JP3069355U - 介護装置 - Google Patents

介護装置

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JP3069355U
JP3069355U JP1999009124U JP912499U JP3069355U JP 3069355 U JP3069355 U JP 3069355U JP 1999009124 U JP1999009124 U JP 1999009124U JP 912499 U JP912499 U JP 912499U JP 3069355 U JP3069355 U JP 3069355U
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泰三 福岡
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株式会社フクオカ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紐状体やシートによって被介護者の姿勢を規
制することなく被介護者を移動でき、しかも、寝具の交
換、入浴、排便等の介護に際し、それぞれの介護に対応
した被介護者の姿勢を容易に得る。 【解決手段】 支持枠体12に張設されたシート部材1
3に被介護者Kを寝かせた状態で介護する介護装置であ
って、支持枠体12は、被介護者Kの上半身側の上枠体
15と、下半身側の下枠体14、16とを有し、上枠体
15が第一保持手段を介して下枠体14、16に連結さ
れ、少なくとも二つの吊下機構部3から導出された紐状
体10a,10bの係止部11が下枠体14、16と上
枠体15とに係脱自在に係止し、吊下機構部3によって
紐状体10a,10bを巻き上げて支持枠体12を上昇
させた時、第一保持手段によって上枠体15が下枠体1
4、16に対して所定角度に傾斜させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、寝たきり老人や病人、身体障害者等の介護に用いられる介護装置に 関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種介護装置は、例えば、床面の両側に設置された支柱に1本のレー ルが橋架され、該レールに移動自在に昇降装置が設けられ、該昇降装置に設けら れた左右方向の1本の吊下杆の両端部に、被介護者の背中を支持する一方の紐状 体の両端部および両足の太股を支持する他方の紐状体の両端部を引っ掛け、寝た きり老人や病人、身体障害者等の被介護者を二本の紐状体によって吊り下げて移 動している。
【0003】 そして、前記両紐状体によって、被介護者を乗せた状態で所定の位置へ移動し 、ベッドのシーツやおむつの交換、入浴、排便等の介護作業を行っている。かか る場合、前記一方の紐状体によって被介護者の背中が上下方向に維持され、前記 他方の紐状体によって被介護者の太股が水平方向に維持されることになる。よっ て、被介護者が腰掛けた状態の姿勢で移動が行われる。
【0004】 また、他の従来例として、可撓性のシートに被介護者を腰掛けさせ、該シート によって被介護者の背中から太股の部分を支持し、前記シートの端部に紐状体を 連結して前記被介護者を腰掛けた状態で吊り下げて移動する介護装置も公知であ る。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、被介護者を二本の紐状体によって移動する前者の介護装置は、 二本の紐状体によって被介護者の背中や太股は支持されるが、腰部を支持する手 段がなく、被介護者の腰部に重心が掛かり、上下方向に支持された背中に対して 太股が水平位置より若干持ち上げられて支持されることになり、被介護者の体形 によっては被介護者の腹部を圧迫する。しかも、前記両紐状体が被介護者を直接 支持するため、被介護者の姿勢が前記両紐状体によって規制され、非常に窮屈で 、寝具の交換、入浴、排便等の介護作業を行うに際し、それぞれの介護に適した 被介護者の姿勢を得るのが困難であるという問題がある。
