JP3062015B2 - 意匠外観の優れたヌバック調人工皮革の製造方法 - Google Patents

意匠外観の優れたヌバック調人工皮革の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヌバック調人工皮革の
製造方法に関するものであり、特に表面平滑性が向上
し、適度なむら感を有する意匠外観の優れたヌバック調
人工皮革の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維質と高分子弾性体からなる人
工皮革は、皮革の代替物として、靴アッパー材、靴副資
材、衣料本体材料、衣料部品材料、袋物材料等の用途に
多く使用され、現在ではこれらの用途にはなくてはなら
ない材料となっている。これらの人工皮革は、天然皮革
の分類と同様に、表面形態により、スエードタイプ、ヌ
バックタイプ及び銀付タイプに大別される。特に、ヌバ
ックタイプの天然皮革は、そのきめ細かい触感と外観か
ら、最高級品として扱われ、人工皮革にこれらの高級外
観を表現しようとする試みがこれまで繰り返されてき
た。
【0003】これらのヌバックタイプ天然皮革の高級感
を人工皮革として表現するために、極細繊維からなる繊
維質に高分子弾性体を付与し、表面を短い極細繊維と高
分子弾性体とを混在させた構造としたものが提案されて
いる。しかし、これらの人工皮革は、繊維の染色堅牢
性、染料移行あるいは表面の繊維長の調整など技術的に
困難な点が多く、且つ、コストも高くなるため、一般に
は普及していなかった。
【0004】また、高分子弾性体を縦孔状多孔に形成し
て、表面の緻密層を取り除き、孔を表面に開口させたも
のが提案されている。このものは、前記の表面を短い極
細繊維と高分子弾性体とを混在させた構造としたものに
比べ、技術的には容易であり、コスト的にも有利である
が、その表面は、緻密層が取り除かれた高分子弾性体の
みの開放孔構造であるため、表面の平滑性に乏しく、外
観的に天然ヌバックのもつ優雅さは得られ難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヌバックタ
イプ天然皮革の優雅さに近い外観を有する新規なヌバッ
ク調人工皮革を、安価に提供することを課題とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、繊維質
あるいは繊維質と高分子弾性体とからなる基本の片面
に、厚さが50〜400μmの多孔質ポリウレタン層を
形成し、該表面を研削して孔を露出開口せしめ、その上
に、高分子化合物からなる塗料を、固形分として0.2
〜10g/m2 塗布した後、その表面を鏡面又は梨地面
に接触させて、該塗料の高分子化合物の軟化温度よりも
高く、該多孔質ポリウレタン層を形成するポリウレタン
の軟化温度より低い温度で加熱加圧することを特徴とす
る意匠外観の優れたヌバック調人工皮革の製造方法であ
る。
【0007】本発明の人工皮革を構成する繊維質とは、
従来公知の天然繊維、再生繊維、合成繊維からなる織
物、編物、不織布等である。天然繊維としては、綿、
麻、羊毛、絹等が例示され、再生繊維としては、レーヨ
ン、アセテート等が例示される。また、合成繊維として
は、ポリエステル、ナイロン、アクリル等が例示され
る。合成繊維では、0.5デニール以下の極細繊維を使
用することが、本発明の人工皮革の風合い、優雅さを高
めるうえで好ましい。
【0008】本発明においては、基体は、繊維質のみで
構成してもよいが、繊維質と高分子弾性体とで構成する
こともできる。
【0009】本発明で用いる高分子弾性体としては、従
来公知の人工皮革に使用されている高分子弾性体を挙げ
ることができる。例えば、ポリウレタン、ポリウレア、
ポリウレタンポリウレア、スチレンブタジエンゴム、ア
クリロニトリルブタジエンゴム等があり、これらは、水
系エマルジョン又は有機溶剤溶液として前記繊維質に含
浸させた後、凝固させて繊維質と高分子弾性体からなる
基体とされる。
【0010】これらの繊維質あるいは繊維質と高分子弾
性体とからなる基体の片面に形成される多孔質ポリウレ
タンの層は、従来公知のポリウレタンをすべて適用する
ことができ、従来公知の形成方法によって形成される。
例えば、ポリウレタンの有機溶剤溶液を、繊維質あるい
