JP3061310B2 - 火災警報装置 - Google Patents

火災警報装置

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JP3061310B2
JP3061310B2 JP3335053A JP33505391A JP3061310B2 JP 3061310 B2 JP3061310 B2 JP 3061310B2 JP 3335053 A JP3335053 A JP 3335053A JP 33505391 A JP33505391 A JP 33505391A JP 3061310 B2 JP3061310 B2 JP 3061310B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、煙、熱、ガス、臭い等
の火災現象の物理量に関する検出情報及び/または部屋
の大きさや人数、周囲温度等の環境情報に基づいて火災
確度や危険度等の少なくとも1つの火災情報を得るため
の火災警報装置に関するものである。
【0002】
【従来技術及び問題点】火災を検出するための種々の方
法がある。例えば一番単純な方法としてセンサ・レベル
すなわち火災感知器の検出情報により火災判定を行う場
合を考えると、センサ・レベルが或る所定のレベルを超
えた場合に火災信号を出力するようにしている。この場
合に火災感知器から出力される火災信号は、所定のレベ
ルを超えているか否かにより一義的に決定されるもので
あり、種々の環境条件を充分に考慮したものとは言い難
い。また、火災感知器からの検出情報に加うるに、環境
情報をも収集し、それら検出情報並びに環境情報から総
合的に火災判定するようにすることも考えられてはいる
が、あいまいな環境情報をも考慮して充分に信頼性のお
ける火災信号を得るには至っておらず、人間の感覚から
すると、火災信号がオンであっても必ずしも火災である
と断定できない場合が多々ある。
【0003】このような問題を解決するため本件出願人
によりなる特開平2−195495号公報には、いわゆ
るファジー推論を使用して、環境情報をも含め収集され
た情報を従来行われていたよりも一層信頼性のある方法
で処理することにより、より確実な火災判定を行うよう
にした火災警報装置が示されている。すなわち、該火災
警報装置では、火災現象に係わる種々の収集情報、並び
に該収集情報からの加工情報を得、該得られた収集情報
及び加工情報の各々ごとに火災情報に対する関数を定義
しておくと共に、該関数を用いて行われるべき少なくと
も1つの処理のルールを定義しておき、該各処理のルー
ル並びに該各処理のルールに用いられる対応の各関数に
基づいて、前記得られた情報の処理を行って、各処理の
ルールごとの関数値を得、得られた関数値の重心を求め
ることにより火災情報を得るようにしている。得られた
火災情報は例えば基準値等と比較される等して火災発生
の有無が判断される。
【0004】このような火災警報装置においては、得ら
れた関数値は有効に総合判断されるので、精度の高い火
災情報が得られ、従って良好な火災監視を行うことが可
能である。しかしながら、使用される処理のルールは、
情報の収集を行う火災センサや環境センサ等、また、情
報の加工を行う演算回路等があくまで正常であると仮定
して作られている。従って、センサ等が故障して間違っ
た情報が送られてきた場合にも、処理のルールはその情
報をも加味して総合的に推論を行ってしまい、誤った推
論結果を出力してしまうこととなる。
【0005】
【問題点を解決するための手段】従って、本発明の目的
は、ファジー推論を使用して火災確度等の火災情報を作
成している火災警報装置において、推論を行う際に、故
障したセンサ等から得られた情報を用いないようにする
ことである。
【0006】このため、本発明によれば、火災現象に係
わる種々の収集情報、並びに該収集情報からの加工情報
を得るための情報取得手段と、該情報取得手段により得
られる各情報ごとに火災情報に対する関数を定義してお
くと共に、該関数を用いて行われるべき少なくとも1つ
の処理のルールを定義しておく定義手段と、前記各処理
のルール並びに該各処理のルールに用いられる対応の前
記各関数に基づいて、前記情報取得手段により得られた