【0006】 また、被介護者を可撓性を有するシートによって移動する後者の介護装置は、 シートの周縁部を支持するものがなく、シートの端部に紐状体を取り付けてシー トを吊り下げるため、シートには昇降装置による上向きの力と、被介護者の体重 による下向きの力とが負荷され、被介護者の姿勢がシートによって規制されるこ とになり、前記と同様の問題を生じる。
【0007】 本考案は上記問題に鑑み、紐状体やシートによって被介護者の姿勢を規制する ことなく被介護者を移動でき、しかも、寝具の交換、入浴、排便等の介護作業を 行うに際し、それぞれの介護に適した被介護者の姿勢を容易に得ることができる 介護装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の介護装置は、支持枠体12に張設 されたシート部材13に被介護者Kを寝かせた状態で介護する介護装置であって 、前記支持枠体12は、前記被介護者Kの上半身側の上枠体15と、下半身側の 下枠体14,16とを有し、前記上枠体15が第一保持手段を介して前記下枠体 14,16に連結され、少なくとも二つの吊下機構部3から導出された紐状体1 0a,10bの係止部11が前記下枠体14,16と前記上枠体15とに係脱自 在に係止し、前記吊下機構部3によって前記紐状体10a,10bを巻き上げて 前記支持枠体12を上昇させた時、前記第一保持手段によって前記上枠体15が 前記下枠体14,16に対して所定角度に傾斜する構成としたものである。
【0009】 したがって、入浴、排便、寝具の交換等の介護作業を行うに際し、第一保持手 段によって、被介護者Kの上半身側の上枠体15を下半身側の下枠体14,16 に対して所定の角度に傾斜した状態で保持するようにしたため、被介護者Kはリ ラックスした状態、すなわち被介護者Kは支持枠体12に張設されたシート部材 13に仰向けに寝かされた状態で、しかも、被介護者Kの上半身が上枠体15に もたれ掛けた状態で介護を受けることができる。よって、被介護者Kの体形が太 めの体形であっても被介護者Kの腹部を圧迫することがない。
【0010】 また、前記シート部材13の周縁部が支持枠体12に支持されているため、前 記シート部材13は、被介護者Kの体を包み込むようなことがなく、前記シート 部材13によって被介護者Kの姿勢が規制されることがない。
【0011】 例え、被介護者Kが腰掛けた状態で昇降移動しても、前記シート部材13の周 縁部が支持枠体12に支持されているため、シート部材13が必要以上に下方に 撓むことがなく、前記と同様、被介護者Kの姿勢がシート部材13で規制される ことがない。
【0012】 さらに、被介護者Kの姿勢がシート部材13で規制されることがないことから 、被介護者Kはシート部材13の上で自由な姿勢をとることができ、入浴や排便 時の姿勢を容易に得ることができる。
【0013】 そして、例えば、入浴やベッドのシーツ交換等の介護作業の終了後、被介護者 Kをベッドに戻す場合、下枠体14,16に対して上枠体15が若干傾斜した状 態から徐々に水平位置に回動することになる。このため、被介護者Kの上半身は 傾斜した状態の上枠体15にもたれ掛けた状態から仰向けに寝た状態でベッドに 戻されることになる。よって、被介護者Kに負担を掛けることなく被介護者Kを ベッドに戻せる。
【0014】 また、請求項2記載の介護装置は、前記下枠体14,16は腰部側の腰枠体1 4と、脚側の脚枠体16とからなり、前記脚枠体16は、前記被介護者Kの両脚 の踵近傍に位置する支持杆16bと、前記腰枠体14に第二保持手段によって連 結される連結杆16aとからなり、前記吊下機構部3の紐状体10a,10bの 係止部11が前記腰枠体14と前記脚枠体16とに係脱自在に係止し、前記吊下 機構部3によって前記紐状体10a,10bを巻き上げて前記支持枠体12を上 昇させた時、前記第二保持手段によって前記脚枠体16が前記支持枠体12に対 してほぼ直立する位置まで回動し、前記支持杆16bは、直立した位置で前記被 介護者Kの両足の膕に位置する構成としたものである。
