JP3068835B2 - 列車無線受信システム - Google Patents

列車無線受信システム

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JP3068835B2
JP3068835B2 JP2036358A JP3635890A JP3068835B2 JP 3068835 B2 JP3068835 B2 JP 3068835B2 JP 2036358 A JP2036358 A JP 2036358A JP 3635890 A JP3635890 A JP 3635890A JP 3068835 B2 JP3068835 B2 JP 3068835B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は列車等に搭載されて移動する列車無線受信シ
ステムに関する。
(従来の技術) 従来、列車等に搭載されて移動する列車無線の通信シ
ステムは、例えば第2図に示したような構成を有してい
る。即ち、アンテナ1、無線機2及び制御器3から成る
無線装置は列車の前部または後部のいずれか一方の乗務
員室に1台だけ搭載され、反対側の乗務員室には制御器
3のみが設けられている。従って、このような従来の通
信システムでは、列車の進行方向によって、前方の制御
器3を使用するようにスイッチ4にて無線機2の制御器
3を切り替えて運用する方式が採られている。又、第3
図に示す如く、列車Aの前部、後部の両方の乗務員室に
それぞれ独立に無線装置を搭載した構成とし、前方及び
後方のいずれの乗務員室の無線装置もそれぞれ独立して
使用する方式もある。
ところで、上記両方式とも列車上のアンテナ1が偶然
に定在波の谷間の電界強度(スケルチ値設定レベル以
下)の落ち込んだ所で停止すると、第2図に示した方式
の場合では、まったく通信不能に陥る。又、第3図に示
した方式の場合も、前記電界強度の落ち込みを避け得た
乗務員側の無線装置は通信可能であっても、他方の電界
強度の落ち込んだ側の無線装置は通信不能に陥る欠点が
あり、この通信不能に陥った無線装置を使用していた場
合には、そもそも自装置が通信不能に陥っていることが
感知できないためやはり重大な故障が生じることがあ
る。
上記のような不具合を解消する従来の方法としては以
下に述べるようなことが行われていた。
(1)上記定在波の谷間が生じる地点にサブ基地局を設
け、このサブ基地局を介して無線通信を行うことによ
り、この地点の電界強度の上昇を図る。
(2)列車に2基又はそれ以上のアンテナを設け、複数
のアンテナの出力位相を合わせて無線機に供給する利得
合成方式を採用する。(3)同じく2基又はそれ以上の
アンテナ及びこれら各アンテナに接続された2台又はそ
れ以上の受信機の受信出力を比較し、常に電界の高いほ
うのアンテナを選択する選択合成方式を採用する等の各
種方法がある。
しかし、上記(2)、(3)の方式はスペ−スダイバ
シティ方式と呼ばれているもので、本来は走行中に行わ
れる無線の通話品質(信号対雑音比S/N)を改善するこ
とを目的とする方式で、移動局(移動局に搭載される無
線システム)の構成が複雑で高価になるという欠点があ
った。
通常、前述した定在波による電界強度の落ち込みによ
る弱電界区間(スケルチ値設定レベル以下)は数m〜数
10cm程度であり、走行中の列車における通話に故障をき
たすことは殆ど無いため、上記(2)、(3)のような
方式は経済的にも得策であるとはいえない。又、(1)
の方式も数m〜数10cmの弱電界地点を救済する方式とし
ては対策区間長の割に極めてシステムが高価になるた
め、やはり適当な方式では無いといえる。
(発明が解決しようとする課題) 上記の如く、定在波により電界強度が局地的に落ち込
んだところに列車等に搭載された移動無線装置のアンテ
ナがきてしまうと、前記無線装置が通信不能にいなると
いう欠点があったが、これを解消する従来の各種方法は
受信システムが複雑で対策区間長の割に極めて高価にな
ってしまうという欠点があった。
そこで本発明は上記の欠点を除去するもので、アンテ
ナが定在波による弱電界地点に来た場合の通信不能状態
を簡単且つ安価に回避することができる列車無線受信シ
ステムを提供することを目的としている。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明の列車無線システムは、列車の前部の車両上に