情報の処理を行って、各処理のルールごとの関数値を
得、得られた関数値を総合的に処理して前記火災情報を
得る処理手段と、を備えた火災警報装置において、前記
情報取得手段の異常もしくは故障を検知するための異常
検知手段と、該異常検知手段からの情報により、異常の
ある前記情報取得手段からの収集情報及び加工情報を使
用するすべての処理のルールを記憶する異常ルール記憶
手段と、を備え、前記処理手段は、総合的に処理して前
記火災情報を得る際に、前記異常ルール記憶手段に記憶
されている処理のルールから得られた関数値を除外する
ようにしたことを特徴とする火災警報装置が提供され
る。
【0007】
【作用】異常検知手段により検知された異常のある情報
取得手段からの収集情報並びに加工情報を使用するすべ
ての処理のルールを記憶し、処理手段が処理を行う際に
該記憶された処理のルールから得られた関数値を除外す
るようにしたので、誤った情報は用いられることなく、
信頼性の高い火災確度や危険度等の火災情報が得られ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
図1は、各火災感知器で検出された火災現象に基づくア
ナログ物理量のセンサ・レベルを火災受信機REや中継
器等の受信手段に送出し、該受信手段では収集されたセ
ンサ・レベルに基づいて火災判断を行ういわゆるアナロ
グ式の火災警報装置に本発明を適用した場合のブロック
回路図である。もちろん、本発明は各火災感知器側で火
災判断を行い、その結果だけを受信手段に送出するオン
・オフ式の火災警報装置にも適用可能なものである。
【0009】図1において、REは火災受信機、DE1
〜DEN は、例えば一対の電源兼信号線のような伝送ラ
インL1を介して火災受信機REに接続されるN個のア
ナログ式の火災感知器であり、その1つ1番火災感知器
DE1 についてのみ内部回路を詳細に示している。
【0010】火災受信機REには、また、伝送ラインL
2を介して換気回数センサAS1〜ASN、並びに伝送ラ
インL3を介して人数センサMS1〜MSNが接続されて
示されている。これら換気回数センサや人数センサは、
例えば部屋ごと等に配置されており、各火災感知器対応
に設けられていたり、いくつかの火災感知器につき1つ
というように配置されたりしており、各火災感知器が換
気回数センサ及び人数センサのいずれに関連しているか
が対応表等で分かるようになっている。図1には1番火
災感知器DE1 に関連する換気回数センサAS1 及び人
数センサMS1のみが内部回路を詳細に示されている。
【0011】火災受信機REにおいて、MPU1は、マ
イクロプロセッサ、ROM11は、後述する本発明の動
作に関係したプログラムを格納したプログラム記憶領
域、ROM12は、個別ルール用の記憶領域、ROM1
3は、個別ルールの定義関数、すなわちセンサ・レベル
SLV に対する定義関数、積分値に対する定義関数、時
刻に対する定義関数等の種々の定義関数を格納した定義
関数の記憶領域、RAM11は、各火災感知器ごとに収
集したセンサ・レベルを格納するための各火災感知器ご
との領域を含む、センサ・レベル用の記憶領域であり、
後述する差分値を求めるために、各火災感知器から複数
回に渡って収集される複数のセンサ・レベルが各火災感
知器ごとに記憶される。RAM12は、積分値用の記憶
領域、RAM13は、使用するルール数の記憶領域、 RAM14は、合計の定義関数値の記憶領域、 RAM15は、作業用領域、RAM16は、ルールの関
数値用の記憶領域、RAM17は、センサ異常FLAG
用の記憶領域、RAM18は、火災時の総合値用の記憶
領域、DPは、CRT等の表示器、OPは、操作部、C
Lは、時計、TRX11は、火災受信機REに火災感知
器DE1〜DEN を接続する、直・並列変換器や並・直
列変換器等で構成される信号送受信部、TRX12は、
前述の換気回数センサAS1〜ASNを接続するための信
号送受信部、TRX13は、前述の人数センサMS1
MSNを接続するための信号送受信部、TRX14は、
前述の時計CLを接続するための信号送受信部、IF1
1〜IF16は、インターフェース、である。
【0012】また、火災感知器DE1 において、MPU
