13のフック部1
3cに載架する。
【0028】このとき、鉄筋3の位置が縦横の枠体4,
5によって確定されていることに加えて、縦横の枠体
4,5がモルタル8等の吹き付け幅の目安になるから、
鉄筋3を含めて、単に縦横の枠体4,5を埋め込むよう
にモルタル8等を吹き付けることで、所定寸法の被り厚
で鉄筋3を埋設した状態の所定寸法および強度を有する
格子状法枠1を形成することができるのである。
【0029】即ち、この実施例では、保持部材13によ
って浮設される鉄筋3の法面Aからの高さ寸法を5cm
となるようにし、この鉄筋3の周囲がモルタル8等によ
って所定厚み(5cm以上)で囲まれるように、下端幅
が30〜40cm程度で、高さが15〜18cm程度と
なる格子状法枠1を形成しているのである。
【0030】尚、上記の実施例では、横枠体5の長さ方
向一側に傾斜端部を形成し、かつ、横枠体5の長さ方向
他側には延出部を形成しているが、横枠体5の長さ方向
の両側を、共に傾斜端部に形成して、この横枠体5を上
方から縦枠体4,4間に挿入し、それぞれ横枠体5と縦
枠体4とを線材などで結束する手段をとるもよい。
【0031】このように横枠体5の端部を傾斜端部に加
工するのは、この横枠体5の端部が相対峙する縦枠体4
が正面視台形状や、正面視三角形のような形状である場
合である。しかしながら、本発明は縦横の枠体4,5を
構成する横線材11の正面視形状を限定するものではな
く、例えば弓状や半円状にして、その長さ方向両側の円
弧部分を脚体11b,11bとする場合は、枠体4,5
は正面視でカマボコ形状となることから、横枠体5の少
なくとも一方の端部を、円弧状の脚体11bにあわせる
ように加工することが望ましいことは言うまでもない。
【0032】或いは横線材11として、一対の脚体11
b,11bを直線状の天井部11aの長さ方向両側から
垂直下方に向けて延設させたものとすれば、枠体4,5
はコの字状を横向きに伏せた正面視で門型形状となり、
また、この構成における天井部11aを上方に湾曲させ
る構成とすれば、枠体4,5は正面視でアーチ門型の形
状となり、さらに、この天井部11aを上方に屈曲させ
る構成とすれば、枠体4,5は正面視五角形、逆にこの
天井部11aを下方に屈曲させると正面視M字状となる
ことから、縦横の枠体4,5としては、側面視において
単なる矩形状に形成すればよい。
【0033】なお、上記実施例において、図5に示すよ
うに、この鉄筋3が結束線材17などによって網状体2
に結束されるように構成すると、この鉄筋3と共に網状
体2がフック部13cに係着されることになる。このよ
うにした場合、この網状体2は法面Aより5cmの高さ
位置に浮設されることになるので、格子枠体1に囲まれ
る植生材料10(図1参照)の層が5cmより厚い場合
に植生材料10の流亡防止材として有効である。
【0034】また、図6に示すように、前記網状体2
を、スペーサ22によって適宜間隔をおいて法面Aに浮
上させるようにしてもよく、この場合、網状体2の法面
Aに対する高さ位置は任意に変更することが可能であ
り、ひいては前記植生材料10の厚みを任意に変更する
ことが可能となる。なお、前記スペーサ22としては、
例えば本願出願人に係る昭和63年意匠登録願第441
8号の「法面保護用ラススペーサー」や、本願出願人に
係る実公平5−42118号公報の「スペーサーピン」
が好適に実施可能である。
【0035】さらに、法枠1の強度を向上させるため
に、フック部13cに前記鉄筋3および網状体2を載架
した後に、この鉄筋3および網状体2を結束線材などで
フック部13cに結束してもよく、この場合、鉄筋3お
よび網状体2とフック部13cとの結合を確実にするこ
とができる。また、別の鉄筋7を縦横の枠体4,5の天
井部11aの略中央部分に載架し、この鉄筋7を天井部
11aに結束線材などで結合一体化させ、前記モルタル
8等の吹き付厚を適度なものとすることにより、この法
枠1の強度を上げる等の変更も可能である。
【0036】また、上記実施例のように、保持部材13
を着脱自在に係合させる構成にすれば、枠体4,5を正
面視台形状やカマボコ形状などの正面視末広がりの形状
とする場合においては、保持部材13と枠体4または5
との係合を外せば、枠体4,5を重ね合わせて運搬でき
て好適であることは既述した通りであるが、保持部材1
3を溶接などの手段で天井部11aに固着してもよく、
そうすることにより前記フック部13cによる鉄筋2の
載架位置を確実にすることができる。
【0037】そして、前記天井部11aの略中央部分に
前記保持部材13の吊設用フック13bを嵌合するため
