JP3069683B2 - ケーソンの隔壁の接合構造 - Google Patents

ケーソンの隔壁の接合構造

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JP3069683B2
JP3069683B2 JP9137188A JP13718897A JP3069683B2 JP 3069683 B2 JP3069683 B2 JP 3069683B2 JP 9137188 A JP9137188 A JP 9137188A JP 13718897 A JP13718897 A JP 13718897A JP 3069683 B2 JP3069683 B2 JP 3069683B2
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竹千穂 田端
正一 佐藤
優 北山
守 赤澤
敦 藤井
功 梅木
正則 中西
治 下澤
善幸 大下
理 清宮
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運輸省第一港湾建設局長
運輸省港湾技術研究所長
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防波堤、岸壁、護
岸等を構築するケーソン、特に、ケーソン躯体を箱型に
成形して内部を複数の隔壁で仕切るように構成したケー
ソンの隔壁の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ケーソンは、設置位置や施工目
的など応じて大きさが異なるが、防波堤、岸壁、護岸等
の港湾において使用されるケーソンは、その大きさが例
えば長さ、高さが10m以上の大型なケーソンが使用さ
れる。
【0003】従来、このような大型ケーソンは、施工現
場でコンクリートを打設して成形していた。したがって
現場打ちコンクリートによってケーソンを成形する場
合、ケーソンの鉄筋、コンクリート型枠の組み立て及び
その脱型作業など工程が全て現場作業となる。しかし、
近年は、若年層の就業の減少に伴う、熟練工の不足や作
業者の高齢化が進み、労働力の確保が困難な状況にあ
る。このため、港湾工事における主要な工種の一つであ
るケーソン製作の省力化が要望されている。その解決策
として近年、ケーソンを予め別途工場で成形した複数の
プレキャストコンクリート版(以下、単にPC版とい
う)に分割し、これを現場で組み立ててケーソンを構築
する工法が開発されている。しかし、ケーソンの全てを
複数のPC版に分割し、このPC版を組み合わせてケー
ソンを構築する場合、PC版の連結に手間が掛かる。つ
まり、大型ケーソン、特に、港湾において使用され、ケ
ーソン躯体の内部を隔壁によって碁盤目状に仕切るよう
に構成したケーソンにおいて、ケーソンを構成するケー
ソン躯体及び隔壁を全てPC版に分割する場合、PC版
の枚数が増え、個々のPC版の固定が面倒である。ま
た、ケーソン躯体を構成する底版とこの底版の周縁部か
ら立設する側壁を一枚のPC版で構成する場合、PC版
の形状寸法が大型化する。このような大型のPC版は据
付けの際などにおいて取扱が不便であって、運搬時や据
付け作業時での利便性の面からすればむしろ小型なPC
版のほうが作業しやすい。しかし、PC版を小型化した
場合、ケーソン躯体と隔壁を全てPC版に分割したので
は、ケーソンを構築するPC版の枚数が膨大となり、ケ
ーソン躯体及びケーソン躯体の内部を仕切る隔壁の組み
立てに際して、上下、左右に連接した多数のPC版を正
確かつ強固に固定しなければならず、PC版の接合構造
が複雑化し、結果的にPC版の据付け作業が極めて煩雑
となる。
【0004】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、施工現場でのコンクリートの打設作業を
最小限に抑えることができることを第1の目的とし、ま
た、ケーソンの隔壁の接合作業が簡単かつ容易でケーソ
ン製作の省力化を可能とするケーソンの隔壁の接合構造