2は、マイクロプロセッサ、ROM21は、プログラム
の記憶領域、ROM22は、自己アドレスの記憶領域、
RAM21は、作業用領域、FSは、火災現象に基づく
熱、煙、ガスあるいは臭い等のいずれかの物理量を検出
する火災現象検出手段であり、図示しないが、増幅器、
サンプルホールド回路、アナログ・ディジタル変換器等
を有している。 TRX21は、TRX11と同様の信号送受信部、 ED2は、例えば、火災現象検出手段FSの汚れやノイ
ズレベルを監視しているセンサ異常検知部、IF21〜
IF23は、インターフェース、である。
【0013】また、換気回数センサAS1において、M
PU3は、マイクロプロセッサ、ROM31は、プログ
ラムの記憶領域、ROM32は、自己アドレスの記憶領
域、RAM31は、作業用領域、SE3は、空調装置の
動作を把握するための換気回数検出手段であり、図示し
ないが、例えばファンの回転数を検出するための電磁誘
導素子や、FSと同様の構成を有している。TRX31
は、TRX11と同様の信号送受信部、ED3は、例え
ば、該電磁誘導素子に決まった回転数を与えたときに得
られる電流値を定期的に試験するセンサ異常検知部、I
F31〜IF33は、インターフェース、である。更
に、人数センサMS1において、MPU4は、マイクロ
プロセッサ、ROM41は、プログラムの記憶領域、R
OM42は、自己アドレスの記憶領域、RAM41は、
作業用領域、SE4は、部屋の人数を係数するための人
数検出手段であり、図示しないが、例えば赤外線検出素
子や、FSと同様の構成を有している。TRX41は、
TRX11と同様の信号送受信部、FD4は、例えば、
該赤外線検出素子に対してパルス的に発光し計数させる
LEDなどによるセンサ異常検知部、IF41〜IF4
3は、インターフェース、である。また、図示しない
が、時計CLにも、定期的に所定間隔でデータをとり、
その所定間隔とデータのずれを検出するような異常検知
手段が設けられている。また、上記各部の異常検知手段
には種々のものが採用可能であり、複数項目を異常の対
象としてもよい。
【0014】火災受信機RE内の定義関数用の記憶領域
ROM13には、図2の(a)〜(f)に例が示されている
ような種々の定義関数が式もしくはテーブルの態様で格
納されており、図2の(a)〜(f)の例では、種々の取得
情報すなわち入力情報(横軸)に対する火災情報(縦軸)と
しての火災確度が示されている。
【0015】図2の(a)には、入力情報としての火災現
象検出用センサ部FSからのセンサ・レベル SLV に対
する定義関数F1(SLV)すなわち火災確度が0〜1の値で
示されており、図2の(b)には、センサ・レベルが所定
のレベル LV1 を超えてからの時間 tに対する火災確度
の定義関数F2(t)が示されており、図2の(c)には、セ
ンサ・レベルの差分値△SLV に対する火災確度の定義関
数F3(△SLV)が示されており、図2の(d)には、センサ
・レベルの積分値ΣSLV に対する火災確度の定義関数F
4(ΣSLV)が示されており、図2の(e)には、換気回数/
時が火災判断値に影響を与える場合に、環境情報として
の換気回数 k/時に対する火災確度の定義関数F5(k)が
示されており、そして図2の(f)には、環境情報として
例えば室内の人数 p に対する火災確度の定義関数F
6(p)が示されている。
【0016】定義関数の記憶領域ROM13には、その
他種々の定義関数が格納されることができ、必要に応じ
て取り出して用いられ得る。
【0017】火災受信機RE内の個別ルール用の記憶領
域ROM12には、各火災感知器ごとに行われるべき処
理のルールの内容並びに該ルールに用いられる定義関数
のアドレスが記憶されている。各処理のルールとは、1
つまたは2つ以上の種類の取得情報が与えられたとき
に、得られるべき出力情報との関係を定義したものであ
る。例えば、1つの種類の取得情報が与えられたとき
に、得られるべき出力情報との関係を定義した処理のル
ールの例としては、例えば、以下に示すようなルール a
〜f がある。
【0018】ルール a: センサ・レベル SLV =Xなら
ば、火災情報としての火災確度F1(X)であるべきであ
り、記憶領域ROM13内のアドレスAD1 から始まる