【0015】 したがって、脚枠体16および腰枠体14に紐状体10a,10bの係止部1 1を係止して支持枠体12を吊り下げると、被介護者Kがシート部材13に仰向 けの状態で寝かされていた場合、上枠体15が腰枠体14に対して若干傾斜した 状態になると共に、脚枠体16の支持杆16bが前記支持枠体12に対してほぼ 直立する位置まで回動し、被介護者Kの踵近傍からふくらはぎの湾曲に沿って膕 に移動する。この際、上枠体15が被介護者Kの上半身を若干起こした状態にな ると共に、被介護者Kの太股が上下方向に位置して脛が水平方向に位置した状態 になる。
【0016】 さらに、請求項3記載の介護装置は、前記上枠体15および前記脚枠体16に 前記少なくとも2つの吊下機構部3の紐状体10a,10bの係止部11を係脱 自在に係止し、前記吊下機構部3によって前記紐状体10a,10bを巻き上げ て前記上枠体15を傾斜させると共に、前記脚枠体16を前記被介護者Kの膕に 位置させた後、前記上枠体15側をさらに上昇させて変更する構成としたもので ある。
【0017】 したがって、前記脚枠体16を前記被介護者Kの膕に位置させた後、前記上枠 体15側をさらに上昇させることによって、前記被介護者Kは腰掛けた状態の排 便姿勢を容易に得ることができる。
【0018】 また、請求項4記載の介護装置は、支持枠体12に張設されたシート部材13 に被介護者Kを寝かせた状態で介護する介護装置であって、前記支持枠体12は 、前記被介護者Kの上半身側の上枠体15と、腰部側の腰枠体14と、脚側の脚 枠体16とを有し、該脚枠体16が第二保持手段を介して前記腰枠体14に連結 され、少なくとも二つの吊下機構部3から導出された紐状体10a,10bの係 止部11が前記腰枠体14と前記脚枠体16とに係脱自在に係止し、前記吊下機 構部3によって前記紐状体10a,10bを巻き上げて前記支持枠体12を上昇 させた時、前記第二保持手段によって前記脚枠体16が前記腰枠体14に対して 所定角度に傾斜する構成としたものである。
【0019】 したがって、被介護者Kを寝かせた状態で、前記脚枠体16のみを前記被介護 者Kの膕に位置させることによって、排便後の臀部を拭き取ることができる。
【0020】 さらに、請求項5記載の介護装置は、前記脚枠体16の支持杆16bに、ある いは該支持杆16bに平行してローラ26を設けたものである。
【0021】 したがって、脚枠体16の支持杆16bに、あるいは該支持杆16bに平行し て設けられたローラ26によって、被介護者Kの踵近傍の位置から膕への脚枠体 16の移動が円滑に行われる。
【0022】 さらに、請求項6記載の介護装置は、前記少なくとも2つの吊下機構部3は接 離方向に相対移動可能である構成としたものである。
【0023】 したがって、例えば、入浴や寝具の交換における吊下機構部3の紐状体10a ,10bの係止位置と、排便姿勢における吊下機構部3の紐状体10a,10b の係止位置とが異なる場合であっても、前記吊下機構部3が接離方向に相対移動 可能であるため、容易に対応できる。
【0024】 また、請求項7記載の介護装置は、前記被介護者Kの臀部が位置する排便用開 口部32が前記シート部材13に形成されてなるものである。
【0025】 したがって、例えば、被介護者Kが寝たきり老人や病人の場合、排便用開口部 32によって寝たままで排便させることができる。この際、シート部材13を汚 さずにすみ、清潔である。
【0026】 さらに、請求項8記載の介護装置は、前記シート部材13は溌水加工されて、 多数の孔を有してなるものである。
【0027】 したがって、前記シート部材13は、通気性および水はけがよく、入浴後や洗 濯後は乾燥しやすい。
【0028】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態について図1〜図7を参照して説明する。
【0029】 先ず、介護装置の構成を示した図1において、1は介護装置であり、床面Gを 移動する移動装置2と、該移動装置2の前部,後部に設けられた吊下機構部3と 、該両吊下機構部3,3によって昇降する介護装置本体4とを備えている。
【0030】 前記移動装置2は、床面Gに所定の間隔をおいて前後左右に設けられた立設杆 5,…と、該各立設杆5,…に支持された枠状の支持台6とを有し、前記各立設 杆5,…の下端部にそれぞれ床面移動用のキャスタ7が設けられている。そして 、該各キャスタ7が床面Gを転動することによって前記移動装置2が床面Gを自 在に移動する。