を提供することを第2の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るケーソンの隔壁の接合構造は、底版及び側壁を有する
箱型のケーソン躯体と、このケーソン躯体の内部を仕切
る複数の隔壁とを有し、前記ケーソン躯体を現場打ちし
たコンクリート製とするとともに、前記隔壁は予め成形
したPC版を上下方向に連接して構築し、該隔壁を構築
するPC版には、PC版の側縁から突出する継手手段を
一体的に埋設し、前記隔壁の交点部と前記側壁の内側に
前記継手手段を受け入れる接続手段を据付け、この接続
手段の内部に充填した充填剤によって前記継手手段と接
続手段とを一体的に接合し、かつ、前記接続手段は、前
面側に挿入溝を有して前記継手手段を納めるほぼ箱型の
型鋼で構成するとともに、前記隔壁の交点部に位置する
複数の型鋼は、各型鋼の背面部を突き合わせ一体化する
ことによって、各型鋼に間に鉄筋を納める空洞部を貫通
形成した支柱部とし、この支柱部の空洞部にコンクリー
トを充填して支柱部を前記底版とを一体的に固定すると
ともに、前記側壁に据付ける型鋼にはスタッドジベルを
一体的に固着し、このスタッドジベルを側壁に埋設した
ものである。
【0006】ケーソン躯体は現場打ちしたコンクリート
で成形されるが、ケーソン躯体の内部を仕切る隔壁を予
め製作したPC版で構成することにより、現場での隔壁
の成形に伴う鉄筋及び型枠の組付、脱型作業が不要とな
る。また、PC版を上下方向に連接して隔壁を構築する
ことから、個々のPC版が小型化され、組立時などにお
いてPC版の据付けも容易である。また、PC版の据付
けに際し、PC版に埋設した継手手段をケーソン躯体側
に設置した接続手段に嵌め入れた後、接続手段に充填し
た充填剤によって接続手段と継手手段とを簡単に一体化
することが可能である。さらに、支柱部の空洞部にコン
クリートを充填して支柱部と鉄筋と一体化することで隔
壁の交点部に支柱部を簡単に据付け固定できる。また、
側壁に据付ける型鋼は、ケーソン躯体の成形と同時に型
鋼に固着したスタッドジベルを側壁に埋設して一体化で
き、隔壁を支持する支柱部と型鋼の据付け作業を効率的
に行える。
【0007】請求項2の発明に係るケーソンの隔壁の接
合構造は、前記請求項1記載のケーソンの隔壁の接合構
造において、前記支柱部を構成する各型鋼に水平方向に
平行する多数のリブプレートを固着して隣接する各型鋼
を一体化するとともに、前記側壁に据付ける型鋼を側壁
に沿わせるベースプレートに固着し、このベースプレー
トと型鋼とを水平方向に平行する多数のリブプレートで
一体化し、かつ、これら支柱部と側壁に据付ける型鋼を
工場で製作して予めユニット化した支柱部と型鋼を前記
ケーソン躯体に据付けて成るものである。
【0008】隔壁を支持する支柱部と側壁に据付ける型
鋼をプレキャスト化することで、予めユニット化した支
柱部と側壁とをケーソン躯体に据付けることができる。
また、支柱部を構成する型鋼及び側壁に据付ける型鋼に
PC版の抜出し力が作用しても、型鋼は、平行する多数
のリブプレートによって型鋼の変形が規制され、PC版
を抜止めすることが可能となり、PC版と型鋼は、応力
に対して十分な接合強度が得られる。
【0009】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施例を添付図面を
参照して説明する。図1乃至図6は、本発明の第1実施
例を示し、同図において1はケーソンであり、底版2A
及び底版2Aの周縁から立ち上がる側壁2Bを有する箱
型のケーソン躯体2と、ケーソン躯体2の内部を仕切る
複数の隔壁3とで構成されている。
【0010】前記ケーソン躯体2は現場打ちコンクリー
ト4によって成形され、本実施例におけるケーソン躯体
2の大きさは幅15.5m、長さ13.0m、高さ1
3.0mとする。また、ケーソン躯体2の内部を仕切る
隔壁3はプレキャストコンクリート版5(以下、単にP
C版と称す)によって構成し、上下にPC版5を構築し
て前記隔壁3を形成している。このPC版5は、幅4.