定義関数を用いて火災情報としての火災確度の決定が行
われる。ルール b: センサ・レベル SLV が所定のレベル LV1
超えてからの時間 t =Tならば、火災確度F2(T)であ
るべきであり、記憶領域ROM13内のアドレスAD2
から始まる定義関数を用いて火災情報としての火災確度
の決定が行われる。ルール c: センサ・レベル SLV の一定時間の差分値△S
LV =Yならば、火災確度F3(Y)であるべきであり、記
憶領域ROM13内のアドレスAD3 から始まる定義関
数を用いて火災情報としての火災確度の決定が行われ
る。ルール d: センサ・レベル SLV の所定のレベル LV1
超えてからの積分値がΣSLVならば、火災確度F4(M)で
あるべきであり、記憶領域ROM13内のアドレスAD
4 から始まる定義関数を用いて火災情報としての火災確
度の決定が行われる。ルール e: 火災感知器の設置されている室の換気回数 k
(/時)=Kならば、火災確度F5(K)であるべきであ
り、記憶領域ROM13内のアドレスAD5 から始まる
定義関数を用いて火災情報として火災確度の決定が行わ
れる。ルール f: 火災感知器の設置されている室の人数p=P
ならば、火災確度F6(P)であるべきであり、記憶領域
ROM13内のアドレスAD6 から始まる定義関数を用
いて火災情報としての火災確度の決定が行われる。 等である。
【0019】以上説明した処理のルールは、各火災感知
器ごとに1つまたは2つ以上が定義されて、記憶領域R
OM12内の各火災感知器用領域に格納されている。例
えば1番火災感知器DE1 に対して上述のルール a、
b、d、e で説明したルールが用いられるものとすれ
ば、記憶領域ROM12内の1番火災感知器DE1 用領
域にはルールa、b、d、e が格納されており、記憶
領域ROM11に格納された後述のプログラムは、該ル
ールに基づき、記憶領域ROM13に格納された図2の
定義関数を用いて、各ルールごとの出力情報F1(SLV)、
2(T)、F4(ΣSLV)、F5(K) を得る。
【0020】記憶領域RAM17内には、各ルールごと
にセンサ異常フラグを記憶するための領域が設けられて
おり、該領域にセンサ異常フラグが立っているすなわち
1にセットされている場合は、該ルールが用いる情報を
収集するためのセンサ等が異常であり、従って当該ルー
ルは用いられるべきでないことを示し、セット異常フラ
グが立っていないすなわち0にセットされている場合
は、該ルールが用いる情報を収集するためのセンサ等が
正常であり、従って当該ルールは用いられるべきである
ことを示す。これらフラグは、該当のセンサ等から情報
を収集した際に同時に該センサが異常であるか否かに関
する情報をも収集し、異常である場合には、該情報を用
いるルールのすべてに対してセンサ異常フラグを1にセ
ットするものである。
【0021】従って、各ルールごとの出力情報が求めら
れると、記憶領域RAM17内の1番火災感知器DE1
の領域に記憶されている各ルールごとのセンサ異常フラ
グに基づいて、用いられるべきものとされた出力情報の
平均を求める操作を行う。この平均を求める操作とし
て、本実施例では、センサ異常フラグの立っていないル
ールごとに得られた定義関数値の合計値を、立っていな
いセンサ異常フラグ数で割るようにしている。例えば、
ルールa、b、d、eのすべてについてフラグが立って
いなければ、
【0022】
【数1】F={F1(SLV)+F2(T)+F4(ΣSLV)+F5(K)}/4
【0023】eについてフラグが立っており、a、b、
dについてはフラグが立っていなければ、
【0024】
【数2】F={F1(SLV)+F2(T)+F4(ΣSLV)}/3
【0025】このようにして求められた定義関数の平均
値Fが火災情報、すなわち本実施例では火災確度を表わ
すこととなり、該火災確度は、基準値等と比較されて火
災発生か否かの判断が行われる。
【0026】以下、火災受信機RE側の動作を示す図3
及び図4のフローチャート、並びに火災感知器側の動作
を示す図5のフローチャートをも用いて図1の動作を説
明する。
【0027】火災受信機REは1〜N番の火災感知器D
1〜DEN から順番にデータを収集して信号処理を行
