JP3062725B2 - 通気攪拌培養によるバクテリアセルロースの製造方法及び培養装置 - Google Patents

通気攪拌培養によるバクテリアセルロースの製造方法及び培養装置

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    • C12M27/00Means for mixing, agitating or circulating fluids in the vessel
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の範囲の酸素移動
容量係数(KLa)を達成し得る培養装置及び該特定の
範囲のKLaの条件下でセルロース性物質を生産する能
力を有する微生物(以下、「セルロース生産菌」とい
う。)に属する菌体を用いるセルロース性物質(以下、
「バクテリアセルロース」又は「BC」という。)を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】BC(バクテリアセルロース)は可食性
であり食品分野で利用されるほか水系分散性に優れてい
るので食品、化粧品又は塗料等の粘度の保持、食品原料
生地の強化、水分の保持、食品安定性向上、低カロリー
添加物又は乳化安定化助剤としての産業上利用価値があ
る。BCは木材パルプ等から製造されるセルロースに較
べ、フィブリルの断片幅が2ケタ程度も小さいことを特
徴とする。従って、BCの離解物はミクロフィブリルの
かかる構造的物理的特徴に基づき高分子、特に水系高分
子用補強剤として各種の産業用用途がある。このような
セルロース性離解物を紙状または固型状に固化した物質
は高い引張弾性率を示すのでミクロフィブリルの構造的
特徴に基づくすぐれた機械特性が期待され、各種産業用
素材としての応用がある。
【0003】BCの製造方法に関しては、特開昭62−
265990号、特開昭63−202394号及び特公
平6−43443号等にBCの製造方法に関する記載が
ある。セルロース生産菌の培養を行なう際に適当とされ
ている栄養培地としては、炭素源、ペプトン、酵母エキ
ス、燐酸ナトリウム及びクエン酸からなる Schramm/He
strin 培地(Schramm ら、J. General Biology, ll, p
p.123〜129, l954 )が知られている。また、このよう
な栄養培地に、培地中の特定栄養素によるセルロース生
成促進因子である、イノシトール、フィチン酸及びピロ
ロキノリンキノン(PQQ)(特公平5−1718号公
報;高井光男,紙パ技協誌,第42巻,第3号,第23
7〜244頁)等を添加したり、更には、カルボン酸又
はその塩(特願平5−191467号)、インベルター
ゼ(特願平5−331491号)及びメチオニン(特願
平5−335764号)を添加することによって、セル
ロース性物質の生産性が向上することが見い出されてい
る。また、従来より、微生物を培養する培養形式として
は、静置、振盪もしくは通気攪拌培養等が用いられてき
た。また、培養操作法としては、いわゆる回分発酵法、
流加回分発酵法、反復回分発酵法及び連続発酵法等が使
用されてきた。尚、攪拌手段としては、例えばインペラ
ー(攪拌羽根)、エアーリフト発酵槽、発酵ブロスのポ
ンプ駆動循環、及びこれら手段の組合せ等が使用されて
いる。インペラーの種類としては、門型羽根、タービン
羽根、ヘリカルリボン羽根及びスクリュー羽根等が知ら
れている。
【0004】ところで、工業的な発酵プロセス一般に於
いては、培養の酸素要求量を通気と攪拌で充足させてい
る。しかし、多くの発酵プロセスでは発酵槽の酸素供給
能で生産性が律速されており、従って、微生物の培養に
際して酸素供給に影響を与える要因を検討することは重
要であると考えられる。培養系で空気中の酸素が菌体に
移動するに際して、気泡から液相への酸素移動は次式に
よって代表される。
【数1】 ここで、CLは培養液中の溶存酸素濃度(mmol/l)、
tは時間(hr)、
【数2】 は一定時間における溶存酸素濃度の変化、すなわち酸素
移動速度(mmol/l・hr)、KLは液境膜の酸素移動速
度係数(cm/hr)、aは単位体積当たりの気液界面積
(cm2 /cm3)、C* は気泡の酸素分圧と平衡な溶存酸素
濃度(mmol/l)である。KLは酸素の気相から液相へ
の移動の抵抗の逆数であり、(C* −CL)は酸素が抵
抗に逆らって移動するための推進力(driving force)で
あるとみなすことができる。発酵系のKLとaを測定す