は繊維質と高分子弾性体からなる基体の片面にコーティ
ングした後、ポリウレタンの非溶剤で且つ、ポリウレタ
ンを溶解している有機溶剤と混和性のある凝固浴中で凝
固させる方法、ポリウレタンの有機溶剤溶液又は分散液
に水を微分散させたW/Oタイプのエマルジョンを、繊
維質あるいは繊維質と高分子弾性体とからなる基体の片
面にコーティングした後、有機溶剤を選択的に蒸発せし
めてポリウレタンを凝固せしめる方法などがある。
【0011】本発明で用いる多孔質ポリウレタン層の厚
さは、50〜400μmであることが必要であり、特に
100〜300μmであることが好ましい。この厚さが
50μmに満たない場合には、繊維質の生地目が表面に
現れ、表面のスムース感が得られ難く、耐摩耗性、クッ
ション性、ボリューム感も劣ったものとなる。また、厚
さが400μmを越えると、板状のゴムライクな人工皮
革となり、天然皮革のボリューム感とはかけ離れたもの
となると共に、生産性が低下するので好ましくない。
【0012】また、ヌバック調外観の人工皮革を得るた
めには、多孔質ポリウレタン層の孔が表面に露出開口し
ていることが必要である。ところが、従来のいずれの方
法においても、最表面が緻密となるので、この緻密層を
研削して孔を露出開口させなければならない。多孔質ポ
リウレタン層の表面緻密層を削除し、孔を表面に露出開
口させて、良好なヌバック調外観を得るうえでは、縦孔
状の多孔であることが好ましい。
【0013】また、多孔質ポリウレタン層の多孔度、す
なわち、見かけ密度は、最表面の緻密層の研削性の点か
ら、0.35〜0.55g/cm2 であることが好まし
い。この見かけ密度が低すぎると、得られた製品の耐摩
耗性が悪くなり易く、高すぎると、研削性、凹凸柄の付
与性が劣るようになり易い。
【0014】多孔質ポリウレタン層表面の緻密層を研削
するには、サンドペーパーをロールに巻き付けた研削機
が用いられ、これにより多孔質ポリウレタン層の表皮を
取り除き、多孔質ポリウレタン層の孔を開口させる。こ
の開口された多孔の径は10〜150μmが好ましく、
更に好ましくは、30〜60μmである。10μm未満
では、塗料塗布と加熱加圧により銀付調の外観になっ
て、ヌバック調の外観が得られ難くなり、150μmを
越えると、面平滑性、むら感とも劣るものとなり易い。
また、この孔を開口させる工程の前又は後、あるいは前
後に、人工皮革の製造で通常行われているエンボス加工
により凹凸柄を付与することが出来るが、このエンボス
加工は行われなくてもさしつかえない。また、凹凸の大
きい柄は、最終製品の平滑性が劣ることからあまり適当
ではない。
【0015】本発明では、次に、多孔質ポリウレタン層
の孔を露出開口した面に、高分子化合物を主成分とする
塗料を、固形分として0.2〜10g/m2 、好ましく
は0.4〜2.0g/m2 付与した後、その表面を鏡面
又は梨地面に接触させ加熱加圧する。
【0016】高分子化合物を主成分とする塗料の塗布が
0.2g/m2 未満では、塗料の塗布がない場合と同様
で、適度なむら感および表面平滑性が得られず、10g
/m 2 を越えると、外観が銀付調になってしまい、適度
なむら感のあるヌバック調の外観が得られない。
【0017】塗料の主成分となる高分子化合物として
は、多孔質ポリウレタン層との接着性が良好であれば、
任意の樹脂を用いることができ、例えば、ポリウレタ
ン、アクリル樹脂、ユリア樹脂などを挙げることがで
き、顔料、染料等により着色しておくことができる。な
かでも、ポリウレタンが好適に用いられる。また、高分
子化合物は、1種類のみでもよく、また2種類以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0018】塗料の主成分である高分子化合物の軟化温
度は、多孔質ポリウレタン層のポリウレタンの軟化温度
よりも5〜50℃低いことが好ましい。
【0019】塗料の高分子化合物の軟化温度が高すぎる
と、鏡面又は梨地面に接触させて加熱加圧した際の表面
平滑性向上効果が低下し、逆にこの軟化温度が低すぎる
と、適度なむら感を有するヌバック調表面が得られ難く
なり、さらには、鏡面又は梨地面で加熱加圧する際に、
塗料が鏡面又は梨地面に付着して、加工が困難になる。
【0020】なお、本発明において、塗料の主成分であ
る高分子化合物の軟化温度は、高下式フローテスターを