っていく。以下、1番火災感知器DE1 に関する信号処
理について説明する。火災受信機REが1番火災感知器
DE1に対してデータ返送命令を送出し、該データ返送
命令が1番火災感知器DE1で受信されると(図5のス
テップ202のY)、インターフェースIF23より異
常有りか否かが判断され、異常無しと判断された場合に
は(ステップ204のN)、インターフェースIF21
を介して火災現象検出用センサ部FSからセンサ・レベ
ル SLV を読込み(ステップ206)、記憶領域ROM2
2から自己アドレスを読込み(ステップ208)、イン
ターフェースIF22に、センサ・レベル SLV と自己
アドレスを送信データとしてセットして信号送受信部T
RX21から伝送する(ステップ212)。また、異常
有りと判断された場合には(ステップ204のY)、セ
ンサ異常検知部EDからの異常信号と記憶領域ROM2
2からの自己アドレスとを読込み(ステップ210)、
同じくインターフェースIF22にそれらを送信データ
としてセットして信号送受信部TRX21から伝送する
(ステップ212)。
【0028】火災受信機REでは、1番火災感知器DE
1 にデータ収集命令を送出した後、該1番火災感知器D
1から送信されたデータが返送されてくると、該返送
データを読込む(ステップ106)。該返送データがセ
ンサ異常検知部DEからの異常信号であった場合(ステ
ップ108のY)、または、火災現象検出用センサ部F
Sからのセンサ・レベル SLV1 であっても所定のレベル
の LV1 より小さい場合には(ステップ112のN)、該
1番火災感知器DE1のためのさらなる信号処理動作は
行われず、センサ・レベル SLV が所定のレベル LV1
上である時間を計数するための変数T1がクリアされた
後(ステップ110)、次の火災感知器DE2のための信
号処理動作に行く(ステップ172のN、ステップ10
4)。
【0029】返送データが1番火災感知器DE1 におけ
る火災現象検出用センサ部FSからのセンサ・レベル S
LV1 であって所定のレベル LV1 以上であるならば(ス
テップ112のY)、センサ・レベル SLV1 が所定のレ
ベル LV1 以上である時間を計数するための変数T1
1つ増分されると共に(ステップ114)、該センサ・
レベル SLV1 がセンサ・レベル用の記憶領域RAM11
に格納され(ステップ116)、その後、1番火災感知
器DE1 のための信号処理動作が続けられていく。
【0030】まず、信号処理動作を行うために用いられ
る情報を得るための収集及び/または演算動作が行われ
る。本実施例の場合、説明のために、信号処理動作用の
情報として、前述の変数T1の演算(ステップ114)
に加うるに、センサ・レベルSLV1 の差分値△SLV(ステ
ップ118)、並びにセンサ・レベル SLV1 が所定のレ
ベル LV1 を超えてからの積分値ΣSLV(ステップ12
0)が演算される。
【0031】さらに信号送受信部TRX14及びインタ
ーフェースIF13を介して時計CLから時刻Time が
読込まれると同時に(ステップ122)、図示しない異
常検知手段により該時計CLに異常が有るか否かが判定
され、異常が有る場合には(ステップ124のY)、時
刻Time 情報を用いるルールのための記憶領域RAM1
7内の領域に(図6参照)センサ異常フラグFLAGが
セットされる(ステップ126)。本実施例の場合、時
刻Time情報を用いたルールはルールbであり、従って
図6のルールbのフラグが1にセットされる。
【0032】また、ルールeに用いるための情報すなわ
ち換気回数Kが、信号送受信部TRX12及びインター
フェースIF14を介して1番火災感知器DE1に関連
の換気回数センサAS1から読込まれ(ステップ12
8)、そのときに、1番火災感知器DE1の場合のよう
に、環境情報または異常信号が伝送されてくるので、そ
の信号が異常である場合には(ステップ130のY)、
換気回数Kの情報を用いるルールのための記憶領域RA
M17内の領域、すなわち図6のルールeの領域にセン
サ異常フラグFLAGがセットされる(ステップ13
2)。
【0033】同様に、信号送受信部TRX13及びイン
ターフェースIF15を介して人数センサMS1から1
