JP3067157U - 小動物捕獲装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保管及び取扱いの簡単な小動物捕獲装置を提
供すること。 【解決手段】２つ折り可能なシート（１）の左右対称な
各半部のほぼ対応する位置に粘着剤を塗布し、シート
（１）を２つ折りに折畳んだ状態では、粘着剤を介して
シート（１）の各半部を接着状態に保持しておき、この
状態からシート(１)を展開することにより、シート(１)
上に粘着剤層(２)を形成するようにした。シートに塗布
される粘着剤の使用量を少なくすることができると共
に、比較的大きな面積を有するシートにもかかわらず、
不使用状態では、各半部に塗布した粘着剤同士を接着さ
せてコンパクトに折畳んで保管することができるため、
粘着剤の取扱いが簡単となる。また、使用する際は、折
畳み状態のシートを単に展開するだけでシート上に粘着
剤層を形成することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、粘着力を利用してねずみやゴキブリなどの小動物（衛生害虫）を捕 獲する小動物捕獲装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ねずみやゴキブリなどの小動物を捕獲する装置としては、台紙の片面に 粘着剤を塗布して、２つ折に折り畳んだ形状の捕獲シートを使用し、使用時に台 紙を開いて、ねずみやゴキブリなどの小動物の通路において捕獲するものが一般 的である。この捕獲シートは、不使用時には２つ折りの状態で保管する必要があ るため、台紙に塗布した粘着剤が相互に接着しないように、スペーサなどを付設 して、２つ折り状態の台紙の間隔を保持している。 また、台紙に塗布した粘着剤に剥離紙を貼着しておいて、捕獲装置の使用時に 剥離紙を剥して、ねずみやゴキブリなどの小動物の通路に設置するものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の小動物の捕獲装置は、２つ折り状態で保管する場合、台 紙に塗布した粘着剤同士が接着しないようにするためにスペーサなどが必要であ り、また、ねずみのような比較的大きな小動物を捕獲する場合は、捕獲装置自体 を大きく形成する必要があるため、スペーサを設置しても粘着剤同士が接着して 、使用時に展開できない虞があった。 また、従来の粘着剤に剥離紙を貼着する捕獲装置は、粘着剤の塗布面積が大き い場合、粘着剤の塗布量が多くなるだけでなく、大面積の剥離紙を必要とし、捕 獲装置自体が大型化してしまいコンパクトに保管することができなかった。 さらに、従来の捕獲装置は、基本的にダンボールなどの紙から製造されており 、紙自体が相当の厚さを有するため、床面に設置した場合、床面と粘着剤塗布面 との間にかなりの段差ができてしまい、ねずみやゴキブリなどの小動物が捕獲装 置をよけて通る虞があった。 さらに、従来の捕獲装置では、ねずみやゴキブリなどの小動物を捕獲した後の 廃棄作業などの後処理が困難であった。

【０００４】 本考案は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、粘着剤同士の接着 を防止するためのスペーサが不用でありながら、捕獲装置自体を大型化すること ができる小動物捕獲装置を提供することを目的とする。 また、本考案は、粘着剤の塗布面積を大きくしても、粘着剤の塗布量を少なく することができる小動物捕獲装置を提供することを目的とする。 さらに、本考案は、小動物捕獲装置を被設置面にセットしたときに生ずる被設 置面との段差を解消した小動物捕獲装置を提供することを目的とする。 さらにまた、本考案は、使用後の捕獲装置の取り扱いが簡単な小動物捕獲装置 を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、請求項１の考案は、２つ折り可能なシートの左右 対称な各半部のほぼ対応する位置に粘着剤を塗布し、前記シートを２つ折りに折 畳んだ不使用状態で、前記粘着剤を介して前記各半部を接着状態に保持すると共 に、２つ折りに折畳んだ不使用状態のシートを展開した使用状態で、前記シート 上に連続した粘着剤層が形成されることを特徴とする。 このように構成することにより、シートに塗布される粘着剤の使用量を少なく することができると共に、比較的大きな面積を有するシートにもかかわらず、２ つ折りに折畳んだ不使用状態で、各半部に塗布した粘着剤同士を接着させてコン パクトに折畳んで保管することができるため、粘着剤の取扱いも簡単となる。 また、２つ折りに折畳んだ不使用状態のシートを展開した使用状態において、 シート上のほぼ全域に粘着剤層を形成することができる。

