JP3058535B2 - 電気掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、集塵袋を収納する集塵
室に着脱可能なフィルタを備えた電気掃除機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば図３に示す電気掃除機が知
られている。この電気掃除機は、本体ケース1aと、この
本体ケース1aの開口部を開閉自在に覆う蓋体1bとなどか
らなる掃除機本体１を備え、この掃除機本体１の内部
は、格子孔2aを有する仕切壁２により前後に区画されて
いる。

【０００３】そして、仕切壁２の前側には、本体ケース
1aの開口部に臨んで集塵室３が区画形成され、この集塵
室３に、塵埃を捕獲する集塵袋としてのいわゆる紙パッ
ク４が収納されている。さらに、この集塵室３には、紙
パック４の口枠4aを着脱自在に保持するホルダ５が設け
られている。

【０００４】また、蓋体1bには、前側上方に向かう差込
口６が開口されているとともに、この差込口６の内側に
位置して筒状をなす接続体７が回転自在に取り付けられ
ており、この接続体７に図示しないホースを接続するこ
とにより、このホースが紙パック４の内側に連通するよ
うになっている。

【０００５】一方、仕切壁２の後側には、電動送風機室
８が形成され、この電動送風機室８に、前側を吸気側と
し、後側を排気側とする電動送風機９が収納されてい
る。そして、この電動送風機９を駆動することにより、
ホースの先端部に接続された吸込口体から空気とともに
塵埃が吸引され、塵埃のみが紙パック４内部に捕獲され
る。そして、塵埃とともに吸い込まれた空気は、仕切壁
２の格子孔2aおよび電動送風機９を通り、掃除機本体１
の後側に設けられた排気口1cから外部に排気されるよう
になっている。

【０００６】また、集塵室３と電動送風機室８とを区画
する仕切壁２の前側には、この仕切壁２の格子孔2aを覆
うフィルタ11が着脱可能に取り付けられている。このフ
ィルタ11は、図３および図４に示すように、格子状をな
す枠体12と、この枠体12の後側に嵌合保持された略矩形
板状をなすフィルタ体14とを有している。

【０００７】さらに、この枠体12には、仕切壁２に着脱
可能に係合する係合部14a ，14b が形成されているとと
もに、この枠体12の上端部からは、前側すなわち集塵室
３内側に向かい、さらに上側に向かう断面略Ｌ字状のつ
まみ部15が突設されている。

【０００８】そして、このフィルタ11は、蓋体1bを開口
した状態で、つまみ部15を把持することにより、操作者
により仕切壁２に対して着脱され、フィルタ体14の交換
などを行うことができるようになっている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、集塵室３に面する仕切壁２の前側に取り
付けられたフィルタ11のつまみ部15が、集塵室３の内側
に突出している。また、紙パック４は、折り畳まれた状
態で流通、保管されているため、この紙パック４を集塵
室３に装着する際に、図５に示すように、この紙パック
４の折り畳まれた端部がつまみ部15に乗り上げ易く、紙
パック４を集塵室３に正しく装着する作業が煩雑である
との問題を有している。さらに、紙パック４の端部がつ
まみ部15に乗り上げた状態で蓋体1bを閉塞し、電気掃除
機を使用すると、紙パック４が完全には展開せず、集塵
容量が低下するとの問題を有している。

【００１０】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、集塵袋を集塵室に容易かつ正確に装着できる電気
掃除機を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明の電気掃除機は、
上側を開口した集塵室及び前記開口を開閉可能に覆う蓋
体を備え、前記集塵室内部に前記開口を介して上方より
挿入される集塵袋を着脱可能に収納するとともに、前記
集塵室内部に着脱可能なフィルタを備えた電気掃除機に
おいて、前記フィルタの上端部に、前記集塵室の内側下
方に向かって傾斜した傾斜面部を形成したつまみ部を設
けたものである。

【００１２】

【作用】本発明の電気掃除機では、集塵袋を着脱可能に
収納する集塵室内部に設けたフィルタは、このフィルタ
の上端部に設けたつまみ部を把持して着脱される。そし
て、このつまみ部には、集塵室の内側下方に向かって傾
斜した傾斜面部を形成したので、集塵室に集塵袋をこの
集塵室の上側の開口を介して上方より挿入して装着する
際に、この集塵袋がつまみ部に引っ掛かることがない。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の電気掃除機の一実施例の構成
を図面を参照して説明する。