番火災感知器DE1に関連する室の人数Pが収集され、
(ステップ134)そのときに、1番火災感知器DE1
の場合のように、環境情報または異常信号が伝送されて
くるので、その信号が異常である場合には(ステップ1
36のY)、人数Pの情報を用いるルールのための記憶
領域RAM17内の領域、すなわち図6のルールfの領
域にセンサ異常フラグFLAGがセットされる(ステッ
プ138)。
【0034】なお、異常検知手段による感知器DEや時
計CL、換気回数センサAS1もしくは人体検知器すな
わち人数センサMS1等の異常は、これらのセンサ等の
検出部の自己診断により異常信号を受けるようにしてい
るが、異常となったセンサ等についてテンキー等の操作
部OPから異常の旨を入力するようにしても良い。
【0035】ここに、差分値△SLV は、センサ・レベル
用の記憶領域RAM11に複数が記憶されたセンサ・レ
ベルの内、例えば、今回収集されたセンサ・レベルと先
に収集されたセンサ・レベルとの差を、先と今回の時間
差で除することにより演算される。
【0036】また、積分値ΣSLV の演算は、問題となっ
ている1番火災感知器DE1 から所定レベル LV1 以上
のセンサ・レベル SLV1 が収集されるごとに、前回まで
に積分値用の記憶領域RAM12に格納されている積分
値ΣSLV に、センサ・レベルSLV1 の該所定レベル LV1
以上の値(SLV1−LV1)を加算していくことにより行わ
れ、この加算結果でもって、積分値用の記憶領域RAM
12に格納されている前回までの積分値は更新される。
すなわち、前回までの積分値用の記憶領域RAM12の
内容ΣSLV=(RAM12)は、 (RAM12)+SLV1−LV1 でもって更新される。
【0037】以上の各種情報が収集及び/または演算さ
れてしまうと、まず、個別ルール用の記憶領域ROM1
2から当該1番火災感知器DE1のために必要とされる
処理のルールに関する情報を読出して、それを記憶領域
RAM13に記憶する(ステップ140)。
【0038】具体的には、記憶領域ROM12内の1番
火災感知器DE1 用の領域には、ルール a、b、d、
e に関する詳細情報と、各ルールに用いられる定義関
数の、定義関数用の記憶領域ROM13におけるアドレ
スと、ルール数R=4と、が格納されており、それらは
読出されて、ルール数の記憶領域RAM13に格納され
る(ステップ140)。記憶領域ROM12内に記憶され
た記憶領域ROM13における前記アドレスから、記憶
領域ROM13内における各定義関数の格納場所を知る
ことができる。
【0039】次に、記憶領域RAM13に格納された4
つのルールについて順番に以下の処理を行う。最初にr
=1のルールすなわちルール a についての処理につい
て説明すると、記憶領域ROM12から、定義関数用の
記憶領域ROM13内の、ルール a に対応する図2の
(a)の定義関数の入っている領域の先頭アドレスAD1
読込む(ステップ146)。次に、ルール a に用いる入
力情報の値、すなわちステップ116で記憶領域RAM
11に格納された最新のセンサ・レベル SLV1を先頭ア
ドレスAD1 に加算し、図2の(a)の定義関数の入って
いる領域のAD1+SLV1 番地の内容を読込み、定義関数
値の記憶領域RAM16に格納する(ステップ148)。
この領域のAD1+SLV1番地の内容がセンサ・レベル SL
V1に対する定義関数値すなわち火災確度F1(SLV1)に対
応する。
【0040】前述した通り、記憶領域RAM17には、
図6に示すように各ルールに用いられる情報を収集する
センサ等が正常であるか否かがセンサ異常フラグFLA
Gの形態で記憶されているので、今処理を行ったルール
a に関するセンサ異常フラグFLAGを記憶領域RA
M17から読出し(ステップ150)、それが1であれ
ば(ステップ152のY)、ルール a が処理に用いた情
報は信用できるものではなく、従ってルール a により
得られた定義関数値すなわち火災確度F1(SLV1)は用い
られるべきではなく無視されて、そのまま次のルールの
処理に移る。
【0041】センサ異常フラグFLAGが1でないなら
ば(ステップ152のN)、採用されたルール数を計数