【0031】 前記吊下機構部3は、図1に示すように、直方体形状の前筐体8a,後筐体8 bが前記支持台6の前,後に配設され、前筐体8aに第一モータ(図示せず)が 内装されると共に、後筐体8bに第二モータ(図示せず)が内装されている。該 両モータは、リモコンの遠隔操作によって個別に作動し、正逆回転可能になって いる。そして、前記両モータの正逆回転に連動して昇降する前紐状体10a,後 紐状体10bの両端が前記両筐体8a,8bの底面の左右両側から導出されて垂 下され、前記介護装置本体4の前後左右に位置している。さらに、前記各紐状体 10a,10bの端部に前記介護装置本体4を吊り下げるためのフックからなる 係止部11が設けられている。
【0032】 前記介護装置本体4は、図1に示すように、アルミ製の支持枠体12に、溌水 加工が施されたポリエステルからなる多孔質のシート部材13が張設され、該シ ート部材13に被介護者Kを寝かせた状態で介護が行われる。前記支持枠体12 の大きさは、後述する被介護者Kの浴槽31内に入る大きさになっている。前記 シート部材13は、通気性がよく汗等による黴の発生を防止すると共に、入浴後 や洗濯後の水はけがよく、乾燥しやすい。また、前記シート部材13の下端部に は被介護者Kの臀部が位置する排便用開口部32が形成され、カバーからなる開 閉手段33によって閉塞されている。さらに、前記シート部材13の上部に枕3 4が着脱自在に装着されている。
【0033】 前記支持枠体12は、被介護者Kの腰部側の腰枠体14と、該腰枠体14の一 側に設けられた上半身側の上枠体15と、前記腰枠体14の他側に設けられた脚 側の脚枠体16とを備えている。
【0034】 前記腰枠体14は、図1に示すように、前後方向の保持杆14aが左右に設け られ、該両保持杆14aの中央部が左右方向の連結板14bに連結されてH字形 状に形成されている。そして、図2に示すように、前記腰枠体14の両保持杆1 4aの前端部に雌ヒンジ17が設けられている。該雌ヒンジ17は、同図に示す ように、一側に腰枠体14の両保持杆14aの前端部に外嵌装着される装着部1 8が形成されると共に、他側に挿入孔19を有する受け部20が形成されている 。また、図3に示すように、前記両保持杆14aの後端部に、脚枠体16を水平 方向に保持する水平保持突片21aと、脚枠体16を垂直方向に保持する垂直保 持突片21bとが設けられている。
【0035】 前記上枠体15は、図1に示すように、一本の杆をU字形状に折り曲げたもの であり、前記上枠体15の折曲杆15aの両端部に雄ヒンジ22が設けられてい る。該雄ヒンジ22は、一側に上枠体15の折曲杆15aの両端部に外嵌装着さ れる装着部23が形成されると共に、他側に前記雌ヒンジ17の挿入孔19に挿 入される挿入片24が形成されている。該挿入片24の一片に、前記腰枠体14 ,前記上枠体15を水平方向に保持するための水平保持部24aが形成されると 共に、他片に、前記上枠体15を水平面に対して所定の角度、例えば、30度に 傾斜した状態で保持するための傾斜保持部24bが形成されている。
【0036】 そして、前記腰枠体14の雌ヒンジ17の挿入孔19に、前記上枠体15の雄 ヒンジ22の挿入片24が挿入され、ピン25が前記雌ヒンジ17の受け部20 、雄ヒンジ22の挿入片24を貫通し、上枠体15が腰枠体14に回転自在に支 持されている。
【0037】 前記脚枠体16は、図1に示すように、前後方向の連結杆16aが左右に設け られ、該両連結杆16aの後端部が左右方向の支持杆16bに連結されてコ字形 状に形成されている。また、図3に示すように、前記両連結杆16aの連結部1 6cが腰枠体14の両保持杆14aの後端部にピン25により連結されている。 そして、前記連結部16cの一側が腰枠体14の水平保持突片21aに当接する ことによって前記脚枠体16が水平方向に保持される。また、前記連結部16c の他側が腰枠体14の垂直保持突片21bに当接することによって前記脚枠体1 6が垂直方向に保持される。さらに、前記支持杆16bに平行に被介護者Kの両 足の膕を引っ掛けるローラ26が設けられている。
