JP3065908B2 - 低鉄損一方向性珪素鋼板 - Google Patents
低鉄損一方向性珪素鋼板Info
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Description
して大きな張力を付与する被膜を表面に有することによ
って鉄損が低減した一方向性珪素鋼板を提供するもので
ある。
1〕を主方位とする結晶組織を有し、磁気鉄芯材料とし
て多用されており、特にエネルギーロスを少なくするた
めに鉄損の小さい材料が求められている。一方向性珪素
鋼板の鉄損を低減する手段としては、仕上げ焼鈍後の鋼
板表面にレーザービームを照射して局部的な歪を与え、
それによって磁区を細分化する方法が特開昭58−26
405号公報に開示されている。また、鉄芯加工後の歪
取り焼鈍(応力除去焼鈍)を施した後もその効果が消失
しない磁区細分化手段が、たとえば特開昭62−861
75号公報に開示されている。
結晶磁気異方性が大きいため、外部張力を付加すると磁
区の細分化が起こり、鉄損の主要素である渦電流損失を
低下させることができる。したがって、5%以下の珪素
を含有する一方向性珪素鋼板の鉄損の低減には鋼板に張
力を付与することが有効であり、1.5kgf/mm2 程度ま
での張力付与によって効果的に鉄損が低減できることが
知られている。この張力は、通常、表面に形成された被
膜によって付与される。
工程で、鋼板表面の酸化物と焼鈍分離剤とが反応して生
成するフォルステライトを主体とする1次被膜、および
特開昭48−39338号公報等に開示されたコロイド
状シリカとりん酸塩とを主体とするコーティング液を焼
き付けることによって生成する2次被膜の2層の被膜に
よって板厚0.23mmの場合で1.0kgf/mm2 程度の張
力が付与されている。したがって、これら現行被膜の場
合、より大きな張力付与による鉄損改善の余地は残され
ているものの、被膜を厚くすることによる付与張力の増
加は占積率の低下をもたらすため好ましくない。
もう1つの方法として、仕上げ焼鈍後の鋼板表面の凹凸
や表面近傍の内部酸化層を除去して鏡面仕上げを行い、
その表面に金属メッキを施す方法が、特公昭52−24
499号公報に、さらにその表面に張力被膜を形成する
方法が、例えば特公昭56−4150号公報、特開昭6
1−201732号公報、特公昭63−54767号公
報、特開平2−213483号公報等に開示されてい
る。これらの場合においても、被膜による鋼板への張力
付与の大きい方が鉄損改善効果が大きい。
て、鋼板により大きな張力が付与できる被膜が望まれて
いた。鏡面化仕上げを行った鋼板への高張力被膜の形成
方法として、例えば特公昭56−4150号公報、特開
昭61−201732号公報、特公昭63−54767
号公報、特開平2−213483号公報等には真空蒸
着、化学蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング
等による被膜形成方法が、また特開平2−243770
号公報、特開平3−130376号公報にはゾル・ゲル
法による被膜形成方法が開示されている。また、発明者
らはゾル・ゲル法等により形成したほう酸アルミニウ
ム、あるいはほう酸アルミニウムと非晶質酸化物とを含
有する高張力付与型の絶縁被膜を提案してきており、こ
の被膜を形成した一方向性珪素鋼板は著しい低鉄損化が
達成されている。
ち蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング法等の
場合、被膜と鋼板とはかなり良好な密着性が得られるも
のの大量生産向きではなく、またゾル・ゲル法では特に
鏡面化した鋼板に対して被膜を形成する場合、焼き付け
時、あるいはゲル化、乾燥等の工程で剥離が生じたりす
る場合が多く、密着性の高い被膜を形成することは困難
であり、特に被膜張力が大きくなるほど密着性の確保が
より重要な技術課題となる。