90m、高さ2.95m,厚さ0.20mの形状寸法と
し、四枚のPC版5を上下に連接させて一枚の隔壁3を
構築する。そして、隔壁3を互いに交叉させてケーソン
躯体2の内部を九等分に区画し、各隔壁3の交点部には
隔壁3を支持するための支柱部6が設けてある。この支
柱部6は、接続手段として前面側にPC版5の挿入溝8
を開口した平断面略コ字型の型鋼9によって構成されて
いる。また、支柱部6は隔壁3の交点部分に位置して四
枚の隔壁3を支持するものであり、四本の型鋼9によっ
て支柱部6が構成される。そして、図1に示すように、
四枚の隔壁3は格子状に突き合わせてケーソン躯体2の
内部を区画することから、支柱部6は、前面側に形成し
た挿入溝8を外側に向けた状態で四本の型鋼9が背中合
わせに突き合わさせて溶接され、支柱部6の中央部に空
洞部6Aを貫通形成している。さらに、支柱部6を構成
する各型鋼9の側面板間に水平方向に平行する多数の鋼
板製リブプレート10を架け渡し、このリブプレート10に
よって隣接する各型鋼9を相互に一体化している。一
方、側壁2Bの内側には、最も外側に配置される隔壁3
の外端縁を支持するため接続手段として前記支柱部6の
型鋼9と実質同一機能を有する型鋼9Aが設けられてい
る。この型鋼9Aは側壁2Bに埋設され、型鋼9Aの底
板部に側壁2Bに沿わせる鋼板製のベースプレート11が
溶接されている。そして、この側壁2Bに据付ける型鋼
9Aも前記ベースプレート11と型鋼9Aとが多数のリブ
プレート10によって一体化され、さらにベースプレート
11の裏面側には側壁2Bに埋設する多数のスタットジベ
ル12が溶接されている。なお、この隔壁3を支持する支
柱部6及び側壁2Bに据付け固定する型鋼9Aの製作に
伴うリブプレート10、ベースプレート11、スタットジベ
ル12などの溶接作業は工場などで行い、予めユニット化
した支柱部6と型鋼9Aをケーソン躯体2を据付ける。
【0011】次に主に図3〜図6を参照しながら、前記
隔壁3を構築するPC版5の接合構造について説明す
る。PC版5の内部には、横筋15、縦筋15Aと共に継手
手段としてT型鋼16の基部が埋設され、T型鋼16の先端
部がPC版5の側縁から突出している。なお、T型鋼16
の基部はPC版5の内部に埋設された横筋15に溶接さ
れ、T型鋼16と横筋15とが一体化されている。そして、
このT型鋼16を挿入溝8から支柱部6の型鋼9内に挿入
し、型鋼9の内部に充填した無収縮モルタル17によって
型鋼9とT型鋼16とを一体化する。また、最下部に位置
するPC版5の下部にはスリーブ継手18が埋設され、こ
のスリーブ継手18の空洞部18Aにケーソン躯体2の底版
2Aから突出した挿入筋19とPC版5自体に埋設された
縦筋15Aとを挿入し、スリーブ継手18の空洞部18Aと連
通する注入孔24から無収縮モルタル17を充填し、PC版
5の横筋15とケーソン躯体2の挿入筋19とを一体化す
る。なお、ケーソン躯体2に埋設した挿入筋19は異形鉄
筋とする。
【0012】次にケーソン1の施工手順について説明す
る。ケーソン1は5工程に分けて製作し、まず、第1工
程としてケーソン躯体2の底版Aを成形し、以後、PC
版5の高さ分、つまり、4施工に分けて13.0mずつ
ケーソン躯体2の側壁2Bを順次成形してPC版5を施
工毎に据付ける。そして、底版2Aの成形に先立ち、ま
ず鉄筋20(図6に示す)を組み立て、この後、型枠(図
6せず)を組み立てる。そして、型枠に現場打ちコンク
リート4を打設し、コンクリート4の養生後、脱型す
る。なお、隔壁3の取付位置には底版2Aから隔壁3の
内部に挿入する挿入筋19が突出し、隔壁3の交点部には
支柱部6の内部に挿入する突出筋22(図3に示す)が突
出している。
【0013】次に第2工程としてケーソン躯体2の側壁
