JPH0892981A - 土留擁壁 - Google Patents
土留擁壁Info
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- JPH0892981A JPH0892981A JP25940694A JP25940694A JPH0892981A JP H0892981 A JPH0892981 A JP H0892981A JP 25940694 A JP25940694 A JP 25940694A JP 25940694 A JP25940694 A JP 25940694A JP H0892981 A JPH0892981 A JP H0892981A
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Abstract
に擁壁を構築するに際して、基礎と擁壁の支持部材の強
度を向上させて、PCコンクリート板等を用いた土留壁
を容易に構築できるようにする。 【構成】 土留擁壁を構築するに際して、擁壁の下部に
ソイルセメントコラム10を構築し、内部にH型鋼15
を埋め込んで一体に固化させ、H型鋼の露出部を囲むよ
うにしてU字溝部材20を積み重ね、さらに、谷側にP
Cコンクリート板25を1列に積み重ねる。そして、H
型鋼に対してU字溝部材とPCコンクリート板を位置決
めしてから、U字溝部材の内部空間にコンクリートを充
填して合成支柱11を構築し、PCコンクリート板を支
持した土留擁壁を構築する。また、合成支柱11に対し
てPCコンクリート板との間に取付ボルト部材を多数配
置して、PCコンクリート板に付与される土圧を取付ボ
ルト部材により支持させることにより、擁壁の露出面を
平らに構成することができる。
Description
する地盤等を造成する際に構築する土留擁壁に関し、特
に、比較的低く構築される擁壁を既成のコンクリート板
等を縦に並べた状態で設け、擁壁の盛土に隠れる部分
(山側)に柱部材を配置して、擁壁の谷側の露出面に段
部等が生じない状態で構築する土留擁壁に関する。
は、地盤の高いところを掘削して低いところに盛土する
ことにより、区画された部分に平らな地盤を構築するよ
うな工事を行っている。そして、前記区画された部分で
は、地盤の高い所を切り取り、低い端部に盛土を行うの
で、区画の谷側の端部での土の崩壊を防ぐために土留擁
壁を施工することが行われている。前述したような土留
擁壁としては、コンクリートブロックを積み重ねる状態
で所定の傾斜で構築することや、垂直なコンクリート壁
を構築すること等が行われる。
築する場合には、擁壁の基礎となる地盤を所定の深さに
掘削してから、基礎コンクリートを所定の高さと幅で、
土留擁壁の長さに対応させて打設し、その上に型枠を組
んでコンクリートを打設する工法を用いる。前述したよ
うにして、土留擁壁を構築した後で、前記擁壁の裏側に
施工する裏込めの石等を介して、土を盛ることにより、
盛土の支持と排水を良好な状態で行わせ得るようにして
いる。また、擁壁のコンクリートを垂直に打設すること
に代えて、比較的低い盛土の端部分に対しては、略L字
状の断面のPC板部材を用いた土留擁壁を構築すること
も行われており、そのような略L字状の土留擁壁は、施
工期間を短縮できる等の利点を発揮することが可能であ
る。
比較的軟弱な地盤に対しては、基礎コンクリートの下部
に杭を打設して、支持地盤を強化することが行われてい
る。前記杭部材としてコンクリート柱部材や鋼製の柱部
材を用い、杭打ち機等を用いて打ち込むことが行われて
いるが、ハンマー等の杭打ち機を用いる場合には、工事
の騒音の問題等が発生するという欠点がある。そこで、
施工現場での騒音の問題を解決するために、場所打ち杭
を施工することが行われており、前記場所打ち杭として
は、アースオーガー等の装置を用いて所定の径の孔を掘
削し、その掘削した土にセメントミルク等の凝固剤を混
入して良く攪拌し、凝固剤と土によりソイルセメントコ
ラムを構築するようにしている。そして、前述したよう
な場所打ち杭を擁壁の支持に用いる場合には、ソイルセ
メントコラムの径や強度等を、現場の土質に対応させて
施工することが可能であるから、土留擁壁に付与される
土圧等に対応させた支持部材を容易に構成することが可