の凹部を形成してもよく、また、この吊設用フック13
bを結束線材などによって横線材11に結束するように
してもよい。そうすることにより、この保持部材13の
正面視横方向のずれをなくすことができる。
【0038】また、前記保持部材13の上端にループ部
を形成して、このループ部を常に横線材11の天井部1
1aに結合し、このループ部を中心に回動自在に接続し
てもよい。この場合、縦横の枠体4,5を重ね合わせて
運搬する際には、保持部材13を邪魔にならないように
折り畳むことが可能となる。
【0039】上記の実施例は、いずれも保持部材13を
横線材11に係合するようにしたものであったが、図
7,8に示すように構成してもよい。すなわち、図7,
および図8は、それぞれ本発明の第2実施例に係る法枠
の構成を示す一部分解斜視図,および縦断面図である。
これらの図において、図1〜4と同じ符号を付した部材
は、同一または同等の部材であるので、その詳細な説明
を省略する。
【0040】これらの図において、12aは、横線材1
1の天井部11aにおける正面視略中央部分どうしを互
いに連結する縦線材、7は、この縦線材12aに沿うよ
うに設けられる上部鉄筋である。一方、前記保持部材1
3の上端には吊設用フック13bが形成され、この吊設
用フック13bを前記上部鉄筋7に係合することによ
り、保持部材13は天井部11aに吊設されると共に、
この吊設用フック13bによって、上部鉄筋7と縦線材
12aとを握持している。従って、格子法枠1には2本
の鉄筋3,7が埋設されるので、その強度を大幅に向上
させることができると共に、この吊設用フック13bの
設置位置の正面視左右方向のずれを完全に防止できる。
【0041】なお、この場合、この上部鉄筋7に対して
所定の被り厚でモルタル8等を吹き付けるための指針と
なる検測ピンを、前記縦線材12aの近傍から垂直に打
設した上で、鉄筋3,7を含めて縦横の枠体を埋め込む
ように、例えば含水率が7〜8%程度の低スランプのモ
ルタル8などをモルタルガン機などによって吹き付ける
ことで、格子状の法枠1を形成するようにしても良い。
【0042】或いは、図示はしないが、前記上部鉄筋7
を結束線材などによって縦線材12aに結束してもよ
く、この場合、前記吊設用フック13bを縦線材12a
に係合するようにしてもよい。さらに強度が十分である
場合には、前記上部鉄筋7を省略することにより、前記
枠体の設置工事をより簡潔にすると共に、法枠1の高さ
を低く形成することが可能となるが、これら何れの形態
にて法枠1を形成するにしても、現行の土木基準で義務
付けられている品質管理基準に基づいて、モルタル8等
による鉄筋の被り厚が鉄筋のどの面からも5cm以上と
なるように寸法設定することは言うまでもない。
【0043】加えて、図示は省略するが、前記縦線材1
2aを5cmの間隔をおいて2本並列に設け、これらの
縦線材12a,12aのそれぞれに前記保持部材13を
係合させることにより、正面視において2本の鉄筋3,
3を並設することも可能であり、また、この2本の縦線
材12a,12aのそれぞれに沿うように上部鉄筋7,
7を設けると、法枠1内に合計4本の鉄筋を埋設するこ
とが可能となる。
【0044】図9は、本発明に係る枠体の別実施例を示
す法枠の縦断面図である。この横線材は正面視で三角形
の形状であり、その頂点部11cには縦線材12aが設
けられており、また両方の脚体11b,11bにはそれ
ぞれ、立設線材11e,11eが接続されている。な
お、その他の構成については図1〜図8と同様の符号が
付された部材については、同一または同等の部材である
のでその詳細な説明を省略する。
【0045】従って、使用者は法面上に格子状に配置さ
れた鉄筋を跨ぐように、この枠体を設置し、前記保持部
材13のフック部13cに鉄筋3を架設すると共に、そ
の横線材11の脚体11bにそれぞれ接続される立設線
材11e,11eに位置するようにそれぞれ上部鉄筋
7’,7’を載架し、その後、コンクリートまたはモル
タルを吹き付けて格子状の枠体を形成すればよい。
【0046】この時、立設部材11e,11eは脚体1
1bとの接続部分より適度に延設されており、モルタル
8等の吹き付けを行うときに、この立設部材11e,1
1eの先端を埋め込むようにモルタル等を吹き付けるだ
けで、所定寸法の被り厚で鉄筋7’,7’を埋設した状
態の所定寸法および強度を有する格子状法枠を、極めて
容易に形成できると共に、一つの枠体で三本の鉄筋3,
7’,7’を架設でき、格子状法枠の強度を容易に向上
させることが可能である。
【0047】図10は、図9に記載の実施例の更なる変