2Bの成形と支柱部6並びに型鋼9Aの据付けと支柱部
6並びに型鋼9AへのPC版5の接合を行う。側壁2B
の成形は、底版2Aと同様、鉄筋20を組み立てた後、型
枠を組み立て、型枠に現場打ちコンクリート4を打設す
る。そして、底版2Aから突出する突出筋22を支柱部6
を構成する4本の型鋼9間の空洞部6Aに挿入し、空洞
部6Aに充填した中詰コンクリート4Aによって底版2
Aの突出筋22と支柱部6とを一体化する。また、側壁2
Bに据付ける型鋼9Aはベースプレート11の裏面側に溶
接したスタットジベル12をコンクリート4に埋設して側
壁2Bと一体化する。そして、PC版5の接合面に予め
敷きモルタル25を均してから、クレーンなどで吊り上げ
たPC版5のT型鋼16を支柱部6の型鋼9Aと側壁2B
に据付けた型鋼9A内に挿入し、同時にPC版5の下部
側に埋設したスリーブ継手18の空洞部18Aに底版2Aか
ら突出した挿入筋19を挿入し、この後、各型鋼9,9A
の空洞部6A無収縮モルタル17を充填し、PC版5のT
型鋼16と各型鋼9,9Aとを一体化する。同様にスリー
ブ継手18の空洞部18Aに無収縮モルタル17を充填し、P
C版5の縦筋15Aと底版2Aの挿入筋19を一体化する。
以後、第2工程と同様な施工手順で二段目以降のケーソ
ン躯体2の側壁2Bの成形して支柱部6並びに型鋼9A
の据付け、この支柱部6並びに型鋼9AにPC版5を接
合する。なお、前述したスリーブ継手18によりPC版5
を固定する作業は最下部のPC版5のみで二段目以降の
PC版5は型鋼9とT型鋼16のみ接合する。このよう
に、底版2A側からPC版5を逐次積み上げて上下に連
接した四枚のPC版5で隔壁3を構築する。そして、構
築した隔壁3によってケーソン躯体2を九等分に区画す
るものである。
【0014】以上のように本発明のケーソン1では、ケ
ーソン躯体2を現場打ちしたコンクリート4製とし、そ
れ以外のケーソン1の構成要素であるケーソン躯体2の
内部を仕切る隔壁3を予め製作したPC版5で構成する
ことにより、現場での隔壁3の成形に伴う鉄筋及び型枠
の組付、脱型作業が不要となる。また、隔壁3を支持す
る支柱部6並びに型鋼9Aもプレキャスト化されている
ため、ケーソン1製作の省力化を図ることができる。ま
た、隔壁3の据付けもケーソン躯体2の底版2Aに据付
け固定した支柱部6の型鋼9及び側壁2Bに据付けた型
鋼9AにPC版5の側縁から突出するT型鋼16を挿入
し、このT型鋼16と型鋼9,9Aとを無収縮モルタル17
で一体化する極めて簡便な方法であるから、高度な熟練
者でなくとも施工が可能であり、かつ、高齢者などでも
簡単・安全に施工することが可能となる。また、型鋼
9,9A及びPC版5のT型鋼16は、隔壁3の支承部と
して応力を受ける箇所となり、剛性が要求される箇所で
あるが、PC版5の横筋15に継手手段としてのT型鋼16
を一体的に溶接して埋設してあるので、PC版5に埋設
したT型鋼16により型鋼9,9Aに対してPC版5がし
っかりと抜け止めされる。しかも、PC版5に抜出し力
(図3中矢印Fで示す)が作用した場合、各型鋼9,9
Aの側面部が外側に向かう力、すなわち、挿入溝8が開
こうとする力(図3中矢印F1で示す)が作用するが、
隔壁3の交点部に位置する支柱部6の型鋼9は、平行す
る多数のリブプレート10によって一体化され、また、側
壁2Bに据付け固定される型鋼9Aも同様にベースプレ
ート11と型鋼9Aとにリブプレート10が一体的に溶接さ
れていることから、リブプレート10によって型鋼9,9
Aの変形が規制される。また、型鋼9Aと側壁2Bとの
接合はベースプレート11の裏面側に植設した多数のスタ
ットジベル12によって抜け止めされ、側壁2Bと型鋼9
Aとが強固に一体化していることから、PC版5とこれ
を支持する支柱部6の型鋼9及び側壁2Bに据付け固定
