JP3059571B2 - 走行性の良いフォーム用紙 - Google Patents

走行性の良いフォーム用紙

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JP3059571B2
JP3059571B2 JP4051929A JP5192992A JP3059571B2 JP 3059571 B2 JP3059571 B2 JP 3059571B2 JP 4051929 A JP4051929 A JP 4051929A JP 5192992 A JP5192992 A JP 5192992A JP 3059571 B2 JP3059571 B2 JP 3059571B2
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明正 村瀬
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォーム印刷機による
作業での印刷工程およびミシン目・パンチ穴あけ工程を
通して、折りたたまれ堆積された状態で連続的に送り出
される用紙の作業台上での滑りを防止して、円滑な箱詰
め作業を可能にした走行性の良いフォーム用紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】フォーム印刷機による作業の中での最終
工程にあたる箱詰め作業が円滑に行なわれる様にするた
めに、連続的に折りたたまれ堆積された状態の用紙の作
業台上での滑り抑制を主眼とする技術の報告は他に例を
みない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的なフォーム印刷
機は、給紙部に続いてテンション調節部・印刷工程・ミ
シン目パンチ穴あけの工程・折り工程を経て人力による
紙さばき・箱詰めという一連の工程がとられている。
(以下『フォーム加工』と称す。)この中で特に、ミシ
ン目パンチ穴あけの加工工程では用紙に柔軟性をもたせ
ることがポイントとなり、紙中灰分や密度を考慮にいれ
剛直度本位の設計により抄造された用紙が採用されてい
る。また、ギヤ目不良の発生が無く、給紙部ではバタツ
キと称されている用紙のあばれの無いことが要求されて
いる。
【0004】しかしながら、フォーム加工最終工程で連
続的に折られ堆積した状態で送りだされている用紙の作
業台上でのすべりに関しては、作業性を著しく低下させ
ているにもかかわらず用紙メーカーへの苦情の対象とし
て表面化されていないのが現状である。このことは、紙
ぞろえ不良やシワ発生につながる重大トラブルになりか
ねないところであるものの、最終工程が人力での作業と
いうことで現実には手で抑えて対応して余計な労力とな
っているのである。本発明は、折りたたまれて堆積され
た用紙の人力による箱詰め作業を円滑に実施できるよう
に、フォーム加工最終工程での作業台上の用紙のすべり
抑制を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、折りたた
まれ堆積されて連続的に送り出される用紙のすべりを抑
制するために、表面サイジング方法や紙料調成部での填
料成分及び配合面から種々の検討を実施した。
【0006】本発明のフォーム用紙は、表面サイジング
としてスチレン系合成サイズ剤を澱粉に対して2〜4重
量%添加した塗被液を使用する。スチレン系合成サイズ
剤の添加量は、澱粉に対して2重量%を下回ると紙表面
での澱粉自体の膜化作用が支配的となり効果が発揮され
ない。また、4重量%を越えると印刷インキのセット性
が悪化することから、品質上好ましくないばかりかコス
ト的にも不合理となる。
【0007】更に、上記の如くの表面サイジング処理と
併せて、填料には全填料の50〜70重量%配合量とし
て、平均粒径が5〜10μmで20μm以上の割合が1
5%以下であるタルクを内添する。タルクを50重量%
以上配合することにより、紙に柔軟性をもたせ、平均粒
径10μm以下で20μm以上の割合が15%以下のタ
ルクを使用して70重量%以内の添加量とすることで印
刷時の版摩耗性の悪化を抑える。平均粒径が10μmよ
り大きいタルクや平均粒径が10μm以下であっても、
20μm以上の割合が15%を越えるタルクを使用する
ことにより、印刷時版摩耗性の悪化が著しく、フォーム
加工作業性の低下を招く。スチレン系合成サイズ剤を使
用する表面サイジングと併せてタルクを填料分とするこ
とは、フォーム加工に要求される基本的な品質を備えた
用紙を提供できるばかりか本発明の主眼とするすべり抑
制の効果をも発揮する。
【0008】本発明のスチレン系合成サイズ剤と併用さ
れる澱粉としてはエステル化澱粉、酸化澱粉等が使用さ
れる。また、これらの混合物の塗布量は紙中繊維重量に
対して0.5〜2.5g/m2が好ましい。