所定の間隔を離して設置された一対の前部アンテナと、
列車の後部の車両上に所定の間隔を離して設置された一
対の後部アンテナと、列車の前部の車両に設けられる前
部受信機と、列車の後部の車両に設けられる後部受信機
と、前部アンテナのいずれか一方を前部受信機の使用ア
ンテナとする前部アンテナ切替手段と、後部アンテナの
いずれか一方を後部受信機の使用アンテナとする後部ア
ンテナ切替手段と、前部受信機及び後部受信機から得ら
れる両受信信号レベルを比較する比較手段と、この比較
手段による比較結果により前部受信機の受信レベルがほ
ぼ零であるにも拘らず後部受信機の受信レベルが有る場
合、前部アンテナ切替手段を制御して前部受信機の使用
アンテナを他のもう一方のアンテナに切り替え、又、前
記比較手段による比較結果により後部受信機の受信レベ
ルがほぼ零であるにも拘らず前部受信機の受信レベルが
有る場合、後部アンテナ切替手段を制御して後部受信機
の使用アンテナを他のもう一方のアンテナに切り替える
切替制御手段とを具備した構成を有する。
また、本発明に係る列車無線受信システムは、列車の
前部の車両上に所定の間隔を離して設置された一対の前
部アンテナと、列車の後部の車両上に所定の間隔を離し
て設置された一対の後部アンテナと、列車の前部の車両
に設けられる前部受信機と、列車の後部の車両に設けら
れる後部受信機と、前部アンテナのいずれか一方を前部
受信機の使用アンテナとするように手動で切り替え可能
な前部アンテナ切替手段と、後部アンテナのいずれか一
方を後部受信機の使用アンテナとするように手動で切り
替え可能な後部アンテナ切替手段と、前部受信機及び後
部受信機から得られる両受信信号レベルを比較する比較
手段と、この比較手段による比較結果により前部受信機
の受信レベルがほぼ零であるにも拘らず後部受信機の受
信レベルが有る場合、前部受信機の使用アンテナを他の
もう一方のアンテナに切り替えることを勧告する報知を
行い、又、前記比較手段による比較結果により後部受信
機の受信レベルがほぼ零であるにも拘らず前部受信機の
受信レベルが有る場合、後部受信機の使用アンテナを他
のもう一方のアンテナに切り替えることを勧告する報知
を行う報知手段とを具備して成ることを特徴とする。
(作用) 本発明の列車無線システムにおいて、前部アンテナ切
替手段は前部アンテナのいずれか一方を前部受信機の使
用アンテナとする。後部アンテナ切替手段は後部アンテ
ナのいずれか一方を後部受信機の使用アンテナとする。
比較手段は前部受信機及び後部受信機から得られる両受
信信号レベルを比較する。切替制御手段は前記比較手段
による比較結果により前部受信機の受信レベルがほぼ零
であるにも拘らず後部受信機の受信レベルが有る場合、
前部アンテナ切替手段を制御して前部受信機の使用アン
テナを他のもう一方のアンテナに切り替え、又、前記比
較手段による比較結果により後部受信機の受信レベルが
ほぼ零であるにも拘らず前部受信機の受信レベルが有る
場合、後部アンテナ切替手段を制御して後部受信機の使
用アンテナを他のもう一方のアンテナに切り替える。
別の構成の作用として、前部報知手段は前部受信機の
使用アンテナを切り替えることをオペレータに勧告する
情報を報告する。後部報知手段は後部受信機の使用アン
テナを切り替えることをオペレータに勧告する情報を報
知する。比較手段は前部受信機及び後部受信機から得ら
れる両受信信号レベルを比較する。報知制御手段は前記
比較手段による比較結果により前部受信機の受信レベル
がほぼ零であるにも拘らず後部受信機の受信レベルが有
る場合、前部報知手段を起動して手動にて前部受信機の
使用アンテナを他のもう一方のアンテナに切り替えるこ
とを勧告する報知を行い、又、前記比較手段による比較
結果により後部受信機の受信レベルがほぼ零であるにも
拘らず前部受信機の受信レベルが有る場合、後部報知手
段を起動して手動にて後部受信機の使用アンテナを他の
もう一方のアンテナに切り替えることを勧告する報知を
行う。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を従来例と同一部には同一符
号を付して図面を参照して説明する。第1図は本発明の
移動無線システムの一実施例を示したブロック図であ
る。1A1、1A2、1B1、1B2は電波を送信又は受信するアン