形例であって、この実施例では、脚体11bの端部を内
側に折り曲げることにより沈み防止辺11f,11fを
形成し、更に、その先端部を折り曲げて立設部分11
g,11gを形成し、この立設部分11gと脚体11b
とは溶接するか又は結束線材で結束することにより接続
されている。その他の点については、図9と同様である
ので、同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0048】このように構成することにより、縦線材1
2と横線材11の二つの線材を接続し、横線材を屈曲す
るだけで、三本の鉄筋3,7’,7’を架設できる枠体
4,5を容易に形成でき、極めて有用な格子枠体を可及
的に簡素で加工しやすい構成で形成でき、この枠体4,
5の製作コストを削減できる。
【0049】なお、これらの図9、10を用いて説明し
た各実施例においても、上述の第1第2実施例と同様の
変形例を適用できることは言うまでもない。
【0050】図11は、本発明のまた別の実施例に係る
枠体の構成を示す法枠の縦断面図である。同図におい
て、11’は、縦横の枠体を構成する横線材であり、こ
の横線材11’の形状は弓状で、その横線材11’の長
さ方向両側の円弧部分を脚体11b,11bとしてい
る。従って、この枠体は正面視でカマボコ形状となって
いる。なお、同図において、図1〜10に記載の、第
1、第2実施例およびその変形例の枠体1と同じ符号を
付した部材は、同一または同等の部材であるので、その
詳細な説明を省略する。
【0051】また、前記横線材11’の頂点部11cに
は、その頂点部11cどうしを互いに連結する2本の縦
線材12a,12aが設けられており、この2本の縦線
材12a,12aの間に上部鉄筋7を載架している。し
たがって、この上部鉄筋7は横線材11’の頂点部11
cにおいても、正面視で左右に滑り落ちることなく、そ
の位置を保持することができる。
【0052】一方、前記保持部材13の上端には吊設用
フック13bが形成され、この吊設用フック13bを前
記上部鉄筋7に係合することにより、保持部材13は
点部11cに吊設されると共に、前記上部鉄筋7はこの
吊設用フック13bによって縦線材12a,12aの間
の横線材11’に押しつけられ、その位置を保持するこ
とができる。尚、この吊設用フック13bをこの二本の
縦線材12a,12aの間の横線材11’に係合するよ
うに構成してもよい。
【0053】加えて、本実施例においても、上述した第
1、第2実施例等において既に詳述した変形例も同様に
適用できることは言うまでもない。
【0054】図12は、本発明のさらに別の実施例に係
る枠体の構成を示す法枠の縦断面図である。同図におい
て、11dは、横線材11の天井部であり、この天井部
11dはその略中央部分において下方に屈曲した保持部
材係合部11hを形成している。従って、この枠体は正
面視でM字状となっている。
【0055】本実施例においては、下方に屈曲した保持
部材係合部11hが設けられているので、前記保持部材
13の上端に設けられた吊設用フック13bは、保持部
材13とこのフック部13cに載架される鉄筋3の自重
によって、保持部材係合部11hに位置固定され、施工
を簡潔に行える。さらに、この保持部材係合部11hに
対する上部鉄筋7の載置も安定的に行え、全体的に極め
て簡素な構成および方法で法枠形成用の枠体を提供でき
る。
【0056】なお、その他の構成については、図1〜6
に記載の、第1,第2実施例の枠体1と同一または同等
の部材であるので同じ符号を付し、その詳細な説明を省
略する。また、上述した第1実施例および第2実施例に
おいて既に詳述した変形例も同様に適用できることは言
うまでもない。
【0057】また、上記各実施例において、各横線材1
1、11’の脚体11bの下端部を外向きまたは内向き
に少し折り曲げて沈み防止片を設けてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかゝる法
枠形成用の枠体およびその枠体を用いる法枠工法によれ
ば、鉄筋の位置が保持部材のフック部によって確定され
ることに加えて、枠体がモルタル等の吹き付け幅ならび
に吹き付け高さの目安になることから、枠体の高さ寸法
と幅寸法、及び、保持部材の取り付け位置を、所要強度
の格子状法枠を得るための品質管理基準に基づいて予め
設定しておけば、鉄筋を含めて、単に縦横の枠体を埋め
込むようにモルタル等を吹き付けるだけで、所定寸法の
被り厚で鉄筋を埋設した状態の所定寸法および強度を有
する格子状法枠を、熟練を要することなく誰にでも簡単
に形成することができる。