【0009】タルク以外の填料としては、通常抄紙系で
使用される重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、
クレー、カオリン、焼成カオリン、酸化チタン、水酸化
アルミニウム、合成シリケートあるいは有機顔料等をタ
ルクと併用することも可能である。
【0010】本発明におけるフォーム用紙には、通常抄
紙で用いられる添加剤、例えば内添サイズ剤、消泡剤、
スライムコントロール剤、染料、着色顔料、蛍光剤、乾
燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤及び歩留
り向上剤を必要に応じて含ませることができる。
【0011】内添サイズ剤としては、酸性系ではロジン
系サイズ剤、中性系ではアルキルケテンダイマー系サイ
ズ剤やアルケニル無水コハク酸系が好んで使用されるが
特にこれらに限定されるものではない。
【0012】
【作用】上記手段によるフォーム用紙は、表面サイジン
グによりビーズ状のスチレン分子の配列が紙表面に構成
されるのですべりを抑制するように働く。更に、填料と
してタルクを使用しているので、用紙に柔軟性が付与さ
れてフォーム加工作業性が向上し、最終工程での箱詰め
作業が円滑に実施できるようになる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。
【0014】実施例1〜4、比較例1 LBKP100重量%(csf500ml)、内添サイ
ズ(アルキルケテンダイマー)0.05重量%(対パル
プ)、硫酸バンド0.5重量%(対パルプ)の紙料に、
填料として平均粒径7.5μmで20μm以下の割合が
10%のタルクと軽質炭酸カルシウムを1:1の割合で
配合し、紙中灰分が5重量%となる様に添加して坪量6
4g/m2の紙を抄造した。サイズプレスでは、酸化澱粉
濃度15%の表面サイジング液にスチレン系合成サイズ
剤(ハリマ化成(株)製、商品名;ハーサイズKN50
0)を酸化澱粉に対してそれぞれ0.5、1.0、2.
0、4.0、6.0重量%を添加し、得られた塗被液を
サイズプレスにより1.5g/m2となるように塗布し
た。これら得られた用紙について静摩擦力、動摩擦力お
よびRI印刷機を利用して印刷インキの乾き具合いを判
定したインキセット性を評価した。この結果を表1に示
す。表中◎は良、△はやや不良を示す。スチレン系合成
サイズ剤の添加量増に伴い摩擦力が高い値をしめす傾向
となり、すべり抑制に有効であることが認められる。た
だし、添加量が4.0%を越えるとインキのセット性が
悪化し、印刷上のトラブル発生が懸念される。
【0015】
【表1】
【0016】実施例5〜6、比較例2〜 実施例1と同様の紙料を使用し、填料として粒径の異な
るタルクを配合率が10、30、50、70、100重
量%と成るように軽質炭酸カルシウムに配合し、填料の
紙中灰分が5%となるように添加して坪量64g/m2
の紙を抄造した。表面サイジングは酸化澱粉濃度15%
溶液にスチレン系合成サイズ剤を対酸化澱粉3.0重量
%添加した塗被液をサイズプレスにより1.5g/m2
となるように塗布した。得られた用紙についてフォーム
加工テストを実施し、加工適性の評価結果について表2
に示した。表中◎は良、○はやや良、△はやや不良、×
は不良を示す。作業台上での用紙のすべりは認められ
ず、更にタルクを填料として使用することで給紙部での
用紙のバタツキが抑えられ、作業性がより一層向上す
る。しかしながら70重量%以上の添加量とすると印刷
時、版摩耗性が悪化し、印刷工程でのトラブル発生につ
ながる。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明のフォーム用紙は、表面サイジン
グにスチレン系合成サイズ剤を添加した塗被液を使用す
ることによって、フォーム加工最終工程である折られ堆
積されて連続的に送り出される用紙の作業台上でのすべ
りを抑制し、人力による箱詰め作業を円滑に実施するこ
とができる。
【0019】更には、填料としてタルクを配合している
ので用紙に柔軟性が付与され、折り工程、ミシン目・パ
ンチ穴あけ工程での作業が円滑におこなわれるので、最
終工程での人力による箱詰め作業をよりいっそうスムー
ズに実施することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が5〜10μmであり、かつ2
    0μm以上の割合が15%以下であるタルクを全填料の
    50〜70重量%配合して抄造し、表面にはスチレン系
    合成サイズ剤を澱粉に対して2〜4重量%混合した塗被
    液を塗布したことを特徴とする走行性の良いフォーム用
    紙。
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