【0038】 そして、腰枠体14、上枠体15および脚枠体16の両側の周縁部に、前記吊 下機構部3の両紐状体10a,10bの係止部11が係脱自在に係止する前吊環 27、後吊環28および脚吊環29が設けられている。
【0039】 なお、前記腰枠体14と前記脚枠体16とから下枠体が構成され、前記両枠体 14,16は屈曲してもよく、一体であってもよい。
【0040】 次に、介護装置1の介護手順について説明する。まず、例えば、ベッドのシー ツを交換する場合について図4を参照して説明する。図4の実線に示す状態は、 前記介護装置本体4がベッド30の上に載置され、前記介護装置本体4の腰枠体 14,上枠体15および脚枠体16が水平方向に位置し、被介護者Kが前記介護 装置本体4のシート部材13に仰向けの状態で寝かされ、被介護者Kの臀部がシ ート部材13の排便用開口部32に位置した状態である。
【0041】 次に、図4の実線に示す状態の上枠体15の両前吊環27および腰枠体14の 両後吊環28にそれぞれ吊下機構部3の両紐状体10a,10bのフック11を 係止し、リモコンによって、第一および第二モータを同時に正方向に回転し、紐 状体10a,10bを巻き上げて前記介護装置本体4を上昇させる。
【0042】 この際、腰枠体14に上枠体15が回転自在に支持されているため、図4の鎖 線に示すように、上枠体15がベッド30から離間して傾斜した状態になり、上 枠体15の雄ヒンジ22の傾斜保持部24bが腰枠体14の雌ヒンジ17の挿入 孔19の壁面に当接し、上枠体15が水平面に対して30度傾斜した状態で保持 される。
【0043】 図4の鎖線に示す状態では、被介護者Kの上半身が、傾斜した状態の上枠体1 5にもたれ掛ける状態になり、腹部を圧迫するような姿勢になることはなく、リ ラックスした状態で移動することができる。この被介護者Kの姿勢を以下介護姿 勢という。
【0044】 また、両紐状体10a,10bを巻き上げることによって生じる上向きの力は 、介護装置本体4の各枠体14,15,16で受けることになり、シート部材1 3によって被介護者Kの体を包み込むようなことがなく、従来のように、シート 部材13によって被介護者Kの姿勢が規制されることがない。
【0045】 そして、介護装置本体4をさらに上昇させ、介護装置本体4をベッド30から 完全に離間させる。この状態で、移動装置2の立設杆5を持って介護装置1をベ ッド30の側方に移動し、ベッド30のシーツを交換する。
【0046】 次に、被介護者Kを浴槽31に入浴させる場合について図5を参照して説明す る。図5の状態は、介護装置本体4が吊り下げられ、被介護者Kが上述した介護 姿勢の状態になり、浴槽31の上方に、上枠体15が腰枠体14に対して傾斜し た状態で位置している。そして、吊下機構部3の第一および第二モータを同時に 逆方向に回転させ、上枠体15が傾斜した状態のまま介護装置本体4を下降させ 、介護装置本体4に被介護者Kを寝かせた状態で浴槽31に入浴させる。
【0047】 この場合、溌水加工が施されたポリエステルからなる多孔質のシート部材13 が用いられているため、水はけがよく、乾燥しやすい。また、介護装置本体4の 各枠体14,15.16はアルミ製であるため、錆が発生しにくい。
【0048】 次に、ベッド30のシーツの交換や入浴等の介護作業の終了後、被介護者Kを ベッド30に戻す場合、腰枠体14に対して上枠体15が若干傾斜した状態のま まベッド30の上方に介護装置本体4を位置させ、腰枠体14に対して上枠体1 5が若干傾斜した状態で介護装置本体4を下降する。そして、腰枠体14および 脚枠体16がベッド30に当接すると、上枠体15が傾斜した状態から徐々に水 平位置に回動することになる。このため、被介護者Kの上半身は傾斜した状態の 上枠体15にもたれ掛けた状態から仰向けに寝た状態でベッド30に戻されるこ とになる。よって、被介護者Kに負担を掛けることなく被介護者Kをベッド30 に戻すことができる。
【0049】 次に、被介護者Kを排便させる場合について図6および図7を参照して説明す る。まず、介護装置本体4の上枠体15の両前吊環27に前紐状体10aの係止 部11を係止し、脚枠体16の両脚吊環29に後紐状体10bの係止部11を係 止させる。