術における問題点を解決し、量産化が可能な方法により
形成された密着性の高い被膜によって鉄損値が低減され
た一方向性珪素鋼板、および特に鏡面化された鋼板であ
っても密着性に優れ、高い張力を付与できる被膜を有す
る鉄損の低い一方向性珪素鋼板を提供することを目的と
する。
完了した一方向性珪素鋼板表面に、フォルステライト質
の1次被膜、焼き付け工程において生成した酸化珪素、
または酸化珪素と他酸化物との複酸化物よりなる中間
層、および最表面のほう酸アルミニウム質被膜の3層の
被膜を有する低鉄損一方向性珪素鋼板を要旨とする。
向性珪素鋼板表面に、焼き付け工程において生成した酸
化珪素、または鉄−珪素系複酸化物よりなる中間層、お
よび最表面のほう酸アルミニウム質被膜の2層の被膜を
有する低鉄損一方向性珪素鋼板を要旨とする。さらに、
2次再結晶が完了した一方向性珪素鋼板表面に、焼き付
け工程において生成した鉄−ほう素系複酸化物よりなる
中間層、および最表面のほう酸アルミニウム質被膜の2
層の被膜を有する低鉄損一方向性珪素鋼板を要旨とす
る。
は、フォルステライト質の1次被膜、酸化珪素、または
酸化珪素と他酸化物との複酸化物よりなる中間層、およ
びその表面のほう酸アルミニウム被膜の3層から構成さ
れる複合被膜を有する。このうち、中間層、およびほう
酸アルミニウム被膜の2層の複合被膜が主として鋼板に
張力を付与している。これらの被膜は一体となって鋼板
に張力を付与しておりその役割を明確に区別することは
できないが、おおよその機能分担としては最外層のほう
酸アルミニウム質被膜が張力の付与を、中間層がほう酸
アルミニウム質被膜と母材鋼板との密着性を向上させる
ためのものである。
していても密着性の高い張力被膜は形成できない。ここ
で、本発明の2層被膜は、必ずしも明確な2層となって
いる必要はなく、1次被膜、あるいは下地鋼板との界面
近傍に酸化珪素、または酸化珪素と他酸化物との複酸化
物である中間層が存在することにより、本発明の効果が
得られる。
ルミニウム被膜は、鋼板へ大きな張力を付与することで
鉄損を著しく改善することを発明者らはすでに確認して
いる。一般に、ほう酸アルミニウムとよばれるAl2 O
3 −B2 O3 系酸化物には、結晶質として9Al2 O3
・2B2 O3 ,2Al2 O3 ・B2 O3 の2つの平衡化
合物が存在し、鋼板への張力付与に極めて効果的であ
る。
条件によっては前述の2つの平衡相以外の、両者の中間
組成、あるいはその近傍の組成をとる場合がある。これ
は、2つの平衡相が同じ結晶構造を持ち、格子定数がほ
ぼ同じであるため、Al,Bの各イオンサイト間で容易
に置換が生じ、準安定相を形成するためであると考えて
いる。
て、AlX BY O3(X+Y)/2で表記した場合に0.1≦
(Y/X)≦5の範囲であることを見いだし、このいず
れであっても全く問題がなく、効果的に張力が付与でき
ることを確認した。このうち特に張力付与に効果的な組
成として、0.1≦(Y/X)≦2が好ましく、より好
ましくは0.2≦(Y/X)≦1の組成範囲である。こ
れらのほう酸アルミニウムは、通常、組成とはあまり関
係なく数nm〜数十nm以上の結晶子サイズとなる場合が多
く、大きな張力付与のためには結晶質であることが好ま
しい。
のの大きさであり、被膜を構成する粒子の大きさとは本
質的に異なる。これは、粒子が必ずしも単一の結晶から
構成されているわけでなく、細かい結晶の集合体である
場合が多いためであり、結晶個々の大きさを結晶子サイ
ズと呼んで区別している。
性を有しておらず、非晶質に近い状態であった場合、鋼
板への付与張力は結晶質であった場合と比較して低下す
るものの、従来被膜と比較してはるかに大きな張力付与
が可能であるため、本発明の表面被膜の態様として特に
支障なく用いられる。
たは酸化珪素と他酸化物との複酸化物としてはSi
O2 ,Fe−Si系酸化物、およびFe−Si系酸化物
のFeの位置にMgが置換固溶したもの等がある。Fe