ることは大変困難なことであるから、この2項を掛け合
わせたKLaを酸素移動容量係数と呼んで用いている。
KLaのディメンジョンは時間の逆数で、通常hr-1で表
す。酸素移動容量係数は発酵槽の酸素移動能を表す目安
となるもので、同じ条件ではKLaの大きいもののほう
が酸素移動の能力が大きいことを示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の、特に通気攪拌
培養における回分及び流加発酵法にあっては、セルロー
ス生産菌の培養によって培養液中にBCが蓄積されてく
るのに伴い、培養期間の後半には培養液の粘度が増加
し、その結果、培養系全体を均一かつ充分に攪拌混合す
ることが著しく困難になる為、酸素の供給(通気)が不
充分となって菌によるBCの生産速度が低下していたの
である。そこで、本発明者等は、酸素供給能力の指標で
あるKLaに関して優れた装置性能を有する培養装置を
開発し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、門型羽
根とタービン羽根を同一槽内に備えたことを特徴とする
培養装置に係わるものである。門型羽根及びタービン羽
根自体は従来公知の種々の形態のものを使用することが
できる。例えばタービン羽根としては、一般的なラシュ
トンタービンの他に、ディスクのないパドル型やパドル
型の直上にディスクを備えたもの、湾曲パドル型、スカ
バー型及びマリンインペラー型等を使用することができ
る。本発明の培養装置に於いて、門型羽根とタービン羽
根とは、同一槽内に於いて同一軸又は別個の軸に備える
ことができる。タービン羽根を門型羽根と同一軸上でそ
の下()又は中間部分()に備える装置が好適であ
る(図1参照)。門型羽根は培養液に均一な混合を起こ
させる軸流及び幅流方向の流動を与え、一方、タービン
羽根は部分的に高い剪断により気泡の微細化の挙動を与
えるものであるが、これらの2種類の形態の羽根を同一
装置内に備えることによって、以下に示されるように従
来技術からは予想外の高いKLaが得られるのである。
【0007】更に、本発明は攪拌羽根を槽内水平軸上に
備えて成る培養装置に係わるものである。攪拌羽根とし
ては、すでに「インペラー」として従来公知のものを使
用できる。これらのものから2種以上を水平同軸上に設
けることも可能である。この型の装置によっても、培養
液の流動性が向上し、高いKLaが得られるのである。
尚、水平軸は約80°まで傾けて使用することができ
る。KLaは培養において重要で一般的な装置性能の指
標であるが、対照となる液の性質や攪拌羽根の形状、回
転数により変化する。本発明者等は目的とするバクテリ
ア・セルロースの液性(セルロース生産菌の培養液)に
近い模擬液を設定し、そこでKLaで評価することによ
り、生産性の向上に直接関係した因子として評価するこ
とができる。この評価系で測定すれば、攪拌羽根の形状
と回転数は任意の条件を選ぶことができる。
【0008】KLaの測定方法:2重量%のバクテリア
セルロースを含み、かつ塑性粘度が15〜20ポイズで
あるような模擬液を全量3Lのガラス製ジャーファーメ
ンターの60%に張り込んだ状態で測定する。攪拌羽根
を回転させながら窒素を通気することにより溶存酸素濃
度を0〜10%飽和状態とした模擬液に、次に酸素分圧
20〜21%の空気を通気し、これによって上昇する溶
存酸素濃度を溶存酸素電極を用いて測定する。KLaは
前記(数1)式より求められるが、簡便には、5〜30
秒毎に溶存酸素濃度を測定し、時間t1での溶存酸素濃
度DO1と時間t2での溶存酸素濃度DO2から以下の
式でKLaを求める。 ((DO2−DO1)/(t2−t1))/(C*
(DO1+DO2)/2)、単位(/hr) (但し、式
中C* は気泡の酸素分圧と平衡な溶存酸素濃度)
【0009】以上の系を用いる測定によると、図2に示
されるように、所要動力5〜150kg・cm/sec・Lの範
囲で、従来から一般的な培養で用いられているタービン
型羽根では回転数400〜1,200rpm でKLaは5
/hr以下であり、特開平5−284990で用いられて
いるような門型羽根では回転数400〜1,200rpm
でKLaは約2〜15/hrである。因みに回転数をこれ
以上大きくしても、動力がうまく液全体に伝わらず、K
Laの上昇は望めない。一方、本発明の装置で用いる攪
拌羽根を使用すると回転数400〜1,200rpm でK
Laは約20〜50/hrを達成できる。回転数を更に上