【0050】 この状態で、リモコンによって吊下機構部3の第一および第二モータを正方向 に回転させると、図6の一点鎖線に示すように、上枠体15が腰枠体14に対し て傾斜した状態になると共に、脚枠体16が回転して腰枠体14に対して直立し た状態になり、被介護者Kの両脚の踵近傍に位置した脚枠体16のローラ26が ふくらはぎの湾曲部に移動する。その後、図6の破線に示すように、脚枠体16 のローラ26がふくらはぎの湾曲に沿って移動し、膕に位置することになる。
【0051】 次に、図6の破線の状態から第一モータをさらに正方向に回転させると同時に 、第二モータを逆方向に回転させると、図7に示すように、上枠体15および腰 枠体14が上昇してほぼ上下方向に位置すると共に、脚枠体16がほぼ水平方向 に位置した状態になり、ほぼL字形状になる。よって、被介護者Kは、自重によ って上枠体15および腰枠体14に沿って下方に移動し、被介護者Kの頭部が枕 34から離脱し、被介護者Kの姿勢が腰掛けた状態になり、被介護者Kの臀部が 排便用開口部32から露出し、適性な排便姿勢を得ることができる。この場合、 前後の吊下機構部3は互いに近接する方向に移動する。そして、被介護者Kを排 便姿勢の状態のままで、ポータブルトイレ35の上方に位置させる。
【0052】 但し、被介護者Kの様態によっては、寝たままの状態、あるいは上枠体15に もたれた状態で排便をすることが考えられるが、シート部材13の排便用開口部 32を開放しておけば、いずれの場合に対しても容易に排便できる。
【0053】 そして、被介護者Kを寝かせた状態で、前記脚枠体16のみを前記被介護者K の膕に位置させることによって、排便後の臀部を拭き取ることができる。
【0054】 このように、介護装置本体4の各枠体14,15,16にシート部材13を設 けることにより、従来のように、吊下機構部3の上向きの力がシート部材13に 負荷されず、被介護者Kの姿勢がシート部材13によって規制されることがない 。よって、シート部材13の上で被介護者Kは自由な姿勢がとれる。さらに、前 記介護装置本体4を吊下機構部3によって操作することにより入浴や排便に適し た被介護者Kの姿勢を容易にとることができる。
【0055】 なお、前記実施形態の場合、吊下機構部3のモータはリモコンを用いて適宜操 作したが、自動制御するようにしてもよい。例えば、モータの回転部に信号検出 部を設け、該検出部を光電検出し、駆動パルスによってモータの回転角度を制御 すれば、前記検出信号をリセット信号とし、リセット信号および駆動パルスを符 号化し、該符号と入浴や排便等の選択モードの符号とを対応させれば、吊下機構 部3の紐状体10a,10bを所定の位置に自動停止させることができる。
【0056】 さらに、前記吊下機構部3は、移動装置2の支持台6の前後に2つ設けたが、 3つ以上であってもよく、1つであってもよい。
【0057】 また、腰枠体14に、上枠体15および脚枠体16を回転自在に支持するため にヒンジ17,22を用いたが、図8に示すように、一つの矩形状の枠体40に 前記上枠体15および脚枠体16をリンク機構41によって所定の角度に保持す るようにしてもよい。
【0058】 さらに、前記シート部材13としては、溌水加工が施されたポリエステルから なる多孔質材料を用いたが、溌水加工が施された多孔質の材質であれば何でもよ く、例えば、網体であってもよい。また、前記シート部材13に抗菌剤、芳香剤 、脱臭剤、吸汗剤を含浸させてもよい。
【0059】 また、シート部材13の排便用開口部32をカバーからなる開閉手段33によ って開閉するようにしたが、ファスナを用いてもよい。但し、被介護者Kの様態 によっては、寝たままの状態で排便する場合もあるため、前記開口部32は常時 開放しているのが好ましい。
【0060】
【考案の効果】
以上のように、本考案の請求項1記載の介護装置は、支持枠体の上枠体が第一 保持手段を介して下枠体に連結され、少なくとも二つの吊下機構部によって紐状 体を巻き上げて前記支持枠体を上昇させた時、前記第一保持手段によって前記上 枠体が前記下枠体に対して所定角度に傾斜するため、被介護者はリラックスした 状態で入浴、排便、寝具の交換等の介護を受けることができる効果がある。