能であるとされる。
に構築する場所打ち杭は、擁壁の基礎と一体に接続する
ことにより、擁壁を支持するために用いられているもの
であり、基礎と一体に打設した擁壁を補強する役割を負
担する。しかし、前記擁壁の基礎は杭を用いない場合と
同様に、擁壁の重量を支持できるような大きな構造物と
して構築する必要がある。そして、前述したようにし
て、コンクリートを現場で打設して構築する土留擁壁
は、その擁壁自体の自立性により土圧に対抗できるよう
な強度を持たせているものであり、コンクリートの使用
量が多く、比較的大きな構造物として構築する必要があ
る。また、小規模の宅地の開発等においては、大量のコ
ンクリートを現場に搬入することや、擁壁の施工現場に
型枠を組んで、長期間の工事を行うことには多くの問題
がある。
る場合には、その場所打ち杭を擁壁が倒れる方向に対抗
させて、十分な強度を有するものとして設計されること
がないという問題がある。さらに、従来の土留擁壁で
は、基礎の下部に施工した場所打ち杭と、基礎のコンク
リート、および、擁壁の3つの構成部材を一体化して、
土留擁壁の強度を増大させることや、各構成部材を低い
コストで構築すること等に関する考慮が払われてないと
いう問題がある。そこで、擁壁をPC板等の既成のコン
クリート部材で構成することも考えられているが、その
ような軽量のコンクリート板等で擁壁を構成する場合
に、土圧の大きさに対応させて、擁壁としての作用を十
分に発揮できるようにする技術手段を開発することが要
望されているのが現状である。
壁の問題を解消するもので、PCコンクリート板等を用
いて比較的低い土留擁壁を施工するに際して、基礎の下
部に構築する場所打ち杭と、擁壁の支持部材との間に補
強鋼材を配置して基礎と擁壁とを一体に構築して、擁壁
の支持強度を増加させるとともに、擁壁の裏面に支持柱
部材を配置して、擁壁の露出部に凹凸が生じることをな
くし、容易に施工可能な土留擁壁を提供することを目的
としている。
製等の擁壁を施工して盛土部分の端部を支持する土留擁
壁に関する。本発明においては、擁壁の下部の地盤に所
定の間隔で垂直に施工する場所打ち杭と、前記場所打ち
杭を構成するソイルセメントの混合物が固化する前に所
定の深さに打ち込んで、上端部を擁壁の高さよりも低い
位置まで突出させ、ソイルセメントを固化させた場所打
ち杭と一体に構築する補強鋼材と、前記補強鋼材の谷側
に配置する擁壁部材としてのコンクリート板部材と、前
記補強鋼材を囲むように配置する型枠部材を組み合わ
せ、前記型枠部材とコンクリート板部材で囲まれる空間
部にコンクリートを充填して、型枠部材と補強鋼材を一
体化した合成支柱を構築し、前記合成支柱の内部に充填
したコンクリートを介して、土留に用いるコンクリート
板部材を支持する手段を構成している。また、本発明に
おいては、前記補強鋼材と型枠部材の間、および、補強
鋼材と土留に使用するコンクリート板部材との間に、コ
ンクリートを充填する前の段階で相互に間隔を維持する
ための保持部材を取り付けるとともに、型枠部材の内部
空間にコンクリートを充填し、補強鋼材と一体に固化さ
せたコンクリートを介して、各保持部材に対する支持の
作用を発揮させるものとして構成している。
とコンクリート板部材で囲まれる空間部にコンクリート
を充填して、型枠部材と補強鋼材を一体化した合成支柱
に対して、土留に用いるコンクリート板部材に基部を固
定したアンカーロッドを埋め込み、前記アンカーロッド
のコンクリート埋め込み部に対して、径の大きな部材を
固定して設けることができる。前記構成に加えて、本発
明においては、前記補強鋼材としてH型鋼を用い、前記
H型鋼のフランジに対して型枠部材とコンクリート板部
材の固定保持部材を位置決めする手段を用いること、お
よび、前記型枠部材として、既成のコンクリート製のU
字溝部材を用い、前記U字溝部材を補強鋼材に沿わせて
積み重ねて施工すること、さらに、前記型枠部材とし
て、無機質材料により構成した略U字状の溝型の部材、
または、略U字状に折り曲げた部材を用い、型枠の内部
空間に充填したコンクリートと一体に固化させることに
より、合成支柱を構成すること等の任意の手段を用いる
ことができる。
に擁壁の施工現場の基礎に対応する位置に、ソイルセメ
ントコラムによる場所打ち杭を所定の間隔で施工し、そ