−Si系酸化物にはFeとSiとの量比によっていくつ
かの結晶質が存在するが、本発明の複酸化物としてはこ
のうちのいずれであっても全く支障がない。
ある必要はなく、結晶が生成する前段階としての非晶
質、あるいはガラス的なものであっても一向に差し支え
ない。特に、SiO2 中間層は、通常非晶質、あるいは
ガラス状態で生成する。
鋼板成分のSi、あるいはFe−Si合金の酸化によっ
て生成し、さらには表面に生成しているフォルステライ
ト質の1次被膜との反応によって生成する。ほう酸アル
ミニウム質被膜は上述の如く鋼板に十分な張力を付与で
きるため、1次被膜の上から重ねて被膜を形成すること
によって鉄損値を大幅に低減することができる。
板は焼き付け工程において生成した酸化珪素、または鉄
−珪素系複酸化物よりなる中間層、およびその表面のほ
う酸アルミニウム質被膜の2層から構成される複合被
膜、請求項3の低鉄損一方向性珪素鋼板は焼き付け工程
において生成した鉄−ほう素系複酸化物よりなる中間
層、およびその表面のほう酸アルミニウム質被膜の2層
から構成される複合被膜を2次再結晶完了した鋼板表面
に有するものである。
成するグラス被膜を何らかの方法で除去したもの、ある
いはグラス被膜が生成しないような条件で仕上げ焼鈍を
行って得た鋼板、あるいはこれらに必要に応じて表面を
平滑化、あるいは鏡面化した鋼板に複合被膜を形成した
ものである。
とはすでに述べたとおりである。この場合、外層に形成
される被膜は第1の鋼板と同様のほう酸アルミニウム質
被膜であるが、主として密着性向上に寄与する中間層は
酸化珪素、鉄−珪素系複酸化物、または鉄−ほう素系複
酸化物である。
かの結晶質化合物が存在し、また場合によっては結晶質
でないこともあるが、本請求項においてもこのうちのい
ずれであっても全く支障がない。さらに請求項1と同
様、本請求項においても2層被膜が必しも完全な2層と
なっている必要はなく、鋼板との界面近傍にこれらの中
間層が存在することで本発明の効果が得られる。
りなる中間層は鋼板中成分である鉄と被膜形成成分であ
るほう素との反応によって形成される。代表的な鉄−ほ
う素系複合酸化物としてはほう酸鉄がある。ほう酸鉄も
鉄とほう素との量比によっていくつかの結晶質が存在す
るが、本発明のほう酸鉄はこのうちのいずれであっても
全く支障がない。
温度である800℃程度の焼き付けにおいては、通常、
Fe3 (BO3 )O2 ,Fe3 BO6 で表記されるほう
酸鉄が生成する。また、本中間層も同様の結晶質である
必要はなく、非晶質、ガラス質等であっても一向に差し
支えない。
ミナまたは焼き付け後にアルミナとなる成分、およびほ
う酸成分を含むゾルまたはスラリーを塗布、焼き付ける
ことであるが、密着性向上に寄与する中間層の焼き付け
の工程での母材鋼板の酸化、塗布したほう酸成分と鋼板
(基本的にはその表面近傍)との反応によって形成せし
める。
珪素系複酸化物、あるいは鉄−ほう素系複酸化物被膜を
形成し、さらに上述のゾルまたはスラリーを塗布、焼き
付けることによっても同じ構造の被膜が得られるが、こ
れら2種類の被膜の界面、あるいは下地鋼板と複酸化物
層との界面で何らかの反応、あるいは成分の拡散が生じ
ない限り良好な密着性は確保されない。すなわち塗布し
た成分と鋼板との相互作用が密着性を確保する上で極め
て重要な因子である。
に限定されるものではなく、いかなる厚さをも採用し得
る。しかしながら被膜が厚すぎる場合には占積率が著し
く低下するためできるだけ薄いものが好ましい。特に薄
手鋼板には薄い被膜が必要不可欠である。
るいは鉄−ほう素系複酸化物層は張力付与能力がそれほ
ど高くないと考えられるため、厚すぎるとほう酸アルミ
ニウム質被膜による張力付与効果を減少させる可能性が
ある。中間層の好ましい厚さは1μm以下、より好まし
くは0.5μm以下である。
鋼板としては、仕上げ焼鈍が完了していればいかなるも
のも使用可能である。請求項1の発明の場合は従来公知
の方法で仕上げ焼鈍を行い、表面にフォルステライト質