テナ、2A、2Bは無線機で、それぞれ受信機21A、21B及び
送信機22A、22Bから成っている。3A、3Bはハンドセット
を有する無線機2A、2Bの制御器、4A、4Bはそれぞれ受信
機21A、21Bの受信信号レベルを比較する比較回路、5Aは
無線機2Aの使用アンテナをアンテナ1A1、1A2のいずれか
一方に切り替える切替接点51Aを駆動するリレ−ソレノ
イド、5Bはアンテナ1B1、1B2を切り替える切替接点51B
を駆動するリレ−ソレノイドである。ここで、前記アン
テナ1A1、1A2の間隔及び1B1、1B2の間隔はそれぞれ受信
電波の半波長以上の距離になるように、各アンテナは列
車上に取り付けられているものとする。又、A系列の無
線装置は列車の一方の乗務員室に搭載され、B系列の無
線装置は同列車の他方の乗務員室に搭載されているもの
とする。
ここで、リレ−ソレノイド5A、5B及び切替接点51A、5
1Bはアンテナ切替手段を、比較回路4A、4Bは比較手段、
切替制御手段及び報知制御手段を構成している。又、警
報ランプは前部、後部報知手段を構成している。
次に本実施例の動作について説明する。今、列車が図
中矢印方向に進行し、前方の乗務員室に搭載されている
A系列の無線装置を使用して情報の送受を行っているも
のとする。この場合も、後方の乗務員室に搭載されてい
るB系列の無線装置の受信機21Bは動作していて、同時
に同じ電波を受信するようにしてある。従って、比較回
路4Aには受信機21Aと21Bによって受信された同一の信号
が入力されることになる。通常、定在波の谷間ではない
強電界地域では各アンテナ1A1〜1B2によって受信された
電波のレベルは強いため、受信機21A,21Bのスケルチ回
路を開とするため、比較回路4Aにより、受信機21A、21B
の受信信号レベルの比較は同一になる。このような場合
には、比較回路4Aは何もせず、例えば無線機2Aはアンテ
ナ1A1側を使用アンテナとする状態を維持する。
ここで、たまたま列車のアンテナ1A1が定在波の谷間
である弱電界地点に入った所で列車が停車すると、受信
機21Aの受信レベルはほぼ零となるが、後方のアンテナ1
B1を使用している受信機21Bの受信レベルは正常である
ため、比較回路4Aにて受信機21A、21Bの受信レベルに差
異が生じたことが検出される。このようなことが生じる
と、比較回路4Aはリレ−のソレノイド5Aを駆動して、そ
の接点51Aをアンテナ1A2側に切り替える制御を行う。こ
こで、アンテナ1A1と1A2の間隔は半波長以上であるた
め、アンテナ1A1が定在波の谷間に入っている場合で
も、アンテナ1A1は定在波の谷間から抜けた強電界地点
に位置するため、無線機2Aの使用アンテナをアンテナ1A
2に切り替えることにより受信機21は正常な受信を再開
することができる。これにより比較回路4Aには受信機21
A、21Bから同一レベルの受信信号が入力されるため、比
較回路4Aはリレ−の接点51Aをアンテナ1A2側に切り替え
たままとする。
なお、比較回路4Aは前部、後部の両受信機21A、21Bに
受信信号が有ると判定した場合、前部、後部の両受信機
21A、21Bに受信信号が無いと判定した場合は上記前部に
あるアンテナ1A1、1A2の切り替え動作を行わない。この
ような動作は、B系列の無線機2Bを使用した場合にも同
様に行われ、この場合は比較回路5Bが受信機21A、21Bの
受信信号レベルを比較して、その結果によりアンテナ1B
1、1B2の切り替えを接点51Bを介して行う。
本実施例によれば、無線装置を前方、及び後方の乗務
員室に1セットずつ搭載すると共に、、各無線機2A、2B
は2組のアンテナ1A1、1A2及び1B1、1B2のいずれか一方
を切り替えて使用する構成とし、使用している一方のア
ンテナが定在波による弱電界地点に入って受信不能にな
ると、これを検知した比較回路3A又は3Bが使用アンテナ
を自動的に他方のアンテナに切り替えることにより、自
動的に受信可能状態に装置を復帰させることができる。
このため、本システムを用いると定在波の谷間等の弱電
界地点にアンテナが位置して通信不能になることを殆ど
無くすことができ、列車無線の信頼性を向上させること
ができる。
本発明の他の実施例として、上記実施例では比較回路
4A又は4Bがアンテナが弱電界地点に入ったと判定した場