【０００６】 さらに、上記目的を達成するために、請求項２の考案は、請求項１の考案にお いて、前記連続した粘着剤層は、シートを不使用状態から使用状態に展開する際 、２つ折り可能なシートの左右対称な各半部のほぼ対応する位置に塗布した粘着 剤の接着部を延伸することにより形成されることを特徴とする。 このように構成することにより、シートへの粘着剤の塗布量が少ないにもかか わらず、２つ折り状態のシートを単に展開することにより、各半部に接着されて いる粘着剤が引き伸ばされて、シート上に膜状の連続した粘着剤層を形成するこ とができる。

【０００７】 さらにまた、上記目的を達成するために、請求項３の考案は、請求項１又は２ の考案において、前記シートは、薄い柔軟な合成樹脂製シートから構成されるこ とを特徴とする。 このように構成することにより、比較的大きな面積のシートにもかかわらず、 適当に折畳むことができるので、保管が容易となると共に、シートは厚さの薄い 柔軟な合成樹脂製シートから形成されているので、被設置面にセットした場合、 被設置面との間に段差がなくなり、小動物が捕獲装置をよけて通ることが少なく なる。

【０００８】 さらにまた、上記目的を達成するために、請求項４の考案は、請求項１〜３の いずれかの考案において、前記シートは、粘着テープにより被設置面に貼着され ることを特徴とする。 このように構成することにより、市販の粘着テープを利用して捕獲装置を段差 なく簡単に被設置面へセットすることができる。

【０００９】 さらにまた、上記目的を達成するために、請求項５の考案は、請求項４の考案 において、前記粘着テープを、使用後のシートを袋状にして廃棄する際のシール 材として使用することを特徴とする。 このように構成することにより、使用後の捕獲装置を廃棄する場合、捕獲装置 を設置するために使用した粘着テープを利用して、使用後のシートを袋状に包ん でシールすることができるので、捕獲装置使用後の廃棄作業が簡単となる。

【００１０】 さらにまた、上記目的を達成するために、請求項６の考案は、請求項１〜５の いずれかの考案において、前記シートの周辺部に、紐を挿通可能な複数の孔を形 成したことを特徴とする。 このように構成することにより、使用後の捕獲装置を廃棄する場合、シートの 周辺部に形成した孔に紐を通すことにより、使用後のシートを袋状に縛ることが できるので、捕獲装置使用後の廃棄作業が簡単となる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を図１〜図６に基づいて説明する。 この実施の形態に係る小動物捕獲装置は、図１に示すように、基本的に、シー ト(１)と粘着剤層(２)とから構成されている。 ここで、シート(１)は、ビニールシートなどの薄くて柔軟性を有する合成樹脂 製シートから形成されている。 また、粘着剤層(２)は、例えば、ポリブテンを主剤として、使用条件に合わせ て、シリカなどの流動防止剤を混入しており、常温で適度の粘着性を有するもの から構成されている。 特に、本考案の実施の形態では、図４に示すように、シート(１)は、１枚のシ ートを２つ折りに折畳んだ状態で保管するため、２つ折り状態のシート（１）の 間に保持される粘着剤層（２）は、保管状態において２つ折り状態のシート（１ ）の間から漏れない程度の粘着性を有するものを選定する。 また、粘着剤に誘鼠剤などを混入して、ねずみなどの小動物が近づき易くなる ようにしてもよい。

【００１２】 次に、本考案の実施の形態に係る小動物捕獲装置の保管状態(不使用状態)、使 用状態および使用後の廃棄処理について説明する。 まず、図３及び図４に基いて、小動物捕獲装置の保管状態について説明する。 小動物捕獲装置は、適宜の長さのビニールシートを巻回したロール体を適当な 大きさに切断して、図３に示すようなシート（１）を形成する。そして、シート (１)を２つ折りにする折畳み線(４)を中心として、折畳み線(４)から遠い方のシ ートの各半部のほぼ対応する位置に、適宜の範囲に粘着剤を塗布して粘着剤層（ ２）を形成する。塗布する粘着剤の量は、小動物捕獲装置を使用する時の粘着剤 層の範囲を想定して決定する。なお、粘着剤は、シート(１)の片方の半部だけに 塗布してもよい。 その後、シート（１）を、折畳み線(４)を中心として２つ折りに折畳むと、図 ４に示すように、粘着剤が塗布された箇所だけが接着されてシート(１)は２つ折 り状態に折畳まれ、この状態で保管される。 なお、２つ折りに折畳んだ状態のシート(１)の間から粘着剤が漏れないように 、シートをさらに小さく折畳んで粘着材の周囲を取り囲むようにしてもよい。こ の場合には、保管状態の小動物捕獲装置の形状をより小さくできるので、保管ス ペースをさらに節約でき、不使用時の小動物捕獲装置を保管する容器などの形状 も小型化することができる。