【００１４】図１において、21は掃除機本体で、この掃
除機本体21は、上側を開口した本体ケース22と、この本
体ケース22の前部上側の開口部を上方から開閉自在に覆
う蓋体23となどから略卵殻形状に構成されている。

【００１５】そして、本体ケース22には、下部前側に旋
回輪24が方向可変かつ回転自在に取り付けられていると
ともに、後部両側に両側一対の従動輪25がそれぞれ回転
自在に取り付けられている。さらに、掃除機本体21の上
部略中央部には、複数の滑車26により上下動可能に支持
された取手27が設けられ、この掃除機本体21を持ち運べ
るようになっている。

【００１６】また、本体ケース22の内部は、格子孔31a
を有する仕切壁（吸気格子部）31により前後に区画さ
れ、この仕切壁31の前側に位置して、本体ケース22の開
口部に臨む集塵室33が区画形成され、この仕切壁31の後
側に位置して、電動送風機室34が区画形成されている。

【００１７】そして、集塵室33には、集塵袋としての紙
パック36が収納されている。また、この紙パック36は、
開口部を形成した口枠36a を備えている。そして、集塵
室33には、本体ケース22の開口部に臨んでホルダ37が設
けられており、このホルダ37に、紙パック36の口枠36a
が着脱自在に保持されている。

【００１８】なお、この紙パック36は、偏平に折り畳ま
れた状態で流通、保管などされる。そして、集塵室33に
装着されて内部に塵埃が貯留されるにつれて、膨脹展開
するようになっている。さらに、この紙パック36は、所
定量の塵埃を内部に貯留した状態で、本体ケース22の開
口部を介して適宜交換されるようになっている。

【００１９】一方、電動送風機室34には、前側を吸気側
とし、後側を排気側とする電動送風機41が収納されてい
る。この電動送風機41は、垂直状の支持壁43，44，45に
よりゴム製の保持部材46，47を介して支持されていると
ともに、周囲が筒状の消音体48で被覆されている。

【００２０】そして、電動送風機室34は、電動送風機41
の吸気側と排気側とが環状をなす前側の保持部材46によ
り気密に仕切られており、電動送風機41の吸気側が仕切
壁31の格子孔31a を介して集塵室33に連通しているとと
もに、電動送風機41の排気側は、本体ケース22の後部に
装着された排気口カバー49の排気口49a を介して外部に
連通されている。

【００２１】また、本体ケース22の上面は、前側から後
側にかけて、蓋体23、取手カバー51、付属品カバー52、
および排気口カバー49により連続的に覆われている。

【００２２】そして、蓋体23は、後端部を支点として回
動自在に支持されているとともに、前側下端部に回動可
能に設けられたクランプ55により、本体ケース22の開口
部近傍に設けた係止部56に係脱可能に係止されており、
このクランプ55を上側へ引き上げることにより、クラン
プ55の係合を解除するとともに蓋体23を上側へ回動して
開口部を開口できるようになっている。

【００２３】また、蓋体23には、前側上方に向かう差込
口61が開口され、この差込口61の後側に筒状の風路板62
が取り付けられているとともに、この風路板62の内側
に、筒状をなす接続体63が回転自在に取り付けられ、こ
の接続体63の内側に、掃除機本体21の外側と集塵室33と
を連通する吸込口64が形成されている。また、差込口61
と吸込口64との間には、差込口61を閉塞する板状のシャ
ッタ65が開閉自在に設けられいる。さらに、この蓋体23
には、複数の発光ダイオードなどを備えた表示板66が設
けられている。

【００２４】また、付属品カバー52は、開閉可能に取り
付けられており、この付属品カバー52の下側に形成され
た付属品収納部67に、つる口68などの付属品が収納され
ている。

【００２５】さらに、集塵室33と電動送風機室34とを区
画する本体ケース22の仕切壁31の上端部からは、後側上
方に向かって傾斜した本体側傾斜面部31b が形成されて
いるとともに、蓋体23の裏面側には、この本体側傾斜面
部31b にほぼ平行状に対向する蓋体側傾斜面部23a が形
成されている。また、この蓋体側傾斜面部23a には、パ
ッキング69が取着されており、蓋体23を閉じた状態で、
このパッキング69が本体側傾斜面部31b に押圧されて密
着し、集塵室33が気密に仕切られているようになってい
る。