された型鋼9Aは応力に対して十分な接合強度が得られ
る。
【0015】図7〜図9は、本発明の第2実施例を示
し、前記第1実施例と同一機能を有する部分には同一符
号を付し、重複する部分の説明を省略して異なる部分に
ついてのみ説明する。
【0016】本実施例では、側壁2Bと隔壁3及び隔壁
3と支柱部30との接合に箱型継手構造を採用している。
つまり、本実施例では、継手手段として前面側にPC版
5を挿入する挿入溝31を開口し、かつ前記第1実施例よ
り幅の狭い平断面略コ字型の箱型鋼32を用いる。そし
て、隔壁3の交点部分に位置する支柱部30は、前記第1
実施例と同様、PC版5の挿入溝31を外側に向けた状態
で四本の箱型鋼32を背中合わせで溶接され、支柱部30の
中央部に、中詰コンクリート4Aを充填する空洞部30A
を貫通形成するとともに、隣接する箱型鋼32を多数のリ
ブプレート10で一体化している。また、本実施例におい
てはPC版5には継手手段としてのT型鋼16を省略し、
PC版5に埋設される横筋15をPC版5の側縁部から突
出させて継手手段とし、この横筋15を箱型鋼32,32Aの
内部に挿入して箱型鋼32,32Aに充填した無収縮モルタ
ル17によってPC版5の横筋15と箱型鋼32,32Aとを一
体化している。
【0017】一方、側壁2Bに据付ける箱型鋼32Aは、
前記第1実施例で示したベースプレート11は存在せず、
箱型鋼32Aの両側部と底部に直接スタットジベル12が溶
接され、底部にはさらに補強用鉄筋35が溶接されてい
る。この側壁2Bに据付ける箱型鋼32Aは、挿入溝31を
側壁2Bの内壁面に臨ませた状態で箱型鋼32A自体を側
壁2Bの内壁面に形成する台形型の突設部36に一体的に
埋設する点において前記第1実施例と異なる。なお、P
C版5を支持する支柱部30と側壁2Bに据付ける箱型鋼
32Aの製作は伴うリブプレート10、ベースプレート11、
スタットジベル12、補強用鉄筋35の溶接作業は工場など
で行い、予めユニット化した支柱部30と型鋼32Aをケー
ソン躯体2を据付ける点では前記第1実施例と同様であ
る。
【0018】以上のように構成される本実施例において
は、ケーソン躯体2を現場打ちしたコンクリート4製と
し、それ以外のケーソン1の構成要素であるケーソン躯
体2の内部を仕切る隔壁3を予め製作したPC版5で構
成することにより、現場での隔壁3の成形に伴う鉄筋及
び型枠の組付、脱型作業が不要となる。また、隔壁3を
支持する支柱部30並びに箱型鋼32Aもプレキャスト化さ
れているため、ケーソン1製作の省力化を図ることがで
きる。また、隔壁3の据付けもケーソン躯体2の底版2
Aに立設した支柱部30の箱型鋼32及び側壁2Bに据付け
固定した箱型鋼32AにPC版5の側縁から突出する横筋
15を挿入して無収縮モルタル17の充填によりPC版5と
箱型鋼32,32Aを一体化する極めて簡便な方法であるか
ら、高度な熟練者でなくとも施工が可能であり、かつ、
高齢者などでも簡単・安全に施工することが可能となる
とともに、PC版5に埋設した横筋15と箱型鋼32,32A
とを無収縮モルタル17によって強固に一体化することが
できる。また、隔壁3の交点部に位置する支柱部30の箱
型鋼32は、前記第1実施例と同様、平行する多数のリブ
プレート10によって一体的に溶接され、PC版5の抜出
し力に対して箱型鋼32の変形をリブプレート10で規制す
ることができる。一方、側壁2Bに据付け固定される箱
型鋼32Aは、側壁2Bの内壁面に形成する台形型の突設
部36に一体的に埋設されているため、支柱部6の箱型鋼
32と同様、箱型鋼32Aの変形を規制することができる。
また、箱型鋼32Aに直接溶接したスタットジベル12と補
強用鉄筋35によって抜け止めされ、側壁2Bと箱型鋼32
Aとが強固に一体化し、PC版5とこれを支持する支柱