合、無線機2A又は2Bの使用アンテナを残りのアンテナと
するように自動的に切り替える動作を行う構成であった
が、このような場合に警報音又は警報ランプ等を発生又
は点灯させることにより、乗務員に手動で無線機2A又は
2Bのアンテナを切り替えさせる構成とすることもでき、
前実施例と同様の効果を得ることができる。
〔発明の効果〕
以上記述した如く本発明の列車無線受信システムによ
れば、アンテナが定在波による弱電界地点に来た場合の
通信不能状態を簡単且つ安価に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の列車無線受信システムの一実施例を示
したブロック図、第2図は従来の列車無線受信システム
の一例を示したブロック図、第3図は従来の列車無線受
信システムの他の例を示したブロック図である。 1A1、1A2、1B1、1B2……アンテナ 2A、2B……無線機 4A、4B……比較回路 5A、5B……リレ−ソレノイド 21A、21B……受信機 51A、51B……切り替え接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−68267(JP,A) 特開 昭63−303524(JP,A) 特開 昭63−95740(JP,A) 実開 平2−103940(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/18 - 1/24 H04B 7/00 H04B 7/02 - 7/12 H04L 1/02 - 1/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】列車の前部の車両上に所定の間隔を離して
    設置された一対の前部アンテナと、 列車の後部の車両上に所定の間隔を離して設置された一
    対の後部アンテナと、 列車の前部の車両に設けられる前部受信機と、 列車の後部の車両に設けられる後部受信機と、 前部アンテナのいずれか一方を前部受信機の使用アンテ
    ナとする前部アンテナ切替手段と、 後部アンテナのいずれか一方を後部受信機の使用アンテ
    ナとする後部アンテナ切替手段と、 前部受信機及び後部受信機から得られる両受信信号レベ
    ルを比較する比較手段と、 この比較手段による比較結果により前部受信機の受信レ
    ベルがほぼ零であるにも拘らず後部受信機の受信レベル
    が有る場合、前部アンテナ切替手段を制御して前部受信
    機の使用アンテナを他のもう一方のアンテナに切り替
    え、又、前記比較手段による比較結果により後部受信機
    の受信レベルがほぼ零であるにも拘らず前部受信機の受
    信レベルが有る場合、後部アンテナ切替手段を制御して
    後部受信機の使用を他のもう一方のアンテナに切り替え
    る切替制御手段と を具備して成ることを特徴とする列車無線受信システ
    ム。
  2. 【請求項2】列車の前部の車両上に所定の間隔を離して
    設置された一対の前部アンテナと、 列車の後部の車両上に所定の間隔を離して設置された一
    対の後部アンテナと、 列車の前部の車両に設けられる前部受信機と、 列車の後部の車両に設けられる後部受信機と、 前部アンテナのいずれか一方を前部受信機の使用アンテ
    ナとするように手動で切り替え可能な前部アンテナ切替
    手段と、 後部アンテナのいずれか一方を後部受信機の使用アンテ
    ナとするように手動で切り替え可能な後部アンテナ切替
    手段と、 前部受信機及び後部受信機から得られる両受信信号レベ
    ルを比較する比較手段と、 この比較手段による比較結果により前部受信機の受信レ
    ベルがほぼ零であるにも拘らず後部受信機の受信レベル
    が有る場合、前部受信機の使用アンテナを他のもう一方
    のアンテナに切り替えることを勧告する報知を行い、
    又、前記比較手段による比較結果により後部受信機の受
    信レベルがほぼ零であるにも拘らず前部受信機の受信レ
    ベルが有る場合、後部受信機の使用アンテナを他のもう
    一方のアンテナに切り替えることを勧告する報知を行う
    報知手段とを具備して成ることを特徴とする列車無線受
    信システム。
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