のソイルセメントが固化する前にH型鋼等の補強鋼材を
立て込み、その補強鋼材を擁壁の高さに応じて地面上に
突出させる。そして、前記場所打ち杭が補強鋼材と一体
化して固化した状態で、擁壁の下部に基礎を構築し、そ
の上に擁壁部材としてのPCコンクリート板を、補強鋼
材の谷側に1列に積み重ねるようにする。前記PCコン
クリート板を積み重ねて擁壁を構築する作業と同時に、
補強鋼材を囲むようにしてU字溝部材を積み重ね、PC
コンクリート板とU字溝部材とを補強鋼材としてのH型
鋼と一体に固定手段を用いて相互に固定し、H型鋼を囲
むようにして配置したU字溝部材の内部にコンクリート
を充填して固化させることにより合成支柱を構築する。
前述したようにして、PCコンクリート板と合成支柱を
一体化したものに対して、合成支柱側を埋める状態で盛
土を施工するが、PCコンクリート板と盛土の間には一
般の擁壁の場合と同様に、裏込めの砂利等を配置して水
抜きに対応させ、その擁壁の背後(山側の部分)に盛土
を施工し、宅地等を造成することができるようにする。
クリート板を合成支柱を用いて支持させ、前記合成支柱
の中央部に埋設する補強鋼材としてH型鋼等を用いるこ
とができる。そして、前記H型鋼のフランジに対して、
型枠としてのU字溝部材の固定部材を取り付けて、PC
コンクリート板と、U字溝部材で区画された部分にコン
クリートを充填して、H型鋼と一体の合成支柱を構築す
ることができる。また、前記合成支柱の各構成部材の接
続部材としては、U字溝部材等を固定位置に配置可能で
あれば、任意の固定手段を用いることができる。さら
に、H型鋼に対してPCコンクリート板を取り付けるた
めに、PCコンクリート板に端部を埋め込んだ取付ボル
ト部材を用い、前記取付ボルト部材の突出端部にアンカ
ーとしてのナットや、その他の径の大きな部材を取り付
けておくことにより、取付ボルト部材のコンクリートに
対する引き抜き強度を増大させることができる。
合成支柱に対して支持する手段を、合成支柱内に充填す
るコンクリートに取付ボルト部材等を挿入して構成する
ことが可能であり、PCコンクリート板の背後に加えら
れる土圧に対して、取付ボルト部材を介して合成支柱に
支持させることができる。そして、内部に埋設したH型
鋼を介して、前記合成支柱と場所打ち杭を一体に構築す
るので、擁壁を支持する合成支柱の強度を十分に大きく
設定することが可能である。さらに、擁壁に加えられる
土圧の大きさ等に対応させるためには、PCコンクリー
ト板の厚さや、合成支柱とPCコンクリート板を接続す
る取付ボルト部材の強度を適宜選定することが可能であ
るから、その擁壁の施工現場の状況に合わせて施工する
ことができる。
壁を説明する。図1ないし図5に示される例は、本発明
の擁壁の施工順序を示しているもので、擁壁の施工位置
に対応させて、図1に示すように、基礎地盤1から垂直
にソイルセメントコラム10を施工する。前記ソイルセ
メントコラムとしては、従来の場所打ち杭工法と同様
に、アースオーガー等により所定の径の孔を掘削しなが
ら、孔の中の土にセメントミルク等の凝固剤を混入して
ソイルセメントコラムを構築する。次いで、前記ソイル
セメントコラム10からアースオーガーを引き抜いた後
で、図2に示すようにして、補強鋼材としてのH型鋼1
5を立て込み、前記H型鋼15の突出高さを擁壁の高さ
よりも若干低い位置に固定し、H型鋼15の埋め込み部
がソイルセメントコラム10と一体化する状態で固化さ
せる。
して、PCコンクリート板の長さ等に対応する間隔でソ
イルセメントコラムとH型鋼とを施工した後で、擁壁の
下部に対応させて捨石基礎と捨コンクリートを打設して
基礎を構築する。その後で、図3に示すように、H型鋼
15を囲むようにして型枠部材を積み重ねるが、前記型
枠部材としては、例えば、コンクリート製のU字溝等の
既成の部材を用いることができる。そして、前記U字溝
部材の開口部を擁壁部材としてのPCコンクリート板に
対応させて配置し、H型鋼とU字溝部材の間を接続部材
を用いて相互に接続し、U字溝部材をH型鋼の上部が隠
れる高さに立ち上げるようにする。次いで、図4に示す
ようにして、U字溝部材の開口を塞ぐ状態でPCコンク
リート板25を積み上げる作業を行い、PCコンクリー