部6の箱型鋼32及び側壁2Bに据付け固定された箱型鋼
32Aは応力に対して十分な接合強度が得られる。
【0019】以上、本発明の実施例について詳述した
が、本発明は前記各実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、ケーソン躯体の外形形状、外形寸法などは前記
実施例に限るものではない。また、接続手段としての型
鋼の形状や継手手段の形状などは適宜選定すればよいも
のである。さらに、無収縮モルタルを充填してPC版を
一体化した例を示したが、無収縮モルタルに限らず、各
種タイプのものを使用することができる。
【0020】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係るケーソンの隔
壁の接合構造によれば、底版及び側壁を有する箱型のケ
ーソン躯体と、このケーソン躯体の内部を仕切る複数の
隔壁とを有し、前記ケーソン躯体を現場打ちしたコンク
リート製とするとともに、前記隔壁は予め成形したPC
版を上下方向に連接して構築し、該隔壁を構築するPC
版には、PC版の側縁から突出する継手手段を一体的に
埋設し、前記隔壁の交点部と前記側壁の内側に前記継手
手段を受け入れる接続手段を据付け、この接続手段の内
部に充填した充填剤によって前記継手手段と接続手段と
を一体的に接合し、かつ、前記接続手段は、前面側に挿
入溝を有して前記継手手段を納めるほぼ箱型の型鋼で構
成するとともに、前記隔壁の交点部に位置する複数の型
鋼は、各型鋼の背面部を突き合わせ一体化することによ
って、各型鋼に間に鉄筋を納める空洞部を貫通形成した
支柱部とし、この支柱部の空洞部にコンクリートを充填
して支柱部を前記底版とを一体的に固定するとともに、
前記側壁に据付ける型鋼にはスタッドジベルを一体的に
固着し、このスタッドジベルを側壁に埋設したものであ
るから、現場での隔壁の成形に伴う鉄筋及び型枠の組
付、脱型作業が不要となるとともに、ケーソン躯体に据
付けた接続手段とPC版に埋設した継手手段とを充填剤
によって簡単に接合でき、PC版の固定作業を簡略化す
ることができる。また、PC版を支持する支柱部及び型
鋼の据付け作業も容易である。
【0021】請求項2の発明に係るケーソンの隔壁の接
合構造によれば、前記請求項1記載のケーソンの隔壁の
接合構造において、前記支柱部を構成する各型鋼に水平
方向に平行する多数のリブプレートを固着して隣接する
各型鋼を一体化するとともに、前記側壁に据付ける型鋼
を側壁に沿わせるベースプレートに固着し、このベース
プレートと型鋼とを水平方向に平行する多数のリブプレ
ートで一体化し、かつ、これら支柱部と側壁に据付ける
型鋼を工場で製作して予めユニット化した支柱部と型鋼
を前記ケーソン躯体に据付けて成るものであるから、予
めユニット化した支柱部と型鋼とをケーソン躯体に簡単
に据付けることができるとともに、リブプレートによっ
て型鋼の変形が規制され、PC版の抜け出しを防止して
PC版を強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す一部を切り欠いたケ
ーソンの斜視図である。
【図2】同上ケーソンの全体断面図である。
【図3】同上支柱部とPC版との固定状態を示す拡大断
面図である。
【図4】同上図3のA−A線拡大断面図である。
【図5】同上側壁とPC版との固定状態を示す拡大断面
図である。
【図6】同上底版とPC版との固定状態を示す拡大断面
図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す一部を切り欠いたケ
ーソン斜視図である。
【図8】同上支柱部とPC版との固定状態を示す拡大断
面図である。
【図9】同上側壁とPC版との固定状態を示す拡大断面
図である。