げればKLaの値も増加するが、KLaは約50/hr以
上になると消費電力に対するKLaの増加効率が低くな
り、経済的側面からはさほど有効ではない。従って、本
発明の培養装置は、例えばセルロース生産菌を培養する
場合のように、培養液の粘度が高い培養液に使用するの
に特に適している。
【0010】本発明はまた、KLaが約25以上、特に
約25〜50/hrである装置条件下で、少なくとも一定
期間セルロース生産菌を培養してセルロース性物質を製
造する方法に係わる。本明細書中、「KLaが約25〜
50/hrである装置条件」とは、当該培養装置の攪拌羽
根を、本明細書中で定義した前述の測定系に適用して得
られるところの数値である。培養に際してどの時期にど
の程度の期間をかかる特定の装置条件下に制御するかは
菌体の種類、培地の組成及び培養装置の種類等に応じて
等業者が適宜選択しうる。菌体の増殖と共に培地の粘度
が増加してくるため、通常は少なくとも、培養液中のセ
ルロース濃度が5g/L以上となる時期、又は生産速度
が0.2g/L/hrとなる時期に一定期間上記特定の範
囲のKLaを達成して培養系に充分な酸素の供給を行な
うようにすることが好ましい。この特定の装置条件を培
養期間中、断続的に設けることも可能である。
【0011】本発明方法の好適態様としては、本発明の
培養装置を用いる方法である。本発明の培養装置は、す
でに記載したように、優れたKLa性能、特に100cp
以上のような高粘度状態、又はビンガム塑性を示す流体
条件下でかかる高いKLaを達成することのできる培養
装置である。本発明の方法によって、極めて高いバイオ
セルロースの生産速度が得られるのである。本発明方法
を実施するに際しては、前述の培養形式・培養操作法に
加えて、特願平6−192287号に記載されている
「培養装置と浮上分離装置及びエッジフィルター等の分
離装置の間で菌体を含む培養液を循環させるセルロース
性物質の製造方法であって、該分離装置に於いて、生産
物であるセルロース性物質を菌体及び培養液から分離す
ることを特徴とする、前記方法」及び特願平6−192
288号に記載されている「セルロース生産菌を培養し
てセルロース性物質を製造する方法であって、培養期間
中、培養系からの培養液の引き抜き及び該引き抜き量と
ほぼ等容量の新たな培養液の供給を連続的に行なうこと
によって、培養中の培養液に於けるセルロース性物質の
濃度を例えば10g/L以下、又は酸素消費速度が15
μmol /L/hr以上に保つことができるように低く維持
することを特徴とする前記製造方法」を採ることもでき
る。
【0012】本発明において使用されるセルロース生産
菌は、例えば、BPR2001株に代表されるアセトバ
クター・キシリナム・サブスピーシーズ・シュクロファ
ーメンタンス(Acetobacter xylinum subsp. sucroferm
entans)、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter
xylinum )ATCC23768、アセトバクター・キシ
リナムATCC23769、アセトバクター・パスツリ
アヌス(A. pasteurianus )ATCC10245、アセ
トバクター・キシリナムATCC14851、アセトバ
クター・キシリナムATCC11142及びアセトバク
ター・キシリナムATCC10821等の酢酸菌、その
他に、アグロバクテリウム属、リゾビウム属、サルシナ
属、シュードモナス属、アクロモバクター属、アルカリ
ゲネス属、アエロバクター属、アゾトバクター属及びズ
ーグレア属並びにそれらをNTG(ニトロソグアニジ
ン)等を用いる公知の方法によって変異処理することに
より創製される各種変異株である。尚、BPR2001
株は、平成5年2月24日に通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所特許微生物寄託センターに寄託され
(受託番号FERM P−13466)、その後199
4年2月7日付で特許手続上の寄託の国際的承認に関す
るブダペスト条約に基づく寄託(受託番号FERM B
P−4545)に移管されている。
【0013】NTG等の変異剤を用いての化学的変異処
理方法には、例えば、Bio Factors,Vol. l, p.297−302
(1988)及び J. Gen. Microbiol, Vol. 135, p.2917−2
929(1989) 等に記載されているものがある。従って、当