【0061】 また、請求項2記載の介護装置は、前記吊下機構部によって前記支持枠体を上 昇させた時、前記第二保持手段によって前記脚枠体が前記支持枠体に対してほぼ 直立する位置まで回動するようにしたため、脚枠体の支持杆を被介護者の踵近傍 の位置からふくらはぎの湾曲に沿って膕に移動させることができる。
【0062】 さらに、請求項3記載の介護装置は、前記吊下機構部によって前記上枠体を傾 斜させると共に、前記脚枠体を前記被介護者の膕に位置させた後、前記上枠体側 をさらに上昇させて変更するようにしたため、腰掛けた状態の排便姿勢を得るの に有効である。
【0063】 また、請求項4記載の介護装置は、吊下機構部の紐状体の係止部を前記腰枠体 と前記脚枠体とに係脱自在に係止し、前記吊下機構部によって前記支持枠体を上 昇させた時、第二保持手段によって前記脚枠体を前記腰枠体に対して所定角度に 傾斜するようにしたため、被介護者を寝かせた状態で、前記脚枠体のみを前記被 介護者の膕に位置させることによって、排便後の前記被介護者の臀部を拭き取る ことができる。
【0064】 また、請求項5記載の介護装置は、前記脚枠体の支持杆に、あるいは該支持杆 に平行してローラを設けたため、被介護者Kの踵近傍の位置から膕への脚枠体の 移動が円滑に行われる効果がある。
【0065】 さらに、請求項6記載の介護装置は、前記少なくとも2つの吊下機構部は接離 方向に相対移動可能であるため、例えば、入浴や寝具の交換における吊下機構部 の紐状体の係止位置と、排便姿勢における吊下機構部の紐状体の係止位置とが異 なる場合であっても、容易に対応できる。
【0066】 また、請求項7記載の介護装置は、シート部材に形成された排便用開口部によ って、例えば、被介護者が寝たきり老人や病人を、寝たままで排便させることが でき、シート部材を汚さずにすみ、清潔である。
【0067】 さらに、請求項8記載の介護装置は、前記シート部材は溌水加工されて、多数 の孔を有しているため、前記シート部材は、通気性および水はけがよく、入浴後 や洗濯後は乾燥しやすい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】介護装置本体の斜視図である。
【図2】(イ)は介護装置本体の上枠体を所定の角度に
保持する第一保持手段の正面図、(ロ)は図2(イ)の
平面図、(ハ)は図2(イ)の側面図である。
【図3】介護装置本体の脚枠体を所定の角度に保持する
第二保持手段の拡大図である。
【図4】ベッドのシーツを交換する際の動作説明図であ
る。
【図5】被介護者を浴槽に入浴させる際の動作説明図で
ある。
【図6】脚枠体のローラが被介護者の踵近傍の位置から
ふくらはぎを経て膕に移動する際の動作説明図である。
【図7】被介護者が図6の状態から排便姿勢に至るまで
の動作説明図である。
【図8】介護装置本体における上枠体および腰枠体の保
持手段の変形例を示した図である。
【符号の説明】
1…介護装置、3…吊下機構部、10a、10b…紐状
体、12…支持枠体、13…シート部材、14…腰枠
体、15…上枠体、16…脚枠体、26…ローラ、32
…排便用開口部、33…開閉手段、K…被介護者。

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持枠体(12)に張設されたシート部
    材(13)に被介護者(K)を寝かせた状態で介護する
    介護装置であって、前記支持枠体(12)は、前記被介
    護者(K)の上半身側の上枠体(15)と、下半身側の
    下枠体(14,16)とを有し、前記上枠体(15)が
    第一保持手段を介して前記下枠体(14,16)に連結
    され、少なくとも二つの吊下機構部(3)から導出され
    た紐状体(10a,10b)の係止部(11)が前記下
    枠体(14,16)と前記上枠体(15)とに係脱自在
    に係止し、前記吊下機構部(3)によって前記紐状体
    (10a,10b)を巻き上げて前記支持枠体(12)
    を上昇させた時、前記第一保持手段によって前記上枠体
    (15)が前記下枠体(14,16)に対して所定角度