ト板25をH型鋼とU字溝部材に対して固定するととも
に、PCコンクリート板の間に隙間が生じる場合には、
モルタル等を用いて塞ぐことができる。
U字溝部材とPCコンクリート板を組み立ててから、U
字溝部材の内部の空間にコンクリートを流し込み、H型
鋼に対するU字溝部材とPCコンクリート板の接続部材
をコンクリートの中に埋め込むことにより固定し、U字
溝部材とH型鋼とを一体化した合成支柱11を構築す
る。その後で、図5に示すように、PCコンクリート板
の裏面側(山側)に裏込め6の砂利等を所定の幅で施工
しながら、土砂を投入して盛土5を施工し、PCコンク
リート板の高さに対応させた住宅地等を区画する地盤を
造成する。したがって、前記図5に示されるようにし
て、PCコンクリート板の山側に盛土を行うことによ
り、擁壁を支える合成支柱11は盛土の中に埋没される
状態となり、擁壁の表面側(谷側)では、面一のPCコ
ンクリート板の表面が露出するのみとなり、擁壁の表面
に凹凸等が形成されずに、美観上での問題が生じること
がなくなる。
を構築することにより、H型鋼とU字溝部材により構成
した合成支柱11と、PCコンクリート板の関係は、図
6、7に示されるように形成される。図6に示される例
は、PCコンクリート板の正面側から見たものであり、
PCコンクリート板は高さ方向に積み上げられるととも
に、2つのPCコンクリート板の接続部を合成支柱11
の中央部に配置して、擁壁を構築するようにしている。
また、図7の側面図に示されるように、盛土5の層の谷
側にPCコンクリート板を配置し、PCコンクリート板
を合成支柱11により支持させ、土留擁壁としての作用
を発揮させるようにする。前述したように、PCコンク
リート板に付与される土圧を合成支柱11により支持さ
せるために、合成支柱11の中心部にH型鋼15を立設
して、コンクリート12により充填し、前記H型鋼15
の基部をソイルセメントコラム10の中に埋没させる状
態で、固化したソイルセメントコラムに対してH型鋼を
一体に構築し、H型鋼による合成支柱の強度を非常に大
きなものとして構成する。
下部には、所定の厚さの捨石基礎2を構築してから、捨
コンクリートの層3を打設して基礎を構築することは、
従来の擁壁の場合と同様にされるが、前記捨コンクリー
トの層3をソイルセメントコラム10と一体に接続する
ことにより、基礎の強度を向上させることができる。ま
た、本発明においては、ソイルセメントコラムの上部を
接続する基礎のコンクリートに対して、ソイルセメント
コラムを相互に接続する状態で鉄筋等を配筋してから、
捨コンクリートの層3を打設する工法を用いる場合に
は、基礎の強度を大幅に向上させることが可能であると
ともに、擁壁自体が受ける土圧に対する支持強度を大き
くすることができる。前記ソイルセメントコラム10の
中に埋設する補強鋼材としては、本実施例に開示するよ
うに、H型鋼15を用いることの他に、廃棄するレール
や溝型鋼、I型鋼等の任意の鋼材を使用することができ
る。そして、前記補強鋼材の基礎に対応する部分に対し
て、横鉄筋を溶接等により接続してからコンクリートを
打設することによって、基礎の強度を向上させることも
可能になる。
成支柱を配置して、PCコンクリート板による土留擁壁
を構築する際には、例えば、図8に示すように、合成支
柱11、11a、11b……の配置間隔Lを、PCコン
クリート板25の長さに対応させて設ける。そして、P
Cコンクリート板の端部が合成支柱の中央部に位置する
状態で、合成支柱を介してPCコンクリート板の接続を
行い、土留擁壁により段状に区画した宅地の造成を行う
ことができる。また、前記PCコンクリート板の山側に
盛土を行って、宅地を造成することにより、合成支柱を
構成する金具部材や、補強鋼材等が全部コンクリートの
中に埋没された状態となる。さらに、前記合成支柱が地
表部に露出することがなく、またコンクリート中に埋没
される補強鋼材や接続部材等の金属部材が、地盤や盛土
等に接することがないので、前記金属部際が腐食したり
することを防止でき、擁壁の耐久性を向上させることが
可能になる。
を覆う状態で、H型鋼に対してU字溝部材とPCコンク
リート板とを相互に接続するために、図9に示すような
接続手段を構成することができる。前記図9に示される