業者であればこれら公知の方法に基づき本発明で用いる
変異株を得ることができる。また、本発明で用いる変異
株は他の変異方法、例えば放射線照射等によっても得る
ことができる。本発明の製造方法に用いる培地の組成物
中、炭素源としてはシュクロース、グルコース、フラク
トース、マンニトール、ソルビトール、ガラクトース、
マルトース、エリスリット、グリセリン、エチレングリ
コール、エタノール等を単独或いは併用して使用するこ
とができる。更にはこれらのものを含有する澱粉水解
物、シトラスモラセス、ビートモラセス、ビート搾汁、
サトウキビ搾汁、柑橘類を始めとする果汁等をシュクロ
ースに加えて使用することもできる。 また、窒素源と
しては硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸ア
ンモニウム等のアンモニウム塩、硝酸塩、尿素等有機或
いは無機の窒素源を使用することができ、或いはBac
t−Peptone、Bact−Soytone、Ye
ast−Extract、豆濃などの含窒素天然栄養源
を使用してもよい。有機微量栄養素としてアミノ酸、ビ
タミン、脂肪酸、核酸、2,7,9−トリカルボキシ−
1Hピロロ〔2,3,5〕−キノリン−4,5−ジオ
ン、亜硫酸パルプ廃液、リグニンスルホン酸等を添加し
てもよい。
【0014】生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変
異株を使用する場合には、要求される栄養素を補添する
ことが必要である。無機塩類としてはリン酸塩、マグネ
シウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩、コバルト
塩、モリブデン酸塩、赤血塩、キレート金属類等が使用
される。更に、前述のセルロース生成促進因子を適宜培
地中に添加することもできる。例えば、酢酸菌を生産菌
として用いる場合には、培養のpHは3ないし7に、好
ましくは5付近に制御する。培養温度は10〜40℃、
好ましくは25〜35℃の範囲で行う。培養装置に供給
する酸素濃度は1〜100%、望ましくは21〜80%
であれば良い。これら培地中の各成分の組成割合及び培
地に対する菌体の接種等は培養方法に応じて当業者が適
宜選択し得るものである。
【0015】本発明の方法によって製造されるBCは菌
体はそのまま回収してもよく、さらに本物質中に含まれ
る菌体を含むセルロース性物質以外の不純物を取り除く
処理を施すことが出来る。不純物を取り除くためには、
水洗、加圧脱水、希酸洗浄、アルカリ洗浄、次亜塩素酸
ソーダ及び過酸化水素などの漂白剤による処理、リゾチ
ームなどの菌体溶解酵素による処理、ラウリル硫酸ソー
ダ、デオキシコール酸などの界面活性剤による処理、常
温から200℃の範囲の加熱洗浄などを単独及び併用し
て行い、セルロース性物質から不純物をほぼ完全に除去
することができる。このようにして得られた本発明でい
うセルロース性物質とは、セルロース及び、セルロース
を主鎖としたヘテロ多糖を含むもの及びβ−1,3、β
−1,2等のグルカンを含むものである。ヘテロ多糖の
場合のセルロース以外の構成成分はマンノース、フラク
トース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラ
ムノース、グルクロン酸等の六炭糖、五炭糖及び有機酸
等である。尚、これ等の多糖が単一物質である場合もあ
るし2種以上の多糖が水素結合等により混在してもよ
い。
【0016】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。実施例1 以下の条件で、本発明の製造方法を実施した。本明細書
中で特定した測定系に於いてKLaが約2〜15/hrで
あるような従来の培養装置(門型羽根、タービン羽根及
びダブルヘリカルリボン)、及び同じ条件下でKLaが
約25〜50/hrである本発明の培養装置(タービン羽
根が門型羽根と同一軸上でその中に備えられた装置
(A)、タービン羽根が門型羽根と同一軸上でその下に
備えられた装置(B)及び攪拌羽根(門型羽根)が水平
軸(横軸)上に備えられた装置(C))を使用して、前
記BPR2001株(図3及び図6)、BPR3001
N株(平成6年6月10日付寄託済、受託番号FERM
P−14361)(図4)及びBPR2001株から
NTG処理によって得られた新規変異株(図5及び図
7)を以下の条件で培養した。培養条件 :前培養として、125mlCSL−Fru培地
の入った500ml容のバッフル付フラスコにBPR20