    に傾斜する構成としたことを特徴とする介護装置。
  2. 【請求項2】 前記下枠体(14,16)は、腰部側の
    腰枠体(14)と前記脚枠体(16)とからなり、前記
    脚枠体(16)は、前記被介護者(K)の両脚の踵近傍
    に位置する支持杆(16b)と、前記腰枠体(14)に
    第二保持手段を介して連結される連結杆(16a)とか
    らなり、前記吊下機構部(3)の紐状体(10a,10
    b)の係止部(11)が前記腰枠体(14)と前記脚枠
    体(16)とに係脱自在に係止し、前記吊下機構部
    (3)によって前記紐状体(10a,10b)を巻き上
    げて前記支持枠体(12)を上昇させた時、前記第二保
    持手段によって前記脚枠体(16)が前記腰枠体(1
    4)に対してほぼ直立する位置まで回動し、前記支持杆
    (16b)は、直立した位置で前記被介護者(K)の両
    足の膕に位置する構成としたことを特徴とする請求項1
    記載の介護装置。
  3. 【請求項3】 前記上枠体(15)および前記脚枠体
    (16)に前記少なくとも2つの吊下機構部(3)の紐
    状体(10a,10b)の係止部(11)を係脱自在に
    係止し、前記吊下機構部(3)によって前記紐状体(1
    0a,10b)を巻き上げて前記上枠体(15)を傾斜
    させると共に、前記脚枠体(16)を前記被介護者
    (K)の膕に位置させた後、前記上枠体(15)側をさ
    らに上昇させて前記被介護者(K)を腰掛け状態に変更
    する構成としたことを特徴とする請求項2記載の介護装
    置。
  4. 【請求項4】 支持枠体(12)に張設されたシート部
    材(13)に被介護者(K)を寝かせた状態で介護する
    介護装置であって、前記支持枠体(12)は、前記被介
    護者(K)の上半身側の上枠体(15)と、腰部側の腰
    枠体(14)と、脚側の脚枠体(16)とを有し、該脚
    枠体(16)が第二保持手段を介して前記腰枠体(1
    4)に連結され、少なくとも二つの吊下機構部(3)か
    ら導出された紐状体(10a,10b)の係止部(1
    1)が前記腰枠体(14)と前記脚枠体(16)とに係
    脱自在に係止し、前記吊下機構部(3)によって前記紐
    状体(10a,10b)を巻き上げて前記支持枠体(1
    2)を上昇させた時、前記第二保持手段によって前記脚
    枠体(16)が前記腰枠体(14)に対して所定角度に
    傾斜する構成としたことを特徴とする介護装置。
  5. 【請求項5】 前記脚枠体(16)の支持杆(16b)
    に、あるいは該支持杆(16b)に平行してローラ(2
    6)を設けたことを特徴とする請求項2乃至4の何れか
    に記載の介護装置。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも2つの吊下機構部(3)
    は接離方向に相対移動可能であることを特徴とする請求
    項1乃至5の何れかに記載の介護装置。
  7. 【請求項7】 前記被介護者(K)の臀部が位置する排
    便用開口部(32)が前記シート部材(13)に形成さ
    れてなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記
    載の介護装置。
  8. 【請求項8】 前記シート部材(13)は溌水加工され
    て、多数の孔が形成されてなることを特徴とする請求項
    1乃至7の何れかに記載の介護装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013043014A (ja) * 2011-08-25 2013-03-04 Toshiko Miyashita 入浴介護装置
JP2017104281A (ja) * 2015-12-09 2017-06-15 トヨタ自動車株式会社 介護用リフト装置

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