用い、JIS―K―7311―1987に準じて、下記
の条件で乾燥被膜の軟化(流動開始)温度を測定するこ
とにより求める。
【0021】 ダイス:1mmφ×10mmL 荷重:10kg ホールドタイム:10分 これらの高分子化合物は、その塗布方法に応じて、適当
な粘度となるように、適度な濃度で水、溶剤に分散、溶
解させて、塗料とする。この場合、多孔質ポリウレタン
層の露出開口表面を侵すような溶剤、例えばジメチルホ
ルムアミドなどは、できるだけ少なくするのが好まし
い。
【0022】塗料の塗布方法は、従来公知のグラビア塗
布、スプレー塗布、リバースコーター塗布等が適用でき
る。グラビア塗装を行う場合には、プリント柄を有する
グラビアロールも使用することができる。特に、多孔質
ポリウレタン層の色と異なる色の塗料をプリント柄を有
するグラビアロールで塗布すると、ヌバック調の外観品
位を更に向上させることが出来る。
【0023】塗料の高分子化合物の軟化温度が高い場合
は、多孔質ポリウレタン層の多孔開口部表面に塗料を被
膜状に塗布するのが好ましく、逆に軟化温度が低い場合
は、塗料を多孔質ポリウレタン層に浸透させることが好
ましい。
【0024】高分子化合物の軟化温度が高い塗料を多孔
質ポリウレタン層に浸透させると、加熱加圧しても開口
部の開口径が小さくなり難く、適度のむら感、表面平滑
性が得られ難くなる。一方、高分子化合物の軟化温度が
低い塗料を、多孔質ポリウレタン層の多孔開口部表面に
被膜状に塗布すると、加熱加圧処理時に、塗料が鏡面又
は梨地面に付着して、加工処理が困難になる。塗料の付
着を防ごうとして、加熱温度を下げると、満足な表面平
滑性が得られ難くなる。
【0025】軟化点温度の高い高分子化合物からなる塗
料を、多孔質ポリウレタン層の表面に膜状に塗布するた
めの手段としては、塗料の粘度を上げるほか、グラビア
塗装では印圧を低く押さえるなどの方法がある。また、
軟化温度の低い塗料を多孔質ポリウレタン層に浸透させ
る手段としては、上記の方法と逆の方法が考えられるほ
か、塗料を塗布した後、熱処理や加熱加圧処理により塗
料を浸透させることもできる。
【0026】このように、高分子化合物を主成分とする
塗料を塗布した後、その表面を鏡面又は梨地面と接触さ
せ、加熱加圧する。鏡面又は梨地面としては、ロール、
フィルム、板等の表面が利用されるが、特にロールを用
いるのが好ましい。。
【0027】加熱加圧処理における加熱温度は、塗料の
高分子化合物の軟化温度よりも高く、多孔質ポリウレタ
ン層を形成するポリウレタンの軟化温度よりも低いこと
が必要である。加熱温度が高すぎると、多孔質ポリウレ
タン層が軟化圧縮されて、密度が高くなり、風合いが損
なわれ、さらには、塗料が鏡面又は梨地面に付着し、加
工処理が困難になる。逆に、加熱温度が低すぎると、満
足な表面平滑性が得られず、天然ヌバックの優雅な外観
を実現することができない。加熱温度の好ましい範囲
は、塗料の高分子化合物の軟化温度+10℃〜多孔質ポリ
ウレタン層のポリウレタンの軟化温度−20℃である。
【0028】
【作用】本発明方法により、意匠外観の優れたヌバック
調人工皮革が得られる理由は、次の通りであると考えら
れる。
【0029】即ち、繊維質あるいは繊維質と高分子弾性
体とからなる基体の片面に、適度な厚さの多孔質ポリウ
レタン層を形成し、その表面を研削して、孔を露出開口
させることにより、光の反射を防止し、深みのある色と
マット調の外観が得られる。
【0030】次いで、その上に、高分子化合物を主成分
とする塗料を適量塗布した後、鏡面又は梨地面に接触さ
せて加熱加圧することによって、塗料が付着している部
分は、塗料と加熱加圧により開口部の開口径が小さくな
り、更に、表面の非開口部が鏡面又は梨地面を忠実に再
現し、全体的に面が平滑化することになる。また、塗料
が付着していない部分は、加熱加圧を行っても開口部
は、その径が若干変化するものの、そのまま残ることに
なる。その結果、この開口程度の差が適当なむら感とな
って、うぶ毛調の外観に優れたヌバック調人工皮革を与
えることになる。
【0031】特に、塗料の主成分である高分子化合物の
軟化温度よりも高く、多孔質ポリウレタン層の軟化温度
よりも低い温度で加熱加圧するから、塗料が軟化して、
上記のような理由により、うぶ毛調の優れた外観となる