のグラス被膜を形成した鋼板、請求項2,3の発明の場
合は、表面に生成しているグラス被膜、および内部酸化
層を酸に浸漬し除去したもの、さらにそれを水素中で平
坦化焼鈍を施したもの、あるいは化学研磨、電界研磨等
の研磨を施したもの等が好適に用いられる。また被膜生
成に対して不活性なアルミナ粉末等を塗布してグラス被
膜を生成させない条件下で仕上げ焼鈍を行って得た鋼板
も好適に使用され得る。
的な方法を以下に記述する。硝酸、塩酸、酢酸等の酸で
解膠したベーマイトにほう酸成分を加えて作製した混合
ゾルを、前述の鋼板表面に塗布し、乾燥、ゲル化された
後、所定の酸素ポテンシャルの雰囲気中で500℃程度
以上の温度で焼き付ける方法である。
板の場合、ゾル中に含まれる酸の作用によって塗布・乾
燥段階で鋼板の表面を若干酸化させることができる。こ
の酸化物と被膜成分であるほう酸とを反応させた場合に
中間層である鉄−ほう素系複酸化物が生成する。
度、塗布・乾燥条件、あるいは焼き付け時の酸素ポテン
シャルによって容易に制御することが可能である。この
方法においては中間層の厚さはあらかじめ鋼板に形成し
ておく酸化層の厚に依存する。これらの方法によれば、
従来と同様の塗布・焼き付け法により被膜形成が可能で
あり、量産化に対してもなんら支障はない。
て述べたが、いずれの被膜も鋼板との高い密着性を持
ち、それによって鉄損化が達成されている。特に鏡面化
した鋼板に本被膜を形成した鋼板は著しく鉄損の低い方
向性電磁鋼板である。以下、本発明の実施例を用いて説
明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものでは
ない。
れ66重量部と34重量部の割合で混合し、所定量の蒸
留水を加えて混合ゾルを得た。鋼板はSiを3.3wt%
含有する板厚0.2mmの仕上げ焼鈍後の高磁束密度一方
向性珪素鋼板を硫酸と弗酸の混合液中に浸漬し表面のフ
ォルステライト被膜を除去して地鉄を露出させた後、弗
酸と過酸化水素を含む溶液中で地鉄表面を平滑にし鏡面
に仕上げて作製した。
燥させてゲル化した後、水素を75vol%含有する露点
−20℃の窒素雰囲気、または水素を全く含まない露点
40℃の窒素雰囲気中で800℃で5分間焼き付けを行
った。得られた被膜の性状、被膜形成前後の鋼板の磁気
特性を表1にまとめて示した。中間層、最外層の成分の
同定は、X線回折、化学分析、電子顕微鏡観察により行
った。
非晶質のSiO2 中間層が、水素を含まない雰囲気で焼
き付けた鋼板には結晶質のFe2 SiO4 が生成してお
り、最外層の被膜はいずれも結晶質のほう酸アルミニウ
ムであった。20mmφの円柱の周囲に、その角度が18
0度となるように巻き付け試験を行い、その剥離状況か
ら評価した被膜の密着性はいずれも極めて良好であっ
た。表1から鋼板には大きな張力が付与され、低鉄損化
が達成されていることがわかる。
部に硝酸1重量部と蒸留水を加え、十分に撹拌して均質
な混合ゾルを得た。塗布用鋼板は実施例1で作製した鋼
板を使用した。混合ゾルを塗布、乾燥させてゲル化した
後、900℃で5分間、露点35℃の窒素中で焼き付け
を行った。
として結晶質のほう酸アルミニウムが生成していた。実
施例1と同様に評価した被膜の密着性は極めて良好であ
った。鋼板には大きな張力が付与され、結果として低鉄
損化が達成されていることがわかる。
板はSiを3.2wt%含有する板厚0.2mmの電磁鋼板
を脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤としてアルミナを塗布して仕
上げ焼鈍を行うことによって、フォルステライト被膜の
ない高磁束密度一方向性珪素鋼板を作製した。
ゲル化した後、1000℃で5分間、露点0℃の水素雰
囲気、または水素3 vol%含有する露点40℃の窒素雰
囲気中で焼き付けを行った。水素雰囲気で焼き付けた鋼
板には非晶質のSiO2 中間層が、水素含有雰囲気で焼