するための変数Trが1つ増分され(ステップ15
4)、すなわちこの場合最初のルールr=1に対するも
のなのでTr=1に設定されると共に、F1(SLV1) の値
が合計の適宜関数値用の記憶領域RAM14に累積記憶
される(ステップ156)。今はr=1の場合を説明し
ているので、該記憶領域RAM14に記憶されるのは今
得られたF1(SLV1) だけである。
【0042】同様にして次のr=2のルール b につい
ての処理を説明すると(ステップ144)、記憶領域R
OM12から、定義関数用の記憶領域ROM13内の、
ルール b に対応する図2の(b)の定義関数の入ってい
る領域の先頭アドレスAD2を読込む(ステップ14
6)。次に、ルール b に用いる入力情報の値、すなわ
ちセンサ・レベル SLV1 が所定のレベル LV1 を超えて
からの時間T1(ステップ114で求められている)を
先頭アドレスAD2 に加算し、図2の(b)の定義関数の
入っている領域のAD2+T1番地の内容すなわち火災確
度F2(T1)を読込んで記憶領域RAM16の領域に格納
し(ステップ148)、記憶領域RAM17から読出され
たルール b のためのセンサ異常フラグFLAGがFL
AG=1ならばF2(T1)は無視され、またFLAG=0
ならば、先に、合計の定義関数値の記憶領域RAM14
に格納されている火災確度F1(SLV1)は、F1(SLV1)+F
2(T1)でもって更新記憶される(ステップ156)と共
に、立っているフラグ数を計数するための変数Trが1
つ増分されてTr=2が得られる(ステップ154)。
【0043】以下、r=3のルール d、及びr=4のル
ール e についても同様に処理が行われ、ステップ12
0及びステップ128で決定されている積分値ΣSLV 及
び換気回数Nに基づいてそれぞれ火災確度F4(ΣSLV)、
5(K)が求められ(ステップ148)、それら火災確度
は記憶領域RAM17から読出されたそれぞれルールd
及びeのためのセンサ異常フラグFLAGが1ならば無
視され、0ならば記憶領域RAM14に格納されている
合計値に加算されて更新記憶され、このようにして最終
的に記憶領域RAM14には、フラグの立っているルー
ルにおけるすべての定義関数値すなわち火災確度の合計
値が格納される。
【0044】このようにして使用ルール a、b、d、e の
すべてについての処理が完了すると(ステップ158の
Y)、使用ルールa、b、d、eに対するセンサ異常フ
ラグFLAGのすべてが0であった場合には、Tr=4
であり、また、記憶領域RAM14に格納された火災確
度の加算値は、
【0045】
【数3】F1(SLV1)+F2(T1)+F4(ΣSLV)+F5(K)
【0046】である。以下フラグがすべてFLAG=0
の場合を説明すると、この加算値は読出されて(ステッ
プ160)、変数Tr=4で除算されて火災確度 Total
として求められ(ステップ162)、除算された火災確
度の値は表示器DPに表示され(ステップ164)、ま
た、適当な基準値Fと比較されて(ステップ166)、
該基準値F以上ならば火災表示を行う等の適当な火災動
作が取られる(ステップ168)。その後、記憶領域RA
M17内のフラグは次の2番火災感知器DE2で用いる
ためにすべてクリアされ、これにて、1番火災感知器D
1に対する信号処理動作は終了する。そして、次の2
番火災感知器DE2 以降の火災感知器に対しても同様の
処理動作が行われて行く(ステップ172のN、並びに
ステップ104)。
【0047】なお、以上の実施例においては、処理のル
ールとしてはルール a〜f を、そして定義関数としては
第2図(a)〜(f)のものを示したが、これはあくまで説明
のためであり、これら処理のルール並びに定義関数の内
容は、用いられる環境に応じて適宜変更され得るのは容
易に理解されよう。
【0048】また、図2の如き種々の定義関数を、他の
情報が得られない場合に使用する関数について複数用意
しておいてもよい。即ち、換気回数/時が火災判断値に
与える影響の定義関数(図2の(e))を複数本分、定
義関数用の記憶領域ROM13に格納しておき、一本は
常時に使用し、その他は人数センサの異常時等に使用す
る。このような他の定義関数には、人数センサが異常の