【００２６】そして、この仕切壁31の前側には、この仕
切壁31の格子孔31a を覆うフィルタ71が着脱可能に取り
付けられている。このフィルタ71は、いわゆるクリーン
フィルタで、図１および図２に示すように、合成樹脂な
どにて形成された格子状をなす枠体72と、この枠体72の
後側に嵌合保持された略矩形板状をなすフィルタ体73と
を有している。

【００２７】さらに、この枠体72には、仕切壁31に着脱
可能に係合する係合部75，76が形成されているととも
に、この枠体72の上端部には、操作者が把持可能なつま
み部77が形成されている。

【００２８】そして、このつまみ部77は、枠体72とほぼ
同じ厚さ寸法を有し、枠体72の前面側から立ち上げられ
た前壁部77a と、この前壁部77a の上端部に連接し前側
下方に向かって傾斜した傾斜面部77b と、これらの前壁
部77a および傾斜面部77b の両端部に形成された側壁部
77c となどから形成されている。また、傾斜面部77bに
は、後側上方に開口する切欠部77d が形成されている。

【００２９】さらに、この傾斜面部77b は、本体ケース
22の本体側傾斜面部31b に連なるように、すなわち、本
体側傾斜面部31b とほぼ平行状で、かつ、本体側傾斜面
部31b とほぼ面一になるように形成されている。

【００３０】そして、本実施例の電気掃除機によれば、
蓋体23を開いた状態で、つまみ部77を把持することによ
り、集塵室33の内側を介して、仕切壁31の前側にフィル
タ71を容易に脱着し、フィルタ体73の交換、清掃などを
行うことができる。

【００３１】また、フィルタ71のつまみ部77は、従来の
ように集塵室33の内側に向かって前側上方に突出してい
ないとともに、前側下方に傾斜し、かつ、本体ケース22
の本体側傾斜面部31b に連なる傾斜面部77b が形成され
ているため、折り畳まれた紙パック36を集塵室33に装着
する際にも、この紙パック36の端部などがつまみ部77に
引っ掛かることはなく、紙パック36を集塵室33に円滑か
つ正しい状態で装着することができる。そこで、紙パッ
ク36の交換作業などを容易にできるとともに、電気掃除
機を使用する際に紙パック36を円滑に展開膨脹させるこ
とができる。

【００３２】さらに、フィルタ71のつまみ部77は、従来
のように前側に突出していないため、フィルタ71を薄型
化でき、図１に矢印Ａにて示すように、紙パック36を集
塵室33内で最大限まで展開膨脹させ、集塵容量を増加す
ることができる。

【００３３】そして、フィルタ71のつまみ部77は、従来
のように前側に突出していないため、紙パック36が集塵
室33内で膨脹した際にも、紙パック36がつまみ部77に押
し付けられて破れることなどを防止することができる。

【００３４】なお、フィルタ71のつまみ部77は、枠体72
の前側に若干突出する状態で形成することもできる。こ
のように、フィルタ71のつまみ部77を枠体72の前側に若
干突出する状態で形成しても、つまみ部77に前側下方に
向かう傾斜面部77b が形成されていれば、紙パック36が
つまみ部77に引っ掛かることはなく、紙パック36を集塵
室33に円滑に装着することができる。

【００３５】

【発明の効果】本発明の電気掃除機によれば、フィルタ
の上端部に設けたつまみ部に、集塵室の内側下方に向か
って傾斜した傾斜面部を形成したため、集塵室に集塵袋
をこの集塵室の上側の開口を介して上方より挿入して装
着する際に、この集塵袋がつまみ部に引っ掛かることが
なく、集塵室に集塵袋を円滑に装着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気掃除機の一実施例を示す断面図で
ある。

【図２】同上フィルタの斜視図である。

【図３】従来の電気掃除機の断面図である。

【図４】同上フィルタの斜視図である。

【図５】同上紙パックがフィルタに引っ掛かった状態を
示す説明図である。

【符号の説明】23 蓋体 33 集塵室 36 集塵袋としての紙パック 71 フィルタ 77 つまみ部 77b 傾斜面部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上側を開口した集塵室及び前記開口を開
   閉可能に覆う蓋体を備え、前記集塵室内部に前記開口を
   介して上方より挿入される集塵袋を着脱可能に収納する
   とともに、前記集塵室内部に着脱可能なフィルタを備え
   た電気掃除機において、 前記フィルタの上端部に、前記集塵室の内側下方に向か
   って傾斜した傾斜面部を形成したつまみ部を設けたこと
   を特徴とする電気掃除機。