き付けた鋼板には結晶質のFe2 SiO4 が生成してお
り、最外層の被膜はいずれも結晶質のほう酸アルミニウ
ムであった。
極めて良好であった。その他の被膜の性状、鋼板の磁気
特性は表1にまとめて示した。鋼板には大きな張力が付
与され、結果として鉄損値が大幅に改善されていること
がわかる。
塗布用鋼板は実施例3と同様の方法により作製した。鋼
板に作製した混合ゾルを塗布し、乾燥、ゲル化後750
℃で1分間、水素を3 vol%含有する露点40℃の窒素
雰囲気中で焼き付けを行った。
Fe3 BO5 と最外層の結晶質のほう酸アルミニウムの
2層であった。被膜密着性は極めて良好であり、その他
の被膜の性状、鋼板の磁気特性は表1にまとめて示し
た。鋼板には大きな張力が付与され、結果として鉄損値
が大幅に改善されていることがわかる。
Siを3.3wt%含有する板厚0.2mmのグラス被膜が
表面に生成している仕上げ焼鈍後の高磁束密度一方向性
電磁鋼板に塗布し、乾燥・ゲル化後、850℃で3分
間、水素を75 vol%含有する露点−20℃の窒素雰囲
気、または水素を全く含まない露点40℃の窒素雰囲気
中で焼き付けを行った。
非晶質のSiO2 中間層が、水素を含まない雰囲気で焼
き付けた鋼板には結晶質のFe2 SiO4 が生成してお
り、最外層の被膜はいずれも結晶質のほう酸アルミニウ
ムであった。実施例1と同様に評価した被膜の密着性は
いずれも極めて良好であった。表1から鋼板には大きな
張力が付与され、低鉄損化が達成されていることがわか
る。
力の付与が可能な被膜を有する鉄損の低い一方向性珪素
鋼板を提供するものであり、またその被膜形成プロセス
は従来と同様の塗布・焼き付け法であるため量産化も可
能であり、その工業的効果は甚大である。
Claims (3)
- 【請求項1】 2次再結晶が完了した一方向性珪素鋼板
表面に、フォルステライト質の1次被膜、焼き付け工程
において生成した酸化珪素、または酸化珪素と他酸化物
との複酸化物よりなる中間層、および最表面のほう酸ア
ルミニウム質被膜の3層の被膜を有する低鉄損一方向性
珪素鋼板。 - 【請求項2】 2次再結晶が完了した一方向性珪素鋼板
表面に、焼き付け工程において生成した酸化珪素、また
は鉄−珪素系複酸化物よりなる中間層、および最表面の
ほう酸アルミニウム質被膜の2層の被膜を有する低鉄損
一方向性珪素鋼板。 - 【請求項3】 2次再結晶が完了した一方向性珪素鋼板
表面に、焼き付け工程において生成した鉄−ほう素系複
酸化物よりなる中間層、および最表面のほう酸アルミニ
ウム質被膜の2層の被膜を有する低鉄損一方向性珪素鋼
板。
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7087227A JP3065908B2 (ja) | 1995-04-12 | 1995-04-12 | 低鉄損一方向性珪素鋼板 |
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Family
ID=13908993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7087227A Expired - Lifetime JP3065908B2 (ja) | 1995-04-12 | 1995-04-12 | 低鉄損一方向性珪素鋼板 |
Country Status (1)
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-
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- 1995-04-12 JP JP7087227A patent/JP3065908B2/ja not_active Expired - Lifetime
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