01株等を植菌し、28℃、3日間振とう培養した。次
に、この菌液を2リットルのCSL−Fru培地が入っ
た3リットル容のジャーに全量添加した。その後、通気
量は660ml/分とし、攪拌は溶存酸素が充足されるよ
うに400〜1200rpm に制御して本培養を行なっ
た。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】 ビタミン混合物 化合物 mg/L イノシトール 200 ナイアシン 40 ピリドキシンHCl 40 チアミンHCl 40 パントテン酸カルシウム 20 リボフラビン 20 p−アミノ安息香酸 20 葉 酸 0.2 ビオチン 0.2
【0019】得られた生産速度を図3〜図5に、消費糖
収率を図6及び図7に示す。これらの結果から、本発明
方法によって一定期間維持される最高のKLaを約25
〜50/hrの範囲にすることで、バイオセルロースの
生産速度が著しく増加したことがわかる。尚、各図中、
BC蓄積量(g/L)は、培養終了後、培養液中の固形
物を集積し、水洗して培地成分を除去した後、NNa
OH水溶液中で80℃、20分間処理して菌体を除去し
た。さらに、洗浄液が中性付近になるまで生成セルロー
スを水洗した後、80℃で12時間真空乾燥して乾燥重
量を測定することで求めた。また消費糖収率(%)は以
下のようにして求めた。 消費糖収率(%)の計算 YBC=BC/(RCMF−RCBF)*100 YBC :対消費糖収率(%) BC :BC蓄積量(g/L) RCMF:培地の糖濃度(g/L) RCBF:培養後の培地の糖濃度(g/L)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置で用いる攪拌羽根の好適態様を
示す。
【図2】 各種攪拌羽根で達成されるKLaの値を示
す。
【図3】 各種攪拌羽根を用いた培養装置で一定期間維
持された最高のKLaとバイオセルロースの生産速度を
示す。
【図4】 各種攪拌羽根を用いた培養装置で一定期間維
持された最高のKLaとバイオセルロースの生産速度を
示す。
【図5】 各種攪拌羽根を用いた培養装置で一定期間維
持された最高のKLaとバイオセルロースの生産速度を
示す。
【図6】 各種攪拌羽根を用いた培養装置で一定期間維
持された最高のKLaとバイオセルロースの消費糖収率
の関係を示す。
【図7】 各種攪拌羽根を用いた培養装置で一定期間維
持された最高のKLaとバイオセルロースの消費糖収率
の関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:02) (72)発明者 矢野 壽人 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 株式会社バイオポリマー・リサーチ 内 (72)発明者 吉永 文弘 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 株式会社バイオポリマー・リサーチ 内 (56)参考文献 特開 平5−284990(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 19/00 - 19/64 C08B 37/00 C12M 1/00 - 3/00 C12N 9/00 - 9/99 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2重量%のバクテリアセルロースを含
    み、かつ塑性粘度が15〜20ポイズであるような模擬
    液を用いて測定した酸素移動容量係数(KLa)が約2
    5〜50/hrである装置条件下で、少なくとも一定期間
    セルロース生産菌を培養してセルロース性物質を製造す
    る方法。
  2. 【請求項2】 門型羽根とタービン羽根を同一槽内に備
    えて成る培養装置を使用する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 攪拌羽根を槽内水平軸上に備えて成る培
    養装置を使用する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 門型羽根とタービン羽根を同一槽内に備
    えて成る培養装置。
  5. 【請求項5】 攪拌羽根を槽内水平軸上に備えて成る培
    養装置。
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