場合等の換気回数/時が火災判断値に与える影響を考慮
してあり、例えばステップ140において読み出す知識
ルールを選択するときに、まずRAM17内の異常フラ
グの有無をみて選択するものとすれば、最も適した定義
関数を用いて火災判別が可能になる。
【0049】
【発明の効果】以上、本発明によれば、広範囲の取得情
報を考慮して信頼性の高い火災情報を得るために、情報
取得手段により得られる各情報ごとに火災確度のような
火災情報に対する関数を定義しておくと共に、該関数を
用いて行われるべき環境条件に適した処理のルールを適
当に選択してあらかじめ定義しておき、定義された処理
のルールごとに取得情報を処理して関数値を得、得られ
た関数値を総合的に判断するようにした火災警報装置に
おいて、情報取得手段の異常もしくは故障を検知するた
めの異常検知手段を設け、異常である場合には、該情報
取得手段からの取得情報を処理した処理のルールを用い
ないようにしたので、各処理のルールを用いての推論の
信頼性を一層向上させることができ、従って精度の高い
火災確度や危険度等の火災情報が得られるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用した火災警報装置を示
すブロック回路図である。
【図2】本発明の実施例で用いられ得る定義関数の例を
示す図である。
【図3】図1の火災警報装置の火災受信機側の動作を説
明するためのフローチャートである。
【図4】図1の火災警報装置の火災受信機側の動作を説
明するためのフローチャートである。
【図5】図1の火災警報装置の火災感知器側の動作を説
明するためのフローチャートである。
【図6】センサ異常フラグ用の記憶領域RAM17を詳
細に示す図である。
【符号の説明】
RE 火災受信機 MPU1 マイクロプロセッサ ROM11 プログラムの記憶領域 ROM12 個別ルール用の記憶領域 ROM13 定義関数用の記憶領域 RAM11 センサ・レベル用の記憶領域 RAM12 積分値用の記憶領域 RAM13 使用するルール数の記憶領域 RAM14 合計の定義関数値用の記憶領域 RAM15 作業用領域 RAM16 ルール関数値用の記憶領域 RAM17 センサ異常フラグ用の記憶領域 RAM18 火災時のTotal 値の記憶領域 CL 時計 DP 表示器 OP 操作部 DE1〜DEN 火災感知器 AS1〜ASN 換気回数センサ MS1〜MSN 人数センサ FS 火災現象検出手段 ED2、ED3、ED4 センサ異常検知部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火災現象に係わる種々の収集情報、並び
    に該収集情報からの加工情報を得るための情報取得手段
    と、該情報取得手段により得られる各情報ごとに火災情
    報に対する関数を定義しておくと共に、該関数を用いて
    行われるべき少なくとも1つの処理のルールを定義して
    おく定義手段と、前記各処理のルール並びに該各処理の
    ルールに用いられる対応の前記各関数に基づいて、前記
    情報取得手段により得られた情報の処理を行って、各処
    理のルールごとの関数値を得、得られた関数値を総合的
    に処理して前記火災情報を得る処理手段と、を備えた火
    災警報装置において、 前記情報取得手段の異常を検知するための異常検知手段
    と、 該異常検知手段からの情報により、異常のある前記情報
    取得手段からの収集情報及び加工情報を使用するすべて
    の処理のルールを記憶する異常ルール記憶手段と、を備
    え、前記処理手段は、総合的に処理して前記火災情報を
    得る際に、前記異常ルール記憶手段に記憶されている処
    理のルールから得られた関数値を除外するようにしたこ
    とを特徴とする火災警報装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101614482B (zh) * 2009-07-24 2012-07-04 莱芜钢铁集团有限公司 一种用于rh精炼炉浸渍管的变径气体喷射管及制造方法

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