【００１３】 次に、図５及び図６に基づいて、小動物捕獲装置を使用する際に、シート（１ ）上に粘着剤層（２）を形成する過程を説明する。 図４に示すような保管状態にあるシート(１)を、図５及び図６に示すように、 折畳み線(４)と反対側のシート(１)の両端部を矢印方向に引っ張ると、シート( １)の各半部は粘着剤を介して互いに接着されているので、粘着剤が各半部に接 着された状態で、シート（１）の各半部に塗布された粘着剤の間が延伸されて膜 状の粘着剤層（２）が形成される。 この状態からシート(１)の両端部をさらに引っ張ると、２つ折りに折畳まれて いたシート(１)は、次第に１枚のシートを形成するように平面状に展開され、図 １及び図２に示すように、膜状の粘着剤層（２）がシート(１)上のほぼ全域に形 成される。このように、保管状態のシート（１）を単に展開するだけで、１枚の シート（１）から簡単に捕獲装置を形成することができる。

【００１４】 次に、図１及び図２に基いて、小動物捕獲装置の使用状態について説明する。 図１に示すように、１枚のシートを形成するように展開されたシート(１)を、 ねずみやゴキブリなどの小動物が生息しているような箇所の床面（Ｆ）（被設置 面）に、市販の粘着テープ(３)を介して貼着する。この場合、図１に示すように 、シート(１)の４隅を粘着テープ(３)で貼着してもよいが、シート(１)の全周を 粘着テープ(３)で貼着してもよい。 そして、本考案の実施の形態に係るシート(１)は、薄くて柔軟性を有するビニ ールシートなどの合成樹脂製シートから構成されているので、被設置面である床 面(Ｆ)に対して段差を形成することなく、ほぼ床面(Ｆ)と同じ平面に貼着するこ とができる。

【００１５】 最後に、図１及び図６に基づいて、小動物捕獲装置の使用後の廃棄処理につい て説明する。 図１に示すように、市販の粘着テープ(３)を利用してシート(１)を床面(Ｆ)に 貼着した場合には、粘着剤層（２）にねずみやゴキブリなどの小動物が粘着され て捕獲された状態で、粘着テープ(３)を床面(Ｆ)から引き剥がした後に、シート (１)を袋状に丸めて、粘着テープ（３）によりシート(１)の開口部をシールする ように閉鎖する。このように、使用したシート(１)をそのまま袋状にするだけで 使用後のシート（１）を簡単に廃棄することができる。 また、図６に示すように、シート(１)の４隅に孔(５)を形成した場合には、図 １と同様に、粘着剤層（２）にねずみやゴキブリなどの小動物が粘着されて捕獲 された状態で、粘着テープ(３)を床面(Ｆ)から引き剥がした後に、各孔(５)に１ 本の紐を挿通してシート(１)を袋状に丸めて、紐でシート(１)の開口部を縛って 閉鎖して廃棄することができる。この場合、紐と粘着テープ(３)を併用してシー ト(１)の開口部を閉鎖してもよい。また、孔(５)に紐を挿通した状態のシート( １)を床面(Ｆ)に貼着してもよい。その場合には、使用後のシートの廃棄処理が さらに簡単になる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように構成することにより、本考案は、以下のような効果を奏する。 請求項１の考案によれば、２つ折り可能なシートの左右対称な各半部のほぼ対 応する位置に粘着剤を塗布するので、シート上に塗布される粘着剤の使用量を少 なくすることができる。また、比較的大きな面積を有するシートを使用するにも かかわらず、２つ折りに折畳んだ不使用状態では、各半部に塗布した粘着剤同士 を接着させてコンパクトに折畳んで保管することができるので、粘着剤の取り扱 いも簡単となる。 さらに、２つ折りに折畳んだ不使用状態のシートを展開した使用状態において 、シート上に連続した粘着剤層が形成されるようにしたので、不使用時にシート に塗布された粘着剤の塗布面積が小さいにもかかわらず、使用状態においては、 シート上のほぼ全域に粘着剤層を形成することができる。