と共に、多孔質ポリウレタン層が軟化圧縮されて密度が
高くなることがほとんどなく、風合いが損なわれるよう
なこともない。
【0032】
【実施例】以下実施例により、本発明を更に詳しく説明
する。なお、実施例中の「部」、「%」は、いずれも重
量基準である。
【0033】[実施例1]目付300g/m3 、厚さ
1.0mmのポリエステル繊維不織布に、黒色ポリウレ
タン[クリスボンTF50PとTF100P(いずれも
大日本インキ化学工業(株)製)を7/3の比率で混合
したものに黒色顔料ダイラックL―3040黒(大日本
インキ化学工業(株))を添加、軟化温度185℃]の
ジメチルホルムアミド溶液(濃度13%)を含浸させ、
基体を作成した。この基体の片面に、上記黒色ポリウレ
タン溶液(濃度20%)を、650g/m2 の付着量と
なるように塗布した後、水浸凝固、水洗、乾燥して、厚
さ280μmの多孔質ポリウレタン層を形成した。
【0034】次に、この多孔質ポリウレタン層に、17
0℃に加熱した毛穴調の柄の加熱ロールで柄付けを施し
た後、200メッシュのサンドペーパーをロールに巻き
付けた研削機で多孔質ポリウレタン層の凸部を研削し
て、多孔質ポリウレタン層の孔を開口させた。露出開口
された孔の直径は、20〜60μmであった。
【0035】その表面に、プリント柄を有するグラビア
ロールを用いて、グラビア塗布機で下記組成の塗料を、
固形分として0.6g/m2 塗布した。この塗料から得
られるポリウレタン被膜は、軟化温度が170℃と高い
のでグラビア塗布機の印圧を低くして、表面に塗布し、
120℃で乾燥して被膜を形成させた。
【0036】 塗料組成 クリスボンNY―361(ポリウレタン、大日本インキ化学工業(株)製) 140部 ハウラックA―1008(ポリウレタン、大日本インキ化学工業(株)製) 50部 ハウラックA―1361黒(黒色顔料のポリウレタンマスターバッチ、大日本イ ンキ化学工業(株)製) 60部 イソプロピルアルコール 100部 トルエン 80部 ジメチルホルムアミド 20部 主成分高分子化合物(ポリウレタン)の軟化温度は170℃ 次いで、塗料塗布面を、鏡面を有する加熱加圧ロールを
用いて、175℃で加熱加圧を行った。
【0037】得られた人工皮革は、塗料の付着している
部分が、塗料と加熱加圧により開口部の開口径が小さく
なり、更に、表面の非開口部が、ロール等の面を忠実に
再現し、全体的に面が平滑化されており、また、塗料の
付着していない部分は加熱加圧を行っても、開口部の径
が若干変化しているものの、開口部はそのまま残り、こ
の開口程度の差が適度なむら感となって、うぶ毛調の感
覚を持った外観の優れたヌバック調の人工皮革が得られ
た。
【0038】[実施例2]実施例1において、研削によ
り孔を開口させた多孔質ポリウレタン層に、下記組成の
塗料を固形分として1.2g/m2 塗布した。この塗料
から得られるポリウレタン被膜は、軟化温度が150℃
と低いので、実施例1のように、多孔質ポリウレアタン
層表面に塗布して加熱加圧すると、塗料が加熱加圧ロー
ルに付着して、加工が困難となるため、塗料塗布面を鏡
面加熱加圧ロールにより120℃で加熱加圧して、塗料
を多孔質ポリウレタン層内に浸透させた後、鏡面を有す
る加熱加圧ロールを用いて、177℃で加熱加圧を行っ
た。
【0039】 塗料組成 クリスボンNY―333(ポリウレタン大日本インキ化学工業(株)製) 60部 ハウラックX―4287黒(黒色ポリマー微粒子のポリウレタンマスターバッチ 、大日本インキ化学工業(株)製) 250部 ハウラックA―1361黒(黒色顔料のポリウレタンマスターバッチ、大日本イ ンキ化学工業(株)製) 45部 イソプロピルアルコール 38部 トルエン 55部 ジメチルホルムアミド 30部 主成分高分子化合物(ポリウレタン)の軟化温度は150℃ 得られた人工皮革は、開口部の開口径が小さくなり、全
体的に平滑化された面と、開口部が残った面とが混在
し、この開口程度の差が適度なむら感となって、うぶ毛
調の感覚を持った外観の優れたヌバック調の人工皮革が
得られた。
【0040】[実施例3]目付280g/m3 、厚さ
0.9mmのポリエステル繊維不織布に、茶色ポリウレ
タン[クリスボンTF50PとTF100P(いずれも
大日本インキ化学工業(株)製)を7/3の比率で混合