【符号の説明】
1 ケーソン 2 ケーソン躯体 2A 底版 2B 側壁 3 隔壁 4 現場打ちコンクリート 5 PC版 6,30 支柱部 6A,30A 空洞部 8,31 挿入溝 9,9A,32,32A 型鋼(接続手段) 10 リブプレート 11 ベースプレート 12 スタットジベル 15 横筋(継手手段) 16 T型鋼(継手手段) 17 無収縮モルタル(充填剤)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 優 新潟県新潟市西堀前通一番町703番地 港湾空港建設技術サービスセンター新潟 支部内 (72)発明者 赤澤 守 新潟県新潟市白山浦1丁目332番地 運 輸省第一港湾建設局 新潟調査設計事務 所内 (72)発明者 藤井 敦 東京都千代田区霞ヶ関2丁目1番3号 運輸省港湾局 計画課内 (72)発明者 梅木 功 福井県坂井郡三国町黒目24字32 運輸省 第一港湾建設局 敦賀港湾工事事務所内 (72)発明者 中西 正則 新潟県新潟市白山浦1丁目332番地 運 輸省第一港湾建設局 新潟調査設計事務 所内 (72)発明者 下澤 治 秋田県秋田市土崎港西1丁目1番49号 運輸省第一港湾建設局 秋田港湾工事事 務所内 (72)発明者 大下 善幸 新潟県新潟市入船町4丁目3778番地 運 輸省第一港湾建設局 新潟港湾空港工事 事務所内 (72)発明者 清宮 理 神奈川県横浜市金沢区並木3丁目6− 104号 (56)参考文献 特開 平4−194228(JP,A) 実公 昭62−24642(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/06 E02D 23/00 E04B 2/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底版及び側壁を有する箱型のケーソン躯
    体と、このケーソン躯体の内部を仕切る複数の隔壁とを
    有し、前記ケーソン躯体を現場打ちしたコンクリート製
    とするとともに、前記隔壁は予め成形したPC版を上下
    方向に連接して構築し、該隔壁を構築するPC版には、
    PC版の側縁から突出する継手手段を一体的に埋設し、
    前記隔壁の交点部と前記側壁の内側に前記継手手段を受
    け入れる接続手段を据付け、この接続手段の内部に充填
    した充填剤によって前記継手手段と接続手段とを一体的
    に接合し、かつ、前記接続手段は、前面側に挿入溝を有
    して前記継手手段を納めるほぼ箱型の型鋼で構成すると
    ともに、前記隔壁の交点部に位置する複数の型鋼は、各
    型鋼の背面部を突き合わせ一体化することによって、各
    型鋼に間に鉄筋を納める空洞部を貫通形成した支柱部と
    し、この支柱部の空洞部にコンクリートを充填して支柱
    部を前記底版とを一体的に固定するとともに、前記側壁
    に据付ける型鋼にはスタッドジベルを一体的に固着し、
    このスタッドジベルを側壁に埋設したことを特徴とする
    ケーソンの隔壁の接合構造。
  2. 【請求項2】 前記支柱部を構成する各型鋼に水平方向
    に平行する多数のリブプレートを固着して隣接する各型
    鋼を一体化するとともに、前記側壁に据付ける型鋼を側
    壁に沿わせるベースプレートに固着し、このベースプレ
    ートと型鋼とを水平方向に平行する多数のリブプレート
    で一体化し、かつ、これら支柱部と側壁に据付ける型鋼
    を工場で製作して予めユニット化した支柱部と型鋼を前
    記ケーソン躯体に据付けて成ることを特徴とする請求項
    1記載のケーソンの隔壁の接合構造。
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