例は、合成支柱の横断面図として示すものであり、2つ
のPCコンクリート板25、25aの接続部を合成支柱
11に対応させて配置し、H型鋼15をU字溝部材20
により覆う状態で配置する。また、PCコンクリート板
には所定の深さの孔28を設けて、接着剤29により取
付ボルト部材30の基部を固定し、前記取付ボルト部材
30の先端部をU字溝部材の空間内部に向けて大きく突
出させ、取付ボルト部材にナット31を介して取り付け
た固定板部材32を位置決めする。さらに、前記取付ボ
ルト部材30の突出側の先端部には、ナット等のアンカ
ー部材33を固定して、U字溝部材の空間部にコンクリ
ート12を充填した際に、前記アンカー部材33が取付
ボルト部材の引き抜きを阻止する部材として作用させ
る。
0のフランジの先端部に近接する位置で、フランジを貫
通する止めボルト21を設け、前記止めボルト21を用
いてU字溝部材の内側にL型金具22を固定して配置す
る。そして、取付ボルト部材30に取り付けた固定板部
材32の一方の端部を前記L型金具22に係止させ、L
型金具の他方の端部をH型鋼15のフランジ17に係止
させて、H型鋼に対してU字溝部材と取付ボルト部材の
2つの部材を位置決めして固定させるようにする。な
お、前記図9に示す例においては、H型鋼15の谷側の
フランジ17に対して固定板部材32を位置決めする
が、前記H型鋼のフランジの両側端部に固定板部材を配
置し、ナット31をそれぞれ締め込んで、固定板部材3
2とフランジの間の位置決めを行うことにより、U字溝
部材20の開口側のフランジの端部をPCコンクリート
板に対して押圧し、コンクリートを充填する際に、モル
タルが漏れ出さないような処置を行うことができる。
板の固定を行う際には、H型鋼のウェブ16に対して接
続金具等を溶接して取り付け、その金具と固定板部材と
を位置決めすることや、H型鋼の山側のフランジに対し
て固定手段を用いた取り付けを行う等の任意の手段を設
けることができる。そして、U字溝部材の内部に配置す
る接続手段としての金具部材は、U字溝部材の内部にコ
ンクリート12を充填して固化させることにより、固化
したコンクリートの内部に埋没される状態となり、外気
に露出して錆が生じたりすることがないので、合成支柱
の耐久性を良好に維持させることができるものとなる。
して示すもので、上下に積み重ねるようにして配置する
PCコンクリート板25、25A……からは、山側に取
付ボルト部材30、30a……をそれぞれ突出させて配
置し、U字溝部材の内部に充填したコンクリートによ
り、アンカー部材33、33A……を介して一体に固着
させるようにする。また、上下に積み重ねるU字溝部材
20、20a……の、各々の接続部には隙間がほとんど
形成されないが、その隙間が大きい場合には、モルタル
等を充填して隙間を塞ぐような処理を行う。前記コンク
リート製の部材の接続部に、モルタル等を充填して隙間
を塞ぐことは、PCコンクリート板の場合と同様にして
行うもので、PCコンクリート板やU字溝部材の接続部
分には、隙間が形成されないような処理を積み上げ作業
と同時に行うようにする。さらに、前記上下のU字溝部
材20、20aを接続するために、U字溝部材のフラン
ジを貫通するボルト24、24aを用いて、接続金具2
3を固定することにより、上下のU字溝部材がズレを生
じたりすることがないように固定される。
等の造成に際して、PCコンクリート板等の既成のコン
クリート板を用い、簡単な構成で盛土や切り土の部分を
支持して擁壁により崩壊を防ぐとともに、容易に施工で
きるようなものとしている。また、本発明の土留擁壁
は、建物の基礎と土留の壁部材とを一体に構築する場合
にも用いることが可能である。例えば、図11に示すよ
うに、地下室を構築する場合、または、傾斜地に建物を
構築する場合に、切り土の部分をPCコンクリート板に
より支持し、合成支柱を用いて柱の基礎を構築するよう
にすることもできる。前記実施例では、建物の下部構造
物としての地下室や1階の部分に対応させて傾斜地等を
垂直に切る状態で掘削し、擁壁に対応させてソイルセメ
ントコラム10を打設し、ソイルセメントコラム10の
中にH型鋼15を埋め込むようにして一体に構築する。
そして、前記H型鋼15を囲むようにしてU字溝部材2
0を配置して、H型鋼とU字溝部材の間を位置決めして