したものに、顔料ダイラックL―6832黒、L―30
60黄及びL―3070赤(いずれも大日本インキ化学
工業(株)製)を添加、軟化温度185℃]のジメチル
ホルムアミド溶液(濃度13%)を含浸させ、基体を作
成した。この基体の片面に、上記茶色ポリウレタン溶液
(濃度20%)を、600g/m2 の付着量となるよう
に塗布した後、水浸凝固、水洗、乾燥して、厚さ255
μmの茶色の多孔質ポリウレタン層を形成した。
【0041】次に、この多孔質ポリウレタン層に、17
0℃に加熱した毛穴調の柄の加熱ロールで柄付けを施し
た後、200メッシュのサンドペーパーをロールに巻き
付けた研削機で多孔質層の凸部を研削して多孔質層の孔
を開口させた。露出開口された孔の直径は、20〜60μm
であった。
【0042】その表面に、200メッシュのグラビアロ
ールで下記塗料を固形分として2.0g/m2塗布し、
120℃で乾燥した後、更に、その表面にプリント柄を
有するグラビアロールを用いて、グラビア塗布機で実施
例1において用いた黒色の塗料を、固形分として1.2
g/m2 塗布し、120℃で乾燥して被膜を形成させ
た。
【0043】 塗料組成 ハウラックA―1003(ポリウレタン、大日本インキ化学工業(株)製) 90部 ハウラックA―1008(ポリウレタン、大日本インキ化学工業(株)製) 20部 ハウラックA―1361黒(黒色顔料のポリウレタンマスターバッチ、大日本イ ンキ化学工業(株)製) 10部 ハウラックA―1274赤(赤色顔料のポリウレタンマスターバッチ、大日本イ ンキ化学工業(株)製) 5部 ハウラックA―5654黄(黄色顔料のポリウレタンマスターバッチ、大日本イ ンキ化学工業(株)製) 25部 イソプロピルアルコール 80部 トルエン 64部 ジメチルホルムアミド 16部 主成分高分子化合物(ポリウレタン)の軟化温度は155℃ 次いで、塗料塗布面を、梨地面を有する加熱加圧ロール
を用いて、168℃で加熱加圧した。
【0044】得られた人工皮革は、塗料の付着している
部分が、塗料と加熱加圧により開口部の開口径が小さく
なり、更に表面の非開口部が、ロール等の面を忠実に再
現し、全体的に面が平滑化されており、また、塗料の付
着していない部分は加熱加圧を行っても、開口部の径が
若干変化しているものの、開口部はそのまま残り、この
開口程度の差が適度なむら感となって、うぶ毛調の感覚
を与え、更に、基体の片面に形成した多孔質ポリウレタ
ン層及びその上に塗布した塗料と、最後に塗布した塗料
とは、色が異なるため、グラビアロールのプリント柄も
加わって、より一層、外観の優れたヌバック調の人工皮
革が得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ヌバックタイプ天然皮
革の優雅さに近い外観を有する新規なヌバック調人工皮
革を安価に製造することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 3/00 - 3/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質あるいは繊維質と高分子弾性体と
    からなる基体の片面に、厚さが50〜400μmの多孔
    質ポリウレタン層を形成し、該表面を研削して孔を露出
    開口せしめ、その上に、高分子化合物を主成分とする塗
    料を、固形分として0.2〜10g/m2 塗布した後、
    その表面を鏡面又は梨地面に接触させて、該塗料の高分
    子化合物の軟化温度よりも高く、該多孔質ポリウレタン
    層を形成するポリウレタンの軟化温度より低い温度で加
    熱加圧することを特徴とする意匠外観の優れたヌバック
    調人工皮革の製造方法。
  2. 【請求項2】 塗料の主成分である高分子化合物の軟化
    温度が、多孔質ポリウレタン層のポリウレタンの軟化温
    度よりも5℃〜50℃低いことを特徴とする請求項1記
    載の意匠外観の優れたヌバック調人工皮革の製造方法。
  3. 【請求項3】 塗料の主成分である高分子化合物が、ポ
    リウレタンである請求項1又は2記載の意匠外観の優れ
    たヌバック調人工皮革の製造方法。
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