【００１７】 請求項２の考案によれば、連続した粘着剤層は、シートを不使用状態から使用 状態に展開する際に、２つ折り可能なシートの左右対称な各半部のほぼ対応する 位置に塗布した粘着剤の接着部を延伸することにより形成するので、シートへの 粘着剤の塗布量が少ないにもかかわらず、２つ折り状態のシートを単に展開する だけで、シート上に膜状の連続した粘着剤層を簡単に形成することができる。

【００１８】 請求項３の考案によれば、小動物捕獲装置を構成するシートを、薄い柔軟な合 成樹脂製シートから構成するので、比較的大きい面積のシートにもかかわらず、 適当な大きさに折畳むことができ、保管が容易となる。また、床面などの被設置 面にセットした場合、被設置面との間の段差をなくすことができるため、小動物 が捕獲装置をよけて通ることが少なくなる。

【００１９】 請求項４の考案によれば、粘着テープによりシートを被設置面に貼着するので 、小動物捕獲装置を構成するシートを市販の粘着テープを利用して簡単に被設置 面へ貼着することができる。

【００２０】 請求項５の考案によれば、粘着テープを、使用後のシートを袋状に丸めて廃棄 する際のシール材として使用するので、使用後の捕獲装置を廃棄する場合、捕獲 装置を設置するために使用した粘着テープをそのまま利用して、使用後のシート を袋状に丸めてシールして、簡単に廃棄することができる。

【００２１】 請求項６の考案によれば、シートの周辺部に、紐を挿通可能な複数の孔を形成 したので、使用後の捕獲装置を廃棄する場合、シートの周辺部に形成した孔に紐 を通して縛ることにより、使用後のシートを袋状に丸めてシールして、簡単に廃 棄することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態に係る小動物捕獲装置の使
用状態を示す斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】本考案の実施の形態に係る小動物捕獲装置の粘
着剤塗布状態を示す平面図である。

【図４】本考案の実施の形態に係る小動物捕獲装置の使
用前の保管状態を示す斜視図である。

【図５】本考案の実施の形態に係る小動物捕獲装置を使
用するために、粘着剤を膜状に引き伸ばしてシート上に
接着する過程を示す側面図である。

【図６】図５の斜視図である。

【符号の説明】

１ シート（合成樹脂製シート） ２ 粘着剤層 ３ 粘着テープ ４ 折畳み線 ５ 孔 Ｆ 床面（被設置面）

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】２つ折り可能なシートの左右対称な各半部
   のほぼ対応する位置に粘着剤を塗布し、前記シートを２
   つ折りに折畳んだ不使用状態で、前記粘着剤を介して前
   記各半部を接着状態に保持すると共に、２つ折りに折畳
   んだ不使用状態のシートを展開した使用状態で、前記シ
   ート上に連続した粘着剤層が形成されることを特徴とす
   る小動物捕獲装置。
2. 【請求項２】前記連続した粘着剤層は、シートを不使用
   状態から使用状態に展開する際、２つ折り可能なシート
   の左右対称な各半部のほぼ対応する位置に塗布した粘着
   剤の接着部を延伸することにより形成されることを特徴
   とする請求項１に記載の小動物捕獲装置。
3. 【請求項３】前記シートは、薄い柔軟な合成樹脂製シー
   トから構成されることを特徴とする請求項１又は２に記
   載の小動物捕獲装置。
4. 【請求項４】前記シートは、粘着テープにより被設置面
   に貼着されることを特徴とする請求項１〜３のいずれか
   に記載の小動物捕獲装置。
5. 【請求項５】前記粘着テープを、使用後のシートを袋状
   にして廃棄する際のシール材として使用することを特徴
   とする請求項４に記載の小動物捕獲装置。
6. 【請求項６】前記シートの周辺部に、紐を挿通可能な複
   数の孔を形成したことを特徴とする請求項１〜５のいず
   れかに記載の小動物捕獲装置。