固定し、前記H型鋼の谷側にPCコンクリート板25…
…を垂直に重ねて設け、U字溝部材の内部の空間にコン
クリートを充填して合成支柱11を構築する。
は、建物の1階の部屋または地下室44の天井の梁47
の高さまで延長して構築し、合成支柱11の上に直接建
物の根太46を配置し、上部構造物の柱45を立設でき
るようにする。また、PCコンクリート板25は地下室
等の壁として用いることができるものであり、その壁の
露出面に凹凸等が形成されないことから、壁面に対して
防水処理やその他の工事を行うことは容易になる。さら
に、地下室等の床に対しては、ベースコンクリート41
と床面のコンクリート40等を施工し、前記ベースコン
クリート41の基部をソイルセメントコラム10と一体
に接続して、基礎構造物を構成することができる。した
がって、前述したように、ソイルセメントコラム10と
一体に構築した柱部材と擁壁部材、および、基礎を構成
することにより、傾斜地に建設する建物に対しても、本
発明の土留擁壁を利用することができる。
基礎の上に構築する建物が高いものである場合や、基礎
が負担する重量が大きい場合には、ソイルセメントコラ
ム10と合成支柱11の数を多くしたり、それ等の部材
の径を大きくして、基礎構造物の支持強度を増大させる
ことができる。また、本発明のソイルセメントコラム1
0と合成支柱11を組み合わせた支持構造物は、建物の
柱部材として構築することも可能である。そのために
は、U字溝部材の開口部を塞ぐ幅のコンクリート板部材
をU字溝部材に取り付けて、H型鋼を囲む状態で位置決
めして固定し、U字溝部材の内部にコンクリートを充填
することにより、単純な構成の柱部材を構成することが
可能になる。さらに、本発明の実施例で使用しているU
字溝部材は、それ自体が大きな強度を有する市販のU字
溝部材を使用する例の他に、無機質の薄い板材料を略U
字状に組み合わせて構成したもの等を用いることも可能
である。その他に、任意の材料を用いてU字型の枠部材
を構成して、内部にコンクリートを充填することによ
り、枠部材とコンクリートを一体に接着し、支持柱とし
て作用させるようにすることが可能である。
してU字溝部材とPCコンクリート板を積み重ねる作業
を行う場合に、最初にU字溝部材を積み重ねる状態で配
置し、後でPCコンクリート板を積み重ねて擁壁を構成
することができるが、その他に、地盤に立て込んだH型
鋼に対してU字溝部材とPCコンクリート板とを交互に
1段ずつ積み重ねて、構築する工法を用いることも可能
である。さらに、U字溝部材の内部空間にコンクリート
を充填する際にも、U字溝部材を積み重ねる途中で、コ
ンクリートの充填の作業を行うような工法を用いること
もできる。したがって、本発明の土留擁壁の施工に際し
ては、任意の施工段取りにより工事を行うことができる
ものであり、現場の状態や工事の規模等に応じて施工す
ることができる。
成を有するものであるから、擁壁の補強を行うために、
ソイルセメントコラムと一体に構築したH型鋼等の補強
鋼材を用いるので、PCコンクリート板により構成する
擁壁の支持を容易に行うことができ、土留擁壁の構築作
業を容易に行うことができる。また、本発明において
は、H型鋼のフランジに対してU字溝部材の固定部材を
取り付けることが可能であり、合成支柱を構築する際の
作業工程を簡素化できる。さらに、H型鋼に対してPC
コンクリート板を取り付けるために、PCコンクリート
板に端部を埋め込んだ取付ボルト部材を用い、前記取付
ボルト部材の突出端部にアンカー部材としてのナット
や、その他の径の大きな部材を取り付けてコンクリート
中に埋設しておくことにより、取付ボルト部材のコンク
リートに対する引き抜き強度を増大させることができ
る。
成するコンクリートに挿入した取付ボルト部材により、
PCコンクリート板を合成支柱に対して支持する手段を
構成するので、PCコンクリート板の背後に加えられる
土圧に対して、取付ボルト部材を介して合成支柱が支持
することになるが、前記合成支柱が場所打ち杭と一体に
構築されていることから、合成支柱の強度を十分に大き
く設定することができる。前記効果に加えて、擁壁に加
えられる土圧の大きさ等に対応させるためには、PCコ
ンクリート板の厚さや、合成支柱とPCコンクリート板