【0059】加えて、前記横線材の中央部分どうしを互
いに連結する縦線材を設けることにより、前記保持部材
をこの縦線材に吊設することも可能である。このように
構成する場合、保持部材の正面視左右方向のずれを防止
できる。
【0060】また、前記枠体の上部にこの枠体の横線材
の略中央部分に位置するように上部鉄筋を載架したこと
で、格子状法枠の強度を上げることができる。
【0061】つまり、本発明による枠体およびその枠体
を用いる法枠工法を用いて形成された法枠は、容易に内
部の所定位置に鉄筋が架設され、しかも、枠体をモルタ
ル等の吹き付けの目安にすることができることから、所
定寸法通りの高強度の格子状法枠を極めて容易にかつ低
コストにて形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る工法によって法面に
形成される格子状法枠の形成途中の状態を示す斜視図で
ある。
【図2】前記法枠の枠体の一部を省略図示した枠体の斜
視図である。
【図3】前記法枠の一部を分解した一部拡大斜視図であ
る。
【図4】前記法枠の断面図である。
【図5】前記法枠の変形例を示す縦断面図である。
【図6】前記法枠の更に異なる変形例を示す縦断面図で
ある。
【図7】本発明の第2実施例に係る法枠の一部を分解し
た一部拡大斜視図である。
【図8】前記法枠の断面図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る法枠の縦断面図であ
る。
【図10】本発明の第4実施例に係る法枠の縦断面図で
ある。
【図11】本発明の第5実施例に係る法枠の縦断面図で
ある。
【図12】本発明の第6実施例に係る法枠の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1…法枠、3…鉄筋、4,5…枠体、7…上部鉄筋、8
…コンクリートまたはモルタル、11…横線材、11b
…脚体、12…縦線材、12a…上部線材、13…保
持部材、13b…吊設用フック、13c…フック部、A
…法面。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面上に格子状に設置された鉄筋を跨ぐ
    ように配置され、且つコンクリートまたはモルタルが吹
    き付けられて法枠を形成する枠体であって、長さ方向の
    両側に一対の脚体を備えた複数の横線材と、この横線材
    の脚体どうしを互いに連結する複数の縦線材とから成る
    と共に、この横線材の中央部分から、下端にフック部を
    形成した保持部材を吊設し、この保持部材によって前記
    鉄筋を横線材の高さ方向中間部に架設保持することを特
    徴とする法枠形成用の枠体。
  2. 【請求項2】 法面上に格子状に設置された鉄筋を跨ぐ
    ように配置され、且つコンクリートまたはモルタルが吹
    き付けられて法枠を形成する枠体であって、長さ方向の
    両側に一対の脚体を備えた複数の横線材と、この横線材
    の脚体どうしを互いに連結する複数の縦線材とから成
    り、さらに前記横線材の中央部分どうしを互いに連結す
    る縦線材を備え、この縦線材から、下端にフック部を形
    成した保持部材を吊設し、この保持部材によって前記鉄
    筋を横線材の高さ方向中間部に架設保持することを特徴
    とする法枠形成用の枠体。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または請求項2に記載の枠
    体を用いる法枠工法であって、この枠体を法面上に格子
    状に配置された鉄筋を跨ぐように設置すると共に、前記
    保持部材のフック部で鉄筋を架設し、その後この鉄筋を
    埋め込むようにコンクリートまたはモルタルを吹き付け
    て格子状の枠体を形成することを特徴とする法枠工法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1または請求項2に記載の枠
    体を用いる法枠工法であって、この枠体を法面上に格子
    状に配置された鉄筋を跨ぐように設置し、前記保持部材
    のフック部で鉄筋を架設すると共に、前記枠体の上部に
    この枠体の横線材の中央部分に位置するように上部鉄筋
    を載架し、その後前記鉄筋および上部鉄筋を埋め込むよ
    うにコンクリートまたはモルタルを吹き付けて格子状の
    枠体を形成することを特徴とする法枠工法。
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