を接続する取付ボルト部材の強度を適宜選定することが
可能であるから、その擁壁の施工現場の状況に合わせて
施工することができる。
築する工程の説明図である。
程の説明図である。
説明図である。
である。
る。
成を正面から見た説明図である。
を示す縦断面図である。
図である。
板の取り付け関係を示す断面図である。
け関係を示す説明図である。
ントコラム、11 合成支柱、 15 H型鋼、
20 U字溝部材、23 接続金具、 25 P
Cコンクリート板、30 取付ボルト部材、 33
アンカー部材、41 ベースコンクリート、 44
地下室、45 上部構造物の柱。
Claims (6)
- 【請求項1】 コンクリート製等の擁壁を施工して盛土
部分の端部を支持する土留擁壁において、 擁壁の下部の地盤に所定の間隔で垂直に施工する場所打
ち杭と、 前記場所打ち杭を構成するソイルセメントの混合物が固
化する前に所定の深さに打ち込んで、上端部を擁壁の高
さよりも低い位置まで突出させ、ソイルセメントを固化
させた場所打ち杭と一体に構築する補強鋼材と、 前記補強鋼材の谷側に配置する擁壁部材としてのコンク
リート板部材と、 前記補強鋼材を囲むように配置する型枠部材とを組み合
わせ、 前記型枠部材とコンクリート板部材で囲まれる空間部に
コンクリートを充填して、型枠部材と補強鋼材を一体化
した合成支柱を構築し、 前記合成支柱の内部に充填したコンクリートを介して、
土留に用いるコンクリート板部材を支持することを特徴
とする土留擁壁。 - 【請求項2】 前記補強鋼材と型枠部材の間、および、
補強鋼材と土留に使用するコンクリート板部材との間
に、コンクリートを充填する前の段階で相互に間隔を維
持するための保持部材を取り付けるとともに、 型枠部材の内部空間にコンクリートを充填し、補強鋼材
と一体に固化させたコンクリートを介して、各保持部材
に対する支持の作用を発揮させるものとすることを特徴
とする請求項1に記載の土留擁壁。 - 【請求項3】 前記型枠部材とコンクリート板部材で囲
まれる空間部にコンクリートを充填して、型枠部材と補
強鋼材を一体化した合成支柱に対して、土留に用いるコ
ンクリート板部材に基部を固定したアンカーロッドを埋
め込み、 前記アンカーロッドのコンクリート埋め込み部に対し
て、径の大きな部材を固定して設けることを特徴とする
請求項1または2に記載の土留擁壁。 - 【請求項4】 前記補強鋼材としてH型鋼を用い、前記
H型鋼のフランジに対して型枠部材とコンクリート板部
材の固定保持部材を位置決めすることを特徴とする請求
項1ないし3のいずれかに記載の土留擁壁。 - 【請求項5】 前記型枠部材として、既成のコンクリー
ト製のU字溝部材を用い、前記U字溝部材を補強鋼材に
沿わせて積み重ねて施工することを特徴とする請求項1
ないし4のいずれかに記載の土留擁壁。 - 【請求項6】 前記型枠部材として、無機質材料により
構成した略U字状の溝型の部材、または、略U字状に折
り曲げた部材を用い、型枠の内部空間に充填したコンク
リートと一体に固化させることにより、合成支柱を構成
することを特徴とする請求項5に記載の土留擁壁。
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---|---|---|---|
JP06259406A JP3107716B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 土留擁壁 |
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JP06259406A Expired - Fee Related JP3107716B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 土留擁壁 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1994-09-29 JP JP06259406A patent/JP3107716B2/ja not_active Expired - Fee Related
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